JP5804779B2 - ボイラ装置 - Google Patents
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前述のように複数本の支柱1と、その支柱1の上下方向に沿って複数本配置された主梁2との組み合わせにより支持架構7が構成される。ボイラ本体4は、運転中に上下方向に熱伸びする。その熱伸びの変化を拘束しないようにするため、ボイラ本体4は支持架構7の上部から吊りボルト3を介して伸縮可能に吊り下げられている。
前記層間変位fδiとは、地震荷重5が作用した場合に生じる各層の下端と上端との水平座標の偏差(変位)の最大値を意味し、仮に地震荷重5がゼロの場合には層間変位fδiはゼロとなる。この層間変位fδiの大きさは、層間変位fδiの値がゼロとなる基準線500より右に行くほど層間変位fδiの値は大となっている。
第1層における防振ダンパの降伏耐力の総和d1TQuは、下記の数式(1)で計算できる。この数式の中の「N1」は第1層に設置されている防振ダンパの個数、「d1」のdはダンパー、1は第1層、「T」はTotal、「Qu」は降伏耐力、「d1Qu、i1」は第1層におけるi1番目の防振ダンパの降伏耐力を示している。例えば第1層に防振ダンパが2個設置されている場合、第1層における防振ダンパの降伏耐力の総和d1TQuは、〔d1TQu、1+d1TQu、2〕となる。
同様に、第2層〜第7層おける防振ダンパの降伏耐力の総和d2TQu〜d7TQuは、下記の数式(2)〜(7)で計算できる。
「N2」は、第2層に設置されている防振ダンパの個数、
「d1Qu、i2」は、第2層におけるi2番目の防振ダンパの降伏耐力、
「N3」は、第3層に設置されている防振ダンパの個数、
「d1Qu、i3」は、第3層におけるi3番目の防振ダンパの降伏耐力、
「N4」は、第4層に設置されている防振ダンパの個数、
「d1Qu、i4」は、第4層におけるi4番目の防振ダンパの降伏耐力、
「N5」は、第5層に設置されている防振ダンパの個数、
「d1Qu、i5」は、第5層におけるi5番目の防振ダンパの降伏耐力、
「N6」は、第6層に設置されている防振ダンパの個数、
「d1Qu、i6」は、第6層におけるi6番目の防振ダンパの降伏耐力、
「N7」は、第7層に設置されている防振ダンパの個数、
「d1Qu、i7」は、第7層におけるi7番目の防振ダンパの降伏耐力、
である。
複数本の支柱と、その支柱の上下方向に沿って複数本配置された主梁との組み合わせにより構成された支持架構と、
その支持架構の上部から伸縮可能に吊り下げられたボイラ本体と、
そのボイラ本体と前記支持架構の間に接続された防振ダンパを有し、
前記支持架構の基礎部分から最下部の主梁までを第1層、最下部の主梁からその上方の次の主梁までを第2層とし、前記ボイラ本体を吊り下げる最上部の主梁まで複数の層構造を備えたボイラ装置を対象とするものである。
前記上層を1としたときに、前記重心層が3.6〜4.4、前記最下部層が1.8〜2.2の割合となるように、前記上層、重心層ならびに最下部層に前記防振ダンパを設けたことを特徴とするものである。
前記重心層の高さ方向の中央位置よりも上側に前記ボイラ耐震構造の重心位置があると、前記重心層とその上側の層との境界部に前記重心層用の防振ダンパを設置することを特徴とするものである。
前記重心層の高さ方向の中央位置よりも下側に前記ボイラ耐震構造の重心位置があると、前記重心層とその下側の層との境界部に前記重心層用の防振ダンパを設置することを特徴とするものである。
前記第1層の高さ方向の中央位置の上側にボイラ本体鉛直部の最下部があると、前記第1層と前記第2層との境界部に前記第1層用の防振ダンパを設置することを特徴とするものである。
前記第2層の高さ方向の中央位置の下側にボイラ本体鉛直部の最下部があると、前記第1層と前記第2層との境界部に前記第1層用の防振ダンパを設置することを特徴とするものである。
図1は、本発明の実施形態に係るボイラ装置の耐震構造を説明するための概略側面図である。図2はそのボイラ装置内での防振ダンパの配置状態を示す概略平面図で、図中の(A)は図1のA´−A´線上から見た概略平面図、(B)はB´−B´線上の概略平面図、(C)はC´−C´線上の概略平面図、(D)はD´−D´線上の概略平面図、(E)はE´−E´線上の概略平面図、(F)はF´−F´線上の概略平面図、(G)はG´−G´線上の概略平面図である。
前記ボイラ本体4と支持架構7の間に、鋼製の防振ダンパ6が複数個設置されている。
第7層[図2(A)参照]:0個
第6層[図2(B)参照]:2個
第5層[図2(C)参照]:2個
第4層[図2(D)参照]:8個
第3層[図2(E)参照]:0個
第2層[図2(F)参照]:0個
第1層[図2(G)参照]:4個
なお、最上層(本実施形態では第7層)は構造上、防振ダンパ6を設置することは不可能であるから、最上層における防振ダンパ6の設置個数は0個である。
この実施形態では同図に示すように、ボイラ本体鉛直部50の最下部9が、第2層の高さ方向中央位置106よりも下側にある。この場合には、第1層の上部、すなわち第1層と第2層の境界部に防振ダンパ6を設置する。
すなわち、設計思想(b)に着目すると、従来構造では三角印に示すように、上下に隣接する層と層の間で層間変形角を極力一致させるように設計されていた。これに対して本発明では丸印に示すように、層間変形角を極力一致させるようには設計されておらず、例えば第5層の層間変形角は他の層に比べて突出している。
第1の比較例は、前記設計制約(a)を満たし、かつ前記設計思想(b),(c),(d)に基づいて防振ダンパを配置することで層せん断力を低減した例である。具体的にその例を図6に示す。
具体的には、防振ダンパの降伏耐力総和の比を、図6において斜線で示す従来構造における防振ダンパの降伏耐力総和の比101を、図7の103に示すように大幅に変更した例である。
すなわち、ボイラ耐震構造の重心位置8を含む重心層(第4層)より上層(第5層、第6層)における防振ダンパの降伏耐力総和の比が「1」であるのに対して、その重心層(第4層)における防振ダンパの降伏耐力総和の比が「4.9」、ボイラ本体鉛直部の最下部層における防振ダンパの降伏耐力総和の比が「3」となる構造である。
(1).ボイラ耐震構造の層間変形角を規定値以下とし、さらに第1層せん断力を従来構造よりも約20%低減することが可能となる。
Claims (5)
- 複数本の支柱と、その支柱の上下方向に沿って複数本配置された主梁との組み合わせにより構成された支持架構と、
その支持架構の上部から伸縮可能に吊り下げられたボイラ本体と、
そのボイラ本体と前記支持架構の間に接続された防振ダンパを有し、
前記支持架構の基礎部分から最下部の主梁までを第1層、最下部の主梁からその上方の次の主梁までを第2層とし、前記ボイラ本体を吊り下げる最上部の主梁まで複数の層構造を備えたボイラ装置において、
前記層構造のうち、前記支持架構とボイラ本体からなるボイラ耐震構造の重心が位置する重心層と、その重心層よりも上層と、前記重心層よりも下方で前記ボイラ本体の鉛直部最下端が位置する最下部層とに設けられている前記防振ダンパの降伏耐力の総和が、
前記上層を1としたとき、前記重心層が3.6〜4.4、前記最下部層が1.8〜2.2の割合となるように、前記上層、重心層ならびに最下部層に前記防振ダンパを設けたことを特徴とするボイラ装置。 - 請求項1に記載のボイラ装置において、
前記重心層の高さ方向の中央位置よりも上側に前記ボイラ耐震構造の重心位置があると、前記重心層とその上側の層との境界部に前記重心層用の防振ダンパを設置することを特徴とするボイラ装置。 - 請求項1に記載のボイラ装置において、
前記重心層の高さ方向の中央位置よりも下側に前記ボイラ耐震構造の重心位置があると、前記重心層とその下側の層との境界部に前記重心層用の防振ダンパを設置することを特徴とするボイラ装置。 - 請求項1に記載のボイラ装置において、
前記第1層の高さ方向の中央位置の上側にボイラ本体鉛直部の最下部があると、前記第1層と前記第2層との境界部に前記第1層用の防振ダンパを設置することを特徴とするボイラ装置。 - 請求項1に記載のボイラ装置において、
前記第2層の高さ方向の中央位置の下側にボイラ本体鉛直部の最下部があると、前記第1層と前記第2層との境界部に前記第1層用の防振ダンパを設置することを特徴とするボイラ装置。
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