JP5806994B2 - 光結合装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、光結合装置に関する。
光結合装置(フォトカプラやフォトリレーを含む)は、発光素子を用いて入力電気信号を光信号に変換し、受光素子で受光したのち電気信号を出力することができる。このため、光結合装置は、入出力間が絶縁された状態で電気信号を伝送することができる。
産業用機器、事務用機器、家電機器では、DC電圧系、AC電源系、電話回線系および制御系などの異なる電源系が1つの装置内に配置されている。しかし、異なる電源系や回路系を直接結合すると、動作不良を生じることがある。
この場合、光結合装置を用いると、異なる電源間が絶縁されるので、動作を正常に保つことができる。
たとえば、インバータ・エアコンなどでは、交流負荷用を含めて多数のフォトカプラが使用される。特に、テスター用途の信号切り替えに使用される場合、非常に多数のフォトカプラーが実装されるようになり、基板への実装面積を小さくする必要から、小型化が強く要求される。
特開2004−158831号公報
光結合効率が高められ、薄型化および実装面積の小型化が容易な光結合装置を提供する。
実施形態によれば、支持基板と、前記支持基板の側の第1の面と前記第1の面とは反対の側の第2の面とを有し発光層を含む半導体積層体と、前記第2の面に設けられた第1および第2電極と、を有する発光素子と、前記半導体積層体が設けられた面とは反対の側となる前記支持基板の下面に選択的に設けられた0.3μm以上の厚さを有する金属層と、受光面の側に第1および第2の電極を有する受光素子と、前記発光素子の前記支持基板と前記受光素子の前記受光面の側とを接着し、透光性および絶縁性を有する接着層と、前記発光素子の前記第1および第2の電極とそれぞれ接続される入力側リードと、前記受光素子の前記第1および第2の電極とそれぞれ接続され、前記入力側リードと絶縁された出力側リードと、前記発光素子と前記受光素子とを包み遮光性を有する樹脂成型体であって、前記入力側リードの一部と前記出力側リードの一部とが互いに反対方向に突出する樹脂成型体と、備え、前記放出光の一部は、前記支持基板の前記下面のうち、前記金属層が設けられない領域から放出され、前記発光層からの放出光の少なくとも一部は、前記支持基板を透過し、前記支持基板の前記下面のうち、前記金属層が設けられない領域から放出され、前記接着層を透過し前記受光面に入射することにより、入力電気信号が出力電気信号に変換される光結合装置が提供される。
図1(a)は第1の実施形態にかかる光結合装置の模式平面図、図1(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。 受光素子と発光素子との積層の模式断面図である。 図3(a)は比較例にかかる光結合装置の模式断面図、図3(b)はその発光素子の模式断面図、である。 光結合効率を表すグラフ図である。 図1に表した第1の実施形態の光結合装置の構成図である。 図6(a)は第2の実施形態にかかる光結合装置の模式平面図、図6(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。 図7(a)は第3の実施形態にかかる光結合装置の模式平面図、図7(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。 図8は、受光素子と発光素子との積層の第1変形例の模式断面図である。 図9(a)は受光素子と発光素子との積層の第2変形例の模式断面図、図9(b)は発光素子の模式下面図、である。 図10(a)は受光素子と発光素子との積層の第3変形例の模式断面図、図10(b)は発光素子の模式下面図、である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1(a)は第1の実施形態にかかる光結合装置の模式平面図、図1(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。
光結合装置は、発光素子10と、受光素子20と、接着層34と、入力側リード30と、出力側リード40と、樹脂成型体60と、を有する。
発光素子10は、半導体積層体と、半導体積層体に設けられた第1の電極11および第2の電極16と、を有する。
受光素子20は、その受光面22の側に第1の電極21と第2の電極25とを有する。受光素子20は、フォトダイオード、フォトダイオードが直列に接続されたアレイ、フォトトランジスタ、これらに制御回路や増幅回路がさらに集積された受光ICとすることができる。さらに、本明細書では、受光素子20は、光トリガサイリスタやフォトトライアックをさらに含むものとする。
接着層34は、透光性および絶縁性を有し、発光素子10と受光素子20の受光面22の側とを接着する。接着層34は、ガラスやSiOなどを含む無機材料、またはアクリル、シリコーン、ポリイミドなどの樹脂材料とすることができる。発光層から下方に放出された光Gは、接着層34を透過して受光面22へ入射する。
入力側リード30は、発光素子10と受光素子20との積層が接着される第2リード30bと、発光素子10の第1の電極11が接続される第1リード30aと、発光素子の10の第2の電極16が接続される第3リード30c、とを有する。
出力側リード40には、スイッチング素子50が搭載されている。スイッチング素子50としては、例えばFET(Field Effect Transistor)を用いることができる。以下、一例として、スイッチング素子50としてMOSFET50a、50bを用いた場合について、説明する。
出力側リード40は、MOSFET50aのドレインと接続された第1のリード40aと、MOSFET50a、50bが接着された第2のリード40bと、MOSFET50bのドレインと接続された第3のリード40cと、を有し、受光素子20の出力電気信号が出力される。なお、受光素子20の出力は、2つのMOSFET50a、50bのそれぞれのゲートに入力される。また、出力側リード40は、入力側リード30と絶縁される。さらにMOSFET50a、50bのソースは、出力側リード40の第2のリード40bにそれぞれ接続され、ソース・コモンとして作用する。なお、MOSFETの代わりにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。
樹脂成型体60は、発光素子10と、受光素子20と、MOSFET50a、50bとを、遮光性を有する樹脂で包む。樹脂成型体60は、エポキシなどの材料とすることができる。
発光素子10から放出され下方へ向かう放出光Gの少なくとも一部は、支持基板17および接着層34を透過し受光面22に入射することにより、入力電気信号が、出力電気信号に変換されて出力可能となる。
図2は、受光素子と発光素子との積層の模式断面図である。
本図は、図1のB−B線に沿った断面を表している。半導体積層体15は、第1導電形を有する第1の層12と、第2導電形層を有する第2の層14と、第1の層12と第2の層14との間に設けられた発光層13とを含む。第1の層12は、たとえば、コンタクト層、電流拡散層、クラッド層などを含む。また、第2の層14は、たとえば、クラッド層を含む。
半導体積層体15は、第1の層12の上面から後退し第2の層14に到達する段差を有する。すなわち、半導体積層体15は、支持基板17の側の第1の面15aと、第1の面15aとは反対の側の第2の面15bと、を有する。第2の面15bは、第1の層12の上面と、第2の層14に露出した段差の底面と、段差の側面と、を含む。
発光素子10の第1の電極11は第1の層12の上面に設けられ、第2の電極16は段差の底面に設けられる。支持基板17は、GaAs、GaP、Siなどの半導体基板とすることができる。この場合、発光層13からの放出光Gの波長は、支持基板17のバンドギャップ波長よりも長くし、支持基板17における放出光Gの吸収を抑制する。なお、支持基板17は、石英やサファイヤなどの絶縁性基板であってもよい。
支持基板17が、GaAsからなるものとすると、そのバンドギャップ波長は略870nmである。このため、MQW(Multi Quantum Well:多重量子井戸)構造などからなる発光層13からの放出光Gの波長を、たとえば、900〜1100nmなどとする。なお、支持基板17を、バンドギャップ波長が略500nmのGaPとすると、放出光Gの波長は、700〜1100nmなどとすることができる。
受光素子20は、プレーナ型フォトダイオードなどとすることができる。放出光Gの波長が、700〜1100nmの範囲の場合、フォトダイオードをSiからなるものとすると高い受光感度とすることができる。受光領域23の上面は、受光面22となる。受光面22は、発光層13の下方に設けられるので、平面視で発光層13のサイズよりも大きいサイズとすることにより光結合効率が高められる。また、受光面22が発光素子10の下面からはみ出す領域を小さくするあるいは同等以下にすると、外乱光が受光面22に入射することを抑制できる。このため、光結合装置の誤動作を低減できる。
図3(a)は比較例にかかる光結合装置の模式断面図、図3(b)はその発光素子の模式断面図、である。
発光素子110は、基板117の上に、クラッド層114、発光層113、第1の層112がこの順序で積層されている。第1の層112は、たとえば、クラッド層112c、電流拡散層112b、およびコンタクト層112a、を含む。さらにコンタクト層112aの上には、第1の電極111が設けられて、基板117の下面には第2の電極116が設けられている。
図3(a)に表す構造は、入力側リード130に設けられた発光素子110と、出力側リード140に設けられた受光素子120と、が互いに対向しているので対向型と呼ぶことができる。対向型構造では、発光素子110と受光素子120とには、異なるリードフレームにそれぞれ接着され、ボンディングワイヤによりそれぞれ接続される。入力側のリードフレームと出力側のリードフレームとは、所定の位置で対向するように、位置合わせがされ、たとえば溶接などで固定される。こののち、樹脂成型体160のモールドプロセスが行なわれる。
すなわち、対向型構造では、発光素子110の表面と受光素子120の表面との距離D1が大きくなり、光結合装置の高さTTを低減することが困難である。また、距離D1が大きいので放出光が広がり、光結合効率が低くなる。低い光結合効率を補償するためには、発光素子110の光出力を高めるか、または受光素子120の受光感度を高めることが必要になる。これに対して、図1(b)に表す第1の実施形態では、光結合装置の高さTを小さくし、薄型化・小型化することが容易である。
図4は、光結合効率を表すグラフ図である。
縦軸は受光素子20の出力電流(A)、横軸は受光素子20への印加電圧(V)、である。なお、発光素子10の駆動電流は、第1の実施形態および比較例において共に5mAである。受光素子20への印加電圧が0V(短絡状態)において、第1の実施形態では、略マイナス15μAの出力電流が得られる。これに対して、比較例では、略マイナス2μAである。すなわち、第1の実施形態では、発光層13と受光面22との間の距離を短くし、支持基板17や接着層34における吸収を低減することにより、比較例の光結合効率の約7倍となる高い光結合効率とすることができる。また、発光素子10と受光素子20とを積層することにより光結合装置を薄くすることができる。
図5は、第1の実施形態の光結合装置の構成図である。
受光素子20は、たとえば、制御回路27を含んだ受光ICとすることができる。制御回路27は、フォトダイオードアレイの光起電力を増幅するなどしてソース・コモン接続されたMOSFET50a、50bをゲートドライブする。ドレインに接続された出力側リード40の第1のリード40aと第3のリード40cとの間に交流負荷を接続すると、メカ・リレーと同じように低損失を保ちつつ連続正弦波を出力することができる。このため、たとえば、FAXモデムのNCU(Network Control Unit)回路などに用いることができる。また、DC負荷制御とする場合、MOSFETを1つとすることが可能である。
図6(a)は第2の実施形態にかかる光結合装置の模式平面図、図6(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。
受光素子20の第1の電極21は出力側リードの第1のリード40aと接続してもよい。また、受光素子20の第2の電極25は、出力側リード40の第3のリード40cへ接続してもよい。受光素子20をフォトトランジスタとすると、トランジスタ出力とすることができる。また、受光素子20をフォトダイオードアレイとすると、光起電力(フォトボル)出力とすることができる。さらに、受光素子20を受光ICとすると、ロジック出力とすることができる。
さらに、出力側リード40上に、サイリスタやトライアックを設けてフォトダイオード、フォトトランジスタ、受光ICなどの受光素子20に接続すると、モーターなどの外部負荷を交流信号で駆動できる。
図7(a)は第3の実施形態にかかる光結合装置の模式平面図、図7(b)はA−A線に沿った模式断面図、である。
リードフレームは、入力側リード30と出力側リード40との間にダイパッド部70を有してもよい。ダイパッド部70は、マウント部70a、吊りピン70b、70cを有することができる。
発光素子10と受光素子20とは接着層34で積層されている。また、発光素子10と受光素子20との積層がマウント部70aに半田材や接着剤などで接着される。発光素子10の第1電極11は入力側リード30の第1のリード30aと接続され、第2電極16は第3のリード30cと接続される。また、受光素子20の第1電極21は出力側リードの第1のリード40aと接続され、第2電極25は第3のリード40cと接続される。
なお、遮光性を有する樹脂成型体60が形成されたのち、吊りピン70b、70cは、樹脂成型体60の外縁近傍でカットされる。第3の実施形態において、入力側リード30、ダイパッド部70、および出力側リード40は、1枚のリードフレームから構成されているので、厚さを薄くできる。製造プロセスも比較例よりも簡素である。
第1〜第3の実施形態によれば、入出力間が絶縁された状態で電気信号を出力でき、光結合効率が高められ薄型化や実装面積の縮小が容易な光結合装置が可能となる。このような光結合装置は、産業用機器、事務用機器、家電機器などに広く用いることができる。
図8は、受光素子と発光素子との積層の第1変形例の模式断面図である。
発光素子10は、支持基板17の下面に透明層19を有する。発光素子ウェーハは、テープなどに貼り付けられ、ダイシングされる。このあと、個々のチップをピックアップする場合、チップの下面の側にはピンによる突き上げの衝撃による破壊ダメージを生じることがある。通常の発光素子10は、下面の側に、たとえば、0.3μm以上の厚さの電極が設けられるのでピックアップの際の衝撃が緩和される。
本実施形態では、発光素子10は、下面側から光を放出するので全面に電極を設けることは困難である。このため、支持基板17の下面の側の少なくとも一部に、透明導電膜(ITO:Indium Tin Oxide)や、SiO、SiN、SiONなどの透明な絶縁体からなり、放出光Gを透過する層を設けると、ピックアップの際に生じる衝撃を緩和できる。また、透明な絶縁体を設けると絶縁耐圧が上がり、支持基板として石英やサファイヤ等絶縁性基板を用いるとさらに絶縁耐圧が上がる。
図9(a)は受光素子と発光素子との積層の第2変形例の模式断面図、図9(b)は発光素子の模式下面図、である。
突き上げピンが当接する領域にAuやAgなどを含む金属層18aを設けると、ピックアップの際の衝撃を緩和できる。その厚さは、たとえば、0.3μm以上とすることができる。またその径は、たとえば、100μmなどとすることができる。このようにすると、放出光Gは、金属層18が設けられない支持基板17の領域17a(金属層18aの外側)から受光素子20の受光面22へ入射できる。また、突き上げピンが当接する領域を変更すれば、この17aと18aの構成を逆にすることがきる。
図10(a)は受光素子と発光素子との積層の第3変形例の模式断面図、図10(b)は発光素子の模式下面図、である。
突き上げピンが当接する領域にAuやAgなどを含む金属層18bを設けると、ピックアップの際の衝撃を緩和できる。その厚さは、たとえば、0.3μm以上とすることができる。また金属層18bには、たとえば、100μmの内径の開口が設けられる。このようにすると、放出光Gは、金属層18bが設けられない支持基板17の領域17aから受光素子20の受光面22へ入射できる。
発光素子と受光素子との積層の第1〜第3の変形例によれば、チップをピックアップする工程における衝撃ダメージを抑制し、光結合装置の信頼性を高めることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 発光素子、11 (発光素子の)第1の電極、13 発光層、15 半導体積層体、15a (半導体積層体の)第1の面、15b (半導体積層体の)第2の面、16 (発光素子の)第2の電極、17 支持基板、18 金属層、19 透明層、20 受光素子、21 (受光素子の)第1の電極、22 受光面、25 (受光素子の)第2の電極、30 入力側リード、34 接着層、40 出力側リード、50 MOSFET、60 樹脂成型体、G 放出光

Claims (6)

  1. 支持基板と、前記支持基板の側の第1の面と前記第1の面とは反対の側の第2の面とを有し発光層を含む半導体積層体と、前記第2の面に設けられた第1および第2電極と、を有する発光素子と、
    前記半導体積層体が設けられた面とは反対の側となる前記支持基板の下面に選択的に設けられた0.3μm以上の厚さを有する金属層と、
    受光面の側に第1および第2の電極を有する受光素子と、
    前記発光素子の前記支持基板と前記受光素子の前記受光面の側とを接着し、透光性および絶縁性を有する接着層と、
    前記発光素子の前記第1および第2の電極とそれぞれ接続される入力側リードと、
    前記受光素子の前記第1および第2の電極とそれぞれ接続され、前記入力側リードと絶縁された出力側リードと、
    前記発光素子と前記受光素子とを包み遮光性を有する樹脂成型体であって、前記入力側リードの一部と前記出力側リードの一部とが互いに反対方向に突出する樹脂成型体と、
    備え、
    前記放出光の一部は、前記支持基板の前記下面のうち、前記金属層が設けられない領域から放出され、
    前記発光層からの放出光の少なくとも一部は、前記支持基板を透過し、前記支持基板の前記下面のうち、前記金属層が設けられない領域から放出され、前記接着層を透過し前記受光面に入射することにより、入力電気信号が出力電気信号に変換される光結合装置。
  2. 前記受光素子と前記出力側リードとの間に設けられ、前記受光素子の光起電力により前記出力電気信号をオンまたはオフに切り替え可能なスイッチング素子をさらに備えた請求項1記載の光結合装置。
  3. 前記スイッチング素子は、ソース・コモン接続された2つのMOSFETを含む請求項2記載の光結合装置。
  4. 前記受光素子は、直列接続されたフォトダイオードアレイ、または受光ICを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の光結合装置。
  5. 前記接着層は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂およびポリイミド樹脂のいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の光結合装置。
  6. 前記金属層は、前記第1および第2電極とは電気的に絶縁された請求項1〜5のいずれか1つに記載の光結合装置。
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