JP5812572B2 - 軸流送風機およびこの軸流送風機を用いた空気調和機の室外機 - Google Patents

軸流送風機およびこの軸流送風機を用いた空気調和機の室外機 Download PDF

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Description

本発明は、小型化、低騒音化が可能な軸流送風機と、この軸流送風機を用いた空気調和機の室外機に関する。
従来より、軸流送風機において、ファングリルの一部にベルマウス部を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなものにおいて、プロペラファンの周囲を覆っているベルマウス部が、プロペラファンの羽根の外周を、回転軸方向に全体を覆っていない場合、翼端渦が発生し易くなり、所定風量時のファン騒音、入力が大きくなる。
また、プロペラファンの周囲を覆っているベルマウス部が、プロペラファンの羽根の外周を、回転軸方向に全体を覆うように構成した場合、ベルマウス部の軸方向寸法が大きくなり、ファングリル全体として大形化を余儀なくされる。
特開2007−309632号公報(図8)
ところで、ビルや店舗用空気調和機の室外機は、ビルの屋上や建物の間に設置されるが、室外機から発生する騒音により、近隣住民へ迷惑をかけることがあるため、室外機の低騒音化が求められている。
また、地球温暖化防止のため、空気調和機の省エネ化が求められている。省エネに関しては、室外機の高風量化が有効な手段であるが、高風量化は騒音が増加し、さらに近隣住民へ迷惑をかけることになる。このため、近隣住民への迷惑を抑え、省エネ化を図るために、室外機の低騒音化が重要な要素となっている。当然、ファン入力低減も省エネ化には欠かせない要素となる。
また、室外機をビルの屋上に設置する際、クレーン車や、人が階段を登って運ぶよりも、エレベータで搬送するのが容易であるが、エレベータが小さい場合もある。このため、小さなエレベータでも搬送できるよう、室外機の小型化が求められているが、小型化はファン径縮小や熱交換器小型化による通風抵抗増加を伴うため、ファン騒音、入力増加の原因となり易い。
本発明の技術的課題は、低騒音化を図りながら省エネ化、小型化、ファン入力低減を可能ならしめるようにすることにある。
本発明に係る軸流送風機は、プロペラファンと、プロペラファンを駆動するファンモーターと、ファンモーターを固定するモーター支持部材と、一端側が吹出口を有するストレート部として形成され、他端側が該ストレート部から連続しプロペラファンの吹出し側外周を覆い吸込み側に伸びて外周形状がアール面を有したラッパ形状となったベルマウス部として形成された円筒部、及び円筒部よりも断面が大きくこの円筒部のベルマウス部の下部が連通接続された箱部、を有するファングリルとを備え、ファングリルの円筒部のベルマウス部におけるアール面の上端部に、ストレート部から連続するようにプロペラファンの当該ベルマウス部にて覆われていない部位を覆い箱部内に突出する円筒状のリブを設けたものである。
本発明の軸流送風機によれば、一端側が吹出口を有するストレート部として形成され、他端側がストレート部から連続しプロペラファンの吹出し側外周を覆い吸込み側に伸びて外周形状がアール面を有したラッパ形状となったベルマウス部として形成された円筒部、及び円筒部よりも断面が大きくこの円筒部のベルマウス部の下部が連通接続された箱部、を有するファングリルとを備え、ファングリルの円筒部のベルマウス部におけるアール面の上端部に、ストレート部から連続するようにプロペラファンの当該ベルマウス部にて覆われていない部位を覆い箱部内に突出する円筒状のリブを設けているので、ファングリルすなわち軸流送風機の軸方向寸法を大きくすることなく、低騒音化を図ることができる。また、これに伴い、省エネ化が図れ、ファン入力低減を可能ならしめることができる。そして、このような軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した場合には、室外機の省エネ化および低騒音化が可能となり、これに伴いファン入力低減を図ることができる。さらに、ファングリルの高さを低くできるため、室外機全体としての小型化が図れる。また、リブは、ファングリルを樹脂で作成する場合は、モールドにより一体成型することも可能となる。
本発明の実施の形態1に係る軸流送風機が適用される空気調和機の室外機の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のファングリルとプロペラファンの関係を示す断面図である。 従来の軸流送風機のファングリルとプロペラファンの関係を示す断面図である。 従来の軸流送風機のファングリルを用いた場合のプロペラファン翼面上の静圧分布を表す図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のファングリルを用いた場合のプロペラファン翼面上の静圧分布を表す図である。 軸流送風機の比較例を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のファングリルの変形例を示す図2相当の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のプロペラファンとモーター支持部材の最短距離の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の、(a)は騒音と、プロペラファンとモーター支持部材との最短距離L/ファン径Dの関係を示すグラフ、及び(b)はファン入力と、L/Dの関係を示すグラフである。 プロペラファンの比較例を圧力面側から見た正面図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のプロペラファンを圧力面側から見た正面図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のP−Q特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機を用いた空気調和機の室外機と防雪フードの関係を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のP−Q特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のP−Q特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のプロペラファンの変形例を圧力面側から示す正面図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のプロペラファンの他の変形例を圧力面側から示す正面図である。
実施の形態1.
以下、図示実施の形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る軸流送風機が適用される空気調和機の室外機の概略構成を示す断面図、図2はその軸流送風機のファングリルとプロペラファンの関係を示す断面図、図3は従来の軸流送風機のファングリルとプロペラファンの関係を示す断面図である。
本実施の形態1の軸流送風機20は、ファングリル1と、ファングリル1内に収容されたプロペラファン4と、プロペラファン4の上流側に配置されてモーターシャフト7にプロペラファン4が取り付けられたファンモーター6と、ファンモーター6を固定するモーター支持部材8とを備えている。
ファングリル1は、円筒部1aと、円筒部1aに連通接続され、(水平)断面が略矩形の箱部1bとで形成されている。円筒部1aは、プロペラファン4の吹出し側に垂直に伸びたストレート部と、プロペラファン4の外周の吹出し側の一部を覆い、吸込み側に伸びて外周形状がアール面を有したラッパ形状となったベルマウス部2とから成っており、吹出し口がスリット部3により覆われている。箱部1bは、プロペラファン4の下部及びファンモーター6を覆い、ベルマウス部2と連続するように形成された略矩形の水平の天板を有して、吸込み側に延びて筐体11に接続される箱形状となっている。また、円筒部1aには、図1のようにプロペラファン4のベルマウス部2にて覆われていない部位の羽根の外周を、回転軸方向に沿って略全体を覆うように、箱部1b内に突出する円筒状のリブ12が設けられている。なお、リブ12は、ファングリル1が樹脂製の場合は、モールドにより一体成型することも可能である。
空気調和機の室外機30は、軸流送風機20を載置した筐体11内に、熱交換器9、圧縮機10、及びアキュームレーター13を収容してなるものである。
ベルマウス部2は、図1のようにプロペラファン4の高さ方向全体を覆っていない。高さ方向全体を覆っていない理由は以下の構造上の制約によるものである。
(a)室外機30の高さの小型化のため、ファングリル1の高さを長くできない。
(b)プロペラファン4の運転中にスリット部3に仮に指が入ってもプロペラファン4に指が当たらないよう、スリット部3とプロペラファン4との距離は所定距離確保する必要がある。このため、プロペラファン4とスリット部3間の距離を所定距離より縮めることはできない。
(c)ファングリル1は、箱部1bの側面部5において筐体11とねじ止めすることで固定するようになっており、側面部5の高さはある程度必要である。
次に、図3のようにベルマウス部2がプロペラファン4の高さ方向全体を覆っていない従来の場合と、図2のようにベルマウス部2と円筒状のリブ12とによりプロペラファン4の高さ方向全体を覆っている場合において、室外機30の吹出し風量が175m3/minのときの空力性能を下表1に比較して示す。
Figure 0005812572
表1から明らかなように、ベルマウス部2がプロペラファン4の高さ方向全体を覆っていた方が、騒音値、ファン入力、及び回転数が低くなる。
次に、その理由について説明する。
図4に図3のベルマウスの場合のプロペラファンの翼面上の静圧分布を、図5に図2のベルマウスの場合のプロペラファンの翼面上の静圧分布を、それぞれ示す。図4及び図5において、圧力面は室外機の上方側を向いている面、負圧面は室外機の下方側を向いている面であり、圧力面の静圧の最も高い点hと、負圧面の静圧の最も低い点lを記載してある。
図4と図5を比較すると、図4の方が点hと点lの位置が近いことがわかる。静圧差により、点hからプロペラファン4とベルマウス部2との隙間を通り、点lへ向かう流れ、すなわち翼端渦が生成されるが、点hと点lの位置が近いほど、翼端渦の渦度は大きくなる。翼端渦は生成した後、隣の翼の前縁へ流入し、騒音、入力増加の原因となる。また、図5のベルマウス部+円筒状のリブの方が長い分、翼端渦にとって流路が狭まるため、翼端渦が生成しにくい。従って、表1に示した空力性能の差は、点hと点lの位置による翼端渦の違いによるものである。
図6に円筒状のリブ12を設けずにベルマウス部2のみでプロペラファン4の高さ方向全体を覆うようにしたファングリル1の比較例を示す。図6に示すファングリル1の高さ、特に円筒部1aの高さは、ベルマウス部2にてプロペラファンの高さ方向全体を覆うようにした分、図3、図2に示すファングリルよりも高くなっている。
図2のファングリルと、図6のファングリルの場合において、室外機の吹出し風量が175m3/minのときの空力性能を下表2に示す。
Figure 0005812572
表2から明らかなように、図2と図6のファングリルにおいて、空力性能は同等であり、僅かな差は測定ばらつきと考えてよい。このことから、図2のファングリルは、高さを抑えつつ、騒音値、ファン入力を低減できることがわかる。
また、ファングリルを金型で製造している場合は、既存の金型を改造すればリブを設けることができるため、新規に金型を作る必要もない。
一般にベルマウスの上流側は略1/4円弧形状である。図7に図2のベルマウス上流側が略1/4円弧形状となるようにリブ12を設けた例を示す。図7の場合、リブ12の肉厚が厚くなり、ファングリル1が樹脂製の場合、製造工程において肉厚が厚くなったことにより、図2よりも冷却時間を要し、製造工程に要する時間が長くなる場合がある。
図2のファングリルと図7のファングリルの場合において、室外機の吹出し風量が175m3/minのときの空力性能を下表3に示す。
Figure 0005812572
表3から明らかなように、図7のベルマウスの方が図2のベルマウスよりも騒音、ファン入力は若干低いが、これらは略同等の空力性能を有していることがわかる。
このように、本実施の形態1に係る軸流送風機によれば、一端に吹出口となるスリット部3が形成されているとともに、他端にプロペラファン4の吹出し側外周を覆うベルマウス部2が形成された円筒部1a、及び円筒部1aよりも断面が大きくこの円筒部1aの下部が連通接続された箱部1b、を有するファングリル1とを備え、ファングリル1の円筒部1aに、プロペラファン4のベルマウス部2にて覆われていない部位を覆い箱部1b内に突出する円筒状のリブ12を設けているので、ファングリル1すなわち軸流送風機20の軸方向寸法を大きくすることなく、低騒音化を図ることができる。また、これに伴い、省エネ化が図れ、ファン入力低減を可能ならしめることができる。そして、このような軸流送風機20を搭載した空気調和機の室外機30は、省エネ化および低騒音化が可能となり、これに伴いファン入力低減を図ることができる。さらに、ファングリル1の高さを低くできるため、室外機30全体としての小型化が図れる。
図8はプロペラファン4とモーター支持部材8間の最短距離Lを表す図である。最短距離Lが短すぎると、モーター支持部材8から発生した後流渦が、プロペラファン4の前縁に流入し、前縁の流れが乱れるため、ファン騒音、入力増加の原因となる。図2に示したベルマウス部を有するファングリルを用いて、ファン径Dを固定し、最短距離Lを変化させたときの、ファン騒音とL/Dの関係を図9(a)、ファン入力とL/Dの関係を図9(b)に示す。図9(a)より、騒音値はL/D≧0.17で一定となり、図9(b)より、ファン入力はL/D≧0.175で一定となる。すなわち、L/D≧0.175であれば、最短距離Lを長くしても、ファン騒音、入力は変わらなくなる。
ちなみに、図3に示した従来のベルマウス部を有するファングリルを用いて、ファン径Dを固定し、最短距離Lを変化させ、同様にファン騒音、入力が変わらなくなるL/Dを求めたところ、L/D=0.22であった。
従って、図2のベルマウス部を有するファングリルは、図3のベルマウス部を有するファングリルよりも、ファン騒音、入力が変わらなくなる最短距離Lを短くすることができるため、モーター支持部材の設置の自由度を向上することができ、かつ表1よりファン騒音、入力を小さくすることができる。
このように、円筒状のリブ12の内側の領域においてファン径Dのプロペラファン4と、モーター支持部材8との最短距離をLとしたとき、L/D≧0.175とすることにより、ファン騒音、入力が変わらなくなる最短距離Lを短くすることができるため、モーター支持部材8の設置の自由度を向上することができ、かつファン騒音、入力を小さくすることができる。
実施の形態2.
図10は比較例であり、一般的なプロペラファンを圧力面側から見た図、図11は本発明の実施の形態2に係る軸流送風機を示すもので、図10のプロペラファンの羽根後縁部の輪郭線が羽根前縁部方向に凹状に形成されたプロペラファンを圧力面側から見た図、図12は図3に示したベルマウスを用い、図10、図11のプロペラファンを使用した場合のP−Q特性を示す。
P−Q特性は、プロペラファンの回転数を一定として、通風抵抗である静圧Pと、風量Qの関係を表したものである。通風抵抗が小さいほど風は流れ易くなり、通風抵抗が大きいほど風は流れ難くなる。よって、静圧が小さいほど、風量は大きくなり、静圧が大きいほど風量は小さくなる。なお、これ以降、図12の低風量、高静圧側を締切側(グラフの左上側)、高風量、低静圧側を開放側(グラフの右下側)という。回転数は動作点Aを通る回転数としてある。
図12のP−Q特性から明らかなように、両者を比べると動作点Aより開放側では、図11のプロペラファンの方が回転数が低いにも関わらず、静圧が高いが、締切側では、図11のプロペラファンの方が静圧が低い。つまり、図11の羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成されたプロペラファン4は、動作点Aにおけるファン入力が図10のプロペラファンより約10%低く、かつ締切側で静圧が低くなる。
ところで、豪雪地域で空気調和機が暖房運転される場合、雪の堆積により室外機の吹出し口が塞がれ、風が流れにくくなることがある。これを防止するために、図13のようにファングリル1の吹出口部に防雪フード14を取付けることがある。防雪フードを取付けると、当然、通風抵抗は増加し、動作点は締切側へ移動する。また、防雪フードが必要な場合は、外気温度が低く、室外機の冷媒温度も低くなるため、熱交換器に霜が付きやすく、熱交換器9の通風抵抗が増加するため、さらに動作点は締切側へ移動する。なお、動作点Aは防雪フード14や熱交換器9に霜が付いていない場合の、室外機30の動作点である。
このように、図11の羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成されたプロペラファン4は、締切側の静圧が低くなる特性があるため、豪雪地域における空気調和機の暖房運転には不向きなプロペラファンである。
図14に図2に示した円筒状のリブを有するベルマウス部を用い、図11に示したプロペラファンを用いた場合のP−Q特性と、図12で示したP−Q特性を併記したものを示す。回転数は動作点Aを通る回転数としてある。図2の円筒状のリブを有するベルマウス部+図11のプロペラファンは、図3の円筒状のリブを有していないベルマウス部+図10のプロペラファンよりも締切側で若干静圧が低いものの、図3の円筒状のリブを有していないベルマウス部+図11のプロペラファンよりは締切側で静圧が高くなっている。動作点Aにおけるファン入力結果を下表4に示す。
Figure 0005812572
また、図2の円筒状のリブを有するベルマウス部+図11のプロペラファンにおけるP−Q特性の静圧が、全域で図3の円筒状のリブを有していないベルマウス部+図10のプロペラファンにおけるP−Q特性の静圧よりも高くなるよう、図2の円筒状のリブを有するベルマウス部+図11のプロペラファンの回転数を大きくしたときのP−Q特性と、ファン入力結果を図15に示す。
表4及び図15から明らかなように、図2の円筒状のリブを有するベルマウス部+図11のプロペラファンは、全域で静圧が高いにも関わらず、ファン入力を低減することができる。
このように、本実施の形態2に係る軸流送風機によれば、プロペラファン4の羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成された形状を有している。また、ファングリル1は、一端に吹出口となるスリット部3が形成されているとともに、他端にプロペラファン4の吹出し側外周を覆うベルマウス部2が形成された円筒部1a、及び円筒部1aよりも断面が大きくこの円筒部1aにベルマウス部2を介して下部が連通接続されているがベルマウスの働きをしない箱部1b、を有している。そして、ファングリルの円筒部1aに、プロペラファンのベルマウス部にて覆われていない部位を覆い箱部1b内に突出する円筒状のリブ12を設けたので、羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成されたプロペラファンにおいても締切側の静圧低下を抑制でき、かつファン入力を低減することができる。そして、このような軸流送風機20を搭載した空気調和機の室外機30は、省エネ化および低騒音化が可能となり、これに伴いファン入力低減を図ることができる。さらに、ファングリル1の高さを低くできるため、室外機30全体としての小型化が図れる。
図16は羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成され、かつこの凹状部がファン内周側に偏ったプロペラファン4、図17は羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成され、かつこの凹状部がファン外周側に偏ったプロペラファン4、をそれぞれ示している。
図2に示した円筒状のリブを有するベルマウスを用い、図11、図16、図17の、羽根後縁部の輪郭線が羽根前縁部方向に凹状に形成されたプロペラファンにおいて、図12に示した動作点Aにおける比騒音を下表5に示す。
比騒音Ksは下式で定義される。
Ks=SPL−10log10(P・Q2.5
ここで、SPL:ファンから1m離れた位置の騒音値[dB]
P:動作点Aの静圧[mmAq]
Q:動作点Aの風量[m3/min]
Figure 0005812572
表5から明らかなように、プロペラファンの羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成され、かつこの凹状部がファン内周側に偏るほど、比騒音Ksが小さくなる。
このように、ファングリルが、一端に吹出口となるスリット部3が形成されているとともに、他端にプロペラファン4の吹出し側外周を覆うベルマウス部2が形成された円筒部1a、及び円筒部1aよりも断面が大きくこの円筒部1aにベルマウス部2を介して下部が連通接続された箱部1b、を有している。そして、ファングリルの円筒部1aに、プロペラファンのベルマウス部にて覆われていない部位を覆い箱部1b内に突出する円筒状のリブ12を設け、またプロペラファン4の羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成され、かつこの凹状部がファン内周側に偏る構成とすることにより、比騒音Ksを小さくすることができる。
図2に示した円筒状のリブを有するベルマウスを用い、図11、図16、図17の、羽根後縁部の輪郭線が羽根前縁部方向に凹状に形成されたプロペラファンにおいて、図12に示した動作点Aにおけるファン効率を下表6に示す。
ファン効率ηは下式で定義される。
η=PQ/W
ここで、P:動作点Aの静圧[Pa]
Q:動作点Aの風量[m3/s]
W:軸出力[W]
Figure 0005812572
表6から明らかなように、プロペラファンの羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成され、かつこの凹状部がファン外周側に偏るほど、ファン効率ηが大きくなる。
このように、ファングリルが、一端に吹出口となるスリット部3が形成されているとともに、他端にプロペラファン4の吹出し側外周を覆うベルマウス部2が形成された円筒部1a、及び円筒部1aよりも断面が大きくこの円筒部1aにベルマウス部2を介して下部が連通接続された箱部1b、を有し、円筒部1aに、プロペラファンのベルマウス部にて覆われていない部位を覆い箱部1b内に突出する円筒状のリブ12を設け、またプロペラファンの羽根後縁部4bの輪郭線が羽根前縁部4a方向に凹状に形成され、かつこの凹状部がファン外周側に偏る構成とすることにより、ファン効率ηを大きくすることができる。
1 ファングリル、1a 円筒部、1b 箱部、2 ベルマウス部、3 スリット部(吹出口)、4 プロペラファン、4a 羽根前縁部、4b 羽根後縁部、6 ファンモーター、8 モーター支持部材、12 円筒状のリブ、20 軸流送風機、30 空気調和機の室外機。

Claims (6)

  1. プロペラファンと、
    前記プロペラファンを駆動するファンモーターと、
    前記ファンモーターを固定するモーター支持部材と、
    一端側が吹出口を有するストレート部として形成され、他端側が該ストレート部から連続し前記プロペラファンの吹出し側外周を覆い吸込み側に伸びて外周形状がアール面を有したラッパ形状となったベルマウス部として形成された円筒部、及び前記円筒部よりも断面が大きく前記円筒部の前記ベルマウス部の下部が連通接続された箱部、を有するファングリルとを備え、
    前記ファングリルの前記円筒部の前記ベルマウス部における前記アール面の上端部に、前記ストレート部から連続するように前記プロペラファンの当該ベルマウス部にて覆われていない部位を覆い前記箱部内に突出する円筒状のリブを設けたことを特徴とする軸流送風機。
  2. 前記円筒状のリブの内側の領域における前記プロペラファンのファン径をD、前記プロペラファンと前記モーター支持部材との最短距離をLとしたとき、L/D≧0.175としたことを特徴とする請求項1記載の軸流送風機。
  3. 前記プロペラファンの羽根後縁部の輪郭線が、羽根前縁部方向に凹状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軸流送風機。
  4. 前記プロペラファンの羽根後縁部の凹状部が、ファン内周側に偏って形成されていることを特徴とする請求項3記載の軸流送風機。
  5. 前記プロペラファンの羽根後縁部の凹状部が、ファン外周側に偏って形成されていることを特徴とする請求項3記載の軸流送風機。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の軸流送風機を用いた空気調和機の室外機。
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