JP2017048074A - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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博一 樋渡
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Abstract

【課題】本発明は、ガラス基板を下方に搬送するロールの劣化を抑制できるガラス基板の製造方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】オーバーフローダウンドロー法により熔融ガラスからガラス基板を成形する成形工程と、成形工程で成形された前記ガラス基板を、少なくとも一対のロールにより挟持しながらガラス基板の幅方向に張力をかけながら下方に搬送する搬送工程と、を備え、ロールのうち、ガラス基板と接触する部分が金属、又は、金属合金を繊維化した部材で構成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス基板に代表される、低歪みおよび高い平坦度、または、小さい反りおよび小さいうねりが求められるガラス基板は、例えば、オーバーフローダウンドロー法によって製造される。オーバーフローダウンドロー法では、成形体に流し込まれてオーバーフローした熔融ガラスが、成形体の表面を伝って流下して成形体の下端の近傍で合流することで、ガラス基板に成形される。成形されたガラス基板は、下方に搬送されながら冷却され、所定のサイズに切断される。切断されたガラス基板は、端面加工工程、表面洗浄工程および検査工程等を経て、梱包されて出荷される。
特許文献1には、オーバーフローダウンドロー法によるガラス基板の製造工程において、成形体の下方で成形されたガラス基板をロールによって下方に搬送しながら徐々に冷却する際に、加熱手段を用いてガラス基板を加熱する方法が開示されている。この方法では、加熱手段は、ガラス基板が徐冷される徐冷室に設置され、下方に搬送されるガラス基板の温度を調節して、ガラス基板の幅方向の温度分布(温度プロファイル)をガラス基板に形成する。加熱手段を用いてガラス基板に所定の温度プロファイルを形成することで、ガラス基板の幅方向中央部の温度と、ガラス基板の幅方向両側部の温度との差によって発生するガラス基板の歪みおよび反りを低減することができる。また、ガラス基板を冷却する際に加熱手段を用いることで、ガラス基板の冷却速度を調節して、好適な熱収縮率を有するガラス基板を製造することができる。
特開2008−88005号公報
しかし、特許文献1に開示されるガラス基板の製造方法では、ガラス基板を下方に搬送するロールは、徐冷室において、ガラス基板と加熱手段との間に設置されている。この場合、ロールは、ガラス基板及び加熱手段の両方からの熱を受けるため劣化しやすい。ロールは、ガラス基板を下方に搬送すると同時に、ガラス基板が幅方向に収縮するのを抑制するために、ガラス基板の幅方向に張力をかけている。ロールが劣化すると、ガラス基板に所定の張力をかけることができず、また、所定の速度で下方に搬送することが困難となるため、ガラス基板の反りおよび歪みが効果的に低減されないおそれがある。
そこで、本発明は、ガラス基板を下方に搬送するロールの劣化を抑制できるガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス基板の製造方法であって、
オーバーフローダウンドロー法により熔融ガラスからガラス基板を成形する成形工程と、
前記成形工程で成形された前記ガラス基板を、少なくとも一対のロールにより挟持しながら前記ガラス基板の幅方向に張力をかけながら下方に搬送する搬送工程と、を備え、
前記ロールのうち、前記ガラス基板と接触する部分が金属、又は、金属合金を繊維化した部材で構成されている、
ことを特徴とする。
前記ロールは、前記ガラス基板と接触し前記繊維化した部材からなる表面部と前記表面部に覆われる中心部との二重構造体からなる、ことが好ましい。
前記ロールは、前記ガラス基板の歪点以下で用いられる、ことが好ましい。
前記繊維化した部材の厚さは、3mm〜30mmである、ことが好ましい。
本発明の他の態様は、ガラス基板の製造装置であって、
オーバーフローダウンドロー法により熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置と、
前記成形装置で成形された前記ガラス基板を、少なくとも一対のロールにより挟持しながら前記ガラス基板の幅方向に張力をかけながら下方に搬送する搬送装置と、を備え、
前記ロールのうち、前記ガラス基板と接触する部分が金属、又は、金属合金を繊維化した部材で構成されている、
ことを特徴とする。
本発明に係るガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置は、ガラス基板を下方に搬送するロールの劣化を抑制できる。
実施形態に係るガラス基板の製造方法のフローチャートである。 ガラス基板の製造装置の模式図である。 成形装置の正面図である。 成形装置の側面図である。 引下げロールの一部の模式図である。 引下げロールを平面視して示した図である。 引下げロールのヘッドを側面視して示した図である。 ステンレス鋼繊維で覆われたヘッドとセラミック製のヘッドとの耐久性を比較した図である。 制御装置のブロック図である。
(1)ガラス基板の製造装置の構成
本発明に係るガラス基板の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るガラス基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1に示されるように、本実施形態に係るガラス基板の製造方法は、主として、熔解工程S1と、清澄工程S2と、攪拌工程S3と、成形工程S4と、冷却工程S5と、切断工程S6とを含む。
熔解工程S1では、ガラス原料が加熱されて熔融ガラスが得られる。熔融ガラスは、熔解槽に貯留され、所望の温度を有するように通電加熱される。ガラス原料には、清澄剤が添加される。環境負荷低減の観点から、清澄剤として、SnOが用いられる。
清澄工程S2では、熔解工程S1で得られた熔融ガラスが清澄管の内部を流れて熔融ガラスに含まれているガスが除去されることで、熔融ガラスが清澄される。最初に、清澄工程S2では、熔融ガラスの温度を上昇させる。熔融ガラスに添加されている清澄剤は、昇温により還元反応を起こして酸素を放出する。熔融ガラスに含まれるCO、N、SO等のガス成分を含む泡は、清澄剤の還元反応によって生じた酸素を吸収する。酸素を吸収して成長した泡は、熔融ガラスの液面に浮上し、破泡して消滅する。消滅した泡に含まれていたガスは、清澄管の内部の気相空間に放出されて、外気に排出される。次に、清澄工程S2では、熔融ガラスの温度を低下させる。これにより、還元された清澄剤は、酸化反応を起こして、熔融ガラスに残存している酸素等のガス成分を吸収する。
攪拌工程S3では、清澄工程S2でガスが除去された熔融ガラスが攪拌されて、熔融ガラスの成分が均質化される。これにより、ガラス基板の脈理等の原因である熔融ガラスの組成のムラが低減される。
成形工程S4では、オーバーフローダウンドロー法を用いて、攪拌工程S3で均質化された熔融ガラスからガラスリボン(ガラス基板)が連続的に成形される。
冷却工程S5では、成形工程S4で成形されたガラスリボンが下方に搬送されながら冷却される。冷却工程S5では、ガラスリボンに歪みおよび反りが生じないように、ガラスリボンの温度を調節しながらガラスリボンが徐々に冷却される。
切断工程S6では、冷却工程S5で冷却されたガラスリボンが所定の寸法に切断されてガラス基板が得られる。その後、ガラス基板の端面の研削および研磨、並びに、ガラス基板の洗浄が行われる。その後、ガラス基板のキズ等の欠陥の有無が検査され、検査に合格したガラス基板が梱包されて製品として出荷される。
図2は、本実施形態に係るガラス基板製造装置1の一例を示す模式図である。ガラス基板製造装置1は、熔解槽10と、清澄管20と、攪拌装置30と、成形装置40と、移送管50a,50b,50cとを備える。移送管50aは、熔解槽10と清澄管20とを接続する。移送管50bは、清澄管20と攪拌装置30とを接続する。移送管50cは、攪拌装置30と成形装置40とを接続する。
熔解工程S1において熔解槽10で得られた熔融ガラス2は、移送管50aを通過して清澄管20に流入する。清澄工程S2において清澄管20で清澄された熔融ガラス2は、移送管50bを通過して攪拌装置30に流入する。攪拌工程S3において攪拌装置30で攪拌された熔融ガラス2は、移送管50cを通過して成形装置40に流入する。成形工程S4では、成形装置40によって熔融ガラス2からガラスリボン3が連続的に成形される。冷却工程S5では、ガラスリボン3が下方に搬送されながら冷却される。切断工程S6では、冷却されたガラスリボン3が所定の大きさに切断されてガラス基板が得られる。ガラス基板の幅は、例えば、500mm〜3500mmであり、長さは、例えば、500mm〜3500mmである。ガラス基板の厚みは、例えば、0.2mm〜0.8mmである。
ガラス基板製造装置1によって製造されるガラス基板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板として特に適している。FPD用のガラス基板としては、無アルカリガラス、アルカリ微量含有ガラス、低温ポリシリコン(LTPS)用のガラス、または、酸化物半導
体用のガラスが用いられる。高精細ディスプレイ用のガラス基板としては、高温時に高い粘性および高い歪点を有するガラスが用いられる。例えば、高精細ディスプレイ用のガラス基板の原料となるガラスは、1500℃において、102.5poiseの粘性を有する。
熔解槽10では、ガラス原料が熔解されて、熔融ガラス2が得られる。ガラス原料は、所望の組成を有するガラス基板を得ることができるように調製されている。ガラス基板の組成の一例として、FPD用のガラス基板として好適な無アルカリガラスは、SiO:50質量%〜70質量%、Al:10質量%〜25質量%、B:1質量%〜18質量%、MgO:0質量%〜10質量%、CaO:0質量%〜20質量%、SrO:0質量%〜20質量%、BaO:0質量%〜10質量%を含有する。ここで、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計は、5質量%〜30質量%である。
また、FPD用のガラス基板として、アルカリ金属を微量含むアルカリ微量含有ガラスが用いられてもよい。アルカリ微量含有ガラスは、0.1質量%〜0.5質量%のR’を含み、好ましくは、0.2質量%〜0.5質量%のR’Oを含む。ここで、R’は、Li、NaおよびKから選択される少なくとも1種である。R’Oの含有量の合計は、0.1質量%未満であってもよい。
また、ガラス基板製造装置1によって製造されるガラス基板は、SnO:0.01質量%〜1質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%)、Fe:0質量%〜0.2質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.08質量%)をさらに含有してもよい。なお、ガラス基板製造装置1によって製造されるガラス基板は、環境負荷低減の観点から、As、SbおよびPbOを実質的に含有しない。
上記の組成を有するように調製されたガラス原料は、原料投入機(図示せず)を用いて熔解槽10に投入される。原料投入機は、スクリューフィーダを用いてガラス原料の投入を行ってもよく、バケットを用いてガラス原料の投入を行ってもよい。熔解槽10では、ガラス原料は、その組成等に応じた温度に加熱されて熔解される。熔解槽10では、例えば、1500℃〜1600℃の高温の熔融ガラス2が得られる。熔解槽10では、モリブデン、白金または酸化錫等で成形された少なくとも1対の電極間に電流を流すことで、電極間の熔融ガラス2が通電加熱されてもよく、また、通電加熱に加えてバーナーの火焔によってガラス原料が補助的に加熱されてもよい。
熔解槽10で得られた熔融ガラス2は、熔解槽10から移送管50aを通過して清澄管20に流入する。清澄管20および移送管50a,50b,50cは、白金製あるいは白金合金製の管である。清澄管20には、熔解槽10と同様に加熱手段が設けられている。清澄管20では、熔融ガラス2がさらに昇温させられて清澄される。例えば、清澄管20において、熔融ガラス2の温度は、1500℃〜1700℃に上昇させられる。
清澄管20において清澄された熔融ガラス2は、清澄管20から移送管50bを通過して攪拌装置30に流入する。熔融ガラス2は、移送管50bを通過する際に冷却される。攪拌装置30では、清澄管20を通過する熔融ガラス2の温度よりも低い温度で、熔融ガラス2が攪拌される。例えば、攪拌装置30において、熔融ガラス2の温度は、1250℃〜1450℃であり、熔融ガラス2の粘度は、500poise〜1300poiseである。熔融ガラス2は、攪拌装置30において攪拌されて均質化される。
攪拌装置30で均質化された熔融ガラス2は、攪拌装置30から移送管50cを通過して成形装置40に流入する。熔融ガラス2は、移送管50cを通過する際に、熔融ガラス2の成形に適した粘度を有するように冷却される。例えば、熔融ガラス2は、1200℃付近まで冷却される。
成形装置40では、オーバーフローダウンドロー法によって熔融ガラス2からガラスリボン3が成形される。次に、成形装置40の詳細な構成および動作について説明する。
(2)成形装置の構成
図3は、成形装置40の正面図である。図3は、成形装置40で成形されるガラスリボン3の表面に垂直な方向に沿って見た成形装置40を示す。図4は、成形装置40の側面図である。図4は、成形装置40で成形されるガラスリボン3の表面に平行な方向に沿って見た成形装置40を示す。
成形装置40は、耐火レンガ等の耐火物からなる炉壁42に囲まれた空間を有する。この空間は、熔融ガラス2からガラスリボン3が成形され、ガラスリボン3が冷却される空間である。この空間は、上部成形空間60、下部成形空間70および徐冷空間80の3つの空間から構成される。
成形工程S4は、上部成形空間60で行われる。冷却工程S5は、下部成形空間70および徐冷空間80で行われる。上部成形空間60は、攪拌装置30から移送管50cを介して成形装置40に供給された熔融ガラス2が、ガラスリボン3に成形される空間である。下部成形空間70は、上部成形空間60の下方の空間であり、ガラスリボン3が、ガラスの徐冷点の近傍まで急冷される空間である。徐冷空間80は、下部成形空間70の下方の空間であり、ガラスリボン3が徐々に冷却される空間である。
成形装置40は、主として、成形体62と、複数の発熱体48と、上部仕切り部材64と、冷却ロール72と、温度調節ユニット74と、下部仕切り部材76と、引下げロール82a〜82gと、ヒータ84a〜84gと、断熱部材86と、切断装置98と、制御装置91とから構成される。次に、成形装置40の各構成要素について説明する。
(2−1)成形体
成形体62は、上部成形空間60に設置される。成形体62は、熔融ガラス2をオーバーフローさせてガラスリボン3を成形するために用いられる。図4に示されるように、成形体62は、楔形に類似した五角形の断面形状を有する。成形体62の断面形状の尖端は、成形体62の下端62aに相当する。成形体62は、耐火レンガ製である。
成形体62の上面62cには、成形体62の長手方向に沿って、供給溝62bが形成されている。成形体62の長手方向の端部には、供給溝62bと連通している移送管50cが取り付けられている。供給溝62bは、移送管50cと連通している一方の端部から他方の端部に向かうに従って、徐々に浅くなるように形成されている。以下、図3に示されるように、成形体62の長手方向の一対の端部のうち、移送管50cと連通している側の端部を第1端部62d1と呼び、その反対側の端部を第2端部62d2と呼ぶ。なお、成形体62の第2端部62d2には、供給溝62bにおける熔融ガラス2の流れを遮るための白金製ガイド(図示せず)が設けられている。
攪拌装置30から成形装置40に送られてきた熔融ガラス2は、移送管50cを介して、成形体62の供給溝62bに流し込まれる。熔融ガラス2は、供給溝62bにおいて、第1端部62d1から第2端部62d2に向かって流れる。成形体62の供給溝62bからオーバーフローした熔融ガラス2は、成形体62の両側面を伝いながら流下し、成形体62の下端62aの近傍において合流する。合流した熔融ガラス2は、重力により鉛直方向に落下して板状に成形される。これにより、成形体62の下端62aの近傍において、ガラスリボン3が連続的に成形される。成形されたガラスリボン3は、上部成形空間60を流下した後、下部成形空間70および徐冷空間80において冷却されながら下方に搬送される。上部成形空間60で成形された直後のガラスリボン3の温度は1100℃以上であり、粘度は25000poise〜350000poiseである。例えば、高精細ディスプレイ用のガラス基板を製造する場合、成形体62によって成形されるガラスリボン3の歪点は、655℃〜750℃であり、好ましくは680℃〜730℃であり、成形体62の下端62aの近傍で融合する熔融ガラス2の粘度は、25000poise〜100000poiseであり、好ましくは32000poise〜80000poiseである。
制御装置(制御部)91は、後述する冷却ロール72の冷却量を制御することにより、ガラスリボン3の両側部3bの粘度を制御する。ガラスリボン3は、厚みがほぼ一定である中央領域3aと中央領域3aの両端に位置する中央領域より厚みを有する側部3bとからなる。冷却ロール72がガラスリボン3の両側部3bを冷却すると、ガラスリボン3には中央領域3aから両側部3bに向かう方向に張力が発生するため、制御装置91が、この張力を制御することによりガラスリボン3の板厚を制御することができる。
(2−2)上部仕切り部材
上部仕切り部材64は、成形体62の下端62aの近傍に設置される一対の板状の断熱部材である。図4に示されるように、上部仕切り部材64は、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置される。上部仕切り部材64は、上部成形空間60と下部成形空間70とを仕切り、上部成形空間60から下部成形空間70への熱の移動を抑制する。
(2−3)冷却ロール
冷却ロール72は、下部成形空間70に設置される片持ちのロールである。冷却ロール72は、上部仕切り部材64の直下に設置される。図3に示されるように、冷却ロール72は、ガラスリボン3の幅方向の両側部に配置される。図4に示されるように、冷却ロール72は、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置される。ガラスリボン3は、その幅方向の両側部において、冷却ロール72によって挟持されている。冷却ロール72は、上部成形空間60から送られてきたガラスリボン3を冷却する。
下部成形空間70において、ガラスリボン3の幅方向の両側部は、それぞれ、2対の冷却ロール72によって挟まれている。ガラスリボン3の両側部の表面に向かって冷却ロール72が押し付けられることで、冷却ロール72とガラスリボン3との接触面積が大きくなり、冷却ロール72によるガラスリボン3の冷却が効率的に行われる。冷却ロール72は、後述する引下げロール82a〜82gがガラスリボン3を下方に引っ張る力に対抗する力を、ガラスリボン3に与える。なお、冷却ロール72の回転速度と、最も上方に配置される引下げロール82aの回転速度との差によって、ガラスリボン3の厚みが決定される。
冷却ロール72は、内部に空冷管を有している。冷却ロール72は、空冷管によって常に冷却されている。冷却ロール72は、ガラスリボン3の幅方向の両側部を挟むことでガラスリボン3と接触する。これにより、ガラスリボン3から冷却ロール72に熱が伝わるので、ガラスリボン3の幅方向の両側部が冷却される。冷却ロール72と接触して冷却されたガラスリボン3の幅方向の両側部の粘度は、例えば、109.0poise以上である。
冷却ロール72とガラスリボン3との間の接触荷重は、制御装置91によって制御可能である。接触荷重は、例えば、バネを用いて冷却ロール72の位置を調整することで制御される。接触荷重が大きいほど、冷却ロール72がガラスリボン3を押し付ける力が強くなる。
(2−4)温度調節ユニット
温度調節ユニット74は、下部成形空間70に設置される。温度調節ユニット74は、上部仕切り部材64の下方であって、下部仕切り部材76の上方に設置される。
下部成形空間70では、ガラスリボン3の幅方向の中心部の温度が徐冷点近傍に低下するまでガラスリボン3が冷却される。温度調節ユニット74は、下部成形空間70で冷却されるガラスリボン3の温度を調節する。温度調節ユニット74は、ガラスリボン3を加熱または冷却するユニットである。図3に示されるように、温度調節ユニット74は、中心部冷却ユニット74aおよび側部冷却ユニット74bから構成される。中心部冷却ユニット74aは、ガラスリボン3の幅方向の中心部の温度を調節する。側部冷却ユニット74bは、ガラスリボン3の幅方向の両側部の温度を調節する。ここで、ガラスリボン3の幅方向の中心部は、ガラスリボン3の幅方向の両側部に挟まれた領域を意味する。
下部成形空間70では、図3に示されるように、複数の中心部冷却ユニット74aおよび複数の側部冷却ユニット74bが、それぞれ、ガラスリボン3が流下する方向である鉛直方向に沿って配置されている。中心部冷却ユニット74aは、ガラスリボン3の幅方向の中心部の表面に対向するように配置されている。側部冷却ユニット74bは、ガラスリボン3の幅方向の両側部の表面に対向するように配置されている。
温度調節ユニット74は、制御装置91によって制御される。各中心部冷却ユニット74aおよび各側部冷却ユニット74bは、制御装置91によって独立して制御可能である。
(2−5)下部仕切り部材
下部仕切り部材76は、温度調節ユニット74の下方に設置される一対の板状の断熱部材である。図4に示されるように、下部仕切り部材76は、ガラスリボン3の厚み方向の両側に設置される。下部仕切り部材76は、下部成形空間70と徐冷空間80とを鉛直方向に仕切り、下部成形空間70から徐冷空間80への熱の移動を抑制する。
(2−6)引下げロール
引下げロール82a〜82gは、徐冷空間80に設置される片持ちのロールである。徐冷空間80では、引下げロール82a、引下げロール82b、・・・、引下げロール82fおよび引下げロール82gが、上方から下方に向かって間隔を空けて配置されている。引下げロール82aは、最も上方に配置され、引下げロール82gは、最も下方に配置される。
図5は、引下げロールの一部の模式図である。図3及び図5に示されるように、引下げロール82a〜82gは、それぞれ、ガラスリボン3の幅方向の両側部に配置される。図4に示されるように、引下げロール82a〜82gは、それぞれ、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置される。すなわち、ガラスリボン3の幅方向の両側部は、上方から下方に向かって、2対の引下げロール82a、2対の引下げロール82b、・・・、2対の引下げロール82fおよび2対の引下げロール82gによって挟まれている。引下げロール82a〜82gは、下部成形空間70を通過したガラスリボン3の幅方向の両端部を挟みつつ回転することにより、ガラスリボン3を鉛直方向下方に引き下げる。すなわち、引下げロール82a〜82gは、ガラスリボン3を下方に搬送するためのロールである。各引下げロール82a〜82gの角速度は、制御装置91によって独立して制御可能である。引下げロール82a〜82gの角速度が大きいほど、ガラスリボン3が下方に搬送される速度が大きくなる。図5に示されるように、引下げロール82a〜82gは、ヒータ84a〜84gとガラスリボン3との間の空間に配置される。また、引下げロール82a〜82gは、その中心軸の高さ位置が、断熱部材86によって区切られた空間にあるように配置されている。
図6は、引下げロール82a〜82g(図面上では、82a)を平面視して示した図である。引下げロール82a〜82gは、図6に示すように、ヘッド83a、シャフト83bからなり、ヘッド83aが、シャフト83bに嵌められ、取り付けられる。ヘッド83aは、ガラスリボン3を厚さ方向の両側から、両側部全体を覆い、側部と、中央領域の一部であり、側部より幅方向中央に位置する側部隣接部と、を挟持して、ガラスリボン3の幅方向に張力かけ、ガラスリボン3を鉛直方向下方に引き下げる。ガラスリボン3の端部と接触するヘッド82aのヘッド先端側からローラシャフト側までの長さは、側部における側部先端側から側部中央領域側までの長さより長く、ヘッド83aが側部全体を覆うことができる形状になっている。ヘッド83aのガラスリボン3と接触する表面は、ガラスリボン3の張力の影響に対抗して、側部を挟持して下方に搬送できるように、例えば、凹凸構造になっている。側部が一対のヘッド83aに挟持された状態で、ヘッド83aが回転すると、ヘッド83aの表面と側部とが滑りあうことなく、ヘッド83aの回転量に基づいて、ガラスリボン3が下方に搬送される。
図7は、引下げロール82a〜82gのヘッド83aを側面視して示した図である。ヘッド83aは、ガラスリボン3と接触する表面部83cと表面部83cに覆われる中心部83dとの二重構造体からなる。中心部83dは、回転しながらガラスリボン3を下方に搬送するため円柱形に形成され、例えば、セラミック、ステンレスもしくはこれに類似する合金、又は、高温となる断熱部材86によって区切られた空間において熱変形しにくい材質からなる。中心部83dは、ガラスリボン3と直接接しないため、所定の熱強度、低熱収縮性を有する任意の材質から構成される。表面部83cは、金属、又は、金属合金を繊維化した部材、より具体的には、ステンレス鋼又はこれに類似する合金鋼を繊維化した部材(ステンレス鋼繊維)からなる。表面部83cは、例えば、SUS316L(ステンレス鋼材)、SUS304(ステンレス鋼材)を、繊維化し、綾織りした構成からなるクロス形状、又は、綾織り構成後に帯状にしたテープ形状のステンレス鋼繊維からなる。表面部83cとして、具体的にはナスロン(登録商標)が用いられる。ステンレス鋼繊維(ナスロン)とガラス(ガラスリボン3)との摩擦係数は、温度が高いほど上昇し、0℃から500℃の温度範囲において約0.4から約1.4に上昇する。ステンレス鋼繊維は、熱耐性を有し、さらに、ガラスとの摩擦係数も高いため、表面部83cとして有効であり、より具体的には、ガラスの歪点以下の温度領域において、特に有効である。引下げロール82a〜82gが設けられる徐冷空間80は、室温より温度が高い空間であるため、ステンレス鋼繊維とガラスリボン3との摩擦係数は上昇し、ヘッド83a(表面部83c)により挟持されるガラスリボン3は滑ることなく、ヘッド83aの回転量に基づいて下方に搬送される。表面部83cは、ガラスリボン3と中心部83dとが直接接しないように中心部83d全体を覆うように設けられる。表面部83cの厚さは、例えば、3mm〜30mmからなり、より好ましくは、5mm〜20mmからなる。クロス形状、又は、テープ形状からなるステンレス鋼繊維を複数積層することにより、表面部83cを所定の厚みにすることができる。表面部83cの厚さが30mm以下になるよう形成することにより、表面部83cの柔軟性を保ちつつ、複数積層したステンレス鋼繊維同士がずれることを抑制することができる。表面部83cは、例えば溶接により、中心部83dに接合され、引下げロール82a〜82gの回転量が表面部83cに伝わるように設けられる。表面部83cは所定の厚み(例えば3mm)を有するため、表面部83cと中心部83dとの溶接部分が表面部83cの表面に露出することなく、表面部83cは中心部83dの周囲に形成される。表面部83cの表面は、繊維化したステンレス鋼材を綾織りした構成からなるクロス形状、又は、綾織り構成後に帯状にしたテープ形状からなるため、適度な空間を有する。表面部83cとガラスリボン3とが接触した際に、ガラスリボン3がこの空間に侵入し、表面部83cとガラスリボン3との接触抵抗が上昇するため、ヘッド83aの回転量に基づいて、ガラスリボン3を搬送することができる。また、ガラスリボン3に付着したガラス屑がこの空間に入り込むため、ガラス屑によるガラスリボン3の汚染を抑制することもできる。
図8は、ステンレス鋼繊維で覆われたヘッドとセラミック製のヘッドとの耐久性を比較した図である。図8では、ステンレス鋼繊維で覆われたヘッドによりガラスリボンを搬送した場合、セラミック製のヘッドによりガラスリボンを搬送した場合、それぞれの場合におけるヘッドの摩耗量の変化を示している。図中において、H1はステンレス鋼材で覆われたヘッドのグラフ、H2はセラミック製のヘッドのグラフを示している。それぞれのヘッドH1、H2の摩耗量は、使用前の状態では0であり、時間の経過とともに、ヘッドの摩耗量がa1に近づく。摩耗量がa1より大きくなると、ヘッドとガラスとが滑りあうおそれがあるため、摩耗量がa1より大きくなったヘッドは交換対象となる。ここで摩耗量は、ガラスリボン3の搬送速度、ヘッドの周速度を測定することにより、測定される。ヘッドが摩耗することにより、ヘッド径は徐々に小さくなるため、ヘッドの周速度は徐々に遅くなる。ヘッドの周速度が遅くなると、ガラスリボン3の搬送速度も遅くなるため、ガラスリボン3の搬送速度を測定することにより、ヘッドの摩耗量を測定することができる。セラミック製のヘッドH2の摩耗量がa1を上回る時間はt1であり、ステンレス鋼繊維で覆われたヘッドH1の摩耗量がa1を上回る時間はt2(>t1)であり、セラミック製のヘッドH2は、ステンレス鋼繊維で覆われたヘッドH1に比べて、約半分の時間で摩耗量がa1を上回った。このことから、ステンレス鋼繊維で覆われたヘッドは、セラミック製のヘッドより耐久性に優れるため、ヘッド83aをステンレス鋼繊維で覆うことにより引下げロール82a〜82gの交換時期を延長することができる。
(2−7)ヒータ
ヒータ84a〜84gは、徐冷空間80に設置される。図4に示されるように、徐冷空間80では、ヒータ84a、ヒータ84b、・・・、ヒータ84fおよびヒータ84gが、上方から下方に向かって間隔を空けて配置されている。ヒータ84a〜84gは、それぞれ、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置されている。引下げロール82a〜82gは、それぞれ、ヒータ84a〜84gとガラスリボン3との間に配置されている。
ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の表面に向かって熱を輻射してガラスリボン3を加熱する。ヒータ84a〜84gを用いることで、徐冷空間80において下方に搬送されるガラスリボン3の温度を調節することができる。これにより、ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の搬送方向において、所定の温度分布をガラスリボン3に形成することができる。
各ヒータ84a〜84gの出力は、制御装置91によって独立して制御可能である。また、ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の幅方向に沿って複数のヒータサブユニット(図示せず)に分割され、各ヒータサブユニットの出力が制御装置91によって独立して制御可能であってもよい。この場合、各ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の幅方向の位置に応じて発熱量を変化させることで、ガラスリボン3の幅方向に所定の温度分布を形成することができる。
なお、各ヒータ84a〜84gの近傍には、徐冷空間80の雰囲気の温度を測定する熱電対(図示せず)が設置されている。熱電対は、例えば、ガラスリボン3の幅方向の中心部近傍の雰囲気温度と、両側部近傍の雰囲気温度とを測定する。ヒータ84a〜84gは、熱電対によって測定される徐冷空間80の雰囲気の温度に基づいて制御されてもよい。
(2−8)断熱部材
断熱部材86は、徐冷空間80に設置される。断熱部材86は、ガラスリボン3の搬送方向に沿って隣り合う2つの引下げロール82a〜82gの間の高さ位置に設置される。図4に示されるように、断熱部材86は、ガラスリボン3の厚み方向の両側において、水平に配置される一対の断熱板である。断熱部材86は、徐冷空間80を鉛直方向に仕切り、徐冷空間80における鉛直方向の熱の移動を抑制する。
また、図5に示されるように、断熱部材86は、ガラスリボン3の幅方向における両側部を除いて、ガラスリボン3の表面に向かって突出している形状を有している。断熱部材86は、下方に搬送されるガラスリボン3と接触しないように設置されている。また、断熱部材86は、ガラスリボン3の表面までの距離が調整可能であるように設置されている。これにより、断熱部材86は、断熱部材86の上方の空間と断熱部材86の下方の空間との間の熱の移動を抑制する。
(2−9)切断装置
切断装置98は、徐冷空間80の下方の空間に設置されている。切断装置98は、徐冷空間80を通過したガラスリボン3を、所定の寸法ごとに、ガラスリボン3の幅方向に沿って切断する。徐冷空間80を通過したガラスリボン3は、室温近傍まで冷却されている平坦なガラスリボン3である。
切断装置98は、所定の時間間隔でガラスリボン3を切断する。これにより、ガラスリボン3の搬送速度が一定である場合、最終製品に近い寸法を有するガラス基板が量産される。
(2−10)制御装置
制御装置91は、主として、CPU、RAM、ROMおよびハードディスク等から構成されるコンピュータである。図9は、制御装置91のブロック図である。図9に示されるように、制御装置91は、冷却ロール駆動モータ172、温度調節ユニット74、引下げロール駆動モータ182、ヒータ84a〜84g、および切断装置駆動モータ198と接続されている。冷却ロール駆動モータ172は、冷却ロール72の位置および回転速度等を制御するためのモータである。引下げロール駆動モータ182は、各引下げロール82a〜82gの位置および回転速度等を独立して制御するためのモータである。切断装置駆動モータ198は、切断装置98がガラスリボン3を切断する時間間隔等を制御するためのモータである。制御装置91は、各構成要素の状態を取得し、かつ、各構成要素を制御するためのプログラムを記憶している。
制御装置91は、冷却ロール駆動モータ172を制御して、ガラスリボン3の幅方向の側部を挟む一対の冷却ロール72とガラスリボン3との間の接触荷重を取得および調節することができる。制御装置91は、各冷却ロールの冷却量を個別に制御する。制御装置91は、引下げロール駆動モータ182を制御して、回転している各引下げロール82a〜82gのトルクを取得し、各引下げロール82a〜82gの角速度を調節することができる。制御装置91は、温度調節ユニット74の出力、および、各ヒータ84a〜84gの出力を取得および調節することができる。制御装置91は、切断装置駆動モータ198を制御して、切断装置98がガラスリボン3を切断する時間間隔等を取得および調節することができる。
(3)成形装置の動作
上部成形空間60において、攪拌装置30から移送管50cを介して成形装置40に送られてきた熔融ガラス2は、成形体62の上面62cに形成される供給溝62bに供給される。成形体62の供給溝62bからオーバーフローした熔融ガラス2は、成形体62の両側面を伝って流下して、成形体62の下端62aの近傍で合流する。成形体62の下端62aの近傍において、合流した熔融ガラス2からガラスリボン3が連続的に成形される。成形されたガラスリボン3は、下部成形空間70に送られる。
下部成形空間70において、ガラスリボン3の幅方向の両側部は、冷却ロール72と接触して急冷される。また、温度調節ユニット74によって、ガラスリボン3の幅方向中心部の温度が徐冷点に低下するまで、ガラスリボン3の温度が調節される。冷却ロール72によって下方に搬送されながら冷却されたガラスリボン3は、徐冷空間80に送られる。
徐冷空間80において、ガラスリボン3は、引下げロール82a〜82gによって引き下げられながら徐々に冷却される。引下げロール82a〜82gは、ガラスリボン3を鉛直方向下方に引き下げることに加え、ガラスリボン3の幅方向に張力がかかるように、ガラスリボン3を挟持する。引下げロール82a〜82gのヘッド83aの表面部83cは、表繊維化したステンレス鋼材を綾織りした構成からなるクロス形状、又は、綾織り構成後に帯状にしたテープ形状からなり、凹凸構造になっている。ガラスリボン3は、表面部3cの凹部に入り込むため、ヘッド83aとガラスリボン3とが滑りあうことなく、ヘッド83aに挟持される。ガラスリボン3はガラスリボン3の幅方向の中心に向かって収縮しようとするが、ヘッド83aによって挟持されているため収縮が抑制される。このような状態で、ガラスリボン3は徐々に冷却されるため、ガラスリボン3の反りおよび歪みが効果的に低減される。ガラスリボン3の温度は、ガラスリボン3の幅方向に沿って所定の温度分布が形成されるように、ヒータ84a〜84gによって制御される。徐冷空間80において、ガラスリボン3の温度は、徐冷点近傍から、歪点より200℃低い温度よりも低い温度まで徐々に低下する。
徐冷空間80を通過したガラスリボン3は、さらに室温近傍まで冷却され、切断装置98によって所定の寸法に切断されてガラス基板が得られる。その後、ガラス基板の端面の研磨および洗浄等が行われる。その後、所定の検査に合格したガラス基板が梱包されて製品として出荷される。
以上説明したように、徐冷空間80に設置される引下げロール82a〜82gのヘッド83aに、ステンレス鋼繊維を用いることにより、引下げロール82a〜82gの耐久性が向上し、引下げロール82a〜82gの交換時期を延長できるため、ガラスリボン3の生産性を向上させることができる。また、ガラスリボン3は、滑ることなく引下げロール82a〜82gに挟持されて、ガラスリボン3の幅方向に所定の張力がかけられて徐々に冷却されるため、ガラスリボン3の反りおよび歪みが効果的に低減することができる。また、ガラスリボン3の成形時に付着するガラス屑は、引下げロール82a〜82gにより挟持された際に、凹凸構造を有するステンレス鋼繊維により形成されたヘッド83aの凹部に入り込むため、ガラス屑によるガラスリボン3の汚染を抑制することもできる。
(4−1)変形例A
実施形態では、引下げロール82a〜82gのヘッド83a全体を覆うように所定の厚みを有するステンレス鋼繊維が設けられるが、ヘッド83a全体をステンレス鋼繊維で形成することもできる。ヘッド83a全体をステンレス鋼繊維で形成することにより、引下げロール82a〜82gの耐久性がさらに向上する。
(4−2)変形例B
上流側から下流側にかけて複数設けられる引下げロール82a〜82gの任意のヘッド83aに、ステンレス鋼繊維を設けることもできる。例えば、高温となる上流側の引下げロール82a〜82cのヘッド83aのみに、ステンレス鋼繊維を設けることもできる。高温耐性を有するステンレス鋼繊維を、上流側の引下げロール82a〜82cに用いることにより、引下げロール82a〜82cの寿命を効率的に延ばすことができる。また、ガラスリボン3の粘度が高い下流側、言い換えると、ガラスの歪点以下の温度領域の引下げロール82d〜82gのヘッド83aのみに、ステンレス鋼繊維を設けることもできる。ステンレス鋼繊維とガラスとの接触抵抗は高く、ガラスリボン3の粘度が高い下流側の引下げロール82d〜82gであっても、ガラスリボン3は引下げロール82d〜82gに挟持され、ガラスリボン3の幅方向に所定の張力をかけて徐冷することができ、ガラスリボン3の反りおよび歪みが効果的に低減することができる。
3 ガラスリボン
82a〜82g 引下げロール
83a ヘッド
83b シャフト
83c 表面部
83d 中心部

Claims (5)

  1. オーバーフローダウンドロー法により熔融ガラスからガラス基板を成形する成形工程と、
    前記成形工程で成形された前記ガラス基板を、少なくとも一対のロールにより挟持しながら前記ガラス基板の幅方向に張力をかけながら下方に搬送する搬送工程と、を備え、
    前記ロールのうち、前記ガラス基板と接触する部分が金属、又は、金属合金を繊維化した部材で構成されている、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記ロールは、前記ガラス基板と接触し前記繊維化した部材からなる表面部と前記表面部に覆われる中心部との二重構造体からなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記ロールは、前記ガラス基板の歪点以下で用いられる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記繊維化した部材の厚さは、3mm〜30mmである、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. オーバーフローダウンドロー法により熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置と、
    前記成形装置で成形された前記ガラス基板を、少なくとも一対のロールにより挟持しながら前記ガラス基板の幅方向に張力をかけながら下方に搬送する搬送装置と、を備え、
    前記ロールのうち、前記ガラス基板と接触する部分が金属、又は、金属合金を繊維化した部材で構成されている、
    ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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