JP5912051B2 - 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 - Google Patents

圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 Download PDF

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Description

この発明は、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計に関するものである。
携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その1つとして、いわゆる音叉型の圧電振動片をパッケージに封入した圧電振動子が知られている。
音叉型の圧電振動片は、所定方向に並んで配置された一対の振動腕部と、一対の振動腕部の長手方向(以下、単に「長手方向」ということがある。)の基端側を一体的に固定する基部とを有する、薄板状の水晶片である。この圧電振動片は、各振動腕部に形成された励振電極に電圧が印加されると、一対の振動腕部が接近および離間するように、所定方向に所定の共振周波数で振動する。
近年、パッケージが搭載される機器の小型化に伴って、圧電振動片のさらなる小型化が望まれている。そこで、例えば基部の長さを短くして、圧電振動片の全長をより短くすることが検討されている。しかしながら、圧電振動片は、基部を介してパッケージの内部電極にマウントされるので、基部の長さを短くしてしまうとマウント性能が劣ってしまうという問題がある。したがって、基部の長さは、通常、マウント性能を確保できる範囲内においてできるだけ短くなるように設計されている。
また、圧電振動片を作動させた際、基部を通じて振動漏れが発生することが知られている。この振動漏れは、CI値(Crystal Impedance)の上昇に繋がってしまうものであるので、できるだけ振動漏れを抑制する必要がある。この点、基部の長さをできるだけ長くすることで、基部により振動腕部の振動を十分減衰させることができるので、振動漏れを効率良く抑えることができる。しかしながら、上述したように、基部の長さは、小型化の観点からマウント性能を確保できる範囲内においてできるだけ短くなるように設計されているので、この長さを変更せずに振動漏れを抑制させることが要求される。
図16は、従来技術の圧電振動片201の平面図である。
例えば、特許文献1では、図16に示すように、基部212の両側に切り込み部224,224(本願請求項の「切り欠き部」に相当。)が二箇所設けられた圧電振動片201が提案されている。基部212には、切り込み部224,224によって、音叉腕210,211(本願請求項の「振動腕部」に相当。)の溝218,219の下端部221(本願請求項の「接続部」に相当。)と基部212の固定領域222(本願請求項の「マウント部」に相当。)との間に、他の部分に比べて幅狭な領域223(以下、「幅狭部」という。)が形成されている。
特許文献1によれば、音叉腕210,211の振動により溝218,219から漏れてきた漏れ振動は、切り込み部224,224により基部212の固定領域222に伝わり難くなることで、エネルギー逃げが生じ難くなるとされている。なお、幅狭部223の幅を狭くすればするほど、音叉腕210,211の振動が基部212の固定領域に伝わるルートを狭くできるので、音叉腕210,211側に振動を閉じ込め易くなり、振動漏れの抑制効果を高めることができると考えられる。
特開2002−261558号公報
しかし、特許文献1に記載の圧電振動片のように幅狭部を形成した場合には、幅狭部において、基部の断面積(振動腕部の長手方向と直交する断面における断面積。以下同じ。)が振動腕部の接続部およびマウント部の断面積よりも小さくなる。すなわち、幅狭部の断面係数(断面二次モーメントおよび断面二次極モーメント。以下同じ。)が、振動腕部の接続部およびマウント部の断面係数よりも小さくなる。これにより、基部の剛性(曲げ剛性およびねじり剛性。以下同じ。)が確保できず、外部衝撃等に対する耐衝撃性が低下するおそれがある。特に、この問題は、振動漏れの抑制効果を高めるために幅狭部の幅を狭くしたとき顕著になる。これに対して、基部の剛性を確保するために幅狭部の幅を広くしたときには、外部衝撃等に対する耐衝撃性を向上できるが、上述した振動漏れの抑制効果が十分に得られないおそれがある。
そこで本発明は、幅狭部により振動漏れを抑制しつつ、基部の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片と、この圧電振動片を用いた圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の圧電振動片は、所定方向に並んで配置された一対の振動腕部と、前記一対の振動腕部の長手方向における基端側を一体的に固定する基部と、を備えた圧電振動片であって、前記基部は、前記振動腕部の前記基端側が固定された接続部と、前記基部をマウントするためのマウント部と、前記接続部と前記マウント部との間に位置し、基部側面の外側から内側に切り欠かれた切り欠き部によって形成される幅狭部と、を備えており、前記切り欠き部を前記基部の厚さ方向から見た場合に、前記接続部側の壁面の少なくとも一部と、前記マウント部側の壁面の少なくとも一部が重なるように前記切り欠き部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、切り欠き部において、接続部側の壁面およびマウント部側の壁面が、厚さ方向から見て一部が重なるように形成されているので、幅狭部を通過する基部の断面積には、幅狭部の断面積に加えて、少なくとも接続部およびマウント部のいずれかの断面積を含めることができる。すなわち、本発明の構成により、切り欠き部を浅くして幅狭部の断面積を増やすことなく、幅狭部を通過する基部の断面積を従来よりも大きくすることができ、その結果、基部の断面係数を従来よりも大きくすることが可能になる。従って、幅狭部により振動漏れを抑制しつつ、基部の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片を形成できる。
また、前記接続部側の壁面および前記マウント部側の壁面は、前記厚さ方向に対して傾斜する傾斜面であり、両壁面が略平行に形成されていることを特徴とする。または、前記接続部側の壁面および前記マウント部側の壁面は、段差形状を有しており、両壁面が略平行に形成されていてもよい。
本発明によれば、ドライエッチングやレーザトリミング、機械加工等のいずれの方法を用いてもマウント部側の壁面と接続部側の壁面を容易に形成できる。したがって、幅狭部により振動漏れを抑制しつつ、基部の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片を低コストに形成できる。
また、前記切り欠き部には、前記幅狭部から外側に突出するリブが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、切り欠き部に幅狭部から突出するリブを形成しているので、リブの断面積の分、幅狭部を通過する基部の断面積をさらに大きくして、基部の断面係数をさらに大きくできる。したがって、基部の剛性を十分に確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片を形成できる。また、リブの幅や高さを調整することにより、幅狭部により振動漏れを抑制しつつ、基部の断面係数および耐衝撃性を所望に調整できる。
また、本発明の圧電振動子は、上述した圧電振動片を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、幅狭部により振動漏れを抑制しつつ、基部の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片を備えているので、CI値の上昇を抑制でき、かつ耐衝撃性に優れた圧電振動子を提供できる。
また、本発明の発振器は、上述した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、CI値の上昇を抑制でき、かつ耐衝撃性に優れた圧電振動子を備えているので、高効率で耐衝撃性に優れた発振器、電子機器および電波時計を提供できる。
本発明によれば、接続部側の壁面およびマウント部側の壁面が、厚さ方向から見て一部が重なるように形成されているので、幅狭部を通過する基部の断面積に、幅狭部の断面積に加えて、少なくとも接続部およびマウント部のいずれかの断面積を含むことができる。すなわち、本発明の構成により、幅狭部の断面積を増やすことなく、幅狭部を通過する基部の断面積を従来よりも大きくできるので、基部の断面係数を従来技術よりも大きくできる。したがって、幅狭部により振動漏れを抑制しつつ、基部の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片を形成できる。
実施形態の圧電振動片の平面図である。 実施形態の圧電振動片の側面図である。 図1のA−A線に沿った幅狭部の断面図である。 実施形態の第一変形例における圧電振動片の側面図である。 実施形態の第二変形例における圧電振動片の側面図である。 実施形態の第三変形例における圧電振動片の側面図である。 実施形態の第三変形例における幅狭部を通過する基部の断面図である。 実施形態の第四変形例における圧電振動片の平面図である。 圧電振動子の外観斜視図である。 圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図10のB−B線における断面図である。 図9に示す圧電振動子の分解斜視図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。 従来技術の圧電振動片の平面図である。
(圧電振動片)
以下に、図面に基づいて実施形態の圧電振動片について説明する。
図1は、第一実施形態の圧電振動片4の平面図である。なお、以下の説明では、振動腕部10,11が並んでいる所定方向(図1における紙面左右方向)をX方向とし、X方向における中心軸をOとし、圧電振動片4の外側を+X側とし、内側を−X側として説明している。また、振動腕部10,11の長手方向(図1における紙面上下方向)をY方向とし、振動腕部10,11の先端側を+Y側とし、振動腕部10,11の基端側を−Y側として説明している。また、圧電振動片4の厚さ方向(図1における紙面表裏方向)をZ方向とし、圧電振動片4の一方側(図1における紙面表側)を+Z側とし、他方側(図1における紙面裏側)を−Z側として説明している。
図1に示すように、本実施形態の圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。この圧電振動片4は、X方向に並んで配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12とを備えている。
一対の振動腕部10,11の両主面上には、振動腕部10,11のY方向に沿ってそれぞれ溝部18,19が形成されている。溝部18,19は、振動腕部10,11のY方向における略中間付近から、振動腕部10,11と基部12との接続部付近にわたって、所定の深さで形成されている。
また、一対の振動腕部10,11の両主面上には、不図示の励振電極が形成されている。励振電極は、電圧が印加されたときに振動腕部10,11を互いに接近または離間する方向(X方向)に所定の共振周波数で振動させる電極である。励振電極は、例えば、クロム等の単層の導電性膜により形成されている。
基部12は、平面視略矩形状に形成されている。基部12は、+Y側に位置する接続部21と、接続部21に対して−Y側に位置するマウント部22とを有している。
接続部21は、振動腕部10,11の−Y側が一体的に固定されることで、振動腕部10,11を支持している。接続部21の両主面上には、不図示の引き出し電極が形成されている。引き出し電極は、励振電極と、後述するマウント部22に形成されたマウント電極とを接続する電極である。引き出し電極は、励振電極と同様に、例えば、クロム等の単層の導電性膜により形成されている。
マウント部22は、後述のパッケージ等に基部12(圧電振動片4)をマウントするための部分である。マウント部22の両主面上には、不図示のマウント電極が形成されている。マウント電極は、パッケージ等に電気的に接続され、圧電振動片4をマウントする電極である。マウント電極は、例えば、クロムと金との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロムを下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成されている。
(幅狭部)
基部12は、Y方向における接続部21とマウント部22との間に位置し、接続部21およびマウント部22よりもX方向の幅が狭い幅狭部23を備えている。ここで、幅狭部23とは、基部12のY方向の略中間付近において、+X側から−X側に向けて(基部12の側面の外側から内側に向けて)それぞれ切り欠かれた一対の切り欠き部24の間の領域のことをいう(図1におけるハッチング領域参照)。なお、ここでは切り欠き部24の位置を「基部12のY方向の略中間付近」としているが、切り欠き部24が形成される位置はこれに限られるものではなく、接続部21側であってもよいし、マウント部22側であってもよい。さらに、ここでは「一対の」切り欠き部24としているが、切り欠き部24は少なくとも一つ設けられていればよく、「一対」設ける必要はない。
幅狭部23は、基部12のY方向の略中間付近において、接続部21とマウント部22とを一体的に連結している。幅狭部23は、振動腕部10,11の振動が、接続部21からマウント部22に伝わる際のルートとなっている。切り欠き部24の深さを深くして幅狭部23の幅(X方向の幅)を狭くすればするほど、振動が伝わるルートを狭くできるため、振動腕部10,11側に振動を閉じ込めて振動漏れを抑制できるが、その分、幅狭部23において基部12の断面係数が小さくなり、剛性が低下する。
切り欠き部24の−X側には、底部24aが形成されている。また、切り欠き部24の+Y側には、接続部21の−Y側壁面(以下、「接続部側の壁面21a」という。)が配置されている。また、切り欠き部24の−Y側には、マウント部22の+Y側壁面(以下、「マウント部側の壁面22a」という。)が配置されている。換言すれば、切り欠き部24は、接続部壁面21a、マウント部壁面22aおよび底部24aにより囲まれた領域により形成されている。
一対の切り欠き部24のX方向における切り欠きの深さは、要求される振動漏れ防止特性および基部12の剛性に基づいて決定される。本実施形態の一対の切り欠き部24は、振動腕部10,11のX方向における略中間付近に、それぞれ切り欠き部24の底部24aが配置されるような深さに切り欠かれて形成されている。
図2は、圧電振動片4の側面図である。
図2に示すように、切り欠き部24は、+X側から見て、+Y方向から−Y方向に傾斜するように切り欠かれている。したがって、切り欠き部24の+Y側に配置された接続部壁面21aおよび切り欠き部24の−Y側に配置されたマウント部壁面22aの法線方向もY方向に対して傾斜している。
また、切り欠き部24の+Y側に配置された接続部側の壁面21aおよび切り欠き部24の−Y側に配置されたマウント部側の壁面22aは、一定の離間距離を有しており、互いに対向して略並行に形成されている。すなわち、切り欠き部24は、X方向から見て一定の幅で形成されている。接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aは、ドライエッチングやレーザトリミング、機械加工等によって、平坦かつ両壁面が略平行になるように形成できる。なお、本実施形態の一対の切り欠き部24は、後述するようにドライエッチングにより形成されている。
また、図1に示すように、切り欠き部24の+Y側に配置された接続部側の壁面21aの少なくとも一部、および切り欠き部24の−Y側に配置されたマウント部側の壁面22aの少なくとも一部は、基部12をZ方向から見た場合に、互いに重なるように形成されている。
具体的には、切り欠き部24は、接続部側の壁面21aの−Z側縁部21cが、マウント部側の壁面22aの+Z側縁部22bよりも−Y側に配置されるような傾斜角および幅で形成されている。これにより、基部12を+Z側から見たとき、接続部壁面21aの−Z側における一部と、マウント部壁面22aの+Z側における一部とが、Y方向において重なるように形成されている。
図3は、図1のA−A線に沿った断面図である。すなわち、幅狭部23を通過する基部12の断面である。
A−A線は、X方向に沿った直線であり、Z方向から見て、幅狭部23を通過するとともに、Y方向におけるマウント部側の壁面22aの+Z側縁部22bと、接続部側の壁面21aの−Z側縁部21cとの間を通る直線である(図1参照)。
したがって、図3に示すように、A−A線に沿った基部12の断面積には、幅狭部23の断面積のみならず、接続部21の断面積S1およびマウント部22の断面積S2が含まれる。
なお、A−A線に沿った断面以外であっても、幅狭部23を通過する基部12の断面積には、必ず接続部21の断面積S1およびマウント部22の断面積S2の少なくともいずれか一方が含まれるように形成されている。例えば、A−A線よりも+Y側であって、マウント部側の壁面22aの+Z側縁部22bよりも+Y側における断面には、マウント部22の断面は含まれないが、接続部21の断面が含まれる。また、A−A線よりも−Y側であって、接続部側の壁面21aの−Z側縁部21cよりも−Y側における断面には、接続部21の断面が含まれないが、マウント部22の断面が含まれる。
ところで、従来技術においては、図16に示すように、接続部側の壁面221aおよびマウント部側の壁面222aは、振動腕部210,211の長手方向(図1におけるY方向に相当。)に対して直交するように形成されており、厚さ方向(図1におけるZ方向に相当。)から見て、互いに重なるように形成されていない。
このため、従来技術における幅狭部223を通過する基部212の断面には、接続部221の断面およびマウント部222の断面が含まれることがない。
これに対して、本実施形態では、図3に示すように、幅狭部23を通過する基部12の断面には、幅狭部23の断面に加えて、接続部21の断面およびマウント部22の断面のうち少なくとも一方が含まれている。すなわち、接続部21の断面積S1およびマウント部22の断面積S2の面積分だけ、幅狭部23を通過する基部12の断面積が従来技術よりも大きくなる。
一般に、基部12の断面積(振動腕部の長手方向に直交する断面積)が大きいほど、X軸周りおよびZ軸周りの曲げ剛性(断面二次モーメント)およびY軸周りのねじれ剛性(断面二次極モーメント)を大きくできることが知られている。すなわち、上記構成によれば、基部12の曲げ剛性およびねじり剛性を大きくすることができる。しかも、接続部21の断面およびマウント部22の断面は、幅狭部23の断面S3の外側に追加されるので、基部12の断面係数をより効果的に大きくすることができる。
(圧電振動片の製造方法)
続いて、上述した圧電振動片4の製造方法について説明する。
まず、フォトリソグラフィ技術によって、不図示のウエハの両面に、図1に示す振動腕部10,11および基部12を有する圧電振動片4の外形形状に対応した、例えば金属からなる第一保護膜を形成する。
次に、第一保護膜をマスクとして、ウエハの両面をそれぞれエッチング加工する。エッチング方法としては、例えばウエットエッチングが採用される。これにより、第一保護膜でマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電振動片4の外形形状を形成することができる。なお、この状態で各圧電振動片4の基材は、不図示の連結部を介してウエハに連結された状態となっている。
次に、公知の方法により、圧電振動片4の外表面上に電極膜をパターニングして、励振電極、引き出し電極、およびマウント電極等の各電極を形成する。
次に、圧電振動片4の基材とウエハとを連結していた連結部を切断し、各圧電振動片4の基材を個片化する。
次に、フォトリソグラフィ技術によって、個片化された圧電振動片4の基材の+X側面に切り欠き部24を形成するため、切り欠き部24の外形形状に対応した、例えば金属からなる第2保護膜を形成する。このとき、基部12の+X側面に、切り欠き部24の形成領域が開口するように第2保護膜を形成する。
最後に、第2保護膜をマスクとして、基部12の+X側面の両面をそれぞれエッチング加工し、切り欠き部24を形成する。エッチング加工方法としては、例えばドライエッチングが採用される。
以上により、基部12に一対の切り欠き部24が形成され、幅狭部23を備えた圧電振動片4を形成できる。
(効果)
本実施形態によれば、接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aが、Z方向から見て一部が重なるように形成されているので、幅狭部23を通過する基部12の断面を、幅狭部23の断面のみならず、接続部21の断面およびマウント部22の断面によって構成することができる。すなわち、幅狭部23の断面積を大きくすることなく、幅狭部23を通過する基部12の断面積を大きくすることができるので、基部の断面係数を大きくできる。したがって、幅狭部23により振動漏れを抑制しつつ、基部12の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片4を形成できる。
(実施形態の第一変形例)
次に、実施形態の第一変形例について説明する。
図4は、実施形態の第一変形例における圧電振動片4の側面図である。
図4に示すように、実施形態の第一変形例における圧電振動片4は、切り欠き部24が、+X側から見て、略クランク状に形成されている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
図4に示すように、切り欠き部24の+Y側に配置された接続部側の壁面21aは、−Z側が−Y側に突出した段差形状21dを有しており、略クランク状に形成されている。また、切り欠き部24の−Y側に配置されたマウント部側の壁面22aは、+Z側が+Y側に突出した段差形状22dを有しており、略クランク状に形成されている。
接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aは、Z方向から見てその一部が互いに重なるように形成されている。具体的には、接続部側の壁面21aの段差形状21dと、マウント部側の壁面22aの段差形状22dとが、Z方向から見て互いに重なるように形成されている。したがって、実施形態と同様に、幅狭部23の断面積を大きくすることなく、基部12の断面係数を大きくすることができる。
(実施形態の第二変形例)
次に、実施形態の第二変形例について説明する。
図5は、実施形態の第二変形例における圧電振動片4の側面図である。
第二変形例における圧電振動片4は、切り欠き部24が、+X側から見て、略V字形状に形成されている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
図5に示すように、切り欠き部24の+Y側に配置された接続部側の壁面21aおよび切り欠き部24の−Y側に配置されたマウント部側の壁面22aは、+X側から見て、Z方向の略中間付近における+Y側にそれぞれ頂部21e,22eを有しており、略V字形状に形成されている。なお、切り欠き部24の形状は、+X側から見て略V字形状に限定されず、例えば、+X側から見て略W字形状に形成されていてもよい。
接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aは、Z方向から見て一部が重なるように形成されている。具体的には、マウント部側の壁面22aの頂部22eは、接続部側の壁面21aの+Z側縁部21bおよび−Z側縁部21cよりも+Y側に配置されるように形成されている。したがって、実施形態と同様に、幅狭部23の断面積を大きくすることなく、基部12の断面係数を大きくすることができる。
(実施形態の第三変形例)
次に、実施形態の第三変形例について説明する。
図6は、第三変形例における圧電振動片4の側面図である。
第三変形例の圧電振動片4は、切り欠き部24の−X側の底部24aにリブ25が形成されている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
図6に示すように、切り欠き部24の+Y側に配置された接続部側の壁面21aおよび切り欠き部24の−Y側に配置されたマウント部側の壁面22aは、傾斜面となっている。なお、本変形例における切り欠き部24の深さは、実施形態における切り欠き部24の深さと同一に形成されている。また、本変形例における接続部壁面21aとマウント部壁面22aとの離間距離(すなわち切り欠き部24のY方向の幅)は、実施形態における接続部側の壁面21aとマウント部側の壁面22aとの離間距離と同一に形成されている。
切り欠き部24には、切り欠き部24の底部24a(すなわち幅狭部23の+X側面)から、+X側に突出するリブ25が形成されている。
リブ25は、Y方向に一定の幅を有しており、切り欠き部24のY方向における略中間付近において、接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aに対して略平行に延びて一本形成されている。リブ25は、X方向の高さが、例えば切り欠き部24の深さと略同等になるように形成されている。
なお、切り欠き部24に形成されるリブ25の本数は一本に限定されることはなく、複数本であってもよい。また、リブ25の高さ、長さを適宜変更することも可能である。
図7は、第三変形例における基部12の断面図である。なお、図7は、図1のA−A線に相当する位置における基部12の断面図となっている。
図7に示すように、幅狭部23を通過する基部12の断面積には、幅狭部23の断面積S3に加えて、接続部21の断面積S1、マウント部22の断面積S2およびリブ25の断面積S4が含まれる。すなわち、接続部21の断面積S1、マウント部22の断面積S2およびリブ25の断面積S4の面積分だけ、幅狭部23を通過する基部12の断面積を大きくすることができる。
本変形例によれば、切り欠き部24にリブ25を形成しているので、幅狭部23を大きくすることなく、基部12の断面係数を大きくできる。したがって、振動漏れ防止特性を確保しつつ、基部12の剛性を十分に確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片4を形成できる。また、リブ25の幅や高さを調整することにより、基部12の断面係数および耐衝撃性を自在に調整できる。
(実施形態の第四変形例)
次に、実施形態の第四変形例について説明する。
図8は、実施形態の第四変形例における圧電振動片4Aの平面図である。
第四変形例では、いわゆるサイドアームタイプの音叉型の圧電振動片4Aである。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
図8に示すように、本変形例の圧電振動片4Aには、基部12のうち、マウント部22に一対のサイドアーム27が一体的に形成されている。マウント部22は、基部12の−Y側に配置されたマウント部本体28と、マウント部本体28の−Y側において、X方向に沿って+X側に延びる一対のサイドアーム27と、を備えている。圧電振動片4Aは、サイドアーム27の先端部に形成された不図示のマウント電極を介して、例えばパッケージ等に実装される。
本変形例によれば、マウント部22にサイドアーム27を備えているので、圧電振動片4AのY方向における長さを増大させることなく、振動腕部10,11からマウント電極が形成されたサイドアーム27の先端部までの距離を長く確保できる。これにより、幅狭部23を通過した振動腕部10,11からの漏れ振動をマウント部22のサイドアーム27で十分減衰させることができる。したがって、実施形態の効果に加えて、圧電振動片4AのY方向における長さを増大させることなくさらに振動漏れを抑制できる。なお、サイドアーム27の形状はこれに限られるものではなく、さらに振動腕部10、11の先端側へ向けて延びる形状でもよい。また、マウント部22の位置も適宜変更可能である。
(圧電振動子)
次に、上述した実施形態の圧電振動片4を備えたパッケージ9として、圧電振動子1を説明する。
図9は、圧電振動子1の外観斜視図である。
図10は、圧電振動子1の内部構成図であって、リッド基板3を取り外した状態の平面図である。
図11は、図10のB−B線における断面図である。
図12は、図9に示す圧電振動子1の分解斜視図である。
なお、以下の説明では、ベース基板2のリッド基板3との接合面を第一面U(図10参照)とし、ベース基板2の外側面を第二面L(図11参照)として説明する。また、図10および図12では、圧電振動片4の主面に形成された各電極の図示を省略している。
図9に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2およびリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、図11に示すように、パッケージ9のキャビティ3aに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
ベース基板2およびリッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティ3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35(接合材)が形成されている。接合膜35は、キャビティ3aの内面全体に加えて、キャビティ3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35は、アルミニウムにより形成されているが、クロムやシリコン等で接合膜35を形成することも可能である。この接合膜35とベース基板2とが陽極接合され、キャビティ3aが真空封止されている。
圧電振動子1は、ベース基板2を厚さ方向(Z方向)に貫通し、キャビティ3aの内側と圧電振動子1の外側とを導通する貫通電極32,33を備えている。そして、貫通電極32,33は、ベース基板2を貫通する貫通孔30,31内に配置され、圧電振動片4と外部とを電気的に接続する金属ピン7と、貫通孔30,31と金属ピン7との間に充填される筒体6と、により形成されている。なお、以下には貫通電極32を例にして説明するが、貫通電極33についても同様である。また、貫通電極33、引き回し電極37および外部電極39の電気的接続についても、貫通電極32、引き回し電極36および外部電極38の電気的接続と同様となっている。
貫通孔30は、ベース基板2の第一面U側から第二面L側にかけて、内形が次第に大きくなるように形成されており、貫通孔30の中心軸を含む断面形状が略テーパ状となるように形成されている。
金属ピン7は、銀やニッケル合金、アルミニウム等の金属材料により形成された導電性の棒状部材であり、鍛造やプレス加工により成型される。金属ピン7は、線膨張係数がベース基板2のガラス材料と近い金属、例えば、鉄を58重量パーセント、ニッケルを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)で形成することが望ましい。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6の中心には、金属ピン7が筒体6を貫通するように配されており、筒体6は、金属ピン7および貫通孔30に対して強固に固着している。
図12に示すように、ベース基板2の第一面U側には、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。また、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれ金等からなるバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片4の一対のマウント電極が実装されている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
ベース基板2の第二面Lには、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手方向(Y方向)の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の励振電極に電圧を印加できるので、一対の振動腕部10,11を接近および離間させる方向(X方向)に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用できる。
(効果)
本実施形態によれば、幅狭部23により振動漏れを抑制しつつ、基部12の剛性を確保して耐衝撃性の低下を抑制できる圧電振動片4を備えているので、CI値の上昇を抑制でき、かつ耐衝撃性に優れた圧電振動子1を提供できる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図13を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図13に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111および圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加できる。
本実施形態の発振器110によれば、CI値の上昇を抑制でき、かつ耐衝撃性に優れた圧電振動子1を備えているので、高効率で耐衝撃性に優れた発振器110を提供できる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図14を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化および軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図14に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133および呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化および複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キーおよびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129および着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示できる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断できる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止できる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、CI値の上昇を抑制でき、かつ耐衝撃性に優れた圧電振動子1を備えているので、高効率で耐衝撃性に優れた携帯情報機器120を提供できる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図15を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図15に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC147に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、CI値の上昇を抑制でき、かつ耐衝撃性に優れた圧電振動子1を備えているので、高効率で耐衝撃性に優れた電波時計140を提供できる。
なお、この発明の技術範囲は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では、表面実装型の圧電振動子1に本発明の圧電振動片4を採用しているが、これに限らず、例えばシリンダーパッケージタイプの圧電振動子に本発明の圧電振動片4を採用しても構わない。また、セラミックパッケージを採用してもよい。
また、実施形態および実施形態の各変形例では、基部12に一対の切り欠き部24が形成されていたが、基部12に複数対の切り欠き部24が形成されていてもよい。このとき、切り欠き部24は、+X側から見てY方向に並んで形成される。切り欠き部24を複数対形成することにより、幅狭部23の形成範囲がY方向に長くなるため、基部12の剛性が低下するが、より良好に振動漏れを抑制できる。このように、切り欠き部24の個数を変更することで、幅狭部23の形成範囲を変更でき、基部12の剛性と振動漏れ防止特性とのバランスを調整できる。
切り欠き部24の形状は、実施形態および実施形態の各変形例の形状に限定されることはない。
実施形態の切り欠き部24は、+X側から見て、接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aが略平行に形成されていた。これに対して、接続部側の壁面21aおよびマウント部側の壁面22aは、例えば、+Z側から−Z側に向かって漸次接近するように形成されていてもよい。
実施形態では、切り欠き部24は、ドライエッチングにより形成されていたが、例えばレーザトリミングや機械加工等により形成されていてもよい。
実施形態では、ウエハと圧電振動片4の基材とを切断し、圧電振動片4の基材を個片化した後に切り欠き部24を形成していた。これに対して、例えば、ウエハと圧電振動片4の基材とが連結した状態で、圧電振動片4の基材を個片化する前に切り欠き部24を形成してもよい。この場合、切り欠き部24の傾斜に対応する角度でレーザを照射してレーザトリミングを行うことにより、圧電振動片4の基材を個片化することなく切り欠き部24を形成できる。したがって、作業効率よく切り欠き部24を形成できる。
1・・・圧電振動子 4,4A・・・圧電振動片 10,11・・・振動腕部 12・・・基部 21・・・接続部 21a・・・接続部壁面 22・・・マウント部 22a・・・マウント部壁面 23・・・幅狭部 24・・・切り欠き部 25・・・リブ 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 140・・・電波時計

Claims (6)

  1. 所定方向に並んで配置された一対の振動腕部と、
    前記一対の振動腕部の長手方向における基端側を一体的に固定する基部と、
    を備えた圧電振動片であって、
    前記基部は、
    前記振動腕部の前記基端側が固定された接続部と、
    前記基部をマウントするためのマウント部と、
    前記接続部と前記マウント部との間に位置し、前記基部側面の外側から内側に切り欠かれた切り欠き部によって形成される幅狭部と、を備えており、
    前記切り欠き部を前記基部の厚さ方向から見た場合に、前記接続部側の壁面の少なくとも一部と、前記マウント部側の壁面の少なくとも一部とが重なるように前記切り欠き部が形成され、
    前記接続部側の壁面および前記マウント部側の壁面は、段差形状を有しており、両壁面が略平行に形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  2. 請求項1に記載の圧電振動片であって、
    前記切り欠き部には、前記幅狭部から外側に突出するリブが形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  3. 請求項1又は2に記載の圧電振動片を有することを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  5. 請求項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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