JP5762608B2 - 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計 - Google Patents

圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計 Download PDF

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Description

この発明は、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計に関するものである。
携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その1つとして、いわゆる音叉型の圧電振動片を有する圧電振動子が知られている。
ところで、近年、搭載される機器の小型化に伴って、圧電振動片のさらなる小型化が望まれている。圧電振動子のCI値(Crystal Impedance)を低く抑えつつ、圧電振動片の小型化を図る方法としては、圧電振動片の振動腕部の両主面に溝部を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図14は、従来技術の説明図であり、特許文献1の振動腕部203の長手方向に垂直な面に沿った断面図である。図14に示すように、主に溝部205の内部に第1の励振電極210が形成され、振動腕部203の側面に第2の励振電極211が形成されており、振動腕部203は断面略H字形状となっている。
一般に、溝部205が形成された圧電振動片のCI値は、振動腕部203の側面203aと溝部側面205aとの幅Dに依存していることが知られている。具体的には、幅Dを狭くすることでCI値を低く抑えることができる。
また、圧電振動片の高性能化には、振動漏れの抑制、および良好なドライブレベル特性の確保が重要である。
ここで、振動漏れとは、圧電振動片を作動させた際、圧電振動片の振動が外部に漏洩する、振動エネルギーの漏洩をいう。この振動漏れは、圧電振動片の効率悪化に繋がるため、できるだけ振動漏れを抑制する必要がある。
また、ドライブレベル特性とは、駆動電圧の変動に対する圧電振動片の振動周波数の変動特性をいう。振動周波数の変動Δfが小さいほどドライブレベル特性は良好であり、圧電振動片は高性能であるといえる。
一般に、圧電振動片の振動漏れ、およびドライブレベル特性は振動腕部203の剛性に依存することが知られている。また、振動腕部203の剛性は、振動腕部203の長手方向に垂直な断面の面積S(以下、「振動腕部の断面積S」という。)に依存する。したがって、振動漏れおよびドライブレベル特性は、振動腕部203の断面積Sに依存する。具体的には、振動腕部203の断面積Sを広くして振動腕部203の剛性を高くすることで、振動漏れの抑制、および良好なドライブレベル特性の確保ができる。
ところで、特許文献1の圧電振動片は、基部電極部(本願の「マウント電極」に相当)が形成されている基部と、この基部から突出して形成される振動細棒(本願の「振動腕部」に相当)と、この振動細棒の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部(本願の「励振電極」に相当)を有する溝部と、基部電極部と溝電極部とを接続する接続電極部(本願の「引き出し電極」に相当)と、を備えている。溝部の基端側の幅は、他の部分よりも狭く形成されており、接続電極部を形成する領域を広く確保している。この特許文献1では、振動腕部203の基端側の断面積Sが広くなっているため、結果として振動腕部の基端側の剛性が高くなっている。
特開2002−76827号公報
しかし、特許文献1では、振動腕部の基端側のみ剛性が高くなっているため、振動腕部203全体の剛性の確保が不十分となり、振動漏れを抑制できず、良好なドライブレベル特性を確保できないおそれがある。また、基端側では、振動腕部の側面と溝部側面との幅D(図14参照)が広くなっているため、CI値が高くなるおそれがある。
そこで本発明は、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保しつつ、CI値を低く抑制できる圧電振動片と、この圧電振動片を用いた圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の圧電振動片は、並んで配置された一対の振動腕部と、前記振動腕部の両主面上に形成され、前記振動腕部の長手方向に沿って伸びる溝部と、前記一対の振動腕部が接続された基部と、備えた圧電振動片であって、前記振動腕部の横方向において、前記溝部が並んで複数本形成されており、かつ、前記溝部の間に形成されている壁部の幅は、前記振動腕部の先端側における前記壁部の幅よりも、前記振動腕部の基端側における前記壁部の幅の方が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、振動腕部の幅方向に並んで複数本の溝部を形成し、かつ溝部の間に形成されている壁部の幅を、振動腕部の先端側よりも基端側における壁部の幅の方が大きくなるように形成することで、従来技術と比較すると、振動腕全体の剛性を向上させることが可能になる。よって、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。さらに、振動腕部の先端側よりも基端側の方の壁部の幅の方が大きいので、振動腕部全体の剛性を高めつつ、振動腕部の基端側の剛性を高めることが可能になる。
また、特許文献1のように溝部の基端側の幅を狭くしなくても振動腕部の剛性が高くなるので、溝部を形成した領域全体で振動腕部の側面と溝部側面との幅を狭くでき、CI値を低く抑制できる。
また、前記溝部は、1本の前記振動腕部につき3本形成されていてもよい。
本発明によれば、従来例と比較して、良好なドライブレベル特性を確保できる。その結果、振動漏れおよびドライブレベル特性と、CI値とのバランスを所望の状態に調整できる。
また、前記振動腕部の基端側における前記溝部の幅は、前記振動腕部の先端側における前記溝部の幅よりも狭く形成されていてもよい。
本発明によれば、振動腕部の基端側において、振動腕部の側面と溝部側面との幅が広く形成され、振動腕部の基端側で隣り合う溝部の間隔が広く形成されるので、振動腕部の先端側の断面積よりも、振動腕部の基端側の断面積を広くできる。これにより、振動腕部の基端側の剛性を高めることができるので、さらに振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。その結果、振動漏れおよびドライブレベル特性と、CI値とのバランスを所望の状態に調整できる。
また、前記振動腕部の外側において、前記基部から前記振動腕部の先端方向に向けて延びるサイド基部が形成されていてもよい。
この構成によれば、サイド基部で圧電振動片を実装することで、振動腕部から実装部分までの距離を伸ばすことができ、即ち、振動腕部で生じた振動を十分に減衰させることができる。よって、良好なドライブレベル特性を確保できる。
また、本発明の圧電振動子は、上述の圧電振動片を有することを特徴とする。
本発明によれば、特性が優れた圧電振動片を備えているので、性能が良好な圧電振動子を提供することができる。
本発明の発振器は、上述の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明にかかる発振器、電子機器および電波時計によれば、性能が良好な圧電振動子を備えているので、高性能な発振器、電子機器および電波時計を提供することができる。
本発明によれば、振動腕部の幅方向に並んで複数本の溝部を形成することで、各溝部の間に壁が形成されるので、溝部を形成した領域全体で振動腕部の断面積を広くできる。これにより、特許文献1のように1本の溝部の基端側の幅を狭くした場合よりも、溝部を形成した領域全体で振動腕部の剛性を高くできるので、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。また、特許文献1のように溝部の基端側の幅を狭くしなくても振動腕部の剛性が高くなるので、溝部を形成した領域全体で振動腕部の側面と溝部側面との幅を狭くでき、CI値を低く抑制できる。
圧電振動片の平面図である。 図1のA−A線における断面図である。 実施形態の第1変形例における圧電振動片の平面図である。 図4(a)は図3のB−B線における断面図であり、図4(b)は図3のC−C線における断面図である。 実施形態の第2変形例における圧電振動片の平面図である。 圧電振動子の外観斜視図である。 圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図7のE−E線における断面図である。 圧電振動子の分解斜視図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。 本発明の他の適用例の説明図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(圧電振動片)
まず、実施形態の圧電振動片について図面を参照して説明する。
図1は、圧電振動片1の平面図である。
図2は、図1のA−A線における断面図である。
図1に示すように、本実施形態の圧電振動片1は、並んで配置された一対の振動腕部3a,3bと、一対の振動腕部3a,3bが接続された基部4と、を備えている。なお、以下の説明では、振動腕部3a,3bが並んでいる幅方向をX方向とし、X方向における中心軸をOとし、圧電振動片1の内側を−X側とし、外側を+X側としている。また、圧電振動片1の長手方向をY方向とし、基端側を−Y側とし、先端側を+Y側としている。
本実施形態の圧電振動片1は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
一対の振動腕部3a,3bは、中心軸Oに沿ってY方向に延在し、X方向に略平行に並んで形成されている。振動腕部3a,3bの両主面(表面および裏面)上には、振動腕部3a,3bのY方向に沿って伸びる外側溝部51、および内側溝部52が形成されている。ここで、一方の振動腕部3aと、他方の振動腕部3bとは、中心軸Oに対して線対称形状をしている。したがって、以下の説明では、一方の振動腕部3aに形成された外側溝部51、および内側溝部52について説明し、他方の振動腕部3bに形成された外側溝部51、および内側溝部52については説明を省略する。
(溝部)
図1に示すように、本実施形態の振動腕部3aには、振動腕部3aの+X側に配置される外側溝部51、および振動腕部3aの−X側に配置される内側溝部52の2本の溝部が形成されている。外側溝部51および内側溝部52は、中心軸Oに沿ってY方向に延在し、X方向に略平行に並んで形成されている。
外側溝部51の−Y側の外側溝基端部51cは、振動腕部3aと基部4との接続部近傍に配置されている。また、外側溝部51の+Y側の外側溝先端部51dは、振動腕部3aのY方向における略中央に配置されている。すなわち、外側溝部51は、Y方向に沿って、振動腕部3aと基部4との接続部近傍から、振動腕部3aのY方向における略中央までの範囲にわたって、所定の深さで形成されている。
また、外側溝部51は、外側溝基端部51cの幅が外側溝先端部51dの幅よりも狭くなるように形成されている。具体的には、外側溝部51の外側面51a、および内側面51bが、外側溝先端部51dから−Y側へ向かって略平行に形成された後、所定位置から外側溝基端部51cにかけて外側面51aが内側に向かって傾斜し、内側面51bが外側に向かって傾斜することにより、外側溝部51の幅が漸次テーパ状に狭くなるように形成されている。
外側溝部51の−X側には、内側溝部52が形成されている。内側溝部52は、振動腕部3aのX方向の中心よりも−X側の範囲において、Y方向に沿って、外側溝部51と略同一の長さで形成されている。内側溝部52の外形は外側溝部51と同一であるため、詳細な説明を省略する。
外側溝部51および内側溝部52は、外側溝部51の外側面51aと振動腕部3aの外側面3dとの幅D、および内側溝部52の内側面52bと振動腕部3aの内側面3cとの幅Dがともに等しくなるように形成される。本実施形態では、特許文献1よりも幅Dを狭くできる。前述のとおり、圧電振動片1のCI値は、幅Dに依存しており、幅Dを狭くすることでCI値を低く抑えている。
外側溝部51と内側溝部52との間には、幅Gを有する壁部60aが形成される。外側溝部51と内側溝部52とが略平行に形成された領域では、壁部60aの幅Gは、略一定の幅に形成されている。また、外側溝部51および内側溝部52が漸次テーパ状に狭くなる領域では、幅Gは+Y側から−Y側に向かって、漸次広くなるように形成される。壁部60aの幅Gを広く確保するほど振動腕部3aの断面積Sを広くできる。前述のとおり、振動腕部3aの断面積Sを広くすることで、振動腕部3aの剛性を高くできるので、振動漏れの抑制、および良好なドライブレベル特性の確保ができる。本実施形態では、外側溝部51および内側溝部52を形成した領域α(図1参照、以下「溝部形成領域α」という。)全域にわたって壁部60aが形成されているので、溝部形成領域αで断面積Sを広くでき、振動腕部3aの剛性を高めることができる。さらに、振動腕部3aの−Y側では、+Y側から−Y側に向かって壁部60aの幅Gが漸次広くなっている。このように、振動腕部3aの−Y側の剛性を高くすることで、振動漏れおよびドライブレベル特性と、CI値とのバランスを所望の状態に調整している。
図1に示すように、振動腕部3a,3b、壁部60a,60b、外側溝部51、および内側溝部52の外表面には、励振電極10,11(第1の励振電極10および第2の励振電極11)が形成されている。励振電極10,11は、例えば、クロム(Cr)等の単層の導電性膜により形成される。励振電極10,11は、電圧が印加されたときに振動腕部3a,3bを互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。
一対の励振電極10,11は、一対の振動腕部3a,3bの表面にそれぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、図2に示すように、第1の励振電極10は、主に一方の振動腕部3aの外側溝部51内部、壁部60a表面、内側溝部52内部、他方の振動腕部3bの内側面3c、および他方の振動腕部3bの外側面3d上に形成される。
また、第2の励振電極11は、主に他方の振動腕部3bの外側溝部51内部、壁部60b表面、内側溝部52内部、一方の振動腕部3aの内側面3c、および一方の振動腕部3aの外側面3d上に形成される。
図1に示すように、振動腕部3a,3bの先端部には、所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための粗調膜15aおよび微調膜15bからなる重り金属膜15が形成されている。この重り金属膜15を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部3a,3bの周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができるようになっている。
(基部)
図1に示すように、本実施形態の圧電振動片1は、一対の振動腕部3a,3bが接続された基部4を備えている。基部4は、振動腕部3a,3bに隣接しており、基部4の+Y側に配置される中間部4bと、基部4の−Y側に配置されるマウント部4aと、を有している。
基部4の中間部4bに振動腕部3a,3bの−Y側を接続することで、振動腕部3a,3bが基部4に一体的に支持されている。中間部4bの外表面上には、マウント電極12,13と励振電極10,11とを接続する引き出し電極14a,14bが形成されている。引き出し電極14a,14bは、マウント電極12,13の下地層と同じ材料のクロムにより、単層膜で形成されている。これにより、マウント電極12,13の下地層を成膜するのと同時に、引き出し電極14a,14bを成膜することができる。ただし、この場合に限られず、例えば、ニッケルやアルミニウム、チタン等により引き出し電極14a,14bを成膜しても構わない。
マウント部4aの外表面上には、一対のマウント電極12,13が形成されている。マウント電極12,13は、クロムと金との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロムを下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成される。ただし、マウント電極12,13の積層膜はこれに限られず、例えば、クロムとニクロムを下地層として成膜した後に、表面にさらに金の薄膜を仕上げ層として成膜しても構わない。
マウント部4aの幅は、中間部4bの幅よりも広く形成されており、マウント部4aの+X側面と、中間部4bの+X側面とは、傾斜面4cによりテーパ状に接続される。ここで、マウント部4aと中間部4bとを段差により接続することもできるが、水晶のウエハをエッチング加工して圧電振動片1の外形を形成する際に、段差の隅部にエッチング残りが発生するおそれがある。このエッチング残りが発生すると、圧電振動片1を所望の形状に形成できず、圧電振動片1の特性が悪化するおそれがある。しかし、本実施形態のように、マウント部4aと中間部4bとを傾斜面4cによりテーパ状に接続することで、エッチング残りの発生を抑制し、圧電振動片1の特性の悪化を防止している。
(実施形態の効果)
本実施形態によれば、振動腕部3a,3bのX方向に並んで外側溝部51および内側溝部52を形成することで、外側溝部51と内側溝部52との間に壁部60a,60bが形成されるので、外側溝部51および内側溝部52を形成した溝部形成領域α全体で、振動腕部3a,3bの断面積Sを広くできる。これにより、特許文献1のように1本の溝部の基端側の幅を狭くした場合よりも、溝部形成領域α全体で振動腕部3a,3bの剛性を高くできるので、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。また、特許文献1のように溝部の基端側の幅を狭くしなくても、振動腕部3a,3bの剛性が高くなるので、溝部形成領域α全体で振動腕部3a,3bの内側面3cと内側溝部52の内側面52bとの幅D、および振動腕部3a,3bの外側面3dと外側溝部51の外側面51aとの幅Dを狭くでき、CI値を低く抑制できる。
また、本実施形態によれば、振動腕部3a,3bの−Y側において、振動腕部3a,3bの内側面3cと内側溝部52の内側面52bとの幅D、および振動腕部3a,3bの外側面3dと外側溝部51の外側面51aとの幅Dが広く形成されている。また、振動腕部の−Y側で隣り合う外側溝部51と内側溝部52との間隔が広く形成されるので、振動腕部3a,3bの+Y側の断面積Sよりも、振動腕部3a,3bの−Y側の断面積Sを広くできる。これにより、振動腕部3a,3bの−Y側の剛性を高めることができるので、さらに振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。その結果、振動漏れおよびドライブレベル特性と、CI値とのバランスを所望の状態に調整できる。
(実施形態の第1変形例)
次に、実施形態の第1変形例について説明する。
図3は、実施形態の第1変形例における圧電振動片1の説明図である。
図4は、振動腕部3a,3bの説明図であり、図4(a)は図3のB−B線における断面図であり、図4(b)は図3のC−C線における断面図である。
上述の実施形態では、振動腕部3には、振動腕部3の+X側に配置される外側溝部51、および振動腕部3の−X側に配置される内側溝部52の2本の溝部が形成されていた。これに対して、本実施形態の第1変形例では、図3に示すように、振動腕部3に3本の溝部が形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
本変形例の振動腕部3aには、振動腕部3aの+X側に配置される外側溝部51、振動腕部3aの−X側に配置される内側溝部52、および外側溝部51と内側溝部52との間に配置される中央溝部53の3本の溝部が形成されている。外側溝部51、内側溝部52および中央溝部53は、中心軸Oに沿ってY方向に延在し、X方向に略並行に並んで形成されている。
図4(a)に示すように、外側溝部51と中央溝部53との間には、幅G1を有する第1壁部61aが形成されている。また、中央溝部53と内側溝部52との間には、幅G2を有する第2壁部62aが形成されている。本実施形態では、第1壁部61aの幅G1および第2壁部62aの幅G2は、略同一の幅になるように形成される。
外側溝部51、内側溝部52、および中央溝部53が形成されている領域β(図3参照、以下「複数溝部形成領域β」という。)では、第1壁部61aおよび第2壁部62aが形成されている。したがって、複数溝部形成領域βでは、特許文献1の圧電振動片よりも振動腕部3aの断面積Sを広くでき、振動腕部3aの剛性を高くすることができるので、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。
中央溝部53の−Y側における中央溝基端部53cは、振動腕部3aと基部4との接続部近傍に配置されている。これに対して、外側溝部51の−Y側における外側溝基端部51c、および内側溝部52の−Y側における内側溝基端部52cは、中央溝基端部53cよりも+Y側(先端側)に配置されている。したがって、振動腕部3aと基部4との接続部近傍は、中央溝部53のみが形成されている領域γ(以下「内外溝部非形成領域」γ」という。)となっている。
図4(b)に示すように、内外溝部非形成領域γでは、外側溝部51および内側溝部52が形成されていないため、断面略H字形状となっている。
また、内外溝部非形成領域γでは、複数溝部形成領域βよりも、外側溝部51および内側溝部52の断面積分だけ、振動腕部3aの断面積Sをさらに広くできる。
(実施形態の第1変形例の効果)
本実施形態の第1変形例によれば、外側溝部51の−Y側における外側溝基端部51c、および内側溝部52の−Y側における内側溝基端部52cは、中央溝部53の中央溝基端部53cよりも+Y側(先端側)に配置されているので、振動腕部3a,3bの+Y側の断面積よりも、振動腕部3a,3bの−Y側(基端側)の断面積Sを広くできる。これにより、振動腕部3a,3bの−Y側の剛性を高めることができるので、さらに振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。その結果、振動漏れおよびドライブレベル特性と、CI値とのバランスを所望の状態に調整できる。
(実施形態の第2変形例)
次に、実施形態の第2変形例について説明する。
図5は、実施形態の第1変形例における圧電振動片1の説明図である。
上述の実施形態では、外側溝部51の外側面51aが内側に向かって傾斜し、外側溝部51の内側面51bが外側に向かって傾斜して形成されていた。また、内側溝部52の外側面52aが内側に向かって傾斜し、内側溝部52の内側面52bが外側に向かって傾斜して形成されていた。
これに対して、実施形態の第2変形例では、外側溝部51の外側面51aが中心軸Oに沿って形成され、外側溝部51の内側面51bが外側に向かって傾斜して形成されている。また、内側溝部52の外側面52aが内側に向かって傾斜し、内側溝部52の内側面52bが中心軸Oに沿って形成されている。
以上の点で、本実施形態の第2変形例は、実施形態と異なっている。なお、実施形態と同様の構成部分については説明を省略する。
図5に示すように、本変形例の外側溝部51は、外側溝基端部51cの幅が外側溝先端部51dの幅よりも狭くなるように形成されている。具体的には、外側溝部51の外側面51a、および内側面51bが、外側溝先端部51dから−Y側へ向かって略平行に形成された後、所定位置から内側面51bのみが+X側に向かって傾斜することで、外側溝部51が漸次テーパ状に狭くなるように形成されている。なお、外側溝部51の外側面51aは、外側溝先端部51dから外側溝基端部51cにかけて、圧電振動片1の外側面3dと、略平行に形成されている。このため、外側溝部51が形成された領域では、外側溝部51の外側面51aと振動腕部3aの外側面3dとの幅Dが一定となるように形成されている。
また、本変形例の内側溝部52も、外側溝部51と同様に、内側溝基端部52cの幅が内側溝先端部52dの幅よりも狭くなるように形成されている。具体的には、内側溝部52の外側面52a、および内側面52bが、内側溝先端部52dから−Y側へ向かって略平行に形成された後、所定位置から外側面52aのみが−X側に向かって傾斜することで、内側溝部52が漸次テーパ状に狭くなるように形成されている。なお、内側溝部52が形成された領域では、前述と同様に、内側溝部52の内側面52bと、振動腕部3aの内側面3cとの幅Dが一定となるように形成されている。
上述のように、外側溝部51および内側溝部52を形成することで、−Y側(基端側)における外側溝部51と内側溝部52との間隔は、+Y側(先端側)における外側溝部51と内側溝部52との間隔よりも広く形成されている。換言すれば、振動腕部3aの−Y側では、+Y側から−Y側に向かって、壁部60aの幅Gが漸次広くなるように形成されており、振動腕部3aの−Y側の断面積Sを広くして剛性を高めている。
(実施形態の第2変形例の効果)
本実施形態の第2変形例によれば、振動腕部3a,3bの−Y側(基端側)で隣り合う外側溝部51、および内側溝部52の間隔を広く形成することで、外側溝部51の外側面51aと振動腕部3aの外側面3dとの幅D、および内側溝部52の内側面52bと振動腕部3aの内側面3cとの幅Dを広げることなく、振動腕部3a,3bの+Y側(先端側)の断面積Sよりも振動腕部3a,3bの−Y側の断面積Sを広くできる。これにより、CI値を所望の値としたまま、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保できる。
(圧電振動子)
次に、実施形態の圧電振動片1を用いた圧電振動子30について説明する。
図6は、圧電振動子30の外観斜視図である。
図7は、圧電振動子30の内部構成図であって、リッド基板32を取り外した状態の平面図である。
図8は、図7のE−E線における断面図である。
図9は、図6に示す圧電振動子30の分解斜視図である。
なお、ベース基板31のリッド基板32との接合面を第1面Uとし、ベース基板31の外側の面を第2面Lとして説明する。また、図9では、図面を見易くするために励振電極10,11、引き出し電極14a,14b、マウント電極12,13および重り金属膜15の図示を省略している。
図6に示すように、圧電振動子30は、ベース基板31およびリッド基板32が接合膜37を介して陽極接合されたパッケージと、パッケージのキャビティCに収納された圧電振動片1(図7参照)と、を備えた表面実装型の圧電振動子30である。
ベース基板31およびリッド基板32は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板32におけるベース基板31との接合面側には、圧電振動片1を収容するキャビティ用凹部32aが形成されている。
リッド基板32におけるベース基板31との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜37が形成されている。すなわち接合膜37は、キャビティ用凹部32aの内面全体に加えて、キャビティ用凹部32aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜37はシリコン膜で形成されているが、接合膜37をアルミニウム(Al)やCr等で形成することも可能である。後述するように、この接合膜37とベース基板31とが陽極接合され、キャビティCが真空封止されている。
図8に示すように、圧電振動子30は、ベース基板31を厚さ方向に貫通し、キャビティCの内側と圧電振動子30の外側とを導通する貫通電極35,36を備えている。貫通電極35,36は、ベース基板31を貫通する貫通孔33,34内に配置されている。
貫通孔33,34の中心軸に垂直な方向の断面形状は、円形状となるように形成されている。また、貫通孔33,34は、圧電振動子30を形成したときにキャビティC内に収まるように形成される。より詳しく説明すると、貫通孔33,34は、圧電振動片1の−Y側に対応した位置に一方の貫通孔33が形成され、振動腕部3a,3bの+Y側に対応した位置に他方の貫通孔34が形成される。
貫通電極35,36は、例えば貫通孔33,34に金属ピン(不図示)を挿入したのち、貫通孔33,34と金属ピンとの間にガラスフリットを充填して焼成することで形成される。このように、金属ピンとガラスフリットとで貫通孔33,34を完全に塞ぐことができるので、キャビティC内の気密を維持しつつ、後述する引き回し電極38,39と外部電極40,41とを導通させる役割を担っている。
図9に示すように、ベース基板31の第1面U側には、一対の引き回し電極38,39がパターニングされている。一対の引き回し電極38,39のうち、一方の引き回し電極38は、一方の貫通電極35の真上に位置するように形成されている。また、他方の引き回し電極39は、一方の引き回し電極38に隣接した位置から、振動腕部3a,3bに沿って+Y側に引き回しされた後、他方の貫通電極36の真上に位置するように形成されている。
そして、これら一対の引き回し電極38,39上にそれぞれ金等からなる先細り形状のバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片1の一対のマウント電極12,13が実装されている。これにより、圧電振動片1の一方のマウント電極13が、一方の引き回し電極38を介して一方の貫通電極35に導通し、他方のマウント電極12が、他方の引き回し電極39を介して他方の貫通電極36に導通するようになっている。
またベース基板31の第2面Lには、一対の外部電極40,41が形成されている。一対の外部電極40,41は、ベース基板31のY方向の両端部に形成され、一対の貫通電極35,36に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子30を作動させる場合には、ベース基板31に形成された外部電極40,41に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片1の第1の励振電極10および第2の励振電極11に電圧を印加することができるので、一対の振動腕部3a,3bを接近および離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部3a,3bの振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として圧電振動子30を利用することができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図10を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図10に示すように、圧電振動子30を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子30の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111及び圧電振動子30は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子30に電圧を印加すると、圧電振動子30内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子30が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
本実施形態の発振器110によれば、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保しつつ、CI値を低く抑制できる高性能な圧電振動子30を備えているので、性能が良好な発振器110を製造することができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図11を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子30を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図11に示すように、圧電振動子30と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子30とを備えている。圧電振動子30に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133及び呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129及び着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保しつつ、CI値を低く抑制できる高性能な圧電振動子30を備えているので、性能が良好な携帯情報機器120を製造することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図12を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図12に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子30を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子30を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子30は、前記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子30を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、振動漏れを抑制し、良好なドライブレベル特性を確保しつつ、CI値を低く抑制できる高性能な圧電振動子30を備えているので、性能が良好な電波時計140を製造することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、表面実装型の圧電振動子30に本発明の圧電振動片1を採用しているが、これに限らず、例えばシリンダーパッケージタイプの圧電振動子に本発明の圧電振動片1を採用しても構わない。
本実施形態では、振動腕部3a,3bに溝部が2本形成されており、本実施形態の第1変形例では振動腕部3a,3bに溝部が3本形成されていた。しかし、振動腕部3a,3bに形成される溝部の本数は、本実施形態および各変形例の本数に限られない。
本実施形態および本実施形態の第2変形例では、溝部が+Y側から−Y側に向かって、テーパ状に狭くなるように形成されていた。しかし、例えば、溝部が階段状に狭くなるように形成されていてもよい。
本実施形態では、一般的な音叉型の圧電振動片1を例に本発明を説明したが、これに限らず、振動腕部を有する種々の圧電振動片に本発明が適用できる。
図13は、本発明の他の適用例の説明図である。
図13に示す圧電振動片1は、一対の振動腕部3a,3bと、振動腕部3a,3bの−Y側を連結する基部4と、振動腕部3a,3bのX方向の両端に間隔をあけて配置され、−Y側が基部4に連結された一対のサイド基部7a,7bと、を備えている。この圧電振動片1は、振動腕部3a,3bの+Y側に、−Y側よりも幅広に形成された幅広部8a,8bを設けた、いわゆるハンマーヘッドタイプの圧電振動片1である。なお、ハンマーヘッドタイプの圧電振動片1は、振動腕部3a,3bの+Y側の質量を増加させることで、振動腕部3a,3bを短尺化しても容易に振動できるため、圧電振動片1の小型化に有効である。また、サイド基部7a,7bにより圧電振動片1を強固にマウントできるので、振動漏れの抑制に有効である。
このようなハンマーヘッドタイプの圧電振動片1に対しても、実施形態および実施形態の各変形例と同様に溝部を形成することで本発明を適用でき、同様の効果を得ることができる。
1・・・圧電振動片 3(3a,3b)・・・振動腕部 4・・・基部 30・・・圧電振動子 51・・・外側溝部(溝部、側溝部) 51c・・・外側溝基端部(側溝基端部) 52・・・内側溝部(溝部、側溝部) 52c・・・内側溝基端部(側溝基端部) 53・・・中央溝部(溝部) 53c・・・中央溝基端部 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 140・・・電波時計

Claims (7)

  1. 並んで配置された一対の振動腕部と、
    前記振動腕部の両主面上に形成され、前記振動腕部の長手方向に沿って伸びる溝部と、
    前記一対の振動腕部が接続された基部と、
    を備えた圧電振動片であって、
    前記振動腕部の横方向において、前記溝部が並んで複数本形成されており、かつ、前記溝部の間に形成されている壁部の幅は、前記振動腕部の先端側における前記壁部の幅よりも、前記振動腕部の基端側における前記壁部の幅の方が大きくなるように形成され
    前記振動腕部の側面と、前記振動腕部の側面側の前記溝部の側面とが、前記振動腕部の先端側から前記振動腕部の基端側まで略平行に形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  2. 請求項に記載の圧電振動片であって、
    前記振動腕部の基端側における前記溝部の幅は、前記振動腕部の先端側における前記溝部の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動片であって、
    前記振動腕部の外側において、前記基部から前記振動腕部の先端方向に向けて延びるサイド基部が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧電振動片を有することを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  6. 請求項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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