JP5817772B2 - サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブ、サスペンション用基板の製造方法、および素子付サスペンションの製造方法 - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブ、サスペンション用基板の製造方法、および素子付サスペンションの製造方法 Download PDF

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本発明は、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。HDDに用いられるサスペンション用基板(フレキシャ)は、通常、金属支持基板(例えばステンレス鋼)、絶縁層(例えばポリイミド樹脂)、配線層(例えばCu)がこの順に積層された基本構造を有する。
サスペンション用基板の金属支持基板は、磁気ヘッドスライダ等の素子を実装するためのタング部を有する。タング部は、ディンプルと接触し、その接触点においてピボット運動を行う。このピボット運動により、ディスクに対する素子の距離および姿勢を維持する。ディスクに対する素子の追従性を向上させるために、タング部およびその近傍の金属支持基板を加工することが知られている(特許文献1、2)
また、配線層の端子部と、素子とを電気的に接続する一つの方法として、いわゆるボールプレイス法が知られている(特許文献3〜6)。ボールプレイス法は、配線層の端子部と素子との間に半田ボールを配置し、その半田ボールにレーザー光を照射し半田ボールを溶融させることにより、半田接合部を形成する方法である。ボールプレイス法では、通常、配置された半田ボールにレーザー光を照射するため、例えば特許文献3においては、レーザー光照射による絶縁層の劣化を防止するために、パターン終端部の端面を、その直下の絶縁層の端面と揃えるか、または絶縁層の端面よりも先端方向に張り出させている。
一方、配線層の端子部と、素子とを電気的に接続する他の方法として、いわゆるソルダージェット法が知られている(特許文献7〜9)。ソルダージェット法は、キャピラリー等の微小管内に半田ボールを装填し、その上で、レーザー光により半田ボールを溶融させると同時に不活性ガス等で押し出し、半田接合部を形成する方法である。
特開2010−40115号公報 特開2009−259362号公報 特開2006−120288号公報 特開平10−79105号公報 特開2003−123217号公報 特開2007−58999号公報 特開2007−128574号公報 特開2002−50018号公報 特許第3181600号
ボールプレイス法を用いた接合では、レーザー光を照射する前に半田ボールの位置を安定させる必要があり、通常、端子部に凹部や孔部を形成する。一方、HDDの高機能化に伴って、必要とされる端子部の数は増加傾向にある。その結果、端子部のサイズは小さくなり、凹部や孔部を形成するスペースを確保することが困難になる。
これに対して、ソルダージェット法を用いた接合では、端子部に凹部や孔部を形成する必要がないので、端子数増加に対応しやすいという利点がある。しかしながら、ソルダージェット法での接合に適し、かつ、素子の追従性というサスペンション用基板にとって重要な事項を考慮したサスペンション用基板は検討されていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層とを有するサスペンション用基板であって、上記配線層は、素子と電気的に接続する端子部を有し、上記絶縁層は、上記端子部の端面よりも張り出し、かつ、上記素子を支持する絶縁層端部を有し、上記金属支持基板は、タング部を有し、上記絶縁層端部および上記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部が形成されていることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、絶縁層端部および貫通部を設けることにより、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板とすることができる。
上記発明において、上記金属支持基板は、上記タング部と、上記タング部を支持する支持アーム部と、上記タング部との間に開口領域を介して配置されたアウトリガー部とを有し、上記絶縁層および上記配線層は、上記支持アーム部上を通過するように形成され、上記支持アーム部よりも先端側において、上記端子部が形成されていることが好ましい。素子の追従性をより良好なものとすることができるからである。
また、本発明においては、上述したサスペンション用基板と、上記サスペンション用基板の上記金属支持基板側の表面に設けられたロードビームと、を有することを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンションとすることができる。
また、本発明においては、上述したサスペンションと、上記サスペンションに配置された素子と、上記端子部および上記素子を電気的に接続する半田接合部と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、端子部の数が多い場合であっても接続信頼性が高く、かつ、素子の追従性が良好な素子付サスペンションとすることができる。
また、本発明においては、上述した素子付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、より高機能化されたハードディスクドライブとすることができる。
また、本発明においては、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記導体部材をエッチングし、素子と電気的に接続する端子部を有する配線層を形成する配線層形成工程と、上記絶縁部材をエッチングし、上記端子部の端面よりも張り出し、かつ、上記素子を支持する絶縁層端部を有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記金属支持部材をエッチングし、タング部を有する金属支持基板を形成する金属支持基板形成工程と、を有し、上記絶縁層端部および上記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部を形成することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、絶縁層端部および貫通部を形成することにより、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板を得ることができる。
また、本発明においては、上述したサスペンションに素子を配置し、ソルダージェット法により、上記端子部および上記素子を電気的に接続する半田接合部を形成する半田接合部形成工程を有することを特徴とする素子付サスペンションの製造方法を提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、端子部の数が多い場合であっても接続信頼性が高く、かつ、素子の追従性が良好な素子付サスペンションを得ることができる。
本発明のサスペンション用基板は、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないという効果を奏する。
本発明のサスペンション用基板の一例を示す模式図である。 本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のサスペンション用基板を部材ごとに示した概略平面図である。 本発明における貫通部の効果を説明する概略断面図である。 本発明における貫通部の効果を説明する概略断面図である。 本発明における貫通部を例示する概略断面図である。 本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略断面図である。 本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 本発明における金属支持基板の一例を示す模式図である。 本発明における金属支持基板の一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略断面図である。 本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明の素子付サスペンションの製造方法の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブ、サスペンション用基板の製造方法、および素子付サスペンションの製造方法について詳細に説明する。
A.サスペンション用基板
本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層とを有するサスペンション用基板であって、上記配線層は、素子と電気的に接続する端子部を有し、上記絶縁層は、上記端子部の端面よりも張り出し、かつ、上記素子を支持する絶縁層端部を有し、上記金属支持基板は、タング部を有し、上記絶縁層端部および上記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部が形成されていることを特徴とするものである。
図1(a)は、本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。なお、図1(a)では、便宜上、カバー層の記載は省略している。図1(a)に示されるサスペンション用基板20は、一方の先端部分に形成された素子実装領域11と、他方の先端部分に形成された外部回路基板接続領域12と、素子実装領域11および外部回路基板接続領域12を電気的に接続する複数の配線層13a〜13dとを有するものである。配線層13aおよび配線層13bは一対の配線層であり、同様に、配線層13cおよび配線層13dも一対の配線層である。これらの2つの配線層は、一方がライト用配線層であり、他方がリード用配線層である。また、図1(b)に示すように、サスペンション用基板20は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された配線層3と、配線層3を覆うように形成されたカバー層4とを有する。
図2は本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図であり、図3は図2のA−A断面図である。図2に示すように、配線層3は、素子(図示せず)と電気的に接続する端子部3aを有する。端子部3aは、例えばパッド状であり、表面にAuめっき部等が形成されていることが好ましい。また、図3に示すように、絶縁層2は、端子部3aの端面3αよりも張り出し、かつ、素子31を支持する絶縁層端部2aを有する。さらに、絶縁層端部2aおよびタング部1aの間には、両者が平面視上重ならない貫通部Tが形成されている。
図4は、図2のサスペンション用基板を部材ごとに示した概略平面図である。図4(a)に示すように、金属支持基板1は、タング部1aと、タング部1aを支持する支持アーム部1bと、タング部1aとの間に開口領域Xを介して配置されたアウトリガー部1cとを有する。また、図4(b)に示すように、絶縁層2は絶縁層端部2aを有する。また、リミッタ5は、図4(a)における支持アーム部1bおよびアウトリガー部1cを開口領域Xを介して接続するものであり、枕部6は素子を支持するものである。リミッタ5および枕部6は、絶縁層2と同一の材料から構成されていることが好ましい。また、図4(c)に示すように、配線層3は端子部3aを有している。また、図4(d)に示すように、カバー層4は、図4(c)における配線層3を覆うように形成されている。
本発明によれば、絶縁層端部および貫通部を設けることにより、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板とすることができる。言い換えると、本発明によれば、絶縁層端部の端面の位置を所定の位置に調整することで、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板とすることができる。
すなわち、図3に示すように、本発明においては、絶縁層端部2aの端面2αの位置を、端子部3aの端面3αよりも張り出した位置にする。さらに、絶縁層端部2aの端面2αの位置を、素子31を支持できるように張り出させる。これにより、絶縁層端部2aが素子31を支持するための枕部として機能し、端子部3aの端面3αと、素子31の側面に形成された電極パッドとを直交する位置関係で密接させることができる。その結果、素子31の位置を安定させることができ、同時に、溶融した半田が端子部3aの端面3αと素子31の側面との間に落下することを防止できる。また、仮に溶融した半田が両者の間に落下した場合であっても、絶縁層端部2aが受け皿になるため、他製品に影響を与えないという利点もある。このように、本発明のサスペンション用基板は、ソルダージェット法を用いた接合に適したものとすることができる。
また、図3に示すように、本発明においては、絶縁層端部2aの端面2αの位置を、タング部1aとの間に貫通部Tが形成される位置にする。これにより、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板とすることができる。例えば図5に示すように、絶縁層端部2aがタング部1a上に形成され、貫通部が存在しない場合、絶縁層端部2aが、タング部1aのピボット運動を阻害し、実装される素子の追従性(柔軟性)が損なわれるという問題がある。これに対して、本発明のサスペンション用基板は、貫通部を有するため、このような問題が生じないという利点がある。
また、半田が固化する際に発生する応力を緩和するために、図6(a)に示すように、端子部3aに折り曲げ加工(図中の矢印の部分)を行う場合がある。その際、絶縁層端部2aおよびタング部1aの間に貫通部Tが存在していれば、折り曲げ加工によって、実装される素子の追従性(柔軟性)が損なわれることはない。これに対して、図6(b)に示すように、絶縁層端部2aがタング部1a上に形成され、貫通部が存在しない場合、折り曲げ加工によって、絶縁層端部2aおよびタング部1aの接触部分に応力が生じ、実装される素子の追従性(柔軟性)が損なわれてしまう。このように、貫通部を設けることで、端子部の折り曲げ加工を行いやすくなるという利点がある。なお、図7(a)に示すように、枕部6の端部はタング部1aの端部と面一の関係になっても良く、図7(b)に示すように、枕部6の端部はタング部1aの端部より張り出していても良い。
以下、本発明のサスペンション用基板について、サスペンション用基板の部材と、サスペンション用基板の構成とに分けて説明する。
1.サスペンション用基板の部材
まず、本発明のサスペンション用基板の部材について説明する。本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板、絶縁層、配線層を少なくとも有するものである。
本発明における金属支持基板は、サスペンション用基板の支持体として機能するものである。金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましく、具体的にはステンレス鋼等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
本発明における絶縁層は、金属支持基板上に形成されるものである。絶縁層の材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば樹脂を挙げることができる。上記樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁性、耐熱性および耐薬品性に優れているからである。また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明における配線層は、絶縁層上に形成されるものである。配線層の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。また、配線層の材料は、圧延銅であっても良く、電解銅であっても良い。配線層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、9μm〜12μmの範囲内であることがより好ましい。また、配線層の一部の表面には、めっき部が形成されていることが好ましい。めっき部を設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できるからである。中でも、本発明においては、素子や外部回路基板との接続を行う端子部にめっき部が形成されていることが好ましい。めっき部の種類は特に限定されるものではないが、例えば、Auめっき、Niめっき、Agめっき等を挙げることができる。中でも、本発明においては、配線層の表面側から、NiめっきおよびAuめっきが形成されていることが好ましい。めっき部の厚さは、例えば0.1μm〜4μmの範囲内である。
また、本発明のサスペンション用基板は、配線層を覆うように形成されたカバー層を有していても良い。カバー層を設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できる。カバー層の材料としては、例えば、上述した絶縁層の材料として記載した樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。配線層上(配線層の上面で)のカバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であり、中でも2μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
2.サスペンション用基板の構成
次に、本発明のサスペンション用基板の構成について説明する。本発明のサスペンション用基板は、絶縁層端部および貫通部を有することにより、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板とすることができる。
本発明における絶縁層端部は、端子部の端面よりも張り出し、かつ、素子を支持するものである。図8に示すように、絶縁層端部2aの長さをLとした場合、Lは素子を支持できる長さである必要があり、例えば10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。一方、Lは例えば125μm以下であることが好ましく、62.5μm以下であることがより好ましい。また、Lは例えば素子(例えばスライダ)の長さの1/10以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましい。
本発明における貫通部は、絶縁層端部およびタング部の間に形成され、両者が平面視上重ならない領域である。図8に示すように、貫通部Tの長さをLとした場合、Lは例えば30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましい。一方、Lは例えば125μm以下であることが好ましく、62.5μm以下であることがより好ましい。また、Lは例えば素子(例えばスライダ)の長さの1/10以下であることが好ましく、1/20以下であることがより好ましい。
本発明における配線層は、素子と電気的に接続されるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ライト用配線層、リード用配線層、グランド用配線層、電源用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層、アクチュエータ用配線層、熱アシスト用配線層等を挙げることができ、中でも、ライト用配線層、リード用配線層、グランド用配線層であることが好ましい。また、本発明における配線層は、素子と電気的に接続する端子部を有する。端子部の形状は、特に限定されるものではないが、例えばパッド状を挙げることができる。
本発明における端子部の数は、特に限定されるものではないが、例えば4以上であり、6以上であることが好ましく、8〜12の範囲内であることがより好ましい。なお、一般的なボールプレイス法の場合、端子部の数が8以上になると、半田ボールの設置に問題が生じる可能性が高くなる。本発明のサスペンション用基板がソルダージェット法を用いた接合に適したものであることを考慮すると、端子部の数が8以上である場合に、本発明の効果をさらに発揮できる。
また、図9に示すように、端子部3aの幅をW、隣り合う端子部3aの間の幅をW、最も離れた端子部3aの間の幅をWとした場合、Wは、例えば20μm〜80μmの範囲内であることが好ましく、30μm〜60μmの範囲内であることがより好ましい。Wは、例えば20μm〜80μmの範囲内であることが好ましく、30μm〜60μmの範囲内であることがより好ましい。Wは、例えば400μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、600μm〜700μmの範囲内であることがより好ましい。
また、本発明における金属支持基板は、少なくともタング部を有する。タング部は、磁気ヘッドスライダ等の素子を実装する部位である。また、本発明における金属支持基板は、図2に示すように、支持アーム部およびアウトリガー部をさらに有することが好ましい。支持アームは、タング部を支持する部位であり、通常は、サスペンション用基板の幅方向(図2における幅方向W)に延びた部位をいう。
アウトリガー部は、タング部との間に開口領域を介して配置された部位である。タング部に対して、開口領域(図2における開口領域X)を介してアウトリガー部を配置することで、ディスクに対する素子の追従性を良好にすることができる。また、アウトリガー部は、通常、支持アーム部と、間接的または直接的に連結されている。
図10(a)は、本発明における金属支持基板の一例を示す概略平面図であり、支持アーム部1bおよびアウトリガー部1cが間接的に連結されている場合を示している。支持アーム部1bはリアアーム部1eと連結し、リアアーム部1eがフロントアーム部1dと連結している。このフロントアーム部1dが、本発明におけるアウトリガー部1cに該当する。また、図10(a)における金属支持基板は、タング部1aよりもヘッド側に形成され、第一固定点101を含む第一支持領域と、第一支持領域に結合しているリング状のバネ構造であり、ピール剛性を与え、フロントアーム部1dから構成されるフロントリングFRと、タング部1aよりもテール側に形成され、第二固定点102を含む第二支持領域と、第二支持領域と結合しているリング状のバネ構造であり、上記フロントリングよりも大きなヨー剛性および上記フロントリングよりも小さなピール剛性を与え、リアアーム部1eから構成されるリアリングRRとを有している。このような構成により、大きなピール剛性と、小さいロール剛性およびピッチ剛性を維持しつつ、ヨー剛性を大きくすることができる。なお、図10(b)は図10(a)のA−A断面図である、図10(b)に示すように、ロードビーム21に対して、タング部1a、支持アーム部1b、フロントアーム部1d、リアアーム部1eが連動することにより、素子31はディスクに対して良好な追従性を発揮できる。なお、タング部1aは、一方の表面に素子31を実装し、他方の表面にディンプル22が接触している。
一方、図11は、本発明における金属支持基板の他の例を示す概略平面図である。図11に示すように、支持アーム部1bおよびアウトリガー部1cは直接的に連結されていても良い。
また、本発明においては、図2に示すように、金属支持基板が、タング部1aと、タング部1aを支持する支持アーム部1bと、タング部1aとの間に開口領域Xを介して配置されたアウトリガー部1cとを有し、絶縁層2および配線層3が、支持アーム部1b上を通過するように形成され、支持アーム部1bよりも先端側において、端子部3aが形成されていることが好ましい。素子の追従性をより良好なものとすることができるからである。なお、図2では、絶縁層2および配線層3がタング部1aを囲むように配置されている。
B.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板と、上記サスペンション用基板の上記金属支持基板側の表面に設けられたロードビームと、を有することを特徴とするものである。
図12は、本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。図12に示されるサスペンション30は、上述したサスペンション用基板20と、サスペンション用基板20の金属支持基板側の表面に設けられたロードビーム21とを有するものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンションとすることができる。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用基板およびロードビームを有する。本発明におけるサスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。一方、本発明におけるロードビームは、サスペンション用基板の金属支持基板側の表面に設けられるものである。ロードビームの材料は、特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、ステンレス鋼であることが好ましい。
C.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションに配置された素子と、上記端子部および上記素子を電気的に接続する半田接合部と、を有することを特徴とするものである。
図13は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図13に示される素子付サスペンション40は、上述したサスペンション30と、サスペンション30(サスペンション用基板20の素子実装領域11)に実装された素子31とを有するものである。また、図14は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略断面図であり、図3と同様に、図2のA−A断面図に相当するものである。図14に示すように、素子31は、絶縁層端子2aおよび枕部6の表面上に直接配置されている。例えば、絶縁層端子2aおよび枕部6を、同一の絶縁部材をエッチングすることにより形成する場合は、絶縁層端子2aおよび枕部6の高さが同一になるので、素子31の水平性が維持されやすくなる。また、端子部3aの端面3αと、素子31の側面に形成された電極パッドとは、直交する位置関係で密接している。端子部3aおよび素子の電極パッドは、半田接合部32により電気的に接続されている。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、端子部の数が多い場合であっても接続信頼性が高く、かつ、素子の追従性が良好な素子付サスペンションとすることができる。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンション、素子および半田接合部を有する。本発明におけるサスペンションについては、上記「B.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本発明における素子としては、例えば、磁気ヘッドスライダ、アクチュエータ、半導体等を挙げることができる。また、上記アクチュエータは、磁気ヘッドを有するものであっても良く、磁気ヘッドを有しないものであっても良い。また、本発明における素子は、磁気ヘッドスライダのように、ディスクに対して記録再生を行う素子(記録再生用素子)であることが好ましい。
本発明における半田接合部は、端子部および素子を電気的に接続するものである。半田接合部の材料としては、鉛含有半田、鉛フリー半田等を挙げることができる。鉛含有半田は、例えば鉛(Pb)およびスズ(Sn)を主成分とするものであることが好ましい。具体的には、Sn−Pb系、Sn−Ag−Pb系、Sn−Pb−Bi系、Sn−Sb−Pb系、Sn−Ag−Sb−Pb系の半田等を挙げることができる。一方、鉛フリー半田は、例えば鉛(Pb)を含まずスズ(Sn)を主成分とするものであることが好ましい。具体的には、Sn−Sb系、Sn−Cu系、Sn−Cu−Ni系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Cu−Bi系、Sn−Zn系、Sn−Ag−In−Bi系、Sn−Zn系、Sn−Bi系、およびSn−In系、Sn−Sb系の半田等を挙げることができる。また、本発明における半田接合部は、ソルダージェット法により形成されたものであることが好ましい。
D.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを有することを特徴とするものである。
図15は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図15に示されるハードディスクドライブ50は、上述した素子付サスペンション40と、素子付サスペンション40がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク41と、ディスク41を回転させるスピンドルモータ42と、素子付サスペンション40の素子を移動させるアーム43およびボイスコイルモータ44と、上記の部材を密閉するケース45とを有するものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、より高機能化されたハードディスクドライブとすることができる。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「C.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
E.サスペンション用基板の製造方法
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。本発明のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記導体部材をエッチングし、素子と電気的に接続する端子部を有する配線層を形成する配線層形成工程と、上記絶縁部材をエッチングし、上記端子部の端面よりも張り出し、かつ、上記素子を支持する絶縁層端部を有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記金属支持部材をエッチングし、タング部を有する金属支持基板を形成する金属支持基板形成工程と、を有し、上記絶縁層端部および上記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部を形成することを特徴とするものである。
図16は、本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。なお、図16は図2のA−A断面図に相当する断面図である。図16においては、まず、金属支持部材1A、絶縁部材2Aおよび導体部材3Aがこの順に積層された積層部材を準備する(図16(a))。次に、導体部材3Aに対して、ウェットエッチングによるパターニングを行い、端子部3aを有する配線層3を形成する(図16(b))。次に、配線層3を覆うようにカバー層4を形成する(図16(c))。
その後、絶縁部材2Aに対して、ウェットエッチングによるパターニングを行い、絶縁層端部2aを有する絶縁層2を形成する(図16(d))。この際、枕部6を同時に形成することが好ましい。また、図示しないが、図2に示したリミッタ5を同時に形成することが好ましい。最後に、金属支持部材1Aに対して、ウェットエッチングによるパターニングを行い、タング部1aを有する金属支持基板1を形成する(図16(e))。この際、貫通部Tが形成されるように、金属支持部材1Aのエッチングを行う。これにより、サスペンション用基板を得る。
本発明によれば、絶縁層端部および貫通部を形成することにより、ソルダージェット法を用いた接合に適し、かつ、素子の追従性を阻害しないサスペンション用基板を得ることができる。
以下、本発明のサスペンション用基板の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.積層部材準備工程
本発明における積層部材準備工程は、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する工程である。
本発明においては、積層部材の金属支持部材をエッチングすることにより金属支持基板が得られ、積層部材の絶縁部材をエッチングすることにより絶縁層が得られ、積層体の導体部材をエッチングすることにより配線層が得られる。積層部材は、市販の三層材であっても良く、金属支持部材に対して絶縁層および導体部材を順次形成して得られたものであっても良い。
2.配線層形成工程
本発明における配線層形成工程は、上記導体部材をエッチングし、素子と電気的に接続する端子部を有する配線層を形成する工程である。
配線層の形成方法としては、例えば、積層部材の導体部材上に、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する導体部材をウェットエッチングする方法を挙げることができる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液の種類は、導体部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば導体部材の材料がCuである場合には、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。
また、本発明においては、導体部材のエッチングと同時に、金属支持部材のエッチングを行っても良い。金属支持部材のエッチングは、例えば、治具孔の形成のためのエッチングを挙げることができる。また、必要であれば、後述する金属支持基板形成工程で行う加工の少なくとも一部を、導体部材のエッチングと同時に行っても良い。
3.カバー層形成工程
本発明のサスペンション用基板の製造方法は、上記配線層を覆うようにカバー層を形成するカバー層形成工程を有することが好ましい。配線層の劣化(腐食等)を防止できるからである。
カバー層の形成方法は、特に限定されるものではなく、カバー層の材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、カバー層の材料が感光性材料である場合には、全面形成したカバー層に露光現像を行うことによりパターン状のカバー層を得ることができる。また、カバー層の材料が非感光性材料である場合は、全面形成したカバー層の表面に所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出した部分を、ウェットエッチングにより除去することによりパターン状のカバー層を得ることができる。
4.絶縁層形成工程
本発明における絶縁層形成工程は、上記絶縁部材をエッチングし、上記端子部の端面よりも張り出し、かつ、上記素子を支持する絶縁層端部を有する絶縁層を形成する工程である。
絶縁層の形成方法としては、例えば、絶縁部材に対して、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する絶縁部材をウェットエッチングする方法を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、絶縁部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば絶縁部材の材料がポリイミド樹脂である場合は、アルカリ系エッチング液等を用いることができる。
5.金属支持基板形成工程
本発明における金属支持基板形成工程は、上記金属支持部材をエッチングし、タング部を有する金属支持基板を形成する工程である。
本工程において、通常は、金属支持基板の外形加工を行う。なお、タング部の形成は、絶縁層形成工程の後に行っても良く、上述した配線層形成工程と同時に行っても良い。また、本工程において、タング部の他に、上述した支持アーム部およびアウトリガー部の形成を行うことが好ましい。
金属支持部材をエッチングする方法は特に限定されるものでないが、具体的には、ウェットエッチング等を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、金属支持部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば金属支持部材の材料がステンレス鋼である場合は、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。
6.その他の工程
本発明のサスペンション用基板の製造方法は、配線層の端子部に、めっき部を形成するめっき部形成工程を有していても良い。めっき部を形成する方法としては、具体的には、電解めっき法を挙げることができる。また、本発明のサスペンション用基板の製造方法は、配線層および金属支持基板(金属支持部材)を電気的に接続するビアを形成するビア形成工程を有していても良い。ビアを形成する方法としては、具体的には、電解めっき法を挙げることができる。
F.素子付サスペンションの製造方法
次に、本発明の素子付サスペンションの製造方法について説明する。本発明の素子付サスペンションの製造方法は、上述したサスペンションに素子を配置し、ソルダージェット法により、上記端子部および上記素子を電気的に接続する半田接合部を形成する半田接合部形成工程を有することを特徴とするものである。
図17は、本発明の素子付サスペンションの製造方法の一例を示す概略断面図である。なお、図17は図2のA−A断面図に相当する断面図である。図17においては、まず、上述したサスペンション30を準備する(図17(a))。なお、便宜上、ロードビームの記載は省略する。次に、素子31を所定の位置に配置し、ソルダージェット装置33により、溶融した半田ボール34を噴射する(図17(b))。これにより、端子部3aおよび素子31を電気的に接続する半田接合部32を形成し、素子付サスペンションを得る。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、端子部の数が多い場合であっても接続信頼性が高く、かつ、素子の追従性が良好な素子付サスペンションを得ることができる。
本発明に用いられるサスペンションについては、上記「B.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、本発明におけるソルダージェット法は、従来と同様の方法を用いることができる。使用する半田ボールの大きさは、例えば0.03mm〜0.1mmの範囲内であることが好ましく、0.04mm〜0.07mmの範囲内であることがより好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
まず、厚さ18μmのSUS304(金属支持部材)、厚さ10μmのポリイミド樹脂層(絶縁部材)、厚さ9μmの電解銅層(導体部材)を有する積層部材を準備した(図16(a))。次に、ドライフィルムレジストを積層部材の両面にラミネートし、レジストパターンを形成した。次に、塩化第二鉄液を用いてエッチングし、エッチング後レジスト剥膜を行った。これにより、導体部材から端子部を有する配線層を形成した(図16(b))。なお、図示しないが、金属支持部材には治具孔を形成した。
その後、パターニングされた配線層を覆うように、ポリイミド前駆体溶液をダイコーターでコーティングした。乾燥後、レジスト製版し現像と同時にポリイミド前駆体膜をエッチングし、その後、窒素雰囲気下、加熱することにより硬化(イミド化)させ、カバー層を形成した(図16(c))。次に、絶縁部材をパターニングするために、レジスト製版し、露出する部位のポリイミド樹脂をウェットエッチングで除去し、絶縁層端部を有する絶縁層を形成した(図16(d))。得られた絶縁層端部の長さ(図8におけるL)は、25μmであった。
その後、電解めっき法により、配線層の端子部にAuめっき部を形成した。最後に、金属支持部材にウェットエッチングを行い、タング部、支持アーム部、アウトリガー部を有する金属支持基板を形成すると同時に、貫通部を形成した(図16(e))。これにより、サスペンション用基板を得た。得られた貫通部の長さ(図8におけるL)は、45μmであった。
1…金属支持基板、 1a…タング部、 1b…支持アーム部、 1c…アウトリガー部、 1d…フロントアーム部、 1a…リアアーム部、 2…絶縁層、 2a…絶縁層端部、 3…配線層、 3a…端子部、 4…カバー層、 5…リミッタ、 6…枕部、 11…素子実装領域、 12…外部回路基板接続領域、 13…配線層、 20…サスペンション用基板、 21…ロードビーム、 22…ディンプル、 31…素子、 32…半田接合部、 33…ソルダージェット装置、 34…溶融した半田ボール、 X…開口領域

Claims (11)

  1. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層とを有するサスペンション用基板であって、
    前記配線層は、素子と電気的に接続する端子部を有し、
    前記絶縁層は、前記端子部の端面よりも張り出し、かつ、前記張り出した位置において前記素子を支持する絶縁層端部を有し、
    前記金属支持基板は、タング部を有し、
    前記絶縁層端部および前記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部が形成され、
    前記金属支持基板は、前記タング部と、前記タング部を支持する支持アーム部と、を有し、
    前記絶縁層および前記配線層は、前記支持アーム部上を通過するように形成され、
    前記支持アーム部よりも先端側において、前記端子部が形成され、
    前記支持アーム部よりも先端側では、前記配線層および前記絶縁層が、前記金属支持基板に支持されていないことを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層とを有するサスペンション用基板であって、
    前記配線層は、素子と電気的に接続する端子部を有し、
    前記絶縁層は、前記端子部の端面よりも張り出し、かつ、前記張り出した位置において前記素子を支持する絶縁層端部を有し、
    前記金属支持基板は、タング部を有し、
    前記タング部上に、前記素子を支持する枕部が形成されており、
    前記絶縁層端部および前記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部が形成され、
    前記金属支持基板には、少なくとも前記タング部、支持アーム部およびアウトリガー部から構成された開口領域が形成され、
    前記端子部は、前記開口領域上に形成され、平面視上、前記金属支持基板に支持されていないことを特徴とするサスペンション用基板。
  3. 前記タング部上に、前記素子を支持する枕部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記枕部が、前記絶縁層と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記絶縁層端部および前記枕部の高さが同一であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板と、前記サスペンション用基板の前記金属支持基板側の表面に設けられたロードビームと、を有することを特徴とするサスペンション。
  7. 請求項6に記載のサスペンションと、前記サスペンションに配置された素子と、前記端子部および前記素子を電気的に接続する半田接合部と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  8. 請求項7に記載の素子付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブ。
  9. 金属支持部材と、前記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、前記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、
    前記導体部材をエッチングし、素子と電気的に接続する端子部を有する配線層を形成する配線層形成工程と、
    前記絶縁部材をエッチングし、前記端子部の端面よりも張り出し、かつ、前記張り出した位置において前記素子を支持する絶縁層端部を有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記金属支持部材をエッチングし、タング部を有する金属支持基板を形成する金属支持基板形成工程と、を有し、
    前記絶縁層端部および前記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部を形成し、
    前記金属支持基板は、前記タング部と、前記タング部を支持する支持アーム部と、を有し、
    前記絶縁層および前記配線層を、前記支持アーム部上を通過するように形成し、
    前記支持アーム部よりも先端側において、前記端子部を形成し、
    前記支持アーム部よりも先端側では、前記配線層および前記絶縁層が、前記金属支持基板に支持されていないことを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  10. 金属支持部材と、前記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、前記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、
    前記導体部材をエッチングし、素子と電気的に接続する端子部を有する配線層を形成する配線層形成工程と、
    前記絶縁部材をエッチングし、前記端子部の端面よりも張り出し、かつ、前記張り出した位置において前記素子を支持する絶縁層端部を有する絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記金属支持部材をエッチングし、タング部を有する金属支持基板を形成する金属支持基板形成工程と、を有し、
    前記タング部上に、前記素子を支持する枕部が形成されており、
    前記絶縁層端部および前記タング部の間に、両者が平面視上重ならない貫通部を形成し、
    前記金属支持基板に、少なくとも前記タング部、支持アーム部およびアウトリガー部から構成された開口領域を形成し、
    前記端子部は、前記開口領域上に形成され、平面視上、前記金属支持基板に支持されていないことを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  11. 請求項6に記載のサスペンションに素子を配置し、ソルダージェット法により、前記端子部および前記素子を電気的に接続する半田接合部を形成する半田接合部形成工程を有することを特徴とする素子付サスペンションの製造方法。
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