JP5577317B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置に関し、特に、表面にトナー画像が形成される中間転写ベルトをクリーニングする技術に関する。
従来、中間転写ベルト等の中間転写体上にトナー画像を形成した後に当該トナー画像を記録紙に転写する中間転写方式を用いた画像形成装置では、中間転写ベルト上への画像形成に要する時間が生産性に与える影響を低減してプリント時間を削減するために、中間転写ベルトからトナー画像が転写される位置への記録紙の搬送が開始される前に、画像形成部による中間転写ベルト上への画像形成を先行して開始する方式が知られている。
この方式を採る場合、給紙カセットの変更や、給紙カセットから上記トナー画像の転写へ記録紙を搬送する搬送ローラー等のすべり等の要因により、中間転写ベルトからのトナー画像転写時に記録紙が当該トナー画像転写位置(二次転写位置)に到達できなければ、この搬送遅れのために記録紙上に転写できなかったトナー画像が中間転写ベルト上に残留する。このため、下記特許文献1には、当該残留トナーを中間転写ベルトから除去するクリーニング技術が提案されている。
また、中間転写ベルトから二次転写部材(例えば、二次転写ローラー)に残留トナーを転写させることにより、クリーニング時に中間転写ベルト上から除去しなければならないトナー量を減らす技術が提案されている。下記特許文献2に記載された画像形成装置では、このように二次転写部材に残留トナーを転写させた後、次に中間転写ベルトから記録紙にトナー画像を転写させるときに、二次転写ローラーに転写された残留トナーが当該記録紙に付着しないようにするトナー付着防止機構が更に設けられている。
特開2006−113217号公報 特開2010−204521号公報
上記のように画像形成を記録用紙の搬送よりも先行させる方式の画像形成装置においては、画像形成時に記録紙の搬送遅れが生じると、プリント時間以外に、上記クリーニング動作の時間が必要になるため、画像形成装置による生産性(記録紙へのプリント効率)の低下が懸念される。当該画像形成装置の生産性低下を抑えるには、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止する等により、クリーニング動作時間を削減することが求められる。
特許文献1に記載された技術の場合、クリーニング機構に中間転写ベルトを通過させる回数を、中間転写ベルト上に転写したトナー画像の現像剤比率に応じて適切な値に設定できるが、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止できるものではない。また、上記特許文献2には、上記トナー付着防止機構と、記録紙として使用済み用紙(いわゆる裏紙であって、一面がプリント済みで他面が白紙の記録紙)を用いる場合には、当該トナー付着防止機構によるトナー付着防止処理を控えることが記載されているが、当該記載された技術も、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止できるものではない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングする性能を維持しつつ、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止してクリーニング時間を削減し、画像形成装置による画像形成の生産性を高めることを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、記録媒体を収納する複数の給紙機構と、
前記給紙機構のそれぞれに収納されている記録媒体の枚数を検出する収納枚数検出部と、
複数のローラーに無端走行可能に張架された中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルト上にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記中間転写ベルトとの間を通過する記録媒体に、前記中間転写ベルト上に形成されたトナー画像を転写させる転写部と、
前記転写部による前記トナー画像の転写位置に、前記給紙機構に収納されている記録媒体を搬送する搬送部と、
前記中間転写ベルトから残留トナーを除去するクリーニング動作を行うクリーニング部と、
前記搬送部に搬送させる記録媒体が収納された前記給紙機構を指定した複数の画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、
前記ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブの実行中に、前記搬送部による前記転写位置への記録媒体の搬送が、前記転写部による画像転写タイミングに遅れているか否かを検出する遅れ検出部と、
前記クリーニング部に前記クリーニング動作を行わせるクリーニング制御部と、
前記遅れ検出部によって前記記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、この時点で実行中の画像形成ジョブにおいて残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該画像形成ジョブの実行に用いられている前記給紙機構について前記収納枚数検出部により検出された収納枚数よりも多いか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部によって、前記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、前記収納枚数検出部により検出された収納枚数よりも多いと判定された場合に、前記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、前記実行中の画像形成ジョブに用いられている前記給紙機構とは異なる給紙機構であって、当該画像形成ジョブに適用可能な前記給紙機構について前記収納枚数検出部により検出された収納枚数以下であるかを判定する第2判定部と、
前記第2判定部によって、前記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、前記適用可能な前記給紙機構について検出された前記収納枚数検出部による収納枚数以下であると判定された場合に、前記実行中の画像形成ジョブに用いられている前記給紙機構を、前記適用可能な前記給紙機構に切り替える給紙機構切替部とを備え、
前記クリーニング制御部は、前記給紙機構切替部による給紙機構の切替が行われた後に、前記クリーニング部に前記クリーニング動作を行わせる画像形成装置である。
画像形成ジョブの実行中に、中間転写ベルト及び転写部によるトナー画像の転写位置への記録媒体の搬送が当該トナー画像の転写タイミングに遅れた場合、この時点で画像形成を中断して即座に中間転写ベルトのクリーニングを行っても、後に給紙機構を切り替えると、この切替に伴う記録媒体搬送経路の変更や、当該切替後の給紙機構からの給紙開始タイミング等により、当該切替後の給紙機構からの記録媒体の搬送が、この搬送に先駆けて開始されたトナー画像の転写タイミングに遅れる可能性があり、この場合には、中間転写ベルトのクリーニングを再度行う必要が生じる。
本発明では、上記トナー画像の転写位置への記録媒体の搬送が上記トナー画像の転写タイミングに遅れた場合において、当該実行中の画像形成ジョブにおいて残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、この画像形成ジョブでの画像形成に用いられている給紙機構に収納されている収納枚数よりも多く、後に記録媒体の不足が生じて別の給紙機構からの記録媒体供給に切り替える必要があるときには、当該残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数よりも多い枚数の記録媒体が収納された別の給紙機構があれば、当該実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙機構を、当該別の給紙機構に切り替えてから、クリーニング部による中間転写ベルトに対するクリーニング動作が行われる。
このため、本発明では、切り替えられた上記別の給紙機構からの記録媒体の搬送が、当該クリーニング動作後となれば開始される状態となり、当該クリーニングのための動作時間が経過する間に、切替による記録媒体搬送経路の変更に必要な処理及び動作を済ませられるので、当該切替後に即座に給紙機構からの給紙を開始しても、当該トナー画像転写タイミングに対する記録媒体搬送の遅れが生じる可能性が低減する。これにより、給紙機構を切り替える必要が生じている場合における中間転写ベルトのクリーニング動作の回数を減らすことができる。従って、本発明は、中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングする性能を特に低下させることなく、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止してクリーニング時間を削減し、当該画像形成装置による画像形成の生産性を高めることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記給紙機構に収納されている記録媒体の用紙サイズを種別として前記給紙機構毎に記憶する種別記憶部を更に備え、
前記第2判定部は、前記実行中の画像形成ジョブに用いられている前記給紙機構について前記種別記憶部に記憶されている記録媒体種別と同一の記録媒体種別が前記種別記憶部に記憶されている別の給紙機構を、前記適用可能な前記給紙機構とするものである。
この発明によれば、第2判定部が、実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙機構に収納されている記録媒体の用紙サイズを種別として、当該種別と同一の記録媒体種別が収納されていることを条件として別の給紙機構を上記適用可能な給紙機構と判定するため、給紙機構切替部が、それまでの給紙機構を当該別の給紙機構に切り替えても、それまでに用いていた記録媒体に対する画像形成と同様の記録媒体に画像形成を行って、同様の画像形成結果を維持することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項に記載の画像形成装置であって、前記給紙機構に収納されている記録媒体の種別を前記給紙機構毎に記憶する種別記憶部を更に備え、
前記第2判定部は、前記実行されている画像形成ジョブで用いられている前記給紙機構に収納されている記録媒体が有する画像形成領域以上の面積からなる画像形成領域を有する記録媒体の種別が、前記種別記憶部に記憶されている別の給紙機構を、前記適用可能な前記給紙機構とするものである。
この発明によれば、第2判定部が、実行されている画像形成ジョブで用いられている前記給紙機構に収納されている記録媒体が有する画像形成領域以上の面積からなる画像形成領域を有する記録媒体が収納されている給紙機構を、上記適用可能な給紙機構とするので、給紙機構切替部が当該別の給紙機構に切り替えても、それまでに用いていた記録媒体に対する画像形成を、縮小等の加工を行うことなく、他の記録媒体であっても同様の内容で画像形成を行うことができる。
本発明によれば、中間転写ベルト上の残留トナーをクリーニングする性能を維持しつつ、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止してクリーニング時間を削減して、画像形成装置による画像形成の生産性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。 画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。 (A)(B)は給紙カセットの内部機構の概略を示す図である。 画像形成装置による画像形成ジョブの実行制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着装置13、給紙部14、用紙排出部15、原稿給送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に用紙排出部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、図1においては下部本体111の左部および後部から立設され、平面視でL字状とされている。上部本体112は、連結部113の上端部に支持されている。上部本体112には、原稿読取部5及び原稿給送部6が設けられている。
原稿読取部5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス(原稿台)161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
原稿給送部6は、原稿が載置される原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部66と、原稿搬送機構65と、を備える。原稿搬送機構65は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構65は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。また、原稿搬送機構65は、用紙反転機構が原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送することで、当該原稿の両面の画像を、原稿読取スリット53を介して読取機構163により読取可能にしている。
さらに原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように上部本体112に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台としてのコンタクトガラス161上面を開放することにより、コンタクトガラス161の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
下部本体111には、画像形成部12、定着装置13および給紙部14が内装されている。上部本体112には原稿読取部5が設けられている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。給紙カセット142,143,144には記録紙(記録媒体の一例)が積層されてなる用紙束がそれぞれ収納されている。なお、本実施形態では、給紙カセット142,143,144の3段が設けられているが、これに限られず、給紙カセットは他の複数段、例えば4段以上設けてもよい。
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12B(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収納するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや原稿読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。露光装置124は、いわゆるレーザ露光装置であり、レーザビームを出力するレーザ光源と、当該レーザビームを感光体ドラム121表面に向けて反射させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム121に導くためのレンズやミラー等の光学部品を備えている。
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラー125bは、駆動ローラー125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
駆動ローラー125aは、図略の制御部による制御の下で駆動される駆動モーター(図略)から与えられる回転駆動力により中間転写ベルト125を無端走行させる。
動作制御部100(図2)は、各色の毎に一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
二次転写ローラー(転写部)210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分の用紙搬送路190に、中間転写ベルト125の外周面に当接させて設けられている。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
なお、二次転写ローラー210及び駆動ローラー125aのニップ部Nよりも、用紙搬送部411による記録紙の搬送方向上流側には、レジストローラー630が配設されている。レジストローラー630は、上部ニップ部Nにおける二次転写ローラー210による中間転写ベルト125からのトナー画像転写タイミングと、用紙搬送部411がニップ部Nに記録紙を搬送するタイミングを同期させるために、記録紙の搬送を待機等させるものである。
このレジストローラー630よりも、用紙搬送部411による記録紙の搬送方向上流側には、レジストセンサー63が配設されている。
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。このドラムクリーニング装置127によってクリーニングされた感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために再び帯電装置123へ向かう。
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー192が設けられている。搬送ローラー192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部N及び定着装置13に向けて搬送する。当該適所に配置された搬送ローラー192からなる搬送機構が搬送部の一例となる。
定着装置13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。定着装置13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着装置13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
なお、従動ローラー125bに張架された中間転写ベルト125の外周面に対向する位置にはクリーニング部22が設けられている。クリーニング部22は、トナー像を記録紙に転写した後に、中間転写ベルト125表面に残留する残留トナーを除去する。クリーニング部22は、例えば、クリーニングローラー24と、クリーニングブレード25と、モーター及び減速ギア等の図略の駆動源とを備える。
クリーニングローラー24は、中間転写ベルト125表面に接触して上記残留トナーを除去するクリーニング部材である。クリーニングローラー24は、例えばメラミン樹脂を発泡させたもので構成され、中間転写ベルト125表面を接触する状態で従動ローラー125bに対向して配置されている。また、クリーニングローラー24は、上記図略の駆動源によって、クリーニングローラー24周面の回転方向を、中間転写ベルト125の走行方向と逆方向(図2の時計回り方向)として回転駆動される。これによって、クリーニングローラー24は、中間転写ベルト125に接触する部分で、中間転写ベルト125表面に固着した残留トナーを削り取る。削り取られた残留トナーは、中間転写ベルト125の走行方向下流側であって、クリーニングローラー24の下方となる位置に配設されたクリーニングブレード25によって回収される。
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、下部本体111内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142,143,144とを備えている。
手差しトレイ141は、下部本体111の右面の下方位置に設けられた、記録紙を手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのトレイである。給紙カセット142,143,144は、複数枚の記録紙が積層されてなる用紙束を収納する。給紙カセット142,143,144の上方には、ピックアップローラー145が設けられ、ピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収納された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着装置13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。図3(A)(B)は給紙カセット142,143の内部機構の概略を示す図である。
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
制御ユニット10は、原稿読取部5、画像処理部31、画像メモリー32、用紙搬送部411、画像形成部12、駆動ローラー駆動部164、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェース部91、HDD(ハードディスクドライブ)81、二次転写ローラー駆動部162、クリーニング部22、及びレジストセンサー63等と接続されている。制御ユニット10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る動作制御部100を備える。動作制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。また、動作制御部100は、後述するジョブ受付部102に受け付けられた画像形成ジョブを、各画像形成ジョブについて定められた実行順に実行する。すなわち、動作制御部100は、画像形成ジョブが示す内容で画像形成装置1の各機構を動作制御して画像形成動作を行わせる。
原稿読取部5は、画像照射ランプ511及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー512を有する上記の読取機構163からなるスキャナー部51を備える。原稿読取部5は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。
画像処理部31は、補正部311及び画像加工部312を備える。補正部311は、画像形成部12の画像出力プロセスデータとしての帯電装置123の出力電圧、露光装置124の露光光量、現像装置122の現像バイアス電圧、転写ローラー126の転写バイアス、二次転写ローラー210の転写バイアス等の値を調整する。画像加工部312は、例えば、原稿読取部5で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行い、或いは、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。画像処理部31により処理された画像データは、画像メモリー32に記憶され、又は、画像形成部12或いはファクシミリ通信部71等に出力される。
画像メモリー32は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
用紙搬送部(搬送部)411は、図1に示したピックアップローラー145及び搬送ローラー192等から構成され、手差しトレイ141,給紙カセット142,143に収納されている記録紙を画像形成部12及び排出トレイ151まで搬送する。
画像形成部12は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラー210とを備えている。画像形成部12による出力対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、ネットワークインターフェース部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
操作部47は、図2に加えて図1にも示すように、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部473を備えてなる。
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
HDD81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、画像形成部12による画像形成に用いられ、また、画像形成装置1にネットワーク接続されたクライアントコンピューターへの送信が可能である。
ネットワークインターフェース部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェース部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
駆動ローラー駆動部164は、中間転写ベルト125が張架されている駆動ローラー125aを回転駆動するためのモーター及びドライバーである。
二次転写ローラー駆動部162は、中間転写ベルト125上に形成されているトナー画像を記録紙に転写させる二次転写ローラー210を回転駆動するためのモーター及びドライバーである。転写バイアス部は、当該二次転写ローラー駆動部162に含まれている。
クリーニング部22は、上述したように、例えば、クリーニングローラー24と、クリーニングブレード25と、図略の駆動源とを備え、動作制御部100により駆動制御される。
レジストセンサー63は、レジストローラー630に対して用紙搬送部411による用紙搬送方向における上流側となる用紙搬送路190の一側壁側に配設された発光部と、当該発光部に対向する位置となる他方側壁部に配設されて当該発光部からの光を受光する受光部とを有する。後述する紙遅れ判定部104に対して、当該受光部は、発光部からの光を受光するとHigh信号を出力し、発光部からの光を受光しないときはLow信号を出力する。すなわち、用紙搬送路190におけるレジストセンサー63の発光素子と受光素子との間に記録紙が存在すると、受光部からはLow信号が出力される。
また、制御ユニット10は、更に、収納枚数算出部101、ジョブ受付部102、紙遅れ判定部104、クリーニング制御部105、第1判定部106、第2判定部107、種別記憶部1071、及び給紙機構切替部108を備えている。なお、種別記憶部1071は、後述する画像形成ジョブの実行制御において必要に場合にのみ備えられていればよい。制御ユニット10は、内蔵する上記ROM等に記憶されている動作制御プログラムに従って、これら各部として機能してもよいし、上記各部をそれぞれにハードウェア回路による備えていてもよい。
収納枚数算出部101は、画像形成装置1が備える各給紙機構(本実施形態では、給紙カセット142〜144)のそれぞれに収納されている記録媒体の枚数を検出するものである。収納枚数算出部101は、例えば、(1)給紙カセット142,143,144のそれぞれの内部に、記録紙束を昇降させてピックアップローラー145に接離させる昇降板146を備え、昇降板146の上方に、発光部及び受光部を有する測距センサー147が設置されている。測距センサー147は、昇降板146が図3(A)に示す退避位置にあるときに用紙束Sの最上面までの距離を測定し、検出距離を収納枚数算出部101に出力する。収納枚数算出部101は、測距センサー147から得た検出距離に対応する記録紙枚数の値を、計算式により算出、又は検出距離−記録紙枚数の相関関係を記憶したデータテーブルから読み出し、これをそれぞれの給紙カセットの収納枚数とする。
また、画像形成実行時には、給紙カセット142〜144の内底部に設けられた回動支軸1461を回動軸として回動し、昇降板146が当該回動支軸1461とは反対側の端部をピックアップローラー145に接触させ、図3(B)に示すように、ピックアップローラー145により記録紙の取り出しが可能な状態となるが、給紙カセット142〜144には、ピックアップローラー145により給紙カセット142〜144から取り出される記録紙の排出口付近に、記録紙が1枚排出される毎に当該記録紙により押圧されてオン状態となりオン信号を収納枚数算出部101に出力するカウンタスイッチ148がそれぞれに設けられている。収納枚数算出部101は、当該カウンタスイッチ148から得た給紙カセット142〜144のそれぞれのカウント値を、上記算出又は読み出した記録紙枚数の値から減算することで、画像形成実行時においても給紙カセット142〜144のそれぞれの収納枚数(残り枚数)を随時算出する。
なお、収納枚数算出部101、測距センサー147、及びカウンタスイッチ148が収納枚数検出部として機能する。また、収納枚数検出部による給紙カセット142〜144の収納枚数の検出方法は、上記に限られず、他の収納枚数の検出方法を採用することも可能である。
ジョブ受付部102は、画像形成に用いる給紙機構を指定した画像形成ジョブを受け付ける。当該画像形成ジョブは、ユーザーによる操作部47の操作、又は画像形成装置1にネットワーク接続されたクライアントコンピューターからネットワークインターフェース部91で受信することにより入力され、ジョブ受付部102に受け付けられる。ジョブ受付部102は、複数の画像形成ジョブを受け付け可能とされ、当該画像形成ジョブを、各画像形成ジョブの実行順と共に記憶する。なお、画像形成ジョブは、画像形成に用いる記録紙をいずれの給紙機構(本実施形態では、給紙カセット142〜144)から供給するかの情報を含む。
紙遅れ判定部(遅れ判定部)104は、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125から記録紙にトナー画像が転写される画像転写タイミングに、用紙搬送部411による記録紙の搬送が遅れているか否かを判定する。画像形成ジョブの実行に基づく画像形成時、紙遅れ判定部104は、動作制御部100の制御による画像形成部12による画像形成開始タイミングと中間転写ベルト125の走行速度とから、当該画像形成により中間転写ベルト125上に形成されたトナー画像のニップ部N(中間転写ベルト125から記録
紙へのトナー画像転写位置)への到達時刻を算出する。
そして、紙遅れ判定部104は、用紙搬送部411により搬送が開始された上記給紙機構内の記録紙(搬送方向における記録紙の先端部)が、当該到達時刻よりも予め定められた一定時間(レジストセンサー63の配設位置から上記ニップ部Nに、当該搬送されている記録紙が到達するために要する時間)前までにレジストセンサー63の配設位置に到達せず、上記レジストセンサー63の受光部からのLow信号を受信しない場合は(High信号を受信している場合は)、用紙搬送部411によるニップ部Nへの記録紙の搬送が上記画像転写タイミングに遅れていると判定する。
また、紙遅れ判定部104は、上記記録紙が当該到達時刻よりも予め定められた一定時間前までにレジストセンサー63の配設位置に到達し、上記レジストセンサー63の受光部からのLOW信号を受信した場合は(High信号を受信しない場合は)、ニップ部Nへの記録
紙の搬送が上記画像転写タイミングに遅れていないと判定する。
すなわち、紙遅れ判定部104及びレジストセンサー63が、紙遅れ検出部として、二次転写ローラー210による上記画像転写タイミングに、用紙搬送部411による記録紙の搬送が遅れているか否かを検出する。
クリーニング制御部105は、クリーニング部22の動作を制御する。
第1判定部106は、紙遅れ判定部104及びレジストセンサー63によって記録紙の搬送遅れが検出されたときに、この時点で実行中の画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数を、この時点まで画像形成を終えた記録紙の枚数と、当該画像形成ジョブに含まれる画像形成を行う記録紙枚数の情報とに基づいて判別する。そして、第1判定部106は、当該実行中の画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該画像形成ジョブの実行に用いられている給紙カセット142〜144のいずれかについて収納枚数算出部101の算出により検出された収納枚数よりも多いか否かを判定する。
第2判定部107は、第1判定部106によって、当該実行中の画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、収納枚数算出部101により算出された上記収納枚数よりも多いと判定された場合に、当該残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセットとは異なる給紙カセットであって、当該画像形成ジョブに適用可能な給紙カセットについて算出された収納枚数算出部101による収納枚数以下であるかを判定する。
種別記憶部1071は、本実施形態では第2判定部107の一部であり、給紙カセット142〜144に収納されているそれぞれの記録媒体の種別を、給紙カセット142〜144のそれぞれについて記憶する。記録媒体種別とは、例えば、用紙サイズ(A3,A4,B5,B4,Letter size…)等である。
給紙機構切替部108は、第2判定部107によって、当該実行中の画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該画像形成ジョブで適用可能な上記給紙機構について算出された収納枚数算出部101による収納枚数以下であると判定された場合に、当該実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセットを、当該適用可能とされている別の給紙カセットに切り替える。
次に、画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御を説明する。図4は画像形成装置1による画像形成ジョブの実行制御を示すフローチャートである。
ユーザーによる操作部47の操作、又はネットワークインターフェース部91による上記クライアントコンピューターからの受信により画像形成ジョブが入力され、ジョブ受付部102に受け付けられると(S1でYES)、動作制御部100は、当該画像形成ジョブの実行を開始し、当該画像形成ジョブに基づいた一連の動作制御を行う。動作制御部100は、まず、画像形成部12に中間転写ベルト125への画像形成を開始させる(S2)。そして、動作制御部100は、用紙搬送部411に、当該画像形成ジョブにおいて画像形成に用いるとして指定されている給紙機構(給紙カセット142〜144のいずれか)から記録紙を搬送させる(S3)。
上記記録紙の搬送開始後、紙遅れ判定部104は、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125から記録紙にトナー画像が転写される画像転写タイミングに対して、用紙搬送部411による記録紙の搬送が遅れているか否かの上述した判定を開始する(S4)。ここで、紙遅れ判定部104は、レジストセンサー63から出力される上記信号に基づいて、当該搬送されている記録紙の遅れの有無を検出し、当該搬送されている記録紙に遅れが発生していないことを検出した場合には(S4でNO)、動作制御部100は、レジストローラー630による記録紙の搬送タイミング調整を行った後、上記ニップ部Nにおいて、二次転写ローラー210により中間転写ベルト125上のトナー画像を当該記録紙に転写させる(S10)。当該トナー画像の転写を終えた記録紙は、動作制御部100の制御で用紙搬送部411により排出トレイ151に排出される(S11)。この後、動作制御部100は、当該実行中の画像形成ジョブが示す内容に基づいて、画像形成を行うべき残り頁が存在するか否かを判断し(S12)、残り頁が存在すると判断した場合は(S12でYES)、処理はS2に戻り、当該残り頁についてS2以降の処理を行う。
なお、動作制御部100が、画像形成を行うべき残り頁が存在しないと判断した場合は(S12でNO)、動作制御部100は、ジョブ受付部102に受け付けられて実行順番待ちとなっている別の画像形成ジョブがあるか否かを判断する(S13)。動作制御部100が、当該実行順番待ちとなっている画像形成ジョブがあると判断した場合は(S13でYES)、処理はS2に戻り、動作制御部100は、実行順番待ちとなっている画像形成ジョブのうち、次の実行順を有する画像形成ジョブの実行を開始し、S2以降の処理が行われる。また、動作制御部100が、当該実行順番待ちとなっている別の画像形成ジョブがないと判断した場合は(S13でNO)、処理は終了する。
一方、上記のS4において、紙遅れ判定部104が、当該搬送されている記録紙に遅れが発生していることを検出した場合には(S4でYES)、第1判定部106は、この時点で実行されている画像形成ジョブに用いられている給紙カセットについて、当該時点で収納枚数算出部101により算出されている収納枚数を当該収納枚数算出部101から取得し、当該実行されている画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、上記取得した収納枚数よりも多いか否かを判定する(S5)。説明明瞭化のために、以降は、当該給紙カセットを給紙カセット142として説明する。
S5において、第1判定部106が、当該実行されている画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、上記取得した収納枚数よりも多いと判定した場合(S5でYES)、続いて、第2判定部107が、当該実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセット142について種別記憶部1071に記憶されている記録媒体種別と同一の記録媒体種別が種別記憶部1071に記憶されている別の給紙カセットがあるか否かを判断する(S6)。当該別の給紙カセットは、本実施形態の説明では、給紙カセット143,144のいずれかである。なお、本実施形態では、この記録媒体種別を用紙サイズとして説明する。
ここで、第2判定部107が、上記実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセット142について種別記憶部1071に記憶されている記録媒体種別と同一の記録媒体種別が種別記憶部1071に記憶されている別の給紙カセットがある、例えば、当該実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセット142に収納されている記録紙のサイズA4と同一サイズであるA4の記録紙を収納する別の給紙カセット143があると判断した場合は(S6でYES)、第2判定部107は、更に、上記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該新たな別の給紙カセット143について、この時点で算出された収納枚数算出部101による収納枚数以下であるか否かを判定する(S7)。
S7において、第2判定部107は、更に、上記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該別の給紙カセット143について算出された収納枚数算出部101による収納枚数以下であると判定した場合(S7でYES)、給紙機構切替部108は、当該実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセット142を、当該別の給紙カセット143に切り替える(S8)。
上記給紙カセットの切替後、クリーニング制御部105は、クリーニング部22に中間転写ベルト125のクリーニングを行わせる(S9)。このクリーニング後は、処理はS12に移る。動作制御部100は、当該画像形成ジョブを再開し、当該画像形成ジョブにおいて画像形成が未完了の頁があれば(S12でYES)、当該未完了の頁についてS2以降の処理を行う。また、動作制御部100は、当該画像形成ジョブにおいて画像形成が未完了の頁がなければ(S12でNO)、当該画像形成ジョブを終了して、実行順番待ちとなっている次の画像形成ジョブの処理に移る(S13)。
一方、S5において、第1判定部106が、当該実行されている画像形成ジョブにおける残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、上記取得した収納枚数以下と判定した場合と(S5でNO)、S6において、第2判定部107が、上記実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセット142と同一サイズの記録媒体を収納する別の給紙カセットが存在しないと判断した場合と(S6でNO)、S7において、第2判定部107が、上記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該別の給紙カセット143における記録紙の収納枚数よりも多いと判定した場合とには(S7でNO)、給紙機構切替部108による上記給紙カセットの切替を行うことなく、クリーニング制御部105が、クリーニング部22に中間転写ベルト125のクリーニングを行わせる(S9)。
このクリーニング後は、処理はS12に移り、給紙カセットを変更することなく、それまで用いていた給紙カセットをそのまま用いて以降の処理を続行する。
例えば、画像形成ジョブの実行中に、中間転写ベルト125及び二次転写ローラー210によるトナー画像の転写位置への記録媒体の搬送が、当該トナー画像の転写タイミングに遅れた場合、この時点で画像形成を中断して即座に中間転写ベルト125のクリーニングを行っても、記録紙不足により、後に給紙カセットを別の給紙カセットに切り替えると、当該切替による記録媒体搬送経路の変更や、切替後の給紙機構からの給紙開始タイミング等により、当該切替後の給紙機構からの記録媒体の搬送が、上記トナー画像の転写タイミングに遅れる可能性があり、この場合には、中間転写ベルト125のクリーニングを再度行う必要が生じる。
これに対して、本実施形態によれば、切り替えられた給紙カセット(上記では給紙カセット143)からの記録紙の搬送が、上記クリーニング部22による中間転写ベルト125のクリーニング後となれば開始され、しかも、当該クリーニングのための動作時間が経過する間に、切替による記録媒体搬送経路の変更に必要な処理及び動作を済ませられるので、当該切替後に即座に別の給紙カセット143からの給紙を開始しても、当該トナー画像転写タイミングに対する記録媒体搬送の遅れが生じる可能性が低減する。このため、給紙カセットを切り替える必要が生じている場合における中間転写ベルト125のクリーニング動作の回数を減らすことができる。
これにより、本実施形態では、中間転写ベルト125上の残留トナーをクリーニングする性能を特に低下させることなく、クリーニングが必要となる事態の発生を未然に防止してクリーニング時間を削減し、当該画像形成装置1による画像形成の生産性を高めることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第2判定部107は、実行中の画像形成ジョブに用いられている給紙カセット142について種別記憶部1071に記憶されている記録媒体種別と同一の記録媒体種別が種別記憶部1071に記憶されている別の給紙カセットがあるか否かの判断(S6)において、記録媒体種別を用紙サイズとして説明しているが、当該同一の記録媒体種別か否かの判断は、これに限定されず、他の判断手法を用いることも可能である。
例えば、種別記憶部1071には、同様に記録紙サイズが記憶されており、第2判定部107は、当該実行中の画像形成ジョブで用いられている給紙カセットに収納されている記録媒体が有する画像形成領域以上の面積からなる画像形成領域を有する記録媒体を収納している給紙カセットを、上記別の給紙カセットと判断するようにしてもよい。
この場合には、給紙機構切替部108が、画像形成に用いる給紙カセットを上記別の給紙カセットに切り替えても、それまでに用いていた記録媒体に対する画像形成を、縮小等の加工を行うことなく、上記別の給紙カセットから供給される他の記録媒体であっても、同様の内容で行うことができる。
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。
なお、図1乃至図4を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
1 画像形成装置
10 制御ユニット
22 クリーニング部
47 操作部
63 レジストセンサー
100 動作制御部
101 収納枚数算出部
102 ジョブ受付部
104 紙遅れ判定部
105 クリーニング制御部
106 第1判定部
107 第2判定部
1071 種別記憶部
108 給紙機構切替部
147 測距センサー
148 カウンタスイッチ
192 搬送ローラー

Claims (3)

  1. 記録媒体を収納する複数の給紙機構と、
    前記給紙機構のそれぞれに収納されている記録媒体の枚数を検出する収納枚数検出部と、
    複数のローラーに無端走行可能に張架された中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルト上にトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記中間転写ベルトとの間を通過する記録媒体に、前記中間転写ベルト上に形成されたトナー画像を転写させる転写部と、
    前記転写部による前記トナー画像の転写位置に、前記給紙機構に収納されている記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記中間転写ベルトから残留トナーを除去するクリーニング動作を行うクリーニング部と、
    前記搬送部に搬送させる記録媒体が収納された前記給紙機構を指定した複数の画像形成ジョブを受け付けるジョブ受付部と、
    前記ジョブ受付部に受け付けられた画像形成ジョブの実行中に、前記搬送部による前記転写位置への記録媒体の搬送が、前記転写部による画像転写タイミングに遅れているか否かを検出する遅れ検出部と、
    前記クリーニング部に前記クリーニング動作を行わせるクリーニング制御部と、
    前記遅れ検出部によって前記記録媒体の搬送遅れが検出されたときに、この時点で実行中の画像形成ジョブにおいて残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、当該画像形成ジョブの実行に用いられている前記給紙機構について前記収納枚数検出部により検出された収納枚数よりも多いか否かを判定する第1判定部と、
    前記第1判定部によって、前記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、前記収納枚数検出部により検出された収納枚数よりも多いと判定された場合に、前記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、前記実行中の画像形成ジョブに用いられている前記給紙機構とは異なる給紙機構であって、当該画像形成ジョブに適用可能な前記給紙機構について前記収納枚数検出部により検出された収納枚数以下であるかを判定する第2判定部と、
    前記第2判定部によって、前記残りの画像形成に必要な記録媒体の枚数が、前記適用可能な前記給紙機構について検出された前記収納枚数検出部による収納枚数以下であると判定された場合に、前記実行中の画像形成ジョブに用いられている前記給紙機構を、前記適用可能な前記給紙機構に切り替える給紙機構切替部とを備え、
    前記クリーニング制御部は、前記給紙機構切替部による給紙機構の切替が行われた後に、前記クリーニング部に前記クリーニング動作を行わせる画像形成装置。
  2. 前記給紙機構に収納されている記録媒体の用紙サイズを種別として前記給紙機構毎に記憶する種別記憶部を更に備え、
    前記第2判定部は、前記実行中の画像形成ジョブに用いられている前記給紙機構について前記種別記憶部に記憶されている記録媒体種別と同一の記録媒体種別が前記種別記憶部に記憶されている別の給紙機構を、前記適用可能な前記給紙機構とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記給紙機構に収納されている記録媒体の種別を前記給紙機構毎に記憶する種別記憶部を更に備え、
    前記第2判定部は、前記実行されている画像形成ジョブで用いられている前記給紙機構に収納されている記録媒体が有する画像形成領域以上の面積からなる画像形成領域を有する記録媒体の種別が、前記種別記憶部に記憶されている別の給紙機構を、前記適用可能な前記給紙機構とする請求項に記載の画像形成装置。
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