JP5804664B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、微細な配線を有する半導体装置に関する。
半導体装置は、トランジスタなどの素子が作り込まれた半導体基板上に、Al(アルミニウム)またはCu(銅)などの金属材料からなる配線を備えている。
具体的には、素子が作り込まれた半導体基板上には、絶縁性材料からなる層間絶縁膜が積層され、金属材料からなる配線は、その層間絶縁膜上に所定のパターンで形成されている。たとえば、配線材料としてAlが用いられる場合、このAlからなる配線は、層間絶縁膜の平坦な表面上に形成される。また、配線材料としてCuが用いられる場合、このCuからなる配線は、いわゆるダマシン法により、層間絶縁膜の表面に所定のパターンで形成された溝に埋設される。配線の表面は、絶縁性材料からなる第2の層間絶縁膜またはパッシベーション膜により被覆されている。
特開2001−326325号公報
配線を被覆する層間絶縁膜またはパッシベーション膜は、配線の形成後に、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって形成される。CVD法による層間絶縁膜またはパッシベーション膜の形成は、CVD装置内において、300〜400℃の高温下で行われる。そのため、層間絶縁膜またはパッシベーション膜の形成後、半導体装置は、CVD装置から取り出されることにより、室温で急激に冷却される。このとき、配線の材料である金属と層間絶縁膜またはパッシベーション膜の材料である絶縁性材料との熱収縮率が大きく異なるために、配線の収縮が層間絶縁膜またはパッシベーション膜により阻止される。その結果、配線には、配線と層間絶縁膜またはパッシベーション膜との熱収縮差による大きなストレスがかかる。
従来の半導体装置では、配線幅が大きく形成され、また、配線がAlとTi(チタン)、TiN(窒化チタン)、TiW(チタンタングステン)、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)等の高融点金属とを積層して構成されていたので、配線と層間絶縁膜またはパッシベーション膜との熱収縮差に起因するストレスが配線に生じても、配線の断線を生じることがなかった。
しかし、配線の微細化を図るため、配線幅を0.4μm以下にすると、配線と層間絶縁膜またはパッシベーション膜との熱収縮差に起因するストレスが配線に生じたときに、配線の断線を生じることがわかった。
そこで、本発明の目的は、配線幅が0.4μm以下であっても、ストレスによる配線の断線の発生を防止することができる、半導体装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、半導体層と、前記半導体層上に形成された第1絶縁膜と、第1絶縁膜の平坦な表面上に形成され、0.4μm以下の配線幅を有し、かつ、Alを主に含む金属材料からなる配線と、前記配線の少なくとも一方の側面から配線幅方向に平面視略半円形状に張り出すように、前記第1絶縁膜の平坦な表面上に前記配線と一体的に形成され、かつ、前記配線に沿う方向に100μm以上300μm以下の間隔を空けて複数形成された幅広部と、前記配線を被覆するように前記第1絶縁膜上に形成された第2絶縁膜と、を備え、前記配線が延びる方向に直交する方向において、前記配線の配線幅に前記幅広部の幅を加えた幅は、前記配線の配線幅の2倍であり、前記配線が延びる方向における前記幅広部の長さは、互いに隣り合う2つの前記幅広部の間の配線の長さよりも短い、半導体装置である。
この構成によれば、半導体層上には、第1絶縁膜が形成されている。第1絶縁膜の平坦な表面上には、0.4μm以下の配線幅を有し、かつ、Alを主に含む金属材料からなる配線が形成されている。配線には、配線の少なくとも一方の側面から配線幅方向に平面視略半円形状に張り出幅広部が一体的に形成されている。この幅広部は、配線に沿う方向に100μm以上300μm以下の間隔を空けて複数設けられている。第1絶縁膜上には、配線を被覆するように第2絶縁膜が形成されている。
配線が延びる方向に直交する方向において、配線の配線幅に幅広部の幅を加えた幅は、配線の配線幅の2倍である。そして、配線が延びる方向における幅広部の長さは、互いに隣り合う2つの幅広部の間の配線の長さよりも短く設定されている。これにより、配線上に第2絶縁膜が形成された後、配線と第2絶縁膜との熱収縮差に起因するストレスが配線に生じても、そのストレスを平面視略半円形状の幅広部で吸収することができる。その結果、ストレスによる配線の断線の発生を良好に防止することができるから、配線幅が0.4μm以下であっても、ストレスによる配線の断線の発生を防止することができる半導体装置を提供できる。なお、第2絶縁膜は、たとえば、層間絶縁膜やパッシベーション膜等であってもよい。
また、幅広部間の間隔が300μm以下にされることにより、2つの幅広部間において配線に生じるストレスを両幅広部で良好に吸収することができる。また、幅広部間の間隔が100μm以上にされることにより、幅広部が配線の微細化の妨げとなるのを防止することができる。
請求項2に記載のように、前記幅広部は、等間隔で配置されていることが好ましい。幅広部が等間隔で配置されていることにより、配線にストレスの集中する部分が生じるのを防止することができる。そのため、ストレスによる配線の断線の発生をより良好に防止することができる。請求項3に記載のように、前記第1絶縁膜は、SiO を含んでいてもよい。請求項4に記載のように、前記第2絶縁膜は、SiO を含んでいてもよい。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。
半導体装置1は、半導体層としての半導体基板2を備えている。この半導体基板2は、たとえば、Si(シリコン)基板からなる。半導体基板2の表層部には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの素子が作り込まれている。
半導体基板2上には、SiO(酸化シリコン)からなる本発明の第1絶縁膜の一例としての第1層間絶縁膜3が形成されている。第1層間絶縁膜3は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって形成される。
第1層間絶縁膜3には、所定のパターンの配線溝4がその上面から掘り下げて形成されている。配線溝4には、Cuからなる配線5が埋設されている。配線5は、ダマシン法によって形成される。また、配線5の側面および底面は、Cuの拡散に対するバリア性を有するTa(タンタル)系材料からなるバリア膜6により覆われている。バリア膜6は、たとえば、スパッタ法により形成される。なお、Ta系材料としては、たとえば、TaまたはTaN(窒化タンタル)を例示することができる。
第1層間絶縁膜3および配線5上には、Cuの拡散に対するバリア性を有するSiC(炭化シリコン)からなるバリア膜7が形成されている。また、バリア膜7上には、SiOからなる本発明の第2絶縁膜の一例としての第2層間絶縁膜8が積層されている。バリア膜7および第2層間絶縁膜8は、たとえば、CVD法によって形成される。
図2は、配線5の形状を示すための図解的な平面図である。
配線5は、第1層間絶縁膜3上において、所定方向Aに延びて形成されている。配線5には、複数の幅広部9が一体的に形成されている。幅広部9は、所定方向Aに等間隔Dで形成されている。各幅広部9は、配線5の側面から配線5の幅方向(所定方向Aと直交する方向)両側に平面視略半円形状に張り出している。配線5の配線幅W1は、0.4μmm以下である。配線5が延びる方向に直交する方向において、配線5の配線幅W1に幅広部9の幅を加えた幅W2、配線5の配線幅W1の約2倍である。たとえば、配線5の配線幅W1が0.4μmである場合、配線5の配線幅W1に幅広部9の幅を加えた幅W2は0.8μmである。
これにより、配線5上に第2層間絶縁膜8が形成された後、配線5と第2層間絶縁膜8との熱収縮差に起因するストレスが配線5に生じても、そのストレスを幅広部9で吸収することができる。その結果、ストレスによる配線5の断線の発生を防止することができる。
幅広部9間の間隔Dは、100μm以上300μm以下であることが好ましい。間隔Dが300μm以下にされることにより、2つの幅広部9間において配線5に生じるストレスを両幅広部9で良好に吸収することができる。また、間隔Dが100μm以上にされることにより、幅広部9が配線5の微細化の妨げとなるのを防止することができる。
また、幅広部9が等間隔Dで配置されていることにより、配線5にストレスの集中する部分が生じるのを防止することができる。そのため、ストレスによる配線5の断線の発生をより良好に防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、配線5は、Al(アルミニウム)を含む金属材料で形成されていてもよい。その場合、第1層間絶縁膜3に配線溝4が形成されず、第1層間絶縁膜3のほぼ平坦な表面上に配線5が所定のパターンで形成されてもよい。
また、幅広部9は、必ずしも等間隔Dで形成されなくてもよく、不規則なピッチで形成されていてもよい。
また、幅広部9は、配線5の側面から配線5の両側に張り出しているとしたが、一方側にのみ張り出した形状に形成されていてもよい。
つまり、他の形態に係る半導体装置1は、半導体層2を含む。半導体層2上には、第1層間絶縁膜3(たとえばSiO 膜)が形成されている。第1層間絶縁膜3の平坦な表面上には、0.4μm以下の配線幅W1を有し、かつ、Alを主に含む金属材料からなる配線5が形成されている。第1層間絶縁膜3の平坦な表面上には、配線5の少なくとも一方の側面から配線幅方向Aに平面視略半円形状に張り出す幅広部9が、配線5と一体的に形成されている。幅広部9は、配線5に沿う方向に所定間隔(100μm以上300μmm以下)を空けて複数形成されている。幅広部9は、配線5に沿う方向に等間隔Dで形成されていてもよい。
配線5の配線幅W1に幅広部9の幅を加えた幅W2は、配線5が延びる方向に直交する方向において配線5の配線幅W1の約2倍であり、配線5が延びる方向における幅広部9の長さは、互いに隣り合う2つの幅広部9の間の配線5の長さよりも短い。この配線5を被覆するように、第2層間絶縁膜8(たとえばSiO 膜)が第1層間絶縁膜3上に形成されている。
配線5を被覆する第2層間絶縁膜8は、配線5の形成後に、たとえば、CVD法によって形成される。CVD法による第2層間絶縁膜8の形成は、CVD装置内において、300〜400℃の高温下で行われる。そのため、第2層間絶縁膜8の形成後、半導体装置1は、CVD装置から取り出されることにより、室温で急激に冷却される。配線5の主たる金属材料であるAlと第2層間絶縁膜8の材料である絶縁性材料(たとえばSiO )との熱収縮率が大きく異なっている。そのため、配線5と第2層間絶縁膜8との熱収縮差により、配線5に大きなストレスがかかる。
他の形態に係る半導体装置1によれば、配線5に平面視略半円形状の幅広部9が形成されている。配線5が延びる方向に直交する方向において、配線5の配線幅W1に幅広部9の幅を加えた幅W2は、配線5の配線幅W2の約2倍に設定されている。そして、配線5が延びる方向における幅広部9の長さは、互いに隣り合う2つの幅広部9の間の配線の長さよりも短く設定されている。
これにより、配線5上に第2層間絶縁膜8が形成された後、配線5と第2層間絶縁膜8との熱収縮差に起因するストレスが配線5に生じても、そのストレスを平面視略半円形状の幅広部9で吸収することができる。その結果、ストレスによる配線5の断線の発生を良好に防止することができるから、配線幅が0.4μm以下であっても、ストレスによる配線の断線の発生を防止することができる半導体装置1を提供できる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図1に示す配線の図解的な平面図である。
符号の説明
1 半導体装置
2 半導体層
3 第1層間絶縁膜(層間絶縁膜)
5 配線
9 幅広部
D 間隔
W1 配線幅

Claims (4)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層上に形成された第1絶縁膜と、
    第1絶縁膜の平坦な表面上に形成され、0.4μm以下の配線幅を有し、かつ、Alを主に含む金属材料からなる配線と、
    前記配線の少なくとも一方の側面から配線幅方向に平面視略半円形状に張り出すように、前記第1絶縁膜の平坦な表面上に前記配線と一体的に形成され、かつ、前記配線に沿う方向に100μm以上300μm以下の間隔を空けて複数形成された幅広部と、
    前記配線を被覆するように前記第1絶縁膜上に形成された第2絶縁膜と、を備え、
    前記配線が延びる方向に直交する方向において、前記配線の配線幅に前記幅広部の幅を加えた幅は、前記配線の配線幅の2倍であり、
    前記配線が延びる方向における前記幅広部の長さは、互いに隣り合う2つの前記幅広部の間の配線の長さよりも短い、半導体装置。
  2. 前記幅広部は、等間隔で配置されている、請求項に記載の半導体装置。
  3. 前記第1絶縁膜は、SiO を含む、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2絶縁膜は、SiO を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
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