JP5246701B2 - 圧電振動片の製造方法 - Google Patents

圧電振動片の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5246701B2
JP5246701B2 JP2009027854A JP2009027854A JP5246701B2 JP 5246701 B2 JP5246701 B2 JP 5246701B2 JP 2009027854 A JP2009027854 A JP 2009027854A JP 2009027854 A JP2009027854 A JP 2009027854A JP 5246701 B2 JP5246701 B2 JP 5246701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask
piezoelectric vibrating
wafer
vibrating piece
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009027854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010183537A (ja
Inventor
高志 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2009027854A priority Critical patent/JP5246701B2/ja
Publication of JP2010183537A publication Critical patent/JP2010183537A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5246701B2 publication Critical patent/JP5246701B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

本発明は、圧電振動片の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られているが、その1つとして、表面実装(SMD)型の圧電振動子が知られている。この種の圧電振動子としては、例えば互いに接合されたベース基板及びリッド基板と、両基板の間に形成されたキャビティと、キャビティ内に気密封止された状態で収納された圧電振動片とを備えている。
上述した圧電振動片は、平行に配された一対の振動腕部と、一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、一対の振動腕部の外表面上に形成され、一対の振動腕部を振動させる一対の励振電極とを備えている。
また圧電振動片は、一般的に水晶等のウエハをエッチング加工することで製造されている。具体的には、例えば特許文献1に示されるように、圧電振動片の外形パターンとなるウエハ用マスク(第1マスク)を圧電振動片の外形形状にパターニングし、このウエハ用マスクを介してウエハから圧電振動片の外形を形作るようになっている。
ところで、この圧電振動片は、搭載される機器の小型化に伴って、さらなる小型化が望まれている。小型化を図る方法としては、いくつかの方法が考えられているが、その1つとして振動腕部の両面に溝部を形成する方法がある。この構成によれば、一対の励振電極間における電界効率を上げることができるので、振動損失を抑えて振動特性を向上させることができる。つまり、圧電振動片の小型化を図った上で、圧電振動片のCI値(Crystal Impedance)をさらに低くすることができるとされている。
圧電振動片に溝部を形成するには、まず上述したウエハ用マスク上に溝パターンとなるフォトレジスト膜を形成する。次いで、溝部の形成領域を開口させるとともに、外形形状がウエハ用マスクの外形形状と同形状になるように、フォトレジスト膜をパターニングする。そして、フォトレジスト膜から露出した領域(溝部の形成領域)のウエハ用マスクをエッチングした後、ウエハにおける溝部の形成領域のエッチングを行うようになっている。
特開2002−76806号公報
しかしながら、圧電振動片に溝部を形成する場合、外形パターンとなるウエハ用マスクと溝パターンとなるフォトレジスト膜との重ね合わせ精度が、実際の圧電振動片の外形形状の精度に影響するという問題がある。
ここで、図32〜35に基づいて、従来の圧電振動片の製造方法を説明する。
図32に示すように、フォトレジスト膜242がウエハ用マスク240に対してずれて配置されていると、ずれた幅の分だけウエハ用マスク240の外周部分が露出する。
そして、図33に示すように、フォトレジスト膜242をマスクとして、溝部の形成領域(フォトレジスト膜242の開口部242a)のウエハ用マスク240をエッチングする際に、露出したウエハ用マスク240の外周部分もともにエッチングしてしまう虞がある。上述したように特許文献1の構成では、フォトレジスト膜242の外形形状をウエハ用マスク240の外形形状と同形状にパターニングしているため、フォトレジスト膜242の重ね合わせ精度のバラツキが生じやすいという問題がある。
その結果、図34に示すように、溝部218の形成時に圧電振動片204の外周部分がエッチングされ、図35に示すように、圧電振動片204を所望の外形形状に形成できない場合がある。これにより、製品となる圧電振動片204にバラツキが生じることで、圧電振動片204の周波数のバラツキが生じ、振動特性の低下に繋がる。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、外形精度のバラツキを抑制し、安定した振動特性を得ることができる圧電振動片の製造方法を提供するものである。
上述した課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、平行に配置された一対の振動腕部と、前記一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、前記一対の振動腕部上に前記振動腕部の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部とを備えた圧電振動片を、ウエハから製造する圧電振動片の製造方法であって、前記ウエハ上の前記圧電振動片の形成領域に、前記圧電振動片の外形形状と同等の外形形状を有し、前記圧電振動片の外形および前記溝部を形成するための第1マスクを形成する第1マスク形成工程と、前記第1マスク上に、前記溝部の形成領域に開口部を有する第2マスクを形成する第2マスク形成工程と、前記第2マスクをマスクとして、前記開口部から露出している前記第1マスクを除去する工程と、を有し、前記第2マスク形成工程では、前記圧電振動片の外形形状より大きい外形形状を有する前記第2マスクを形成することを特徴としている。
この構成によれば、第2マスクが圧電振動片よりも大きく形成されているので、例え第2マスクの重ね合わせ精度にバラツキが生じた場合であっても、第2マスクによって、溝部の形成領域(開口部)を除く第1マスク上が外周部分まで完全に被覆される確率が高くなる。すなわち、圧電振動片の形成領域(第1マスク)が、第2マスクから露出することを防止できる。これにより、開口部から露出している第1マスクを除去する際に、第1マスクの外周部分を除去してしまうことがない。そのため、溝部を形成する際に、圧電振動片の外周部分を除去してしまうことなく溝部を形成することができる。その結果、所望の外形形状に圧電振動片を形作ることができる。すなわち、第2マスクの重ね合わせ精度のバラツキによる、圧電振動片の外形形状のバラツキを抑制することができる。
したがって、圧電振動片の周波数のバラツキを抑制し、安定した振動特性を有する圧電振動片を製造することができる。
また、本発明の構成によれば、第2マスクの外形形状を圧電振動片の外形形状に比べて大きく形成するのみであるので、製造効率の低下及び製造コストの増加を抑えた上で、安定した振動特性を有する圧電振動片を提供することができる。
また、前記第2マスク形成工程では、前記第2マスクの前記圧電振動片の外周縁からの拡大代が3μm以上10μm以下の範囲に設定することを特徴としている。
圧電振動片の外形形状に対する第2マスクの拡大代が3μmよりも小さいと、第2マスクの重ね合わせ精度の限界により、第1マスクの外周部分が第2マスクから露出する虞があるため好ましくない。一方、10μmよりも大きいと、第1マスクよりも外側に第2マスクが大きくはみ出すことになった場合に、圧電振動片の外形を形成する工程において、第2マスクが障害となって、圧電振動片の所望の外形形状にパターニングすることができなくなる虞があるため好ましくない。
これに対して、本発明の構成によれば、圧電振動片の外形形状に対する第2マスクの拡大代を3μm以上10μm以下の範囲に設定することで、圧電振動片の外形を形成する工程に影響を及ぼさない範囲で、第2マスクにより第1マスクの外周部分を確実に被覆することができる。
また、前記第2マスクを、前記圧電振動片よりも前記圧電振動片の少なくとも前記長手方向に直交する短手方向に沿って大きく形成することを特徴としている。
この構成によれば、振動特性への影響が大きい圧電振動片の短手方向において、第2マスクを、圧電振動片の外形形状よりも大きく形成することで、振動特性のバラツキを効果的に抑制することができる。
また、前記第2マスク形成工程の後に、前記第1マスクをマスクとして、前記ウエハから前記圧電振動片の外形を形成する工程と、前記第1マスクをマスクとして、前記溝部を形成する工程とを有することを特徴としている。
この構成によれば、第2マスク形成工程の後に、圧電振動片を所望の外形形状に形成することで、例えば第2マスク形成工程において、第2マスクの形成材料(例えば、フォトレジスト膜)をスピンコート法等によりウエハ上に一括して塗布することができる。したがって、ウエハの全面に亘って均一な膜を速やかに形成することができる。
また、前記前記圧電振動片の外形形状に形成する工程は、ウェットエッチングにより行うことを特徴としている。
この構成によれば、第2マスクが第1マスクの外周部分を覆ってウエハ上にまで形成された場合であっても、第2マスクとウエハとの間にエッチャントが入り込んで、第1マスクの外周部分まで到達する。これにより、第1マスクの外形形状に倣って、ウエハを所望の外形形状(圧電振動片の外形形状)に確実にエッチング加工することができる。
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、上述した圧電振動子を備えているので、圧電振動子と同様に信頼性の高い製品を提供することができる。
本発明に係る圧電振動片の製造方法によれば、圧電振動片の周波数のバラツキを抑制し、安定した振動特性を有する圧電振動片を製造することができる
本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。 図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 図1に示す圧電振動子を構成する圧電振動片の上面図である。 図5に示す圧電振動片の下面図である。 図5に示す断面矢視B−B図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の流れを示すフローチャートである。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、ウエハの平面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 図1に示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に沿うウエハの断面図である。 同一ウエハ上において、フォトレジスト膜がずれた場合を示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 同一ウエハ上において、フォトレジスト膜がずれた場合を示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 同一ウエハ上において、フォトレジスト膜がずれた場合を示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 同一ウエハ上において、フォトレジスト膜がずれた場合を示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。 従来における圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 従来における圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 従来における圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。 従来における圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。
次に、図面に基づいて本発明に係る実施形態を説明する。
(圧電振動子)
図1は本発明に係る圧電振動子の外観斜視図であり、図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図ある。また、図3は図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図であり、図4は圧電振動子の分解斜視図である。
図1〜4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2とリッド基板3とで2層に積層された箱状に形成されており、内部のキャビティC内に圧電振動片4が収納された表面実装型の圧電振動子である。なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21の図示を省略している。
図5は圧電振動子を構成する圧電振動片の上面図であり、図6は下面図、図7は図5のB−B線に沿う断面図である。
図5〜7に示すように、圧電振動片4は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16,17とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の振動腕部10,11の両主面上に、振動腕部10,11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。この溝部18は、振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。
また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に電気的に接続されている。そして圧電振動片4は、このマウント電極16,17を介して電圧が印加されるようになっている。
なお、上述した励振電極15、マウント電極16,17及び引き出し電極19,20は、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成されたものである。
また、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。なお、この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
このように構成された圧電振動片4は、図3,4に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の上面にバンプ接合されている。より具体的には、ベース基板2の上面にパターニングされた後述する引き回し電極36,37上に形成された2つのバンプB上に、一対のマウント電極16,17がそれぞれ接触した状態でバンプ接合されている。これにより、圧電振動片4は、ベース基板2の上面から浮いた状態で支持されると共に、マウント電極16,17と引き回し電極36,37とがそれぞれ電気的に接続された状態となっている。
上述したリッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であり、図1,3,4に示すように、板状に形成されている。そして、ベース基板2が接合される接合面側には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2,3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。そして、リッド基板3は、この凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して陽極接合されている。
上述したベース基板2は、リッド基板3と同様にガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板であり、図1〜4に示すように、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大きさで板状に形成されている。
このベース基板2には、ベース基板2を貫通する一対のスルーホール30,31が形成されている。この際、一対のスルーホール30,31は、キャビティC内に収まるように形成されている。より詳しく説明すると、本実施形態のスルーホール30,31は、マウントされた圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一方のスルーホール30が形成され、振動腕部10,11の先端側に対応した位置に他方のスルーホール31が形成されている。また、本実施形態では、ベース基板2の下面から上面に向かって漸次径が縮径した断面テーパ状のスルーホールを例に挙げて説明するが、この場合に限られず、ベース基板2を真っ直ぐに貫通するスルーホールでも構わない。いずれにしても、ベース基板2を貫通していれば良い。
そして、これら一対のスルーホール30,31には、これらスルーホール30,31を埋めるように形成された一対の貫通電極32,33が形成されている。これら貫通電極32,33は、図3に示すように、焼成によってスルーホール30,31に対して一体的に固定された筒体6及び芯材部7によって形成されたものであり、スルーホール30,31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する外部電極38,39と引き回し電極36,37とを導通させる役割を担っている。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で且つベース基板2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。そして、筒体6の中心には、芯材部7が筒体6を貫通するように配されている。また、本実施形態ではスルーホール30,31の形状に合わせて、筒体6の外形が円錐状(断面テーパ状)となるように形成されている。そして、この筒体6は、スルーホール30,31内に埋め込まれた状態で焼成されており、これらスルーホール30,31に対して強固に固着されている。
上述した芯材部7は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体6と同様に両端が平坦で、且つベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。そして、この芯材部7は、筒体6の中心孔6cに位置しており、筒体6の焼成によって筒体6に対して強固に固着されている。
なお、貫通電極32,33は、導電性の芯材部7を通して電気導通性が確保されている。
ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合される接合面側)には、図1〜4に示すように、導電性材料(例えば、アルミニウム)により、陽極接合用の接合膜35と、一対の引き回し電極36,37とがパターニングされている。このうち接合膜35は、リッド基板3に形成された凹部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周縁に沿って形成されている。
また、一対の引き回し電極36,37は、一対の貫通電極32,33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的に接続するとともに、他方の貫通電極33と圧電振動片4の他方のマウント電極17とを電気的に接続するようにパターニングされている。
より詳しく説明すると、一方の引き回し電極36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置するように一方の貫通電極32の真上に形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿ってこれら振動腕部10,11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
そして、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれバンプBが形成されており、このバンプBを利用して圧電振動片4がマウントされている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
また、ベース基板2の下面には、図1,3,4に示すように、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38,39が形成されている。つまり、一方の外部電極38は、一方の貫通電極32及び一方の引き回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。また、他方の外部電極39は、他方の貫通電極33及び他方の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電流を流すことができ、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動片の製造方法)
次に、上述した圧電振動片の製造方法について説明する。以下の説明では、主として水晶からなるウエハから複数の圧電振動片を製造する場合について説明する。図8は、圧電振動片の製造方法を示すフローチャートであり、図9〜24は圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図9はウエハの平面図、図10〜24は図9のC−C線に沿うウエハの断面図を示している。
図8,10に示すように、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。続いて、このウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハSとする(S10)。
次に、複数の圧電振動片4の外形形状をパターニングするための外形パターンとなる、ウエハ用マスク(第1マスク)40を形成する外形パターン形成工程を行う(S20:第1マスク形成工程)。この工程について、具体的に説明する。
始めに、図11に示すように、ポリッシングが終了したウエハSを準備した後、ウエハSの両面にウエハ用マスク40をそれぞれ成膜する(S21)。このウエハ用マスク40としては、例えば、クロム(Cr)を数μm成膜する。
次いで、図12に示すように、ウエハ用マスク40上にスピンコート法等によりフォトレジスト膜41を形成する。その後、図13,14に示すように、フォトリソ技術によって露光・現像を行うことで、圧電振動片4の形成領域において、フォトレジスト膜41が圧電振動片4の外形形状と同等の外形形状を有するようにパターニングする(図14参照)。
そして、図15に示すように、パターニングされたフォトレジスト膜41をマスクとしてエッチング加工(例えば、ウェットエッチング)を行い、マスクされていないウエハ用マスク40(圧電振動片4の形成領域以外のウエハ用マスク40)を選択的に除去する(S22)。その後、図16に示すように、エッチング加工後にフォトレジスト膜41を除去する。これにより、図9,16に示すように、ウエハ用マスク40を圧電振動片4の外形形状と同等の形状にパターニングすることができる。すなわち、一対の振動腕部10,11及び基部12の外形形状に倣って、ウエハ用マスク40をパターニングすることができる。またこの際、ウエハS上に形成する複数の圧電振動片4の数だけ、一括してパターニングを行う。
次に、複数の圧電振動片4の溝部18形状をパターニングするための溝パターンとなる、フォトレジスト膜(第2マスク)42を形成する溝パターン形成工程を行う(S30:第2マスク形成工程)。この工程について、具体的に説明する。
まず、図17に示すように、ウエハ用マスク40がパターニングされたウエハS上に、再びフォトレジスト膜42を形成する(S31)。具体的には、まずスピンコート法によりフォトレジスト膜42の形成材料を、ウエハSの両面にウエハ用マスク40を覆うように塗布する。なお、この時点でウエハS上における圧電振動片4の形成領域にはウエハ用マスク40が形成されているが、ウエハ用マスク40は膜厚数μの非常に薄い膜なので、フォトレジスト膜42の形成材料をスピンコート法によりウエハS全面に塗布する際に、ウエハ用マスク40によってフォトレジスト膜42の形成材料の進行が阻害されることはない。すなわち、ウエハSを圧電振動片4の外形形状にパターニングする前段で、スピンコート法によりフォトレジスト膜42の形成材料を塗布することで、ウエハSの全面に亘って均一な膜を速やかに形成することができる。なお、フォトレジスト膜42の形成材料は、スピンコート法以外にスプレーコート法等でも塗布することが可能である。
次に、図18に示すように、上述したフォトレジスト膜42を、フォトリソ技術によってパターニングする(S32)。この際、図19に示すように、溝部18の形成領域に開口部42aを有した状態で、かつ圧電振動片4(ウエハ用マスク40)の外形形状よりも大きくなるようにパターニングする。具体的には、フォトレジスト膜42の開口部42aは、溝部18の形成領域に、形成すべき溝部18の幅方向及び長さ方向の長さと同等になるようにパターニングする。一方、フォトレジスト膜42の外形形状は、圧電振動片4の形成領域に、形成すべき圧電振動片4の幅方向及び長さ方向よりもそれぞれ大きくパターニングする。したがって、フォトレジスト膜42が所望の位置で重ね合わされた場合、すなわち、ウエハ用マスク40の幅方向における中心とフォトレジスト膜42の幅方向における中心とが一致している場合、フォトレジスト膜42の外周部分は、ウエハ用マスク40の外周部分から側面を覆ってウエハSの主面上まで達した状態となる。
この場合、少なくとも振動腕部10,11の形成領域にいて、ウエハ用マスク40(圧電振動片4)に対するフォトレジスト膜42の拡大代は、ウエハ用マスク40の外周縁から幅方向及び長さ方向にそれぞれ3μm以上10μm以下の範囲で大きく設定することが好ましい。すなわち、ウエハ用マスク40に対するフォトレジスト膜42の拡大代が3μmよりも小さいと、パターニング時の重ね合わせ精度の限界により両者間でずれが生じた場合に、ウエハ用マスク40の外周部分がフォトレジスト膜41から露出する虞があるため好ましくない。一方、10μmよりも大きいと、後述する外形形成工程(S40)において、ウエハ用マスク40の側面に回り込んだフォトレジスト膜42とウエハSとの間に、エッチャントが回り込まず、圧電振動片4の所望の外形形状にパターニングすることができなくなる虞があるため好ましくない。
これに対して、フォトレジスト膜42のウエハ用マスク40の外周縁からの拡大代を、ウエハ用マスク40の長さ方向及び幅方向に3μm以上10μm以下の範囲で長く設定することで、後述する外形形成工程において影響を及ぼさない範囲で、フォトレジスト膜42によりウエハ用マスク40の外周部分を確実に被覆することができる。なお、フォトレジスト膜42は、本実施形態のようにウエハ用マスク40の幅方向及び長さ方向にそれぞれ長く形成されていることが好ましいが、振動特性への影響が大きい幅方向のみが少なくともウエハ用マスク40よりも長く形成されていればよい。この時点で、溝パターン形成工程が終了する。
次に、複数の圧電振動片4の外形形状をパターニングする外形形成工程を行う(S40)。
まず、図20に示すように、パターニングされたウエハ用マスク40をマスクとして、ウエハSの両面をそれぞれウェットエッチングする。これにより、ウエハ用マスク40でマスクされていない領域を選択的に除去して、溝部18を除く圧電振動片4の外形形状を形作ることができる。なお、本実施形態では、フォトレジスト膜42がウエハ用マスク40の外周部分及び側面を覆ってウエハS上にまで形成されているが、フォトレジスト膜42とウエハSとは密着性が無いため、フォトレジスト膜42とウエハSとの間にエッチャントが入り込んでいく。これにより、ウエハ用マスク40の外周部分まで到達するため、エッチングには何ら影響はない。すなわち、ウエハ用マスク40の外形形状に倣って、ウエハSを所望の外形形状(圧電振動片4の外形形状)に確実にエッチング加工することができる。なお、複数の圧電振動片4は、後に行う切断工程(S110)を行うまで、図示しない連結部を介してウエハSに連結された状態となっている。
そして、図21に示すように、フォトレジスト膜42の開口部42a(溝部18の形成領域)から露出したウエハ用マスク40を、ウェットエッチングにより除去する(S50)。具体的には、フォトレジスト膜42をマスクとしてエッチング加工することで、溝部18の形成領域のウエハ用マスク40を選択的に除去する。
続いて、図22に示すように、再度パターニングされたウエハ用マスク40及びフォトレジスト膜42をマスクとして、ウエハSの両面にウェットエッチングを行うことで溝部18を形成する(S60:溝部形成工程)。これにより、ウエハ用マスク40でマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電振動片4の振動腕部10,11上に溝部18を形成することができる。
次に、図23に示すように、溝部18を形成した後、マスクとしていたフォトレジスト膜42を除去し(S70)、続いて図24に示すようにウエハ用マスク40を除去する(S80)。以上により、図24に示すように、振動腕部10,11上に溝部18を有する複数の圧電振動片4が、ウエハSに連結された状態で形成される。
そして、ウエハSに複数の圧電振動片4が連結された状態で、圧電振動片4の外表面上に励振電極15、引き出し電極19,20及びマウント電極16,17を形成する電極形成工程を行う(S90)。
また、上記電極形成工程が終了した後、一対の振動腕部10,11の先端に周波数調整用の粗調膜21a及び微調膜21bからなる重り金属膜21(例えば、銀や金等)を被膜させる(S100)。
最後に、ウエハSと圧電振動片4とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片4をウエハSから切り離して小片化する切断工程を行う(S110)。これにより、ウエハSから、励振電極14、引き出し電極19,20及びマウント電極16,17が形成された圧電振動片4を一度に複数製造することができる。
ここで、フォトレジスト膜42の重ね合わせ精度がずれた場合について説明する。図25〜28は、同一ウエハ上において、フォトレジスト膜がずれた場合を示す圧電振動片を製造する際の工程図であって、図9のC−C線に相当するウエハの断面図である。なお、以下の説明では、上述した溝パターン形成工程(S30)以降の工程について説明する。
溝パターン形成時において、フォトレジスト膜42の重ね合わせ精度にずれが生じた場合には、例えば、図25に示すように、フォトレジスト膜42の幅方向一端側はウエハ用マスク40の幅方向一端側と面一になる一方、フォトレジスト膜42の他端側はウエハ用マスク40の幅方向他端側を覆ってウエハSの主面上まで達した状態となる。そのため、フォトレジスト膜42の開口部42aの幅方向における中心は、ウエハ用マスク40の幅方向における中心から他端側寄りにずれている。
しかしながら、本実施形態では、フォトレジスト膜42のウエハ用マスク40の外周縁からの拡大代を、ウエハ用マスク40のよりも3μm以上10μm以下の範囲で長く設定しているため、フォトレジスト膜42の重ね合わせ精度にずれが生じた場合であっても、フォトレジスト膜42によりウエハ用マスク40を被覆することができる。
しかも、図26に示すように、外形形成工程においても、フォトレジスト膜42とウエハSとの間にエッチャントが入り込んでいくので、ウエハ用マスク40の外形形状に倣って、ウエハSを所望の外形形状(圧電振動片4の外形形状)に確実にエッチング加工することができる。その後、フォトレジスト膜42の開口部42a(溝部18の形成領域)から露出したウエハ用マスク40を、ウェットエッチングにより除去する。そのため、ウエハ用マスク40の開口部分は、幅方向中心より他端側寄りに形成される。
そして、図27に示すように、ウエハ用マスク40及びフォトレジスト膜42をマスクとして、ウエハSの両面にウェットエッチングを行うことで溝部18を形成する。この時、フォトレジスト膜42が所望の位置で重ね合わされた場合に比べて、溝部18が若干ずれることになるが、圧電振動片4の外周部分はウエハ用マスク40及びフォトレジスト膜42によって確実に保護されている。すなわち、同一ウエハS上において、フォトレジスト膜42の重ね合わせ精度にずれが生じた場合であっても、図28に示すように、圧電振動片4自体の体積は各圧電振動片4間で変わらないため、各圧電振動片4によって同様の振動特性を発揮させることができる。
このように、本実施形態では、溝パターン形成工程(S30)において、ウエハ用マスク40上に溝部18の形成領域に開口部42aを有するとともに、圧電振動片4(ウエハ用マスク40)の外形形状よりも大きいフォトレジスト膜42を形成する構成とした。
この構成によれば、フォトレジスト膜42がフォトレジスト膜41よりも大きく形成されているので、例えフォトレジスト膜42の重ね合わせ精度にバラツキが生じた場合であっても、フォトレジスト膜42によって、溝部18の形成領域(開口部42a)を除くウエハ用マスク40上が完全に被覆される確率が高くなる。すなわち、圧電振動片4の形成領域が、フォトレジスト膜42から露出することを防止できる。これにより、開口部42aから露出しているウエハ用マスク40を除去する際に、ウエハ用マスク40の外周部分を除去してしまうことがない。そのため、溝部18を形成する際に、圧電振動片4の外周部分を除去してしまうことなく溝部18を形成することができる。その結果、所望の外形形状に圧電振動片4を形作ることができる。すなわち、重ね合わせ精度のバラツキによる、圧電振動片4の外形形状のバラツキを効果的に抑制することができる。
したがって、圧電振動片4の周波数のバラツキを抑制し、安定した振動特性を有する高性能な圧電振動子1をウエハS上で一括して製造することができる。そして、本実施形態の圧電振動子1は、上述した製造方法で製造された圧電振動片4を備えているので、小型で高性能な圧電振動子1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、フォトレジスト膜42の外形形状を圧電振動片4の外形形状に比べて大きく形成するのみであるので、製造効率の低下及び製造コストの増加を抑えた上で、安定した振動特性を有する圧電振動片4を提供することができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図29を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図29に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、小型化及び高品質化された圧電振動子1を備えているので、発振器100自体も同様に小型化及び高品質化を図ることができる。さらにこれに加え、安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図30を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図30に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、小型化及び高品質化された圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器自体も同様に小型化及び高品質化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図31を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図31に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。
続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、小型化及び高品質化された圧電振動子1を備えているので、電波時計自体も同様に小型化及び高品質化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、圧電振動子の一例として、表面実装型の圧電振動子1を例に挙げて説明したが、この圧電振動子1に限定されるものではない。例えば、シリンダパッケージタイプの圧電振動子や、セラミックパッケージタイプの圧電振動子にも本発明を適用することができる。また、シリンダパッケージタイプの圧電振動子1を、さらにモールド樹脂部で固めて表面実装型振動子としても構わない。
また、上述した圧電振動片4は、上述した製造方法以外にも種々の製造方法で製造することが可能である。例えば、上述した実施形態ではフォトレジスト膜42を形成した後に、外形形成工程(S40)及び溝部形成工程(S50)を連続して行う場合について説明したが、フォトレジスト膜42を形成する前段でウエハ用マスク40のみをマスクにして外形形成工程を行ってもよい。この場合は、溝部18を除く圧電振動片4の外形形状が形成された後に、フォトレジスト膜42を形成して溝部形成工程を行うことになる。
また、上述した実施形態では、各エッチング加工時において、主としてウェットエッチングを行う場合について説明したが、ドライエッチングを採用することも可能である。
1…圧電振動子 4…圧電振動片 10,11…振動腕部(振動領域) 12…基部 18…溝部 40…ウエハ用マスク(第1マスク) 42…フォトレジスト膜(第2マスク) 42a…開口部 100…発振器 101…発振器の集積回路 110…携帯情報機器(電子機器) 113…電子機器の計時部 130…電波時計 131…電波時計のフィルタ部

Claims (4)

  1. 平行に配置された一対の振動腕部と、前記一対の振動腕部の基端側を一体的に固定する基部と、前記一対の振動腕部上に前記振動腕部の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部とを備えた圧電振動片を、ウエハから製造する圧電振動片の製造方法であって、
    前記ウエハ上の前記圧電振動片の形成領域に、前記圧電振動片の外形形状と同等の外形形状を有し、前記圧電振動片の外形および前記溝部を形成するための第1マスクを形成する第1マスク形成工程と、
    前記第1マスク上に、前記溝部の形成領域に開口部を有する第2マスクを形成する第2マスク形成工程と、
    前記第2マスクをマスクとして、前記開口部から露出している前記第1マスクを除去する工程と、を有し、
    前記第2マスク形成工程では、前記圧電振動片の外形形状より大きい外形形状を有する前記第2マスクを形成し、前記第2マスクの前記圧電振動片の外周縁からの拡大代を3μm以上10μm以下の範囲に設定することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  2. 前記第2マスクを、前記圧電振動片よりも前記圧電振動片の少なくとも前記長手方向に直交する短手方向に沿って大きく形成することを特徴とする請求項記載の圧電振動片の製造方法。
  3. 前記第2マスク形成工程の後であって前記第1マスクを除去する工程の前に、前記第1マスクをマスクとして、前記ウエハから前記圧電振動片の外形を形成する工程と、
    前記第1マスクを除去する工程の後に、前記第1マスクをマスクとして、前記溝部を形成する工程とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動片の製造方法。
  4. 記圧電振動片の外形を形成する工程は、ウェットエッチングにより行うことを特徴とする請求項記載の圧電振動片の製造方法。
JP2009027854A 2009-02-09 2009-02-09 圧電振動片の製造方法 Expired - Fee Related JP5246701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009027854A JP5246701B2 (ja) 2009-02-09 2009-02-09 圧電振動片の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009027854A JP5246701B2 (ja) 2009-02-09 2009-02-09 圧電振動片の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010183537A JP2010183537A (ja) 2010-08-19
JP5246701B2 true JP5246701B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=42764681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009027854A Expired - Fee Related JP5246701B2 (ja) 2009-02-09 2009-02-09 圧電振動片の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5246701B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3729249B2 (ja) * 2000-09-01 2005-12-21 セイコーエプソン株式会社 振動片の製造方法、振動片、振動片を有する振動子、発振器及び携帯電話装置
JP2004304577A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Seiko Epson Corp 圧電デバイスおよびジャイロセンサ、圧電振動片及び圧電デバイスの製造方法、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器
JP4548077B2 (ja) * 2004-09-30 2010-09-22 セイコーエプソン株式会社 水晶振動片および水晶振動子の製造方法
JP2008035441A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品
JP2008079033A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品
JP2008085631A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Citizen Miyota Co Ltd 振動片の製造方法、振動片、および振動子
JP4990596B2 (ja) * 2006-10-30 2012-08-01 日本電波工業株式会社 圧電振動子、圧電振動子の製造方法及び電子部品
JP4863901B2 (ja) * 2007-02-17 2012-01-25 セイコーインスツル株式会社 圧電振動片の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010183537A (ja) 2010-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5226791B2 (ja) 圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動子の製造方法
JP5065494B2 (ja) 圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動子の製造方法
JP5189378B2 (ja) 圧電振動子の製造方法
JP5226073B2 (ja) 圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP5819151B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP5385037B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法
JP2012169865A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計
JP2012199735A (ja) 圧電振動子の製造方法、圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計
TWI501056B (zh) 壓電振動片、壓電振動子、振盪器、電子機器及電波時鐘以及壓電振動片的製造方法
WO2009104328A1 (ja) 圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP5421690B2 (ja) パッケージの製造方法
WO2010097901A1 (ja) 陽極接合方法、パッケージの製造方法、圧電振動子の製造方法、発振器、電子機器および電波時計
JP2013165396A (ja) 圧電振動片、圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP5200257B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP5263529B2 (ja) 圧電振動子の製造方法
JP5263779B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、及び圧電振動子の製造方法、並びに発振器、電子機器及び電波時計
JP5246701B2 (ja) 圧電振動片の製造方法
WO2010097900A1 (ja) パッケージの製造方法、圧電振動子の製造方法、発振器、電子機器および電波時計
JP2013191981A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP2013187639A (ja) 圧電振動片の製造方法
JP2012169788A (ja) パッケージ製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP6105648B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法
JP5680163B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法
JP2013021601A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP5263778B2 (ja) 圧電振動子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130403

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5246701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees