JP5809880B2 - 研磨布用ドレッサー - Google Patents

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本発明は、化学的かつ機械的平面研磨(Chemical Mechanical Planarization、以下CMPと略す)の工程で、研磨布の平坦性を維持するため、および、目詰まりや異物除去を行うために使用されるドレッサーに関する。
半導体ウェーハの表面を研磨する装置、集積回路を製造する途中の配線や絶縁層の表面を平坦化する装置、あるいは磁気ハードディスク基板に使用されるAl板やガラス板の表面を平坦化する装置等では、CMP研磨が用いられている。このCMP研磨とは、例えば、ウレタン製の研磨パッドが貼り付けられた回転基板に、微細な砥粒を含むスラリー液を供給しながら、被研磨面を押し当てて、被研磨面を平坦化する方法である。当然のことながら、この研磨パッドの研磨能力は使用時間と共に低下していく。この低下を抑制するために、一定時間毎に研磨パッド表層部を研削して研磨パッドの平坦性を維持しながら、常に新しい面が出るようにドレッシングしている。このドレッシングに使用する部品をドレッサーと呼ぶ。ドレッサーは、金属基板に砥粒を電着、あるいは、ろう付け等によって接合させて得られる。
最近では、集積回路のライン/スペ−スの極狭化によるパターン露光装置の低焦点深度化、あるいは磁気ハードディスクの記録容量増加などが進んでいる。これらに伴って、被研磨面に発生するスクラッチ傷を無くすという従来からの要求に加えて、被研磨面のうねりを低減させるなど、平坦性への要求が益々高くなってきている。これらの要求に応えていくためには、ドレッシングによってパッド表面を均一に研削してパッドの平坦性を維持することが必要とされる。さらには、ドレッシングには、パッドの目詰まりや異物を除去できる、パッド研削力も必要とされる。
均一なパッド研削を目的としたドレッサーとしては、以下のものが開示されている。特許文献1には、円盤状台金の表面に一片の長さが0.2mm〜10mmの正三角形のメッシュを想定し、メッシュの各交点に5μm〜1000μmの超砥粒を配列し固着させたドレッサーが開示されている。特許文献2には、砥粒を径の異なる複数の略同心円上に略等間隔で配置したドレッサーであって、例として、ダイヤモンド砥粒径が約1mmで、砥粒中心間距離が3mmに配置されたドレッサーが開示されている。特許文献3には、ろう材の溶融温度の変動バラツキを抑制することによって、ろう付け温度の低下が可能になり、その結果、金属製支持材の変形が低減されたドレッサーが開示されている。特許文献4には、ろう材を所定の組成にすることによって、ろう材の溶融温度の変動バラツキが抑制され、その結果、ろう付け温度の低下が可能になり、金属製支持材の変形が低減されたドレッサーが開示されている。
特開2006−55944号公報 特開2000−141204号公報 特開2006−305659号公報 特開2007−83352号公報
前述したように、従来からパッド表面を均一に研削するドレッサーが開示されてはいる。しかしながら、例えば、特に高いパッド平坦性が要求されている高磁気記録密度用ハードディスク基板(ガラス基板、アルミ基板)、あるいは、高い集積度を有する集積回路基板に対しては、パット平坦性をさらに高めることが必要である。しかし、パッド平坦性を向上させようとすると、どうしてもパット研削力が低下するという問題があった。
本発明は、前述した課題を解決するために、優れたパッド平坦性と高いパット研削力とを同時に満たすドレッサーを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)円盤状支持材の表面に複数個の砥粒が単層に固着されたドレッサーであって、円盤状支持材の半径をR(mm)とした場合、砥粒が、0.3R≦B<A≦0.9R、かつ、A−B≧4(mm)を満たす半径B(mm)の同心円の外側、かつ、半径A(mm)の同心円の内側のリング状領域に固着されていることを特徴とする研磨布用ドレッサー。
(2)A、B、および、Rの関係が、A≦(1/3)B+(2/3)R、を満たすことを特徴とする前項1記載の研磨布用ドレッサー。
(3)前記砥粒の粒径dが、3μm≦d<100μm、であることを特徴とする前項1または2記載の研磨布用ドレッサー。
(4)前記砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウムの少なくとも1種である前項1〜3のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
(5)前記砥粒が前記円盤状支持材の表面にろう付けにより固着されている前項1〜4のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
(6)前記円盤状支持材がステンレス鋼製である前項1〜5のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
本発明のドレッサーを用いることによって、優れたパッド平坦性が維持され、かつ、十分なパッド研削力の確保も可能となる。このため、ガラスやアルミの磁気ハードディスク基板のCMP研磨のパッドコンディショナーに本発明のドレッサーを適用する場合、製品基板の平坦性が向上して優れた品質が達成されるとともに、高い生産性も維持できる効果を奏でる。
本発明の砥粒固着範囲を示す図
ガラスやアルミの磁気ハードディスク基板をCMP研磨する場合には、パッドの平坦性が特に重要となる。パッドの平坦性を向上させるために、ドレッサーに用いる砥粒の粒径をできるだけ小さくすることで解決が図られている。しかしながら、実際には砥粒径を小さくしてもパット平坦性の向上には限界がある。この限界は、パッド表面をドレッシングする際に、パッド面とドレッサーの砥粒固着面との面接触(当り方)が均一でない場合に、パット面に対して砥粒固着面の特定部位の当たり方が強くなり、研削後のパット平坦性が低下してしまうためであることを本発明者は見出した。この当たり方を如何に均一にするかを鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
本発明者は、円盤状支持材(以下、支持材という)の表面に複数個の砥粒が単層に固着されたドレッサーの支持材表面における砥粒固着領域に応じて、研削後のパット平坦性が大きく変わることを見出した。支持材表面の端部に砥粒を配置すると研削後のパット平坦性が劣化し、支持材表面端部に砥粒を配置しない場合は研削後のパッド平坦性が向上する。また、支持材表面の中心領域に砥粒を配置すると研削後のパット平坦性が劣化し、支持材表面中心領域に砥粒を配置しない場合は研削後のパット平坦性が向上することを見出した。
本発明者が鋭意検討した結果、半径Rの支持材表面における砥粒固着領域を、0.3R≦B<A≦0.9R、かつ、A−B≧4(mm)を満たす半径Bと半径Aの同心円で囲まれたリング状領域とすると、研削後のパット平坦性を向上させることが見出された。この範囲は、図1における点a、dおよびgで囲まれた領域として表示される。
本発明のドレッサーの支持材の表面には、A≦0.9Rを満たす半径Aの同心円の外側、および、0.3R≦Bを満たす半径Bの同心円の内側に砥粒が固着されていない。そのため、支持材表面のこれらの領域は研削力がない。すなわち、このように砥粒を配置にすることによって、たとえドレッサー砥粒固着面とパッド面の片当たりが生じても、砥粒固着領域の内側と外側の支持材が、特定部位での強い当たり力(片当たりの力)を分散させる。その結果、研削後のパット平坦性が向上する。
支持材表面の外周領域(0.9Rより外側領域)に配置した砥粒の当たり方は、不均一になる傾向があるため、砥粒単層固着領域はA≦0.9Rが好ましい。
更に、支持材の中心位置近くにある砥粒は、目詰まりを起し易くなる傾向にあることも見出した。目詰まりを起こした場合には、砥粒本来の研削力が出なくなるためにパット平坦性が劣化してしまう。砥粒が、0.3R≦B を満たす半径Bの外側領域に固着されている場合に目詰まりを抑制し、パット平坦性が向上する。
リング状領域の幅(A−B)は、4mm未満ではパット研削力が低下してしまうため、A−B≧4mmとする。ドレッサーは、パッド面に対して回転運動するため、砥粒固着領域がリング状であると、砥粒固着面とパット面の当り方がより均一になるため好ましい。更に、砥粒固着領域がリング状であると、0.9Rより外側領域の砥粒が付着されていない部位が支持材周方向で均一になるため、片当たりの力の分散効果がドレッサーが回転した場合でも均一になるため好ましい。
半径Bが、0.4R≦B≦0.7R の範囲にある場合は、パット平坦性の安定が向上するため更に好ましい。この範囲は、図1の点j、e、fおよびiで囲まれた領域で表示することができる。
安定した研削力を得るためには、リング状領域の幅(A−B)は8mm以上がより好ましい。この範囲は、図1の点a、cおよびhで囲まれた領域で表示することができる。
0.4R≦B≦0.7Rと、リング状領域の幅(A−B)≧8mmの両方の条件を満たす場合には、平坦性の安定化と研削力の安定化とを同時に満たすことができる。この範囲は図1の点j、l、mおよびiで囲まれた領域で表示することができる。
半径Aの外側の砥粒が固着されていない領域の半径方向の幅(R-A)と、リング状領域の幅(A−B)との関係において、(R-A)が(A-B)の少なくとも1/2以上の場合に、片当たり力を分散させる効果がより優れたものとなり、パット平坦性が更に向上するため好ましい。この関係は、(1/2)・(A−B)≦(R-A)の式で表示され、式を変形すると、A≦(1/3)B+(2/3)Rの式で表すことができる。
上記式の範囲は、図1の点b、d、gおよびiで囲まれた領域で表示することができる。すなわち、図1において、点k、l、mおよびiで囲まれた領域では、パット平坦性とパット研削力、および、それらの安定性が特に優れたドレッサーを得ることができる。
また、砥粒径が3μm未満であると、パッド研削レイトが低下するため、砥粒径dは3μm以上であることが好ましい。砥粒径が100μm以上になるとパット平坦性が劣化するため、d<100μmであることが好ましい。このような本発明のドレッサーを使用することによって、パッド研削力とパッド平坦性を同時に満たすことが可能となる。砥粒径dが50μm以下になるとパッド平坦性がさらに良くなるためより好ましい。砥粒径dが20μm以下であれば、パッド平坦性はさらに良くなる。ただし、砥粒のハンドリング性の観点で見れば、砥粒径が大きい方が取り扱いは容易である。
砥粒径は任意の方法で測定した値としてよいが、本発明においては、以下の通りに測定した値の平均粒径とすることが好ましい。砥粒径は、固着される前の砥粒、又は、固着した砥粒を剥がして集めて測定すればよい。この場合、砥粒径は、篩分級法、レーザー回折法、遠心沈降法、走査型電子顕微鏡(SEM)の直接観察法等により得られる数平均粒径とすることができる。固着した砥粒の粒径をそのまま測定する場合には、SEMによる直接観察法により得られる円相当径より得られる平均粒径とすることができる。
砥粒の配置パタ−ンは、ランダム的であってもよく、規則的であってもよい。規則的に配置する場合には、砥粒を三角形、四角形、五角形、六角形等、種々のパタ−ン領域に配置することが可能である。
本発明の研磨布用ドレッサーを構成する砥粒は、硬度が大きく、酸性あるいはアルカリ性のスラリーと反応しにくいものが好適である。例えば、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化珪素、又は酸化セリウムからなる砥粒を用いる。中でも特に好ましいのは、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウムからなる砥粒である。これらの砥粒は一種類を単独で用いても良く、複数の砥粒を併用しても良い。
これらの砥粒表面に、チタン、ジルコニウム、クロムから選ばれた少なくとも1種を被覆したもの、また、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化クロムから選ばれた少なくとも1種を被覆したものを用いることも可能である。
通常は、個々の砥粒を単独で使用するが、大きさが同程度の砥粒を2種類以上混合して使用することによって、パッドの平坦性を維持した状態で、研削能力を上げることが可能になる。
本発明によるドレッサーは、以下のように製造されうる。先ず、支持材表面にろう材を仮付けする。支持材は、砥粒と同様に、酸性あるいはアルカリ性のスラリーとの反応が生じにくい金属製、特にステンレス鋼が好ましい。代表的なステンレスである、SUS304、SUS316、SUS430等が好適である。炭素鋼等の一般構造用鋼の表面にNi等のめっきをしたものも使用可能である。さらに、円盤状支持材は、金属製以外にも耐食性に優れた樹脂製、セラミックス製でも良い。
支持材の形状は、支持材自体が回転しながらパッドを研削するので、均一研削性を担保するためには円盤状であることが必要である。
ろう材として、BNi−2やBNi−5等のJIS規格材に代表されるNi−Cr−Fe−Si−B系、Ni−Si−B系、Ni−Cr−Si−B系などが適用できる。ろう材が箔の場合には、スポット溶接で支持材表面へ仮付け可能である。ろう材が粉の場合には、例えば、セルロース系のバインダー等をろう粉と混練したものを支持材表面に塗布すればよい。
砥粒は、支持材表面に塗布されたろう材の上に、所定の間隔で単層に配列すればよい。このとき、砥粒がずれないように糊などで仮止めする。次に、10−3Pa程度に真空引きした後、ろう材が溶融する温度まで昇温する。バインダー、糊等は、昇温の途中で殆どが気化する。ろう材を溶融させる温度は、ろう材の融点以上であって、できるだけ低温であることが好ましい。高くても液相線温度+20℃程度以内が好ましい。温度が高い場合には、金属製支持材の熱による変形が大きくなるからである。ろう付け温度における保持時間は、5〜30分程度あれば十分である。砥粒は、ろう付け以外に、Ni等の電着によって、固定させることも可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
半径50mm、厚み4mmのSUS304ステンレス製の円盤状支持材(以下、支持材という)の片面に、平均粒径が18μmのダイヤモンド砥粒をろう付けによって固着させた。固着部位は、支持材上の片側の面に描いた半径Bの円と半径Aの円の同心円で囲まれたリング状領域とした。AとBの値を表1記載のように変えてドレッサーを作製した。その際、リング状領域を支持材中心から見て等角度で6つのアーク形状に分割し、隣りあうア−ク形状領域同士の間に2mm幅の砥粒が無い部位を設けた。ダイヤモンド砥粒の配置パタ−ンは正方形配置とし、正方形の1辺の長さを27μmとした。
ダイヤモンド砥粒は、以下のようにして配置した。先ず、支持材のダイヤモンド砥粒配置領域にスポット溶接で箔状のろう材を仮付けした。次に、ダイヤモンド砥粒が通り抜ける程度の穴を正方形配置した篩を作製した。その篩を支持材の上に置いて、篩を通してダイヤモンド砥粒を配置した。使用したろう材は組成がNi−0.12%Fe−7.4%Cr−4.0%Si−3.0%B−0.5%P(mass%)の箔ろうであり、ろう材の厚みは30μmであった。ろう材の上には、ダイヤモンド砥粒がずれないように有機系接着剤を塗布した。その後、980℃で真空中15分間ろう付け処理を施した。
同じ条件で3枚ずつドレッサーを作製し、実際にパッドを研削して研削後のパッド厚み減少量からパッドの研削レイト、及び、パッド平坦性を求めた。パッドは発砲ポリウレタン製であり、パッドの直径は250mmである。
このパッドを研磨盤の上に貼り付けた。ドレッサーを、回転機構とパッドの半径方向に揺動する機構を備えた装置に固定し、加圧機構によって1.5kgの加重を加えて、パッドに押し付けた。ドレッサーの中心をパッド半径方向にパッド中心から120mmの範囲で半径方向に揺動させた。パッド回転数は95rpm、ドレッサー回転数は85rpm、揺動は7往復/分とした。パッド回転方向とドレッサーの回転方向は同じとした。研削全面が水の膜で覆われる程度に水を供給した。
研削開始から5分が経過した時点で一端、研削を中断して、互いに直交する2本の直径上に沿ってパッド厚みを測長顕微鏡で測定した。2本の直径のそれぞれを、等間隔で10等分し、等分した部位のほぼ真中付近を測定した(測定点は合計で20)。全測定点での厚みの平均値を求めた。
再び研削を続けて15時間後に同様な測定を行った。パッド厚みの平均値から、研削開始後5分から15時間の研削時間の間における平均のパッド研削レイトを求めた。平坦性は、15時間後に測定した20点の値の中で最大値から最小値を引いた値として求めた。パット研削レイト、パット平坦性は、同じ条件で3枚ずつ作製したドレッサーの平均値で評価し、また、それぞれの安定性は、3枚のドレッサーの最大値から最小値を引いた値で評価した。
これらの結果を表1に示した。
Figure 0005809880
0.3R≦B<A≦0.9R、および、A−B≧4の両方の条件を満たす半径Bと半径Aの同心円で囲まれたリング状領域に砥粒を固着させた試料No.6〜No.13、No.16〜No.18、No.20、No.21、No.23では、0.30μm以下の優れたパット平坦性が得られた。
半径Bが、0.4R≦B≦0.7R、の範囲にある試料No.10〜No.13、No.16〜No.18、No.20、No.21では、0.02μm以下の優れたパット平坦性のばらつきが得られた。
リング状領域の幅(A−B)が8mm以上である試料No.6〜No.8、No.10〜No.12、No.16〜No.18、No.20では、0.2μm/分以下の研削レイトのばらつきとなり、安定したパット研削力が得られた。
0.4R≦B≦0.7Rとリング状領域の幅(A−B)≧8mmの両方を満たす試料No.10〜No.12、No.16〜No.18、No.20では、パッド平坦性の向上、パッド平坦性のばらつきの低減、および安定した研削力のいずれをも満たすことができた。
A≦(1/3)B+(2/3)Rの関係を満たす試料No.7〜No.9、No.11〜No.13、No.17、No.18、No.20、No.21、No.23では、0.25μm以下の優れたパット平坦性が得られた。
図1において、点k、l、mおよびiで囲まれた領域(0.4R≦B<A≦0.7R,A−B≧8mm、A≦(1/3)B+(2/3)Rのいずれをも満たす)内にある試料No.11、No.12、No.17、No.18、No.20では、0.25μm以下のパット平坦性と、2.2μm/分以上のパット研削レイトと、0.02μm以下のパッド平坦性のばらつき(優れたパット平坦性の安定化)と、0.2μm/分以下の研削レイトのばらつき(パット研削力の安定化)と、を同時に満たす特に優れたドレッサーを得ることができる。
これに対して、試料No.1〜No.5、No.14、No.15、No.19、No.22、No.24では、半径B,半径A、リング状領域の幅(A−B)の少なくとも1つ以上が本発明の範囲外であるため、パット平坦性が0.5μm超と劣化し、パット研削レイトが2.0μm/分未満と低下する場合が生じ、両者を同時に優れたものとすることができなかった。
(実施例2)
半径70mm、厚み4mmのSUS304ステンレス製の円盤状支持材(以下、支持材という)を用いて、実施例1と同様に支持材の片面に平均粒径が12μmのダイヤモンド砥粒をろう付けによって固着させた。固着部位は、支持材上の片側の面に描いた半径Bの円と半径Aの同心円で囲まれたリング状領域とした。AとBの値を表2記載のように変えてドレッサーを作製した。その際、リング状領域を支持材中心から見て等角度で6つのアーク形状に分割し、隣りあうア−ク形状領域同士の間に2mm幅の砥粒が無い部位を設けた。ダイヤモンド砥粒の配置パタ−ンは正方形配置とし、正方形の1辺の長さを18μmとした。
ダイヤモンド砥粒は、実施例1と同様の方法で支持材に固着させた。同じ条件で3枚ずつのドレッサーを作製した。
パッドを研削して、研削後のパッド厚み減少量からパッドの研削レイト、及び、パッド平坦性を求めた。パッドは発砲ポリウレタン製であり、パッドの直径は350mmである。このパッドを研磨盤の上に貼り付けた。ドレッサーを、回転機構とパッドの半径方向に揺動する機構を備えた装置に固定し、加圧機構によって2.5kgの加重を加えて、パッドに押し付けた。ドレッサーの中心をパッド半径方向にパッド中心から170mmの範囲で半径方向に揺動させた。パッド回転数は90rpm、ドレッサー回転数は80rpm、揺動は7往復/分とした。パッド回転方向とドレッサーの回転方向は同じである。研削全面が水の膜で覆われる程度に水を供給した。
以下、実施例1と同様に評価を行った。これらの結果を表2に示した。
Figure 0005809880
0.3R≦B<A≦0.9R、かつ、A−B≧4を満たす半径Bと半径Aの同心円で囲まれたリング状の領域に砥粒を固着させた試料No.36〜No.43、No.46〜No.48、No.50、No.51、No.53では、0.30μm以下の優れたパット平坦性が得られた。
半径Bが、0.4R≦B≦0.7R、の範囲にある試料No.40〜No.43、No.46〜No.48、No.50、No.51では、0.02μm以下の平坦性のばらつきが得られ、パット平坦性が安定化した。
リング状領域の幅(A−B)が8mm以上である試料No.36〜No.38、No.40〜No.42、No.46〜No.48、No.50では、0.2μm/分以下の研削レイトのばらつきが得られ、安定したパット研削力が得られた。
0.4R≦B≦0.7Rと、リング状領域の幅(A−B)≧8mmの両方を満たす試料No.40〜No.42、No.46〜No.48、No.50では、パッド平坦性の安定化と、研削力の安定化とを同時に満たすことができる。
A≦(1/3)B+(2/3)Rの関係を満たす試料No.37〜No.39、No.41〜No.43、No.47、No.48、No.50、No.51、No.53では、0.25μm以下のパッド平坦性のばらつきが得られ、優れたパット平坦性となった。
図1において、点k、l、mおよびiで囲まれた領域(0.4R≦B<A≦0.7R,A−B≧8mm、A≦(1/3)B+(2/3)Rのいずれをも満たす)内にある試料No.41、No.42、No.47、No.48、No.50では、0.25μm以下のパット平坦性と、2.2μm/分以上のパット研削レイトと、0.02μm以下のパッド平坦性のばらつき(優れたパット平坦性の安定化)と、0.2μm/分以下の研削レイトのばらつき(パット研削力の安定化)と、を同時に満たす特に優れたドレッサーを得ることができる。
これに対して、比較例No.31〜No.35、No.44、No.45、No.49、No.52、No.54では、半径B,半径A、リング状領域の幅(A−B)の少なくとも1つ以上が本発明の範囲外であるため、パット平坦性が0.5μm超と劣化し、パット研削レイトが2.0μm/分未満と低下する場合が生じ、両者を同時に優れたものとすることができなかった。
(実施例3)
半径50mm、厚み4mmのSUS304ステンレス製の円盤状支持材(以下、支持材という)を用いて、実施例1と同様に支持材の片面に平均粒径が2μm、7μm、14μm、35μm、68μm、93μm、および、115μmのダイヤモンド砥粒を、それぞれろう付けによって固着させた。固着部位は、試料No.17と同様に、支持材上の片側の面に描いた半径B=28mmの円と半径A=39mmの円の同心円で囲まれたリング状領域とした。その際、リング状領域を支持材中心から見て等角度で6つのアーク形状に分割し、隣りあうア−ク形状領域同士の間に、2mm幅の砥粒が無い部位を設けた。
ダイヤモンド砥粒の配置パタ−ンを正方形配置とした。正方形の1辺の長さを、平均粒径2μmのダイヤモンド砥粒では3μm、平均粒径7μmのダイヤモンド砥粒では11μm、平均粒径14μmのダイヤモンド砥粒では22μm、平均粒径35μmのダイヤモンド砥粒では52μm、平均粒径68μmのダイヤモンド砥粒では100μm、平均粒径98μmのダイヤモンド砥粒では150μm、平均粒径115μmのダイヤモンド砥粒では240μmとした。
実施例1と同様に、ダイヤモンド砥粒を支持材に固着させた。同じ条件で3枚ずつドレッサーを作製した。実際にパッドを研削して研削後のパッド厚み減少量からパッドの研削レイト、及び、パッド平坦性を求めた。これらの結果を表3に示した。
Figure 0005809880
砥粒径は、3μm未満の試料No.61では、パッド研削レイトが低下することがあったため、研削レイトのばらつきが大きくなる傾向を示した。砥粒径が100μm以上の試料No.67では、パット平坦性のばらつきが大きくなる傾向を示した。したがって、砥粒の平均粒径が3μm以上100μm未満であれば、パット平坦性とパット研削力が安定化しやすいことがわかる。
さらに、砥粒径が50μm以下であれば、パッド平坦性が0.40μm以下となるため、より好ましい。砥粒径が20μm以下であれば、パッド平坦性が0.3μm以下となるため、さらに好ましい。ただし、砥粒のハンドリング性の観点で見れば、砥粒径が大きい方が取り扱いやすい。
(実施例4)
実施例3のNo.64のドレッサーにおいて、ダイヤモンド砥粒の代わりに、平均粒径が35μmの立晶窒化ホウ素の砥粒、炭化ホウ素の砥粒、炭化ケイ素の砥粒、酸化アルミニウムの砥粒、炭化ホウ素の砥粒と炭化ケイ素の砥粒とを質量で50%ずつ混合した混合砥粒、および、酸化珪素の砥粒を用いて、ドレッサーを作製した。
砥粒の配置方法、ろう付け方法、パット研削レイト、およびパッド平坦性の評価方法は実施例1と同様である。ただし、ドレッサーのパットへの押し付け加重を1.8kgとした。結果を表4に示した。
Figure 0005809880
以上の結果から、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、又は酸化珪素の少なくとも1種の砥粒を用いることによって、優れたパッド平坦性とパット研削レイトが得られた。特に優れた性能を示したのは、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウムの少なくとも1種の砥粒を用いた場合であった。また、2種類の砥粒を混合して使用することによって、パッドの平坦性を維持した状態で、研削能力を上げることが可能になることもわかった。

Claims (6)

  1. 円盤状支持材の表面に複数個の砥粒が単層に固着されたドレッサーであって、
    円盤状支持材の半径をR(mm)とした場合、砥粒が、0.3R≦B<A≦0.9R、かつ、A−B≧4(mm)を満たす半径B(mm)の同心円の外側、かつ、半径A(mm)の同心円の内側のリング状領域に固着されている研磨布用ドレッサー。
  2. A、B、およびRの関係が、式:A≦(1/3)B+(2/3)R を満たす請求項1に記載の研磨布用ドレッサー。
  3. 前記砥粒の粒径dが、3μm≦d<100μm であることを特徴とする請求項1または2記載の研磨布用ドレッサー。
  4. 前記砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウムの少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨布用ドレッサー。
  5. 前記砥粒が前記円盤状支持材の表面に、ろう材を介して固着されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨布用ドレッサー。
  6. 前記円盤状支持材がステンレス鋼製である請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨布用ドレッサー。
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