JP5819151B2 - 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 - Google Patents

圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 Download PDF

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Description

この発明は、圧電振動片、圧電振動子、この圧電振動子を用いた発振器、電子機器および電波時計に関するものである。
携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その1つとして、いわゆる音叉型の圧電振動片をパッケージに封入した圧電振動子が知られている。
音叉型の圧電振動片は、幅方向に並んで配置された一対の振動腕部と、一対の振動腕部の長手方向の基端側を一体的に固定する基部とを有する、薄板状の水晶片である。この圧電振動片は、各振動腕部に形成された励振電極に電圧が印加されると、一対の振動腕部が接近および離間するように、幅方向に所定の共振周波数で振動する。
近年、搭載される機器の小型化に伴って、圧電振動片のさらなる小型化が望まれている。圧電振動片のCI値(Crystal Impedance)を低く抑えつつ、圧電振動片の小型化を図る方法としては、振動腕部の両主面に溝部を形成する方法が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の圧電振動片は、基部と、前記基部から突出して形成されている複数の振動腕部と、を備え、各振動腕部の表面部および裏面部に、溝部が形成されている。溝部により、振動腕部の長手方向に垂直な断面の形状は略H型となっている。
特開2003−92530号公報
図15は、圧電振動片4の正規の振動状態の説明図である。
図16は、従来技術の圧電振動片4の説明図である。
なお、図15および図16において、圧電振動片4の幅方向をX方向、長手方向をY方向、厚み方向をZ方向として説明する。また、図15および図16では、図面を分りやすくするために、振動腕部10,11の振れ幅を誇張して表現している。
圧電振動片4に溝部51を形成した場合、溝部51を形成していない場合と比較して、振動腕部10,11のY方向に垂直な断面の面積(以下「振動腕部10,11の断面積」という。)が小さくなり、振動腕部10,11のZ方向に対する曲げ剛性が低下する。
このため、圧電振動片4を作動させると、振動腕部10,11は、図15に示す正規のX方向の曲げ振動に加え、図16に示すように、Z方向の曲げ剛性の低下に起因してZ方向にも曲げ振動する。具体的には、図16に示すように、Z方向において第1の振動腕部10と、第2の振動腕部11とが逆位相にバタついて振動するおそれがある。この振動腕部10,11のZ方向の振動は、CI値の上昇や、圧電振動片4の振動が外部に漏洩するいわゆる振動漏れに繋がるおそれがある。
そこで本発明は、振動腕部の厚み方向の振動を抑制し、CI値の上昇や振動漏れを抑制できる圧電振動片と、この圧電振動片を用いた圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の圧電振動片は、並んで配置された一対の振動腕部と、前記振動腕部の両主面上に形成され、前記振動腕部の長手方向に沿って伸びる溝部と、前記一対の振動腕部が接続された基部と、を備えた圧電振動片であって、前記溝部内には、前記長手方向の基端側および前記長手方向の先端側のいずれか一方の壁面から、前記基端側および前記先端側のいずれか他方に向かって伸びるリブが形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、溝部内にリブを形成することで振動腕部の断面積を大きくできる。これにより、従来技術と比較して振動腕部の厚み方向に対する曲げ剛性を高く確保できるので、圧電振動片を作動させた際に、振動腕部が厚み方向に振動するのを抑制できる。したがって、CI値の上昇や振動漏れを抑制できる圧電振動片を得ることができる。
また、振動腕部の曲げ剛性を高く確保することで、圧電振動片が落下等して衝撃を受けた場合でも、振動腕部の破損を防止できる。
また、前記リブが、前記基端側の壁面から前記先端側に向かって伸びていることを特徴としている。
本発明によれば、溝部内においてリブが基端側の壁面から先端側に向かって伸びているので、振動腕部の基端側の断面積を大きくできる。これにより、振動腕部の基端側の曲げ剛性を高く確保でき、基部と振動腕部との接続部分近傍を屈曲点として振動腕部全体が厚み方向に振動するのを抑制できる。したがって、CI値の上昇や振動漏れを効果的に抑制できる。また、圧電振動片が衝撃を受けた場合に、応力が作用しやすい基部と振動腕部との接続部分で曲げ剛性を確保しているので、振動腕部の破損を確実に防止できる。
また、前記振動腕部の前記基端側における前記リブの幅は、前記振動腕部の前記先端側における前記リブの幅よりも広く形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、振動腕部の基端側におけるリブの幅は、振動腕部の先端側におけるリブの幅よりも広く形成されるので、振動腕部の基端側の断面積を大きくできる。これにより、振動腕部の基端側の曲げ剛性をさらに高めることができるので、振動腕部が厚み方向に振動するのをさらに抑制できる。また、振動腕部が衝撃を受けた場合でも、振動腕部の破損をさらに防止できる。
また、振動腕部の先端側におけるリブの幅は、振動腕部の基端側におけるリブの幅よりも狭く形成されるので、振動腕部の先端側における溝部の断面積は、振動腕部の基端側における溝部の断面積よりも広く確保される。これにより、振動腕部の先端側を幅方向に効率よく振動させることができるので、電界効率を向上させて圧電振動片の振動特性を向上できる。
このように、振動腕部の基端側におけるリブの幅を、振動腕部の先端側におけるリブの幅よりも広く形成することで、振動腕部の基端側の曲げ剛性および圧電振動片の振動特性の向上を両立させることが可能となる。
また、前記振動腕部の前記基端側における前記溝部の幅は、前記振動腕部の前記先端側における前記溝部の幅よりも狭く形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、振動腕部の基端側において、振動腕部の側面と溝部側面との幅が広く形成されるので、振動腕部の先端側の断面積よりも振動腕部の基端側の断面積を大きくできる。これにより、振動腕部の基端側の曲げ剛性をさらに高めることができるので、振動腕部が厚み方向に振動するのをさらに抑制できる。また、振動腕部が衝撃を受けた場合でも、振動腕部の破損を確実に防止できる。特に、基端側のリブの幅を先端側のリブの幅よりも広く形成しつつ、基端側の溝部の幅を先端側の溝部の幅よりも狭く形成することで、振動腕部の基端側の曲げ剛性を大幅に高めることができる。これにより、振動腕部の厚み方向の振動を確実に抑制し、CI値の上昇や振動漏れを確実に抑制できる。
また、前記溝部の幅は、前記振動腕部の長手方向に沿って一定に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、振動腕部の側面と溝部の側面とを極めて短い距離で対向配置できる。これにより、振動腕部の側面と溝部の側面とにそれぞれ形成された電極(励振電極)に電圧を印加したとき、振動腕部の側面と溝部の側面との間に効率よく電界が形成されるので、振動腕部を幅方向に効率よく振動させることができる。特に、基端側のリブの幅を先端側のリブの幅よりも広く形成しつつ、溝部の幅を振動腕部の長手方向に沿って一定に形成することで、振動腕部の基端側の曲げ剛性を高めつつ、損失の少ない圧電振動片を形成できる。
また、本発明の圧電振動子は、上述した圧電振動片を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、CI値の上昇や振動漏れを抑制できる圧電振動片を備えているので、高効率で消費電力の少ない圧電振動子を提供できる。
また、本発明の発振器は、上述した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、高効率で消費電力の少ない高性能な発振器、電子機器および電波時計を提供できる。
本発明によれば、溝部内にリブを形成することで、振動腕部の断面積を大きくできる。これにより、従来技術と比較して振動腕部の厚み方向に対する曲げ剛性を高く確保できるので、圧電振動片を作動させた際に、振動腕部が厚み方向に振動するのを抑制できる。したがって、CI値の上昇や振動漏れを抑制できる圧電振動片を得ることができる。
また、振動腕部の曲げ剛性を高く確保することで、圧電振動片が落下等して衝撃を受けた場合でも、振動腕部の破損を防止できる。
圧電振動片の平面図である。 溝部の拡大図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図1のB−B線に沿った断面図である。 ドライブレベル特性の説明図である。 実施形態の第1変形例の説明図である。 実施形態の第2変形例の説明図である。 圧電振動子の外観斜視図である。 圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図9のC−C線における断面図である。 図8に示す圧電振動子の分解斜視図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。 圧電振動片の正規の振動状態の説明図である。 従来技術の圧電振動片の説明図である。
(圧電振動片)
以下に、実施形態の圧電振動片について図面を参照して説明する。
図1は圧電振動片4の平面図である。
図2は、溝部51の拡大図である。なお、図2では、分かり易くするために後述する励振電極13,14の図示を省略している。
図3は、図1のA−A線に沿った溝部51の断面図である。
図4は、図1のB−B線に沿った溝部51の断面図である。
なお、以下では、振動腕部10,11が並んでいる幅方向をX方向(図1参照)とし、X方向における中心軸をOとし、圧電振動片4の内側を−X側とし、外側を+X側として説明している。また、圧電振動片4の長手方向をY方向(図1参照)とし、基端側を−Y側とし、先端側を+Y側として説明している。また、圧電振動片4の厚み方向をZ方向(図3参照)とし、一方側(図3における上側)を+Z側とし、他方側(図3における下側)を−Z側として説明している。
図1に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の圧電振動片4である。
圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11(第1の振動腕部10および第2の振動腕部11)と、一対の振動腕部10,11の−Y側を一体的に固定する基部12と、を備えている。圧電振動片4は、所定の電圧が印加されたときに、振動腕部10,11が近接および離間するように、X方向に振動するものである。
一対の振動腕部10,11は、中心軸Oに沿ってY方向に延在し、X方向に略平行に並んで形成されている。振動腕部10,11の+Z側面および−Z側面(両主面)上には、振動腕部10,11のY方向に沿って伸びる溝部51が形成されている。ここで、第1の振動腕部10に形成された溝部51と、第2の振動腕部11に形成された溝部51とは同一形状となっている。したがって、以下の説明では、第1の振動腕部10に形成された溝部51について説明し、第2の振動腕部11に形成された溝部51については説明を省略する。
(溝部)
図2に示すように、振動腕部10には、溝部51が形成されている。溝部51の−Y側壁面51aは、振動腕部10と基部12との接続部近傍に配置されている。溝部51の+Y側壁面51bは、振動腕部10のY方向における略中央に配置されている。すなわち、溝部51は、振動腕部10と基部12との接続部近傍から、振動腕部10のY方向における略中央までの範囲にわたって、Y方向に沿って所定の深さで形成されている。
溝部51は、−Y側壁面51aの幅L1が+Y側壁面51bの幅L2よりも狭くなるように形成されている。具体的には、+Y側から−Y側にかけて、溝部51の+X側面51cが−X側に所定角度で傾斜し、−X側面51dが+X側に所定角度で傾斜して形成されている。これにより、溝部51の幅は、+Y側から−Y側にかけて漸次テーパ状に狭くなるように形成されている。
溝部51内のX方向略中央には、リブ53が形成されている。リブ53の−Y側端部53aは、振動腕部10と基部12との接続部近傍に配置されており、溝部51の−Y側壁面51aと接続されている。リブ53の+Y側端部53bは、溝部51の+Y側壁面51bよりも−Y側に配置されており、溝部51の+Y側壁面51bと離間している。すなわち、リブ53は、溝部51内の−Y側壁面51aから、溝部51の+Y側壁面51bよりも−Y側までの範囲にわたって、Y方向に沿って形成されている。
リブ53は、−Y側端部53aの幅L3が+Y側端部53bの幅L4よりも広くなるように形成されている。具体的には、+Y側から−Y側にかけて、リブ53の+X側面53cが+X側に所定角度で傾斜し、−X側面53dが−X側に所定角度で傾斜して形成されている。これにより、リブ53の幅は、+Y側から−Y側にかけて漸次テーパ状に広くなるように形成されている。
上述のとおり、リブ53の+Y側端部53bは、溝部51の+Y側壁面51bと離間している。このため、図1のA−A線に沿った図3に示す断面図のように、溝部51の+Y側では溝部51内にリブ53を有していない。したがって、A−A断面における溝部51の断面積は大きくなり、振動腕部10,11の断面積S1は小さくなっている。
これに対して、リブ53の−Y側端部53a(図2参照)は、溝部51の−Y側壁面51a(図2参照)と接続されている。このため、図1のB−B線に沿った図4に示す断面図のように、溝部51の−Y側では溝部51内にリブ53を有している。さらに、溝部51の幅は、+Y側から−Y側にかけて狭くなるように形成され、リブ53の幅は+Y側から−Y側にかけて広くなるように形成されている。したがって、B−B断面における溝部51の断面積は非常に小さくなっており、振動腕部10,11の断面積S2は大きくなっている。
このように、振動腕部10,11の−Y側の断面積S2を大きくすることで、振動腕部10,11の−Y側の曲げ剛性が高く確保される。これにより、基部12と振動腕部10,11との接続部分近傍において、X方向に沿った軸を中心とした振動腕部10,11のZ方向への曲げ振動が抑制される。したがって、圧電振動片4を作動させた際に、振動腕部10,11全体がZ方向に振動するのを抑制できる。
また、振動腕部10,11の+Y側におけるリブ53の幅は、振動腕部10,11の−Y側におけるリブ53の幅よりも狭く形成されているので、+Y側の溝部51の断面積は、−Y側の溝部51の断面積よりも大きくなる。これにより、振動腕部10,11の+Y側をX方向に効率よく振動させることができるので、電界効率が向上し圧電振動片4の振動特性を向上できる。
このように、振動腕部10,11の−Y側におけるリブ53の幅を、振動腕部10,11の+Y側におけるリブ53の幅よりも広く形成することで、振動腕部10,11の−Y側の曲げ剛性および圧電振動片4の振動特性の向上を両立させることが可能となる。
図5は、ドライブレベル特性の説明図である。
ところで、振動腕部10,11の曲げ剛性は、圧電振動片4のドライブレベル特性に影響を与えることが一般に知られている。ここで、ドライブレベル特性とは、駆動電圧の変動に対する振動周波数の変動特性をいう。
具体的には、図5に示すように、圧電振動片4に印加する電圧をV1からV2に上昇させると、周波数はf0からf1に上昇する。そして、圧電振動片4に印加する電圧をV2から再度V1に戻したとき、周波数はf1からf0周波数に戻らずにf0よりも低い値f2となる。この振動周波数の変動値Δf(f0とf2との差)の特性のことをドライブレベル特性という。なお、Δfの振れ幅が小さいほど、ドライブレベル特性は良好であるといえる。
本実施形態によれば、振動腕部10,11の−Y側の断面積S2は大きくなっているので、振動腕部10,11の−Y側の曲げ剛性を高く確保できる。これにより、圧電振動片4を作動させた際に、基部12と振動腕部10,11との接続部分近傍において、振動腕部10,11の歪が抑制される。したがって、良好なドライブレベル特性を有する圧電振動片4が得られる。
(励振電極)
図1に示すように、上述した圧電振動片4は、一対の振動腕部10,11に形成されて一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1の励振電極13および第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16,17とを有している。
励振電極13,14は、一対の振動腕部10,11の主面上に形成される。例えば、クロム(Cr)等の単層の導電性膜により形成される。励振電極13,14は、電圧が印加されたときに、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間するように、X方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。
一対の励振電極13,14は、一対の振動腕部10,11の表面にそれぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、第1の励振電極13は、主に第1の振動腕部10の溝部51内およびリブ53の外表面と、第2の振動腕部11の+X側面11aおよび−X側面11bと、に形成されている(図4参照)。また、第2の励振電極14は、主に第2の振動腕部11の溝部51内およびリブ53の外表面と、第1の振動腕部10の+X側面10aおよび−X側面10bと、に形成されている(図4参照)。
(マウント電極)
図1に示すように、基部12には、中心軸Oを挟んで一対のマウント電極16,17が形成されている。マウント電極16,17は、クロムと金との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成される。ただし、この場合に限られず、例えば、クロムとニクロムを下地層として成膜した後に、表面にさらに金の薄膜を仕上げ層として成膜しても構わない。
(引き出し電極)
また、基部12には、励振電極13,14と、マウント電極16,17とをそれぞれ電気的に接続する引き出し電極19,20が形成されている。
引き出し電極19は、マウント電極16と、第1の振動腕部10に形成された第1の励振電極13とを接続しており、中心軸Oを跨るように形成されている。
また、引き出し電極20は、マウント電極17と、第1の振動腕部10に形成された第2の励振電極14とを接続しており、基部12の+X側においてY方向に沿うように形成されている。
引き出し電極19,20は、マウント電極16,17の下地層と同じ材料のクロムにより、単層膜で形成されている。これにより、マウント電極16,17の下地層を成膜するのと同時に、引き出し電極19,20を成膜することができる。ただし、この場合に限られず、例えば、ニッケルやアルミニウム、チタン等により引き出し電極19,20を成膜しても構わない。
振動腕部10,11の先端部には、所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための粗調膜21aおよび微調膜21bからなる重り金属膜21が形成されている。この重り金属膜21を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができるようになっている。
(実施形態の効果)
本実施形態によれば、溝部51内にリブ53を形成することで振動腕部10,11の断面積を大きくできる。特に、実施形態のリブ53は、溝部51の−Y側から+Y側に向かって伸びている。さらに、−Y側のリブ53の幅を+Y側のリブ53の幅よりも広く形成しつつ、−Y側の溝部51の幅を+Y側の溝部51の幅よりも狭く形成している。このため、振動腕部10,11の−Y側において、溝部51の+X側面51cとリブ53の+X側面53cとの幅、および溝部51の−X側面51dとリブ53の−X側面53dとの幅が狭く形成されるので、振動腕部10,11の+Y側の断面積よりも振動腕部10,11の−Y側の断面積を大きくできる(図3および図4参照)。これにより、従来技術と比較して振動腕部10,11のZ方向に対する曲げ剛性を高く確保できる。したがって、圧電振動片4を作動させた際に、振動腕部10,11がZ方向に振動するのを抑制し、CI値の上昇や振動漏れを抑制できる圧電振動片4を得ることができる。
また、振動腕部10,11の曲げ剛性を高く確保することで、圧電振動片4が落下等して衝撃を受けた場合でも、振動腕部10,11の破損を防止できる。
(実施形態の第1変形例)
次に、実施形態の第1変形例について説明する。
図6は、実施形態の第1変形例の説明図である。
上述の実施形態では、リブ53は、−Y側端部53aが溝部51の−Y側壁面51aと接続されており、−Y側から+Y側に向かって伸びて形成されていた(図2参照)。これに対して、第1変形例では、図6に示すように、リブ53は、+Y側端部53bが溝部51の+Y側壁面51bと接続されており、+Y側から−Y側に向かって伸びて形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
(溝部)
図6に示すように、振動腕部10には、溝部51が形成されている。溝部51は、−Y側壁面51aの幅L1が+Y側壁面51bの幅L2よりも狭くなるように形成されている。本変形例における溝部51の−Y側壁面51aの幅L1は、実施形態における溝部51の−Y側壁面51aの幅L1(図2参照)よりも狭く形成されている。
溝部51内のX方向略中央には、リブ53が形成されている。リブ53の−Y側端部53aは、振動腕部10と基部12との接続部よりも+Y側に配置されており、溝部51の−Y側壁面51aと離間している。リブ53の+Y側端部53bは、溝部51の+Y側壁面51bと接続されている。すなわち、リブ53は、溝部51内の+Y側壁面51bから振動腕部10と基部12との接続部よりも+Y側までの範囲にわたって、Y方向に沿って形成されている。
リブ53は、溝部51の形状に対応して、−Y側端部53aの幅L3が+Y側端部53bの幅L4よりも狭くなるように形成されている。具体的には、+Y側から−Y側にかけて、リブ53の+X側面53cが−X側に所定角度で傾斜し、−X側面53dが+X側に所定角度で傾斜して形成されている。これにより、リブ53の幅は、+Y側から−Y側にかけて漸次テーパ状に狭くなるように形成されている。
(第1変形例の効果)
第1変形例によれば、振動腕部10,11の−Y側において、振動腕部10,11の+X側面10a,11aと溝部51の+X側面51cとの幅、および振動腕部10,11の−X側面10b,11bと溝部51の−X側面51dとの幅が広く形成される。これにより、振動腕部10,11の−Y側の曲げ剛性をさらに高めることができるので、振動腕部10,11が+Z方向に振動するのを抑制できる。また、溝部51の幅が広く形成された+Y側からリブ53を形成することで、溝部51の形成領域における振動腕部10,11の断面積を、Y方向に沿って略一定に形成できる。振動腕部10,11が衝撃を受けた場合でも、応力が集中するのを抑制して振動腕部10,11の破損を防止できる。
(実施形態の第2変形例)
次に、実施形態の第2変形例について説明する。
図7は、実施形態の第2変形例の説明図である。
上述の実施形態および第1変形例では、溝部51の幅が、+Y側から−Y側にかけて狭くなるように形成されていた(図2および図6参照)。これに対して、本変形例では、溝部51の幅が、Y方向に沿って一定に形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
(溝部)
図7に示すように、振動腕部10には、溝部51が形成されている。溝部51は、−Y側壁面51aの幅L1と+Y側壁面51bの幅L2とが略同一に形成されている。具体的には、+Y側から−Y側にかけて、溝部51の+X側面51cと振動腕部10の+X側面10a、および溝部51の−X側面51dと振動腕部10の−X側面10bが略平行になるように形成されている。すなわち、溝部51の幅は、Y方向に沿って一定に形成されている。なお、実施形態と同様に、リブ53の−Y側端部53aの幅L3は、リブ53の+Y側端部53bの幅L4よりも広くなっている
(第2変形例の効果)
第2変形例によれば、溝部51の幅を振動腕部10,11のY方向に沿って一定に形成することで、振動腕部10,11の+X側面10a,11aと溝部51の+X側面51c、および振動腕部10,11の−X側面10b,11bと溝部51の−X側面51dとを極めて短い距離で対向配置できる。これにより、励振電極13,14に電圧を印加したとき、X方向に沿って振動腕部10,11の+X側面10a,11aと溝部51の+X側面51c、および振動腕部10,11の−X側面10b,11bと溝部51の−X側面51dとを交差する電界を効率よく形成できる。すなわち、X方向で振動腕部10,11に効率よく電界を形成できるので、効率よく振動腕部10,11をX方向に振動させることができる。特に、−Y側のリブ53の幅を+Y側のリブ53の幅よりも広く形成しつつ、溝部51の幅を振動腕部10,11のY方向に沿って一定に形成することで、振動腕部10,11の−Y側の曲げ剛性を高めつつ、損失の少ない圧電振動片4を形成できる。
(圧電振動子)
次に、上述した製造方法により製造された圧電振動片4を備えたパッケージ9として、圧電振動子1について説明する。
図8は、圧電振動子1の外観斜視図である。
図9は、圧電振動子1の内部構成図であって、リッド基板3を取り外した状態の平面図である。
図10は、図9のC−C線における断面図である。
図11は、図8に示す圧電振動子1の分解斜視図である。
なお、図11においては、図面を見易くするために後述する励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21の図示を省略している。
図8に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2およびリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティ3aに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
図10に示すように、ベース基板2およびリッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティ3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35(接合材)が形成されている。接合膜35は、キャビティ3aの内面全体に加えて、キャビティ3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35は、シリコンにより形成されているが、クロムやアルミニウム等で接合膜35を形成することも可能である。この接合膜35とベース基板2とが陽極接合され、キャビティ3aが真空封止されている。
圧電振動子1は、ベース基板2を厚さ方向に貫通し、キャビティ3aの内側と圧電振動子1の外側とを導通する貫通電極32,33を備えている。そして、貫通電極32,33は、ベース基板2を貫通する貫通孔30,31内に配置され、圧電振動片4と外部とを電気的に接続する金属ピン7と、貫通孔30,31と金属ピン7との間に充填される筒体6と、により形成されている。以下には貫通電極32を例にして説明するが、貫通電極33についても同様である。また、貫通電極33、引き回し電極37および外部電極39の電気的接続についても、貫通電極32、引き回し電極36および外部電極38と同様となっている。
貫通孔30は、ベース基板2の上面U側から下面L側にかけて、内形が次第に大きくなるように形成されており、貫通孔30の中心軸Pを含む断面形状がテーパ状となるように形成されている。
金属ピン7は、銀やニッケル合金、アルミニウム等の金属材料により形成された導電性の棒状部材であり、鍛造やプレス加工により成型される。金属ピン7は、線膨張係数がベース基板2のガラス材料と近い金属、例えば、鉄を58重量パーセント、ニッケルを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)で形成することが望ましい。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6の中心には、金属ピン7が筒体6を貫通するように配されており、筒体6は、金属ピン7および貫通孔30に対して強固に固着している。
図11に示すように、ベース基板2の上面U側には、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。また、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれ金等からなるバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片4の一対のマウント電極が実装されている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極17(図9参照)が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極16(図9参照)が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
ベース基板2の下面Lには、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手方向の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13および第2の励振電極14に電圧を印加できるので、一対の振動腕部10,11を接近および離間させるように、X方向(図1参照)に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用できる。
(効果)
本実施形態によれば、CI値の上昇や振動漏れを抑制できる圧電振動片4を備えているので、高効率で消費電力の少ない圧電振動子1を提供できる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図12に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111および圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加できる。
本実施形態によれば、高効率で消費電力の少ない高性能な発振器110を提供できる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図13を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化および軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図13に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133および呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化および複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キーおよびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129および着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示できる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断できる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止できる。
本実施形態によれば、高効率で消費電力の少ない高性能な携帯情報機器120を提供できる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図14に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC147に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態によれば、高効率で消費電力の少ない高性能な電波時計140を提供できる。
なお、この発明の技術範囲は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では、表面実装型の圧電振動子1に本発明の圧電振動片4を採用しているが、これに限らず、例えばシリンダーパッケージタイプの圧電振動子に本発明の圧電振動片4を採用しても構わない。
実施形態および各変形例では、溝部51内にリブ53が1本形成されていたが、リブ53の本数は1本に限定されることはなく、溝部51内にリブ53が複数本形成されていてもよい。
実施形態および各変形例では、振動腕部10,11に溝部51が1本ずつ形成されていたが、溝部51の本数は1本に限定されることはなく、振動腕部10,11に溝部51が複数本ずつ形成されていてもよい。
実施形態および第2変形例では、溝部51内に形成されたリブ53の幅が、+Y側から−Y側にかけて漸次広くなるように形成されていた。しかし、例えばリブ53の幅が、+Y側から−Y側にかけて階段状に広くなるように形成されていてもよい。また、リブ53の幅が、+Y側から−Y側にかけて一定に形成されていてもよい。
本実施形態および第1変形例では、溝部51が+Y側から−Y側に向かって、テーパ状に狭くなるように形成されていた。しかし、例えば、溝部51が階段状に狭くなるように形成されていてもよい。
1・・・圧電振動子 4・・・圧電振動片 10,11・・・振動腕部 12・・・基部 51・・・溝部 51a・・・−Y側壁面(基端側の壁面) 51b・・・+Y側壁面(先端側の壁面) 53・・・リブ 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 140・・・電波時計

Claims (7)

  1. 幅方向に並んで配置された一対の振動腕部と、
    前記振動腕部の両主面上に形成され、前記振動腕部の長手方向に沿って伸びる溝部と、
    前記一対の振動腕部が接続された基部と、
    を備えた圧電振動片であって、
    前記溝部内には、前記長手方向の基端側および前記長手方向の先端側のいずれか一方の壁面から、前記基端側および前記先端側のいずれか他方に向かって伸びるリブが形成され、
    前記振動腕部の前記基端側における前記リブの幅は、前記振動腕部の前記先端側における前記リブの幅よりも広く形成され、
    前記溝部の幅は、前記長手方向に沿って一定に形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  2. 請求項1に記載の圧電振動片であって、
    前記リブは、前記基端側の壁面から前記先端側に向かって伸びていることを特徴とする圧電振動片。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動片であって、
    前記溝部の前記幅方向の一方の側面から前記リブの一方の前記幅方向の壁面までの幅は、前記基端側よりも前記先端側の方が広く形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  4. 請求項1に記載の圧電振動片を備えたことを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  6. 請求項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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