本発明の実施の一形態に関して図1ないし図16を参照して以下に説明する。なお、本発明では上下以外にも前後左右の方向を規定しているが、これは本発明の構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定したものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、本発明で云う前後上下左右の方向とは、完全に幾何学的に直交している必要はなく、相対的に前後上下左右となる方向となっていればよく、例えば、各方向が任意の方向に傾斜していてもよい。
例えば、本発明で云う上下方向に移動するとは、移動の結果として上下方向に相違する位置に変位することを意味しており、移動の方向そのものが厳密に鉛直方向である必要はない。
本実施の形態のライブラリ装置1000は、いわゆるテープライブラリ装置であり、電子データが記録されている磁気テープ(図示せず)が、ボックス状の媒体1200に収容されている。複数の媒体1200の各々には、個体ごとの媒体識別データがバーコードマークなどで記録されている(図示せず)。
図1ないし図4に示すように、マガジン1300のマガジン本体1310には、複数の媒体収納部1311が前後左右上下に配列されて形成されている。このように形成されたマガジン1300の複数の媒体収納部1311に、複数の媒体1200が個々に装填される。
本実施の形態のライブラリ装置1000では、説明を簡単とするため、図2に示すように、マガジン1300に媒体収納部1311が、左右方向に三列、前後方向に二行、上下方向に二段、に形成されているとする。
このようなマガジン1300は、図5に示すように、ライブラリ装置本体1100の上下二段のマガジン収納部1110に個々にセットされる。なお、当然ながら、上述のような媒体収納部1311やマガジン収納部1110の個数は仕様により設定される。
上述のように複数の媒体1200が複数のマガジン1300でライブラリ装置本体1100にセットされると、ライブラリ装置1000の内部には、多数の媒体1200が前後左右上下に配列されることになる。
そこで、本実施の形態のライブラリ装置1000では、アクセッサ移送機構1410により支持されたハンドアクセッサ1400が、上述のように配列された複数の媒体1200と対向する。
アクセッサ移送機構1410は、ガイドレールやラックアンドピニオンや駆動モータ等を有しており(図示せず)、ハンドアクセッサ1400を前後左右上下に移動自在に支持している。
ハンドアクセッサ1400は、媒体1200に係脱自在に係合する媒体係合爪(図示せず)等を有しており、セットされたマガジン1300に装填されている複数の媒体1200の任意の一個にアクセスする。
ただし、上述のようにハンドアクセッサ1400が、前後左右上下に配列された多数の媒体1200の任意の一個にアクセスするためには、セットされたマガジン1300の、どの媒体収納部1311に、どの媒体1200が装填されているか、を認識するインベントリ処理が必要となる。
このため、本実施の形態のライブラリ装置1000のマガジン1300には、図1ないし図4等に示すように、複数の媒体1200の装填を規定順序に制限する装填制限機構2000が搭載されている。
そして、本実施の形態のライブラリ装置1000は、データ取得ユニット1500と、インベントリ実行手段に相当する本体処理回路1620と、を有する。データ取得ユニット1500は、詳細には後述するが、マガジン1300に着脱自在なユニット接続コネクタ1510やバーコードリーダ1520等からなり、上述のように制限された規定順序でマガジン1300に装填される媒体1200の媒体識別データを取得する。
本体処理回路1620は、実装されているコンピュータプログラムに対応してライブラリ装置1000の各部を動作制御するマイクロコンピュータなどからなり、上述のように取得された媒体識別データと規定順序とに対応してインベントリ処理を実行する。
より具体的には、本実施の形態のライブラリ装置1000のマガジン1300の装填制限機構2000は、図1ないし図4および図6ないし図11に示すように、上方規制機構2100、下方規制機構2200、左方規制機構2300、からなる。
上方規制機構2100は、図9に示すように、上方装填ストッパ2110とストッパ押圧部材2120とを有する。上方装填ストッパ2110は、レバースライド部2111、装填規制アーム2112、規制解除アーム2113、等からなる。レバースライド部2111は、上下一対の媒体収納部1311に連通する直方体状に形成されている。
マガジン本体1310は、媒体収納部1311の両側に位置するスロット側壁1314の後部に矩形の貫通孔1312が形成されており、この貫通孔1312に上方装填ストッパ2110のレバースライド部2111が左方からスライド自在に挿入されている。
装填規制アーム2112は、上述のようなレバースライド部2111の左面上部から前方に突設されている。この装填規制アーム2112は、図6および図8に示すように、上方後端の媒体収納部1311から上方前端の媒体収納部1311の内部に位置することで、上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填を阻止する。
規制解除アーム2113は、レバースライド部2111の左面下部から前後に突設されており、その後端には後方および左方に傾斜した媒体スライド斜面2114が形成されている。この規制解除アーム2113は、下方後端の媒体収納部1311の内部に位置する。
ストッパ押圧部材2120は、所定形状に屈曲された板バネからなり、スロット側壁1314の左面と規制解除アーム2113の右面との間隙に前後一対が配置されている。このため、ストッパ押圧部材2120は、上方装填ストッパ2110を左方に弾発的に押圧している。
そこで、本実施の形態のマガジン1300では、図1ないし図4および図6および図8に示すように、左右一方のa列目(aは任意の奇数の自然数)である右端および左端の、下方後端の媒体収納部1311に上方装填ストッパ2110の規制解除アーム2113が位置しており、上方前後の媒体収納部1311に上方装填ストッパ2110の装填規制アーム2112が位置している。
このため、本実施の形態のマガジン1300では、初期状態では右端および左端の上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入が、上方規制機構2100の上方装填ストッパ2110で規制されており、右端の下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入は規制されていない。
また、下方規制機構2200は、図10に示すように、下方装填ストッパ2210とストッパ押圧部材2220とを有する。下方装填ストッパ2210は、レバースライド部2211、装填規制アーム2212、規制解除アーム2113、等からなる。
レバースライド部2211は、上下一対の媒体収納部1311に連通する直方体状に形成されている。このレバースライド部2211も、マガジン本体1310のスロット側壁1314の後部の貫通孔1312に左方からスライド自在に挿入されている。
装填規制アーム2212は、上述のようなレバースライド部2211の左面下部から前方に突設されている。この装填規制アーム2212は、下方後端の媒体収納部1311から下方前端の媒体収納部1311の内部に位置することで、下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填を阻止する。
規制解除アーム2113は、レバースライド部2211の左面上部から前後に突設されており、その後端には後方および左方に傾斜した媒体スライド斜面2214が形成されている。この規制解除アーム2113は、上方後端の媒体収納部1311の内部に位置する。
ストッパ押圧部材2220は、所定形状に屈曲された板バネからなり、スロット側壁1314の左面と規制解除アーム2113の右面との間隙に前後一対が配置されている。このため、ストッパ押圧部材2220は、下方装填ストッパ2210を左方に弾発的に押圧している。
そこで、本実施の形態のマガジン1300では、図1ないし図4および図7に示すように、左右一方の(a+1)列目である左右中央の、下方前後の媒体収納部1311に下方装填ストッパ2210の装填規制アーム2212が位置しており、上方後端の媒体収納部1311に下方装填ストッパ2210の規制解除アーム2113が位置している。
このため、本実施の形態のマガジン1300では、初期状態では左右中央の下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入が、下方規制機構2200の下方装填ストッパ2210で規制されている。
左方規制機構2300は、図11に示すように、左方装填ストッパ2310とストッパ支持軸2320とストッパ押圧部材2330と、を有する。左方装填ストッパ2310は、前後方向に細長形状に形成されており、上下方向に貫通するストッパ軸受部材2311が略中央に内蔵されている。さらに、左方装填ストッパ2310は、左面後部に押圧係合段部2312が形成されており、前端に右方と後方とに傾斜する媒体当接斜面2313が形成されている。
この左方装填ストッパ2310は、図7に示すように、左右一方のa列目と(a+1)列目との媒体収納部1311を区分するスロット側壁1314の前部上方、図8に示すように、(a+1)列目とa列目との媒体収納部1311を区分するスロット側壁1314の前部下方、の矩形の貫通孔1313に挿通されている。
このような状態で、スロット側壁1314の貫通孔1313と左方装填ストッパ2310のストッパ軸受部材とを上下方向に貫通するストッパ支持軸2320により、水平方向に回動自在に軸支されている。
ストッパ押圧部材2330は、コイルスプリングなどからなり、上述のように回動自在に軸支された左方装填ストッパ2310の押圧係合段部2312とスロット側壁1314の右面との間隙に圧入されている。このため、左方装填ストッパ2310は、後部が右方に前部が左方に付勢されている。
このため、本実施の形態のマガジン1300では、初期状態では左右一方の(a+1)列目である左右中央の上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入と、(a+2)列目である左端の下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入と、が左方規制機構2300の左方装填ストッパ2310で規制されている。
また、本実施の形態のマガジン1300では、図12に示すように、マガジン天板(図示せず)などにマガジン回路ユニット1330が搭載されている。このマガジン回路ユニット1330には、メモリ回路(図示せず)が実装されている。
さらに、マガジン回路ユニット1330には、マガジン接続コネクタ1331が接続されており、このマガジン接続コネクタ1331にはマガジン接続電極1332が実装されている。
そして、本実施の形態のライブラリ装置1000は、上述のようなマガジン1300に着脱自在なデータ取得ユニット1500を有する。このデータ取得ユニット1500は、ユニット接続コネクタ1510やバーコードリーダ1520からなる。
ユニット接続コネクタ1510にはユニット接続電極1511が実装されており、これがマガジン1300のマガジン接続コネクタ1331のマガジン接続電極1332と着脱自在に接続される。
このような状態で、バーコードリーダ1520は、マガジン1300に規定順序で装填されるマガジン1300の媒体識別データを取得する。マガジン1300のマガジン回路ユニット1330は、図14に示すように、上述のように取得された媒体識別データを規定順序に対応して記憶する。
また、本実施の形態のライブラリ装置1000は、図13に示すように、ライブラリ装置本体1100の内部右端などに、本体回路ユニット1600が搭載されている。この本体回路ユニット1600には、テープドライブ1610、本体処理回路1620、等が内蔵されている。
テープドライブ1610は、ハンドアクセッサ1400により挿入される媒体1200をドライブする。本体処理回路1620は、前述のようにライブラリ装置1000の各部を動作制御するマイクロコンピュータなどからなる。
この本体処理回路1620には、本体接続電極1621が接続されており、これがライブラリ装置本体1100にセットされるマガジン1300のマガジン接続電極1332と着脱自在に接続される。
このような本体処理回路1620のコンピュータプログラムは、例えば、マガジン収納部1110にセットされたマガジン1300から規定順序と媒体識別データとを取得すること、取得した規定順序と媒体識別データとに対応してインベントリ処理を実行すること、をライブラリ装置1000に実行させるように記述されている。
上述のような構成において、本実施の形態のライブラリ装置1000では、複数の媒体1200がマガジン1300に装填され、このマガジン1300がライブラリ装置本体1100にセットされると、インベントリ処理が実行される。
より詳細には、作業者(図示せず)は、図12に示すように、媒体1200を装填するマガジン1300のマガジン接続電極1332に、データ取得ユニット1500のユニット接続電極1511を接続する。
そして、このデータ取得ユニット1500のバーコードリーダ1520で媒体1200の媒体識別データを取得する。すると、その媒体1200の媒体識別データは、マガジン1300のマガジン回路ユニット1330に記憶される。
上述のように媒体識別データが取得された媒体1200が、マガジン1300の媒体収納部1311に装填される。ただし、この媒体1200を装填できるマガジン1300の媒体収納部1311は、規定順序に対応して規制されている。
本実施の形態のマガジン1300は、図1ないし図4に示すように、媒体1200が個々に装填される媒体収納部1311が、左右三列、前後二行、上下二段、に形成されている。
ただし、本実施の形態のマガジン1300は、図1に示すように、初期状態では左端上方前後の媒体収納部1311に上方規制機構2100の装填規制アーム2112が突出している。このため、左端上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填が上方規制機構2100により規制されている。
また、左端下方前方の媒体収納部1311には左方規制機構200の左方装填ストッパ2310が突出しているので、左端下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填も規制されている。
さらに、中央下方前後の媒体収納部1311に下方規制機構2200の装填規制アーム2212が突出しているので、中央下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填も規制されている。
また、中央上方前方の媒体収納部1311には左方規制機構200の左方装填ストッパ2310が突出しているので、中央上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填も規制されている。
さらに、右端上方前後の媒体収納部1311に上方規制機構2100の装填規制アーム2112が突出しているので、右端上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の装填も規制されている。
このため、本実施の形態のマガジン1300は、初期状態では右端下方前後の媒体収納部1311のみ媒体1200を装填できる状態となっている。このため、前述のように媒体識別データが取得された第一番目および第二番目の媒体1200は、図2に示すように、マガジン1300の右端下方前後の媒体収納部1311に規定順序で装填される。
このとき、マガジン1300の右端下方後端の媒体収納部1311まで第一番目の媒体1200が装填されると、図2(b)に示すように、これが上方規制機構2100の規制解除アーム2113の媒体スライド斜面2114をスライドして押圧する。
このため、上方規制機構2100の上方装填ストッパ2110が右方に変位し、マガジン1300の右端上方前後の媒体収納部1311から退避する。従って、マガジン1300の右端上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入の規制が解除される。
そこで、このマガジン1300の右端上方前後の媒体収納部1311に、図3に示すように、前述のように媒体識別データが取得された第三番目および第四番目の媒体1200が規定順序で装填される。
このとき、マガジン1300の右端上方後端の媒体収納部1311まで媒体1200が装填されると、図3(b)に示すように、これが左方規制機構2300の左方装填ストッパ2310の後部を押圧して左方に回動させる。
このため、左方規制機構2300の左方装填ストッパ2310の前部が右方に変位し、マガジン1300の中央上方前部の媒体収納部1311から退避する。従って、マガジン1300の中央上方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入の規制が解除される。
そこで、このマガジン1300の中央上方前後の媒体収納部1311に、図4に示すように、前述のように媒体識別データが取得された媒体1200が規定順序で装填される。
このとき、マガジン1300の中央上方後端の媒体収納部1311まで媒体1200が装填されると、図4(b)に示すように、これが下方規制機構2200の規制解除アーム2213の媒体スライド斜面2214をスライドして押圧する。
このため、下方規制機構2200の下方装填ストッパ2210が右方に変位し、マガジン1300の中央下方前後の媒体収納部1311から退避する。従って、マガジン1300の中央下方前後の媒体収納部1311への媒体1200の挿入の規制が解除される。
そこで、このマガジン1300の中央下方前後の媒体収納部1311に、前述のように媒体識別データが取得された媒体1200が規定順序で装填される。
以下同様に、図1(b)に示すように、媒体識別データが取得された媒体1200が、マガジン1300の左端下方前後の媒体収納部1311に規定順序で装填されてから、左端上方前後の媒体収納部1311に規定順序で装填される。
すると、本実施の形態のマガジン1300では、上述のように規定順序で装填された媒体1200の媒体識別データが、マガジン回路ユニット1330に記憶された状態となる。
なお、ここではマガジン1300の複数の媒体収納部1311の全部に媒体1200が個々に装填される場合を説明したが、図14に示すように、マガジン1300の複数の媒体収納部1311の一部のみに媒体1200が個々に装填されることもある。
上述のようにマガジン1300への媒体1200の装填が完了すると、図12(a)に示すように、作業者はデータ取得ユニット1500をマガジン1300から取り外す。
そして、このような状態のマガジン1300を、図13に示すように、ライブラリ装置本体1100のマガジン収納部1110にセットする。すると、マガジン1300のマガジン接続電極1332と、ライブラリ装置本体1100の本体処理回路1620の本体接続電極1621と、が接続される。
すると、マガジン1300のマガジン回路ユニット1330から、ライブラリ装置本体1100の本体処理回路1620へと、規定順序と複数の媒体識別データとが取得される。そこで、この本体処理回路1620は、取得された規定順序と複数の媒体識別データとでインベントリ処理を実行する。
本実施の形態のライブラリ装置1000では、上述のようにマガジン1300への複数の媒体1200の装填を装填制限機構2000が規定順序に制限し、制限された規定順序でマガジン1300に装填される媒体1200の媒体識別データをデータ取得ユニット1500が取得し、取得された媒体識別データと規定順序とに対応して本体回路ユニット1600がインベントリ処理を実行する。
このため、マガジン1300の複数の媒体収納部1311と装填されている複数の媒体1200との対応関係が、規定順序と媒体識別データとで判明する。従って、ハンドアクセッサ1400の機械動作などを必要とすることなくインベントリ処理を実行することができる。
特に、本実施の形態のライブラリ装置1000では、マガジン1300に左右前後上下に媒体収納部1311が配列されて形成されている。しかし、装填制限機構2000の上方規制機構2100と下方規制機構2200と左方規制機構2300とにより、媒体1200を装填できる規定順序が規制されている。
このため、作業者はデータ取得ユニット1500で媒体識別データを取得した媒体1200を、マガジン1300の装填できる媒体収納部1311に装填すれば、自動的に複数の媒体識別データと規定順序とを対応させることができる。
しかも、本実施の形態のライブラリ装置1000では、データ取得ユニット1500がマガジン1300に着脱自在に装着され、データ取得ユニット1500で取得された媒体識別データがマガジン1300のマガジン回路ユニット1330に記憶される。
このため、媒体識別データが取得された媒体1200が、間違ったマガジン1300に装填されることを良好に防止できる。さらに、データ取得ユニット1500を取り外したマガジン1300がライブラリ装置本体1100にセットされるので、このセットにデータ取得ユニット1500が邪魔となることがない。
なお、本実施の形態のライブラリ装置1000のマガジン1300では、上述のように媒体1200の装填が規定順序に制限されているので、ライブラリ装置本体1100の内部で媒体1200を移動させる場合などに不都合がある可能性がある。
そこで、これを以下のように考察する。まず、ある媒体収納部1311から他の媒体収納部1311まで媒体1200を移動させる場合、マガジン1300に装填された媒体1200の個数をn個と仮定する。
この場合、図15に示すように、任意のm番目の媒体収納部1311に装填された媒体1200(0<m≦n)を、最後(n番目)の媒体1200が装填されたn番目の媒体収納部1311から、二番目(n+2)以降の媒体収納部1311へと移動することは、装填制限機構2000が解除されていないため、できない。
また、図16に示すように、前方のm番目の媒体収納部1311からm番目の媒体1200をテープドライブ1610に移送する場合、媒体収納部1311からの取り出しは従来と変わりない。そのm番目の媒体1200をテープドライブ1610からm番目の媒体収納部1311に戻す場合、その装填制限機構2000は解除されているため問題ない。
ただし、テープドライブ1610から取り出したm番目の媒体1200を、(n+2)以降の媒体収納部1311へと移動することは、やはり装填制限機構2000が解除されていないため、できない。
図17に示すように、後方のp番目の媒体1200をテープドライブ1610へ装填する場合、取り出しは従来と変わらない。この場合、前方の(p+1)の媒体1200を(n+1)番目の媒体収納部1311へ一時待避させる。(従来も装置が空の媒体収納部1311を自動的に判断する)。
つぎに、従来と同様に、後方のp番目の媒体1200をテープドライブ1610へ装填する。このp番目の媒体1200をテープドライブ1610から媒体収納部1311に戻す場合は、もとの媒体収納部1311に戻す場合は、通常と変わらない。
制限事項としては、前方の媒体1200(p+1番)が、(n+1)の媒体収納部1311に待避されているため、(n+3)番目以降の媒体収納部1311へは媒体1200を装填できない。
しかし、一般的なライブラリ装置1000におけるバックアップ処理などを実行する場合、不具合を起こす目的で、上述のような媒体1200の媒体収納部1311から媒体収納部1311への移動、テープドライブ1610から媒体収納部1311への移動、を実施しない限り、上述のように媒体1200を媒体収納部1311に装填できないことは発生しない。
実際、一般的なバックアップアプリケーションソフトでは、媒体1200の媒体収納部1311から媒体収納部1311への移動は、ほとんど実施されず、任意の媒体収納部1311の媒体1200をテープドライブ1610にてリードライトを実施完了した後、自動的に取り出した同一の媒体収納部1311に戻すようになっている。
つまり、本実施の形態のマガジン1300を使用するライブラリ装置1000では、ライブラリ装置本体1100の内部で媒体1200を移動させる場合でも、実質的に問題がない。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではマガジン1300のマガジン接続電極1332と、データ取得ユニット1500のユニット接続電極1511とを、機械的に接合させて電気的に接続させることを例示した。
しかし、図18に例示するマガジン3100およびデータ取得ユニット3200のように、マガジン3100とデータ取得ユニット3200とがRFID(Radio Frequency Identification)チップなどの無線通信素子3110,3210で非接触に無線通信してもよい。この場合、ライブラリ装置本体(図示せず)も無線通信素子を有し、やはりセットされたマガジン3100と無線通信すればよい。
また、上記形態ではマガジン1300にデータ取得ユニット1500が着脱自在に接続されることを例示した。しかし、データ取得ユニット1500がマガジン1300に固定的に接続されており、データ取得ユニット1500の収納スペースがマガジンに形成されていてもよい(図示せず)。さらに、マガジンの上面などにデータ取得ユニットが一体に内蔵されていてもよい。
また、上記形態ではデータ取得ユニット1500がマガジン1300ではなくライブラリ装置本体1100に着脱自在に接続されてもよく、固定的に接続されていてもよい(図示せず)。この場合、マガジン1300にマガジン回路ユニット1330を搭載する必要がない。
さらに、上記形態ではマガジン1300のマガジン回路ユニット1330に規定順序が登録されており、これが取得された媒体識別データととともにライブラリ装置本体1100に取得されることを例示した。
しかし、マガジン1300にはマガジン識別データのみ登録されており、ライブラリ装置本体1100にマガジン識別データごとに規定順序が登録されていてもよい。この場合、マガジン1300がライブラリ装置本体1100にセットされると、マガジン1300からライブラリ装置本体1100にマガジン識別データと媒体識別データとが取得され、マガジン識別データから規定順序が取得されてインベントリ処理が実行される(図示せず)。
また、もしもマガジン1300が一種類の場合には、上述のようなマガジン識別データは必要なく、ライブラリ装置本体1100に一つの規定順序のみ登録されていればよい(図示せず)。
さらに、上記形態では媒体1200の媒体識別データがバーコードマークとして記録されていることを例示したが、これが二次元コードマークなどで記録されていてもよい。
また、媒体1200に媒体識別データが格納された磁気ストライプが貼付されており、データ取得ユニットに磁気ヘッドが搭載されていてもよい。同様に、媒体1200に、媒体識別データが格納されたRFIDチップが搭載されており、データ取得ユニット1500にRFIDリーダが搭載されていてもよい(図示せず)。
さらに、上記形態ではマガジン1300に左右方向だけでなく上下方向と前後方向にも複数の媒体収納部1311が配列されて形成されていることを例示した。しかし、マガジンに複数の媒体収納部が左右上下に配列されて形成されていてもよく、左右前後に配列されて形成されていてもよく、左右のみ配列されて形成されていてもよい(図示せず)。
また、上記形態ではライブラリ装置本体1100の本体回路ユニット1600の各種機能が、マイクロコンピュータに実装されたコンピュータプログラムで実現されることを例示した。しかし、このような本体回路ユニット1600の各種機能が専用のハードウェアで実現されていてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現されていてもよい。
さらに、本実施の形態の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。