JP5815103B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、画像形成装置に関し、特に、定着部の加熱ローラーについてその回転軸方向における各領域の温度を均一に保つための技術に関する。
画像形成装置には、加熱ローラー及び加圧ローラーにより、記録紙上の未定着トナーを当該記録紙に定着させる定着装置が備えられている。定着装置では、記録紙が加熱ローラー及び加圧ローラーの当接部である定着ニップ部を通過すると、定着ローラーはその回転軸方向において記録紙に接触する中央部領域の温度が、非接触領域である端部領域の温度よりも低くなり、定着ローラーは回転軸方向の各領域において温度差を生じる。この温度差が生じたままで、次の画像形成及び定着を行うと、回転軸方向における色ムラが発生する。このため、次回の画像形成への影響をなくすために、画像形成終了後、記録紙を通過させずに定着ローラーを回転駆動させる後駆動を定着部が行い、定着ローラーの回転軸方向における温度差を低減することで、定着ローラーの温度を安定化させている。
定着ローラーの上記中央部及び端部にそれぞれ温度センサーが設けられている定着装置の場合、上記後駆動は、当該各温度センサーによって検出される定着ローラーの中央部及び端部の各温度が同一温度になった時点で停止される。また、低コストで製造される画像形成装置のように、定着ローラーの上記端部のみに温度センサーが設けられている場合は、定着ローラーの中央部及び端部の各温度が同一温度か否かを判断して後駆動の動作を制御することができないため、画像形成終了後には、予め定められた所定時間だけ後駆動が行われる。
なお、下記特許文献1には、加熱ローラー内に設けられた2つのヒーターを駆動又は停止させる比率を、定着条件に応じて決定される比率とし、この比率に基づいて2つのヒーターを駆動制御して、定着ローラーの回転軸方向における温度差を解消する画像形成装置が示されている。
上記定着ローラーの上記端部のみに温度センサーが設けられて、予め定められた一定時間の間後駆動が行われる場合は、後駆動動作が不十分になることを防止するために長めの後駆動時間が設定されるが、当該後駆動は、定着ローラーの中央部及び端部における温度差を解消しつつ、可能な限り短時間であることが好ましい。また、上記特許文献1に示される画像形成装置は、定着ローラーの回転軸方向における温度差を低減する技術ではあるが、当該後駆動時間の短時間化に貢献するものではない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、定着ローラーの回転軸方向における端部のみに温度センサーが設けられており、画像形成後に後駆動を行う場合に、当該後駆動の時間を当該画像形成の内容に応じて的確に変更させて、定着ローラーの回転軸方向における各領域間の温度差を低減させる効果を確保しつつ、後駆動時間の短時間化を可能にすることを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
加熱ヒーターを備えた加熱部材と、加圧部材とによって形成される定着ニップ部により、前記画像形成部の画像形成により記録媒体に転写されたトナー画像を当該記録媒体に定着させる定着部と、
前記定着ニップ部の回転軸方向における端部領域の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出される温度に応じて前記加熱ヒーターの駆動を制御する制御部と、
前記画像形成部による連続した画像形成に用いられる記録媒体のサイズに応じて算出する、記録媒体への当該画像形成及び当該画像形成後の当該記録媒体への前記定着の終了後に前記定着ニップ部の温度安定化のために行われる前記定着部の後駆動の時間を、定着温度安定化時間に影響を与える予め定められた条件に応じて定めた補正係数を用いて、前記連続した画像形成が行われている間に算出する後駆動時間算出部とを備え、
前記制御部は、前記画像形成部による連続した画像形成後に、前記後駆動時間算出部により算出された後駆動時間を用いて、前記定着部に前記後駆動の動作を行わせる画像形成装置である。
加熱ヒーターを備えた加熱部材と、加圧部材とによって形成される定着ニップ部により、前記画像形成部の画像形成により記録媒体に転写されたトナー画像を当該記録媒体に定着させる定着部と、
前記定着ニップ部の回転軸方向における端部領域の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出される温度に応じて前記加熱ヒーターの駆動を制御する制御部と、
前記画像形成部による連続した画像形成に用いられる記録媒体のサイズに応じて算出する、記録媒体への当該画像形成及び当該画像形成後の当該記録媒体への前記定着の終了後に前記定着ニップ部の温度安定化のために行われる前記定着部の後駆動の時間を、定着温度安定化時間に影響を与える予め定められた条件に応じて定めた補正係数を用いて、前記連続した画像形成が行われている間に算出する後駆動時間算出部とを備え、
前記制御部は、前記画像形成部による連続した画像形成後に、前記後駆動時間算出部により算出された後駆動時間を用いて、前記定着部に前記後駆動の動作を行わせる画像形成装置である。
この発明では、画像形成動作中における定着部への記録媒体の搬送条件が、定着部の加熱ローラー及び加圧ローラーの回転軸方向における各領域の温度差に与える影響を補正係数として反映させることで、この影響による当該温度差低減への貢献度に応じて後駆動時間を減算して算出する。このため、定着ローラーの回転軸方向における端部のみに温度センサーが設けられており、画像形成後に予め定められた所定時間での後駆動を行う画像形成装置において、後駆動時間を当該画像形成の内容に応じて的確に変更可能とすることで、定着ローラーの回転軸方向における各領域間の温度差を低減させる効果を確保しつつ、後駆動時間の短時間化が可能になる。
本発明によれば、定着ローラーの回転軸方向の端部のみに温度センサーが設けられており、画像形成後に後駆動を行う場合に、当該後駆動の時間を当該画像形成の内容に応じて的確に変更させて、定着ローラーの回転軸方向における各領域における温度差を低減させる効果を確保し、後駆動時間の短時間化を可能にすることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着部13、給紙部14、原稿給送部6、及び画像読取部5等を備えて構成されている。
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。上部本体112には、画像読取部5及び原稿給送部6が設けられている。
画像読取部5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。
原稿給送部6は、給紙ローラー(不図示)及び搬送ローラー(不図示)の駆動により、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して、透明な原稿ガラスが配設された原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して画像読取部5の読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。
下部本体111には、画像形成部12、定着部13および給紙部14が内装されている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙(記録媒体の一例)にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12Bk(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
感光体ドラム121には、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に基づいたトナー像が形成される。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや画像読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを静電潜像の露光された部分に付着させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラー125bは、駆動ローラー125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の回転と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の一次転写バイアス印加機構により一次転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
制御部100(図2)は、各色の一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bkにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
二次転写ローラー210は、図略の二次転写バイアス印加機構により二次転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部を、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部において中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー対192が設けられている。搬送ローラー対192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部及び定着部13に向けて搬送する。すなわち、当該適所に配置された搬送ローラー対192からなる搬送機構により記録紙が搬送される。
定着部13は、定着ヒーター131(図2)を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。加熱ローラー132には、さらに定着温度検出センサー133(図2)が設けられている。定着部13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部Nを通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了した画像形成済みの記録紙は、定着部13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、給紙カセット142,143,144とを備えている。給紙カセット142,143,144の上方に設けられたピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。当該給紙カセット142,143,144は、それぞれ装置下部本体111内において異なる高さ位置に配設されている。また、手差しトレイ141は、装置下部本体111の側部に配設されているため、給紙カセット142,143,144とは水平方向において異なる位置に配設されている。このため、手差しトレイ141、給紙カセット142,143,144のそれぞれから画像形成部12及び定着部13までの搬送距離は異なるものとなっている。
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着部13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成されている。また、制御ユニット10は、画像読取部5、原稿給送部6、画像処理部31、画像メモリー32、画像形成部12、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)92等と接続されている。
制御ユニット10は、制御部100、及び後駆動時間算出部101を備えている。
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
後駆動時間算出部101は、定着部13の後駆動の時間を算出する。この後駆動は、記録紙への画像形成部12による画像形成及び定着部13による定着の終了後に、加熱ローラー132及び加圧ローラー134とでなる定着ローラー対の表面温度の安定化、すなわち、定着ローラーの回転軸方向における各領域間で生じる温度差低減のために行われる定着ローラーの回転駆動である。
一般に、定着ヒーター131により加熱される加熱ローラー132と、当該加熱ローラー132に押圧される加圧ローラー134とが、当該両ローラー間に記録紙をニップして未定着トナー像を当該記録紙に定着させる定着動作を行うと、定着ローラー対の表面温度は、その表面が低温度の記録紙に接触することで低下する。これにより、定着ローラー対の表面は、定着ローラー対の回転軸方向における各領域、すなわち、記録紙が接触する中央部領域と、記録紙が非接触となる端部領域との間で温度差が生じる。このため、制御部100が、上記の後駆動として、記録紙を加熱ローラー132及び加圧ローラー134の間に通過させない状態で、メイン駆動モーター8を駆動して加熱ローラー132及び加圧ローラー134を回転させる。これにより、温度差が生じる要因がない状態で定着ローラーが回転するため、上記温度差が低減される。
後駆動時間算出部101は、定着部13の後駆動時間の算出を、画像形成部12が複数枚の記録紙に対して連続して画像形成を行っているときに、当該画像形成に用いられる記録紙のサイズに応じて定められている係数を用いて後駆動の時間を算出する。この後駆動時間の算出時には、後駆動時間算出部101は、当該連続した画像形成において、定着部13のニップ部Nに搬送される記録紙の搬送条件、例えば、(1)定着部13に連続して搬送される各記録紙の紙間を拡げる要因となる動作、又は、(2)定着部13に連続して搬送される記録紙が、加熱ローラー132の回転軸方向である幅方向サイズが小さなサイズから大きなサイズに変更されること、に応じて定めた補正係数を更に用いて上記後駆動時間を算出する。当該後駆動時間算出部101による後駆動時間算出の詳細については後述する。
例えば、制御ユニット10は、HDD92又は図略のマスクROMにインストールされている後駆動時間算出プログラムに従って動作することで、後駆動時間算出部101として機能する。但し、後駆動時間算出部101は、後駆動時間算出プログラムに基づく動作によらず、ハード回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
画像読取部5は、制御部100による制御の下、光照射部及びCCDセンサー等を有する上記の読取機構163を備える。画像読取部5は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
画像処理部31は、画像読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、画像読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の予め定められた画像処理を行う。
画像メモリー32は、画像読取部5による読取で得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部12によるプリント対象となるデータを一時的に保存する領域である。
画像形成部12は、上述したように、画像読取部5で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
メイン駆動モーター8は、搬送ローラー192、ピックアップローラー145、及びレジストローラー146等の搬送系のローラーに回転駆動力を供給する駆動源である。さらに、メイン駆動モーター8は、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134からなる定着ローラー対に回転駆動力を供給する。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部(不図示)及び操作キー部(不図示)を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部473を備えてなる。
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
HDD92は、画像読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。
定着部13は、定着ヒーター131及び定着温度検出センサー133を備える。定着ヒーター131は、加熱ローラー132の内部に加熱源として設けられる通電発熱体である。定着ヒーター131は制御部100により駆動制御される。定着温度検出センサー133は、サーミスター等からなり、加熱ローラー132表面の温度を検出する。定着温度検出センサー133は、検出した温度を制御部100に出力する。
制御部100は、定着温度検出センサー133から取得する加熱ローラー132表面の温度に応じて、当該加熱ローラー132の表面温度が予め定められた定着温度になるように、定着ヒーター131による加熱を制御する。
次に、画像形成装置1において定着部13の後駆動時間を算出する処理の第1実施形態を説明する。図3は、画像形成装置において定着部の後駆動時間を算出する処理の第1実施形態を説明するフローチャートである。図4は、記録紙の各サイズに応じた係数を表により示す図である。図5は、記録紙の紙間を拡げる要因となる予め定められた各動作に応じたそれぞれの補正係数を表により示す図である。図6(A)は、連続して複数の記録紙が定着部13に搬送される場合における各記録紙同士の紙間の一例を示し、(B)は紙間が拡がった状態を示す図である。
前提として、画像形成装置1では、制御部100による制御の下で、画像形成部12及びメイン駆動モーター8が駆動されて、操作者により操作部47から入力された画像形成ジョブ、又はネットワーク接続されたコンピューターからネットワークインターフェイス部91を介して入力された画像形成ジョブに従って、複数の記録紙に対して連続した画像形成及び定着動作が行われているものとする(図3のS1)。この連続した画像形成及び定着動作とは、単一の画像形成ジョブに従って複数の記録紙に画像形成を行う場合と、複数のジョブを連続して行うことで複数の記録紙に画像形成を行う場合のいずれも含むものとする。
後駆動時間算出部101は、当該画像形成ジョブが示す内容に基づいて、当該画像形成ジョブでの画像形成に用いられる記録紙のサイズ情報を取得し、当該サイズ情報が示す記録紙サイズに応じた係数を読み出す(S2)。なお、制御部100に、複数のジョブが既に受け付けられており、当該複数のジョブが連続して制御部100により行われる場合には、後駆動時間算出部101は、当該各ジョブについての画像形成に用いられる記録紙のサイズ情報を取得する。
ここで、後駆動時間算出部101は、図4に例を示すように、記録紙の各サイズに対応付けられたそれぞれの係数を示す情報を有している。各係数は、画像形成装置1の製造者等により、記録紙サイズに応じて予め設定されている。本実施形態(第1及び第2実施形態。以下、本実施形態という場合について同じ)では、当該係数は、その値が大きいほど後駆動時間を長くするものとされる。なお、基本的には、記録紙サイズの違いに基づいて係数を定める場合、加熱ローラー132及び加圧ローラー134の回転軸方向における長さ、すなわち、当該方向における幅の小さい記録紙の方が、幅の大きい記録紙よりも大きな係数に設定される。
また、各係数は、記録紙サイズの他、記録紙種類、印字速度(枚数/分)等、加熱ローラー132及び加圧ローラー134の表面温度に影響を与える他の要素を考慮して定められてもよい。例えば、後駆動時間算出部101は、記録紙サイズ及び記録紙種類(例えば、普通紙、厚紙、又はOHP(Overhead projector)シート等)の組合せに応じた各係数を有しているものとし、S2では、後駆動時間算出部101が、記録紙のサイズに加えて、記録紙の種類の情報を画像形成ジョブから取得して、当該記録紙のサイズ及び種類に応じた係数を読み出すものとしてもよい。
さらに、後駆動時間算出部101は、上記画像形成ジョブが示す内容に基づいて、当該連続した画像形成において、定着部13のニップ部Nに連続して搬送される記録紙の紙間(間隔)を拡げる要因となる予め定められた動作が行われるか否かを判別する(S3)。
後駆動時間算出部101は、S3において、当該予め定められた動作が、上記連続した画像形成中に行われると判断した場合は(S3でYES)、当該予め定められた動作についての補正係数を読み出す(S4)。
上記記録紙の紙間(間隔)を拡げる要因となる予め定められた動作とは、例えば、給紙カセットの切換、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134同士の圧力解除等である。本実施形態では、これら給紙カセットの切換と、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134同士の圧力解除とが当該予め定められた動作である場合を例にして説明する。
後駆動時間算出部101は、図5に例を示すように、当該予め定められた各動作である、給紙カセットの切換と、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134同士の圧力解除とに応じたそれぞれの補正係数を示す情報を有している。各補正係数は、画像形成装置1の製造者等により予め設定されている。また、各動作が生じさせる紙間の拡がり程度に応じて異なる補正係数が各動作に設定される。紙間の拡大に対する貢献度が大きい動作ほど、後駆動時間を減少させる度合いを大きくする補正係数が設定される。
給紙カセットの切換は、画像形成部12及び定着部13に搬送する記録紙の取り出し元を変更することになるため、例えば制御部100による切換制御の変更、及び搬送経路の変更により、切換後の給紙カセットから画像形成部12及び定着部13に記録紙を搬送するタイミングが遅れる。このため、定着部13においては、従前の給紙カセットから搬送された記録紙と、この切換直後に新たな給紙カセットから搬送される記録紙との紙間が拡がる。
例えば、図6(A)に示すように、同一の給紙カセットから記録紙を画像形成部12及び定着部13に搬送する場合における定着部13での各記録紙の間隔が紙間d1であるとすると、上記のように給紙カセットを切り換えることで画像形成部12及び定着部13への記録紙搬送が遅れると、図6(B)に示すように、定着部13における各記録紙の間隔は、紙間d2のように拡がる。記録紙を介在させない状態で、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134が回転駆動されると、当該両ローラーの回転軸方向における各領域間の温度差が低減するが、紙間d1が紙間d2まで拡がることにより、紙間d1と紙間d2の差分だけ、記録紙を介在させない状態で加熱ローラー132及び加圧ローラー134が回転駆動される時間が長くなる。このため、当該回転駆動が延長されて上記温度差の低減に貢献する分だけ、上記補正係数を用いて後駆動時間を減少させる。
また、画像形成中における用紙ジャムの発生時等には、操作者により定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134同士の圧を解除する定着圧解除が行われる場合があるが、この定着圧解除が行われる場合、制御部100は定着ヒーター131による加熱を停止させる。これにより、加熱ローラー132及び加圧ローラー134の回転軸方向における各領域の温度は全体的に低下し、回転軸方向における各領域間の温度差は低減される方向に向かうため、当該温度差の低減分を後駆動時間の算出に反映させるために、上記補正係数を用いて後駆動時間を減少させる。
なお、後駆動時間算出部101は、S3において、上記予め定められた動作が画像形成中に行われなかったと判断した場合は(S3でNO)、当該予め定められた動作についての補正係数の読み出しを行わない。すなわち、後駆動時間算出部101は、当該補正係数を後駆動時間の算出に用いない。
続いて、後駆動時間算出部101は、上記読み出した係数と、補正係数を読み出した場合には当該補正係数を用いて、後駆動時間を算出する(S5)。
後駆動時間算出部101による、図4に示した係数及び図5に示した補正係数を用いた後駆動時間の算出について説明する。ここで、図4で示す係数の1/10となる値を駆動時間(秒・sec)として用いるものとする。
〔後駆動時間算出1〕例えば、A5サイズの記録紙を20枚印刷する場合は、後駆動時間算出部101は、上記補正係数を用いずに後駆動時間を算出するとき、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5を読み出す。後駆動時間算出部101は、係数5に記録紙の印刷枚数を乗じた数値が後駆動時間を示す数値とする。この場合、係数5×20(枚)=100となる。これにより、後駆動時間算出部101は、100/10=10(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。
〔後駆動時間算出2〕上記後駆動時間算出1に対する比較例として、例えば、A5サイズの記録紙を10枚印刷し、これに連続して、A4サイズの記録紙を10枚印刷する場合を用いて説明する。なお、ここでは、上記後駆動時間算出1で算出される後駆動時間との比較のため、上記補正係数を用いずに後駆動時間算出部101により後駆動時間を算出するものとする。この場合、後駆動時間算出部101は、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5と、A4サイズに対応する係数0を読み出す。このとき、後駆動時間算出部101は、上記(1)と同様に、係数に各サイズの記録紙の印刷枚数を乗じた数値の合計が
後駆動時間を示す数値とされる。この場合、係数5×10(枚)+係数0×10(枚)=50となる。これにより、後駆動時間算出部101は、50/10=5(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。このため、この後駆動時間算出2による補正係数を用いた後駆動時間の算出によれば、上記後駆動時間算出1で算出した後駆動時間よりも、後駆動時間は5(秒・sec)短縮される。
後駆動時間を示す数値とされる。この場合、係数5×10(枚)+係数0×10(枚)=50となる。これにより、後駆動時間算出部101は、50/10=5(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。このため、この後駆動時間算出2による補正係数を用いた後駆動時間の算出によれば、上記後駆動時間算出1で算出した後駆動時間よりも、後駆動時間は5(秒・sec)短縮される。
〔後駆動時間算出3〕また、例えば、A5サイズの記録紙を給紙カセット142から10枚搬送して印刷し、A5サイズの記録紙を異なる給紙カセットである給紙カセット143から10枚搬送して印刷する場合は、後駆動時間算出部101は、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5と、図5に示した補正係数表から「給紙段切換」に対応する補正係数-10を読み出す。後駆動時間算出部101は、当該補正係数を用いて後駆動時間を算出するとき、図4に示した係数に各サイズの記録紙の印刷枚数を乗じた数値の合計に、更に当該補正係数を合算した数値が後駆動時間を示す値とされる。この場合、係数5×10(枚)+(-10)+5×10(枚)=90となる。これにより、後駆動時間算出部101は、90/10=9(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。
〔後駆動時間算出4〕なお、このように給紙カセットが変更される場合であっても、後駆動時間の算出に上記補正係数を用いないとすれば、A5サイズの記録紙を給紙カセット142から10枚搬送して印刷し、A5サイズの記録紙を異なる給紙カセットである給紙カセット143から10枚搬送して印刷する場合、後駆動時間算出部101は、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5を読み出して、係数5×10(枚)+5×10(枚)=100を算出する。これにより、後駆動時間算出部101は、100/10=10(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。このため、上記に示した補正係数を用いた後駆動時間算出3によれば、当該補正係数を用いずに後駆動時間を算出する当該後駆動時間算出4よりも、後駆動時間は1(秒・sec)短縮される。
〔後駆動時間算出5〕ここで、上記の後駆動時間算出2(A5サイズの記録紙を10枚印刷、連続してA4サイズの記録紙を10枚印刷)において、当該A4サイズの記録紙を、A5サイズの記録紙が収容されている給紙カセットとは異なる給紙カセットから給紙するとして、上記補正係数を用いて後駆動時間を算出する場合、駆動時間算出部101は、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5と、A4サイズに対応する係数0を読み出し、さらに、図5に示した補正係数表から、給紙段切り換えについての補正係数-10を読み出し、当該補正係数-10を用いて、後駆動時間:係数5×10(枚)+(-10)+0×10(枚)=40として算出する。これにより、後駆動時間算出部101は、40/10=4(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。このため、この後駆動時間算出5では、上記係数及び補正係数を用いない後駆動時間算出1よりも、後駆動時間が6(秒・sec)短縮される。
〔後駆動時間算出6〕また、例えば、A5サイズの記録紙を20枚印刷する場合、後駆動時間算出部101による算出は、図4の係数表が示すA5サイズに対応する係数5に記録紙の印刷枚数を乗じて、係数5×20(枚)=100となるが、当該画像形成中に、例えば5枚の印刷が完了した後、定着部13の定着ローラーの定着圧がジャム解除等のために解除され、その後に定着圧を元に戻して残りの15枚が印刷される場合、図5の補正係数表が示す定着圧解除に対応する補正係数は、後駆動時間のリセットであるため、後駆動時間算出部101は、当該定着圧の解除前に行われた印刷分については上記図4に示す係数を用いた後駆動時間の算出を行わない。すなわち、後駆動時間算出部101は、当該定着圧の解除前に行われた印刷分については、後駆動時間を0(秒・sec)として算出する。この場合、後駆動時間算出部101は、残りの15枚分についてのみ0+5×15(枚)=75を算出することになり、75/10=7.5(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。
制御部100は、画像形成部12に行わせる画像形成が終了し(S6でYES)、当該記録紙が定着部13を通過した後に、後駆動時間算出部101により上記のようにして算出された後駆動時間に従って、メイン駆動モーター8を駆動して、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134を回転駆動させて後駆動動作を行わせる(S7)。
この第1実施形態によれば、画像形成動作中における定着部13への記録紙の搬送条件が、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134の回転軸方向における各領域間の温度差に与える影響を補正係数として加味して、この影響による当該温度差低減への貢献度に応じて後駆動時間を減算して算出することが可能になる。このため、定着ローラーの回転軸方向の端部のみに定着温度検出センサー133が設けられており、画像形成後に後駆動を行う当該画像形成装置1において、後駆動時間を当該画像形成の内容に応じて的確に変更させて、定着ローラーの回転軸方向における各領域間の温度差を低減させる効果を確保しつつ、後駆動時間の短時間化が可能になる。
次に、画像形成装置1において定着部13の後駆動時間を算出する処理の第2実施形態を説明する。図7は、画像形成装置において定着部の後駆動時間を算出する処理の第2実施形態を説明するフローチャートである。なお、図3を用いて説明した第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。図8は、第2実施形態におけるサイズ変更後の各記録紙サイズに応じた補正係数を表により示す図である。図9(A)(B)は、サイズの異なる記録紙が連続して定着ローラーを通過する様子を示す図である。
第2実施形態では、後駆動時間算出部101は、第1実施形態による補正係数を用いた後駆動時間の減算に加えて、さらに、定着部13を通過する記録紙のサイズが小サイズから大サイズに変更されたことを上記搬送条件とし、当該搬送条件に対応する補正係数を用いた後駆動時間の減算を行う。当該小サイズから大サイズへの変更とは、定着ローラーの回転軸方向における記録紙幅が、小さな幅の記録紙から大きな幅の記録紙に変更されることをいう。
後駆動時間算出部101は、上述した紙間を拡げる要因となる予め定められた動作が行われたことに基づく補正係数を読み出した後(S14)、さらに、当該連続した画像形成中に、画像形成部12及び定着部13に搬送される記録紙のサイズが小サイズから大サイズに変更されたか否かを判別する(S15)。
後駆動時間算出部101は、S15において、定着部13に搬送される記録紙のサイズが小サイズから大サイズに変更されたと判断した場合は(S15でYES)、当該定着部13に搬送される記録紙のサイズが小サイズから大サイズに変更された当該変更後の大サイズの記録紙に対応する補正係数を読み出す(S16)。
上記記録紙サイズの小サイズから大サイズへの変更に伴う補正係数を用いた後駆動時間の算出について更に説明する。この第2実施形態では、定形の用紙サイズ、例えば、A5、B5、A4、LETTER、LEGAL等が画像形成に用いられ、当該各サイズ間で記録紙サイズが切り換えられる場合を例にして説明する。この例では、(a)A5と他のサイズの間、及び(b)B5と他のサイズの間、においてサイズ変更が行われる場合のみ、補正係数を用いた後駆動時間の減算処理の対象とする。A4、LETTER、LEGALの各サイズは、定着ローラーの回転軸方向における記録紙幅がほぼ同一であるため、これらの記録紙サイズ間でのサイズ変更は、補正係数を用いた後駆動時間の減算処理の対象としない。後駆動時間算出部101は、図8に例を示すように、各記録紙サイズに応じたそれぞれの補正係数を示す情報を有している。各補正係数は、画像形成装置1の製造者等により予め設定されている。
例えば、画像形成装置1が、最大A4サイズの記録紙までの印刷が可能に構成される場合、定着部13の両ローラーの回転軸方向長さは、最大サイズであるA4サイズの同方向における幅に合わせて、A4サイズの記録紙を定着するに足りる長さとされる。このため、図9(A)に示すように、A4サイズの記録紙p1よりも小サイズの記録紙p2が定着ローラーを通過するときは、記録紙p2が定着ローラーに接触する回転軸方向中央部領域a1と、記録紙p2が非接触となる同方向端部領域a2とでは、定着ローラーの表面温度に温度差が生じる。一方、定着ローラーの回転軸方向長さに近似する幅を有するA4サイズの記録紙p1が定着ローラーを通過するときは、中央部領域a1及び端部領域a2の両領域に記録紙p1が接触するため、上記温度差は生じ難い。このため、定着部13に搬送される記録紙が、当該幅が小さなサイズの記録紙から、幅が大きなサイズの記録紙に変更されると、定着ローラー表面の温度差は解消される方向に向かうため、当該現象を後駆動時間の算出に反映させるために、後駆動時間算出部101が、上記変更後の記録紙サイズに応じた補正係数を用いた後駆動時間の減算を行う。
また、図7に示すS17においては、上記のように幅が大きなサイズの記録紙が定着部13の定着ニップ部Nを通過することで上記温度差が低減する方向に向かうという理由から、定着部13に搬送される記録紙のサイズが大サイズから小サイズに変更された場合は(S15でNO)、当該補正係数を用いた後駆動時間の減算は行わない。
例えば、図9(B)に示すように、定着部13の定着ニップ部Nを通過する記録紙がA4サイズの記録紙p1から、A5サイズの記録紙p2に変更された場合は、逆に、定着ローラーの回転軸方向における記録紙の非接触領域が記録紙サイズ変更前よりも大きくなり当該温度差が生じやすくなって、後駆動時間を確保する必要が生じるため、上記補正係数を用いた後駆動時間の減算は行わない。
後駆動時間算出部101による、図8に示す補正係数を用いた後駆動時間の算出について説明する。図8で示す補正係数についても、当該補正係数の1/10となる数値を駆動時間(秒・sec)とする。
〔後駆動時間算出7〕後駆動時間算出部101は、例えば、A5サイズの記録紙を10枚印刷し、これに連続して、A5サイズの記録紙とは異なる給紙カセットに収容されているA4サイズの記録紙を10枚印刷する場合は、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5と、A4サイズに対応する係数0を読み出す。また、図5に示す補正係数表から給紙段切り換えに対応する補正係数-10を読み出す。このとき、定着部13の定着ローラーを通過する記録紙サイズは、小サイズから大サイズに変更されているため、後駆動時間算出部101は、さらに、図8に示す補正係数表から、変更後のA4サイズに対応する補正係数-1を読み出す。この場合、後駆動時間算出部101は、係数5×10(枚)+係数0×10(枚)+(-10)+(係数-1×10(枚))=30とし、これにより、30/10=3(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。このため、記録紙サイズの小サイズから大サイズへの変更に伴う補正係数を用いて当該後駆動時間を補正する場合、当該補正を行わない場合(後駆動時間算出5)よりも、後駆動時間は1(秒・sec)短縮される。
〔後駆動時間算出8〕一方、A4サイズの記録紙を10枚印刷し、これに連続して、異なる給紙カセットからの給紙でA5サイズの記録紙を10枚印刷する場合は、図4に示した係数表からA5サイズに対応する係数5と、A4サイズに対応する係数0を読み出し、図5に示す補正係数表から給紙段切り換えに対応する補正係数-10を読み出すが、このとき、定着部13の定着ローラーを通過する記録紙サイズは、大サイズから小サイズに変更されているため、後駆動時間算出部101は、図8の補正係数表が示す補正係数を用いずに、係数0×10(枚)+5×10(枚) +(-10)=40とする。これにより、40/10=4(秒・sec)を定着部13の後駆動時間として算出する。すなわち、当該サイズ変更は、定着ローラーの回転軸方向における温度差の低減に貢献しないため、当該図8に示す補正係数を用いた後駆動時間の減算は行わない。
制御部100は、画像形成部12に行わせる画像形成が終了し(S18でYES)、当該記録紙が定着部13を通過した後に、後駆動時間算出部101により上記のようにして算出された後駆動時間に従って、メイン駆動モーター8を駆動して、定着部13の加熱ローラー132及び加圧ローラー134を回転駆動させて後駆動動作を行わせる(S19)。
なお、上記では、S15により、当該連続した画像形成中に、記録紙のサイズが小サイズから大サイズに変更されたか否かを判別するが、当該S15の処理を行わず、後駆動時間算出部101が有する変更後の記録紙サイズに対応した補正係数を、記録紙のサイズが比較的大サイズに変更された場合にのみ、補正係数の値が後駆動時間を減少させる値になるようにしておき、記録紙のサイズが比較的同サイズに変更された場合には、補正係数の値が後駆動時間に影響を与えない値となるようにしておくことで、S15の処理を行う場合と同様の効果を得るようにしてもよい。例えば、図8に示した記録紙サイズに対応する補正係数は、S15の処理を行わない場合であっても、記録紙のサイズが大サイズから小サイズに変更されたときには、後駆動時間を減算しない値とされている。
また、上記では、定着ローラーの回転軸方向における記録紙の幅に着目して補正係数を定めて後駆動時間を減算するようにしているが、変更後の記録紙サイズが比較的大サイズであり、当該回転軸方向に直交する記録紙搬送方向の記録紙長さが長くなる場合には、後駆動時間を減算させる度合いが大きい補正係数を設定してもよい。例えば、LEGALサイズの記録紙は、定着ローラーを通過するとき、記録紙と非接触になる定着ローラー表面の面積は極めて小さくなり、この状態が、LEGALサイズの記録紙の長さだけ続くので、記録紙搬送方向における記録紙長さが他サイズの長さよりも長いLEGALサイズの記録紙が定着ローラーを通過すると、回転軸方向における各領域間の温度差低減に貢献する度合いが高まる。このため、変更後の記録紙サイズがLEGALサイズとなる場合の補正係数を、他のサイズの補正係数よりも、後駆動時間を減算させる度合いが大きい補正係数を設定してもよい。図8に示した記録紙サイズに対応する補正係数は、変更後の記録紙サイズがLEGALサイズとなる場合の補正係数を、他のサイズの補正係数よりも、後駆動時間を減算させる度合いが大きい補正係数とした例を示している。
また、上記に示した第2実施形態で、第1実施形態と同様に、紙間を拡げる要因となる予め定められた動作に対応する補正係数を用いた後駆動時間の減算を行う例を示しているが(S13,S14)、当該予め定められた動作に対応する補正係数を用いた後駆動時間の減算を行わず、上記記録紙サイズに応じた図4に例を示す係数と、定着部13に搬送される記録紙のサイズが大サイズから小サイズに変更されたことに対応する図8に例を示す補正係数とのみを用いて、後駆動時間を算出するものとしてもよい。
この第2実施形態によれば、定着ローラーの回転軸方向における各領域間の温度差を低減させる方向に向かわせる、定着部13に搬送される記録紙のサイズの大サイズから小サイズへの変更について、当該現象を補正係数として後駆動時間の算出に反映させることで、当該現象による上記温度差低減の貢献度に応じて、後駆動時間を当該画像形成の内容に応じて的確に変更させ、定着ローラーの回転軸方向における各領域間における温度差を低減させる効果を確保しつつ、後駆動時間を更に短時間化させることが可能になる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、本発明に係る画像形成装置として、プリンターを用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、本発明に係る画像形成装置は、プリンター以外のコピー機、ファクシミリ装置、或いは、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能、及びプリンター機能等の複数機能を備えた複合機等の他の画像形成装置でもよい。
また、図1乃至図9を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
1 画像形成装置
8 メイン駆動モーター
10 制御ユニット
100 制御部
101 後駆動時間算出部
12 画像形成部
13 定着部
131 定着ヒーター
132 加熱ローラー
133 定着温度検出センサー
134 加圧ローラー
8 メイン駆動モーター
10 制御ユニット
100 制御部
101 後駆動時間算出部
12 画像形成部
13 定着部
131 定着ヒーター
132 加熱ローラー
133 定着温度検出センサー
134 加圧ローラー
Claims (3)
- 記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
加熱ヒーターを備えた加熱部材と、加圧部材とによって形成される定着ニップ部により、前記画像形成部の画像形成により記録媒体に転写されたトナー画像を当該記録媒体に定着させる定着部と、
前記定着ニップ部の回転軸方向における端部領域の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出される温度に応じて前記加熱ヒーターの駆動を制御する制御部と、
前記画像形成部による連続した画像形成に用いられる記録媒体のサイズに応じて算出する、記録媒体への当該画像形成及び当該画像形成後の当該記録媒体への前記定着の終了後に前記定着ニップ部の温度安定化のために行われる前記定着部の後駆動の時間を、定着温度安定化時間に影響を与える予め定められた条件に応じて定めた補正係数を用いて、前記連続した画像形成が行われている間に算出する後駆動時間算出部とを備え、
前記制御部は、前記画像形成部による連続した画像形成後に、前記後駆動時間算出部により算出された後駆動時間を用いて、前記定着部に前記後駆動の動作を行わせる画像形成装置。 - 前記予め定められた条件は、記録媒体のサイズ変更または記録媒体の搬送間隔を拡げる要因となる動作である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記予め定められた条件は、前記連続した画像形成中に行われるものである請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
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