JP7336737B2 - 熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法 - Google Patents
熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7336737B2 JP7336737B2 JP2021066134A JP2021066134A JP7336737B2 JP 7336737 B2 JP7336737 B2 JP 7336737B2 JP 2021066134 A JP2021066134 A JP 2021066134A JP 2021066134 A JP2021066134 A JP 2021066134A JP 7336737 B2 JP7336737 B2 JP 7336737B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring portion
- outer ring
- inner ring
- diameter
- child
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Forging (AREA)
Description
なお、以上ようにして製造された内、外輪R1,R2のうち、少なくとも外輪R1は、熱間フォーマーによる成形後、後工程でリングロール法による冷間転造組成加工にて拡径成形されて使用される。
この問題を解消する手段として、従来では第2工程において、図8の(c)に示すように外輪部11と、底部13を有する内輪部12とからなる一個の親子成形品10Cを形成する際、外輪部11と内輪部12との中心部に形成する段付凹所14の深さを深く形成し、つまり外輪部11の中央部上面から内輪部12の底面近くに至る上下二段の凹部からなる深い段付凹所14を形成して、内輪部12における底部12の板厚を小さく設定し、これにより穴抜カス13を軽減して材料ロスを抑えるように図られている。
しかし、円盤状素材10Bからいきなり図8の(c)に示す外輪部11と、段付凹所14が深く形成されかつ底部13の板厚を小さく設定した有底内輪部12とからなる親子成形品10Cを圧造成形するには、第2工程において極端に大きな成形荷重(例えば#6314CRFのブランクを親子成形する場合、成形荷重が1200~1300トンに設定されている。)が必要となる。このように第2工程におけるダイとパンチに大きな成形荷重がかかると成形時の金型摩耗が激しく発生することになり、その結果、高価な金型の寿命、つまり交換時期が短くなってしまっているのが現状である。また、内輪R2の内径と同径となる円板状穴抜カス13の大きな外径面積自体は変わることがないので、依然として歩留まりが悪く材料コストが高く付く問題を有していた。
具体的には、上記した第3工程において、1セット目の内、外輪R1,R2を成形する際に生じる穴抜カスを、穴抜カスとしてではなく2セット目で小サイズの内、外輪R3,R4を成形するための高さとボリューウムを有する第2円柱状素材D3として残すように工夫した。そのためには、第1工程において、外輪部B1と、上下の段付凹所B4と、底部B3付きの内輪部B2とからなる第1親子成形品Bを圧造成形する際、上下の段付凹所B4の深さを、積極的に外輪部B1の中央上部に浅く形成するようにした。その結果、前述した従来例のように、その第2工程において穴抜きカスを少なくする目的で、外輪部11の中央部でこれの上面から内輪部12の底面近くにまで至る深い段付凹所14を形成する製造方法の場合に較べて、その成形荷重を著しく低減できる。したがって、この成形荷重の低減により成形時の金型摩耗を軽減させて金型交換時期を長期にできる。
また、第2円柱状素材D3を、内輪D2の内径と同径で高さとボリューウムのある円柱形状として残すことにより、第2円柱状素材D3の温度を圧造成形可能な高温状態のまま維持することができる。これにより、第4、第5工程において2セット目小サイズの内、外輪R3,R4を圧造成形する場合についても、高温状態のもとで成形荷重を極力抑えて高精度に第2親子成形品Eを圧造成形することができる。その上、最後の第5工程において発生する穴抜きカスF3は、内、外輪を2セットで計4個を成形したうえでの穴抜きカスF3であり、加えて2セット目の内輪R4の内径が1セット目の内輪R2の内径よりも小さいことから、従来の穴抜きカス13よりも少なく抑えることができる。その結果、全体として材料に対する歩留まりを大幅に向上して材料コストの低減化を図ることができる。
その場合、例えば#6206CRFに使用する円柱状素材Aを据込加工する場合、成形荷重は20~25トンで行なわれる。なお、このスケール落としを行うための据込加工は必ずしも必要ではなく省略してもよい。
スケール落としが行われた円柱状素材A1は図示しないトランスファチャックにより熱間フォーマーの第1工程に移送される。
この第1工程において、外輪部B1と、上下の段付凹所B4と、底部B3付き内輪部B2とからなる第1親子成形品Bを形成する際、段付凹所B4の深さを、外輪部B1の中央上部に浅く形成するだけでよい。これにより、その成形荷重を著しく低減できる。例えば、図3に示す#6314CRFのブランクを親子成形する場合、従来の成形荷重に対して、本発明ではその成形荷重を従来の50%以下に低減することができる。
図に示す実施例では、外輪部B1と内輪部B2の上下高さ寸法が同一に設定されている。なお、この高さ寸法は多少異なる寸法であってもよい。
そして、圧造成形されダイ外に排出された第1工程成形品Cは図示しないトランスファチャックにより挟持されて熱間フォーマーの第2工程に移送される。
そして、成形された外輪R1はダイ外部の所定位置に取り出されたうえで排出コンベア(図示せず)上などに排出されて適宜収納部に配送される一方、厚肉底部C3付きの内輪部C2はトランスファチャックにより挟持されて熱間フォーマーの第3工程に移送される。
そして、成形された内輪R2はダイ外部の所定位置に取り出されたうえで排出コンベア(図示せず)上などに排出されて適宜収納部に配送される一方、第2円柱状素材D3はトランスファチャックにより挟持されて熱間フォーマーの第4工程に移送される。
図に示す実施例では、底部E3の板厚を薄くすることと、底部E3の下からの穴抜きが円滑に行えるようにするため、底部E3の底面側にも内輪部E2の内径と同径の凹所E7が形成されている。
その場合、第4工程においては、第1親子成形品Bのサイズに較べて図6に示すような小さなサイズの第2親子成形品Eを形成することになるので、その成形荷重は第1親子成形品Bの成形荷重よりも低減されるのは勿論、例えば図6に示す#6206CRFのブランクを親子成形する場合、その成形荷重は従来の80%に低減される。
そして、圧造成形された第2親子成形品Eは図示しないトランスファチャックにより挟持されて熱間フォーマーの第5工程に移送される。
そして、第5工程において成形された第2外輪R3と第2内輪R4は、それぞれダイ外部の所定位置に取り出されたうえで排出コンベア(図示せず)上などに排出されて適宜収納部に配送される一方、穴抜カスF3は穴抜き動作時にダイ外へ押し出されて排出される。
具体的には、上記した第3工程において、1セット目の内、外輪R1,R2を成形する際に生じる穴抜カスを、穴抜カスとしてではなく2セット目で小サイズの内、外輪R3,R4を成形するための高さとボリューウムを有する第2円柱状素材D3として残すように工夫した。そのためには、第1工程において、外輪部B1と、上下の段付凹所B4と、底部B3付きの内輪部B2とからなる第1親子成形品Bを圧造成形する際、上下の段付凹所B4の深さを、積極的に外輪部B1の中央上部に浅く形成するようにした。その結果、前述した従来例のように、その第2工程において穴抜きカスを少なくする目的で、外輪部11の中央部でこれの上面から内輪部12の底面近くにまで至る深い段付凹所14を形成する製造方法の場合に較べて、その成形荷重を著しく低減できる。したがって、この成形荷重の低減により成形時の金型摩耗を軽減させて金型交換時期を長期にできる。
また、第2円柱状素材D3を、内輪D2の内径と同径で高さとボリューウムのある円柱形状として残すことにより、第2円柱状素材D3の温度を圧造成形可能な高温状態のまま維持することができる。これにより、第4、第5工程において2セット目小サイズの内、外輪R3,R4を圧造成形する場合についても、高温状態のもとで成形荷重を極力抑えて高精度に第2親子成形品Eを圧造成形することができる。その上、最後の第5工程において発生する穴抜きカスF3は、内、外輪を2セットで計4個を成形したうえでの穴抜きカスF3であり、加えて2セット目の内輪R4の内径が1セット目の内輪R2の内径よりも小さいことから、従来の穴抜きカス13よりも少なく抑えることができる。その結果、全体として材料に対する歩留まりを大幅に向上して材料コストの低減化を図ることができる。
B 第1親子成形品
B1 外輪部
B2 内輪部
B3 肉厚底部
B4 段付凹所
B5 上側凹部
B6 下側凹部
C2 内輪部
C3 底部
C6 凹部
D3 第2円柱状素材
E 第2親子成形品
E1 第2外輪部
E2 第2内輪部
E3 底部
E4 段付凹所
E5 上側凹部
E6 下側凹部
F3 穴抜きカス
R1 外輪
R2 内輪
R3 第2外輪
R4 第2内輪
Claims (1)
- 一つの熱間フォーマーを用いて一個の円柱状素材から内、外輪を、2セットで計4個を圧造成形するための熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法であって、まず、第1工程において、加熱され所定寸法に切断された一個の円柱状素材Aをダイとパンチにより圧造成形して、外輪部B1と、外輪部B1の中央上部に形成されかつ外輪部B1の内径と同径の上側凹部B5と内輪部B2の内径と同径の下側凹部B6とからなる浅い段付凹所B4と、段付凹所B4を除く外輪部B1の内周部分と同心一体に連設されかつ下部が外輪部B1の下面よりも下方に突出しかつ厚肉底部B3を備えた内輪部B2とでなる第1親子成形品Bを形成し、次いで、第2工程において、第1親子成形品Bをダイとパンチにより外輪部B1と内輪部B2の境界で打抜いて二つに分離し、外輪R1と、外径が外輪R1の内径と同径で上部に凹部C6を有する厚肉底部C3付きの内輪部C2とを形成し、その後、第3工程において、ダイとパンチにより厚肉底部C3付き内輪部C2における厚肉底部C3を穴抜きして、内輪R2と、内輪R2の内径と同径で2セット目小サイズの内、外輪を成形するための高さを有する第2円柱状素材D3との二つに分離し、さらに、第4工程において、第2円柱状素材D3をダイとパンチにより圧造成形して、第2外輪部E1と、第2外輪部E1の中央上部に形成されかつ第2外輪部E1の内径と同径の上側凹部E5と第2内輪部E2の内径と同径の下側凹部E6とからなる段付凹所E4と、段付凹所E4部分を除いて第2外輪部E1と同心一体に連設されかつ下部が外輪部E1の下面よりも下方に突出する厚肉底部E3付きの第2内輪部E2とでなる第2親子成形品Eを形成し、然る後、第5工程において、第2親子成形品Eを内外二つのダイと内外二つのパンチで2段打ち抜き加工することにより、第2内輪部E2における底部E3を穴抜きすると共に、第2外輪E1と第2内輪部E2との境界部分で打抜いて二つに分離して、第2外輪R3と、第2外輪R3の内径と同径の外径を有する第2内輪R4と、その底部の穴抜カスF3との三つに分離形成するようにしたことを特徴とする熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021066134A JP7336737B2 (ja) | 2021-02-18 | 2021-02-18 | 熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021066134A JP7336737B2 (ja) | 2021-02-18 | 2021-02-18 | 熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022126568A JP2022126568A (ja) | 2022-08-30 |
JP7336737B2 true JP7336737B2 (ja) | 2023-09-01 |
Family
ID=83058917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021066134A Active JP7336737B2 (ja) | 2021-02-18 | 2021-02-18 | 熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7336737B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7395126B2 (ja) * | 2021-02-18 | 2023-12-11 | 株式会社阪村ホットアート | 熱間フォーマーによる内、外輪と別輪体の製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004298898A (ja) | 2003-03-28 | 2004-10-28 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 深溝付きベアリングレースの割れ発生を防止した製造方法 |
JP2005271034A (ja) | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 歩留りよく深溝球軸受レース素形品を製造する方法 |
JP2009279627A (ja) | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Nsk Ltd | 転がり軸受の内外輪の製造方法 |
JP2013164095A (ja) | 2012-02-09 | 2013-08-22 | Nsk Ltd | スラストニードル軸受用レース |
WO2015122186A1 (ja) | 2014-02-14 | 2015-08-20 | 日本精工株式会社 | 環状部材の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5366866A (en) * | 1976-11-26 | 1978-06-14 | Otani Shiyouichi | Manufacturing method of ring and ball receiver by same material |
JPS57175045A (en) * | 1981-04-21 | 1982-10-27 | Yoshiichi Sakamura | Heading method for obtaining 2 ring bodies |
-
2021
- 2021-02-18 JP JP2021066134A patent/JP7336737B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004298898A (ja) | 2003-03-28 | 2004-10-28 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 深溝付きベアリングレースの割れ発生を防止した製造方法 |
JP2005271034A (ja) | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 歩留りよく深溝球軸受レース素形品を製造する方法 |
JP2009279627A (ja) | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Nsk Ltd | 転がり軸受の内外輪の製造方法 |
JP2013164095A (ja) | 2012-02-09 | 2013-08-22 | Nsk Ltd | スラストニードル軸受用レース |
WO2015122186A1 (ja) | 2014-02-14 | 2015-08-20 | 日本精工株式会社 | 環状部材の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022126568A (ja) | 2022-08-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5803127B2 (ja) | 転がり軸受の軌道輪用粗形材の製造方法 | |
JP5446787B2 (ja) | リング素材の製造方法 | |
JP2011025312A (ja) | 内外輪の製造方法及びその装置 | |
JP2009039750A (ja) | 鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法 | |
JP7336737B2 (ja) | 熱間フォーマーによる内、外輪の製造方法 | |
CN102773674A (zh) | 一种碗形件热锻、冷拉深复合成型工艺 | |
CN210387405U (zh) | 一种用于热锻冷锻复合分布塑性成形的工装模具 | |
US3069756A (en) | Method of forming gear blanks | |
CN110919375B (zh) | 一种双尺寸法兰锻造工艺 | |
CN102847862A (zh) | 一种轴承圈的低压力复合锻造工艺 | |
JP2010188355A (ja) | 鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法 | |
JP2010188355A5 (ja) | ||
JP7395126B2 (ja) | 熱間フォーマーによる内、外輪と別輪体の製造方法 | |
JP3856578B2 (ja) | 軸受素形材の形成方法 | |
JP5446785B2 (ja) | リング素材の製造方法 | |
CN102689149A (zh) | 一种汽车保持架零件的连续冲锻精密成形工艺 | |
JP2005034854A (ja) | テーパーベアリング熱間鍛造素材の鍛造方法 | |
CN113579130A (zh) | 带外岛屿凸台的异型薄壁机匣环锻件轧制方法 | |
CN102485369B (zh) | 确保冲压件精度的加工方法 | |
CN106670364A (zh) | 变截面薄壁不锈钢半球封头成形方法 | |
JP2005205457A (ja) | ダブルボールベアリングの内外輪の製造方法 | |
RU2791478C1 (ru) | Способ изготовления тонкостенных сферических оболочек | |
JP2012101264A (ja) | ダブルボールベアリング用内・外輪の鍛造方法 | |
JP3746828B2 (ja) | 円筒状部品の製造方法 | |
RU2245211C2 (ru) | Способ горячей штамповки фланца со втулкой |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230712 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230801 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230807 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7336737 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |