近年、カラー用の画像情報に基づいて色画像を形成するカラープリンタや、原稿の画像を読み取ってカラー画像再生用の画像信号を出力するスキャン機能を備えたカラー用の複写機や、複合機が使用される場合が多くなってきた。例えば、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)系の画像データを取得し、この画像データに基づいて色画像を形成するデジタルのカラー用の画像形成装置が広く使用されている。
この種のタンデム型のカラー画像形成装置において、電子写真方式の画像形成部が備えられ、画像形成部では、RGB系の画像データがYMCK系の画像データに色変換され、色変換後のイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び黒(BK)色用の画像データに基づいてカラーのトナー像が形成される。画像形成部は、Y,M,C,BK色の像形成出力機能を各々分担する画像形成ユニットを備え、各作像色毎に帯電部によって一様に帯電された感光体ドラムに、画像データに基づいて静電潜像が、ポリゴンミラー等を使用した光書込み部(PH:Printer Head)により形成される。
この静電潜像は各作像色毎に現像器によって現像される。このような帯電、露光、現像を行い、感光体ドラム上に形成されたカラートナー像が、中間転写ベルト上で重ね合わされ、ここに重ね合わされたカラートナー像が転写部によって用紙に転写される。用紙は、用紙給紙部によって、給紙トレイから転写部へ搬送される。所定の用紙上に転写されたトナー像は、定着部により定着される。この結果、画像データに基づくカラー画像を所定の用紙に形成することができる。
上述のタンデム型のカラー画像形成装置によれば、筺体の垂直(高さ(縦))方向に中間転写ベルトが配置され、この中間転写ベルトに沿って各色用の感光体ドラムが縦列に配置され、この感光体ドラムの周辺に帯電部、現像器、光書込み部が配置されている(部材縦列配置)。現像器にトナー剤を供給するトナーボトルは、現像器や定着部等の上部側に配置され、重力を利用してトナー剤を供給する方式が採られる場合が多い。
この種の重力を利用してトナー剤を供給する画像形成装置に関して、特許文献1に開示された画像形成装置によれば、筺体の水平(幅(横))方向に用紙搬送ベルトが配置され、この用紙搬送ベルトに沿って、その上部に各色用の感光体ドラム及び、現像ローラーが横列に配置され、この現像ローラーの上部に、対応して各色用のトナーカートリッジが配置され、これらのトナーカートリッジの上部に、スキャナ部が配置されている。このように感光体ドラム、現像ローラー、スキャナ部及びトナーカートリッジを配置すると、隣接するトナーカートリッジの間に光路スペースが設けられ、当該光路スペースを利用してスキャナ部から出射されたレーザー光を感光体ドラムに照射できるというものである。
この種の重力を利用してトナー剤を供給する画像形成装置に関して、特許文献2に開示された画像形成装置によれば、筺体の水平方向に対して、わずかに傾斜された中間転写ベルトが配置され、この中間転写ベルトに沿って、その下部に各色用の感光体ドラム、現像機及び画像露光装置が斜め横列に配置され、この中間転写ベルトの上部に各色用のトナーカートリッジが配置されている。中間転写ベルトの奥側のスペースを利用してトナーカートリッジと現像機が接続される。このように感光体ドラム、現像機、画像露光装置及びトナーカートリッジを配置すると、中間転写ベルトの上部に配置されたトナーカートリッジから重力を利用して、当該中間転写ベルトの下部の現像機にトナー剤を供給できるというものである。
この種のトナー剤を供給する画像形成装置に関して、特許文献3乃至5に開示された画像形成装置によれば、筺体の水平方向に対して、わずかに傾斜された中間転写ユニットが配置され、この中間転写ユニットに沿って、その下部に各色用の感光体ドラム及びプロセスカートリッジが斜め横列に配置される。この中間転写ユニットの上部に各色用のトナーボトルが配置されている。露光装置はトナーボトルと対局する位置であって、各色用の感光体ドラム及びプロセスカートリッジの下方に設けられ、当該露光装置と各色用のトナーボトルとで、中間転写ユニット、各色用の感光体ドラム及びプロセスカートリッジを挟み込む構造が採られる。トナーボトルとプロセスカートリッジとは中間転写ユニットの奥側のスペースを利用して接続される。このように感光体ドラム、プロセスカートリッジ、露光装置及びトナーボトルを配置すると中間転写ユニットの上部に配置されたトナーボトルから重力を利用して中間転写ユニットの下部のプロセスカートリッジにトナー剤を供給できるというものである。
特許文献6には、筺体の水平方向に中間転写ベルトを有した画像形成装置が開示され、特許文献3乃至5と同様にして、光書込みユニットと各色用のトナーカートリッジとで、中間転写ベルト、各色用の感光体及び現像装置を挟み込む構造が採られる。
この種のトナー剤を供給する画像形成装置に関して、特許文献7に開示された電子写真画像形成装置によれば、筺体の水平方向に中間転写ベルトが配置され、この中間転写ベルトに沿って、その上部に各色用の感光体ドラム及び、現像部が横列に配置され、この現像部の上部に、対応して各色用のトナーボトルが配置され、これらのトナー補給容器の上部に露光部が配置されている。露光部の光路はL状に曲げられ、当該露光部の一部が、隣接するトナー補給容器間や、対応するトナー補給容器の上部にオーバーラップするように配置される。このように感光体ドラム、現像部、露光部及びトナー補給容器を配置すると、筺体の高さ方向を縮小できるというものである。
この種のトナー剤を供給する画像形成装置に関して、特許文献8に開示されたカラー画像形成装置によれば、筺体の水平方向に中間転写ユニットが配置され、この中間転写ユニットに沿って、その上部に各色用のトナーボックスが配置される。この中間転写ユニットの下部に感光体ドラム及び現像部が横列に配置され、この感光体ドラムの下部に、対応して各色用の光書込みユニットが配置される。トナーボックスと現像部とは中間転写ユニットの奥側のスペースを利用して接続される。このように感光体ドラム、現像部、露光装置及びトナーボックスを配置すると中間転写ユニットの上部に配置されたトナーボックスから重力を利用して中間転写ユニットの下部の現像部にトナー剤を供給できるというものである。
なお、特許文献8の従来技術には、部材縦列配置のタンデム型のカラー画像形成装置が開示され、筺体の垂直(高さ(縦))方向に搬送ベルトが配置され、この搬送ベルトに沿って各色用の感光体ドラムが縦列に配置され、この感光体ドラムの周辺に帯電部、現像部、光書込み部が配置されている。
ところで、特許文献1乃至8に見られるような画像形成装置によれば、いずれも、筺体の水平方向に中間転写ユニット又は用紙搬送ユニットが配置され、これらの搬送ユニットに沿って、その上部又は下部に感光体ドラム、現像器(画像形成ユニット)及び画像露光装置(光書込み部)が配置され、その上部に各色用のトナーボックス、トナーボトルといったトナー剤供給部が配置されている。
このため、筺体の水平方向(幅(横))に並べられた感光体ドラムや現像器等の部材取付領域の一端から他端を結ぶ長さを総部材取付幅としたとき、その総部材取付幅が、特許文献8の従来技術に見られるような搬送ベルトを縦列配置したカラー画像形成装置に比べて長く(広く)なる。これにより、筺体の高さに対するその幅が占める割合が大きくなって、カラー画像形成装置のコンパクト化の妨げとなるという問題がある。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、画像形成ユニット、光書込み部及び、トナー剤供給部の配置方法を工夫して、筺体の幅(横)方向の総部材取付幅を縮小できるようにすると共に、当該装置をコンパクト化できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、複数の部材取付領域が画定された筺体の第1の部材取付領域に配置されて像担持体に画像を形成する画像形成ユニットと、前記筺体の第2の部材取付領域に配置されて前記画像形成ユニットにトナー剤を供給するトナー剤供給部と、前記第1の部材取付領域と、前記第2の部材取付領域との間の第3の部材取付領域に配置されて前記画像形成ユニットの像担持体に画像を書き込む光書込み部とを備え、複数の前記画像形成ユニットが前記筺体の第1の部材取付領域の高さ方向に縦列配置され、複数の前記トナー剤供給部が前記筺体の第2の部材取付領域の高さ方向に縦列配置され、前記画像形成ユニットが縦列配置された前記筺体の第1の部材取付領域と、前記トナー剤供給部が縦列配置された前記筺体の第2の部材取付領域との間の第3の部材取付領域に、複数の前記光書込み部が高さ方向に縦列配置され、前記第2の部材取付領域に縦列配置された前記トナー剤供給部の各々は、トナー剤を収納したトナーボトルを有し、前記第3の部材取付領域に縦列配置された前記光書込み部の部材の一部が、前記第2の部材取付領域内で上下に隣接する2つの前記トナーボトルの間の空き領域に入り込んで配置され、前記第2の部材取付領域と前記第3の部材取付領域との間において、前記トナーボトルの外観形状に沿って形成された領域仕切り部材が配置されることを特徴とするものである。
請求項1に係る画像形成装置によれば、画像形成ユニットを配置した第1の部材取付領域とトナー剤供給部を配置した第2の部材取付領域との間の第3の部材取付領域に光書込み部が配置され、当該光書込み部の一部の部材が第1の部材取付領域又は/及び第2の部材取付領域に入り込んで配置されるので、画像形成ユニット、光書込み部及び、トナー剤供給部を何らの工夫無しに並設する場合に比べて筺体の幅(横)方向の総部材取付幅を縮小できるようになる。
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記第2の部材取付領域に、前記光書込み部の部材を迂回するための部材迂回領域が設けられることを特徴とするものである。
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記第1の部材取付領域に縦列配置された各々の画像形成ユニットは、前記第3の部材取付領域に縦列配置された前記光書込み部によって像担持体に書き込まれた画像を現像する現像器を有し、少なくとも、前記光書込み部を構成する部材の一部が、前記第1の部材取付領域内で上下に隣接する2つの前記現像器の間の空き領域に入り込んで配置されることを特徴とするものである。
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記筺体には、所定の位置に複数の開孔部を有した部材取付用の隔壁板と、前記隔壁板と対向する位置に部材取付用の梁部材とが設けられ、前記光書込み部の先端の部材が、前記隔壁板の開孔部から第1の部材取付領域側に露出するように取り付けられると共に、前記光書込み部の後端の部材が前記梁部材に調整可能に取り付けられることを特徴とするものである。
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4において、前記光書込み部の後端の部材と前記梁部材との間に設けられて、当該梁部材に対する取り付け位置を調整する調整部材を備えることを特徴とするものである。
請求項1に係る画像形成装置によれば、画像形成ユニットを配置した第1の部材取付領域とトナー剤供給部を配置した第2の部材取付領域との間の第3の部材取付領域に光書込み部が配置され、当該光書込み部の一部の部材が第1の部材取付領域又は/及び第2の部材取付領域に入り込んで配置されるものである。
この構成によって、画像形成ユニット、光書込み部及び、トナー剤供給部を何らの工夫無しに並設する場合に比べて筺体の幅(横)方向の総部材取付幅を縮小できるようになる。これにより、部材取付領域の横方向の省スペース化が図られ、画像形成装置のコンパクト化に寄与するところが大きい。
請求項2に係る画像形成装置によれば、第2の部材取付領域に部材迂回領域が設けられ、光書込み部の部材を迂回するように、画像形成ユニット及びトナー剤供給部を配置できるので、画像形成ユニットと光書込み部との間や、光書込み部とトナー剤供給部との間をオーバーラップさせて配置できるようになる。
請求項3に係る画像形成装置によれば、第1の部材取付領域内で上下に隣接する2つの現像器の間の空き領域に、光書込み部を構成する部材の一部が入り込んで配置されるので、複数の縦列配置された画像形成ユニットと複数の縦列配置された光書込み部とが相互にオーバーラップして配置され、これらの画像形成ユニット及び光書込み部から成る横(幅)方向の部材取付幅を縮小できるようになる。
請求項4に係る画像形成装置によれば、光書込み部の先端の部材が、隔壁板の開孔部から第1の部材取付領域側に露出するように取り付けられると共に、光書込み部の後端の部材が梁部材に調整可能に取り付けられるので、部材取付領域の縦横方向の省スペース化が図られる中で、光書込み部を容易に筺体へ装着できるようになる。
請求項5に係る画像形成装置によれば、光書込み部の後端の部材と梁部材との間に設けられた調整部材によって、梁部材に対する当該光書込み部の取り付け位置を調整できるので、部材取付領域の縦横方向の省スペース化が図られる中で、光書込み部の位置出しを容易に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像形成装置について説明をする。本欄の記載は、特許請求の範囲に記載される技術的範囲や、用語の意味等を限定するものではない。図1に示す画像形成装置100は、タンデム型の電子写真方式のカラープリンタエンジンを構成し、筺体の一例を構成する装置本体部101を有している。装置本体部101には、中間転写ベルト6、筺体フレーム板11(隔壁板)及び画像形成部60が備えられる。画像形成装置100には、上記の部材の他に定着装置や制御装置、画像読取装置等が備えられるが、本発明では部材の配置に技術的な特徴を有するため、その説明を省略する。
装置本体部101内は、複数の部材取付領域、この例では、図1に示す筺体フレーム板11を基準にして、3つの部材取付領域I,II,IIIが画定されている。部材取付領域I,は、例えば、筺体フレーム板11の左側に画定され、部材取付領域II,IIIは、筺体フレーム板11の右側に画定される。この例で、部材取付領域IIIは、筺体フレーム板11と部材取付領域IIとの間に画定されている。筺体フレーム板11は、所定の位置に部材取付用の複数の開口部104等を有している(図5A参照)。
画像形成部60は部材取付領域Iに配置され、ベルト素面を有して所定の速度で移動される中間転写ベルト6に所定の濃度のトナー画像を形成する。画像形成部60は、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kとを備えて構成される。4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは部材取付領域Iの高さ方向に縦列配置されている。この例では、それぞれ共通する機能名称、例えば、符号10の後ろに形成する色を示すY,M,C,Kを付して表記する。
画像形成ユニット10Yは感光体ドラム1Yを有し、その周囲には帯電部2Y、光書込み部3Y、現像器4Y及びクリーニング部8Yが配設されている。画像形成ユニット10Mは感光体ドラム1Mを有し、その周囲には帯電部2M、光書込み部3M、現像器4M及びクリーニング部8Mが配設されている。画像形成ユニット10Cは感光体ドラム1Cを有し、その周囲には帯電部2C、光書込み部3C、現像器4C及びクリーニング部8Cが配設されている。画像形成ユニット10Kは感光体ドラム1Kを有し、その周囲には帯電部2K、光書込み部3K、現像器4K及びクリーニング部8Kが配設されている。
部材取付領域IIには、トナー剤供給部の一例を構成するトナーボトル9Y,9M,9C,9Kがその高さ方向に縦列配置されている。トナーボトル9Y,9M,9C,9Kは各々対応する現像器4Y,4M,4C,4Kに、各々対応する色のトナー剤を供給するようになされる。
光書込み部3Y,3M,3C,3Kは、部材取付領域Iと部材取付領域IIとの間に画定された部材取付領域IIIに配置され、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kで各々対応する感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに静電潜像を書き込む。この例では、4つの光書込み部3Y,3M,3C,3Kが部材取付領域IIIにおいて、その高さ方向に縦列配置されている。
しかも、光書込み部3Y,3M,3C,3Kの一部の部材が部材取付領域I又は/及び部材取付領域IIに入り込んで配置される。例えば、部材取付領域Iに空き領域を設けて、光書込み部3Yの部材の一部をオーバーラップするように画像形成ユニット10Y等を配置する。光書込み部3Y,3M,3C,3Kは、筺体フレーム板11の所定の位置に設けられた部材取付用の複数の開口部104に対応して挿通され、現像器4Y,4M,4C,4Kの下方の空き領域に、各々の対応する光書込み部3Y,3M,3C,3Kの部材の一部が入り込んで配置される。
この例では、光書込み部3Yの先端の部材、例えば、レーザー光走査導出部を含むその付近のガラス窓等が、筺体フレーム板11の開口部104(図5A参照)から部材取付領域Iの側に露出するように取り付けられる。この配置によって、画像形成ユニット10Yと光書込み部3Yとが配置された横方向の部材取付幅を縮小できるようになる。
なお、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおけるそれぞれの感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、帯電部2Y,2M,2C,2K、光書込み部3Y,3M,3C,3K、現像器4Y,4M,4C,4K、クリーニング部8Y,8M,8C,8Kは、それぞれ共通する内容の構成である。以下、特に、区別が必要な場合を除き、Y,M,C,Kを付さずに表記することとする。
画像形成ユニット10では、帯電部2が感光体ドラム1を帯電する。光書込み部3には、例えば、ポリゴンミラー方式のレーザー露光走査装置(PH:printer Head)が使用される。光書込み部3が画像情報信号を感光体ドラム1に書き込み静電潜像を形成すると、現像器4が静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー画像が形成される。
画像形成部60では、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kのそれぞれの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び、黒(K)色の画像が形成される。感光体ドラム1のそれぞれに形成された各色のトナー像は、Y,M,C,K色用の感光体ドラム1に対応して1次転写ローラー7Y,7M,C,Kを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。
中間転写ベルト6は、複数のローラーにより巻回され、走行可能に支持されている。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写部7Aに向けて搬送される。2次転写部7Aは、画像形成部60の下方であって、中間転写ベルト6の最下方位置に配設される。
画像形成部60の下方には図示せずも用紙搬送部が設けられ、画像形成部60へ用紙を搬送する。中間転写ベルト6上のトナー画像は、2次転写部7Aで、中間転写ベルト6から用紙Pに一括して転写される(2次転写)。
2次転写部7Aの下流側には図示しない定着装置が設けられ、カラー画像が転写された用紙を定着処理する。定着処理後の記録紙は、例えば、装置外へ排紙される。感光体ドラム1の各々の左側下方には、Y,M,C,K色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対応してクリーニング部8Y,8M,8C,8Kが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するように動作する。
中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、2次転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。これらにより、カラー複写機や、カラープリンタ等に実装可能な画像形成装置100を構成する。
図1に示した実施形態としての画像形成装置100によれば、部材取付領域I内で上下に隣接する2つの現像器4Y,4M、現像器4M,4C、現像器4C,4Kの間の各々の空き領域に、光書込み部3Y,3M,3C,3Kを構成する部材の一部が入り込んで配置されるので、複数の縦列配置された画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと複数の縦列配置された光書込み部3Y,3M,3C,3Kとが相互にオーバーラップして配置され、これらの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K及び光書込み部3Y,3M,3C,3Kから成る横(幅)方向の部材取付幅を縮小できるようになる。
図2を参照して、第1の実施例に係るトナーボトル9Y等の配置例について説明する。図2に示す画像形成装置100は、部材取付領域IIに部材迂回領域IVが設けられ、光書込み部3Yの部材の一部を迂回するようにトナーボトル9Y,9M等が配置される。トナーボトル9Yには、図1に示した現像器4Yに供給するY色のトナー剤が収納されている。トナーボトル9Mには、同図に示した現像器4Mに供給するM色のトナー剤が収納されている。
部材迂回領域IVは複数のトナーボトル、この例では、2つのトナーボトル9Y,9Mを、その重心点g,gを結んだ線上に縦列配置したとき、部材取付領域IIIの方向の側へ、各々のトナーボトル9Y,9Mが突出する最大突出位置p,pを結んだ線分と、各々のトナーボトル9Y,9Mの円弧に接する接線m1,m2、又は、それと平行する線分を結んだ領域に形成される。
図中、斜線に示す略三角形状の領域が部材迂回領域IVである。部材迂回領域IVは部材取付領域IIを浸食するように食い込んでいる。このように、トナーボトル9Y,9M等が配置された部材取付領域IIに、光書込み部3Yの部材の一部が入り込んで配置されるので、光書込み部3Yとトナーボトル9Y,9M等が配置された横方向の部材取付幅を縮小できるようになる。
図1に示した筺体フレーム板11と対向する位置であって、図2に示す部材迂回領域IVには部材取付用の梁部材12Yが設けられ、光書込み部3Yの後端の部材、例えば、光書込み本体部固定用の突出板31Yが梁部材12Yに対して調整可能な位置に取り付けられる。突出板31Yは所定の位置に開孔部(図示せず)を有しており、突出板31Yの開孔部には雌ネジが設けられ、又は、当該開孔部上に雌ネジ(ナット:図示せず)が溶接される。
例えば、光書込み部3Yの後端の突出板31Yと梁部材12Yとの間に、調整部材の一例を構成する調整ネジ13Y(ボルト:雄ネジ)が設けられる。調整ネジ13Yは突出板31Y上の雌ネジに螺合される。調整ネジ13Yは当該梁部材12Yに対する光書込み部3Yの取り付け位置を調整するようになされる。
調整ネジ13Yを緩めると、梁部材12Yに対して光書込み部3Yを左右・前後に自在に動かせるようになされる。なお、光書込み部3Yの後端面の所定位置と梁部材12Yの側面との間には、スプリングコイル14Y等の付勢部材が装着され、常に、光書込み部3Yを図1に示した筺体フレーム板11の方向へ押圧(付勢)するようになされる。付勢部材は、スプリングコイル14Y等に限られることはなく、光書込み部3Yを筺体フレーム板11に押し当てるための板バネ等の弾性部材であってもよい。
このように、画像形成装置100によれば、光書込み部3Yの後端の部材と梁部材12Yとの間に設けられた調整ネジ13Yによって、梁部材12Yに対する当該光書込み部3Yの取り付け位置を調整できるので、部材取付領域の縦横方向の省スペース化が図られる中で、光書込み部3Y等の位置出しを容易に行うことができる。
図2に示した画像形成装置100において、断面半円形連結状の仕切り板19は、仕切り部材の一例を構成し、トナーボトル9Y等の外観形状に沿って形成されたものであり、部材取付領域IIと部材取付領域IIIとの間に配置されている。仕切り板19は、トナーボトル9Y等が縦列配置された部材取付領域IIの側から、光書込み部3Y,3M等が縦列配置された部材取付領域IIIの側にトナー剤や、粉塵等が入り込まないように設けられる。
仕切り板19には、所定の樹脂材料をトナーボトル9Y等の外観形状に沿って半円筒状に金型射出成形加工されたものや、薄い金属板等をトナーボトル9Y,9M等の外観形状に沿って半円筒状に折り曲げ加工されたもの(非平面壁)が使用される。仕切り板19で気密性良くシールすることで、熱の入り込みを阻止できるようになる。
画像形成装置100によれば、複数のトナーボトル9Y,9M,9C,9Kが縦列配置された部材取付領域IIと、複数の光書込み部3Y,3M,3C,3Kが縦列配置された部材取付領域IIIとの間に半円筒状の仕切り板19が配置されるので、部材取付領域II,IIIの縦横方向の省スペース化が図られる中で、光書込み部3Y,3M,3C,3Kへのトナー剤や粉塵等の進入を防止できるようになる。
続いて、図3及び図4を参照して、トナー剤補給機構50Y等の配置例、構成例及びその動作例について説明する。図3は部材取付領域I,II及びIIIを上面から見た図である。図3に示すトナー剤補給機構50Yは、トナー剤供給部の一例を構成し、装置本体部101の奥側で部材取付領域I〜IIIに跨って配置され、トナーボトル9Yから現像器4YへY色用のトナー剤Tyを補給する機構である。
図中、トナー剤補給機構50Yは、部材取付領域IIIの後方(奥)側に配置され、部材取付領域Iの現像器4Yと部材取付領域IIのトナーボトル9Y等を結ぶ位置に配置される。トナーボトル9Y等は一端が円錐状に絞り込まれた長尺円筒状の胴体部を有している。トナーボトル9Y等の長手方向の一端にはトナー取り出し口が設けられている。トナー取り出し口の側が装置本体部101の奥側のボトル装着部57Yにセットされる。これにより、トナーボトル9Y等を横に寝かせた状態で縦列に装着できるようになる。
図4Aに示すトナー剤補給機構50Yは、トナー搬送部51Y、スクリュー回転部材52Y、駆動部53Y、ホッパー部54Y、スクリュー回転部材55Y、駆動部56Y及びボトル装着部57Yを有して構成される。ボトル装着部57Yは円柱段差状の部屋501を有し、当該部屋501の中心部がトナーボトル9Yの連結部502となされている。連結部502にはトナーボトル9Yが装着される。
ボトル装着部57Yには所定の長さを有して、斜め上方に延在するトナー搬送部51Yが接続される。トナー搬送部51Yはスクリュー回転部材52Yを有している。トナー搬送部51Yの上部下方にはホッパー部54Yに至る開孔部503が設けられている。スクリュー回転部材52Yの一端には駆動部53Yが接続される。
トナー搬送部51Yの下部には当該トナー搬送部51Yの斜め上方に沿ってホッパー部54Yが設けられる。トナー搬送部51Yとホッパー部54Yとは上述した開孔部503で接続されている。ホッパー部54Yは現像器4Yに接続され、ホッパー部54Yの上部下方には現像器4Yに至る開孔部504が設けられている。ホッパー部54Yはスクリュー回転部材55Yを有している。
図4Bに示すトナー剤補給機構50Yによれば、連結部502にトナーボトル9Yが装着されると、ボトル装着部57Y内にはトナーボトル9Y等からトナー剤Tyが満たされた状態となる。この状態で、駆動部53Yがスクリュー回転部材52Yを駆動(所定の方向に回転)すると、トナー搬送部51Yがボトル装着部57Yから受け取ったトナー剤Tyをスクリュー回転部材52Yを介して斜め上方に搬送する。
このスクリュー回転部材52Yが回転することにより、トナー搬送部51Yからホッパー部54Yへ、開孔部503を介してトナー剤Tyを供給できるようになる。ホッパー部54Y内にはトナー剤Tyが満たされる状態となる。トナー剤Tyが満たされた状態となると、図示しないセンサが働き、駆動部53Yが停止され、トナー搬送部51Yによるトナー搬送が停止される。
更に、この状態で、駆動部56Yがスクリュー回転部材55Yを駆動すると、ホッパー部54Yはトナー搬送部51Yから受け取ったトナー剤Tyをスクリュー回転部材55Yを介して斜め上方に搬送する。このスクリュー回転部材55Yが回転することにより、ホッパー部54Yから現像器4Yへ開孔部504を介して、トナー剤Tyを補給できるようになる。なお、他のM,C,K色用のトナー剤補給機構50M,50C,50Kも、同様に配置され、同様にして構成され、現像器4M,4C,4Kに対応してM,C,K色用の各々のトナー剤Tm,Tc,Tkを補給するようになされる。
続いて、図5及び図6を参照して、光書込み部3Y等の取り付け例(その1,2)について説明する。この例では、現像器4Y,4M,4C,4Kを部材取付領域Iに取り付け、その後、トナー剤補給機構50Y,50M,50C,50Kを部材取付領域I〜IIIに跨る背面パネル102の側に取り付ける。これらの現像器4Y,4M,4C,4Kや、トナー剤補給機構50Y,50M,50C,50Kが取り付けられた後に、図3に示した部材取付領域IIIに光書込み部3Y,3M,3C,3Kを取り付ける場合を前提とする。
これらを組み立て条件にして、図5Aに示す筺体フレーム板11と梁部材12Yとの間に光書込み部3Yを取り付ける。この例では、筺体フレーム板11の開口部104と梁部材12Yとの間に1対のレール部材21Y(片側のみ図示)が設けられている。開口部104は筺体フレーム板11の所定の位置に開口され、光書込み部3Yの先端部分の部材、例えば、レーザー光走査導出部が露出可能な大きさである。
筺体フレーム板11に対向する側には断面がC状を有した梁部材12Yが設けられている。図中のOは、光書込み部3Yのレーザー光走査導出部の光軸を模した線分である。光軸Oは例えば、光書込み部3Yの筺体フレーム板11に対する取付基準目安であり、図1に示した感光体ドラム1Yに対するレーザー光の照射位置決めの目安である。
図5Bに示す開口部104と梁部材12Yとの間において、光書込み部3Yを前傾姿勢と採るように、開口部104に光書込み部3Yの先端部を挿入する。その際に、まず、図6Aや、図6B等に示す開口部106から光書込み部3Yを装置本体部101内に挿入し、その後、装置本体部101内で、光書込み部3Yの先端部が下方となるように傾斜させる。開口部106は、トナーボトル9Y等を装着する側であって、前面パネル103の側に設けられている。光書込み部3Yを傾けたら、その先端底部をレール部材21Yに載置する。
その後、上述のレール部材21Yに光書込み部3Yを載置した状態で、光書込み部3Yを開口部104の側へ押し出すように摺動する。この摺動により、光書込み部3Yの先端部が開口部104から現像器4Yの側へ露出され、筺体フレーム板11に光書込み部3Yが到達した状態となる。
その到達の際に、図5Cに示すスプリングコイル14Yを光書込み部3Yの背面下部の所定の位置と梁部材12Yとの間に取り付ける。このスプリングコイル14Yにより、光書込み部3Yが開口部104の方向へ付勢される状態となされる。その後、所定の方法で光書込み部3Yの光軸Oが感光体ドラム1Yの最適位置に整合するように、当該光書込み部3Yを左右方向に移動して位置合わせを行い、その後、最適位置で突出板31Yに螺合された調整ネジ13Yを締めて、突出板31Yを梁部材12Yに当接して光書込み部3Yを梁部材12Yに固定する。
これにより、図6Aに示す光書込み部3Yを筺体フレーム板11に固定することができる。その後、他の光書込み部3M,3C,3Kも同様にして筺体フレーム板11に取り付けて固定する。そして、図6Bに示す開口部106を介してトナーボトル9Y,9M,9C,9Kを各々の対応するボトル装着部57Y,57M,57C,57Kに取り付けるようになされる。
このように、第1の実施例に係る画像形成装置100によれば、4個の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを高さ方向に縦列配置した部材取付領域Iと4個のトナーボトル9Y,9M,9C,9Kを高さ方向に縦列配置した部材取付領域IIとの間の部材取付領域IIIに、4個の光書込み部3Y,3M,3C,3Kが高さ方向に縦列配置され、当該光書込み部3Y,3M,3C,3Kの一部の部材が部材取付領域I又は/及び部材取付領域IIに入り込んで配置されるものである。
この構成によって、4個の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、4個の光書込み部3Y,3M,3C,3K及び、4個のトナーボトル9Y,9M,9C,9Kを何らの工夫無しに縦列配置する場合に比べて装置本体部101の高さ(縦)方向及び幅(横)方向の各々の総部材取付高さ及び総部材取付幅を縮小できるようになる。これにより、部材取付領域I〜IIIの縦横方向の省スペース化が図られ、画像形成装置100のコンパクト化に寄与するところが大きい。
続いて、図7を参照して、第2の実施例に係るトナーボトル9Y’等の配置例について説明する。図7に示す画像形成装置100’は、部材取付領域IIに部材迂回領域Vが設けられ、光書込み部3Yの部材の一部を迂回するようにトナーボトル9Y’,9M’等が配置される。トナーボトル9Y’には、断面が凸状を有した四角柱筒体を成して、図1に示した現像器4Yに供給するY色のトナー剤が収納されている。トナーボトル9M’には、同様にして、現像器4Mに供給するM色のトナー剤が収納されている。
部材迂回領域Vは複数のトナーボトル、この例では、2つのトナーボトル9Y’,9M’を、その重心点g’,g’を結んだ線上に縦列配置したとき、部材取付領域IIIの方向の側へ、各々のトナーボトル9Y’,9M’の凸部位が突出する突出位置p’,p’を結んだ線分と、2つの凸部位が形成する各々のトナーボトル9Y’,9M’の間の凹部位の入り込み長さ(2つの線分)と、その凹部位の左辺側で、突出位置p’,p’を結んだ線分と平行する線分とを結んだ領域に形成される。
図中、斜線に示す四角形状の領域が部材迂回領域Vである。部材迂回領域Vは部材取付領域IIを浸食するように食い込んでいる。このように、トナーボトル9Y’,9M’等が配置された部材取付領域IIに、光書込み部3Yの部材の一部が入り込んで配置されるので、光書込み部3Yとトナーボトル9Y’,9M’等が配置された横方向の部材取付幅を縮小できるようになる。なお、調整ネジ13Y(調整部材)については、第1の実施例と同じ配置、同じ構成及び同じ機能となるので、その説明を省略する。
図7に示した画像形成装置100’において、断面凹凸形連結状の仕切り板29は、仕切り部材の一例を構成し、トナーボトル9Y’,9M’等の外観形状に沿って形成されたものであり、部材取付領域IIと部材取付領域IIIとの間に配置されている。仕切り板29は、トナーボトル9Y’,9M’等が縦列配置された部材取付領域IIの側から、光書込み部3Y,3M等が縦列配置された部材取付領域IIIの側にトナー剤や、粉塵等が入り込まないように設けられる。
仕切り板29には、所定の樹脂材料をトナーボトル9Y’,9M’等の外観形状に沿って断面凹凸形状に金型射出成形加工されたものや、薄い金属板等をトナーボトル9Y’,9M’等の外観形状に沿って断面凹凸形状に折り曲げ加工されたものが使用される。
このように、第2の実施例に係る画像形成装置100’によれば、部材取付領域IIに部材迂回領域Vが設けられ、光書込み部3Yの部材を迂回するように、トナーボトル9Y’,9M’等を配置するようになされる。すなわち、光書込み部3Yとトナーボトル9Y’との間や、光書込み部3Mとトナーボトル9M’との間がオーバーラップさせて配置される。
この構成によって、画像形成ユニット10Y’,10M’,10C,10K、光書込み部3Y’,3M’,3C,3K及び、トナー剤補給機構50Y等を何らの工夫無しに並設する場合に比べて装置本体部101の幅(横)方向の総部材取付幅を縮小できるようになる。これにより、部材取付領域の横方向の省スペース化が図られ、画像形成装置100’のコンパクト化に寄与するところが大きい。
しかも、4個のトナーボトル9Y’,9M’,9C’,9K’が縦列配置された部材取付領域IIと、4個の光書込み部3Y,3M,3C,3Kが縦列配置された部材取付領域IIIとの間に断面凹凸形状の仕切り板29が配置されるので、部材取付領域II,IIIの縦横方向の省スペース化が図られる中で、光書込み部3Y,3M,3C,3Kへのトナー剤や粉塵等の進入を防止できるようになる。