JP5803127B2 - 転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法 - Google Patents

転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転がり軸受の内輪と外輪とを形成するための内輪粗形材と外輪粗形材とを、単一の素材から、鍛造することにより製造する転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法に関する。
転がり軸受の内輪と外輪とを形成するための内輪粗形材と外輪粗形材とを、単一の素材から製造する方法として、例えば特許文献1に記載の製造方法がある。この製造方法では、円柱状の素材を据え込み形成して円板部材とし(第1工程)、この円板部材の中央を加圧して予備成形品とし(第2工程)、この予備成形品を軸方向に押し出して、上部環状体と下部環状体とを形成し(第3工程)、上部環状体と下部環状体とを分離する(第4工程)。そして、下部環状体の底部をパンチにより打ち抜いて穴開けし(第5工程)、穴開けした下部環状体を前方押し出しして、大径の外筒部と小径の内筒部とを有する成形品を得る(第6工程)。そして、外筒部と内筒部とを切り離して(第7工程)、外筒部を外輪粗形材とし、内筒部を内輪粗形材としている。
前記第5工程では、下部環状体の底部をパンチにより打ち抜いて穴を形成しているが、この工程において形成された穴は、第7工程によって得られる内輪粗形材の内周面となっている。すなわち、第5工程における穴形成のための前記パンチは、第7工程によって得られる内輪粗形材の内径と同じ外径を有している。
特開2005−288505号公報(図1参照)
前記第5工程では、下部環状体の底部に穴開けを行っているが、その穴をパンチによって形成すると抜きカスが生じ、この抜きカスは、廃材として処理される。
そして、この第5工程では、上記のとおり、内輪粗形材の内径と同じ外径を有するパンチによって穴開けを行っていることから、内輪粗形材の内径が大きい場合は特に、大きな抜きカスが発生してしまう。
以上より、前記特許文献1に記載の製造方法では、内輪粗形材と外輪粗形材とを、単一の素材から製造することにより、材料の歩留まり率の向上を図ろうとしているが、従来の製造方法では、パンチによる穴開けの工程によって生じる抜きカスが大きくなってしまい、この点で材料の歩留まり率の向上を妨げている。
そこで本発明は、より一層、材料の歩留まり率を高めることができる転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、転がり軸受の内輪を形成するための内輪粗形材と外輪を形成するための外輪粗形材とを、単一の素材を温間鍛造することにより製造する転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法であって、円柱状の前記素材を据え込み成形して円板部材を得る据え込み工程と、前記円板部材を加圧して、中央部と、その径方向外側に連続する外側部とを形成すると共に、当該外側部から前記中央部へと徐々に薄肉とさせるテーパ面を形成する予備成形工程と、前記中央部の中心側をパンチによって打ち抜いて、前記内輪粗形材の内径よりも小さい直径を有する下穴を、その開口縁部に前記テーパ面を残した状態で形成する穴開け工程と、前記中央部を雄型によって前方押し出しすることで、当該雄型の先端部によって前記下穴を拡径しながら拡径した穴を内周とする内筒部を成形すると共に、当該雄型と雌型との間で前記外側部を後方押し出しすることで、前記内筒部よりも径が大きい外筒部を、前記内筒部と一体として成形する本成形工程と、前記内筒部と前記外筒部とを分離して前記内輪粗形材と前記外輪粗形材とを得る分離工程と、を含むことを特徴とする。





本発明によれば、穴開け工程において、円部材の中央部の中心側をパンチによって打ち抜いて、(分離工程により得られる)内輪粗形材の内径よりも小さい直径を有する下穴を形成し、本成形工程において、前記中央部を雄型によって前方押し出しすることで、当該雄型の先端部によって前記下穴を拡径しながら拡径した穴を内周とする内筒部を成形する。このため、穴開け工程では、内輪粗形材の内径よりも小さい直径を有する下穴を形成すればよいので、抜きカスを小さくすることができ、材料の歩留まり率を高めることができる。
また、前記予備成形工程では、前記外側部から前記中央部へと徐々に薄肉とさせるテーパ面を形成している
この場合、予備成形工程により、円板部材の外部から中央部へと徐々に薄肉とさせるテーパ面が成形されるため、その後の、本成形工程において、この中央部を雄型によって前方押し出しして、下穴を拡径しながら内筒部を成形する際に、当該中央部の前方への流動が行われやすくなる。この結果、中央部によって外側部が径方向内側に大きく引っ張られる(起き上がる)のを緩和することが可能となり、外筒部の成形も行いやすくなる。
また、前記予備成形工程では、前記後方押し出しの方向に突出している突出部を外周縁に有する前記外側部を形成し、前記突出部の径方向幅寸法を、前記後方押し出しするための前記雄型と前記雌型との間の環状空間の径方向隙間寸法よりも小さくなる形状に成形するのが好ましい。
この場合、予備成形工程では、外側部の外周縁にある突出部の径方向幅寸法を、後方押し出しするための雄型と雌型との間の環状空間の径方向隙間寸法よりも小さくなる形状に成形するため、本成形工程において、外側部を後方押し出しして、外筒部を成形する際、突出部は前記環状空間の開口に入り込み易くなる。このため、後方押し出しの際に、外側部の外周縁が、雄型によって径方向内側へ巻き込まれるのを防止することができる。
本発明によれば、穴開け工程において、内輪粗形材の内径よりも小さい直径を有する下穴を形成すればよいので、抜きカスを小さくすることができ、材料の歩留まり率を高めることができる。
本発明の製造方法によって製造された軌道輪用粗形材から形成された内輪と外輪とを備えている転がり軸受の断面図である。 本発明の製造方法に含まれる各工程で成形された成形品の断面図である。 本成形工程を説明する金型の断面図である。 本成形工程を説明する金型の断面図である。 本成形工程を説明する金型の断面図である。 本成形工程を説明する拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法によって製造された内輪粗形材と外輪粗形材とから得られた内輪31と外輪32とを備えている転がり軸受の断面図である。この転がり軸受30は、前記内輪31及び前記外輪32と、これら内輪31と外輪32との間に複数配設されたころ(転動体)33と、これらころ33を保持している保持器34とを備えており、本実施形態では、円錐ころ軸受である。
図2は、本発明の製造方法に含まれる各工程で成形された成形品の断面図である。この製造方法は、軸受用軌道輪(前記内輪31及び外輪32)の粗形材として、図2(E)に示す内輪粗形材21と外輪粗形材22とを、単一の素材から、鍛造することにより製造する。図2では、単一の円柱状の素材(図示せず)に基づいて形成された図2(A)の単一の円板部材10から、図2(E)の内輪粗形材21と外輪粗形材22とを製造するまでを示している。なお、図2において、各成形品の下側(下面)を軸方向前方(軸方向前方側の面)と呼び、上側(上面)を軸方向後方(軸方向後方側の面)と呼ぶこともある。
この製造方法は、第1鍛造工程として、据え込み工程、予備成形工程、穴開け工程、本成形工程、及び、分離工程を備えている。この第1鍛造工程の後、第2鍛造工程として、形状仕上げ工程が行われる。前記第1鍛造工程は、(700〜800℃)の温度で行う温間鍛造であり、前記第2鍛造工程は、常温で行う冷間鍛造である。第1鍛造工程に含まれる各工程について以下説明する。
〔1.据え込み工程〕
据え込み装置(図示せず)により、円柱状の素材(図示せず)を据え込み成形して(軸方向両側から押圧して)、所定寸法の外径D1を有する円板部材10を成形する(図2(A))。この外径D1は、当該円部材10から製造される外輪粗形材22(図2(E))の外径D4よりも僅かに小さい。
〔2.予備成形工程〕
プレスにより、前記円板部材10を軸方向に圧縮して、図2(B)に示す、円板状の第1成形品11とする。この第1成形品11は、前記円部材10を軸方向両側から押圧するパンチ及びカウンタパンチ(図示せず)と、円部材10を外周から囲む内周面を有するダイス(図示せず)とによって成形される。
前記パンチ及びカウンタパンチは、その先端面が所定の形状とされており、前記円板部材10をパンチによって加圧して中央部に凹部を形成し、第1成形品11の上面11a及び下面11bを、図2(B)に示す所定の形状とする。この予備成形により、凹んだ円形部分となる中央部5と、その径方向外側に連続する環状の外側部4とが形成される。中央部5は、外側部4よりも薄肉となる部分であり、後にも説明するが、円板部材10を加圧することにより、中央部5の一部に、外側部4から中央部5へと徐々に薄肉とさせるテーパ面11a−1が形成されている。テーパ面11a−1は、軸方向に直交する平面に対して30°〜45°の傾斜角度θを有している。
また、この予備成形工程において、前記ダイスは、第1成形品11の外周面11cを拘束し、所定の外径D2とする(D2>D1)。
前記外側部4は、中央部5の径方向外側に連続する環状の外側本体部9と、この外側本体部9から上方(軸方向後方)に突出している環状の突出部8とを有している。突出部8は外側本体部9の外周縁に形成されており、外側本体部9では、外周縁において突出部8により上下方向に厚肉となっている。そして、突出部8の上端の内径がD3であり外径が前記D2であり、この突出部8の上端の径方向幅寸法eは{(D2−D3)/2}である。
前記中央部5は、次の穴開け工程(図2(C))により下穴24が設けられる被打ち抜き部6と、その径方向外側にあって(後述の)内筒部25(図2(E))となる内筒用素材部7とを有している。
そして、この予備成形工程によって成形される第1成形品11には、前記内筒用素材部7のうちの、後述する雄型40のパンチ42(図4参照)によって押される面(上面)に、下方(軸方向前方)に向かって縮径する前記テーパ面11a−1が形成されている。これにより、第1成形品11は、外側部4から内筒用素材部7にかけて、中心に向かって徐々に薄肉となる形状となる。
以上より、円板部材10から第1成形品11が得られる。
〔3.穴開け工程〕
第1成形品11の前記中央部5の中心側である被打ち抜き部6に、円形の下穴24を設ける。この穴開け工程は、プレスを用いてパンチ(図示せず)により穴開けが行われ、抜きカス23が除かれる。この穴開け工程で形成される下穴24の直径d1は、内輪粗形材21(図2(E)参照)の内径d2よりも小さく設定されている。つまり、内輪粗形材21の内径d2よりも小さい外径を有するパンチによって穴開けが行われる。
以上より、第1成形品11から円環状の第2成形品12が得られる。
なお、この穴開け工程では、下穴24が形成される以外、その他の部分の形状について変化はない。例えば、穴開け工程を終えても、前記テーパ面11a−1を有する部分が残されている。このテーパ面11a−1の径方向内側にある、軸方向に直交する平面11a−2を有する部分(前記被打ち抜き部6)が、抜きカス23となって除かれる。
〔4.本成形工程〕
図3、図4及び図5は、本成形工程を説明する金型の断面図である。本成形工程はプレスに設置した金型により行われるが、この金型は、マンドレル41とパンチ42とを有する雄型40と、ダイス51と受け型52とを有する雌型50とを備えている。本実施形態では、ダイス51を固定状態とし、このダイス51に対して、雄型40を軸方向前方に移動させることで、前記第2成形品12を塑性変形させる。なお、図3、図4及び図5では、軸方向前方は、鉛直下方向である。
パンチ42は、マンドレル41に外嵌している円筒形状であり、パンチ42とマンドレル41とは軸方向について固定されている。マンドレル41の先端部41aは、パンチ42の先端面42aよりも軸方向前方へ突出している。このように、雄型40は、小径の中央軸部としてマンドレル41を有し、その外側にある大径の外側軸部としてパンチ42を有している。
マンドレル42の直線状である直線部41bの外径は、穴開け工程で形成された下穴24(図2(C)参照)の直径d1よりも大きく、分離工程によって得られる内輪粗形材21(図2(E)参照)の内径d2と同じ寸法に設定されている。また、パンチ42の先端部外周面42bは、外輪粗形材22(図2(E)参照)の内周面の形状と一致する形状である。
ダイス51は、軸方向前方側の小径内周面53と、軸方向後方側の大径内周面54とを有している。小径内周面53と大径内周面54とは同心状である、図5に示しているように、マンドレル41と小径内周面53との間に、小径の環状空間K1が形成され、パンチ42と大径内周面54との間に、大径の環状空間K2が形成される。小径内周面53の内周面は、内輪粗形材21(図2(E)参照)の外周面の形状と一致する形状であり、大径内周面54の内径は、外輪粗形材22(図2(E)参照)の外径D4と同じ寸法に設定されている。
受け型52は、マンドレル41を挿入可能とする孔を中央に有する筒形状部55と、その軸方向前方側の柱部56とを有しており、図5に示しているように、筒形状部55は、前記小径の環状空間K1を埋める筒形状である。受け型52は軸方向前後に移動可能であり、後方に移動して(図3)、第2成形品12をその上に載置させることができ、前方に移動して(図4)、その第2成形品12をダイス51内の所定位置、つまり、段付き面51a上に載置させることができる。
第2成形品12をダイス51の段付き面51a上に載置させた状態(図4)で、雄型40を軸方向前方へさらに移動させると、図5に示しているように、第2成形品12(図2(C))のうちの中央部5及び外側部4では、次の成形<1><2><3>が行われる。この本成形工程により、第2成形品11から、内筒部25と、この内筒部25よりも径が大きい外筒部26とを有している第3成形品13(図2(D))が得られる。
図2(C)(D)及び図5において、前記成形<1><2><3>を説明する。
<1>マンドレル41によって、第2成形品12の中央部5を前方押し出しすることで、当該マンドレル41は、その先端部41aから、当該中央部5の前記下穴24に挿入状となりながら当該下穴24を徐々に拡径し、当該中央部5の内周側の部分(下穴24)を、マンドレル41が有する軸方向に平行な直線部41bと同径となるまで拡径する。
<2>中央部5の前記内筒用素材部7は、パンチ42の先端面42aによって、前方へ押圧されると共に、ダイス51の小径内周面53とマンドレル41の前記直線部41bとの間に押し込まれ、内筒部25となる。この内筒部25の内周面は、マンドレル41の直線部41bに沿って直線的に形成され、マンドレル41によって拡径した穴を内周とする内筒部25を成形する。
<3>第2成形品12の外側部4は、ダイス50の段付き面51aによって、軸方向前方への移動が規制された状態にあることから、パンチ42によって当該外側部4が軸方向前方へ押圧されると、その一部が軸方向後方へと流れ、ダイス51の大径内周面54とパンチ42の先端部外周面42bとの間に押し込まれ、外筒部26となる。
このように、本成形工程では、雌型50に対して雄型40を1ストローク軸方向前方に移動させることにより、第2成形品12の中央部5を前方押し出しすることで、マンドレル41の先端部41aによって下穴24(内筒用素材部7)を拡径しながら、拡径した穴を内周とする内筒部25を成形すると共に、当該第2成形品12の外側部4を後方押し出しすることで、内筒部25よりも内径及び外径が大きい外筒部26を、内筒部25と一体として成形することができる。
また、前記<2>の成形の際、段付き面51aの内周縁は凸状のアール形状であるため、内筒用素材部7は、容易に軸方向前方へと流れることができる。また、この<2>の成形の際、押し出し成形される内筒部25の前端面25aは、受け型52の筒形状部55の後端面に接触することで、内筒用素材部7の肉の流れが制限され、軸方向に直交する円環面として形成される。
なお、前記<2>の成形の際、図6に示しているように、金型内において、中央部5を前方押し出ししようとすると、第2成形品12(特に外側部4)は、径内方(図6では左方向)に引っ張られる力を受け、段付き面51aから浮くような「起き上がり」が発生する。しかし、金型には、このように第2成形品12が径内方に引っ張られるのを抑制するための構成を備えていない。
そこで、前記予備成形工程(図2(B))では、上記のように、第2成形品11において、内筒用素材部7のうちのパンチ42によって押される面に、軸方向前方に向かって縮径する前記テーパ面11a−1が成形されており、外側部4から内筒用素材部7にかけて、軸方向前方に向かって徐々に薄肉となる形状としている。
このため、前記<2>の成形の際に、すなわち、内筒用素材部7を前方押し出しして内筒部25を成形する際に、当該内筒用素材部7の前方への流動が行われやすくなる。この結果、図6に示しているように、内筒用素材部7によって外側部4が径方向内側に大きく引っ張られる(起き上がる)のを緩和することが可能となり、前記<3>の成形の際、外筒部26の成形も行いやすくなる。つまり、外側部4の外周縁にある突出部8は、正確にパンチ42(先端部外周面42b)と大径内周面54との間に侵入し、後方へ立ち上がることができ、あやまってパンチ42の先端面42aによって径方向内側へ巻き込まれて成形不良となるのを防止することができる。
また、上記のとおり、第2成形品12の外側部12には、最も径方向外側(外周縁)に突出部8を有しており、前記予備成形工程(図2(b))では、この突出部8の径方向幅寸法e={(D2−D3)/2}が、図6に示している環状空間K1の開口側における径方向隙間寸法Eよりも小さくなり、突出部8が、環状空間K1の開口側の範囲内(寸法Eの範囲内)に収まる形状に成形されている。
なお、この径方向隙間寸法Eは、後方押し出しするためのパンチ42の先端部外周面42b(雄型40)とダイス51の大径内周面(雌型50)との間に形成される環状空間K1の軸方向前方側における径方向寸法である。なお、パンチ42の先端部外周面42bは、先端面42a側からアール面部42b−1及び直線状のテーパ面部42b−2を有していることから、先端面42aとテーパ面部42b−2との交点を基準として、当該基準から大径内周面54までの距離を、前記径方向隙間寸法Eとしている。
このため、前記<3>の成形において、第2成形品12の外側部4を後方押し出しして、外筒部26を成形する際、図6のように外側部4が径方向内側に多少引っ張られても(起き上がっても)、当該外側部4の外周縁にある突出部8は前記環状空間K1の開口に入り込み易くなり、正確に後方へ立ち上がることができ、当該外側部4の突出部8が、あやまってパンチ42の先端面42aによって径方向内側へ巻き込まれて成形不良となるのを防止することができる。
以上より、第2成形品11から第3成形品13(図2(D))が得られる。
〔5.分離工程〕
図2(D)から図2(E)に示しているように、第3成形品13の内筒部25と外筒部26とを分離し、内筒部25であった部分が内輪粗形材21となり、外筒部26であった部分が外輪粗形材22となる。この分離は、プレスによる打ち抜き加工(鍛造打ち抜き)によって行われる。分離位置は、内筒部25と外筒部26とを繋いでいる中間部27であり、中間部27の所定位置で剪断する。
以上より、第3成形品13から、内輪粗形材21と外輪粗形材22とが得られる。
以上の前記実施形態に係る製造方法によれば、転がり軸受の内輪を形成するための内輪粗形材21と外輪を形成するための外輪粗形材22とを、単一の部材から製造するため、材料の歩留まり率を高めることができる。
さらに、図2(C)に示しているように、穴開け工程においてパンチによって下穴24を設けると、その抜きカス23は廃材となるが、本実施形態によれば、穴開け工程では、内輪粗形材21の内径d2(図2(E))よりも小さい直径d1を有する下穴24を形成している。そして、本成形工程で、この下穴24を拡径しながら内筒部25を成形している。したがって、穴開け工程では、小さい直径d1を有する下穴24を形成すればよいので、抜きカス23を小さくすることができ、材料の歩留まりをより一層向上させることができる。
そして、穴開け工程(図2(C))により、中央部5の中心側にパンチによって予め下穴24が設けられており、本成形工程(図2(D))では、マンドレル41によって、この下穴24を拡径しながら、拡径した穴を内周とする内筒部25を成形するので、内筒部25の内周面の寸法精度を高めることができ、また、内筒部25を成形する際に要するプレス荷重を小さくできる。
そして、この本成形工程では、雌型50に対して雄型40を1ストローク軸方向前方に移動させることにより、前方押し出しにより内筒部25を成形し、後方押し出しにより外筒部26を成形するので、工程数の低減を図ることができる。
以上より、工程数の低減を図りながらも、高い寸法精度を得ることが可能となり、寸法精度の向上と工程数の低減とを両立させることができる。
また、本発明の製造方法は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、分離工程において、前記実施形態では、加工コストの観点から、プレスによる打ち抜き加工によって第3成形品13を2つに分離しているが、この分離は、レーザカッタ等を用いた切断により行ってもよい。
4:外側部、 5:中央部、 8:突出部、 10:円板部材、 21:内輪粗形材、 22:外輪粗形材、 24:下穴、 25:内筒部、 26:外筒部、 30:転がり軸受、 31:内輪、 32:外輪、 40:雄型、 50:雌型、 K1,K2:環状空間

Claims (2)

  1. 転がり軸受の内輪を形成するための内輪粗形材と外輪を形成するための外輪粗形材とを、単一の素材を温間鍛造することにより製造する転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法であって、
    円柱状の前記素材を据え込み成形して円板部材を得る据え込み工程と、
    前記円板部材を加圧して、中央部と、その径方向外側に連続する外側部とを形成すると共に、当該外側部から前記中央部へと徐々に薄肉とさせるテーパ面を形成する予備成形工程と、
    前記中央部の中心側をパンチによって打ち抜いて、前記内輪粗形材の内径よりも小さい直径を有する下穴を、その開口縁部に前記テーパ面を残した状態で形成する穴開け工程と、
    前記中央部を雄型によって前方押し出しすることで、当該雄型の先端部によって前記下穴を拡径しながら拡径した穴を内周とする内筒部を成形すると共に、当該雄型と雌型との間で前記外側部を後方押し出しすることで、前記内筒部よりも径が大きい外筒部を、前記内筒部と一体として成形する本成形工程と、
    前記内筒部と前記外筒部とを分離して前記内輪粗形材と前記外輪粗形材とを得る分離工程と、
    を含むことを特徴とする転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法。
  2. 前記予備成形工程では、前記後方押し出しの方向に突出している突出部を外周縁に有する前記外側部を形成し、前記突出部の径方向幅寸法を、前記後方押し出しするための前記雄型と前記雌型との間の環状空間の径方向隙間寸法よりも小さくなる形状に成形する請求項1に記載の転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法。
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