本明細書において用いる場合、以下の用語は以下に記載される意味を有する。
本明細書において用いる単数形「a」、「an」および「the」は、他に明確に指示されない限り、複数の言及も含む。
特に指定のない限り、本発明の全てのアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリル基は、それらの各々の定義に記載の通り置換されていてよい。例えば、アリールアルキル基のアリール部分は、用語「アリール」の定義に記載のとおり置換されていてよい。
本明細書において用いる用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したアルキル基を言う。
本明細書において用いる用語「アルキル」は、1から6個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素由来の基を言う。本発明の化合物において、各々、Xおよび/またはYがCH
2であって、R
1および/またはR
2がアルキルである場合、該アルキルは適宜、隣接する炭素原子とともに縮合3-〜6-員環を形成し、以下の構造:
(式中、zは1、2、3、または4である)のうちの1つをもたらし得るか;あるいは、該アルキルは、4-〜5-員架橋環を形成し、以下の構造:
のうちの1つをもたらし得るか、あるいは、該アルキルは適宜、それらが結合する炭素原子とともにスピロ環3-〜6-員環を形成し、以下の構造:
(式中、zは1、2、3、または4である)のうちの1つをもたらし得る。
本明細書において用いる用語「C2アルキニル」は、-=-を言う。
本明細書において用いる用語「アリール」は、フェニル基、または1つもしくは両方の環がフェニル基である二環式縮合環系を言う。二環式縮合環系は、4-〜6-員芳香族もしくは非芳香族炭素環に縮合したフェニル基から成る。本発明のアリール基は、該基中のいずれの置換可能な炭素原子を介して親分子部分に結合することができる。アリール基の代表的な例としては、限定はされないが、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられる。本発明のアリール基は、適宜、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、第2のアリール基、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールカルボニル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、-NRxRy、(NRxRy)アルキル、オキソ、または-P(O)OR2から独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で適宜置換されており(ここで各Rは水素またはアルキルから独立して選択される);その中で、該アリールアルキルおよび該ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分は無置換であり、該第2のアリール基、該アリールアルキルのアリール部分、該アリールカルボニルのアリール部分、該ヘテロシクリル、ならびに該ヘテロシクリルアルキルおよび該ヘテロシクリルカルボニルのヘテロシクリル部分はさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、またはニトロから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換されている。
本明細書において用いる用語「アリールアルキル」は、1、2、もしくは3個のアリールで置換されたアルキル基を言う。該アリールアルキルのアリール部分はさらに、適宜、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、または-NRcRdから独立して選択される1もしくは2個のさらなる基で置換されており、ここで、該ヘテロシクリルはさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、無置換アリール、無置換アリールアルコキシ、無置換アリールアルコキシカルボニル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、-NRxRy、またはオキソから独立して選択される1もしくは2個ので置換されている。
本明細書において用いる用語「シクロアルキル」は、3〜14個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、飽和単環式もしくは二環式の炭化水素環系を言う。シクロアルキル基の代表的な例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、およびアダマンチルが挙げられる。本発明のシクロアルキル基は、適宜、アルコキシ、アルキル、アリール、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、または-NRxRyから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換されており、ここで、該アリールおよび該ヘテロシクリルはさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、またはオキソから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換されている。
本明細書において用いる用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を含有する4-、5-、6-、もしくは7-員環を言う。該4-員環は、0個の二重結合を有し、該5-員環は0〜2個の二重結合を有し、該6-および7-員環は0〜3個の二重結合を有する。該用語「ヘテロシクリル」には、ヘテロシクリル環が別の単環式ヘテロシクリル基または3-〜7-員芳香族もしくは非芳香族炭素環に縮合している二環式基;ヘテロシクリル環が3-〜7-員スピロ環で置換されている二環式基;ならびに架橋二環式基、例えば、3-オキサビシクロ[3.2.1]オクチル、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-7-イル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-2-イル、および2-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルも含まれる。本発明のヘテロシクリル基は、該基中のいずれの炭素原子または窒素原子を介して親分子部分に結合することができる。ヘテロシクリル基の例としては、限定はされないが、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、キノリニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、チエニル、およびチオモルホリニルが挙げられる。本発明のヘテロシクリル基は、適宜、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アリール、アリールアルキル、アリールカルボニル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、第2のヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、-NRxRy、(NRxRy)アルキル、またはオキソから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換されており、ここで、該アリールアルキルおよび該ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分は無置換であり、該アリール、該アリールアルキルのアリール部分、該アリールカルボニルのアリール部分、該第2のヘテロシクリル基、および該ヘテロシクリルアルキルおよび該ヘテロシクリルカルボニルのヘテロシクリル部分はさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、またはニトロから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換されている。
本明細書において用いる用語「ヘテロシクリルアルキル」は、1、2、もしくは3個のヘテロシクリル基で置換されたアルキル基を言う。該ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分はさらに、適宜、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリール、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、または-NRcRdから独立して選択される1もしくは2個のさらなる基で置換されており、ここで、該アリールはさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、無置換アリール、無置換アリールアルコキシ、無置換アリールアルコキシカルボニル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、または-NRxRyから独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換されている。
本明細書において用いる用語「-NRcRd」は、窒素原子を介して親分子部分に結合した2つの基、RcおよびRdを言う。RcおよびRdは、独立して、水素、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、アリールアルコキシカルボニル、アリールアルキル、アリールアルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールスルホニル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシカルボニル、シクロアルキルスルホニル、ホルミル、ハロアルコキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルコキシカルボニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、ヒドロキシアルキルカルボニル、(NReRf)アルキル、(NReRf)アルキルカルボニル、(NReRf)カルボニル、(NReRf)スルホニル、-C(NCN)OR'、または-C(NCN)NRxRyから選択され(ここで、R'はアルキルまたは無置換フェニルから選択され、該アリールアルキル、該アリールアルキルカルボニル、該ヘテロシクリルアルキル、および該ヘテロシクリルアルキルカルボニルのアルキル部分はさらに、適宜、1個の-NReRf基で置換されている);そして、その中で、該アリール、該アリールアルコキシカルボニル、該アリールアルキル、該アリールアルキルカルボニル、該アリールカルボニル、該アリールオキシカルボニル、および該アリールスルホニルのアリール部分、該ヘテロシクリル、ならびに該ヘテロシクリルアルコキシカルボニル、該ヘテロシクリルアルキル、該ヘテロシクリルアルキルカルボニル、該ヘテロシクリルカルボニル、およびヘテロシクリルオキシカルボニルのヘテロシクリル部分はさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、またはニトロから独立して選択される1、2、もしくは3個の置換基で置換されている。
本明細書において用いる用語「(NR
cR
d)アルケニル」は、式:
(式中、R
cおよびR
dは本明細書で定義される通りであって、各R
qは、独立して、水素またはC
1-3アルキルである)を言う。
本明細書において用いる用語「(NRcRd)アルキル」は、1もしくは2個の-NRcRd基で置換されたアルキル基を言う。該(NRcRd)アルキルのアルキル部分はさらに、適宜、アルコキシ、アルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルファニル、C2アルキニル、アリールアルコキシカルボニル、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、ハロ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、または(NReRf)カルボニルから選択される1もしくは2個のさらなる基で置換されており;ここで、該ヘテロシクリルはさらに、適宜、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、またはニトロから独立して選択される1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換されている。
本明細書において用いる用語「-NReRf」は、窒素原子を介して親分子部分に結合した2つの基、ReおよびRfを言う。ReおよびRfは、独立して、水素、アルキル、無置換アリール、無置換アリールアルキル、無置換シクロアルキル、無置換(シクロアルキル)アルキル、無置換ヘテロシクリル、無置換ヘテロシクリルアルキル、(NRxRy)アルキル、または(NRxRy)カルボニルから選択される。
本明細書において用いる用語「-NRxRy」は、窒素原子を介して親分子部分に結合した2つの基、RxおよびRyを言う。RxおよびRyは、独立して、水素、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、無置換アリール、無置換アリールアルコキシカルボニル、無置換アリールアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクリル、または(NRx'Ry')カルボニルから選択され、ここで、Rx'およびRy'は、独立して、水素またはアルキルから選択される。
本発明の化合物には不斉中心が存在する。これら中心は、キラル炭素原子の周囲の置換基の配置によって、記号「R」または「S」により示される。本発明は、NS5Aを阻害する能力を有する全ての立体化学的な異性体、またはその混合物を包含することが理解されるべきである。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を有する市販の出発物質から合成的に製造することができるか、あるいは、エナンチオマーの生成物の混合物を製造した後、ジアステレオマーの混合物への変換に続く分離もしくは再結晶化、クロマトグラフ技法、またはキラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接分離などといった分離を行うことによって製造することができる。特定の立体化学の出発化合物は、市販であるか、あるいは当分野で公知の方法により製造および分割され得る。
本発明の特定の化合物はまた、異なる安定した立体構造形態で存在していてよく、それは分離可能でありうる。非対称単結合について制限された回転に起因するねじれ非対称(Torsional asymmetry)、例えば、立体障害または環の歪みにより、異なる配座異性体の分離が可能になりうる。本発明には、これら化合物の各配座異性体およびその混合物が含まれる。
該用語「本発明の化合物」および同等の表現は、式(I)の化合物、ならびにその医薬的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、および塩を包含することを意味する。同様に、中間体についての言及は、内容的に許される限りそれらの塩を包含することを意味する。
本発明は、本発明の化合物に出現する原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、限定されることなく、水素の同位体にはジュウテリウムおよびトリチウムが含まれる。炭素の同位体としては13Cおよび14Cが挙げられる。同位体で標識された本発明の化合物は一般に、当業者に公知の通常の技法によってか、または本明細書に記載されたものと類似した方法によって、他で用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体-標識試薬を用いて、製造することができる。そのような化合物は、例えば、生物活性の決定における標準物質および試薬として、様々な使用可能性を有しうる。安定な同位体の場合、そのような化合物は、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的特性を都合よく修飾する能力を有しうる。
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩として存在し得る。本明細書で用いる用語「医薬的に許容される塩」は、本発明の化合物の塩または双性イオン形態を意味し、それは水もしくは油-溶性もしくは分散性であり、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに患者の組織に接触して用いるのに適していて、それらの使用目的に有効である。該塩は化合物の最終的な単離および精製の間に製造することができるか、あるいは別途、適切な窒素原子を適切な酸と反応させることにより製造することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩;ジグルコン酸塩(digluconate)、二臭化水素酸塩、二塩酸塩、ジヒドロヨージド、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロプリオン酸塩(phenylproprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。医薬的に許容される付加塩の形成に用いることができる酸の例としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸)および有機酸(例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸)が挙げられる。
塩基付加塩は、カルボキシ基を、適切な塩基(例えば、金属カチオンのヒドロキシド、カーボネート、もしくはビカーボネート)と反応させるか、あるいはアンモニア、または有機第一級、第二級、もしくは第三級アミンと反応させることによる、化合物の最終的な単離および精製の間に製造することができる。医薬的に許容される塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム、ならびに無毒性の第四級アミンカチオン(例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、およびN,N'-ジベンジルエチレンジアミン)が挙げられる。塩基付加塩の形成に用いることができる他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンが挙げられる。
治療で用いるために、治療上有効な量の式(I)の化合物ならびにその医薬的に許容される塩を、未加工の化学薬品(raw chemical)として投与することができる場合、活性成分を医薬組成物として存在させることができる。従って、本発明は、治療上有効な量の式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容される塩、および1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤を含む医薬組成物をさらに提供する。本明細書で用いる用語「治療上有効な量」は、有意義な患者利益(例えば、ウイルス量の持続的減少)を示すのに十分である各活性成分の総量を言う。単独で投与される個々の活性成分に適用する場合、該用語は成分単独の量を言う。組み合わせに適用する場合、該用語は、組み合わせて、連続して、あるいは同時に投与されるかどうかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分を合わせた量を言う。該式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩は上記の通りである。該担体、希釈剤、または賦形剤は、製剤の他の成分に適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で許容可能でなくてはならない。本発明の別の態様によると、式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容される塩を、1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤と混合することを含む、医薬製剤の製造方法もまた提供する。本明細書で用いる用語「医薬的に許容される」は、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに患者の組織に接触させて用いるのに適していて、その使用目的に有効である、化合物、物質、組成物、および/または剤形を言う。
医薬製剤は、単位用量あたり所定の量の活性成分を含む単位剤形であってもよい。本発明の化合物が1日あたり約0.01から約250ミリグラム/キログラム(「mg/kg」)体重、好ましくは1日あたり約0.05から約100 mg/kg体重である投与量濃度が、HCV介在疾患の予防および処置に対する単独療法においては典型的である。通常、本発明の医薬組成物は、1日あたり約1から約5回の投与か、あるいは持続投与され得る。そのような投与は、長期治療または救急治療として用いることができる。担体材料と組み合わせて単一剤形を製造する活性成分の量は、治療する症状、症状の重篤性、投与回数、投与経路、用いた化合物の排出速度、治療期間、ならびに患者の年齢、性別、体重、および状態によって変化させてもよい。好ましい単位用量製剤は、活性成分の、本明細書において上記した1日量もしくはそれ以下、またはその適当な画分を含むものである。処置は、化合物の至適用量よりかなり少ない少用量で開始される。その後、該条件下で最適な効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。概して、いずれの有害または有毒な副作用も伴わずに抗ウイルス効果が通常得られる濃度レベルで、該化合物を投与することが最も望ましい。
本発明の組成物が、本発明の化合物1つ以上のさらなる治療薬もしくは予防薬の組み合わせを含む場合、該化合物とさらなる薬剤の両方とも、通常、単独療法レジメンにおいて標準的に投与される用量の約10から150%、より好ましくは約10から80%の用量濃度で存在する。
医薬製剤は、いずれの適当な経路、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所的(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣、または非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節内、滑液嚢内(intrasynovial)、胸骨内、髄腔内、病巣内、静脈内、または皮内注射もしくは注入を含む)経路による投与に適応しうる。そのような製剤は、薬学の分野において公知のいずれの方法よっても(例えば、活性成分と担体もしくは賦形剤を会合させることにより)、製造されうる。経口投与または注射による投与が好ましい。
経口投与に適応した医薬製剤は、カプセル剤もしくは錠剤;粉末剤もしくは顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤;食用フォーム剤もしくはホイップ剤;または水中油液体エマルジョン剤もしくは油中水エマルジョン剤といった、別々のユニットであってよい。
例えば、経口投与用に、錠剤もしくはカプセル剤の形態において、活性薬剤成分は、経口で無毒の医薬的に許容される不活性担体(例えばエタノール、グリセロール、水など)と合わせることができる。粉末剤は、化合物を適切な微粒子サイズに細かく粉末化し、同様に粉末化された食用炭水化物(例えばデンプンまたはマンニトール)などの医薬担体と混合することにより製造される。着香剤、保存剤、分散剤、および着色剤もまた存在し得る。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を製造し、成型ゼラチンシース(gelatin sheath)に詰めることにより製造される。充填工程の前に、流動化剤および滑沢剤(例えばコロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコール)を粉末混合物に加えることができる。カプセル剤が摂取される際の薬剤の有効性を高めるために、崩壊剤または可溶化剤(例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム)を加えることもできる。
さらに、所望される場合もしくは必要な場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物に加えることもできる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖(例えばグルコースもしくはβ-ラクトース)、コーンシロップ、天然および合成ガム(例えばアカシア、トラガカントもしくはアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの剤形に用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定はしないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を製造し、顆粒化もしくは充填し、滑沢剤および崩壊剤を加え、そして錠剤に圧縮することにより製剤化される。粉末混合物は、適切に粉末化された化合物と、上記の希釈剤もしくは塩基、ならびに適宜、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート(aliginate)、ゼラチン(gelating)、もしくはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば第四級塩)および/または吸収剤(例えばベントナイト、カオリン、もしくはリン酸水素カルシウム)とを混合することにより製造される。結合剤(例えばシロップ、デンプン糊、アカシア粘液(acadia mucilage)、またはセルロース系物質もしくはポリマー系物質の溶液)で湿らせて、ふるいに押し通すことにより、粉末混合物を顆粒化することができる。顆粒化の代替法として、該粉末混合物を錠剤機に通して、不完全に成型されたスラグを得た後、顆粒に粉砕することができる。該顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱物油の添加により滑らかにして、錠剤成形型への接着を防ぐことができる。次いで、滑らかにした混合物を錠剤へと圧縮する。本発明の化合物はまた、自由流動性不活性担体と合わせて、顆粒化工程もしくは成形工程(slugging step)を経ずに直接、錠剤へと圧縮することができる。シェラックのシールコート(sealing coat)、糖もしくはポリマー材のコーティング、およびワックスの艶出しコーティングから成る、澄明もしくは不透明な保護コーティングを施すことができる。これらのコーティングに染料を加えて、異なる単位用量と区別することができる。
経口液剤(例えば液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤)は、所定の分量が所定の量の化合物を含むように単位用量形態で製造することができる。シロップ剤は、適切に風味付けされた水溶液中に化合物を溶解させることにより製造でき、一方、エリキシル剤は無毒のビヒクルを用いることにより製造される。可溶化剤および乳化剤(例えばエトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキソエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、香味添加剤(例えばペパーミント油あるいは天然甘味剤、またはサッカリンもしくは他の人工甘味剤など)を加えることもできる。
必要に応じて、経口投与のための単位用量製剤をマイクロカプセル化することができる。該製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスなどの中に粒子状物質をコーティングまたは組み込むことによって、放出を遅延もしくは持続するように製造され得る。
式(I)の化合物、および医薬的に許容されるその塩はまた、リポソームデリバリーシステム(例えば、小型の単層ベシクル、大型の単層ベシクル、および多重層ベシクル)の形態で投与することもできる。リポソームは、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンから形成することができる。
式(I)の化合物および医薬的に許容されるその塩はまた、化合物分子が結合した個々の担体としてモノクローナル抗体を用いることによって送達されうる。該化合物はまた、標的化可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーと結合させてもよい。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパリトイル(palitoyl)残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらに、該化合物は、薬剤の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン(polepsilon caprolactone)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロック共重合体に結合していてよい。
経皮投与に適した医薬製剤は、長期間、レシピエントの表皮と密接な接触を維持することを目的とした、個別のパッチであってもよい。例えば、Pharmaceutical Research 1986, 3(6), 318 に一般的に記載されるように、該活性成分はイオントフォレーシスによってパッチから送達されうる。
局所投与に適した医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉末剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤、または油剤として製剤化されうる。
直腸投与に適した医薬製剤は、坐薬または浣腸剤であってよい。
担体が固体である、経鼻投与に適した医薬製剤としては、例えば20〜500ミクロンの粒子サイズを有する粗粉末(course powder)が挙げられ、それは、嗅ぎ薬を摂取する方法、すなわち、鼻に近づけられた粉末剤の容器から鼻腔を介して急速吸入することにより、投与される。鼻腔用スプレーもしくは点鼻薬として投与するための、担体が液体である適切な製剤としては、活性成分の水性または油性液剤が挙げられる。
吸入による投与に適した医薬製剤としては、微粒子粉末もしくは微粒子ミストが挙げられ、それは様々なタイプの定量加圧(metered, dose pressurized)エアロゾル剤、ネブライザー、または吸入器を用いて発生されうる。
膣内投与に適した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤、またはスプレー製剤であってよい。
非経口投与に適した医薬製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤(bacteriostat)、および製剤を対象のレシピエントの血液と等張にする塩(soute)を含みうる水性および非水性の無菌注射液剤;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁剤が挙げられる。該製剤は、単位用量もしくは複数用量(multi-dose)容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルに入っていてよく、使用の直前に無菌の液体担体(例えば注射用の水)の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保存してもよい。即時調製(Extemporaneous)注射液剤および懸濁剤は、無菌粉末剤、顆粒剤、および錠剤から調製されうる。
具体的に上述した成分に加えて、該製剤は、当該製剤のタイプに関して当分野で通常の他の薬剤を含んでもよい(例えば経口投与に適した製剤は香味剤を含んでもよい)ことが理解されるべきである。
該用語「患者」には、ヒトおよび他の哺乳動物の両方が含まれる。
該用語「処置」は:(i)疾患、障害、および/または症状に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない患者において、疾患、障害、または症状の発症を予防すること;(ii)疾患、障害、または症状の抑制、すなわち、その進行を抑止すること;ならびに(iii)疾患、障害、または症状を軽減すること、すなわち、疾患、障害、および/または症状の退行をもたらすことを言う。
本発明の化合物はまた、シクロスポリン、例えばシクロスポリンAとともに投与することができる。シクロスポリンAは、臨床試験においてHCVに対する活性が示されている(Hepatology 2003, 38, 1282; Biochem. Biophys. Res. Commun. 2004, 313, 42; J. Gastroenterol. 2003, 38, 567)。
以下の表1に、本発明の化合物とともに投与することができる化合物のいくつかの実例を記載する。本発明の化合物は、併用療法において、一緒にまたは別個に、あるいは該化合物を組成物中に混合することによって、他の抗HCV活性化合物とともに投与することができる。
表1
本発明の化合物は、実験用試薬として用いてもよい。化合物は、ウイルス複製アッセイの設計、HCV疾患メカニズムの知識をさらに高めるための動物アッセイ系(animal assay system)および構造生物学研究の検証に対する研究ツールの提供において有益でありうる。さらに、本発明の化合物は、例えば競合阻害により、他の抗ウイルス性化合物の結合部位の確立または決定に有用である。
本発明の化合物はまた、物質のウイルス汚染を処置もしくは予防するのに用いてもよく、それにより、そのような物質(例えば血液、組織、手術器具および手術着、実験器具および実験着、ならびに採血または輸血の器具および材料)と接触する、実験もしくは医療の関係者または患者のウイルス感染の危険性を低下させうる。
本発明は、合成プロセスまたは代謝プロセス(ヒトもしくは動物の体内(in vivo)で生じるもの、またはin vitroで生じるプロセスを含む)により作られる、式(I)を有する化合物を包含することを意図する。
特に以下の図解スキームおよび実施例を含めた本出願において使用される略語は、当業者には周知である。使用される略語のいくつかは以下の通りである:BocもしくはBOCはtert-ブトキシカルボニル;HATUはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;DIEAもしくはDiPEAもしくはDIPEAはジイソプロピルエチルアミン;NCSはN-クロロスクシンイミド;NBSはN-ブロモスクシンイミド;DMFはN,N-ジメチルホルムアミド;ACNもしくはMeCNはアセトニトリル;OAcはアセテート;EtOAcは酢酸エチル;Etはエチル;Buはブチル;Phはフェニル;Meはメチル;LDAはリチウムジイソプロピルアミド;Bnはベンジル;Tsはトシル;RTもしくはrtは室温もしくは保持時間(文脈によって決定される);hもしくはhrもしくはhrsは時間;minもしくはminsは分;DCMはジクロロメタン;MeOHはメタノール;dは日;THFはテトラヒドロフラン;Et2Oはジエチルエーテル;Bzはベンゾイル;AIBNはアゾビスイソブチロニトリル;LiHMDSはリチウムヘキサメチルジシラジド;Hexはヘキサン;EDCは1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;DMAPは4-N,N-ジメチルアミノピリジン;EtOHはエタノール;DEADはジエチルアゾジカルボキシレート;DMSOはジメチルスルホキシド;(S,S) Me-BPE-Rhは(-)-1,2-ビス((2S,5S)-2,5-ジメチルホスホラノ)エタン(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート;TBSはtert-ブチルジメチルシリル;m-CPBAはメタクロロ過安息香酸;TBAFはテトラブチルアンモニウムフルオリド;DBUは1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン;ONもしくはo/nもしくはonは終夜;AcOHは酢酸;dppfはジフェニルホルフィノフェロセン;TFAはトリフルオロ酢酸;pTsAもしくはPTSAはパラトルエンスルホン酸;TMSClはクロロトリメチルシラン;DDQは2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン;Tfはトリフルオロメチルスルホニル;TMSCNはトリメチルシリルシアニド;n-BuLiはn-ブチルリチウム;および、SEMは2-トリメチルシリルエトキシメトキシ。
本発明の化合物および方法は、本発明の化合物を製造し得る方法を例示する下記の合成スキームと関連してより理解されるであろう。出発物質は、商業的供給源から得ることができるか、または当業者には公知の十分に確立した文献の方法によって製造することができる。上記で定義した化合物は、下記で示す合成において適切な反応物および薬剤の置換によって合成することができることは当業者には容易に明らかであろう。下記の合成を首尾よく完了するために、選択的保護および脱保護工程、ならびに工程自体の順序は、可変部分の性質によって様々な順序で行うことができることもまた、当業者には容易に明らかであろう。可変部分は、下記で他に断らない限り上記定義の通りである。
スキームAは、主要な前駆体A-1およびA-3が標的生成物の例A-7に合成されうる方法を説明し、そして、スキームB〜スキームEは、これらの主要な前駆体を多様なヘテロ環族の範囲中で製造する方法を強調する。
スキームA
カルバメートA-1の標準的な酸触媒脱保護の後、保護されたアミノ酸(例えばBoc-プロリン)とカップリングさせることによって、ケトアミドA-2が得られ、それを酢酸アンモニウムの存在下においてそれを加熱することによりイミダゾールA-5へと環化することができる。別法として、イミダゾールA-5は、ケトエステルA-4から、同様の酢酸アンモニウムとの熱補助反応を適用することによって製造され得る(該ケトエステルA-4は同様にハロケトンA-3から製造される)。Boc基の標準的な酸触媒脱保護の後、標準的なペプチドカップリング条件(例えばHATU/DIEA)下において、酸と縮合させることにより、A-7を得る。A-7のイミダゾール官能化バージョンを製造するための複数のアプローチが存在する。例えば、A-7は試薬(例えばNCSまたはNBS)を用いて直接的にハロゲン化され得るか;別法として、Boc-脱保護工程の前にイミダゾール部分のハロゲン化が行われ得る。ハロゲン部分がヨージドもしくはブロミドのいずれかである場合、化学文献において十分に確立されている金属触媒(metal-assisted)カップリング条件(例えばスズキ-ミヤウラカップリング)を適用することによって、さらなる官能化が可能であることに注目すべきである。
スキームB
ベンゾオキサゾールB-1から位置異性体B-6aおよびB-6bの製造について、複数のアプローチが存在する。ジブロミドB-1は、スティルおよびスズキ-ミヤウラカップリング条件の組み合わせを用いることにより、ジケトンB-5へと合成され得る(ここで、スティルカップリング工程からの生成物は酸(例えばHCl)で処理されて、ケトン部分が顕わになる(unveil))。位置異性体分離は、中間体の段階(ブロミドB-4もしくはB-5のいずれか)または該ジケトン段階B-6にて行われ得る。各ジケトンB-6は、臭素のような試薬を用いることにより、ジブロミドB-7へと合成され得る。別のアプローチにおいて、ベンゾオキサゾールB-1は、スズキ-ミヤウラ条件下においてボロン酸B-2とカップリングされ得て、得られた位置異性体混合物は分離され、スティルカップリングおよび水の存在下において試薬(例えばNBS)を用いたin situブロム化の組み合わせを用いることにより、個々にブロモケトンB-6へと合成され得る。
スキームC
ジブロミドC-1は、スキームBに記載の合成経路を用いることによって、ブロモケトンC-2aへと合成され得る。最終的なブロム化工程の間に困難が生じた場合、イミダゾールフラグメントC-2を競合的にブロム化してC-2bを得て、その後、かかる種をスキームAに記載のイミダゾール合成工程に進めた後、還元的条件(例えば、パラジウム/炭素-触媒(assisted)水素化)下において、ブロミドを除去することが可能である。別法として、ジブロミドC-1はモノリチオ化(monolithiated)およびBoc-グリシンのワインレブ(Weinerb)アミドを用いてクエンチされ得て、位置異性体ブロミドC-3が得られる。分離された位置異性体を、スズキ-ミヤウラ条件下においてC-4とカップリングさせて、カルバメートC-5が得られ得る。
スキームDおよびスキームE
スキームDにおいて、アミンD-1を、熱的条件下において2,5-ジメトキシテトラヒドロフランと縮合させた後、得られたピロールをメチル 2-クロロ-2-オキソアセテート、もしくは そのエステル変異体のいずれかと反応させて、ケトエステルD-3を得ることができる。酸性条件下におけるBoc基の除去、その後のin situ酸化により、ジエステルD-6を得ることができる。ジエステルD-6をCH
2ICl/LDAで処理することにより、クロロケトンD-7を得ることができる。D-7の位置異性体の製造を、スキームEに記載の改変経路(メチル 2-クロロ-2-オキソアセテートの代わりにメチル 4-(クロロカルボニル)ベンゾエートを用いる)に従って、行うことができる。
スキームB〜Eに記載の合成経路は図Aに記載のジハロゲン前駆体に同等に適用可能でありうることが当業者には明らかである。また、スキームA〜Eに記載の経路の改変を用いて、スキームFに例示の最終生成物のホモ二量体変異形を製造することができることも、当業者には明らかである。
スキーム1:置換フェニルグリシン誘導体
置換フェニルグリシン誘導体は、下記で例示されているいくつかの方法によって製造することができる。フェニルグリシンt-ブチルエステルは、酸性媒質中において、適当なアルデヒドおよび還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム)によって還元的にアルキル化され得る(経路A)。該t-ブチルエステルの加水分解は、強酸(例えばHClまたはトリフルオロ酢酸)によって達成され得る。別法として、フェニルグリシンは、ハロゲン化アルキル(例えばヨウ化エチル)および塩基(例えば炭酸水素ナトリウムまたは炭酸カリウム)によってアルキル化され得る(経路B)。経路Cは、経路Aにおけるようなフェニルグリシンの還元的アルキル化、それに続く還元剤および酸の存在下での代替アルデヒド(例えばホルムアルデヒド)による第2の還元的アルキル化を例示する。経路Dは、対応するマンデル酸類似体を介した置換フェニルグリシンの合成を例示する。能力のある脱離基への第二級アルコールの変換は、p-トルエンスルホニルクロリドによって達成され得る。適当なアミンによるトシレート基の置換、それに続くベンジルエステルの還元的除去によって、置換フェニルグリシン誘導体を得ることができる。経路Eにおいて、ラセミの置換フェニルグリシン誘導体は、鏡像異性的に純粋なキラル補助基(例えば、これらに限定されないが、(+)-1-フェニルエタノール、(-)-1-フェニルエタノール、Evan'sオキサゾリジノン、または鏡像異性的に純粋なパントラクトン)を用いたエステル化によって分割される。ジアステレオマーの分離は、クロマトグラフィー(シリカゲル、HPLC、結晶化など)、それに続くキラル補助基の除去によって達成され、鏡像異性的に純粋なフェニルグリシン誘導体が得られる。経路Hは、経路Eと交わる合成シークエンスを例示しており、その中で、上記のキラル補助基はアミン添加の前に導入される。別法として、アリール酢酸のエステルは、ブロモニウムイオン源(例えば、臭素、N-ブロモスクシンイミド、またはCBr
4)によって臭素化することができる。得られたベンジル型ブロミドは、トリエチルアミンまたはヒューニッヒ塩基などの第三級アミン塩基の存在下で種々の一置換または二置換アミンによって置き換えることができる。低温での水酸化リチウム、あるいは高温での6N HClを用いた処理によるメチルエステルの加水分解によって、置換フェニルグリシン誘導体が得られる。別の方法を、経路Gに示す。グリシン類似体は、パラジウム(0)源(例えばパラジウムビス(トリブチルホスフィン))および塩基(例えばリン酸カリウム)の存在下において、種々のハロゲン化アリールによって誘導体化することができる。次いで、得られたエステルを、塩基または酸を用いた処理によって加水分解することができる。フェニルグリシン誘導体を製造するための他の周知の方法が当技術分野に存在し、この記載において目的の化合物を得るために改変することができることが理解されるべきである。最終フェニルグリシン誘導体は、プレパラティブHPLCによって98%eeを超えるエナンチオマー純度まで精製することができることもまた理解されるべきである。
スキーム2:アシル化アミノ酸誘導体
本発明の別の実施態様において、アシル化フェニルグリシン誘導体を以下に例示の通り製造してもよい。カルボン酸が容易に除去されるエステルとして保護されているフェニルグリシン誘導体をトリエチルアミンなどの塩基の存在下で酸塩化物によってアシル化して、対応するアミドを得てもよい(経路A)。経路Bは、適当なクロロホルメートによる出発フェニルグリシン誘導体のアシル化を例示し、一方経路Cは、適当なイソシアネートまたは塩化カルバモイルとの反応を示す。経路A〜Cに示される3つの中間体の各々は、当業者に公知の方法によって脱保護されうる(すなわち;HClまたはトリフルオロ酢酸などの強塩基によるt-ブチルエステルの処理)。
スキーム3
アミノ置換フェニル酢酸は、過剰量のアミンによるクロロメチルフェニル酢酸の処理によって製造されうる。
共通の酸前駆体の合成
以下に記載のもの以外のさらなる酸前駆体の合成については、WO 2011/059887中のCap-1〜Cap-176を参照。
Cap-177aおよびCap-177b
Cap-177aおよびCap-177b, 工程a
1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(0.985 mL, 7.85 mmol)を、撹拌したメチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(2.0 g, 6.0 mmol)/EtOAc(40 mL)溶液に加え、該混合液をN
2下において室温で10分間撹拌した。次いで、ジヒドロ-2H-ピラン-3(4H)-オン(0.604 g, 6.04 mmol)を加え、該混合液を室温で16時間撹拌した。その後、該反応混合液をフリーザーにおいて10分間冷却し、クエン酸水溶液(1.5 g/20 mL 水)を用いて中和した。2つの相を分配し、有機層を0.25 N HCl水溶液および食塩水で洗浄した後、乾燥させ(MgSO
4)、無色の油状物まで濃縮した。粗物質を、フラッシュシリカゲル(flash silica)クロマトグラフィー(ローディング溶媒: DCM, EtOAc/ヘキサンで溶出, 20%〜30% EtOAcのグラジエント)により精製して、2つの異性体生成物を得た: 第1に溶出された生成物は(Z)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(2H-ピラン-3(4H,5H,6H)-イリデン)アセテート(490 mg)(白色の固形物)であり、第2は(E)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(2H-ピラン-3(4H,5H,6H)-イリデン)アセテート(433 mg)(白色の固形物)であった。 LC-MS 保持時間 1.398分(Z-異性体について)および1.378分(E-異性体について); m/z 304.08(Z-異性体について)および304.16(E-異性体について)(MH-). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220 nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H
2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H
2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) (Z-異性体について) δ ppm 7.30 - 7.44 (m, 5 H), 6.18 (br. s., 1 H), 5.10 - 5.17 (m, 2 H), 4.22 (s, 2 H), 3.78 (br. s., 3 H), 2.93 - 3.02 (m, 2 H), 1.80 (dt, J=11.7, 5.8 Hz, 2 H), 1.62 (s, 2 H).
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) (E-異性体について) δ ppm 7.31 - 7.44 (m, 5 H), 6.12 (br. s., 1 H), 5.13 - 5.17 (m, 2 H), 4.64 (br. s., 2 H), 3.70 - 3.82 (m, 5 H), 2.49 (t, J=6.5 Hz, 2 H), 1.80 (br. s., 2 H). (注:絶対位置化学は、
1H NMRシフトおよび結合定数によって決定された。)
Cap-177aおよびCap-177b, 工程b
(-)-1,2-ビス((2S,5S)-2,5-ジメチルホスホラノ)エタン(シクロオクタジエン)-ロジウム(I)テトラフルオロボレート(28.2 mg, 0.051 mmol)を、撹拌した(Z)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(2H-ピラン-3(4H,5H,6H)-イリデン)アセテート(310 mg, 1.015 mmol)/MeOH(10 mL)溶液に加え、該混合液を、N
2、続いてH
2で減圧フラッシュした後、該反応液を、H
2(60 psi)下において室温で2日間、撹拌した。該反応混合液を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ローディング溶媒:DCM, 20% EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、(S)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート(204 mg)を澄明な無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 1.437分; m/z 307.89 (MH+). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H
2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H
2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.30 - 7.46 (m, 5 H), 5.32 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 5.12 (s, 2 H), 4.36 (dd, J=8.9, 5.6 Hz, 1 H), 3.84 - 3.98 (m, 2 H), 3.77 (s, 3 H), 3.28 - 3.37 (m, 1 H), 3.23 (dd, J=11.3, 10.5 Hz, 1 H), 2.04 - 2.16 (m, 1 H), 1.61 - 1.75 (m, 3 H), 1.31 - 1.43 (m, 1 H).
他の立体異性体 ((E)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(2H-ピラン-3(4H,5H,6H)-イリデン)アセテート)(360 mg, 1.18 mmol)を同様の方法で還元して、(S)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート(214 mg)を澄明な無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 1.437分; m/z 308.03 (MH+). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.30 - 7.44 (m, 5 H), 5.31 (d, J=9.0 Hz, 1 H), 5.12 (s, 2 H), 4.31 (dd, J=8.7, 6.9 Hz, 1 H), 3.80 - 3.90 (m, 2 H), 3.77 (s, 3 H), 3.37 (td, J=10.8, 3.5 Hz, 1 H), 3.28 (dd, J=11.3, 9.8 Hz, 1 H), 1.97 - 2.10 (m, 1 H), 1.81 (d, J=11.5 Hz, 1 H), 1.61 - 1.72 (m, 2 H), 1.33 - 1.46 (m, 1 H).
Cap-177aおよびCap-177b, 工程c
10%Pd/C(69.3 mg, 0.065 mmol)を、MeOH(10 mL)中の(S)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート(200 mg, 0.651 mmol)および二炭酸ジメチル[4525-33-1](0.104 mL, 0.976 mmol)の溶液に加えた。該反応混合液を、N
2、続いてH
2で減圧フラッシュした後、該反応液をH
2(55 psi)下において室温で5時間、撹拌した。該反応混合液をセライト(登録商標)/シリカパッドにより濾過し、該濾液を無色の油状物まで濃縮した。該クルードな油状物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ローディング溶媒:DCM, 30% EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、生成物(S)-メチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート(132 mg)を無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 0.92分; m/z 231.97 (MH+). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H
2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H
2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 5.24 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 4.34 (dd, J=8.9, 5.6 Hz, 1 H), 3.84 - 3.97 (m, 2 H), 3.77 (s, 3 H), 3.70 (s, 3 H), 3.29 - 3.38 (m, 1 H), 3.23 (dd, J=11.2, 10.4 Hz, 1 H), 2.03 - 2.14 (m, 1 H), 1.56 - 1.75 (m, 3 H), 1.32 - 1.43 (m, 1 H).
別のジアステレオマー ((S)-メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート)を同様の方法で変換して、(S)-メチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテートを澄明な無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 0.99分; m/z 231.90 (MH+). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220 nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 5.25 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 4.29 (dd, J=8.4, 7.2 Hz, 1 H), 3.82 - 3.90 (m, 2 H), 3.77 (s, 3 H), 3.70 (s, 3 H), 3.37 (td, J=10.8, 3.3 Hz, 1 H), 3.28 (t, J=10.5 Hz, 1 H), 1.96 - 2.08 (m, 1 H), 1.81 (dd, J=12.9, 1.6 Hz, 1 H), 1.56 - 1.72 (m, 2 H), 1.33 - 1.46 (m, 1 H).
Cap-177aおよびCap-177b
室温で撹拌中の(S)-メチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート(126 mg, 0.545 mmol)/THF(4 mL)溶液に、1M LiOH(1.090 mL, 1.090 mmol)/水溶液を加えた。該反応液を室温で3時間撹拌し、1M HCl(1.1 mL)で中和し、EtOAc(3x 10 mL)で抽出した。有機物質を乾燥させ、濾過し、濃縮して、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)酢酸(Cap-177a)(125 mg)を澄明な無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 0.44分; m/z 218.00 (MH+). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220 nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 5.28 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 4.38 (dd, J=8.7, 5.6 Hz, 1 H), 3.96 - 4.04 (m, 1 H), 3.91 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 3.71 (s, 3 H), 3.33 - 3.41 (m, 1 H), 3.24 - 3.32 (m, 1 H), 2.10 - 2.24 (m, 1 H), 1.74 - 1.83 (m, 1 H), 1.63 - 1.71 (m, 2 H), 1.35 - 1.49 (m, 1 H).
別のジアステレオマー ((S)-メチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセテート)を同様の方法で変換して、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)酢酸 (Cap-177b)を澄明な無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 0.41分; m/z 217.93 (MH+). LCデータは、PHENOMENEX(登録商標) Luna 10u C18 3.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、220nMの検出波長にてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件として、流速 4 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 3分、ホールド時間 1分、および分析時間 4分を用いた(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H2O/10 mM酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H2O/95%MeOH/10 mM酢酸アンモニウムであった)。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用のMICROMASS(登録商標) Platformを用いて決定した。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.18 (br. s., 1 H), 5.39 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 4.27 - 4.37 (m, 1 H), 3.82 - 3.96 (m, 2 H), 3.72 (s, 3 H), 3.42 (td, J=10.8, 3.3 Hz, 1 H), 3.35 (t, J=10.4 Hz, 1 H), 2.01 - 2.18 (m, 1 H), 1.90 (d, J=11.8 Hz, 1 H), 1.59 - 1.76 (m, 2 H), 1.40 - 1.54 (m, 1 H).
Cap-178
Cap-178, 工程a
水素化タンク(hydrogenation tank)中の、20 mLのMeOH中の(2S,3S,4S)-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル ジアセテート(5 g, 23.34 mmol)の溶液に、Pd/C(150 mg, 0.141 mmol)を加えた。得られた混合液を、40 psiにて、パール(Parr)シェーカーにおいて1時間、水素化した。その後、該混合液を濾過し、該濾液を濃縮してCap-178, 工程a(5.0 g)を澄明な油状物として得て、それを静置して固化させた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.85 - 4.94 (1 H, m), 4.69 (1 H, t, J=9.46 Hz), 3.88 - 3.94 (1 H, m), 3.44 (1 H, td, J=12.21, 1.83 Hz), 3.36 (1 H, dq, J=9.42, 6.12 Hz), 2.03 - 2.08 (1 H, m), 2.02 (3 H, s), 2.00 (3 H, s), 1.70 - 1.80 (1 H, m), 1.16 (3 H, d, J=6.10 Hz).
Cap-178, 工程b
50 mLのMeOH中のCap-178, 工程a(5.0 g, 23 mmol)の溶液に、数滴のナトリウムメトキシドを加えた。室温で30分間撹拌した後、ナトリウムメトキシド(0.1 mL, 23.12 mmol)を加え、該溶液を室温で終夜撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去した。残渣をベンゼンで希釈し、濃縮して、対応するジオールを黄色の固形物として得た。該固形物を50 mLのピリジン中に溶解させ、この溶液に、-35℃にて塩化ベンゾイル(2.95 mL, 25.4 mmol)を滴下した。得られた混合液を、-35℃で1時間撹拌した後、室温で終夜撹拌した。該混合液を、Et
2Oで希釈し、水で洗浄した。水層をEtOAc(2X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 5%-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-178, 工程b(4.5 g)を澄明な油状物として得て、それを長時間静置することによりゆっくりと結晶化させた。 LC/MS: [M+Na]
+ C
13H
16NaO
4として計算;計算値: 259.09; 実測値 259.0.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.02 - 8.07 (2 H, m), 7.55 - 7.61 (1 H, m), 7.45 (2 H, t, J=7.78 Hz), 5.01 (1 H, ddd, J=11.44, 8.70, 5.49 Hz), 3.98 (1 H, ddd, J=11.90, 4.88, 1.53 Hz), 3.54 (1 H, td, J=12.36, 2.14 Hz), 3.41 (1 H, t, J=9.00 Hz), 3.31 - 3.38 (1 H, m), 2.13 - 2.19 (1 H, m), 1.83 - 1.94 (1 H, m), 1.36 (3 H, d, J=5.80 Hz).
Cap-178, 工程c
6 mLのCS
2中のNaH(1.143 g, 28.6 mmol)(60%/鉱物油)の混合液に、40 mLのCS
2中のCap-178, 工程b(4.5 g, 19 mmol)を15分かけて滴下した。得られた混合液を室温で30分間撹拌した。該混合液は、いくらかの固形物を伴って薄いオレンジ色に変化した。その後、MeI(14.29 mL, 229 mmol)を20分かけて滴下した。次いで、該混合液を室温で終夜撹拌した。該反応液を、飽和NH
4Cl溶液を用いて慎重にクエンチした。該混合液をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 6% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-178, 工程c(3.13 g)を澄明な油状物として得た。 LC/MS: [M+Na]
+ C
15H
18NaO
4S
2として計算;計算値: 349.05; 実測値 349.11.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.94 - 8.00 (2 H, m), 7.50 - 7.58 (1 H, m), 7.41 (2 H, t, J=7.78 Hz), 5.96 (1 H, t, J=9.46 Hz), 5.28 (1 H, ddd, J=11.37, 9.38, 5.49 Hz), 4.02 (1 H, ddd, J=11.98, 4.96, 1.68 Hz), 3.54 - 3.68 (2 H, m), 2.48 (3 H, s), 2.31 (1 H, dd), 1.88 - 1.99 (1 H, m), 1.28 (3 H, d).
Cap-178, 工程d
40 mLのベンゼン中のCap-178, 工程c(3.13 g, 9.59 mmol)およびAIBN(120 mg, 0.731 mmol)の混合液に、80℃にて、水素化トリ-n-ブチルスズ(10.24 mL, 38.4 mmol)を加えた。得られた混合液を還流温度で20分間撹拌した後、室温まで冷却した。該混合液をジエチルエーテルで希釈し、100 mLのKF(10 g)水溶液を加え、該混合液を30分間激しく撹拌した。次いで、2つの層を分離し、水相をEtOAc(2X)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 3% Et
3N/ヘキサンを用いて不活性化させ、3% Et
3N/ヘキサンでフラッシュしてトリブチルスズ誘導体を除去し、次いで15% EtOAc/ヘキサンで溶出した)により精製して、Cap-178, 工程d(1.9 g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.98 - 8.07 (2 H, m), 7.52 - 7.58 (1 H, m), 7.43 (2 H, t, J=7.63 Hz), 5.08 - 5.17 (1 H, m), 4.06 (1 H, ddd, J=11.90, 4.88, 1.53 Hz), 3.50 - 3.59 (2 H, m), 2.08 - 2.14 (1 H, m), 1.99 - 2.06 (1 H, m), 1.69 - 1.80 (1 H, m), 1.41 - 1.49 (1 H, m), 1.24 (3 H, d, J=6.10 Hz).
Cap-178, 工程e
10 mLのMeOH中のCap-178, 工程d(1.9 g, 8.63 mmol)の混合液に、ナトリウムメトキシド(2 mL, 4.00 mmol)(2 M/メタノール)を加えた。得られた混合液を室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。該混合液を、飽和NH
4Cl溶液を用いて中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-178, 工程e(0.8 g)を澄明な油状物として得た。該生成物を、さらなる精製は行わずに次の工程で用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.01 (1 H, ddd, J=11.80, 5.02, 1.76 Hz), 3.73 - 3.83 (1 H, m), 3.36 - 3.46 (2 H, m), 1.92 - 2.00 (1 H, m), 1.88 (1 H, m), 1.43 - 1.56 (1 H, m), 1.23 (3 H, d), 1.15 - 1.29 (1 H, m).
Cap-178, 工程f
トシル-Cl(2.63 g, 13.77 mmol)を、100 mLのCH
2Cl
2中のCap-178, 工程e(0.8 g, 6.89 mmol)およびピリジン(2.23 mL, 27.5 mmol)の溶液に加えた。得られた混合液を室温で3日間撹拌した。次いで、10 mLの水を該反応混合液中に加え、該混合液を室温で1時間撹拌した。2つの層を分離し、有機相を水および1 N HCl水溶液で洗浄した。有機相を、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-178, 工程f(1.75 g)を薄黄色の固形物として得た。該生成物を、さらなる精製は行わずに次の工程で用いた。 [M+H]
+ C
13H
19O
4Sとして計算;計算値: 271.10; 実測値 270.90.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.79 (2 H, d, J=8.24 Hz), 7.34 (2 H, d, J=7.93 Hz), 4.53 - 4.62 (1 H, m), 3.94 (1 H, ddd, J=12.13, 4.96, 1.83 Hz), 3.29 - 3.41 (2 H, m), 2.45 (3 H, s), 1.90 - 1.97 (1 H, m), 1.79 - 1.85 (1 H, m), 1.64 - 1.75 (1 H, m), 1.38 - 1.48 (1 H, m), 1.17 (3 H, d, J=6.10 Hz).
Cap-178, 工程g
マイクロ波チューブに、エチル 2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(1.6 g, 5.92 mmol)およびCap-178, 工程f(1.6 g, 5.92 mmol)を入れた。10 mLのトルエンを加えた。該チューブを密閉し、LiHMDS(7.1 mL, 7.10 mmol)(1 N/トルエン)をN
2下において滴下した。得られた濃い茶色の溶液を、マイクロ波照射下において100℃で6時間、加熱した。次いで、該混合液に水を加え、該混合液をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-3, 工程g(3.1 g)のジアステレオマー混合物をオレンジ色の油状物として得た。該粗混合物を分離せずに次の工程に用いた。 LC/MS: [M+H]
+ C
23H
28NO
3として計算;計算値: 366.21; 実測値 366.3.
Cap-178, 工程h
20 mLのTHF中のエチル Cap-178, 工程gのジアステレオマー混合物の溶液に、HCl(30 ml, 60.0 mmol)(2 N 水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で1時間撹拌した。該混合液をEtOAcで抽出し、水層を濃縮して、Cap-178, 工程hのHCl塩(1.9 g)をオレンジ色の油状物として得た。該塩を、さらなる精製は行わずに次の工程に用いた。 LC/MS: [M+H]
+ C
10H
20NO
3として計算;計算値: 202.14; 実測値 202.1.
Cap-178, 工程i
20 mLのCH
2Cl
2中の、1.9 g Cap-178, 工程h(HCl塩)、DiPEA(4.19 mL, 24.0 mmol)およびクロロギ酸メチル(1.24 mL, 16.0 mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌した。該混合液をCH
2Cl
2で希釈し、水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-20% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-178, 工程i(1.1 g)を黄色の油状物として得た。 [M+Na]
+ C
12H
21NNaO
5として計算;計算値: 282.13; 実測値 282.14.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.16 (1 H, br. s.), 4.43 - 4.58 (1 H, m), 4.17 - 4.28 (2 H, m), 3.89 - 4.03 (1 H, m), 3.72 - 3.78 (2 H, m), 3.67 - 3.72 (3 H, m), 2.07 - 2.19 (1 H, m), 1.35 - 1.77 (4 H, m), 1.30 (3 H, td, J=7.09, 2.89 Hz), 1.19 (3 H, d, J=6.53 Hz).
Cap-178, 工程j
5 mLのTHFおよび2 mLの水中のCap-178, 工程i(1.1 g, 4.2 mmol)の混合液に、LiOH(6.36 mL, 12.7 mmol)(2 N 水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜撹拌した。次いで、該混合液を1 N HCl水溶液を用いて中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-178, 工程j(0.8 g)を澄明な油状物として得た。 LC/MS: [M+H]
+ C
10H
18NO
5として計算;計算値: 232.12; 実測値 232.1.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.20 (1 H, d, J=8.28 Hz), 4.54 (1 H, t, J=8.16 Hz), 3.95 - 4.10 (1 H, m), 3.66 - 3.85 (5 H, m), 2.15 - 2.29 (1 H, m), 1.41 - 1.85 (4 H, m), 1.23 (3 H, dd, J=6.53, 1.76 Hz).
Cap-178, 工程k
10 mLのCH
2Cl
2中のCap-178, 工程j(240 mg, 1.04 mmol)、(S)-1-フェニルエタノール(0.141 mL, 1.142 mmol)およびEDC(219 mg, 1.14 mmol)の溶液に、DMAP(13.95 mg, 0.114 mmol)を加えた。得られた溶液を室温で終夜撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、EtOAcに溶解させ、水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-178, 工程kを2つのジアステレオマーの混合物として得た。該混合物を、15 mL/分にて、90% 0.1%ジエチルアミン/ヘプタン-10% EtOHで溶出するキラルHPLC(CHIRALPAK(登録商標) AS column, 21 x 250 mm, 10 um)により分離して、Cap-178, 工程k 立体異性体1(第1に溶出)およびCap-178, 工程k 立体異性体2(第2に溶出)を白色の固形物として得た。該異性体の立体化学は帰属させなかった。
Cap-178, 工程k 立体異性体1 (130 mg): LC/MS: [M+Na]+ C18H25NNaO5として計算;計算値: 358.16; 実測値 358.16. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 7.28 - 7.38 (5 H, m), 5.94 (1 H, q, J=6.71 Hz), 5.12 (1 H, d, J=9.16 Hz), 4.55 (1 H, t, J=9.00 Hz), 3.72 - 3.81 (1 H, m), 3.67 (3 H, s), 3.60 - 3.70 (2 H, m), 1.98 - 2.08 (1 H, m), 1.59 (3 H, d, J=6.71 Hz), 1.38 - 1.47 (2 H, m), 1.30 (2 H, t, J=5.34 Hz), 0.93 (3 H, d, J=6.41 Hz).
Cap-178, 立体異性体1
10 mLのEtOH中のCap-178, 工程k 立体異性体1 ((S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-((2S,4R)-2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸)(150 mg, 0.447 mmol)の溶液に、Pd/C(20 mg, 0.188 mmol)を加え、該混合液をパールシェーカーにおいて40 psiで終夜、水素化した。次いで、該混合液を濾過し、該濾液を濃縮して、Cap-178, 立体異性体1(100 mg)を粘着性の白色の固形物として得た。 LC/MS: [M+H]+ C10H18NO5として計算;計算値: 232.12; 実測値 232.1. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.14 - 5.27 (1 H, m), 4.51 (1 H, t, J=8.39 Hz), 3.90 - 4.07 (1 H, m), 3.60 - 3.83 (5 H, m), 2.06 - 2.27 (1 H, m), 1.45 - 1.77 (4 H, m), 1.21 (3 H, d, J=6.41 Hz).
Cap-179 ((S)-エナンチオマーまたは(R)-エナンチオマー)
Cap-179, 工程a
2,6-ジメチル-4H-ピラン-4-オン(15 g, 121 mmol)をエタノール(300 mL)に溶解させ、10% Pd/C(1.28 g, 1.21 mmol)を加えた。該混合液を、パールシェーカーにおいて、H
2(70 psi)下、室温で12時間、水素化した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドによって濾過し、エタノールで洗浄した。濾液を減圧濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10%〜30% EtOAc/ヘキサン)により精製した。2つの澄明な油状物の画分を単離した。第1の溶出画分は(2R,4r,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-オール(Cap-1, 工程a)と(2R,4s,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-オール(1.2 g)の混合物であり、一方、後の溶出画分はCap-179, 工程a(10.73 g)に相当していた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.69 - 3.78 (1 H, m), 3.36 - 3.47 (2 H, m), 2.10 (1 H, br. s.), 1.88 (2 H, dd, J=12.05, 4.73 Hz), 1.19 (6 H, d, J=6.10 Hz), 1.10 (2 H, q, J=10.70 Hz).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ ppm 71.44 (2 C), 67.92 (1 C), 42.59 (2 C), 21.71 (2 C).
Cap-179, 工程b
DEAD(166 mL, 330 mmol)を、ベンゼン(750 mL)中のCap-179, 工程a(10.73, 82 mmol)、4-ニトロ安息香酸(48.2 g, 288 mmol)およびPh
3P(86 g, 330 mmol)の溶液に滴下した。熱の発生が見られ。得られた琥珀色の溶液を、周囲温度で18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEt
2O(200 mL)でトリチュレートして、トリフェニルホスフィンオキシド(10 g)を除去した。残った混合液をBiotage(登録商標)(0〜5% EtOAc/ヘキサン; 300g カラム X 4)により生成した。Cap-179, 工程bに相当する白色の固形物(19.36 g)を単離した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.27 - 8.32 (2 H, m), 8.20 - 8.24 (2 H, m), 5.45 (1 H, 5重線, J=2.82 Hz), 3.92 (2 H, dqd, J=11.90, 6.10, 1.53 Hz), 1.91 (2 H, dd, J=14.80, 2.29 Hz), 1.57 (2 H, dt, J=14.65, 3.05 Hz), 1.22 (6 H, d, J=6.10 Hz).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ ppm 163.81 (1 C), 150.55 (1 C), 135.94 (1 C), 130.64 (2 C), 123.58 (2 C), 70.20 (1 C), 68.45 (2 C), 36.95 (2 C), 21.84 (2 C). LC-MS: [M]
+ C
14H
17NO
5として計算;計算値: 279.11; 実測値 279.12.
Cap-179, 工程c
LiOH(8.30 g, 347 mmol)/水(300 mL)溶液をCap-179, 工程b(19.36 g, 69.3 mmol)/THF(1000 mL)溶液に加え、得られた混合液を周囲温度で16時間攪拌した。THFを減圧下で除去し、水層をさらなる水(200 mL)で希釈し、EtOAc(3 X 200 mL)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。白色の固形物を伴う油状の残渣を除去した。該混合物をヘキサンでトリチュレートし、該固形物を濾過により除去して、Cap-179, 工程cに相当する澄明な油状物(8.03 g)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.21 (1 H, 5重線, J=2.82 Hz), 3.87 - 3.95 (2 H, m), 1.72 (1 H, br. s.), 1.63 (2 H, dd, J=14.34, 2.14 Hz), 1.39 - 1.47 (2 H, m), 1.17 (6 H, d, J=6.41 Hz).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ ppm 67.53 (2 C), 64.71 (1 C), 39.99 (2 C), 21.82 (2 C).
Cap-179, 工程d
p-トシルクロリド(23.52 g, 123 mmol)を、CH
2Cl
2(750 mL)中のCap-179, 工程c(8.03 g, 61.7 mmol)およびピリジン(19.96 mL, 247 mmol)の溶液に加え、室温で36時間攪拌した。該反応が完了していなかったので、CH
2Cl
2を減圧下で除去し、さらに48時間、攪拌を続けた。次いで、該混合液を、CH
2Cl
2(100 mL)および水(100 mL)に加え、周囲温度で2時間攪拌した。該混合液を分離し、有機層を、1N HCl水溶液(2 X 50 mL)を用いて十分に洗浄した。その後、有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。Cap-179, 工程dに相当する黄色の油状物(14.15 g)を単離し、減圧下でオフホワイト色の固形物として固化させた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.80 (2 H, d, J=8.24 Hz), 7.35 (2 H, d, J=7.93 Hz), 4.88 (1 H, 5重線, J=2.82 Hz), 3.79 - 3.87 (2 H, m), 2.46 (3 H, s), 1.76 (2 H, dd, J=14.50, 2.59 Hz), 1.36 (2 H, ddd, J=14.34, 11.60, 2.75 Hz), 1.12 (6 H, d, J=6.10 Hz).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ ppm 144.64 (1 C), 134.24 (1 C), 129.82 (2 C), 127.61 (2 C), 77.34 (1 C), 67.68 (2 C), 37.45 (2 C), 21.61 (1 C), 21.57 (2 C). LC-MS: [2M+H]
+ C
28H
41O
8S
2として計算;計算値: 569.22; 実測値 569.3.
Cap-179, 工程e
LiHMDS(29.7 mL, 29.7 mmol, 1 M/THF)を、室温で圧力チューブにおいて、トルエン(80 mL)中のCap-179, 工程d(7.05 g, 24.8 mmol)およびベンジル 2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(8.57 g, 26.0 mmol)の溶液に加えた後、得られた混合液を100℃で5時間攪拌した。該反応液を、水(100 mL)でクエンチし、EtOAcで抽出し、水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、Biotage(登録商標)(0%〜15% EtOAc/ヘキサン; 240g カラム)により精製して、Cap-179, 工程eに相当する黄色の油状物(8.76 g)をラセミ混合物として単離した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.62 - 7.71 (2 H, m), 7.30 - 7.45 (11 H, m), 7.05 (2 H, dd, J=7.65, 1.63 Hz), 5.13 - 5.22 (2 H, m), 3.89 (1 H, d, J=6.78 Hz), 3.46 (2 H, dquind, J=11.27, 5.90, 2.01 Hz), 2.34 - 2.45 (1 H, m), 1.58 - 1.66 (1 H, m), 1.34 - 1.43 (1 H, m), 1.19 (3 H, d, J=6.02 Hz), 1.03 - 1.16 (4 H, m), 0.83 - 0.97 (1 H, m) .
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ ppm 170.84 (1 C), 170.68 (1 C), 139.01 (1 C), 135.96 (1 C), 135.51 (1 C), 130.04 (1 C), 128.49 (2 C), 128.20 (1 C), 128.09 (4 C), 127.97 (2 C), 127.85 (1 C), 127.67 (2 C), 127.47 (2 C), 72.76 (1 C), 72.46 (1 C), 69.77 (1 C), 65.99 (1 C), 39.11 (1 C), 35.90 (1 C), 35.01 (1 C), 21.74 (1 C), 21.65 (1 C). LC-MS [2M+Na]
+ C
58H
62N
2NaO
6として計算;計算値: 905.45; 実測値 905.42.
Cap-179, 工程f
Cap-179, 工程e(8.76 g, 19.84 mmol)をTHF(100 mL)中に溶解させ、2 N HCl/水(49.6 mL, 99 mmol)で処理した。得られた澄明な溶液を周囲温度で4時間攪拌した後、THFを減圧下で除去した。残った水層をEtOAc(3 X 30 mL)で抽出し、減圧下で濃縮して、対応するクルードなアミンを得た。残渣を、CH
2Cl
2(100 mL)中に溶解させ、DIEA(11.8 mL, 67.6 mmol)およびクロロギ酸メチル(1.962 mL, 25.3 mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で2時間攪拌した。該反応混合液をCH
2Cl
2(50 mL)で希釈し、水(100 mL)および食塩水(100 mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。残渣を、Biotage(登録商標)(15%〜25% EtOAc/ヘキサン; 80 g カラム)により精製した。ラセミのCap-179, 工程f(5.27 g)に相当する澄明な無色の油状物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.32 - 7.41 (5 H, m), 5.13 - 5.28 (3 H, m), 4.36 (1 H, dd, J=8.16, 4.64 Hz), 3.69 (3 H, s), 3.30 - 3.47 (2 H, m), 2.00 - 2.16 (1 H, m), 1.52 (1 H, d, J=12.55 Hz), 1.33 (1 H, d, J=12.30 Hz), 1.15 (6 H, dd, J=6.02, 5.02 Hz), 0.88 - 1.07 (2 H, m).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ ppm 171.39 (1 C), 156.72 (1 C), 135.20 (2 C), 128.60 (2 C), 128.57 (1 C), 128.52 (2 C), 72.77 (1 C), 72.74 (1 C), 67.16 (1 C), 57.81 (1 C), 52.40 (1 C), 38.85 (1 C), 35.56 (1 C), 34.25 (1 C), 21.94 (2 C). LC-MS: [M+H]
+ C
18H
26NO
5として計算;計算値: 336.18; 実測値 336.3.
CHIRALPAK(登録商標) AS-H column (50 x 500 mm, 20μm)において調整剤として20%エタノールを用いることにより、ラセミ混合物を分離するために、キラルメソッドを開発した(波長 = 220 nm, 流速 = 100 mL/分で22分, 溶媒A = 0.1%ジエチルアミン/ヘプタン, 溶媒B = EtOH)。2つの分離された異性体は、(S)-ベンジル 2-((2R,4r,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)アセテート(Cap-179, 工程f.1)(保持時間 = 9.8分, 2.2 g)および(R)-ベンジル 2-((2R,4r,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)アセテート(Cap-179, 工程f.2) (保持時間 = 16.4分, 2.1 g)に対応し、それらは各々、対応する混合物と同一の分析データを示した(上記参照)。
Cap-179 [(S)-エナンチオマー]
(S)-ベンジル 2-((2R,4r,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)アセテート(Cap-179, 工程f.1)(2.2 g, 6.6 mmol)を、パールボトルにおいて、MeOH(50 mL)中に溶解させ、10% Pd/C(0.349 g, 0.328 mmol)を加えた。次いで、該懸濁液をパールシェーカーに入れ、該混合液をN2(3X)でフラッシュし、40 psiのH2下に置き、室温で15時間振盪させた。触媒を、珪藻土(セライト(登録商標))のパッドによって濾過して除き、溶媒を減圧下で除去して、(S)-Cap-179に相当する琥珀色の固形物(1.6 g)を得た。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.74 (1 H, br. s.), 7.35 (1 H, d, J=6.10 Hz), 3.85 (1 H, br. s.), 3.53 (3 H, s), 3.35 (2 H, ddd, J=15.95, 9.99, 6.10 Hz), 1.97 (1 H, br. s.), 1.48 (2 H, t, J=13.28 Hz), 1.06 (6 H, d, J=6.10 Hz), 0.82 - 1.00 (2 H, m). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ ppm 176.93 (1 C), 156.72 (1 C,), 72.10 (1 C), 71.92 (1 C), 58.54 (1 C), 51.35 (1 C), 36.88 (1 C), 35.82 (1 C), 34.71 (1 C), 21.90 (2 C). 注記: 絶対立体化学の帰属は、(S)-フェネタノール(phenethanol)エステル誘導体の単結晶X線解析により行った。Cap-179 [(R)-エナンチオマー]を同様に製造した: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.50 (1 H, br. s.), 7.31 (1 H, br. s.), 3.84 (1 H, t, J=7.32 Hz), 3.53 (3 H, s), 3.29 - 3.41 (2 H, m), 1.99 (1 H, s), 1.48 (2 H, t, J=14.34 Hz), 1.06 (6 H, d, J=6.10 Hz), 0.95 (1 H, q, J=12.21 Hz), 0.87 (1 H, q, J=11.80 Hz). [注記:該エナンチオマーの1H NMR 特性におけるわずかな差違は、サンプル濃度の差によるものと考えられる。]
Cap-180 (ラセミ混合物)
Cap-180, 工程a
p-トシル-Cl(4.39 g, 23.0 mmol)を、CH
2Cl
2(50 mL)中のCap-179, 工程a(1.50 g, 11.5 mmol)およびピリジン(3.73 mL, 46.1 mmol)の溶液に室温にて加え、2日間攪拌した。該反応液を、CH
2Cl
2で希釈し、水、次いで1 N HClで洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、黄色の油状物まで濃縮して、それをBIOTAGE(登録商標)(5%〜20% EtOAc/ヘキサン; 40g カラム)により精製した。減圧下において固化した、Cap-180, 工程aに相当する、澄明な油状物(2.89 g)を単離した。 LC-MS: [2M+Na]
+ C
28H
40NaO
8S
2として計算;計算値: 591.21; 実測値 591.3.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.80 (2 H, d, J=8.24 Hz), 7.35 (2 H, d, J=7.93 Hz), 4.59 (1 H, tt, J=11.37, 4.96 Hz), 3.36 - 3.46 (2 H, m), 2.46 (3 H, s), 1.91 (2 H, dd, J=12.05, 5.04 Hz), 1.37 (2 H, dt, J=12.67, 11.52 Hz), 1.19 (6 H, d, J=6.10 Hz).
Cap-180, 工程b
LiHMDS 1 N(7.09 mL, 7.09 mmol)を、トルエン(30 mL)中のCap-180, 工程a(1.68 g, 5.91 mmol)およびエチル 2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(1.579 g, 5.91 mmol)の溶液に室温にて加えた後、得られた混合液を85℃で16時間攪拌した。該反応液を水(50 mL)でクエンチし、EtOAcで抽出し、水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、BIOTAGE(登録商標)(0%〜15% EtOAc/ヘキサン; 40g カラム)により精製した。Cap-180, 工程bに相当する澄明な黄色がかった油状物(ラセミ混合物; 0.64 g)を単離した。 LC-MS: [M+H]
+ C
24H
30NO
3として計算;計算値: 380.22; 実測値 380.03.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.64 - 7.70 (2 H, m), 7.45 - 7.51 (3 H, m), 7.38 - 7.44 (1 H, m), 7.31 - 7.37 (2 H, m), 7.13 - 7.19 (2 H, m), 4.39 (1 H, d, J=10.54 Hz), 4.16 - 4.26 (2 H, m), 3.29 - 3.39 (1 H, m), 2.93 - 3.03 (1 H, m), 2.70 (1 H, m, J=9.41, 4.14 Hz), 1.42 - 1.49 (2 H, m), 1.31 - 1.37 (1 H, m), 1.29 (4 H, t, J=7.15 Hz), 1.04 (6 H, dd, J=7.78, 6.27 Hz).
Cap-180, 工程c
Cap-180, 工程b(0.36 g, 0.949 mmol)をTHF(10 mL)に溶解させ、2 N HCl(1.897 mL, 3.79 mmol)で処理した。得られた澄明な溶液を周囲温度で20時間攪拌し、THFを減圧下で除去した。得られた水層をヘキサン(3 X 20 mL)で抽出し、H
2O(20 mL)で希釈した後、水相を1 N NaOHでpH = 10まで塩基性化し、EtOAc(3 x 10 mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をCH
2Cl
2(10.00 mL)に溶解させ、DIEA(0.497 mL, 2.85 mmol)およびクロロギ酸メチル(0.081 mL, 1.044 mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で2時間攪拌し、該反応混合液を水(10 mL)でクエンチし、有機層を減圧下で除去した。水層をEtOAc(3 x 10 mL)で抽出し、有機層を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。Cap-180, 工程cに相当する琥珀色の油状物(0.21 g)を得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。 LC-MS: [M+H]
+ C
13H
24NO
5として計算;計算値: 273.17; 実測値 274.06.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.20 (1 H, d, J=8.03 Hz), 4.59 (1 H, t, J=10.16 Hz), 4.11 - 4.27 (3 H, m), 3.69 - 3.82 (2 H, m), 3.64 (3 H, s), 1.95 - 2.07 (1 H, m), 1.63 (1 H, d, J=13.80 Hz), 1.41 (2 H, dd, J=8.03, 4.02 Hz), 1.31 - 1.37 (1 H, m), 1.26 (3 H, t, J=7.15 Hz), 1.16 (1 H, d, J=6.27 Hz), 1.12 (6 H, dd, J=6.15, 3.89 Hz).
Cap-180 (ラセミ混合物)
Cap-180, 工程c(0.32 g, 1.2 mmol)をTHF(10 mL)に溶解させ、LiOH(0.056 g, 2.342 mmol)/水(3.33 mL)を0℃にて加えた。得られた溶液を室温で2時間攪拌した。THFを減圧下で除去し、残った残渣を水(15 mL)で希釈し、Et2O(2 x 10 mL)で洗浄した。その後、水層を1N HClでpH 〜2まで酸性化し、EtOAc(3 x 15 mL)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、Cap-180(ラセミ混合物)(0.2 g)を白色の泡状物質として得た。 LC-MS: [M+H]+ C11H20NO5として計算;計算値: 246.13; 実測値 246.00. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.14 (1 H, d, J=9.03 Hz), 4.65 (1 H, t, J=9.91 Hz), 3.63 - 3.89 (5 H, m), 1.99 - 2.13 (1 H, m), 1.56 - 1.73 (2 H, m), 1.48 - 1.55 (1 H, m), 1.35 - 1.48 (1 H, m), 1.27 (1 H, br. s.), 1.17 (6 H, d, J=6.02 Hz).
Cap-181
Cap-181, 工程a
50 mLのCH
2Cl
2中のtert-ブチル ジアゾアセテート(1.832 mL, 13.22 mmol)の溶液を、40 mLのCH
2Cl
2中の2,5-ジヒドロフラン(9.76 mL, 132 mmol)、酢酸ロジウム(II)二量体(0.058 g, 0.132 mmol)の混合液中に、5時間かけてシリンジポンプにより滴下した。その後、得られた混合液を室温で終夜攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル, 0%-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-181 工程a(トランス-異性体)(720 mg)およびCap-181, 工程a(シス-異性体)(360 mg)を澄明な油状物として得た。 Cap-181 工程a (トランス-異性体):
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.88 (2 H, d, J=8.55 Hz), 3.70 (2 H, d, J=8.55 Hz), 2.03 - 2.07 (2 H, m), 1.47 (1 H, t, J=3.20 Hz), 1.41 (9 H, s); Cap-181, 工程a (シス-異性体):
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.06 (2 H, d, J=8.53 Hz), 3.73 (2 H, d, J=8.03 Hz), 1.81 - 1.86 (2 H, m), 1.65 - 1.71 (1 H, m), 1.43 - 1.47 (9 H, m).
Cap-181, 工程b
15 mLのジエチルエーテル中の(Cap-181, 工程a(トランス-異性体))(700 mg, 3.80 mmol)の溶液に、-10℃にて、LiAlH
4(7.60 mL, 7.60 mmol)(1 M/THF)を、1時間かけて滴下した。得られた混合液を、-10℃で1時間、次いで室温で1時間攪拌した。その後、該混合液を-5℃まで冷却した。10 mLのロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)水溶液を滴下して該反応液をクエンチした。該混合液を室温で30分間攪拌した後、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-181, 工程b(380 mg)を薄黄色の油状物として得た。該生成物を、精製は行わずに次の工程で用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.85 (2 H, d, J=8.28 Hz), 3.68 (2 H, d, J=8.53 Hz), 3.45 - 3.55 (2 H, m), 1.50 - 1.56 (2 H, m), 1.02 - 1.11 (1 H, m).
Cap-181, 工程c
DMSO(4.82 mL, 67.9 mmol)/CH
2Cl
2(70 mL)溶液に、塩化オキサリル(3.14 mL, 35.8 mmol)を-78℃にて滴下した。得られた混合液を-78℃にて15分間攪拌した。35 mLのCH
2Cl
2中のCap-181, 工程b(3.10 g, 27.2 mmol)の溶液を加え、該混合液を-78℃で1時間攪拌した。次いで、Et
3N(18.93 mL, 136 mmol)を滴下した。30分後、冷却浴を取り外し、該反応液を、冷たい20%K
2HPO
4水溶液(10 mL)および水でクエンチした。該混合液を、室温にて15分間攪拌した後、Et
2Oで抽出した。層を分離した。水層をEt
2O(2X)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 100%CH
2Cl
2)により精製して、Cap-181, 工程c(2.71 g)を薄黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 9.41 (1 H, d, J=4.27 Hz), 3.96 (2 H, d, J=8.85 Hz), 3.80 (2 H, d, J=8.55 Hz), 2.27 - 2.33 (2 H, m), 1.93 (1 H, m).
Cap-181, 工程d
50 mLの水中のCap-181, 工程c(2.7 g, 24.08 mmol)の混合液に、0℃にて、亜硫酸水素ナトリウム(2.506 g, 24.08 mmol)およびKCN(1.631 g, 25.04 mmol)、次いで18 mLのMeOH中の(R)-2-アミノ-2-フェニルエタノール(3.30 g, 24.08 mmol)溶液を加えた。得られた混合液を室温で2時間攪拌した後、終夜、還流加熱した。該混合液を室温まで冷却した。100 mLのEtOAcを加えた。15分間混合した後、層を分離した。水層をEtOAc(2X)で抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。クルードなジアステレオマー混合物を、逆相HPLC(カラム: Water Sunfire 30 x 150 mm, アセトニトリル/水/NH
4OAc)により精製して、Cap-181, 工程dの2つのジアステレオマーを得た。各異性体の絶対立体化学は決定されなかった。ジアステレオマー1(遅い(later)溶出フラクション)(570 mg): LC-MS: [M+H]
+ C
15H
19N
2O
2として計算;計算値: 259.14; 実測値 259.2.
Cap-181, 工程e
20 mLのCH
2Cl
2および20 mLのMeOH中のCap-181, 工程d(ジアステレオマー1)(570 mg, 2.207 mmol)の溶液に、0℃にて四酢酸鉛(1174 mg, 2.65 mmol)を加えた。得られたオレンジ色の混合液を0℃で10分間攪拌した。次いで、水(20 mL)を該混合液に加え、該混合液を濾過した(セライト(登録商標))。該濾液を濃縮し、25 mLの6 N HCl水溶液で希釈した。得られた混合液を4時間還流した。該混合液を濾過し、CH
2Cl
2で洗浄した。水層を濃縮してCap-181, 工程e(HCl塩)を得た。該粗生成物をさらなる精製は行わずに次の工程に用いた。
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 3.87 - 3.91 (2 H, m), 3.73 (2 H, dd, J=8.70, 2.90 Hz), 3.55 (1 H, d, J=10.07 Hz), 2.02 - 2.07 (1 H, m), 1.94 - 1.99 (1 H, m), 1.03 - 1.10 (1 H, m).
Cap-181
1 N NaOH水溶液(10 mL)中の上記のクルードなCap-181, 工程eの混合液に炭酸水素ナトリウム(371 mg, 4.42 mmol)を加えた。次いで、クロロギ酸メチル(0.342 mL, 4.42 mmol)を滴下し、得られた混合液を室温で3時間攪拌した。該混合液を1 N HCl水溶液で中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、Cap-181(100 mg, 21% 2工程で)を薄黄色の油状物として得た。 LC-MS: [M+H]+ C9H14NO5として計算;計算値: 216.09; 実測値 216.1. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.29 (1 H, br. s.), 3.53 - 4.02 (8 H, m), 1.66 - 1.92 (2 H, m), 1.08 (1 H, br. s.).
Cap-182 (ラセミ混合物)
Cap-182 工程a
50 mLのCH
2Cl
2中のシクロペンタ-3-エノール(5 g, 59.4 mmol)およびEt
3N(9.94 mL, 71.3 mmol)の溶液を、室温で15分間攪拌した。次いで、塩化ベンゾイル(8.28 mL, 71.3 mmol)を滴下し、該混合液を室温で終夜攪拌した。その後、該混合液を水で洗浄し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, EtOAc/ヘキサン 0-10%)により精製して、Cap-182, 工程a(9.25 g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.01 - 8.07 (2 H, m), 7.55 (1 H, t, J=7.40 Hz), 7.43 (2 H, t, J=7.65 Hz), 5.79 (2 H, s), 5.64 (1 H, tt, J=6.93, 2.60 Hz), 2.87 (2 H, dd, J=16.56, 6.78 Hz), 2.52 - 2.63 (2 H, m).
Cap-182, 工程b
マグネチック撹拌子を有する丸底フラスコに、フッ化ナトリウム(5.02 mg, 0.120 mmol)およびCap-182, 工程a(2.25 g, 11.95 mmol)を加えた。該フラスコを最高100℃まで加熱し、ミートなトリメチルシリル 2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)アセテート(5.89 mL, 29.9 mmol)をシリンジポンプにより5時間かけてゆっくりと加え、100℃で終夜加熱した。次いで、該混合液をCH
2Cl
2で希釈し、水、飽和NaHCO
3水溶液および食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-5% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-182, 工程b(異性体1)(750 mg)およびCap-182, 工程b(異性体2)(480 mg)を澄明な油状物として得た。相対的立体化学の帰属をNOE研究により行った。 Cap-182, 工程b(異性体1): LC-MS: [M+H]
+ C
13H
13F
2O
2として計算;計算値: 239.09; 実測値 239.2.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.99 - 8.04 (2 H, m), 7.56 (1 H, t, J=7.32 Hz), 7.43 (2 H, t, J=7.63 Hz), 5.25 - 5.33 (1 H, m), 2.50 (2 H, dd, J=14.04, 6.71 Hz), 2.14 - 2.22 (2 H, m), 2.08 - 2.14 (2 H, m). Cap-182, 工程b(異性体2): LC-MS: [M+H]
+ C
13H
13F
2O
2として計算;計算値: 239.09; 実測値 239.2.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.98 - 8.08 (2 H, m), 7.53 - 7.59 (1 H, m), 7.41 - 7.48 (2 H, m), 5.53 - 5.62 (1 H, m), 2.59 - 2.70 (2 H, m), 2.01 - 2.11 (4 H, m).
Cap-182, 工程c
4 mLのMeOH中のCap-182, 工程b(異性体2)(480 mg, 2.015 mmol)の溶液に、KOH(4 mL, 2.015 mmol)(10%水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。次いで、該混合液をCH
2Cl
2(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-182, 工程c(220 mg)を薄黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.41 - 4.54 (1 H, m), 2.38 - 2.50 (2 H, m), 1.89 - 1.99 (2 H, m), 1.81 (2 H, dd, J=14.50, 5.04 Hz).
Cap-182, 工程d
p-トシル-Cl(625 mg, 3.28 mmol)を、7 mLのCH
2Cl
2中のCap-182, 工程c(220 mg, 1.640 mmol)およびピリジン(0.531 mL, 6.56 mmol)の溶液に加えた。該混合液を室温で終夜攪拌した後、CH
2Cl
2で希釈し、水および1 N HCl水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン)にりより精製して、Cap-182, 工程d(325 mg)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+Na]
+ C
13H
14F
2NaO
3Sとして計算;計算値: 311.05; 実測値 311.2.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.76 (2 H, d, J=8.24 Hz), 7.34 (2 H, d, J=8.24 Hz), 4.99 - 5.08 (1 H, m), 2.45 (3 H, s), 2.31 - 2.41 (2 H, m), 1.84 - 1.94 (4 H, m).
Cap-182, 工程e (ラセミ混合物)
マイクロ波チューブに、2 mLのトルエン中のN-(ジフェニルメチレン)グリシン エチルエステル(241 mg, 0.902 mmol)およびCap-182, 工程d(260 mg, 0.902 mmol)を加えた。該チューブを密閉し、N
2下においてLiHMDS(1.082 mLの1 N/THF, 1.082 mmol)を滴下した。得られた濃い茶色の溶液を、マイクロ波において100℃で5時間加熱した。次いで、該混合液を水でクエンチし、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-5% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-182, 工程e(240 mg)のラセミ混合物を薄黄色の油状物として得た。該混合物を分離せずに次の工程に用いた。 LC-MS: [M+H]
+ C
23H
24F
2NO
2として計算;計算値:384.18, 実測値 384.35.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.63 - 7.70 (2 H, m), 7.43 - 7.51 (3 H, m), 7.38 - 7.43 (1 H, m), 7.31 - 7.38 (2 H, m), 7.13 - 7.22 (2 H, m), 4.13 - 4.22 (2 H, m), 3.95 (1 H, d, J=6.41 Hz), 2.67 - 2.79 (1 H, m), 2.07 - 2.16 (1 H, m), 1.97 - 2.07 (2 H, m), 1.90 (2 H, m), 1.65 - 1.76 (1 H, m), 1.25 (3 H, t, J=7.17 Hz).
Cap-182, 工程f (ラセミ混合物)
4 mLのTHF中のCap-182, 工程e(240 mg, 0.626 mmol)の溶液に、HCl(1 mL, 2.0 mmol) (2 N水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。次いで、該混合液をEtOAcで洗浄し、飽和NaHCO
3水溶液で中和した後、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-182, 工程f(120 mg)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
10H
16F
2NO
2として計算;計算値: 220.11; 実測値 220.26.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.14 - 4.25 (2 H, m), 3.26 (1 H, d, J=6.71 Hz), 2.22 - 2.35 (1 H, m), 1.90 - 2.11 (5 H, m), 1.79 - 1.90 (1 H, m), 1.22 - 1.34 (3 H, m).
Cap-182, 工程g (ラセミ混合物)
2 mLのCH
2Cl
2中のCap-182, 工程f(120 mg, 0.547 mmol)の溶液に、クロロギ酸メチル(0.085 mL, 1.095 mmol)を加えた。得られた混合液を室温で1時間攪拌した。該混合液をCH
2Cl
2で希釈し、水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-182, 工程g(150 mg)を白色の固形物として得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
12H
18F
2NO
4として計算;計算値: 278.12; 実測値 278.2.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.23 (1 H, d, J=8.24 Hz), 4.29 (1 H, t, J=7.48 Hz), 4.15 - 4.23 (2 H, m), 3.68 (3 H, s), 2.37 (1 H, br. s.), 2.02 - 2.10 (1 H, m), 1.85 - 2.00 (4 H, m), 1.75 - 1.84 (1 H, m), 1.27 (3 H, t, J=7.02 Hz).
Cap-182 (ラセミ混合物)
2 mLのTHFおよび1 mLの水中のCap-182, 工程g(150 mg, 0.541 mmol)の混合液に、LiOH(0.811 mL, 1.623 mmol)(2 N水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。該混合液を1 N HCl水溶液で中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、Cap-182(133 mg)を白色の固形物として得た。 LC-MS: [M+H]+ C10H14F2NO4として計算;計算値: 250.09; 実測値 250.13. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.18 - 5.36 (1 H, m), 4.28 - 4.44 (1 H, m), 3.70 (3 H, s), 2.37 - 2.56 (1 H, m), 1.74 - 2.31 (6 H, m).
Cap-183 (ラセミ混合物)
Cap-183を、Cap-182の製造について記載された方法に従って、Cap-182, 工程b(異性体1)から合成した。 [M+H]
+ C
10H
14F
2NO
4として計算;計算値: 250.09, 実測値 249.86.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.15 (1 H, d, J=8.24 Hz), 4.32 (1 H, t, J=7.48 Hz), 3.69 (3 H, s), 2.83 - 2.99 (1 H, m), 1.96 - 2.26 (4 H, m), 1.70 (1 H, t, J=11.75 Hz), 1.59 (1 H, t, J=12.05 Hz).
Cap-184 (ラセミ混合物)
Cap-184, 工程a
5 mLのCH
2Cl
2中のエチル 2-アミノ-2-((1R,3r,5S)-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)アセテート(Cap-182の製造について記載された同一の方法を用いることによって市販の(1R,3r,5S)-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オールから製造した; 350 mg, 1.910 mmol)、DiPEA(0.667 mL, 3.82 mmol)、クロロギ酸メチル(0.296 mL, 3.82 mmol)の混合液を室温で1時間攪拌した。その後、該混合液をCH
2Cl
2で希釈し、水で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-184, 工程a(461 mg)を黄色の油状物として得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
12H
20NO
4として計算;計算値: 242.14; 実測値 242.2.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.04 (1 H, d, J=7.63 Hz), 4.09 - 4.20 (2 H, m), 4.05 (1 H, t, J=8.39 Hz), 3.63 (3 H, s), 2.55 - 2.70 (1 H, m), 1.96 - 2.09 (2 H, m), 1.37 - 1.60 (4 H, m), 1.24 (3 H, t, J=7.17 Hz), 0.66 - 0.76 (1 H, m), -0.03 - 0.06 (1 H, m).
Cap-184 (ラセミ混合物)
5 mLのTHFおよび2 mLの水中のCap-184, 工程a(461 mg, 1.911 mmol)の混合液に、LiOH(2.87 mL, 5.73 mmol)(2 N水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。次いで、該混合液を1 N HCl水溶液で中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、Cap-184(350 mg)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [2M+Na]+ C20H30N2NaO8として計算;計算値: 449.19; 実測値 449.3. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.07 (1 H, d, J=8.85 Hz), 4.13 (1 H, t, J=8.24 Hz), 3.68 (3 H, s), 2.64 - 2.79 (1 H, m), 2.04 - 2.21 (2 H, m), 1.23 - 1.49 (4 H, m), 0.71 - 0.81 (1 H, m), 0.03 - 0.12 (1 H, m).
Cap-185 (エナンチオマー-1およびエナンチオマー-2)
Cap-185, 工程a
1 mLのTHF中のフラン(1.075 mL, 14.69 mmol)および亜鉛(1.585 g, 24.24 mmol)の混合液に、4 mLのTHF中の1,1,3,3-テトラブロモプロパン-2-オン(8.23 g, 22.03 mmol)およびホウ酸トリエチル(5.25 mL, 30.8 mmol)を遮光で1時間滴下した。得られた混合液を室温にて遮光で17時間攪拌した。得られた濃い茶色の混合液を-15℃まで冷却し、6 mLの水を加えた。該混合液を0℃まで昇温させ、この温度で30分間撹拌した。次いで、該混合液を濾過し、エーテルで洗浄した。該濾液を水で希釈し、エーテル(3x)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、濃い茶色の油状物を得た。該濃い茶色の油状物を6 mLのMeOHに溶解させ、該溶液を、20 mLのMeOH中の亜鉛(4.99 g, 76 mmol)、塩化銅(I)(0.756 g, 7.64 mmol)および塩化アンモニウム(5.4 g, 101 mmol)の混合液に滴下した。添加の間、反応液温度を15℃以下に維持した。その後、該混合液を室温で20時間攪拌し、濾過し、該濾液を水で希釈し、CH
2Cl
2(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-14% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-185, 工程a(1.0 g)を白色の固形物(それはすぐに黄色に変化した)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 6.24 (2 H, s), 5.01 (2 H, d, J=4.88 Hz), 2.73 (2 H, dd, J=16.94, 5.04 Hz), 2.31 (2 H, d, J=16.79 Hz).
Cap-185, 工程b
2 mLのTHF中のCap-185, 工程a(240 mg, 1.933 mmol)の溶液に、78℃にて、L-selectride(3.87 mL, 3.87 mmol)(1 M/THF)を、100分かけて滴下した。得られた混合液を、-78℃で1時間、次いで室温で終夜、攪拌した。その後、該混合液を0℃まで冷却し、4 mLの20%NaOH水溶液を加えた後、2 mLのH
2O
2(30%水溶液)を滴下した。得られた混合液を1時間攪拌した後、6N HCl(〜5 mL)で中和した。水層をNaClで飽和させ、CH
2Cl
2(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-40% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-185, 工程b(180 mg)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 6.49 (2 H, s), 4.76 (2 H, d, J=4.27 Hz), 3.99 (1 H, t, J=5.77 Hz), 2.29 (2 H, ddd, J=15.18, 5.65, 4.02 Hz), 1.70 - 1.78 (2 H, m).
Cap-185, 工程c
p-トシル-Cl(544 mg, 2.85 mmol)を5 mLのCH
2Cl
2(5 mL)中のCap-185, 工程b(180 mg, 1.427 mmol)およびピリジン(0.462 mL, 5.71 mmol)の溶液に加え、該混合液を室温で2日間攪拌した。該反応液をCH
2Cl
2で希釈し、1 N HCl水溶液で洗浄した。水層をCH
2Cl
2(2X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-185, 工程c(210 mg)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.73 (2 H, d, J=8.24 Hz), 7.32 (2 H, d, J=8.24 Hz), 6.25 (2 H, s), 4.76 (1 H, t, J=5.65 Hz), 4.64 (2 H, d, J=3.66 Hz), 2.44 (3 H, s), 2.18 (2 H, td, J=10.07, 5.49 Hz), 1.71 (2 H, d, J=15.56 Hz).
Cap-185, 工程d
マイクロ波チューブに、5 mLのトルエン中のベンジル 2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(1.5 g, 4.57 mmol)およびCap-185, 工程c(1.28 g, 4.57 mmol)を加えた。該チューブを密閉し、LiHMDS(5.5 mL, 5.5 mmol)(1 N/トルエン)をN
2下において滴下した。得られた濃い茶色の溶液を、マイクロ波において100℃で5時間加熱した。次いで、該混合液に、水およびEtOAcを加えた。層を分離し、水相をEtOAc(2X)で抽出した。有機層を合わせて、濃縮し、Cap-185, 工程dをラセミ混合物として得た。該粗混合物を、精製もしくは分離せずに次の工程に用いた。 LC-MS: [M+H]
+ C
29H
28NO
3として計算;計算値: 438.21; 実測値 438.4.
Cap-185, 工程e
30 mLのTHF中のCap-185, 工程dのラセミ混合物の溶液に、HCl(20 mL)(2 N水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で2時間攪拌した。TLCによる判定で該反応が完了した後、2つの層を分離した。水層をEtOAcで洗浄し、飽和NaHCO
3水溶液で中和した後、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-185, 工程eを得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
16H
20NO
3として計算;計算値: 274.14; 実測値 274.12.
Cap-185, 工程f
5 mLのCH
2Cl
2中のクルードなCap-185, 工程e, DiPEA(1.24 mL, 7.1 mmol)およびクロロギ酸メチル(0.55 mL, 7.1 mmol)の溶液を、室温で1時間攪拌した。次いで、該混合液をCH
2Cl
2で希釈し、水で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-40% EtOAc/ヘキサン)により精製して、700 mgのラセミ混合物を得た。その後、該混合物をキラルHPLC(CHIRALPAK(登録商標) AD-H column, 30 x 250 mm, 5 um)(70 mL/分にて88%CO
2-12%EtOHで溶出)により分離して、Cap-1, 工程fの、240 mgのエナンチオマー-1および310 mgのエナンチオマー-2を白色の固形物として得た。エナンチオマー-1: LC-MS: [M+H]
+ C
18H
22NO
5として計算;計算値: 332.15; 実測値 332.3.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.30 - 7.40 (5 H, m), 6.03 - 6.16 (2 H, m), 5.09 - 5.26 (3 H, m), 4.65 - 4.74 (2 H, m), 4.33 (1 H, dd, J=9.16, 4.88 Hz), 3.67 (3 H, s), 2.27 - 2.38 (1 H, m), 1.61 - 1.69 (1 H, m), 1.45 - 1.56 (1 H, m), 1.34 (1 H, dd, J=13.43, 5.19 Hz), 1.07 (1 H, dd, J=13.12, 5.19 Hz). エナンチオマー-2: LC-MS: [M+H]
+ C
18H
22NO
5として計算;計算値: 332.15; 実測値 332.06.
Cap-185 (エナンチオマー-1およびエナンチオマー-2)
10 mLのMeOH中のCap-185, 工程f(エナンチオマー-2)(300 mg, 0.905 mmol)の溶液を含む水素化ボトルに、Pd/C(15 mg, 0.141 mmol)を、窒素のカバー(cover)下において加えた。該混合液を、パールシェーカーにおいて、40 psiで3時間、水素化した。次いで、該混合液を濾過し、該濾液を濃縮して、Cap-185(エナンチオマー-2)(200 mg)を白色の固形物として得た。 LC-MS: [M+H]+ C11H18NO5として計算;計算値: 244.12; 実測値 244.2. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.33 (1 H, br. s.), 4.46 (2 H, d), 4.28 (1 H, br. s.), 3.68 (3 H, s), 2.35 (1 H, br. s.), 1.91 - 2.03 (2 H, m), 1.56 - 1.80 (4 H, m), 1.36 - 1.55 (2 H, m). [注記:Cap-185(エナンチオマー-1)は同様の方法で得ることができる。]
Cap-186
4 mLのMeOH中のエステル Cap-185, 工程f(エナンチオマー-2)(150 mg, 0.453 mmol)の溶液に、NaOH(4 mLの1 N/水, 4.00 mmol)を加えた。得られた混合液を室温で3時間攪拌した。次いで、メタノールを減圧下で除去し、残渣を1 N HCl溶液で中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、いくらかのベンジルアルコールが混入したCap-186を得た(粘着性の白色の固形物; 115 mg)。 LC-MS: [M+H]
+ C
11H
16NO
5として計算;計算値: 242.10; 実測値 242.1.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 6.10 - 6.19 (2 H, m), 5.36 (1 H, d, J=8.85 Hz), 4.75 - 4.84 (2 H, m), 4.28 (1 H, dd, J=8.55, 4.58 Hz), 3.68 (3 H, s), 2.33 - 2.45 (1 H, m), 1.60 - 1.72 (2 H, m), 1.30 - 1.48 (2 H, m).
Cap-187
Cap-187, 工程a
30 mLのベンゼン中のCap-178, 工程e(2.2 g, 18.94 mmol)、PPh
3(24.84 g, 95 mmol)および4-ニトロ安息香酸(14.24 g, 85 mmol)の溶液に、DEAD(42.9 mL, 95 mmol)を滴下した。得られた薄オレンジ色の溶液を室温で終夜攪拌した。その後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-187, 工程a(2.3 g)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.27 - 8.34 (2 H, m), 8.20 - 8.26 (2 H, m), 5.45 (1 H, t, J=2.90 Hz), 3.83 - 3.96 (3 H, m), 1.90 - 2.03 (2 H, m), 1.80 - 1.88 (1 H, m), 1.61 - 1.70 (1 H, m), 1.21 (3 H, d, J=6.10 Hz).
Cap-187, 工程b
10 mLのMeOH中のCap-187, 工程a(2.3 g, 8.67 mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(2.372 mL, 8.67 mmol)(25%/メタノール)を加えた。得られた混合液を室温で3時間攪拌した。水を加え、該混合液をEtOAc(5X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン、次いで15-50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-187, 工程b(0.85 g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.19 - 4.23 (1 H, m), 3.82 - 3.91 (2 H, m), 3.73 - 3.79 (1 H, m), 1.79 - 1.88 (1 H, m), 1.62 - 1.68 (1 H, m), 1.46 - 1.58 (2 H, m), 1.14 (3 H, d, J=6.10 Hz).
Cap-187
Cap-187の個々のジアステレオマーを、Cap-178について記載された方法に従って、Cap-187, 工程bから合成した。 LC-MS: [M+H]+ C10H18NO5として計算;計算値: 232.12; 実測値 232.1. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.26 (1 H, d, J=7.78 Hz), 4.32 - 4.43 (1 H, m), 4.07 (1 H, dd, J=11.54, 3.51 Hz), 3.72 (3 H, s), 3.39 - 3.50 (2 H, m), 2.08 - 2.23 (1 H, m), 1.54 - 1.68 (1 H, m), 1.38 - 1.52 (1 H, m), 1.11 - 1.32 (5 H, m).
Cap-188 (4つの立体異性体)
Cap-188, 工程a
50 mLのMeOH中の2,2-ジメチルジヒドロ-2H-ピラン-4(3H)-オン(2 g, 15.60 mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.649 g, 17.16 mmol)をゆっくりと加えた。得られた混合液を室温で3時間攪拌した。次いで、該混合液に、それが酸性のpH領域に入るまで1 N HCl水溶液を加えた後、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-188, 工程a(1.9 g)を澄明な油状物として得た。該生成物を、精製は行わずに次の工程で用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.91 - 4.02 (1 H, m), 3.79 - 3.86 (1 H, m), 3.63 (1 H, td, J=12.05, 2.51 Hz), 1.82 - 1.93 (2 H, m), 1.40 - 1.53 (1 H, m), 1.29 - 1.38 (1 H, m), 1.27 (3 H, s), 1.20 (3 H, s).
Cap-188.1およびCap-188.2, 工程b
p-トシル-Cl(5.56 g, 29.2 mmol)を、100 mLのCH
2Cl
2中のCap-188, 工程a(1.9 g, 14.59 mmol)およびピリジン(4.72 mL, 58.4 mmol)の溶液に加えた。得られた混合液を室温で3日間攪拌した。該反応液に10 mLの水を加え、該混合液を室温でさらに1時間攪拌した。2つの層を分離し、有機相を水および1 N HCl水溶液で洗浄した。有機相を、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、2つのエナンチオマーの混合物を薄黄色の固形物として得た。その後、該混合物をキラルHPLC(CHIRALPAK(登録商標) AD column, 21 x 250 mm, 10 um)(15 mL/分にて92% 0.1%ジエチルアミン/ヘプタン-8% EtOHで溶出)により分離して、Cap-188.1, 工程b(1.0 g)およびCap-188.2, 工程b(1.0 g)を得た。該2つのエナンチオマーの絶対立体化学は帰属されなかった。 Cap-188.1, 工程b: LC-MS: [2M+Na]
+ C
28H
40NaO
8S
2として計算;計算値: 591.21; 実測値 591.3.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.79 (2 H, d, J=8.24 Hz), 7.34 (2 H, d, J=8.24 Hz), 4.72 - 4.81 (1 H, m), 3.78 (1 H, dt, J=12.44, 4.16 Hz), 3.53 - 3.61 (1 H, m), 2.45 (3 H, s), 1.75 - 1.86 (2 H, m), 1.61 - 1.71 (1 H, m), 1.52 - 1.60 (1 H, m), 1.22 (3 H, s), 1.14 (3 H, s). Cap-188.2, 工程b: LC-MS: [2M+Na]
+ C
28H
40NaO
8S
2として計算;計算値: 591.21; 実測値 591.3.
Cap-188
Cap-188の4つの立体異性体は、Cap-178の製造について記載された方法に従って、Cap-188.1, 工程bおよびCap-188.2, 工程bから、合成することができた。 Cap-188(立体異性体-1): LC-MS: [M+Na]+ C11H19NNaO5として計算;計算値: 268.12; 実測値 268.23. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.32 (1 H, d, J=8.55 Hz), 4.26 - 4.35 (1 H, m), 3.57 - 3.82 (5 H, m), 2.11 - 2.34 (1 H, m), 1.25 - 1.58 (4 H, m), 1.21 (6 H, d, J=6.10 Hz). Cap-188(立体異性体-2): LC-MS: [M+H]+ C11H20NO5として計算;計算値: 246.13; 実測値 246.1. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.25 (1 H, d, J=8.55 Hz), 4.33 (1 H, dd, J=8.39, 5.04 Hz), 3.80 (1 H, dd, J=11.90, 3.97 Hz), 3.62 - 3.76 (4 H, m), 2.20 - 2.32 (1 H, m), 1.52 - 1.63 (1 H, m), 1.27 - 1.49 (3 H, m), 1.22 (6 H, d, J=14.04 Hz).
Cap-189
Cap-189, 工程a
100 mLのエーテル中のフェニルマグネシウムブロミド(113 mL, 340 mmol)(3 M/エーテル)の溶液に、50 mLのエーテル中のエキソ-2,3-エポキシノルボルナン(25 g, 227 mmol)を滴下した。初期の発熱の後、該混合液を終夜還流加熱した。その後、該反応液を室温まで冷却し、水(〜10 mL)で慎重にクエンチした。該混合液をエーテルで希釈し、3 N HCl水溶液(〜160 mL)で洗浄した。水層をエーテル(2X)で抽出し、有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-18% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-189, 工程a(11 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 6.03 - 6.11 (2 H, m), 3.76 (1 H, d, J=11.29 Hz), 2.72 - 2.81 (2 H, m), 1.98 (1 H, d, J=11.29 Hz), 1.67 - 1.76 (2 H, m), 0.90 - 0.97 (2 H, m).
Cap-189, 工程b
200 mLのCH
2Cl
2中の塩化オキサリル(59.9 mL, 120 mmol)の溶液に、-78℃にて、100 mLのCH
2Cl
2中のDMSO(17.01 mL, 240 mmol)を加えた。該混合液を10分間攪拌し、150 mLのCH
2Cl
2中のCap-189, 工程a(11 g, 100 mmol)、次いで30 mLのCH
2Cl
2中のEt
3N(72.4 mL, 519 mmol)を加えた。該混合液を-78℃で30分間攪拌した後、室温まで昇温させた。水(150 mL)を加え、該混合液を室温で30分間攪拌した。次いで、2つの層を分離し、水層をCH
2Cl
2(2X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-5% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-189, 工程b(5.3 g)を薄黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 6.50 - 6.55 (2 H, m), 2.78 - 2.84 (2 H, m), 1.92 - 1.99 (2 H, m), 1.17 - 1.23 (2 H, m).
Cap-189, 工程c
100 mLのベンゼン中のCap-189, 工程b(5.3 g, 49.0 mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物(1.492 g, 7.84 mmol)およびエチレングリコール(4.10 mL, 73.5 mmol)の混合液を、4時間還流した後、室温で終夜攪拌した。該反応液をEt
2Oおよび飽和NaHCO
3水溶液間に分配し、2つの層を分離した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-6% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-189, 工程c(5.2 g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 6.20 (2 H, t, J=2.13 Hz), 3.90 - 3.97 (2 H, m), 3.81 - 3.89 (2 H, m), 2.54 (2 H, m), 1.89 - 1.99 (2 H, m), 0.95 - 1.03 (2 H, m).
Cap-189, 工程d
60 mLのMeOHおよび50 mLのCH
2Cl
2中のCap-189, 工程c(5.2 g, 34.2 mmol)の溶液を、-78℃まで冷却し、薄い青色になるまでオゾンガスで処理した。次いで、該反応液をN
2でバブルして過剰なオゾンガスを除去し(青色は消えた)、水素化ホウ素ナトリウム(1.939 g, 51.3 mmol)を該反応液に加えた。その後、該反応液を0℃まで昇温させた。該混合液にアセトンを加えて過剰な水素化ホウ素ナトリウムをクエンチした。該混合液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 100% EtOAc)により精製して、Cap-189, 工程d(5.0 g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.99 - 4.09 (4 H, m), 3.68 (4 H, m), 2.17 - 2.29 (2 H, m), 1.92 - 2.10 (2 H, m), 1.77 - 1.88 (2 H, m), 1.57 - 1.70 (2 H, m).
Cap-189, 工程e
20 mLのCH
2Cl
2中のCap-189, 工程d(1 g, 5.31 mmol)の溶液に、酸化銀(3.8 g)、p-TsCl(1.215 g, 6.38 mmol)およびKI(0.176 g, 1.063 mmol)を加えた。得られた溶液を室温で3日間攪拌した。次いで、該混合液を濾過し、該濾液を濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 60% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-189, 工程e(0.79 g)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+Na]
+ C
16H
22NaO
6Sとして計算;計算値: 365.10; 実測値 365.22.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.80 (2 H, d, J=8.28 Hz), 7.36 (2 H, d, J=8.03 Hz), 4.11 - 4.17 (1 H, m), 3.85 - 4.06 (5 H, m), 3.64 - 3.71 (1 H, m), 3.55 - 3.63 (1 H, m), 2.47 (3 H, s), 2.32 - 2.43 (1 H, m), 2.15 - 2.27 (1 H, m), 1.70 - 1.89 (2 H, m), 1.52 - 1.66 (1 H, m), 1.35 - 1.47 (1 H, m).
Cap-189, 工程f
40 mLのMeOH中のCap-189, 工程e(2.2 g, 6.43 mmol)の溶液に、炭酸カリウム(1.776 g, 12.85 mmol)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。その後、該混合液を水およびEtOAcで希釈した。2つの層を分離した。水層をEtOAc(2X)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-189, 工程f(0.89 g, 5.23 mmol, 81%)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.89 - 4.02 (6 H, m), 3.58 (2 H, dd, J=10.79, 2.51 Hz), 1.69 - 1.89 (6 H, m).
Cap-189, 工程g
15 mLのTHF中のCap-189, 工程f(890 mg, 5.23 mmol)溶液に、HCl(15 mL, 45.0 mmol)(3 M水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。次いで、該混合液をエーテルで希釈し、2つの層を分離した。水相をエーテル(2X)で抽出し、有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-189, 工程gを得た(0.95 g, いくらかの残留溶媒を含有)。該生成物を、精製は行わずに次の工程で用いた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.95 - 4.00 (2 H, m), 3.85 (2 H, d, J=10.68 Hz), 2.21 - 2.28 (2 H, m), 1.99 - 2.04 (2 H, m), 1.90 - 1.96 (2 H, m).
Cap-189, 工程h(エナンチオマー-1およびエナンチオマー-2)
6 mLのTHF中の(+/-)-ベンジルオキシカルボニル-α-ホスホノグリシン トリメチルエステル(1733 mg, 5.23 mmol)の溶液に、-20℃にて、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(0.723 mL, 5.75 mmol)を加えた。得られた薄黄色の混合液を-20℃で1時間攪拌し、3 mLのTHF中のCap-189, 工程g(660 mg, 5.23 mmol)を加えた後、混合液を室温で3日間攪拌した。その後、該反応混合液をEtOAcで希釈し、0.1 N HCl水溶液で洗浄した。水層をEtOAc(2X)で抽出し、有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-4% EtOAc/CH
2Cl
2)により精製して、960 mgのラセミ混合物を得た。該混合物を、キラルHPLC(CHIRALPAK(登録商標) AD column, 21 x 250 mm, 10 um)(15 mL/分にて90% 0.1% ジエチルアミン/ヘプタン-10% EtOHで溶出)により精製して、Cap-189, 工程h (エナンチオマー-1; 300 mg)およびCap-189, 工程h(エナンチオマー-2; 310 mg)を白色の固形物として得た。 Cap-189, 工程h (エナンチオマー-1): LC-MS: [M+H]
+ C
18H
22NO
5として計算;計算値: 332.15; 実測値 332.2.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.29 - 7.41 (5 H, m), 6.00 (1 H, br. s.), 5.13 (2 H, s), 3.63 - 3.87 (8 H, m), 2.84 (1 H, br. s.), 1.84 - 2.02 (2 H, m), 1.63 - 1.84 (2 H, m). Cap-189, 工程h (エナンチオマー-2): LC-MS: [M+H]
+ C
18H
22NO
5として計算;計算値: 332.15; 実測値 332.2.
Cap-189, 工程i
500 mL 水素化ボトルにおいて、10 mLのMeOH中のCap-189, 工程h(エナンチオマー-2; 290 mg, 0.875 mmol)の溶液に、30分間、N
2をバブルした。該溶液に、(S,S)-Me-BPE-Rh(9.74 mg, 0.018 mmol)を加え、次いで、該混合液を60 psiにて6日間水素化した。該混合液を濃縮し、キラル分析HPLC(CHIRALPAK(登録商標) OJ column)により、少量の残存出発物質および1つの主要な生成物が存在することが示された。その後、残渣をキラルHPLC(CHIRALPAK(登録商標) OJ column, 21 x 250 mm, 10 um)(15 mL/分にて70% 0.1%ジエチルアミン/ヘプタン-30% EtOHで溶出)により分離して、Cap-189, 工程i(150 mg)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
18H
24NO
5として計算;計算値: 334.17; 実測値 334.39.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.28 - 7.41 (5 H, m), 5.12 - 5.18 (1 H, m), 5.09 (2 H, s), 4.05 (1 H, t, J=10.07 Hz), 3.75 (3 H, s), 3.60 - 3.72 (2 H, m), 3.41 - 3.50 (2 H, m), 2.10 (1 H, br. s.), 1.72 - 1.99 (6 H, m).
Cap-189, 工程j
水素化ボトルにおいて、10 mLのMeOH中のCap-189, 工程i(150 mg, 0.450 mmol)の溶液に、二炭酸ジメチル(0.072 mL, 0.675 mmol)および10%Pd/C(23.94 mg, 0.022 mmol)を、窒素のカバー下において加えた。次いで、該混合液を、パールシェーカーにおいて45 psiにて終夜、水素化した。該混合液を濾過し、該濾液を濃縮して、Cap-189, 工程j(110 mg)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
12H
20NO
5として計算;計算値: 258.13; 実測値 258.19.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.08 (1 H, d, J=9.16 Hz), 4.03 (1 H, t, J=10.07 Hz), 3.75 (3 H, s), 3.60 - 3.72 (5 H, m), 3.46 (2 H, t, J=10.38 Hz), 2.11 (1 H, br. s.), 1.72 - 1.99 (6 H, m).
Cap-189
2 mLのTHFおよび1 mLの水中のCap-189, 工程j(110 mg, 0.428 mmol)の混合液に、LiOH(0.641 mL, 1.283 mmol)(2 N水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。該混合液を1 N HCl水溶液で中和し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、Cap-189(100 mg)を白色の固形物として得た。 LC-MS: [M+Na]+ C11H17NNaO5として計算;計算値: 266.10; 実測値 266.21. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.10 (1 H, d, J=9.16 Hz), 4.02 (1 H, t, J=10.07 Hz), 3.62 - 3.78 (5 H, m), 3.49 (2 H, d, J=10.68 Hz), 2.07 - 2.22 (2 H, m), 1.72 - 1.98 (6 H, m).
Cap-190 (ジアステレオマー混合物)
Cap-190, 工程a
30 mLのDMF中のシクロペンタ-3-エノール(2.93 g, 34.8 mmol)およびイミダゾール(5.22 g, 77 mmol)の混合液に、0℃にて、t-ブチルジメチルクロロシラン(6.30 g, 41.8 mmol)を加えた。得られた無色の混合液を室温で終夜攪拌した。次いで、ヘキサンおよび水を該混合液に加え、2つの層を分離した。水層をEtOAc(2X)で抽出し、有機層を合わせて食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 2% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-190, 工程a(6.3 g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.65 (2 H, s), 4.49 - 4.56 (1 H, m), 2.56 (2 H, dd, J=15.26, 7.02 Hz), 2.27 (2 H, dd, J=15.26, 3.36 Hz), 0.88 (9 H, s), 0.06 (6 H, s).
Cap-190, 工程b
40 mLのCH
2Cl
2中のCap-190, 工程a(2.3 g, 11.59 mmol)の溶液に、0℃にて、m-CPBA(5.60 g, 16.23 mmol)を5回に分けて加えた。該反応混合液を室温で終夜攪拌した。次いで、ヘキサンおよび水を該混合液に加え、2つの層を分離した。有機層を、50 mL 10%NaHSO
3水溶液および食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 3%-6% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-190, 工程b(1.42 g)およびそのトランスジアステレオマー(0.53 g)を澄明な油状物として得た。 Cap-190, 工程b (シス):
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.39 - 4.47 (1 H, m), 3.47 (2 H, s), 2.01 - 2.10 (2 H, m), 1.93 - 2.00 (2 H, m), 0.88 (9 H, s), 0.04 (6 H, s). Cap-190, 工程b (トランス):
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.04 - 4.14 (1 H, m), 3.47 (2 H, s), 2.41 (2 H, dd, J=14.05, 7.28 Hz), 1.61 (2 H, dd, J=14.18, 6.90 Hz), 0.87 (9 H, s), 0.03 (6 H, s).
Cap-190, 工程c
15 mLのベンゼン中の(S)-1,2'-メチレンジピロリジン(0.831 g, 5.39 mmol)の溶液に、0℃にて、n-ブチルリチウム(4.90 mL, 4.90 mmol)(1 M/ヘキサン)を滴下した。該溶液は明るい黄色に変化した。該混合液を0℃で30分間攪拌した。その後、10 mLのベンゼン中のCap-190, 工程b(シス-異性体; 0.7 g, 3.27 mmol)を加え、得られた混合液をを0℃で3時間攪拌した。EtOAcおよび飽和NH
4Cl水溶液を該混合液に加え、2つの層を分離した。有機層を水および食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-190, 工程c(400 mg)を薄黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.84 - 5.98 (2 H, m), 4.53 - 4.69 (2 H, m), 2.63 - 2.73 (1 H, m), 1.51 (1 H, dt, J=13.73, 4.43 Hz), 0.89 (9 H, s), 0.08 (6 H, s).
Cap-190, 工程d
5 mLのTHF中のCap-190, 工程c(400 mg, 1.866 mmol)、MeI(1.866 mL, 3.73 mmol)(2 M/t-ブチル メチルエーテル)の溶液に、0℃にて、NaH(112 mg, 2.80 mmol)(60%/鉱物油)を加えた。得られた混合液を室温まで昇温させ、室温で終夜撹拌した。次いで、該反応液を水でクエンチし、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 5% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-190, 工程d(370 mg)を薄黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.92 - 5.96 (1 H, m), 5.87 - 5.91 (1 H, m), 4.64 - 4.69 (1 H, m), 4.23 - 4.28 (1 H, m), 3.32 (3 H, s), 2.62 - 2.69 (1 H, m), 1.54 (1 H, dt, J=13.12, 5.49 Hz), 0.89 (9 H, s), 0.07 (5 H, d, J=1.83 Hz).
Cap-190, 工程e
水素化ボトルにおいて、10 mLのEtOAc中のCap-190, 工程d(400 mg, 1.751 mmol)の溶液に、酸化白金(IV)(50 mg, 0.220 mmol)を加えた。得られた混合液を、パールシェーカーにおいて50 psiで2時間、水素化した。次いで、該混合液をセライト(登録商標)により濾過し、該濾液を濃縮して、Cap-190, 工程e(400 mg)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+H]
+ C
12H
27O
2Siとして計算;計算値: 231.18; 実測値 231.3.
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.10 - 4.17 (1 H, m), 3.65 - 3.74 (1 H, m), 3.27 (3 H, s), 1.43 - 1.80 (6 H, m), 0.90 (9 H, s), 0.09 (6 H, s).
Cap-190, 工程f
5 mLのTHF中のCap-190, 工程e(400 mg, 1.736 mmol)の溶液に、TBAF(3.65 mL, 3.65 mmol)(1 N/THF)を加えた。該混合液の色は数分後に茶色に変化し、それを室温で終夜撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-25% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-190, 工程f(105 mg)を薄黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.25 (1 H, br. s.), 3.84 - 3.92 (1 H, m), 3.29 (3 H, s), 1.67 - 2.02 (6 H, m).
Cap-190
次いで、Cap-190を、Cap-182について記載された方法に従って、Cap-190, 工程fから合成した。 LC-MS: [M+Na]+ C10H17NNaO5として計算;計算値: 254.10; 実測値 254.3. 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.25 (1 H, d, J=8.55 Hz), 4.27 - 4.41 (1 H, m), 3.81 - 3.90 (1 H, m), 3.69 (3 H, s), 3.26 (3 H, s), 2.46 - 2.58 (1 H, m), 1.76 - 1.99 (3 H, m), 1.64 - 1.73 (1 H, m), 1.40 - 1.58 (1 H, m), 1.22 - 1.38 (1 H, m).
Cap-191 (エナンチオマー-1)
Cap-191, 工程a
ジイソプロピルアミン(3 mL, 21.05 mmol)/THF(3 mL)溶液に、-78℃にて窒素下において、n-ブチル リチウム(2.5 M/ヘキサン; 8.5 mL, 21.25 mmol)を加えた。該反応液を、-78℃で10分間攪拌した後、25分間、0℃まで昇温させた。該反応液を、再び-78℃まで冷却し、メチル テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシレート(3 g, 20.81 mmol)/THF(3 mL)を加えた。該反応液を-78℃で15分間攪拌した後、30分間、0℃まで昇温させた。該反応液を-78℃まで冷却し、ヨウ化メチル(1.301 mL, 20.81 mmol)を加えた。添加後、冷浴を取り外し、該反応液を〜25℃までゆっくりと昇温させ、22時間攪拌した。酢酸エチルおよびHCl水溶液(0.1N)を加え、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、トムソンのシリカゲルカートリッジ(10% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)においてロードして、薄黄色の油状物を得た(2.83 g)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 3.73-3.66 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.40-3.30 (m, 2H), 1.95-1.93 (dm, 1H), 1.92-1.90 (dm, 1H), 1.43 (ddd, J = 13.74, 9.72, 3.89, 2H), 1.18 (s, 3H).
Cap-191, 工程b
Cap-191, 工程a(3 g, 18.96 mmol)/トルエン(190 mL)溶液に、-78℃にて窒素下において、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.5M/トルエン; 26.5 mL, 39.8 mmol)を滴下した。該反応液を-78℃で1.5時間撹拌し続け、該浴を取り外し、18時間撹拌した。該反応液をMeOH(20 mL)でクエンチした。HCl(1M, 150 mL)を加え、該混合液をEtOAc(4 x 40 mL)で抽出した。有機相を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 40% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、無色の油状物を得た(1.36 g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 3.77 (dt, J = 11.73, 4.55, 2H), 3.69-3.60 (m, 2H), 3.42 (s, 2H), 1.71-1.40 (bs, 1H)1.59 (ddd, J = 13.74, 9.72, 4.39, 2H), 1.35-1.31 (m, 1H), 1.31-1.27 (m, 1H), 1.06 (s, 3H).
Cap-191, 工程c
DMSO(5.9 mL, 83 mmol)/CH
2Cl
2(85 mL)溶液に、-78℃にて、窒素下において、塩化オキサリル(3.8 mL, 43.4 mmol)を加え、40分間撹拌した。次いで、Cap-191, 工程b(4.25 g, 32.6 mmol)/CH
2Cl
2(42.5 mL)溶液を加えた。該反応液を、-78℃で窒素下において2時間、撹拌し続けた。該反応液を、冷たい20%K
2HPO
4(水溶液)(10 mL)および水でクエンチした。該混合液を、〜25℃で15分間撹拌し、ジエチルエーテル(50 mL)で希釈し、層を分離した。水層をジエチルエーテル(2 x 50 mL)で抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をCH
2Cl
2(4 mL)に溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, CH
2Cl
2で溶出)により精製して、無色の油状物を得た(2.1 g)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 9.49 (s. 1H), 3.80 (dt, J = 11.98, 4.67, 2H), 3.53 (ddd, J = 12.05, 9.41, 2.89, 2H), 1.98 (ddd, J = 4.71, 3.20, 1.38, 1H), 1.94 (ddd, J= 4.71, 3.20, 1.38, 1H), 1.53 (ddd, J = 13.87, 9.60, 4.14, 2H), 1.12 (s, 3H).
Cap-191, 工程d
Cap 191c(2.5 g, 19.51 mmol)/CHCl
3(20 mL)溶液に、窒素下において〜25℃にて、(R)-2-アミノ-2-フェニルエタノール(2.94 g, 21.46 mmol)を加え、5時間攪拌した。該反応液を0℃まで冷却し、トリメチルシリルシアニド(3.8 mL, 30.4 mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、該反応液を、〜25℃にて窒素下において15.5時間、撹拌した。該反応液を3N HCl(20 mL)および水(20 mL)で処理し、該生成物をCHCl
3(3 x 50 mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(NaSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 40% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製して、2つのジアステレオマーを得た: Cap-191, 工程d1(ジアステレオマー1)(無色の油状物として)(静置により白色の固形物へと固化した(3 g))。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.42-7.26 (m, 5H), 5.21 (t, J = 5.77, 1H), 3.87 (dd, J = 8.53, 4.52, 1H), 3.61-3.53 (m, 1H), 3.53-3.37 (m, 5H), 3.10 (d, J = 13.05, 1H), 2.65 (d, J = 13.05, 1H), 1.64-1.55 (m, 1H), 1.55-1.46 (m,1H), 1.46-1.39 (m, 1H), 1.31-1.23 (m, 1H), 1.11 (s, 3H). LC-MS: [M+H]
+ C
16H
23N
2O
2として計算;計算値: 275.18; 実測値 275.20. Cap-191, 工程d2(ジアステレオマー2)(薄黄色の油状物として)(0.5 g).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.44-7.21 (m, 5H), 4.82 (t, J = 5.40, 1H), 3.82-3.73 (m, 1H), 3.73-3.61 (m, 3H), 3.61-3.37 (m, 5H), 2.71 (dd, J = 9.29, 4.77, 1H), 1.72-1.55 (m, 2H), 1.48-1.37 (m, 1H), 1.35-1.25 (m, 1H), 1.10 (s, 3H). LC-MS: [M+H]
+ C
16H
23N
2O
2として計算;計算値: 275.18; 実測値 275.20.
Cap-191, 工程e
CH
2Cl
2(11 mL)およびMeOH(5.50 mL)中のCap-191, 工程d2(ジアステレオマー2)(0.4472 g, 1.630 mmol)の溶液に、0℃にて窒素下において、四酢酸鉛(1.445 g, 3.26 mmol)を加えた。該反応液を1.5時間撹拌し、冷浴を取り外して、20時間撹拌を続けた。該反応液をリン酸バッファー(pH = 7; 6 mL)で処理し、45分間撹拌した。該反応液をセライト(登録商標)で濾過し、CH
2Cl
2で洗浄して、層を分離した。水層をCH
2Cl
2(3 X 25 mL)で抽出し、有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 15% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製して、イミン中間体を無色の油状物として得た(181.2 mg)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.55 (d, J = 1.00, 1H), 7.89-7.81 (m, 2H), 7.61-7.46 (m, 3H), 4.80 (d, J = 1.00, 1H), 3.74 (tt, J = 11.80, 4.02, 2H), 3.62-3.46 (m, 2H), 1.79-1.62 (m, 2H), 1.46-1.30 (m, 2H), 1.15 (s, 3H).
該イミン中間体を6N HCl(10 mL)に溶解させ、90℃で10日間加熱した。該反応液を加熱から外し、室温まで冷却し、酢酸エチル(3 x 25 mL)で抽出した。水層を減圧濃縮して、オフホワイト色の固形物を得た。該固形物を、MeOHに溶解させ、予めコンディショニングしたMCX(6 g)カートリッジにロードし、MeOHで洗浄した後、2N NH3/MeOH溶液で溶出し、減圧濃縮して、オフホワイト色の固形物を得た(79.8 mg)。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 14.33-13.51 (bs, 1H), 8.30 (bs, 3H), 3.82-3.75 (m, 1H), 3.70 (dt, J = 11.80, 4.02, 2H), 3.58-3.43 (m, 2H), 1.76-1.60 (m, 2H), 1.47-1.36 (m, 1H), 1.36-1.27 (m, 1H), 1.08 (s, 3H). LC-MS: [M+H]+ C8H16NO3として計算;計算値: 174.11; 実測値 174.19.
Cap-191 (エナンチオマー-1)
水酸化ナトリウム(1M 水溶液; 0.4 mL, 0.40 mmol)中のCap-191, 工程e(0.0669 g, 0.386 mmol)および炭酸ナトリウム(0.020 g, 0.193 mmol)の溶液に、0℃にて、クロロギ酸メチル(0.035 mL, 0.453 mmol)を滴下した。該反応液を冷浴から取り出し、〜25℃で3時間攪拌した。該反応液をジエチルエーテル(3 x 20 mL)で洗浄した。水層を、12 N HCl(pH 〜1-2)を用いて酸性化し、酢酸エチル(2 x 20 mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮して、Cap-191を無色の膜状物として得た(66.8 mg)。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.10-12.37 (bs, 1H), 7.37 (d, J = 9.04, 1H), 4.02 (d, J = 9.29, 1H), 3.72-3.57 (m, 2H), 3.56 (s, 3H), 3.54-3.44 (m, 2H), 1.65 (ddd, J = 13.61, 9.72, 4.27, 1H), 1.53 (ddd, J = 13.68, 9.66, 4.27, 1H), 1.41-1.31 (m, 1H), 1.31-1.22 (m, 1H), 1.00 (s, 3H). LC-MS: [M+Na]+ C10H17NO5Naとして計算;計算値: 254.10; 実測値 254.11.
Cap-192 (エナンチオマー-2)
Cap-192(エナンチオマー-2)を、そのエナンチオマーCap-191の製造について記載された方法に従って、Cap-191, 工程d1から製造した。
Cap-193
Cap-193, 工程a
メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(1.45 g, 4.2 mmol)/DCM溶液に、DBU(0.70 mL, 4.7 mmol)を加えた。該反応混合液を10分間攪拌した後、1,3-ジメトキシプロパン-2-オン(0.5 g, 4.2 mmol)/DCM溶液を加えた。該反応混合液を室温で18時間攪拌した。該反応混合液を、80 g シリカゲルカートリッジにチャージし、それを0-70% EtOAc/ヘキサンの18分のグラジエントで溶出して、Cap-193, 工程a(0.8 g)を濃い油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) ppm 7.23 - 7.43 (5 H, m), 4.99 - 5.18 (2 H, m), 4.16 (2 H, s), 4.06 (2 H, s), 3.66 - 3.78 (3 H, s), 3.26 (3 H, s), 3.23 (3 H, s). LC-MS: [M+Na]
+ C
16H
21NNaO
6として計算;計算値: 346.14; 実測値: 346.12.
Cap-193, 工程b
MeOH中のエステル Cap-193, 工程a(0.5 g)および(+)-1,2-ビス((2S,5S)-2,5-ジエチルホスホラノ)ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート(0.1 g)の反応混合液を、55 psiのH
2下において18時間攪拌した。該反応混合液を乾固するまで濃縮した。残渣を25 g シリカゲルカートリッジにチャージし、0-80% EtOAc/ヘキサンの18分のグラジエントで溶出して、Cap-193, 工程b(0.49 g)を澄明な油状物として得た。 LC-MS: [M+Na]
+ C
16H
23NNaO
6として計算;計算値: 348.15; 実測値: 348.19.
Cap-193, 工程c
EtOAc中のCap-193, 工程b(0.16 g)、二炭酸ジメチル(0.13 g)および10% Pd/C(0.026 g)の反応混合液を、H
2下において室温で2時間攪拌した。該反応混合液を濾過し、濃縮して、メチルカルバメート Cap-193, 工程cを得た。 LC-MS: [M+Na]
+ C
10H
19NNaO
6として計算;計算値: 272.12; 実測値: 272.07.
Cap-193
THF(1 mL)およびMeOH(0.25 mL)中のエステル Cap-193, 工程cの溶液に、1 N NaOH(1 mL)を加えた。該反応混合液を室温で2時間攪拌した。該反応混合液を濃縮し、EtOAcおよび1 N HClで希釈した。水相をEtOAcで抽出し、有機相を合わせて飽和NaClで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、Cap-193(0.082 g)を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 5.99 (1 H, d, J=8.56 Hz), 4.57 (1 H, dd, J=8.56, 3.27 Hz), 3.67 (3 H, s), 3.49 (2 H, d, J=4.28 Hz), 3.45 - 3.44 (2 H, m), 3.26 - 3.35 (6 H, m). LC-MS: [M+Na]+ C9H17NNaO6として計算;計算値: 258.11; 実測値: 258.13.
Cap-194
ピペリジン(1.0 mL, 10 mmol)を、(S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)-4-メトキシブタン酸(0.355 g, 1 mmol)/DMF(3 mL)溶液に加え、該混合液を室温で3時間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣を飽和NaHCO
3(水溶液)(5 mL)およびEtOAc(5 mL)間に分配した。水層を、EtOAcおよびEt
2Oでさらに洗浄した。該水溶液に、Na
2CO
3(212 mg, 2.0 mmol)、次いでクロロギ酸メチル(0.16 mL, 2.0 mmol)を加え、該反応混合液を室温で16時間攪拌した。該反応混合液を1 N HCl(水溶液)でpH <7まで酸性化した後、EtOAc(2 x 10 mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン, 20%〜70%のグラジエント)により精製して、(S)-4-メトキシ-2-(メトキシカルボニルアミノ)ブタン酸 (Cap-194)(91.5 mg)を粘稠性の無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 = 0.61分; m/z 214 [M+Na]
+. (カラム: PHENOMENEX(登録商標) Luna 3.0 x 50mm S10. 溶媒A = 90%水:10%メタノール:0.1%TFA. 溶媒B = 10%水:90%メタノール:0.1%TFA. 流速 = 4 mL/分. 開始%B = 0. 最終%B = 100. グラジエント時間 = 3分. 波長 = 220).
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.41 (br. s., 1 H), 5.74 - 6.02 (m, 1 H), 4.32 - 4.56 (m, 1 H), 3.70 (s, 3 H), 3.54 (t, J=5.0 Hz, 2 H), 3.34 (s, 3 H), 1.99 - 2.23 (m, 2 H).
Cap-195
Cap-195, 工程a
参考文献:S. Danishefsky and J. F. Kerwin, Jr J. Org. Chem, 1982, 47, 1597.
三フッ化ホウ素エーテレート(3.81 mL, 30.5 mmol)を、攪拌および冷却した(-78℃)、ジエチルエーテル(100 mL)中の(E)-(4-メトキシブタ-1,3-ジエン-2-イルオキシ)トリメチルシラン(5.0 g, 29 mmol)およびアセトアルデヒド(3.28 mL, 58.0 mmol)の溶液に、窒素下において滴下した。該反応液を-78℃で2.5時間攪拌した後、飽和NaHCO
3水溶液(40 mL)でクエンチし、室温まで昇温させ、終夜攪拌した。層を分離し、水層をジエチルエーテル(2 X 50 mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、黄/オレンジ色の油状物まで濃縮した。該クルードな油状物をBiotage(登録商標) Horizon(110g SiO
2, 25-40% EtOAc/ヘキサン)で精製して、ラセミの2-メチル-2H-ピラン-4(3H)-オン(Cap-195, 工程a)(2.2 g)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 7.35 (d, J=6.0 Hz, 1 H), 5.41 (dd, J=6.0, 1.0 Hz, 1 H), 4.51 - 4.62 (m, 1 H), 2.41 - 2.57 (m, 2 H), 1.47 (d, J=6.3 Hz, 3 H).
Cap-195, 工程b
参考文献: Reddy, D. S.; Vander Velde, D.; Aube, J. J. Org. Chem. 2004, 69, 1716-1719.
1.6M メチルリチウム/ジエチルエーテル(20.9 mL, 33.4 mmol)溶液を、ヨウ化銅(I)(4.25 g, 22.30 mmol)/ジエチルエーテル(30 mL)の攪拌したスラリーに、0℃で窒素下において、加えた。該反応液を0℃で20分間攪拌した後、ラセミの2-メチル-2H-ピラン-4(3H)-オン(1.25 g, 11.2 mmol)/ジエチルエーテル(12.0 mL)を10分かけて加えた。該反応液を室温まで昇温させ、2時間攪拌した。該反応混合液を飽和NH
4Cl(水溶液)に注ぎ入れ、20分攪拌した。該溶液をジエチルエーテル(4 x 60 mL)で抽出し、有機物を合わせて食塩水(〜80 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮して、ラセミの(2R,6R)-2,6-ジメチルジヒドロ-2H-ピラン-4(3H)-オン(Cap-195, 工程b)(1.34 g)をオレンジ色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.28 - 4.39 (m, 2 H), 2.57 (dd, J=4.8, 1.5 Hz, 1 H), 2.53 (dd, J=4.9, 1.4 Hz, 1 H), 2.26 (dd, J=6.5, 1.5 Hz, 1 H), 2.23 (dd, J=6.5, 1.5 Hz, 1 H), 1.28 (d, J=6.3 Hz, 6 H).
Cap-195, 工程c
水素化ホウ素ナトリウム(0.354 g, 9.36 mmol)を、ラセミの(2R,6R)-2,6-ジメチルジヒドロ-2H-ピラン-4(3H)-オン(Cap-195, 工程b)(1.2 g, 9.4 mmol)/MeOH(30 mL)の攪拌した溶液に、0℃にて、少しずつ加えた。該溶液を、0℃で10分攪拌し、室温まで昇温させ、1時間攪拌した。該反応液を飽和NH
4Cl(〜50 mL)に注ぎ入れて20分攪拌した後、ある程度濃縮した(〜1/2容積まで)。沈殿が生じ、均一になるまで水を加えた後、該溶液をDCM(3 x 60 mL)で抽出した。水層を1N HClで酸性化した後、DCM(3 x 60 mL)で抽出した。有機物を合わせて、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、混濁した黄色の油状物を形成させた(1.08 g)。該クルードな油状物をDCM(8.0 mL)に溶解させた後、p-トシル-Cl(2.68 g, 14.0 mmol)およびピリジン(1.51 mL, 18.7 mmol)を加え、該反応液を室温で2.5日間攪拌した。該反応液を飽和NH
4Cl(〜60 mL)で希釈し、DCM(3 x 30 mL)で抽出した。有機相を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、茶色の油状物まで濃縮した。該油状物を、Biotage(登録商標)Horizon(80 g SiO
2, 10-25% EtOAc/ヘキサン)で精製して、ラセミの(2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル 4-メチルベンゼンスルホネート(Cap-195, 工程c)(1.63 g)を粘稠性の澄明な無色の油状物として得た。 LC-MS 保持時間 3.321分; m/z 284.98 [M+H]
+. LCデータは、Phenomenex-Luna 3u C18 2.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、検出波長 220 nMにてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件は、流速 0.8 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 4分、ホールド時間 1分、および分析時間 5分(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H
2O/10 mM 酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H
2O/95%MeOH/10 mM 酢酸アンモニウムであった)を用いた。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用Micromass Platformを用いて決定した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.81 (2 H, d, J=8.3 Hz), 7.36 (2 H, d, J=8.0 Hz), 4.81 - 4.92 (1 H, m), 4.17 - 4.26 (1 H, m), 3.78 - 3.87 (1 H, m), 2.47 (3 H, s), 1.91 - 1.99 (1 H, m), 1.78 - 1.86 (1 H, m), 1.65 - 1.72 (1 H, m), 1.46 (1 H, ddd, J=12.9, 9.4, 9.3 Hz), 1.20 (6 H, dd, J=6.5, 4.8 Hz).
該ラセミ混合物を、キラルプレパラティブSFC精製(Chiralpak AD-H プレパラティブカラム, 30 x 250 mm, 5 μm, 10% 1:1 EtOH/ヘプタン(CO2中), 70 mL/分で10分間)を用いて、複数回インジェクションで、個々のエナンチオマーに分離して、第1溶出ピークとして(2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル 4-メチルベンゼンスルホネート(Cap-195, 工程c.1)(577 mg)および第2溶出ピークとして(2S,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル 4-メチルベンゼンスルホネート(Cap-195, 工程c.2)(588 mg)を得た。各エナンチオマーを、澄明な無色の油状物(静置により白色の固形物へと固化した)として単離した。
Cap-195, 工程d
48 mL 圧力チューブにおいて、(2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル 4-メチルベンゼンスルホネート(Cap-195, 工程c.1)(575 mg, 2.02 mmol)およびベンジル 2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(733 mg, 2.22 mmol)を、THF(2 mL)およびトルエン(10 mL)中で攪拌した。該澄明な無色の溶液を窒素でフラッシュした後、LiHMDS(1.0M/THF)(2.22 mL, 2.22 mmol)を加え、該容器を密閉し、100℃で8時間加熱した。該反応液を室温まで冷却し、1/2飽和NH
4Cl(水溶液)(〜50 mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3x30 mL)で抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、クルードなオレンジ色の油状物まで濃縮した。該油状物をBiotage(登録商標)Horizon(40g SiO
2, 10-25% EtOAc/ヘキサン)で精製して、純粋でない目的の生成物(501 mg)をオレンジ色の油状物として得た。この物質をBiotage(登録商標)Horizon(25g SiO
2, 6-12% EtOAc/ヘキサン)で再精製して、ジアステレオマー(Cap-195, 工程d)(306 mg)の〜1:1 混合物を粘稠性のオレンジ色の油状物として得た。
該混合物を、キラルプレパラティブSFC精製(Chiralcel OJ-H プレパラティブカラム, 30 x 250 mm, 5μm, 10% 1:1 EtOH/ヘプタン(150 barでCO2中), 70 mL/分で10分間)を用いて、複数回のインジェクションで、個々のジアステレオマーに分離して、第1溶出ピークとして(R)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(Cap-195, 工程d.1)(124 mg)および第2溶出ピークとして(S)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(Cap-195, 工程d.2)(129 mg)を得た。各ジアステレオマーを、粘稠性の黄色の油状物として単離した。
(R)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(Cap-195, 工程d.1)についての分析データ: 1H NMR (400 MHz, D4-MeOH) δ ppm 7.57 - 7.61 (m, 2 H), 7.41 - 7.48 (m, 4 H), 7.33 - 7.40 (m, 7 H), 7.03 - 7.08 (m, 2 H), 5.22 (d, J=12.1 Hz, 1 H), 5.16 (d, J=12.1 Hz, 1 H), 4.09 - 4.19 (m, 1 H), 3.84 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 3.75 - 3.83 (m, 1 H), 2.53 - 2.64 (m, 1 H), 1.58 - 1.65 (m, 1 H), 1.33 - 1.43 (m, 1 H), 1.26 - 1.32 (m, 1 H), 1.24 (d, J=7.0 Hz, 3 H), 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 0.98 - 1.08 (m, 1 H). LC-MS 保持時間 4.28分; m/z 442.16 [M+H]+. LCデータは、Phenomenex-Luna 3u C18 2.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、検出波長 220 nMにてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件は、流速 0.8 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 4分、ホールド時間 1分、および分析時間 5分(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H2O/10 mM 酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H2O/95%MeOH/10 mM 酢酸アンモニウムであった)を用いた。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用Micromass Platformを用いて決定した。
(S)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(Cap-195, 工程d.2)についての分析データ: 1H NMR (400 MHz, D4-MeOH) δ ppm 7.57 - 7.61 (m, 2 H), 7.41 - 7.50 (m, 4 H), 7.33 - 7.40 (m, 7 H), 7.04 - 7.08 (m, 2 H), 5.22 (d, J=12.1 Hz, 1 H), 5.16 (d, J=12.1 Hz, 1 H), 4.20 (qd, J=6.4, 6.3 Hz, 1 H), 3.86 (d, J=6.5 Hz, 1 H), 3.74 - 3.83 (m, 1 H), 2.53 - 2.64 (m, 1 H), 1.60 (td, J=12.7, 5.6 Hz, 1 H), 1.38 - 1.51 (m, 2 H), 1.26 (d, J=7.0 Hz, 3 H), 1.04 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 0.79 - 0.89 (m, 1 H). LC-MS 保持時間 4.27分; m/z 442.17 [M+H]+. LCデータは、Phenomenex-Luna 3u C18 2.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、検出波長 220 nMにてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件は、流速 0.8 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 4分、ホールド時間 1分、および分析時間 5分(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H2O/10 mM 酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H2O/95%MeOH/10 mM 酢酸アンモニウムであった)を用いた。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用Micromass Platformを用いて決定した。
Cap-195, 工程e
(S)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(ジフェニルメチレンアミノ)アセテート(Cap-195, 工程d.2)(129.6 mg, 0.294 mmol)をTHF(2 mL)に溶解させた後、2N HCl(1.0 mL, 2.1 mmol)/水で処理した。該反応液を2時間攪拌した後、終夜、窒素の気流下において濃縮した。該粗残渣をDCM(2 mL)およびDIPEA(0.21 mL, 1.2 mmol)に溶解させた後、クロロギ酸メチル(0.032 mL, 0.41 mmol)で処理して、室温で4時間攪拌した。該反応液を水(〜2.5 mL)で希釈し、DCM(4 X 2 mL)で抽出した。有機相を合わせて、終夜、窒素の気流下において濃縮し、残渣をBiotage(登録商標)Horizon(4g SiO
2, 10-50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、(S)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)アセテート(Cap-195, 工程e)(56 mg)を無色のガラス状物質として得た。 LC-MS 保持時間 3.338分; m/z 335.99 [M+H]
+. LCデータは、Phenomenex-Luna 3u C18 2.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、検出波長 220 nMにてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件は、流速 0.8 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 4分、ホールド時間 1分、および分析時間 5分(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H
2O/10 mM 酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H
2O/95%MeOH/10 mM 酢酸アンモニウムであった)を用いた。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用Micromass Platformを用いて決定した。
1H NMR (400 MHz, D
4-MeOH) δ ppm 7.29 - 7.42 (m, 5 H), 5.28 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 5.09 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 4.10 - 4.20 (m, 2 H), 3.68 - 3.78 (m, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 2.22 - 2.36 (m, 1 H), 1.42 - 1.54 (m, 2 H), 1.29 - 1.38 (m, 1 H), 1.17 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 1.04 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 0.89 - 1.00 (m, 1 H).
Cap-195
(S)-ベンジル 2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)アセテート(Cap-195, 工程e)(56 mg, 0.167 mmol)をMeOH(4 mL)に溶解させた後、10% Pd/C(12 mg, 0.012 mmol)で処理した。該反応混合液を、窒素(4X)、次いで水素(4X)で減圧フラッシュした後、水素のバルーン下において終夜攪拌した。該反応液をセライト(登録商標)により濾過し、濃縮して、(S)-2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)酢酸(Cap-195)(41 mg)を無色の油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, D4-MeOH) δ ppm 4.22 (5重線, J=6.4 Hz, 1 H), 4.04 - 4.11 (m, 1 H), 3.78 - 3.87 (m, 1 H), 3.66 (s, 3 H), 2.26 - 2.39 (m, 1 H), 1.63 (d, J=13.1 Hz, 1 H), 1.51 - 1.60 (m, 1 H), 1.42 - 1.49 (m, 1 H), 1.27 (d, J=7.0 Hz, 3 H), 1.11 (d, J=6.3 Hz, 3 H), 0.97 - 1.08 (m, 1 H).
注記:Cap-195の絶対立体化学を、Cap-195 ((R)-2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)酢酸)のエピマーおよび(S)-1-(ナフタレン-2-イル)エタンアミンから製造したアミド類似体の単結晶X線解析により決定した。
Cap-196.1およびCap-196.2
Cap-196, 工程a
溶媒中のメチル 3,3-ジメトキシプロパノエート(10 g, 67.5 mmol)、LiOH(8.08 g, 337 mmol)と、40 mLのMeOH、40 mLのTHFおよび40 mLの水との混合液を、80℃で2時間加熱した。次いで、該混合液を室温まで冷却し、1 N HCl水溶液(pH>3)を用いて酸性化した。その後、該混合液をCH
2Cl
2(3X)で抽出した。有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-196, 工程aを澄明な油状物として得た(6.3 g)。該生成物を、さらなる精製は行わずに次の反応で用いた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 4.82 (t, J=5.8 Hz, 1H), 3.36 (s, 6H), 2.69 (d, J=5.8 Hz, 2H);
13C NMR (125 MHz, CDCl
3) δ 175.22, 101.09, 53.68, 38.76.
Cap-196, 工程b
40 mLのTHF中のCap-196, 工程a(4.55 g, 33.9 mmol)の溶液に、40 mLのTHF中のN,N'-カルボニルジイミダゾール(6.60 g, 40.7 mmol)の懸濁液を滴下した。該溶液は黄色に変化し、気体の発生が見られた。該混合液を室温で2時間攪拌した。それと同時に、80 mLのTHF中のマロン酸モノメチル一カリウム(7.95 g, 50.9 mmol)および塩化マグネシウム(3.55 g, 37.3 mmol)を有する別のフラスコも、室温で2時間攪拌した。次いで、該イミダゾリド溶液をMg(OOCCH
2COOMe)
2溶液中に、シリンジによって移し入れ、得られた混合液を室温で16時間攪拌した。その後、該混合液を60 mLのNaHSO
4(2M)溶液で酸性化し、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCO
3水溶液、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-196, 工程bを薄紫色の油状物として得た(4.9 g)。該油状物を、さらなる精製は行わずに次の工程で用いた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 4.75 (t, J=5.5 Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.35 (s, 6H), 2.84 (d, J=5.5 Hz, 2H).
Cap-196, 工程c
70 mLのMeOH中のCap-196, 工程b(4.9 g, 25.8 mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.072 g, 28.3 mmol)をゆっくりと加えた。得られた混合液を室温で3時間攪拌し、1N HCl(15 mL)でクエンチした。次いで、該混合液をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-196, 工程cを薄黄色の油状物として得た(4.4 g)。該生成物を、さらなる精製は行わずに次の工程で用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.60 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.25 - 4.16 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.36 (d, J=1.5 Hz, 6H), 2.52 - 2.48 (m, 2H), 1.83 - 1.77 (m, 2H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 172.21, 102.73, 64.61, 53.22, 52.95, 51.30, 41.00, 38.65.
Cap-196, 工程d
50 mLのDMF中のCap-196, 工程c(4.4 g, 22.89 mmol)の溶液に、イミダゾール(3.12 g, 45.8 mmol)およびTBS-Cl(5.52 g, 36.6 mmol)を加えた。得られた混合液を室温で3日間攪拌した。次いで、該反応液をCH
2Cl
2で希釈し、水で洗浄した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-15% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-196, 工程dを澄明な油状物(5.0 g)として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 4.55 - 4.50 (m, 1H), 4.30 - 4.21 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.32 (d, J=1.5 Hz, 6H), 2.51 (d, J=6.3 Hz, 2H), 1.89 - 1.77 (m, 2H), 0.88 (s, 9H), 0.08 (d, J=11.0 Hz, 6H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 171.41, 101.24, 65.85, 52.35, 52.09, 51.04, 42.40, 39.92, 25.37, 25.27, 17.55, -3.95, -5.15.
Cap-196, 工程e
水浴において、50 mLのエーテルのCap-196, 工程d(5.0 g, 16.31 mmol)の溶液に、10 mLのエーテル中のチタン酸テトライソプロピル(0.971 mL, 3.26 mmol)を加えた。該溶液は黄色に変化した。次いで、エチルマグネシウムブロミド(48.9 mL, 48.9 mmol)(1 M/THF)をシリンジポンプにより1時間かけて滴下した。該溶液は、いくらかの沈殿物を伴って、濃い茶色に変化した。その後、該混合液を水浴において2時間攪拌した。該混合液をエーテルで希釈し、飽和NH
4Cl水溶液でゆっくりとクエンチした。得られた白色の沈殿物を濾過して除いた。該濾液をEt
2O(3X)で抽出した。有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。その後、該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-20% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-196, 工程eを澄明な油状物として得た(4.02 g)。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 4.47 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.21 - 4.14 (m, 1H), 3.71 (s, 1H), 3.31 (d, J=1.8 Hz, 6H), 2.05 - 1.88 (m, 3H), 1.66 - 1.58 (m, 1H), 0.90 (s, 9H), 0.83 - 0.76 (m, 1H), 0.71 - 0.65 (m, 1H), 0.47 (m, 1H), 0.40 - 0.34 (m, 1H), 0.12 (d, J=11.0 Hz, 6H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 102.09, 69.97, 54.44, 52.97, 52.84, 43.27, 40.00, 25.92, 17.96, 14.04, 12.06, -4.32, -4.61.
Cap-196, 工程f
120 mLのMeOH中のCap-196, 工程e(4.02 g, 13.20 mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(3.01 g, 15.84 mmol)の溶液を室温で終夜攪拌した。該混合液に100 mLの飽和NaHCO
3溶液を加え、該混合液をCH
2Cl
2(3X)で抽出した。有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、70% EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルベッドに通して流すことにより、迅速に精製して、Cap-196, 工程fを澄明な油状物として得た(1.7 g)。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 4.79 (t, J=3.7 Hz, 1H), 4.59 (dd, J=5.3, 2.9 Hz, 1H), 4.30 - 4.22 (m, 1H), 4.03 (br. s., 1H), 3.37 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 2.09 - 2.03 (m, 1H), 2.00 (dtd, J=13.1, 4.0, 1.5 Hz, 1H), 1.86 (dd, J=13.1, 3.7 Hz, 1H), 1.81 - 1.61 (m, 7H), 0.94 - 0.87 (m, 1H), 0.83 - 0.77 (m, 1H), 0.74 - 0.69 (m, 1H), 0.65 - 0.56 (m, 2H), 0.48 - 0.40 (m, 2H), 0.37 - 0.30 (m, 1H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 100.86, 100.27, 65.75, 64.35, 56.24, 55.92, 53.80, 52.35, 40.86, 39.92, 39.28, 38.05, 12.10, 12.06, 9.91, 9.37.
Cap-196, 工程g
20 mLのCH
2Cl
2中のCap-196, 工程f(1.7 g, 10.75 mmol)の溶液に、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(2.139 mL, 8.06 mmol)を加えた。該混合液を室温で2時間攪拌した。次いで、該混合液を-10℃まで冷却した。トリエチルシラン(6.87 mL, 43.0 mmol)を加えた後、三フッ化ホウ素 エーテル複合体(3.40 mL, 26.9 mmol)を滴下した。該混合液は、三フッ化ホウ素 エーテル複合体を加えるとすぐに薄紫色に変化した。次いで、該混合液を0℃までゆっくりと昇温させ、0℃で30分間攪拌した。その後、該反応液を水でクエンチし、EtOAc(3X)で抽出した。有機層を合わせてMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、70% EtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲルベッドに通して流すことにより迅速に精製して、Cap-196, 工程gを澄明な油状物として得た(1.5 g)。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 6.43 (br. s., 1H), 3.96 (tt, J=9.5, 4.7 Hz, 1H), 3.86 (dt, J=11.5, 4.0 Hz, 1H), 3.51 (td, J=11.1, 2.7 Hz, 1H), 1.98 - 1.84 (m, 2H), 1.66 - 1.50 (m, 2H), 0.86 - 0.79 (m, 1H), 0.66 - 0.59 (m, 1H), 0.53 - 0.46 (m, 1H), 0.34 (m, 1H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 67.41, 64.37, 57.99, 41.28, 35.22, 11.74, 11.32.
Cap-196, 工程h
30 mLのCH
2Cl
2中の塩化オキサリル(1.090 mL, 12.45 mmol)の溶液に、-78℃にて、20 mLのCH
2Cl
2中のDMSO(1.767 mL, 24.90 mmol)を滴下した。該混合液を20分間攪拌し、20 mLのCH
2Cl
2中のCap-196, 工程g(1.33 g, 10.38 mmol)を滴下した。該混合液を-78℃で20分間攪拌した。次いで、Et
3N(7.52 mL, 54.0 mmol)を加え、該混合液を30分かけて室温までゆっくりと昇温させた。その後、該混合液を水でクエンチし、CH
2Cl
2(3X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-196, 工程hを澄明な油状物として得た(1.3 g)。該粗生成物を、さらなる精製は行わずに次の工程に用いた。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 3.95 (t, J=6.0 Hz, 2H), 2.55 - 2.50 (m, 2H), 2.46 (s, 2H), 0.84 (m, 2H), 0.50 (m, 2H).
Cap-196, 工程i
20 mLのTHF中のメチル 2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(3.41 g, 10.30 mmol)の溶液に、-20℃にて、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(2.85 mL, 22.67 mmol)を加えた。得られた混合液を-20℃で1時間攪拌した。次いで、10 mLのTHF中のCap-196, 工程h(1.3 g, 10.30 mmol)を加えた。得られた茶色の混合液を室温で6日間攪拌した。その後、該反応液を濃縮し、該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 0-25% EtOAc/ヘキサン)により精製して、Cap-196, 工程i(異性体の混合物)を白色の固形物として得た(850 mg)。 LC/MS: [M+H]
+ C
18H
22NO
5として計算;計算値: 332.15; 実測値 332.14;
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.45 - 7.29 (m, 5H), 6.09 - 5.81 (m, 1H), 5.18 - 5.08 (m, 2H), 3.88 - 3.49 (m, 5H), 3.06 - 2.82 (m, 2H), 2.52 - 2.36 (m, 2H), 0.82 - 0.64 (m, 2H), 0.58 - 0.32 (m, 2H).
Cap-196.1およびCap-196.2, 工程j
500 mL 水素化圧力チューブにおいて、5 mLのMeOH中のCap-196, 工程i(異性体の混合物)(730 mg, 2.203 mmol)の溶液をN
2で30分間バブルした。該混合液に(-)-1,2-ビス((2S,5S)-2,5-ジメチルホスホラノ)エタン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート(24.51 mg, 0.044 mmol)を加えた後、該ボトルをパールシェーカー上に置き、60 psiで3日間、水素化した。次いで、該混合液を濃縮した。その後、該粗生成物をキラルHPLC(Chiralpak AD column, 21 x 250 mm, 10 um)(15 mL/分にて85% 0.1% ジエチルアミン/ヘプタン-15% EtOHで溶出)により分離して、Cap-196.1, 工程j(220 mg)(第1溶出画分)およびCap-196.2, 工程j(290 mg)(第2溶出画分)を澄明な油状物sとして得た。該異性体の絶対立体化学は決定されなかった。
Cap-196.1, 工程j: LC/MS: [M+Na]+ C18H23NNaO5として計算;計算値: 356.15; 実測値 356.16; 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.41 - 7.28 (m, 5H), 5.34 (d, J=8.9 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.37 (dd, J=9.0, 5.0 Hz, 1H), 3.89 - 3.82 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.48 (td, J=11.1, 3.1 Hz, 1H), 2.29 - 2.17 (m, 1H), 1.96 (t, J=12.7 Hz, 1H), 1.57 - 1.43 (m, 2H), 1.07 - 0.98 (m, 1H), 0.87 - 0.78 (m, 1H), 0.66 - 0.56 (m, 1H), 0.56 - 0.47 (m, 1H), 0.37 - 0.27 (m, 1H);
Cap-196.2, 工程j: LC/MS: [M+Na]+ C18H23NNaO5として計算;計算値: 356.15; 実測値 356.17; 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.40 - 7.28 (m, 5H), 5.33 (d, J=8.5 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.36 (dd, J=8.9, 5.8 Hz, 1H), 3.86 (dd, J=11.0, 3.1 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.53 - 3.43 (m, 1H), 2.25 - 2.14 (m, 1H), 1.94 (t, J=12.5 Hz, 1H), 1.67 - 1.44 (m, 2H), 0.97 - 0.90 (m, 1H), 0.86 - 0.79 (m, 1H), 0.66 - 0.57 (m, 1H), 0.53 - 0.44 (m, 1H), 0.33 - 0.24 (m, 1H).
Cap-196.1, 工程k
水素化フラスコにおいて、10 mLのMeOH中のCap-196.1, 工程j(210 mg, 0.630 mmol)の溶液に、二炭酸ジメチル(0.135 mL, 1.260 mmol)およびPd/C(33.5 mg, 0.031 mmol)を加えた。該フラスコをパールシェーカー上に置き、該混合液を、50 psiにて4時間、水素化した。その後、該混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を濃縮して、Cap-196.1, 工程kを澄明な油状物として得た(165 mg)。 LC/MS: [M+H]
+ C
12H
20NO
5として計算;計算値: 258.13; 実測値 258.16;
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 5.39 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.30 (dd, J=8.9, 5.2 Hz, 1H), 3.84 - 3.78 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.47 - 3.39 (m, 1H), 2.23 - 2.12 (m, 1H), 1.91 (t, J=12.5 Hz, 1H), 1.49 - 1.39 (m, 2H), 0.97 (dd, J=13.1, 2.4 Hz, 1H), 0.81 - 0.74 (m, 1H), 0.61 - 0.52 (m, 1H), 0.46 (dt, J=10.1, 6.0 Hz, 1H), 0.32 - 0.24 (m, 1H).
Cap-196.1
2 mLのTHFaおよび1 mLの水中のCap-196.1, 工程k(165 mg, 0.641 mmol)の混合液に、LiOH(1 mL, 2.0 mmol)(2 M水溶液)を加えた。得られた混合液を室温で終夜攪拌した。ついで、該混合液をエーテル(1 mL)で洗浄した。水相を1 N HCl水溶液で酸性化して、エーテル(6 X)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、Cap-196.1を白色の固形物として得た(150 mg)。 LC/MS: [M+H]
+ C
11H
18NO
5として計算;計算値: 244.12; 実測値 244.09;
1H NMR (500MHz, CDCl
3-d) δ 5.27 (d, J=8.9 Hz, 1H), 4.39 (dd, J=8.5, 4.9 Hz, 1H), 3.94 - 3.86 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.56 - 3.46 (m, 1H), 2.36 - 2.24 (m, 1H), 2.01 (t, J=12.7 Hz, 1H), 1.63 - 1.48 (m, 2H), 1.14 - 1.05 (m, 1H), 0.92 - 0.80 (m, 1H), 0.69 - 0.60 (m, 1H), 0.58 - 0.49 (m, 1H), 0.40 - 0.31 (m, 1H).
Cap 196.2
Cap-196.2を、Cap-196.1について記載された方法に従って、Cap-196.2, 工程jから合成した。 LC/MS: [M+H]
+ C
11H
18NO
5として計算;計算値: 244.12; 実測値 244.09;
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 5.27 (d, J=8.9 Hz, 1H), 4.38 (dd, J=8.2, 4.9 Hz, 1H), 3.91 (dd, J=11.1, 3.2 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.52 (t, J=11.0 Hz, 1H), 2.34 - 2.23 (m, 1H), 2.07 - 1.97 (m, 1H), 1.72 - 1.61 (m, 1H), 1.54 (qd, J=12.6, 4.7 Hz, 1H), 1.04 - 0.96 (m, 1H), 0.90 - 0.82 (m, 1H), 0.68 - 0.61 (m, 1H), 0.56 - 0.49 (m, 1H), 0.39 - 0.30 (m, 1H).
Cap-197
Cap-197, 工程a
1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(15 g, 96 mmol)/EtOAc(150 mL)溶液を、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(10.45 mL, 83 mmol)およびEtOAc(150 mL)中のメチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(21.21 g, 64.0 mmol)の溶液に加えた。得られた溶液を周囲温度で72時間攪拌した後、それをEtOAc(25 mL)で希釈した。有機層を1N HCl(75 mL)、H
2O(100 mL)および食塩水(100 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をBiotage(5%〜25% EtOAc/ヘキサン; 300g カラム)により精製した。その後、生成物を含む画分を合わせて減圧下で濃縮し、残渣をヘキサン/EtOAcから再結晶化させて、メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-イリデン)アセテート(6.2 g)に相当する白色の結晶状物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 7.30 - 7.44 (5 H, m), 6.02 (1 H, br. s.), 5.15 (2 H, s), 3.97 (4 H, s), 3.76 (3 H, br. s.), 2.84 - 2.92 (2 H, m), 2.47 (2 H, t, J=6.40 Hz), 1.74 - 1.83 (4 H, m). LC (条件OL1): 保持時間 = 2.89分. LC/MS: [M+Na]
+ C
19H
23NNaO
6として計算;計算値: 745.21; 実測値: 745.47.
Cap-197, 工程b
エステル Cap-197, 工程bを、Burk, M. J.; Gross, M. F. および Martinez J. P. (J. Am. Chem. Soc., 1995, 117, 9375-9376およびその中の参考文献)の方法に従って、アルケン Cap-197, 工程aから製造した: 500 mL 高圧ボトルに、脱気したMeOH(200 mL)中のアルケン Cap-197, 工程a(3.5 g, 9.68 mmol)を、N
2のブランケット下において、入れた。次いで、該溶液に(-)-1,2-ビス((2S,5S)-2,5-ジメチルホスホラノ)エタン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート(0.108 g, 0.194 mmol)を加え、得られた混合液をN
2(3x)でフラッシュし、H
2(3x)でチャージした。該溶液を、70 psiのH
2下において周囲温度で、72時間激しく振盪させた。溶媒を減圧下で除去し、残った残渣をEtOAcに溶解させた。その後、茶色がかった溶液を、シリカゲルのプラグにより濾過し、EtOAcで溶出した。溶媒を減圧下で濃縮し、Cap-197, 工程bに相当する澄明な油状物を得た(3.4 g)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 7.28 - 7.43 (5 H, m), 5.32 (1 H, d, J=9.16 Hz), 5.06 - 5.16 (2 H, m), 4.37 (1 H, dd, J=9.00, 5.04 Hz), 3.92 (4 H, t, J=3.05 Hz), 3.75 (3 H, s), 1.64 - 1.92 (4 H, m), 1.37 - 1.60 (5 H, m). LC (条件OL1): 保持時間 = 1.95分. LC/MS: [M+H]
+ C
19H
26NO
6として計算;計算値: 364.18; 実測値: 364.27.
Cap-197, 工程c
Cap-197, 工程b(6.68 g, 18.38 mmol)をMeOH(150 mL)に溶解させ、Pd/C(0.039 g, 0.368 mmol)を加え、該懸濁液を1気圧のH
2下に置いた。該反応混合液を室温で6時間攪拌し、珪藻土(セライト(登録商標))のプラグにより濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。Cap-197, 工程cに相当する琥珀色の油状物を得て(3.8 g)、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3-d) δ 3.92 (br. s., 4H), 3.71 (s, 3H), 3.31 (d, J=4.0 Hz, 1H), 1.87 - 1.44 (m, 9H).
13C NMR (101MHz, CDCl
3-d) δ 176.1, 108.7, 64.5 (2C), 59.1 , 52.0, 41.1, 34.7, 34.6 , 27.2, 25.4.
Cap-197, 工程d
クロロギ酸メチル(2.57 mL, 33.1 mmol)を、CH
2Cl
2(200 mL)中のCap 197, 工程c(3.8 g, 16.57 mmol)およびDIEA(23.16 mL, 133 mmol)の溶液に加えた。得られた溶液を室温で3時間攪拌し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣をBiotage(30% EtOAc/ヘキサン; 160g カラム)により精製した。Cap-197, 工程dに相当する琥珀色の油状物を得た(3 g)。
1H NMR (500MHz, CDCl
3-d) δ 5.24 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.34 (dd, J=8.9, 4.9 Hz, 1H), 3.92 (s, 4H), 3.74 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 1.89 - 1.73 (m, 3H), 1.67 (d, J=12.5 Hz, 1H), 1.62 - 1.33 (m, 5H).
13C NMR (126MHz, CDCl
3-d) 172.4, 156.7, 108.1, 64.2, 64.2, 57.7, 52.3, 52.2, 39.6, 34.2 (2C), 26.5, 25.0.
Cap-197, 工程e
Cap-197, 工程d(1.15 g, 4.00 mmol)をTHF(50 mL)に溶解させた後、水(30 mL)、氷酢酸(8.02 mL, 140 mmol)およびジクロロ酢酸(1.985 mL, 24.02 mmol)を連続的に加えた。該混合液を室温で終夜攪拌し、該反応液を、激しく攪拌しながら、気体の放出が見られなくなるまで、固体の炭酸ナトリウムをゆっくりと加えることによりクエンチした。粗生成物を10%酢酸エチル-ジクロロメタンに抽出し、有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をBiotage(0〜30% EtOAc/ヘキサン; 40g カラム)により精製して、Cap-197, 工程eに相当する澄明な油状物を得た(0.72 g)。
1H NMR (500MHz, CDCl
3-d) δ 5.36 (d, J=8.2 Hz, 1H), 4.46 (dd, J=8.4, 5.0 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 2.46 - 2.39 (m, 2H), 2.38 - 2.29 (m, 2H), 2.09 - 2.03 (m, 1H), 1.96 - 1.88 (m, 1H), 1.64 - 1.51 (m, 2H).
13C NMR (126MHz, CDCl
3-d) δ 210.1, 171.9, 156.7, 57.2, 52.5 (2C), 40.2, 40.2, 39.4, 28.7, 27.6.
Cap-197
THF(7.5 mL)およびMeOH(7.50 mL)中のCap-197, 工程e(0.68 g, 2.80 mmol)の溶液を0℃まで冷却した。2N NaOH水溶液(1.9 mL, 3.80 mmol)を滴下し、得られた溶液を室温で2時間攪拌した。ヘキサン:Et
2Oの1:1 混合液(20 mL)を加え、有機層を捨てた。次いで、水層を、10%KHSO
4水溶液を用いてpH〜1まで酸性化し、該混合液をEtOAc(2X)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。Cap-197に相当する白色の泡状物質(0.55 g)を得て、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 12.70 (br. s., 1H), 7.49 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.01 (dd, J=8.2, 6.7 Hz, 1H), 3.54 (s, 3H), 2.45 - 2.30 (m, 2H), 2.23 - 2.13 (m, 3H), 1.94 - 1.79 (m, 3H), 1.57 (qd, J=12.7, 4.1 Hz, 1H), 1.47 (qd, J=12.7, 4.4 Hz, 1H).
13C NMR (126MHz, DMSO-d
6) δ 210.2, 173.0, 156.8, 57.6, 51.5, 39.7 ( 2C), 36.9, 28.6, 27.5.
Cap-198
水酸化ナトリウム, 1M 水溶液(2.4 mL, 2.400 mmol)中の(S)-2-アミノ-2-(3-(トリフルオロメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)酢酸(商業的供給源から得た; 0.5151 g, 2.463 mmol)および炭酸ナトリウム(0.131 g, 1.231 mmol)の混合液に、0℃にて、メチル カルボノクロリデート(carbonochloridate)(0.2 mL, 2.59 mmol)を滴下した。次いで、該反応液を室温で4時間攪拌した。その後、それを氷/水浴において冷却し、ジエチルエーテル(25 mL)を加えて攪拌し、層を分離した。水層をジエチルエーテル(2 x 25 mL)で洗浄した。水層を氷-水浴を用いて冷却し、12N HClを用いて1-2のpH範囲まで酸性化した。それをCH
2Cl
2(3 x 50 mL)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、Cap-198をオフホワイト色の固形物として得て(480.7 mg)、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 12.86 (ブロードのs, 1H), 7.61 (ブロードのd, J=8.0 Hz, 1H), 4.16 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.00 (d, J = 8.3 Hz, 3H), 1.93 (d, J = 9.3, 3H).
本開示は特定の実施態様に関連して記載されるが、それはその発明の範囲を制限することを意図するものではない。一方、本開示は、全ての代替形態、改変形態、および同等形態を、特許請求の範囲内に含み得るものとして包含する。従って、特定の実施態様を含む以下の実施例は、本発明の1つの実例を説明し、該実施例は特定の実施態様の例示目的であり、そしてその方法および概念的態様の最も有用で且つ容易に理解される記載であると考えられるものを提供するために提示するものであると解される。
純度評価、分子量および保持時間は、以下の条件に従って実施された。
条件1(Agilent 1200シリーズLCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Xbridge phenyl ((4.6x150) mm, 3.5 μm)
溶媒A = バッファー: CH3CN(95:5)
溶媒B = バッファー: CH3CN(5:95)
バッファー = 0.05%TFA/H2O(pH 2.5, 希アンモニアで調整)
開始 %B = 10
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 12分
イソクラティック時間 = 3分
停止時間 = 23分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件2(Agilent 1200シリーズ LCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Sunfire C18 ((4.6x150) mm, 3.5 μm)
溶媒A = バッファー:CH3CN(95:5)
溶媒B = バッファー:CH3CN(5:95)
バッファー = 0.05%TFA/H2O(pH 2.5, 希アンモニアで調整)
開始 %B = 10
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 12分
イソクラティック時間 = 3分
停止時間 = 23分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件3 (Agilent 1200シリーズ LCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Xbridge phenyl ((4.6x150) mm, 3.5 μm)
溶媒A =バッファー: CH3CN(95:5)
溶媒B = バッファー: CH3CN(5:95)
バッファー = 0.05%TFA/H2O(pH 2.5, 希アンモニアで調整)
開始 %B = 0
最終 %B = 50
グラジエント時間-1 = 15分
最終 %B = 100
グラジエント時間-2 = 3分
イソクラティック時間 = 5分
停止時間 = 28分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件4 (Agilent 1200シリーズ LCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Sunfire C18 ((4.6x150) mm, 3.5 μm)
溶媒A =バッファー: CH3CN(95:5)
溶媒B = バッファー: CH3CN(5:95)
バッファー = 0.05%TFA/H2O(pH 2.5, 希アンモニアで調整)
開始 %B = 0
最終 %B = 50
グラジエント時間-1 = 15分
最終 %B = 100
グラジエント時間-2 = 3分
イソクラティック時間 = 5分
停止時間 = 28分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件5 (Agilent 1200シリーズ LCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Sunfire C18 ((4.6x150) mm, 3.5 μm)
溶媒A =バッファー: CH3CN(95:5)
溶媒B = バッファー: CH3CN(5:95)
バッファー = 0.05%TFA/H2O(pH 2.5, 希アンモニアで調整)
開始 %B = 10
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 25分
イソクラティック時間 = 5分
停止時間 = 36分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件6 (Agilent 1200シリーズ LCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Xbridge phenyl ((4.6x150) mm, 3.5 μm)
溶媒A = バッファー: CH3CN(95:5)
溶媒B = バッファー: CH3CN(5:95)
バッファー = 0.05%TFA/H2O(pH 2.5, 希アンモニアで調整)
開始 %B = 10
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 25分
イソクラティック時間 = 5分
停止時間 = 36分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件7 (Agilent 1200シリーズ LCシステムでの均一性指数評価用)
カラム = Eclipse XDB C18 ((4.6x150) mm, 5 μm)
溶媒A = 20 mM NH4OAc/H2O
溶媒B = CH3CN
開始 %B = 10
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 12分
イソクラティック時間 = 3分
停止時間 = 20分
流速 = 1 mL/分
波長 = 220 & 254 nm
条件8 (6140 シングル四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Chromolith SpeedROD C18 ((4.6x30) mm, 5 μm)
溶媒A =MeOH(10%)+0.1%TFA/H2O(90%)
溶媒B = MeOH(90%)+0.1%TFA/H2O(10%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 1分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
条件9 (6140 シングル四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Zorbax SB C18 ((4.6x50) mm, 5 μm)
溶媒A =MeOH(10%)+0.1%TFA/H2O(90%)
溶媒B = MeOH(90%)+0.1%TFA/H2O(10%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
条件10 (6140 シングル四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Purospher(登録商標)star RP-18 ((4.0x55) mm, 3 μm)
溶媒A =ACN(10%)+20 mM NH4OAc/H2O(90%)
溶媒B = ACN(90%)+20 mM NH4OAc/H2O(10%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 2.0分
イソクラティック時間 = 0.5分
停止時間 = 3分
流速 = 2.5 mL/分
波長 = 220 nm
条件11 (6140 シングル四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Purospher(登録商標)star RP-18 ((4.0x55) mm, 3 μm)
溶媒A =ACN(10%)+20 mM NH4OAc/H2O(90%)
溶媒B = ACN(90%)+20 mM NH4OAc/H2O(10%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 1.8分
イソクラティック時間 = 1.5分
停止時間 = 4分
流速 = 2.5 mL/分
波長 = 220 nm
条件12 (6140 シングル四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Xbridge phenyl (4.6X30 mm, 3.5 μm)
溶媒A =CH3CN(2%)+10 mM NH4COOH/H2O(98%)
溶媒B = CH3CN(98%)+10 mM NH4COOH/H2O(2%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 1.5分
イソクラティック時間 = 1.7分
停止時間 = 4分
流速 = 1.8 mL/分
波長 = 220 nm
条件13 (6330 イオントラップマススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Ascentis Express C18 (2.1X50 mm, 2.7 μm)
溶媒A =CH3CN(2%)+10 mM NH4COOH/H2O(98%)
溶媒B = CH3CN(98%)+10 mM NH4COOH/H2O(2%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 1.4分
イソクラティック時間 = 1.6分
停止時間 = 4分
流速 = 1.0 mL/分
波長 = 220 nm
条件14 (6330 イオントラップマススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Ascentis Express C8 (2.1X50 mm, 2.7 μm)
溶媒A =CH3CN(2%)+10 mM NH4COOH/H2O(98%)
溶媒B = CH3CN(98%)+10 mM NH4COOH/H2O(2%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 1.5分
イソクラティック時間 = 1.5分
停止時間 = 4分
流速 = 1.0 mL/分
波長 = 220 nm
条件15 (6330 イオントラップマススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Ascentis Express C18 (2.1X50 mm, 2.7 μm)
溶媒A =CH3CN(2%)+10 mM NH4COOH/H2O(98%)
溶媒B = CH3CN(98%)+10 mM NH4COOH/H2O(2%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 1.5分
イソクラティック時間 = 1.5分
停止時間 = 4分
流速 = 1.0 mL/分
波長 = 220 nm
条件16 (Agilent GCMS Module-7890 (GC) 5975C (MSD)でのGC-MS分析)
カラム = DB-1, 30 m x 0.25 mm ID x 0.25 μ 膜厚
カラム流量 = 1.2 mL/分(一定流量のヘリウム)
キャリアガス = ヘリウム
インジェクター温度 = 250℃
インジェクション量 = 1μL
スプリット比 = 1:20
質量検出器:
ソース温度 = 230℃
四重極(Quadra pole)温度 = 150℃
カラム温度グラジエント = 初期温度50℃およびホールド1分間。最大300℃まで25℃/分での勾配比、およびホールド5分。
条件17 (6140 四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, (ESI + APCI) マルチモード +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-1300)
カラム = YMC PACK TMS (3X50 mm, 3 μm)
溶媒A =CH3CN(2%)+10 mM NH4COOH/H2O(98%)
溶媒B = CH3CN(98%)+10 mM NH4COOH/H2O(2%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 1.5分
イソクラティック時間 = 1.7分
停止時間 = 4分
流速 = 1.0 mL/分
波長 = 220 nm
条件18 (6140 シングル四重極マススペクトロメーターを連結したAgilent LC-1200 シリーズでのLC-MS分析, ESI +ve モード & -ve モード, MS範囲: 100-2000)
カラム = Purospher@star RP-18 ((4.0x55) mm, 3 μm)
溶媒A =ACN(10%)+20 mM NH4OAc/H2O(90%)
溶媒B = ACN(90%)+20 mM NH4OAc/H2O(10%)
開始 %B = 0
最終 %B = 100
グラジエント時間 = 2.0分
イソクラティック時間 = 0.5分
停止時間 = 4分
流速 = 2.5 mL/分
波長 = 220 nm
実施例1
実施例1, 工程a
1,4-ジブロモナフタレン(1.0 g, 3.49 mmol)/トルエン(10 mL)溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(1.38 g, 3.84 mmol)を加え、その後にPd(Ph
3P)
2Cl
2(251 mg, 0.349 mmol)を加えた。該反応混合液をN
2で10分間パージし、100℃にて終夜還流した。該反応混合液を飽和KF溶液(10 mL)でクエンチし、室温で2時間攪拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))プラグにより濾過し、有機層を分離して、減圧濃縮した。得られた残渣に、3 N HCl(20 mL)を室温にて加え、2時間攪拌した。その後、該反応混合液をEtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc: 石油エーテル, 20:80)により精製して、ブロミド1a(600 mg)を得た。 LC/MS (条件8): 保持時間 = 1.99分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.75-8.73 (m, 1H), 8.36-8.34 (m , 1H), 7.85 (d, J = 7.8, 1H), 7.76 (d, J = 7.8, 1H), 7.69-7.65 (m , 2H ), 2.76 (s, 3H ). LC/MS: [M+H]
+ C
12H
10BrOとして計算;計算値: 248.98; 実測値 249.0.
実施例1, 工程b
ブロミド1a(600 mg, 2.40 mmol)/ジオキサン(10 mL)の攪拌した溶液に、Br
2(384 mg, 2.40 mmol)を0℃にて加え、室温で終夜攪拌した後、氷でクエンチした。該反応混合液をEtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、クルードな2,2-ジブロモ-1-(4-ブロモナフタレン-1-イル)エタノン(780 mg)を得た。該クルードなジブロモアセチル誘導体(400 mg, 0.98 mmol)/ACN(25 mL)に、亜リン酸ジエチル(0.12 mL, 0.98 mmol)、続いてDIEA(0.17 mL, 0.98 mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。揮発性物質をエバポレートし、水を該反応混合物に加えた。次いで、該反応混合液をEtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、クルードな2-ブロモ-1-(4-ブロモナフタレン-1-イル)エタノン (1b)(302 mg)を得て、それをそのまま次の工程で用いた。 LC/MS (条件8): 保持時間 = 2.09分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 8.44-8.41 (m, 1H), 8.31-8.28 (m , 1H), 8.11 (d, J = 7.8, 1H), 8.07 (d, J = 7.8, 1H), 7.82-7.76 (m , 2H), 5.06 (s, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
12H
9Br
2Oとして計算;計算値: 326.89; 実測値 328.8.
実施例1, 工程c
ジブロミド1b(130 mg, 0.39 mmol)/ACN(20 mL)の攪拌した溶液に、N-Boc-L-プロリン(85 mg, 0.39 mmol)、続いてDIEA(51 mg, 0.39 mmol)を加えた。該反応混合液を室温で2時間攪拌した。揮発性物質をエバポレートし、該反応混合物を水でクエンチした。次いで、該反応混合液をEtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、ケトエステル1c(150 mg)を得て、それをさらなる精製は行わずに次の工程に用いた。 LC/MS (条件8): 保持時間 = 2.17分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 8.46 (見かけ上のdd, 1H), 8.28 (d, J = 8.0, 1H), 8.06-8.01 (m, 2H), 7.81-7.74 (m, 2H), 5.57-5.42 (m, 2H), 4.36-4.32 (m, 1H), 3.42-3.23 (不明瞭, 2H), 2.29-2.10 (m, 2H), 1.90-1.77 (m, 2H), 1.35 (s, 9H). LC/MS: [M+H-Boc]
+ C
17H
17BrNO
3として計算;計算値: 362.03; 実測値 364.0.
実施例1, 工程d
ケトエステル1c(150 mg, 0.32 mmol)/キシレン(10 mL)溶液に、NH
4OAc(600 mg, 7.79 mmol)を加えた。該反応混合液を圧力チューブにおいて130℃で終夜加熱した。揮発性物質をエバポレートし、該反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で中和した。次いで、該反応混合液をDCMで抽出し、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, MeOH: CHCl
3, 5:95)により精製して、ブロミド1d(60 mg)を得た。 LC/MS (条件8): 保持時間 = 1.73分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 12.16/12.07 (ブロードのs, 1H), 8.89 (d, J = 8.8, 1H), 8.18 (d, J = 8.4, 1H), 7.88 (d, J = 7.6, 1H), 7.71-7.67 (m, 1H), 7.62-7.58 (m, 2H), 7.47 (ブロードのs, 1H), 4.94 (見かけ上ブロードのd, 0.4H), 4.85 (ブロードのs, 0.6H), 3.62-3.50 (m, 1H), 3.43-3.32 (m, 1H), 2.33-2.21 (m, 1H), 2.09-1.86 (m, 3H), 1.43 (s, 4H), 1.20 (s, 5H). LC/MS: [M+H]
+ C
22H
25BrN
3O
2として計算;計算値: 442.11; 実測値 442.0.
実施例1, 工程e
ジオキサン:水(10 mL:2 mL)中の(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ブロモナフタレン-1-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(280 mg, 0.63 mmol)および(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(特許出願WO 2008/021927参照; 278 mg, 0.56 mmol)の混合液に、K
2CO
3(175 mg, 1.26 mmol)を加えた。該反応混合液をN
2で10分間パージした。次いで、Pd(dppf)Cl
2(26 mg, 0.031 mmol)を加え、N
2でさらに10分間パージした。該反応混合液を90℃で終夜加熱した。揮発性物質をエバポレートし、残渣をDCMに懸濁し、珪藻土(セライト(登録商標))のショートパッドにより濾過した。その後、有機層を分離し、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, MeOH:CHCl
3, 5:95)により精製して、フェニル-ナフタレン1e(260 mg)を得た。 LC/MS (条件8): 保持時間 = 1.65分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 12.11/11.97/11.87 (ブロードのs, 2H), 8.87 (ブロードのs, 1H), 7.92-7.83 (m, 3H), 7.73-7.45 (m, 8H), 4.97-4.81 (m, 2H), 3.62-3.52 (m, 2H), 3.42-3.34 (m, 2H), 2.33-1.82 (m, 8H), 1.44-1.20 (m, 18H). LC/MS: [M+H]
+ C
40H
47N
6O
4として計算;計算値: 675.36; 実測値 675.2.
実施例1, 工程f
カルバメート1e(130 mg, 0.19 mmol)/MeOH(30 mL)溶液に、HCl/エーテル(20 mL)を加え、室温で1時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をエーテルで洗浄した。得られた塩を高真空に曝露し、HCl塩のピロリジン1fを固形物として得て(85 mg)、それを次の工程でそのまま用いた。 LC/MS (条件8): 保持時間 = 1.18分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 10.41/10.32 (ブロードのs, 2H), 8.42-8.37 (m, 1H), 8.17 (ブロードのs, 1H), 8.10 (見かけ上のd, 2H), 7.99 (ブロードのs, 1H), 7.95 (見かけ上のd, 1H), 7.82 (見かけ上のd, 1H), 7.73-7.58 (m, 5H), 5.06 (ブロードのs, 2H), 3.43-3.36 (m, 4H), 2.50-1.98 (m, 8H). LC/MS: [M+H]
+ C
30H
31N
6として計算;計算値: 475.25; 実測値 475.2.
実施例1
ピロリジン1f/4HCl(80 mg, 0.16 mmol)/DMF(15 mL)溶液に、DIEA(0.23 mL, 1.34 mmol)を室温で加えた。次いで、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタン酸(62 mg, 0.35 mmol)を加えた後、HATU(131 mg, 0.34 mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣をDCMで抽出し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で処理して、TFA塩の実施例1(55 mg)を固形物として得た。 LC (条件1および2): >98% 均一性指数. LC/MS (条件8): 保持時間 = 1.48分. 1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.04-7.92 (m, 5H), 7.81-7.75 (m, 2H), 7.70-7.60 (m, 5H), 5.34-5.28 (m, 2H), 4.28-4.26 (m, 2H), 4.18-4.10 (m, 2H), 3.92-3.87 (m, 2H), 3.68 (s, 6H), 2.65-2.58 (m, 2H), 2.35-2.07 (m, 8H), 1.05-0.93 (m, 12H). LC/MS: [M+H]+ C44H53N8O6として計算;計算値: 789.4; 実測値 789.4.
実施例2
TFA塩の実施例2を、実施例1の合成について記載された方法に従って、ピロリジン1f/4HClおよび(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸から製造した。 LC (条件1および2): >95% 均一性指数. LC/MS (条件8): 保持時間 = 1.36分. LC/MS: [M+H]
+ C 48H
57N
8O
8として計算;計算値: 873.42; 実測値 873.4.
実施例3
実施例3, 工程a
4-アミノインダン(5 g, 37.56 mmol)/酢酸(350 mL)溶液に、ICl(6.09 g, 37.56 mmol)/酢酸(14 mL)を室温で滴下した。得られた溶液を終夜攪拌した。反応が完了した後、溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をEtOAc(200 mL)に溶解させ、該溶液を飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、水層をEtOAc(200 mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 11:89)により精製して、ヨウ化物3a(6.4 g)を白色の固形物として得た。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.40分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.31 (d, J = 8.4, 1H), 6.29 (d, J = 8.4, 1H), 3.55 (ブロードのs, 2H), 2.91-2.84 (m , 4H), 2.13-2.06 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
9H
11INとして計算;計算値: 259.99; 実測値 260.0.
実施例3, 工程b
無水MeOH(100 mL)中のヨウ化物3a(6.2 g, 23.9 mmol)、4-ブロモフェニルボロン酸(5.28 g, 26.3 mmol)の攪拌した溶液に、K
2CO
3(7.43 g, 53.7 mmol)を加え、反応混合液をN
2で10分間パージした。次いで、Pd(Ph
3P)
4(828 mg, 0.71 mmol)を加え、反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、60℃で終夜加熱した。反応が完了した後、該混合液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドにより濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(250 mL)に溶解させ、水で洗浄し、水層をEtOAc(250 mL)で抽出した。抽出物を合わせて、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 12:88)により精製して、ブロミド3b(4 g)をオフホワイト色の固形物として得た。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.75分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.50-7.47 (m, 2H), 7.28-7.25 (m, 2H), 7.03 (d, J = 8.0, 1H), 6.60 (d, J = 8.0, 1H), 3.65 (ブロードのs, 2H), 2.95 (t, J = 7.4, 2H), 2.78 (t, J = 7.2, 2H), 2.13-2.06 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
15H
15BrNとして計算;計算値: 288.03; 実測値 288.0.
実施例3, 工程c
48%HBr水溶液(20 mL)中のブロミド3b(4 g, 13.9 mmol)の溶液を、-15℃まで冷却した。次いで、NaNO
2(1.92 g, 27.8 mmol)/水(15 mL)の氷冷溶液をゆっくりと加え、該温度を-10℃〜-15℃で30分間維持した。CuBr(200 mg, 1.39 mmol)を上記反応混合液に-15℃にて加え、15℃以下で3時間維持し、12時間かけてゆっくりと室温まで昇温させた。10%NaOHを加えることにより、該反応混合液のpHを〜10に調整した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、EtOAcで洗浄した。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。抽出物を合わせて、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2, 230-400メッシュ, 石油エーテル)により精製し、ジブロミド3c(2.1 g)を白色の固形物として得た。
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.55-7.53 (m, 2H), 7.38 (d, J = 8.0, 1H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.0 (d, J = 8.0, 1H), 3.02 (t, J = 7.2, 2H), 3.01 (t, J = 7.6, 2H), 2.10-2.03 (m, 2H).
実施例3, 工程d
ジブロミド3c(1.4 g, 4.0 mmol)/無水ジオキサン(20 mL)の攪拌した溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(5.7 g, 16 mmol)を加え、該反応混合液をN
2で30分間パージした。次いで、Pd(Ph
3P)
2Cl
2(280 mg, 0.4 mmol)を加え、N
2で10分間パージし、該混合液を90℃で16時間攪拌した。該混合液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドにより濾過し、該濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、EtOAcに溶解させ、氷浴温度まで冷却した。その後、2N HCl(20 mL)をゆっくりと加え、2時間かけて室温まで昇温させた。有機層を分離し、水相をEtOAc(150 mL)で逆抽出した。抽出物を合わせて、10%NaHCO
3、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 10:90)により精製して、ジケトン3d(700 mg)を淡黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 2.17分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.06-8.04 (m, 2H), 7.78 (d, J = 8.0, 1H), 7.56-7.54 (m, 2H), 7.30 (d, J = 8.0, 1H), 3.34 (t, J = 7.6, 2H), 2.95 (t, J = 7.4, 2H), 2.66 (s, 3H), 2.64 (s, 3H), 2.12-2.04 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
19H
19O
2として計算;計算値: 279.13; 実測値 279.2.
実施例3, 工程e
ジケトン3d(1.03 g, 3.7 mmol)/無水ジオキサン(20 mL)溶液に、Br
2(1.18 g, 7.4 mmol)/ジオキサン(5 mL)を0℃にて加え、該混合液を3時間かけて室温まで昇温させた。該反応が完了した後、溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をDCM(100 mL)に溶解させ、該溶液を飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、水相をDCM(100 mL)で抽出した。抽出物を合わせてNa
2SO
4で乾燥させ、ジブロミド3e(1.5 g)を得て、それをそのまま次の工程で用いた。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 2.12分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.09-8.03 (m, 2H), 7.77 (d, J = 8.0, 1H), 7.58-7.53 (m, 2H), 7.31 (d, J = 8.0, 1H), 4.48 (s, 4H), 3.35-3.32 (m, 2H), 2.96-2.94 (m, 2H), 2.11-2.07 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
19H
17Br
2O
2として計算;計算値: 434.95; 実測値 435.0.
実施例3, 工程f
(1R,3S,5R)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸(1.57 g, 6.92 mmol)/アセトニトリル(50 mL)を、氷浴温度まで冷却し、DIEA(1.11 g, 8.6 mmol)を加えた。ジブロミド3e(1.5 g, 3.46 mmol)をアセトニトリル(50 mL)に溶解させ、上記反応混合液にゆっくりと加え、3時間かけて室温まで昇温させた。反応が完了した後、溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をEtOAc(200 mL)に溶解させ、該溶液を飽和NaHCO
3溶液、飽和NH
4Clで洗浄し、水相をEtOAc(100 mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 25:75)により精製して、ジケトエステル3f(1.2 g)を白色の固形物として得た。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 2.47分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.99 (d, J = 8.0, 2H), 7.69 (d, J = 8.0, 1H), 7.56 (d, J = 8.0, 2H), 7.29 (d, J = 8.0, 1H), 5.56-5.12 (m, 4H), 4.23 (ブロードのs, 2H), 3.55 (ブロードのs, 1H), 3.47 (ブロードのs, 1H), 3.31 (見かけ上のt, 2H), 2.94 (見かけ上のt, 2H), 2.66-2.59 (m, 2H), 2.51-2.45 (m, 2H), 2.12-2.06 (m, 2H), 1.73-1.64 (m, 2H), 1.47 (ブロードのs, 18H), 0.90-0.85 (m, 2H), 0.53-0.47 (m, 2H). LC/MS: [M+H
2O]
+ C
41H
50N
2O
11として計算;計算値: 746.34; 実測値 746.4.
実施例3, 工程g-1およびg-2
ジケトエステル3f(700 mg, 0.961 mmol)/無水キシレン(50 mL)溶液に無水NH
4OAc(1.480 g, 19.23 mmol)を加えた。該反応混合液をN
2で10分間パージし、130℃で終夜加熱した。溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をEtOAc(200 mL)に溶解させ、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、水相をEtOAc(100 mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。同一の上記条件を用いることにより、500 mgの別のバッチを実施した。該両方のバッチの粗製物をプールし、逆相HPLC精製(ACN/水/NH
4OAc)で処理して、イミダゾール3g-1(495 mg)を白色の固形物として得た。 LC/MS (条件11): 保持時間 = 2.08分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 7.77 (d, J = 8.0, 2H), 7.60 (見かけ上ブロードのd, 1H), 7.49 (d, J = 8.4, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.27 (d, J = 8.0, 1H), 7.18 (s, 1H), 4.70 (ブロードのs, 2H), 3.61 (ブロードのs, 2H), 3.12 (t, J = 7.2, 2H), 3.07 (見かけ上のt, 2H), 2.58-2.52 (m, 2H), 2.39-2.34 (m, 2H), 2.15-2.10 (m, 2H), 1.78-1.71 (m, 2H), 1.31-1.28 (ブロードのs, 18H), 0.90-0.87 (m, 2H), 0.63 (ブロードのs, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
41H
49N
6O
4として計算;計算値: 689.37; 実測値 689.3. また、位置異性体3g-2(62 mg)も同一反応(遅く溶出)から白色の固形物として単離した。 LC/MS (条件11): 保持時間 = 2.10分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 11.89 (s, 1H), 11.81 (s, 1H), 7.85-7.72 (m, 2H), 7.62-7.58 (m, 2H), 7.52-7.45 (m, 4H), 4.65-4.62 (m, 2H), 3.48-3.39 (m, 2H), 2.96-2.93 (m, 4H), 2.40-2.22 (m, 4H), 2.03-1.98 (m, 2H), 1.67-1.60 (m, 2H), 1.35-1.15 (ブロードのs, 18H), 0.80-0.71 (m, 2H), 0.58-0.51 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
41H
49N
6O
4として計算;計算値: 689.37; 実測値 689.4.
実施例3, 工程h
カルバメート3g-1(11mg, 0.015 mmol)/MeOH(1.0 mL)溶液に、HCl/ジオキサン(4N; 3 mL)を0℃にて加え、該混合液を室温で3時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を、無水DCM(3x5 mL)を用いて共エバポレートし、高真空下で乾燥させて、ピロリジン3h(4HCl)を淡黄色の固形物として得た(10 mg)。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.49分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 10.24 (ブロードのs, 2H), 7.88 (d, J = 8.0, 2H), 7.83 (s, 1H), 7.77 (見かけ上のd, 1H), 7.56-7.54 (m, 3H), 7.32 (d, J = 8.0, 1H), 4.70-4.62 (m, 2H), 3.40-3.35 (不明瞭, 2H), 3.12 (t, J = 7.2, 2H), 3.03 (見かけ上のt, 2H), 2.08-2.01 (m, 2H), 1.93 (ブロードのs, 2H), 1.30-1.25 (m, 2H), 1.14 (ブロードのs, 2H), 0.90-0.79 (m, 4H). LC/MS: [M+H]
+ C
31H
33N
6として計算;計算値: 489.27; 実測値 489.3.
実施例3
HATU(12.4 mg, 0.032 mmol)を、ピロリジン3h(4HCl)(9.5 mg, 0.015 mmol)、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタン酸(5.87 mg, 0.033 mmol)およびDIEA(0.022 mL, 0.12 mmol)のDMF溶液に加え、室温で2時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をEtOAc(100 mL)に溶解させ、飽和NaHCO3溶液、飽和NH4Clで洗浄し、水相をEtOAc(50 mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/NH4OAc)で処理して、実施例3を遊離塩基として得た(2 mg, 淡黄色の固形物)。 LC (条件1および2): >98% 均一性指数. LC/MS (条件11): 保持時間 = 1.78分. 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 12.09/11.90/11.72/11.69 (ブロードのs, 2H), 7.82-7.66 (m, 3H), 7.53-7.43 (m, 3H), 7.30-7.21 (m, 2H), 7.16-7.06 (m, 2H), 5.15-5.10 (m, 2H), 4.45 (t, J = 7.2, 2H), 3.56 (ブロードのs, 8H), 3.12-3.06 (m, 2H), 3.04-2.99 (m, 2H), 2.50-2.46 (m, 2H), 2.26-2.20 (m, 2H), 2.12-2.01 (m, 4H), 1.89-1.86 (m, 2H), 1.06-0.87 (m, 14H), 0.73 (ブロードのs, 2H). LC/MS: [M-H]- C45H53N8O6として計算;計算値: 801.42; 実測値 801.4.
実施例4
実施例4(残留酢酸アンモニウムとの遊離塩基)を、実施例3について記載された方法に従って、ピロリジン3h(HCl塩)および(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸から製造した。 LC (条件1および4): >98% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.51分. LC/MS: [M+H]
+ C
49H
59N
8O
8として計算;計算値: 887.44; 実測値 887.4.
実施例5
実施例5(残留酢酸アンモニウムとの遊離塩基)を、その位置異性体 実施例3の製造について記載された方法に従って、カルバメート3g-2から製造した。 LC (条件1および2): >97% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.84分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 7.76 (d, J = 8.0, 2H), 7.54-7.51 (m, 4H), 7.35 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 5.18-5.16 (m, 2H), 4.62-4.57 (m, 2H), 3.72-3.63 (m, 8H), 3.05-2.98 (m, 4H), 2.58-2.49 (m, 2H), 2.48-2.39 (m, 2H), 2.20-2.10 (m, 6H), 1.17-1.10 (m, 2H), 1.04-0.93 (m, 12H), 0.82-0.77 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
45H
55N
8O
6として計算;計算値: 803.42; 実測値 803.4.
実施例6
実施例6, 工程a
ジケトエステル6aを、ジケトエステル3fの製造について記載された方法に従って、ジブロミド3eおよび(2S,5S)-1-tert-ブチル 2-メチル 5-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシレートから製造した。
実施例6, 工程b-1およびb-2
ジケトエステル6a(700 mg, 0.956 mmol)/無水キシレン(15 mL)溶液に無水NH
4OAc(1.47 g, 19.12 mmol)を加えた。該反応混合液をN
2で10分間パージし、130℃で終夜加熱した。溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をEtOAc(200 mL)に溶解させ、飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、水相をEtOAc(100 mL)で抽出した。抽出物を合わせて、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を逆相HPLC精製(ACN/水/NH
4OAc)で処理して、イミダゾール6b-1(115 mg)を白色の固形物として得た。オキサゾイミダゾール(oxazoimidazole)6b-2(103 mg)もまた、同一の反応(遅く溶出)から白色の固形物として単離した。
実施例6
実施例6(TFA塩)を、実施例3および実施例4の製造について記載された方法に従って、ビス-イミダゾール6b-1から出発して、製造した。 LC (条件5および6): >96% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.70分. 1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 7.98-7.96 (m, 0.5H), 7.89 (s, 0.8H), 7.85 (d, J = 8.4, 1.7H), 7.73-7.66 (m, 3.7H), 7.54 (d, J = 8.0, 0.9H), 7.44-7.41 (m, 1.4H), 5.75-5.71 (m, 0.3H), 5.22-5.15(m, 1.7H), 4.24-4.22 (m, 2H), 4.01-3.90 (m, 4H), 3.72/3.69/3.67 (s, 6H), 3.45-3.23 (不明瞭, 6H), 3.18-3.07 (m, 4H), 2.58-1.72 (m, 12H), 1.60-1.25 (m, 14H). LC/MS: [M+H]+ C49H63N8O8として計算;計算値: 891.47; 実測値 891.4.
実施例7
実施例7(TFA塩)を、実施例3および実施例4の製造について記載された方法に従って、オキサゾール6b-2から出発して製造した。 LC (条件1および2): >97% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.90分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.06 (s, 0.8H), 7.97/7.94/7.92 (s, 0.6H), 7.88 (s, 0.8H), 7.82-7.77 (m, 2.8H), 7.65 (d, J = 8.4, 2H), 7.30 (d, J = 8.0, 1H), 5.82/5.4/5.20-5.13 (m, 2H), 4.82-4.21 (m, 2H), 4.0-3.87 (m, 4H), 3.72/3.68 (s, 6H), 3.42-3.25 (不明瞭, 5H), 3.18-3.02 (m, 5H), 2.58-2.11 (m, 8H), 2.02-1.71 (m, 6H), 1.68-1.19 (m, 12H). LC/MS: [M-H]
- C
49H
60N
7O
9として計算;計算値: 890.45; 実測値 890.4.
実施例7.1
実施例7.1(TFA塩)を、実施例6の製造について記載された方法に従って、ビス-イミダゾール6b-1および適切な酸から出発して、製造した。 LC (条件1および2): >94% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.87分. LC/MS: [M-H]
- C
53H
69N
8O
8として計算;計算値: 945.53; 実測値 945.4.
実施例8
実施例8, 工程a
MeOH(50 mL)中の4,7-ジブロモベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール(1.0 g, 3.4 mmol)、4-ブロモフェニルボロン酸(0.68 g, 3.4 mmol)、およびK
2CO
3(0.939 g, 6.8 mmol)の溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、Pd(Ph
3P)
4(0.117 g, 0.10 mmol)を加え、該反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、60℃で終夜還流した。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、H
2Oを得られた残渣に加えた。該粗製物をEtOAC(100 mL)で抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 2:98)により精製して、ジブロミド8a(630 mg)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.94 (d, J = 7.4, 1H), 7.81-7.78 (m, 2H), 7.69-7.66 (m, 2H), 7.58 (d, J = 7.4, 1H).
実施例8, 工程b
ジブロミド8a(1.0 g, 2.7 mmol)/ジオキサン(20 mL)溶液をN
2で10分間パージした。次いで、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(3.75 mL, 10.8 mmol)を加えた後、Pd(Ph
3P)
2Cl
2(0.135 g, 0.192 mmol)を加えた。該反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、マイクロ波条件下において80℃で1時間加熱した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))プラグにより濾過し、揮発性成分を減圧下でエバポレートした。得られた残渣をEtOAc(30 mL)に溶解させ、HCl(1.5 N, 50 mL)を室温で加えた。2時間攪拌した後、該反応混合液をNaHCO
3で中和し、EtOAc(100 mL)で抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 20:80)により精製して、ジケトン8b(630 mg)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.90分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.40 (d, J = 7.4, 1H), 8.15 (d, J = 8.4, 2H), 8.07 (d, J = 8.4, 2H), 7.88 (d, J = 7.4, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.69 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
16H
13N
2O
2Sとして計算;計算値: 297.06; 実測値 297.0.
実施例8, 工程c
ジケトン8b(0.480 g, 1.62 mmol)/CHCl
3(10 mL)の攪拌した溶液に、Br
2(0.77 g, 4.83 mmol)/CHCl
3(10 mL)を室温で加え、60℃まで3時間加熱した。該反応混合液をNaHCO
3で中和し、CH
2Cl
2(100 mL)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、クルードなジブロミド8c(760 mg)を得て、それを次の工程にそのまま用いた。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 2.09分. LC/MS: [M+H]
+ C
16H
11Br
2N
2O
2Sとして計算;計算値: 452.88; 実測値 452.8.
実施例8, 工程d
CH
3CN(20 mL)中の(1R,3S,5R)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸(1.51 g, 6.69 mmol)およびEt
3N(0.93 mL, 6.69 mmol)の攪拌した溶液に、ジブロミド8c(0.760 g, 1.67 mmol)/CH
3CN(15 mL)を室温で加えた。該反応混合液を90分間攪拌した後、揮発性物質を減圧下でエバポレートした。水を該反応混合液に加え、DCM(100 mL)で抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO, EtOAc:石油エーテル, 40:80)により精製して、ジケトエステル8d(430 mg)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件12): 保持時間 = 1.99分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.54 (d, J = 7.6, 1H), 8.29-8.24 (m, 2H), 8.21-8.16 (m, 2H), 8.11 (d, J = 7.6, 1H), 6.07/6.02 (ブロードのs, 1H), 5.93/5.89 (ブロードのs, 1H), 5.68/5.65 (ブロードのs, 1H), 5.58-5.47 (m, 1H), 4.35-4.30 (m, 2H), 3.51-3.48 (m, 2H), 2.71-2.62 (m, 2H), 2.59-2.48 (m, 2H), 1.79-1.71 (m, 2H), 1.50 (ブロードのs, 18H), 0.93-0.87 (m, 2H), 0.58-0.57 (m, 2H). LC/MS: [M-H]
- C
38H
41N
4O
10Sとして計算;計算値: 745.26; 実測値 745.8.
実施例8, 工程e
ジケトエステル8d(0.4 g, 0.536 mmol)/キシレン(8 mL)溶液に、NH
4OAc(0.826 g, 10.72 mmol)を加え、密閉チューブにおいて、130℃で終夜加熱した。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、該反応混合液を飽和NaHCO
3溶液で処理した。次いで、該反応混合液をCH
2Cl
2(100 mL)で抽出し、有機層を、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO, MeOH:DCM: 0.3:99.7)により精製して、イミダゾール8e(100 mg)をオレンジ-赤色の固形物として得た。 LC/MS (条件12): 保持時間 = 1.71分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 12.16 (ブロードのs, 1H), 11.94 (ブロードのs, 1H), 8.31 (d, J = 7.6, 1H), 8.16/8.15 (s, 1H), 8.02 (d, J = 8.4, 2H), 7.94 (d, J = 7.6, 1H), 7.91 (d, J = 8.4, 2H), 7.59 (ブロードのs, 1H), 4.75-4.62 (m, 2H), 3.50-3.40 (m, 2H), 2.48-2.25 (m, 4H), 1.70-1.62 (m, 2H), 1.46-1.14 (ブロードのs, 18H), 0.81-0.73 (m, 2H), 0.62-0.53 (m, 2H). LC/MS: [M-H]
- C
38H
41N
8O
4Sとして計算;計算値: 705.3; 実測値 704.8.
実施例8, 工程f
カルバメート8e(0.105 g, 0.148 mmol)/MeOH(6 mL)溶液にHCl/ジオキサン(4N, 6.3 mL)を加え、室温で2時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を乾燥CH
2Cl
2(3 x 5 mL)で共エバポレートした。得られた塩を高真空に曝露し、ピロリジン8f(105 mg)を黄色の固形物として得て、それをそのまま次の工程に用いた。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.33分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.71 (s, 1H), 8.48 (d, J = 7.6, 1H), 8.31 (d, J = 8.4, 2H), 8.21 (s, 1H), 8.13 (d, J = 7.6, 1H), 8.07 (d, J = 8.4, 2H), 5.18-5.02 (m, 2H), 3.40-3.30 (不明瞭, 2H), 2.95-2.81 (m, 4H), 2.23-2.18 (m, 2H), 1.38-1.33 (m, 2H), 1.15-1.11 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
28H
27N
8Sとして計算;計算値: 507.2; 実測値 507.2.
実施例8
HCl塩のピロリジン8f(0.055 g, 0.077 mmol)/DMF(2 mL)溶液に、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタン酸(0.0286 g, 0.163 mmol)、HATU(0.0607 g, 0.159 mmol)、続いてDIEA(0.10 mL, 0.622 mmol)を、0℃にて加えた。室温で2時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去して、残渣をDCM(50 mL)に溶解させ、飽和NH4Cl溶液、NaHCO3溶液、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で処理して、TFA塩の実施例8(47 mg)を黄色の固形物として得た。 LC (条件1および2): >97% 均一性指数. LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.56分. 1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.44 (s, 1H), 8.25 (d, J = 8.6, 2H), 8.23 (d, J = 7.2, 1H), 8.05 (d, J = 7.2, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.6, 2H), 5.24 (dd, J = 9.2, 6.8, 1H), 5.15 (dd, J = 9.2, 6.8, 1H), 4.58 (t, J = 7.6, 2H), 3.83 (t, J = 4.8, 2H), 3.67 (s, 6H), 2.73-2.67 (m, 2H), 2.57-2.48 (m, 2H), 2.23-2.08 (m, 4H), 1.15-1.10 (m, 2H), 1.08-1.02 (m, 6H), 0.97-0.88 (m, 8H). LC/MS: [M+H]+ C42H49N10O6Sとして計算;計算値: 821.35; 実測値 821.2.
実施例9
実施例9(TFA塩;黄色の固形物)を、実施例8について記載された方法に従って、ピロリジン8f(.4HCl)および(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸から製造した。 LC (条件1および2): >95% 均一性指数. LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.41分. LC/MS: [M+H]
+ C
46H
53N
10O
8Sとして計算;計算値: 905.37; 実測値 905.4.
実施例10-11
実施例-10および-11(TFA塩)を、製造実施例-8および-9について記載された方法に従って、ジブロミド8cおよび(2S,5S)-1-tert-ブチル 2-メチル 5-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシレートから出発して製造した。
実施例12
実施例12, 工程a
8e(175 mg, 0.247 mmol)/氷AcOH(5 mL)溶液に、亜鉛末(161 mg, 2.47 mmol)を加え、50℃で2時間加熱した。該反応混合液を、珪藻土(セライト(登録商標))のパッドにより濾過し、MeOH(2 x 10 mL)で洗浄した。該濾液を、減圧下でエバポレートした。得られた残渣をEtOAc(50 mL)に溶解させ、飽和NaHCO
3溶液、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、クルードなジアミン12a(120 mg)を得て、それをそのまま次の工程に用いた。 LC/MS (条件12): 保持時間 = 1.61分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 11.92 (ブロードのs, 1H), 11.85 (ブロードのs, 1H), 7.80 (d, J = 8.4, 2H), 7.48 (d, J = 1.6, 1H), 7.43/7.37 (d, J = 8.0, 2H), 7.33 (d, J = 1.6, 1H), 6.91 (d, J = 8.0, 1H), 6.40 (d, J = 8.0, 1H), 5.96 (ブロードのs, 2H), 4.68-4.61 (m, 2H), 4.14-4.11 (m, 2H), 3.47-3.40 (m, 2H), 2.40-2.23 (m, 4H), 1.69-1.60 (m, 2H), 1.30-1.20 (ブロードのs, 18H), 0.80-0.72 (m, 2H), 0.60-0.52 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
38H
47N
8O
4として計算;計算値: 679.36; 実測値 679.2.
実施例12, 工程b
ジアミン12a(60 mg, 0.088 mmol)/オルトギ酸トリエチル(1 mL)溶液に、触媒量のPTSA(5 mg)を加え、マイクロ波条件下において100℃で15分間加熱した。該反応混合液をDCM(50 mL)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液、水、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をヘキサン(5 mL)でトリチュレートして、得られた固形物を濾過し、ヘキサン(3 x 5 mL)で洗浄し、粗製物を得て、それを逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で処理して、TFA塩の実施例12b(30 mg)を白色の固形物として得た。 LC/MS (条件13): 保持時間 = 1.77分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.48 (s, 1H), 8.20 (ブロードのs, 1H), 8.01-7.91 (m, 5H), 7.80 (d, J = 7.6, 1H), 7.58 (d, J = 8.0, 1H), 5.01-4.97 (m, 1H), 4.92-4.85 (不明瞭, 1H), 3.70-3.62 (m, 2H), 2.78-2.69 (m, 2H), 2.52-2.41 (m, 2H), 1.90-1.82 (m, 2H), 1.55-1.25 (ブロードのs, 18H), 0.95-0.92 (m, 2H), 0.77-0.72 (m, 2H). LC/MS: [M-H]
- C
39H
43N
8O
4として計算;計算値: 687.35; 実測値 687.5.
実施例12, 工程c
カルバメート12b(30 mg, 0.043 mmol)/MeOH(1 mL)溶液に、HCl/ジオキサン(4N, 1 mL)を加え、室温で2時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を、乾燥CH
2Cl
2(3 x 5 mL)を用いて共エバポレートした。得られた塩を高真空に曝露して、ピロリジン12c(22 mg)を黄色の固形物として得て、それをそのまま工程に用いた。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.12分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 9.53 (s, 1H), 8.20-7.99 (m, 5H), 7.90 (ブロードのs, 2H), 7.75 (ブロードのs, 1H), 5.05-4.83 (不明瞭, 2H), 3.73-3.55 (m, 2H), 2.94-2.48 (m, 4H), 2.20-2.06 (m, 2H), 1.18-1.01 (m, 2H), 0.91-0.82 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
29H
29N
8として計算;計算値: 489.24; 実測値 489.2.
実施例12
HCl塩のピロリジン12c(22 mg, 0.04 mmol)/DMF(2 mL)溶液に、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタン酸(16 mg, 0.09 mmol、HATU(33.9 mg, 0.089 mmol)、続いてDIEA(0.03 mL, 0.174 mmol)を、0℃にて加えた。室温で2時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣をDCM(50 mL)に溶解させ、飽和NH4Cl溶液、NaHCO3溶液、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で処理して、TFA塩の実施例12(4.2 mg)をオフホワイト色の固形物として得た。 LC (条件1および7): >91% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.54分. LC/MS: [M+H]+ C43H51N10O6として計算;計算値: 803.39; 実測値 803.4.
実施例13
実施例13(TFA塩;オフホワイト色の固形物)を、実施例12について記載された方法に従って、ピロリジン12c(.4HCl)および(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸から製造した。 LC (条件3および7): >89% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.33分. LC/MS: [M+H]
+ C
47H
55N
10O
8として計算;計算値: 887.41; 実測値 887.4.
実施例14
実施例-14(TFA塩)を、製造実施例-12および-13について記載された方法に従って、ジブロミド8cおよび(2S,5S)-1-tert-ブチル 2-メチル 5-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシレートから出発して製造した。 LC (条件1および14): >90% 均一性指数. LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.40分. LC/MS: [M+H]
+ C
47H
59N
10O
8として計算;計算値: 891.44; 実測値 891.4.
実施例15
実施例15, 工程a
リチウム(0.533 g, 77 mmol)を50 mLの3ツ口丸底フラスコに入れ、THF(20 mL)を0℃にて加え、激しく攪拌した。該反応混合液にTMSCl(7.36 mL, 57.6 mmol)を加えた後、1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン(2 g, 19.20 mmol)を滴下した。該反応混合液を室温で6日間攪拌した。未反応のリチウムから該反応混合液をシリンジで取り出した後、該反応混合液をMeOH(10 mL)で0℃にてクエンチした。水(25 mL)を加え、得られた溶液を石油エーテル(3 x 40 mL)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、25℃にて濃縮して、クルードなジエンの混合物(4.6 g)を黄色の油状物として得た。 GC/MS (条件16): 保持時間 = 6.95分, GC/MS: [M]
+ C
14H
26Si
2として計算;計算値: 250.16; 実測値 250.2.
該クルードなジエンの混合物(7.0 g, 27.9 mmol)をTHF(50 mL)に溶解させ、40℃まで加熱した。DDQ(3.17 g, 13.97 mmol)/THF(20 mL)溶液を該反応混合液に滴下し、同一の温度でさらに1時間加熱した。該反応混合液に水(100 mL)を加え、EtOAc(4 x 50 mL)で抽出した。有機層を水(100 mL)、飽和Na2CO3(150 mL)、食塩水(50 mL)で連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、25℃にて減圧下で濃縮して、クルードな3,6-ビス(トリメチルシリル)-1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン(7.9 g)を得た。 GC/MS (条件16): 保持時間 = 7.60分. GC/MS: [M]+ C14H24Si2として計算;計算値: 248.14; 実測値 248.0.
Br2(4.66 mL, 91 mmol)/MeOH(20 mL)溶液を、クルードな3,6-ビス(トリメチルシリル)-1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン(7.5 g, 30.2 mmol)/MeOH(75 mL)溶液に滴下し、0℃にて加え、25℃で終夜攪拌した。該反応混合液に水(100 mL)を加え、石油エーテル(3 x 100 mL)で抽出した。有機層を合わせて、食塩水(50 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、25℃にて減圧下で濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Silicycle, 120 g, シリカ, 100%石油エーテル)により精製して、ジブロミド15a(3.9 g)を得た。 GC/MS (条件16): 保持時間 = 7.07分. 1H NMR (CDCl3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.17 (s, 2H), 3.09 (s, 4H). GC/MS: [M]+ C8H6Br2として計算;計算値: 261.94; 実測値 261.9.
実施例15, 工程b
ジブロミド15a(5 g, 19.09 mmol)/1,4-ジオキサン(50 mL)溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(5.85 mL, 17.18 mmol)を加え、その後Pd(Ph
3P)
2Cl
2(0.670 g, 0.954 mmol)を加えた。該反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、マイクロ波条件下において100℃で1時間加熱した。該反応混合液を、珪藻土(セライト(登録商標))のプラグにより濾過し、該濾液を、室温にて、DCM(30 mL)およびHCl(1.5 N, 50 mL)で希釈した。2時間攪拌した後、該反応混合液をDCM(100 mL)で抽出し、有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、25℃にて減圧濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Redisep, 40 g, シリカ, 3-5%EtOAC/石油エーテル)により精製して、15b(1.2 g)を白色の固形物として得た。 GC/MS (条件16): 保持時間 = 7.75分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.62 (d, J = 8.4, 1H), 7.40 (d, J = 8.4, 1H), 3.41 (見かけ上のt, 2H), 3.21 (見かけ上のt, 2H), 2.49 (s, 3H). GC/MS: [M]
+ C
10H
9BrOとして計算;計算値: 225.08; 実測値 225.9.
実施例15, 工程c
1,4-ジオキサン(9 mL)および水(0.9 mL)中の15b(900 mg, 4.00 mmol)、4-アセチルフェニルボロン酸(983 mg, 6.00 mmol)、K
2CO
3(1.658 g, 12.00 mmol)の溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、Pd(Ph
3P)
4(462 mg, 0.400 mmol)を加え、該反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、マイクロ波条件下において100℃で1.5時間加熱した。該反応混合液を、セライトプラグにより濾過し、EtOAC(3 x 10 mL)で洗浄した。該濾液を減圧下でエバポレートし、得られた残渣にH
2O(50 mL)を加えた。該粗製物を、EtOAC(50 mL)で抽出し、有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Redisep, 26 g, C18, 0.05%TFA/水:ACN, 51:49)により精製して、15c(430 mg)を白色の固形物として得た。 LC/MS (条件14): 保持時間 = 1.89分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.06-8.04 (m, 2H), 7.87 (d, J = 8.4, 1H), 7.78-7.76 (m, 2H), 7.61 (d, J = 8.4, 1H), 3.53-3.50 (m, 4H), 2.64 (s, 3H), 2.54 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
18H
17O
2として計算;計算値: 265.12; 実測値 264.9.
実施例15, 工程d
15c(430 mg, 1.627 mmol)/1,4-ジオキサン(2.5 mL)の攪拌した溶液に、Br
2(0.168 mL, 3.25 mmol)/1,4-ジオキサン(1 mL)を10℃にて加え、室温で2時間攪拌した。該反応混合液に水(20 mL)を加え、得られた固形物を濾過により集めた。該固形物を減圧下で乾燥させて、クルードなジブロミド15d(630 mg)を得て、それを次の工程にそのまま用いた。 LC/MS (条件14): 保持時間 = 2.04 分. LC/MS: [M+H]
+ C
18H
15Br
2O
2として計算;計算値: 423.11; 実測値 423.1.
実施例15, 工程e
クルードなジブロミド15d(350 mg, 0.829 mmol)/ACN(5 mL)溶液を0℃まで冷却した。次いで、(2S,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルピロリジン-2-カルボン酸(418 mg, 1.824 mmol)を加えた後、DIPEA(0.579 mL, 3.32 mmol)を滴下した。該反応混合液を室温まで昇温させ、2時間攪拌した。該反応混合液をEtOAc(30 mL)で希釈し、飽和NH
4Cl(20 mL)、10%NaHCO
3(20 mL)、水(20 mL)および食塩水(10 mL)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Silicycle, 40 g, シリカ, EtOAc:石油エーテル, 35:65)により精製して、ジケトエステル15e(300 mg)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件14): 保持時間 = 2.36 分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.01-7.99 (m, 2H), 7.89 (d, J = 8.4, 1H), 7.79-7.77 (m, 2H), 7.62 (d, J = 8.4, 1H), 5.60- 5.05 (m, 4H), 4.55-4.47 (m, 1H), 4.45-4.38 (m, 1H), 4.09-4.01 (m, 1H), 3.98-3.92 (m, 1H), 3.52 (ブロードのs, 4H), 2.38-2.29 (m, 4H), 2.17-2.04 (m, 2H), 1.80-1.69 (m, 2H), 1.48/1.45 (s, 18 H), 1.33 (ブロードのs, 6H). LC/MS: [M-H]
- C
40H
49N
2O
10として計算;計算値: 717.35; 実測値 717.6.
実施例15, 工程f
ジケトエステル15e(675 mg, 0.939 mmol)/キシレン(15 mL)溶液にNH
4OAc(1.448 g, 18.78 mmol)を加え、密閉チューブにおいて130℃で終夜加熱した。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、得られた残渣をEtOAc(50 mL)で希釈し、10%NaHCO
3(50 mL)で処理した。有機層を分離し、水(50 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Redisep, 26 g, C18, 0.01M NH
4OAc-水:ACN, 63:37)により精製して、カルバメート15f(152 mg)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.29 分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 7.78 (d, J = 8.4, 2H), 7.73 (d, J = 8.4, 2H), 7.67 (d, J = 8.4, 1H), 7.60 (d, J = 8.4, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 4.99-4.85 (不明瞭, 2H), 4.11-4.03 (m, 2H), 3.52 (見かけ上のt, 2H), 3.38 (見かけ上のt, 2H), 2.31-2.16 (m, 6H), 1.78-1.69 (m, 2H), 1.44-1.28 (ブロードのm, 24H). LC/MS: [M+H]
+ C
40H
51N
6O
4として計算;計算値: 679.39; 実測値 679.4.
実施例15, 工程g
カルバメート15f(60 mg, 0.088 mmol)/MeOH(1 mL)溶液に、0℃にて、HCl/MeOH(4N, 1 mL)を加え、室温で2時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を、乾燥DCM(3 x 5 mL)を用いて共エバポレートした。得られた塩を高真空に曝露し、ピロリジニン15g(4HCl)(52 mg)を黄色の固形物として得て、それをそのまま次の工程に用いた。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.23 分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 10.34 (ブロードのs, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.97 (d, J = 8.4, 2H), 7.85-7.82 (m, 3H), 7.74 (d, J = 8.4, 1H), 7.68 (s, 1H), 4.99-4.91 (ブロードのm, 2H), 3.82-3-3.77 (ブロードのm, 2H), 3.53-3.49 (m, 2H), 3.41-3.37 (m, 2H), 2.51-2.44 (m, 4H), 2.29-2.24 (m, 2H), 1.91-1.86 (m, 2H), 1.44 (d, J = 6.8, 6H). LC/MS: [M+H]
+ C
30H
35N
6として計算;計算値: 479.28; 実測値 479.3.
実施例15
ピロリジン15g(4HCl)(42.1 mg, 0.088 mmol)/DMF(2 mL)溶液に、(S)-2-((2R,4r,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)酢酸(45.3 mg, 0.185 mmol)を0℃にて加えた。その後、HATU(68.6 mg, 0.180 mmol)、続いてDIPEA(0.061 mL, 0.352 mmol)を加えた。室温で1.5時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣をDCM(50 mL)に溶解させ、飽和NH4Cl(25 mL)、10%NaHCO3(25 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/NH4OAc)で処理して、実施例15(40 mg, 遊離塩基)を白色の固形物として得た。 LC (条件1および2): >96% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.89 分. 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 12.07/12.03/11.95/11.85 (ブロードのs, 2H), 7.79-7.24 (m, 10H), 5.29/5.00 (m, 2H), 4.66/4.23 (m, 2H), 4.10/3.98 (m, 2H), 3.55 (ブロードのs, 6H), 3.45-3.11 (m, 8H), 2.35-2.10 (m, 4H), 2.06-1.86 (m, 4H), 1.82-1.58 (m, 4H), 1.51-1.18 (m, 8H), 1.11-1.01 (m, 8H), 0.96-0.68 (m, 8H). LC/MS: [M+H]+ C52H69N8O8として計算;計算値: 933.52; 実測値 933.5.
実施例15.1
実施例15.1を、実施例15について記載された同様のカップリング条件を用いて、ピロリジン15g(4HCl)および適切な酸から製造した。 LC-MS保持時間 4.076分; m/z 933.7 (MH+). LCデータは、Phenomenex-Luna 3u C18 2.0x50mm カラムを備えた島津LC-10AS液体クロマトグラフにおいて、検出波長 220 nMにてSPD-10AV UV-Vis検出器を用いて、記録した。溶出条件は、流速 0.8 mL/分、100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒Bのグラジエント、グラジエント時間 4分、ホールド時間 1分、および分析時間 5分(ここで、溶媒Aは5%MeOH/95%H
2O/10 mM 酢酸アンモニウムであって、溶媒Bは5%H
2O/95%MeOH/10 mM 酢酸アンモニウムであった)を用いた。MSデータは、エレクトロスプレーモードにおいて、LC用Micromass Platformを用いて決定した。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 8.02 - 7.64 (m, 8H), 5.74 (d, J=5.5 Hz, 0.4H), 5.25 - 5.11 (m, 1.6H), 4.79 - 4.71 (m, 2H), 4.36 - 4.09 (m, 4H), 3.87 - 3.63 (m, 8H), 3.57 (d, J=3.3 Hz, 2H), 3.46 (br. s., 2H), 2.71 - 2.13 (m, 8H), 2.06 - 1.88 (m, 1.6H), 1.78 - 1.39 (m, 9.4H), 1.35 - 0.89 (m, 17H).
実施例16
実施例16, 工程a
アンモニアガスを、THF(150 mL)中の4-ホルミル安息香酸メチル(5.0 g, 30.5 mmol)およびZn(OTf)
2(2.215 g, 6.09 mmol)の攪拌した溶液に、0℃で5-10分間パージした。10分後、TMSCN(4.90 mL, 36.6 mmol)を0℃にて加え、室温で1時間攪拌した。該反応混合液を水(50 mL)でクエンチし、EtOAc(100 mL)で抽出した。有機層を分離し、水(2 x 50 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られたクルードなシアノアミン/AcOH(50 mL)に、2, 5-ジメトキシテトラヒドロフラン(4.03 g, 30.5 mmol)を加え、2時間還流加熱した。その後、該間反応混合液を減圧下で濃縮し、得られた粗製物を、DCM(100 mL)で希釈した。有機層を、10%NaHCO
3(50 mL)、食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗物質を、Combiflash Isco(Redisep, 80 g, basic Al2O3, 20-30% EtOAc/石油エーテル)により精製して、16a(3.8 g)を淡黄色の半固形物として得た。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.83分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.10-8.08 (m, 2H), 7.40-7.38 (m, 2H), 6.76 (見かけ上のt, 2H), 6.28 (見かけ上のt, 2H), 6.18 (s, 1H), 3.94 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
14H
13N
2O
2として計算;計算値: 241.09; 実測値 241.2.
実施例16, 工程b
ベンゼン(75 mL)中の16a(3.5 g, 14.57 mmol)および塩化メチルオキサリル(4.06 mL, 43.7 mmol)の溶液を、95℃まで4時間加熱した。該反応混合液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。該粗製物を、EtOAc(75 mL)で希釈し、10%NaHCO
3(50 mL)、食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮し、クルードな16b(3.8 g)を得て、それをさらなる精製は行わずに次の工程に進めた。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.77分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.09-8.07 (m, 2H), 7.78 (s, 1H), 7.52 (dd, J = 4.4, 1.6, 1H), 7.45-7.43 (m, 2H), 7.31 (dd, J = 2.8, 1.6, 1H), 6.42 (dd, J = 4.4, 2.8, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.93 (s, 3H). LC/MS: [M-H]
- C
17H
13N
2O
5として計算;計算値: 325.09; 実測値 325.2.
実施例16, 工程c
クルードな16b(3.8 g, 11.65 mmol)/MeOH(75 mL)溶液に、Pd/C(0.496 g, 0.466 mmol)およびAcOH(0.667 mL, 11.65 mmol)を加えた。該反応混合液を、水素雰囲気下において室温で2時間攪拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、MeOH(2 x 50 mL)で洗浄した。該濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物16c(36%)および芳香族化されていない誘導体(unaromatized derivative)(45%)の混合物を得た。
上記混合物(3.6 g, 11.45 mmol)をTHF(75 mL)に溶解させ、70℃まで加熱した。次いで、DDQ(5.20 g, 22.91 mmol)/THF(10 mL)溶液を該反応混合液に70℃にて加え、2時間攪拌した。その後、該反応混合液をEtOAc(100 mL)で希釈し、水(50 mL)、10%NaHCO
3(3 x 100 mL)、食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、MeOH(5 mL)に溶解させ、ジエチルエーテル:石油エーテル, 20:75 mL)で沈殿させた。得られた沈殿物をジエチルエーテル:石油エーテル, 10:90 mL)で洗浄し、目的の生成物16c(1.2 g)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.77分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.26-8.24 (m, 2H), 7.78-7.76 (m, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.63-7.61 (m, 2H), 7.06 (dd, J = 4.4, 2.8, 1H), 4.09 (s, 3H), 3.99 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
17H
15N
2O
4として計算;計算値: 311.10; 実測値 311.0.
実施例16, 工程d
16c(0.7 g, 2.256 mmol)/THF(70 mL)の攪拌した溶液に、クロロヨードメタン(1.310 mL, 18.05 mmol)を-78℃にて加えた。5分後、LDA(12.53 mL, 22.56 mmol)を30分かけて滴下した。該反応液を10分間攪拌した後、AcOH(3.5 mL)/THF(10 mL)溶液を-65℃以下にて加えた。該反応液をさらに10分間攪拌し、EtOAc(50 mL)および食塩水(50 mL)間に分配した。有機層を分離し、10%NaHCO
3(50 mL)、食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮して、クルードな16d(0.78 g)を濃い黄色の液状物として得た。この粗製物を、さらなる精製は行わずに次の工程へと継続した。 LC/MS (条件11): 保持時間 = 2.09分, [M-H]
- C
17H
11C
l2N
2O
2として計算;計算値: 345.03; 実測値 345.0.
実施例16, 工程e
ACN(50 mL)中のクルードな16d(350 mg, 1.008 mmol)および(2S,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルピロリジン-2-カルボン酸(462 mg, 2.016 mmol)の溶液に、KI(36.8 mg, 0.222 mmol)、続いてDIPEA(0.704 mL, 4.03 mmol)を、0℃にて加えた。次いで、該反応混合液を室温で2時間攪拌した。該反応混合液を、EtOAc(50 mL)で希釈し、飽和NH
4Cl(50 mL)、10%NaHCO
3(50 mL)、食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗製物をMeOH(5 mL)に溶解させ、ジエチルエーテル:石油エーテル, 50:45 mL)で沈殿させた。得られた沈殿物をMeOH(5 mL)に溶解させ、ジエチルエーテル:石油エーテル, 50:45 mL)で沈殿させた。このプロセスをもう1回繰り返した。該沈殿物を高真空下で乾燥させて、16e(700 mg)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 2.55分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 8.14-8.12 (m, 2H), 7.85-7.82 (m, 2H), 7.70-7.65 (m, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.59-7.56 (m, 1H), 7.08-7.04 (m, 1H), 5.89-5.26 (m, 4H), 4.58-4.40 (m, 2H), 4.10-3.72 (m, 2H), 2.41-2.24 (m, 4H), 2.15-2.03 (m, 2H), 1.78-1.60 (m, 2H), 1.50 (ブロードのs, 18H), 1.40-1.31 (m, 6H). LC/MS: [M+H]
+ C
39H
49N
4O
10として計算;計算値: 733.34; 実測値 733.4.
実施例16, 工程f
16e(700 mg, 0.955 mmol)/キシレン(10 mL)溶液に、NH
4OAc(1.473 g, 19.10 mmol)を加えた。該反応混合液を窒素で10分間パージした後、密閉チューブにおいて130℃まで18時間加熱した。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、得られた残渣をDCM(50 mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(50 mL)で処理した。その後、有機層を分離し、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣を、Combiflash Isco(Redisep, 26 g, C18, 50-60% ACN:10 mM NH
4HCO
3)により精製して、16f(80 mg)を黄色の液状物として得た。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 2.28分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 7.98-7.72 (m, 5H), 7.50-6.98 (m, 5H), 5.01-4.85 (不明瞭, 2H), 4.10-4.0 (m, 2H), 2.40-2.11 (m, 6H), 1.84-1.60 (m, 2H), 1.51-1.30 (m, 24H). LC/MS: [M+H]
+ C
39H
49N
8O
4として計算;計算値: 693.38; 実測値: 693.4.
実施例16, 工程g
16f(55 mg, 0.079 mmol)/MeOH(1 mL)溶液に、0℃にて、HCl/MeOH(4N, 1.5 mL)を加え、室温で2時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を、乾燥DCM(3 x 5 mL)を用いて共エバポレートした。得られた塩を高真空に曝露し、ピロリジニン16g(4HCl)(55 mg)を黄色の固形物として得て、それをそのまま次の工程に用いた。 LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.15分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.70 (s, 1H), 8.39 (dd, J = 4.8, 0.8, 1H), 8.22 (dd, J = 2.4, 0.8, 1H), 8.18 (d, J = 8.4, 2H), 8.12 (s, 1H), 7.97 (d, J = 8.4, 2H), 7.62 (s, 1H), 7.45 (dd, J = 4.8, 2.8, 1H), 5.19 (見かけ上のt, 1H), 5.08 (見かけ上のt, 1H), 4.03-3.95 (m, 2H), 2.76-2.58 (m, 4H), 2.53-2.43 (m, 2H), 2.12-2.01 (m, 2H), 1.60 (d, J = 6.4, 3H), 1.59 (d, J = 6.8, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
29H
33N
8として計算;計算値: 493.27; 実測値: 493.3.
実施例16
DMF(2.5 mL)中の16g(4HCl)(55 mg, 0.086 mmol)および(S)-2-((2R,4r,6S)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)酢酸(44.4 mg, 0.181 mmol)の溶液に、HATU(67.1 mg, 0.177 mmol)、続いてDIPEA(0.060 mL, 0.345 mmol)を0℃にて加えた。室温で2時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣をDCM(50 mL)に溶解させ、飽和NH4Cl(25 mL)、10%NaHCO3(25 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で精製して、TFA塩の実施例16(60 mg, 0.062 mmol, 72.1%収率)を黄色の固形物として得た。 LC (条件1および2): >98% 均一性指数. LC/MS (条件10): 保持時間 = 1.79分. 1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.62/8.45 (s, 1H), 8.31-8.27 (m, 1H), 8.16-8.05 (m, 3H), 7.94-7.88 (m, 3H), 7.55-7.53 (m, 1H), 7.40-7.36 (m, 1H), 5.62/5.50/5.19 (m, 2H), 4.86-4.75 (不明瞭, 2H), 4.29-4.16 (m, 2H), 3.76/3.75/3.59 (s, 6H), 3.56-3.22 (m, 4H), 2.82-2.19 (m, 6H), 2.17-1.76 (m, 4H), 1.61-1.37 (m, 6H), 1.32-1.09 (m, 14H), 1.03-0.82 (m, 6H). LC/MS: [M+H]+ C51H67N10O8として計算;計算値: 947.51; 実測値: 947.4.
実施例17
実施例17, 工程a
1-ブロモ-4-クロロ-2-ニトロベンゼン(10 g, 42.3 mmol)/THF(125 mL)の攪拌した溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(1M/THF, 127 mL, 127 mmol)を-78℃にて加え、該反応混合液を同一の温度で30分間攪拌した。その後、該反応混合液を飽和NH
4Cl(60 mL)でクエンチした。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、得られた残渣にH
2O(100 mL)を加えた。該粗製物をDCM(2 x 50 mL)で抽出し、有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 230-400, 1.3%EtOAc/石油エーテル)により精製して、17a(4.5 g)を茶色の油状物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.01分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 11.72 (ブロードのs, 1H), 7.52 (t, J = 2.8, 1H), 7.32 (d, J = 8.0, 1H), 7.05 (d, J = 8.0, 1H), 6.61-6.59 (m, 1H). LC/MS: [M-H]
- C
8H
4BrClNとして計算;計算値: 227.93; 実測値 228.0.
実施例17, 工程b
17a(4.5 g, 19.52 mmol)/DMF(65 mL)溶液に、NaH(60%/鉱物油)(0.937 g, 23.43 mmol)を0℃にて加え、該温度で30分間攪拌した。MeI(1.221 mL, 19.52 mmol)を該反応混合液に滴下し、室温で12時間攪拌した。該反応混合液に水(30 mL)を加え、EtOAc(2 x 50 mL)で抽出した。有機層を食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Silicycle, 40 g, シリカ, 100%石油エーテル)により精製して、17b(4.1 g)を黄色の油状物として得た。 GC/MS (条件16): 保持時間 = 8.40分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 7.51 (d, J = 3.2, 1H), 7.32 (d, J = 8.4, 1H), 7.02 (d, J = 8.4, 1H), 6.52 (d, J = 3.2, 1H), 4.14 (s, 3H). GC/MS: [M]
+ C
9H
7BrClNとして計算;計算値: 244.52; 実測値 245.0.
実施例17, 工程c
NaCNBH
3(8.43 g, 134 mmol)を、17b(4.1 g, 16.77 mmol)/AcOH(30 mL)溶液に10℃にて加え、該反応混合液を室温で12時間攪拌した。該反応混合液を0℃まで冷却し、該反応混合液に水(50 mL)を加え、10%NaOHによりゆっくりと塩基性化した。該反応混合液をEtOAc(4 x 25 mL)で抽出し、有機層を食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Silicycle, 40 g, シリカ, 100%石油エーテル)により精製して、17c(3.5 g)を無色の油状物として得た。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 2.17分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 7.17 (d, J = 8.4, 1H), 6.58 (d, J = 8.4, 1H), 3.44 (見かけ上のt, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.94 (t, J = 8.8, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
9H
10BrClNとして計算;計算値: 245.96; 実測値 246.0.
実施例17, 工程d
クロロブロミド17c(1 g, 4.06 mmol)およびホウ酸トリイソプロピル(1.130 mL, 4.87 mmol)を、トルエン(10 mL)およびTHF(2.5 mL)に溶解させ、-70℃まで冷却した。n-BuLi(2.0 M /ヘキサン, 2.434 mL, 4.87 mmol)を、該反応混合液に滴下し、同一の温度で1時間攪拌した。次いで、該反応混合液を室温まで昇温させ、1.5 N HCl(5 mL)を加えた。水層と有機層を分離した。該水層を、10%NaOH溶液を用いてpH 7に中和した後、EtOAc(3 x 15 mL)で抽出した。EtOAc層を食塩水(15 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、17d(500 mg)を茶色の固形物として得た。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 0.97分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 8.10 (s, 2H), 7.00 (d, J = 8.0, 1H), 6.57 (d, J = 8.0, 1H), 3.36-3.34 (不明瞭, 2H), 2.89 (見かけ上のt, 2H), 2.78 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
9H
12BClNO
2として計算;計算値: 212.6; 実測値 212.0.
実施例17, 工程e
2-アミノ-1-(4-ブロモフェニル)エタノン塩酸塩(5 g, 19.96 mmol)/DMF(50 mL)の攪拌した溶液に、(2S,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルピロリジン-2-カルボン酸(4.80 g, 20.96 mmol)を0℃にて加えた。次いで該反応混合液に、HATU(7.74 g, 20.36 mmol)、続いてDIPEA(10.46 mL, 59.9 mmol)を加えた。該反応混合液を室温まで昇温させ、1.5時間攪拌した。該反応混合液に水(100 mL)を加え、EtOAc(2 x 100 mL)で抽出した。有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 60-120, 1.8% MeOH/DCM)により精製して、17e(7.9 g)をオフホワイト色の固形物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 1.99分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.84 (d, J = 8.8, 2H), 7.65 (d, J = 8.8, 2H), 4.84-4.62 (m, 2H), 4.39 (ブロードのs, 1H), 3.94 (ブロードのs, 1H), 2.23 (ブロードのs, 1H), 2.10-2.02 (m, 2H), 1.64-1.54 (m, 1H), 1.48/1.47 (s, 9H), 1.39 (d, J = 6.0, 3H). LC/MS: [M-H]
- C
19H
24BrN
2O
4として計算;計算値: 424.32; 実測値 425.0.
実施例17, 工程f
17e(4 g, 9.40 mmol)/キシレン(30 mL)溶液に、NH
4OAc(3.62 g, 47.0 mmol)を加え、密閉チューブにおいて130℃で12時間加熱した。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、該反応混合液を10%NaHCO
3(25 mL)で処理した。次いで、該反応混合液をEtOAc(2 x 50 mL)で抽出し、有機層を水(50 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Silicycle, 120 g, シリカゲル, 1-2% MeOH/CHCl
3)により精製して、17f(2.8 g)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.07 分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 10.87/10.42 (ブロードのs, 1H), 7.65 (d, J = 8.0, 2H), 7.46 (d, J = 8.0, 2H), 7.22 (s, 1H), 4.96-4.93 (m, 1H), 3.97-3.93 (m, 1H), 3.08-2.88 (m, 1H), 2.22-2.10 (m, 2H), 1.90-1.78 (m, 1H), 1.50/1.48 (s, 9H), 1.16 (ブロードのs, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
19H
25BrN
3O
2として計算;計算値: 406.11; 実測値 406.2.
実施例17, 工程g
1,4-ジオキサン(20 mL)中の17f(1 g, 2.461 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.312 g, 5.17 mmol)およびKOAc(0.604 g, 6.15 mmol)の溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、Pd(Ph
3P)
4(0.142 g, 0.123 mmol)を加え、該反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、80℃で12時間加熱した。該反応混合液を、セライトプラグにより濾過し、EtOAc(2 x 10 mL)で洗浄した。該濾液を減圧下でエバポレートし、得られた残渣にH
2O(50 mL)を加えた。該粗製物を、EtOAc(50 mL)で抽出し、有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 230-400, 2.1%MeOH/DCM)により精製して、17g(583 mg, 41.7%収率)を黄色の固形物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.15 分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 10.90/10.40 (ブロードのs, 1H), 7.83-7.40 (m, 4H), 7.27 (s, 1H), 4.97 (ブロードのs, 1H), 3.97 (ブロードのs, 1H), 3.01-2.88 (m, 1H), 2.19-2.03 (m, 2H), 1.88-1.75 (m, 1H), 1.51/1.35 (s, 9H), 1.26/1.24 (s, 12H), 1.15 (ブロードのs, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
25H
37BN
3O
4として計算;計算値: 454.28; 実測値 454.4.
実施例17, 工程h
(2S,5S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-メチルピロリジン-2-カルボン酸(3.5 g, 15.27 mmol)/THF(10 mL)溶液に、BH
3.DMS(1.595 mL, 16.79 mmol)を0℃にて加えた後、80℃で12時間還流した。該反応混合液を0℃まで冷却し、MeOH(10 mL)をゆっくりと加えた。10分間攪拌した後、揮発性成分を減圧下で除去した。得られた残渣をEtOAc(50 mL)に溶解させ、10%NaHCO
3(25 mL)、水(25 mL)、食塩水(10 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 230-400, 30-40% EtOAc/石油エーテル)により精製して、17h(3.1 g)を無色の液状物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 1.71分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 4.95 (ブロードのs, 1H), 3.98-3.88 (m, 2H), 3.71-3.63 (m, 1H), 3.57-3.50 (m, 1H), 2.03-1.89 (m, 2H), 1.72-1.50 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.16 (d, J = 6.0, 3H). LC/MS: [M+H-Boc]
+ C
6H
14NOとして計算;計算値: 116.10; 実測値 116.2.
実施例17, 工程i
デス-マーチン ペルヨージナン(7.39 g, 17.42 mmol)を、17h(2.5 g, 11.61 mmol)/DCM(50 mL)溶液に0℃にて加え、室温で2時間攪拌した。該反応混合液をEtOAc(150 mL)に溶解させ、10%NaHCO
3(75 mL)、10%Na
2S
2O
3(75 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮し、クルードな(2S,5S)-tert-ブチル 2-ホルミル-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(2.62 g)を茶色の液状物として得て、それをそのまま次の工程で用いた。
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 9.48/9.39 (s, 1H), 4.20-3.90 (m, 2H), 2.01-1.83 (m, 3H), 1.65-1.52 (m, 1H), 1.47/1.46 (s, 9H), 1.24 (d, J = 5.2, 3H).
クルードな(2S,5S)-tert-ブチル 2-ホルミル-5-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(2.62 g, 12.28 mmol)/MeOH(40 mL)溶液に、NH
4OH(9.13 mL, 234 mmol)を室温で加えた後、グリオキサル水和物(0.57 mL, 12.28 mmol)を滴下し、室温で12時間攪拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、得られた粗製物を、Combiflash Isco(Redisep, シリカゲル, 40 g, 2-3% MeOH/CHCl
3)により精製して、17i(770 mg)を淡黄色の液状物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 1.60分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 10.40 (ブロードのs, 1H), 6.96 (s, 2H), 4.94-4.91 (m, 1H), 3.95-3.91 (m, 1H), 2.90 (ブロードのs, 1H), 2.20-2.06 (m, 2H), 1.81 (ブロードのs, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.12 (ブロードのs, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
13H
22N
3O
2として計算;計算値: 252.16; 実測値 252.2.
実施例17, 工程j
17i(770 mg, 3.06 mmol)/DMF(10 mL)の攪拌した溶液に、NaH(60%/鉱物油, 129 mg, 3.22 mmol)を0℃にて加え、20分間攪拌した。次いで、SEM-Cl(0.598 mL, 3.37 mmol)を滴下し、2時間かけて0℃〜室温まで攪拌した。該反応混合液を水(5 mL)でクエンチした。該反応混合液をEtOAc(50 mL)で抽出し、水(25 mL)、食塩水(10 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 230-400, 25-30% EtOAc/石油エーテル)により精製して、17l(520 mg)を淡黄色の液状物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.17分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 7.01 (ブロードのs, 1H), 6.87 (d, J = 1.2, 1H), 5.76 (ブロードのs, 1H), 5.16 (d, J = 11.2, 1H), 4.90 (ブロードのs, 1H), 3.95 (ブロードのs, 1H), 3.47 (見かけ上のt, 2H), 2.26-2.04 (m, 4H), 1.48-1.20 (ブロードのs, 12H), 0.96-0.80 (m, 2H), -0.02 (s, 9H). LC/MS: [M+H]
+ C
19H
36N
3O
3Siとして計算;計算値: 382.24; 実測値 382.4.
実施例17, 工程k
NBS(0.466 g, 2.62 mmol)/ACN(10 mL)溶液を、17j(1 g, 2.62 mmol)/DCM(20 mL)の攪拌した溶液に、室温で滴下した。1時間攪拌した後、該反応混合液に水(10 mL)を加え、DCM(2 x 30 mL)で抽出した。有機層を10%NaHCO
3(30 mL)および食塩水(30 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 60-120, 12% EtOAc/石油エーテル)により精製して、17k(600 mg)を黄色の油状物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.41分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 6.99 (s, 1H), 5.86/5.40 (ブロードのs, 1H), 5.28 (d, J = 11.2, 1H), 5.03-4.82 (m, 1H), 4.04-3.90 (m, 1H), 3.54 (見かけ上のt, 2H), 2.23-2.04 (m, 4H), 1.47-1.20 (ブロードのs, 12H), 0.99-0.81 (m, 2H), -0.07 (s, 9H). LC/MS: [M+H]
+ C
19H
35BrN
3O
3Siとして計算;計算値: 460.16; 実測値 460.2.
実施例17, 工程l
1,4-ジオキサン(3 mL)および水(0.6 mL)中の17k(294 mg, 0.638 mmol)、17d(135 mg, 0.638 mmol)、K
2CO
3(265 mg, 1.915 mmol)の溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、Pd(Ph
3P)
4(36.9 mg, 0.032 mmol)を加え、該反応混合液を、N
2でさらに10分間パージし、マイクロ波の下において80℃で2時間加熱した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))のプラグにより濾過し、EtOAc(2 x 10 mL)で洗浄した。該濾液を減圧下でエバポレートし、得られた残渣にH
2O(30 mL)を加えた。該粗製物を、EtOAC(50 mL)で抽出し、有機層を食塩水(20 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、Combiflash Isco(Silicycle, 40 g, シリカ, 12-15% EtOAc/石油エーテル)により精製して、17l(124 mg)を黄色の油状物として得た。 LC/MS (条件15): 保持時間 = 2.88分.
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 400 MHz): δ 6.94 (s, 1H), 6.85 (d, J = 8.0, 1H), 6.64 (d, J = 8.0, 1H), 5.89 (ブロードのs, 1H), 4.99 (見かけ上のt, 1H), 4.88 (d, J = 11.2, 1H), 4.05-3.96 (m, 1H), 3.57-3.44 (m, 1H), 3.33-3.19 (m, 2H), 3.15-2.92 (m, 3H), 2.28 (ブロードのs, 3H), 2.21-1.96 (m, 4H), 1.41/1.37 (s, 9H), 1.29-1.26 (m, 3H), 0.91-0.68 (m, 2H), -0.08 (s, 9H). LC/MS: [M+H]
+ C
28H
44ClN
4O
3Siとして計算;計算値: 547.28; 実測値 547.4.
実施例17, 工程m
実施例17l(50 mg, 0.091 mmol)および17g(83 mg, 0.183 mmol)をDMF(2 mL)に溶解させた。N
2を、該反応混合液に10分間パージした。2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル(7.50 mg, 0.018 mmol), Pd(OAc)
2 (2.051 mg, 9.14 μmol), K
2CO
3(37.9 mg, 0.274 mmol)を加え、該反応混合液にN
2をさらに10分間パージした。該容器を密閉し、125℃まで12時間加熱した。該反応混合液をセライトプラグにより濾過し、EtOAc(2 x 5 mL)で洗浄した。濾過物をEtOAc(10 mL)で希釈し、水(10 mL)および食塩水(10 mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC(ACN/水/NH
4OAc)により精製して、17m(48 mg)をオフホワイト色の固形物として得た。 LC/MS (条件14): 保持時間 = 2.58 分. LC/MS: [M+H]
+ C
47H
68N
7O
5Siとして計算;計算値: 838.50; 実測値 838.4.
実施例17, 工程n
17m(37 mg, 0.044 mmol)/MeOH(2 mL)溶液に、0℃にて、HCl/MeOH(4N, 8 mL)を加え、室温で12時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を乾燥DCM(3 x 5 mL)で共エバポレートした。得られた塩を高真空に曝露し、17n(4HCl)(23 mg)を黄色の固形物として得て、それをそのまま次の工程で用いた。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.07分.
1H NMR (MeOD, δ = 3.34 ppm, 400 MHz): δ 8.08 (ブロードのs, 1H), 8.04-7.98 (m, 2H), 7.94 (ブロードのs, 1H), 7.91 (d, J = 8.0, 1H), 7.78-7.72 (m, 2H), 7.68 (d, J = 8.0, 1H), 5.21 (ブロードのs, 2H), 4.11 (ブロードのs, 2H), 4.02-3.90 (m, 2H), 3.60-3.51 (m, 2H), 3.37 (不明瞭, 3H), 2.78-2.58 (m, 3H), 2.52-2.40 (m, 3H), 2.12-2.00 (m, 2H), 1.63 (d, J = 5.6, 3H), 1.59 (d, J = 6.0, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
31H
38N
7として計算;計算値: 508.31; 実測値 508.2.
実施例17
17n(60 mg, 0.118 mmol)/DMF(2 mL)溶液に、(S)-2-((2R,6R)-2,6-ジメチルテトラジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)酢酸(60.9 mg, 0.248 mmol)、HATU(92 mg, 0.242 mmol)、続いてDIPEA(0.083 mL, 0.473 mmol)を0℃にて加えた。室温で1.5時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣をDCM(20 mL)に溶解させ、飽和NH4Cl(10 mL)、10%NaHCO3溶液(10 mL)、食塩水(10 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で処理して、TFA塩の実施例17(65 mg)を白色の固形物として得た。 LC (条件1および7): >92% 均一性指数. LC/MS (条件18): 保持時間 = 1.63分. LC/MS: [M+H]+ C53H72N9O8として計算;計算値: 962.54; 実測値: 962.4.
実施例18
実施例18, 工程a
1,4-ジブロモ-2-ニトロベンゼン(10 g, 35.8 mmol)/THF(100 mL)の攪拌した溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(1M/THF, 107.5 mL, 107.5 mmol)を-40℃にて加え、該反応混合液を同一の温度で30分間攪拌した。次いで、該反応混合液を飽和NH
4Cl(60 mL)でクエンチした。揮発性成分を減圧下でエバポレートし、得られた残渣にH
2O(100 mL)を加えた。該粗製物を、DCM(2 x 100 mL)で抽出し、有機層を食塩水(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 230-400, 3-5% EtOAc/石油エーテル)により精製して、18a(4 g)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 11.75 (s, 1H), 7.54 (t, J = 2.8, 1H), 7.27 (d, J = 8.4, 1H), 7.18 (d, J = 8.4, 1H), 6.54-6.52 (m, 1H).
実施例18, 工程b
1,4-ジオキサン(5 mL)および水(2 mL)中の18a(250 mg, 0.916 mmol)、1S,3R,5S)-tert-ブチル 3-(4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾール-2-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(製造については、US2009-0202478 A1を参照; 1.03 g, 2.29 mmol)、およびK
2CO
3(758 mg, 5.49 mmol)の溶液を、N
2で10分間パージした。次いで、Pd(dppf)Cl
2:DCM付加物(74.7 mg, 0.091 mmol)を加え、該反応混合液をN
2でさらに10分間パージし、圧力チューブにおいて80℃で12時間加熱した。該反応混合液をセライトプラグにより濾過し、EtOAc(2 x 5 mL)で洗浄した。該濾液を減圧下でエバポレートし、得られた残渣にH
2O(10 mL)を加えた。該粗製物をEtOAC(25 mL)で抽出し、有機層を食塩水(5 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を、逆相HPLC(ACN/水/NH
4OAc)により精製して、18b(150 mg)を得た;位置異性体モノ結合(regioisomeric mono-coupled)生成物が主要な成分であった。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 11.16 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.4, 2H), 7.87 (d, J = 8.4, 2H), 7.69 (d, J = 8.4, 2H), 7.67 (d, J = 8.4, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.41 (t, J = 2.8, 1H), 7.25 (d, J = 7.6, 1H), 7.22 (d, J = 7.6, 1H), 6.71-6.69 (m, 1H), 4.70-4.60 (m, 2H), 3.48-3.41 (m, 2H), 2.42-2.22 (m, 4H), 1.70-1.62 (m, 2H), 1.42-1.18 (m, 18H), 0.80-0.74 (m, 2H), 0.60-0.53 (m, 2H).
実施例18, 工程c
18b(150 mg, 0.196 mmol)/DCM(25 mL)溶液に、TFA(1 mL)を0℃にて加え、室温で12時間攪拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を、乾燥DCM(3 x 5 mL)を用いて共エバポレートした。得られた塩を高真空に曝露し、ピロリジニン18c(140 mg)を得て、それをそのまま次の工程に用いた。 LC/MS (条件9): 保持時間 = 1.41分.
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50 ppm, 400 MHz): δ 11.19 (s, 1H), 10.08 (ブロードのs, 2H), 7.97-7.92 (m, 4H), 7.81 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.75-7.71 (m, 4H), 7.42 (t, J = 2.8, 1H), 7.28-7.21 (不明瞭, 2H), 6.70 (見かけ上のt, 1H), 4.66-4.62 (m, 2H), 3.62-3.59 (m, 2H), 3.40-3.36 (m, 2H), 1.93-1.91 (m, 2H), 1.78-1.75 (m, 2H), 1.20-1.11 (m, 2H), 0.87-0.81 (m, 2H). LC/MS: [M+H]
+ C
36H
34N
7として計算;計算値: 564.28; 実測値: 564.2.
実施例18
DMF(10 mL)中の18c(70 mg, 0.124 mmol)および(S)-2-((メトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタン酸(45.7 mg, 0.261 mmol)の溶液に、HATU(96.9 mg, 0.254 mmol)、続いてDIPEA(0.17 mL, 0.994 mmol)を0℃にて加えた。室温で4時間攪拌した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣をDCM(50 mL)に溶解し、飽和NH4Cl(25 mL)、10%NaHCO3(25 mL)、食塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮した。該粗製物を逆相HPLC精製(ACN/水/TFA)で処理して、TFA塩の実施例18(10 mg)を得た。 LC (条件2): >91% 均一性指数. LC/MS (条件17): 保持時間 = 1.82分. LC/MS: [M-H]- C50H54N9O6として計算;計算値: 877.03; 実測値: 877.4.
(生物学的活性)
HCVレプリコンアッセイを本発明において用い、共願のPCT/US2006/022197およびO'Boyle et. al. Antimicrob Agents Chemother. 2005 Apr;49(4):1346-53に記載のとおり製造し、実施し、検証した。ルシフェラーゼレポーターを組み合わせたアッセイ方法もまた記載の通り用いた(Apath.com)。
NS5A領域に抵抗性の置換を有するHCV-ネオ(neo)レプリコン細胞およびレプリコン細胞を用いて、本明細書に記載の化合物の群を試験した。該化合物は、変異を有する細胞において、対応する野生型の細胞に対する阻害能力に対し、異なる程度の低下した阻害活性を有すると決定された。従って、本発明の化合物は、HCV NS5Aタンパク質の機能の阻害において有効であり得て、出願PCT/US2006/022197および共願のWO/O4014852で先に記載された組み合わせにおいて有効であると理解される。本発明の化合物は複数の遺伝子型のHCVを阻害することができると理解されるべきである。表2は、HCV 1b遺伝子型に対する代表的な本発明の化合物のEC
50(有効な50%阻害濃度)値を示す。範囲は以下の通りである: A = 0.5 pM〜10 pM; B = 11 pM〜90 pM; C = 91 pM〜160 pM; D = 161 pM〜5 nM。一実施態様において、本発明の化合物は、1a、1b、2a、2b、3a、4a、および5a遺伝子型に対して阻害性である。
表2
本発明は前述の例示的な実施例に限定されず、そしてその本質的特性から逸脱することなく他の特定の形態において具体化することができることが当業者には明白であろう。従って該実施例は、あらゆる点で、制限するものではなく例示的なものとしてみなされ、そして、前述の実施例に対してよりはむしろ特許請求の範囲を参照すべきであり、従って、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内となる全ての変更を包含すると意図することが望ましい。
本発明の化合物は、NS5A阻害に加えてまたはNS5A阻害以外のメカニズムによりHCVを阻害し得る。一実施態様において、本発明の化合物はHCVレプリコンを阻害し、別の実施態様において、本発明の化合物はNS5Aを阻害する。本発明の化合物は複数の遺伝子型のHCVを阻害し得る。