JP5802771B2 - 貨物自動車の荷箱扉開閉用操作ハンドルの掛金装置 - Google Patents

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本発明は、貨物自動車の荷箱における観音開き式の扉の操作ハンドルを固定して、施解錠するための掛金装置に関する。
従来、貨物自動車の荷箱では、観音開き式の2枚の扉の各々にロックシャフトと、それの操作ハンドルを固定するための掛金装置が装備される。ロックシャフトは、垂直方向に設けられ、ロックシャフトの途中に操作ハンドルが枢着されており、扉を閉鎖した後、操作ハンドルでロックシャフトを軸周りに回転させることにより、ロックシャフトの上下端部のロックカムを荷箱本体側のカムキーパーに係合させ、扉を閉鎖位置に保持する(例えば特許文献1の図12参照)。ロックシャフトをロック位置に回転させた後、操作ハンドルを扉の前面と平行に回転させて掛金装置に係合させる。
掛金装置は、扉に固着される固定本体と、これに起伏自在に枢支されるフックレバーとを具備し、固定本体との間で操作ハンドルを固定したり解放したりする。フックレバーは、上下方向に延び、上部先端側の背面部に操作ハンドルが係脱する係合凹部を有する。またフックレバーは、先端部に、封印部材を装着するための水平方向の貫通孔を有する。固定本体とフックレバーとの間には、両者間の相対回転位置に対応してフックレバーを倒伏方向または起立方向に回転付勢するデッドポイントばね機構が設けられる。固定本体には、フックレバーに隣接して、これを施解錠するための錠前が装着される。フックレバーが倒伏位置にあって、操作ハンドルが係合凹部に係合している状態で、錠前に連動するストッパーがフックレバーを錠止することにより、操作ハンドルがロックされる。解錠してフックレバーを引き起こすと、デッドポイントばね機構がフックレバーを起立方向に回転付勢して保持する。この状態で、操作ハンドルが解放され、開扉操作が可能となる(例えば特許文献2参照)。
特開平11-171049号公報 特開平9−287334号公報
上記従来の掛金装置は、固定本体とフックレバーとの間が前方及び上方に開放しているため、雨水や泥水が錠前及びストッパーの回転機構部に浸入し、時にはそれが凍結するなどして、施解錠操作に支障を来すという問題点がある。
したがって、本発明は、錠前及びストッパーを開放部に対して遮蔽し、雨水や泥水が錠前及びストッパーの回転機構部に浸入しにくい扉開閉用操作ハンドルの掛金装置を提供することを目的としている。
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の扉開閉用ハンドルの掛金装置1は、扉Dの前面に固着される固定本体2と、固定本体2に起伏自在に枢支されるフックレバー3と、フックレバー3を倒伏方向または起立方向に回転付勢するデッドポイントばね機構4と、フックレバー3を倒伏位置で拘束、錠止する錠前5及び錠前に連動するストッパー6とを具備する。固定本体2は、ハウジング部7と、このハウジング部7から扉の前面に沿って上方へ延出する板状の保持部8とを具備する。フックレバー3は、扉の前面と平行で水平の枢軸3aによって、下端側において固定本体2のハウジング部7に枢着され、倒伏位置において保持部8との間で操作ハンドルHを保持し、起立位置において操作ハンドルHを解放するように上下方向に延びる。ハウジング部7は、扉の前面から起立して外側を囲む周壁9と、この周壁9の前端側を閉じて内側に機構収納空間Sを形成する前壁10と、周壁9と前壁10にわたって形成されたレバー受け開口11と、前壁と周壁とがレバー受け開口11の側方へ膨出することによって形成された側方膨出部と、この側方膨出部上であってレバー受け開口11の下端より上方に位置して前壁10に形成された錠前開口12aと、この錠前開口12aの上方に位置して当該錠前開口12aを開閉するように前壁10に枢着された蓋体13とを具備する。フックレバー3は、ほぼ下半部が、ハウジング部7のレバー受け開口11に回転自在に受け入れられる。錠前5は、鍵穴を有する前面が錠前開口12aから露出し、蓋体13により被覆可能に設けられる。ハウジング部7内には、錠前5の後部とストッパー6をその上方においてレバー受け開口11から隔てることによってハウジング部7内に浸入する水を遮る遮水壁14が形成される。
本発明の扉開閉用ハンドルの掛金装置1は、錠前開口12aが、レバー受け開口11の下端より上方位置の側方に配置され、したがって、ハウジング部7内の錠前5の後部とストッパー6が、レバー受け開口11の直下から側方へ外れ、レバー受け開口11の下端より上方にあり、かつ遮水壁14によりレバー受け開口11と隔てられるので、雨水や泥水が錠前5及びストッパー6の回転機構部に浸入しにくく、動作不良を生じにくい。
本発明に係る扉開閉用ハンドルの掛金装置の斜視図である。 図1の扉開閉用ハンドルの掛金装置の正面図である。 図1の扉開閉用ハンドルの掛金装置の背面図である。 図1の扉開閉用ハンドルの掛金装置の断面図である。 図1の扉開閉用ハンドルの掛金装置の一部の断面図である。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1,2において、操作ハンドルの掛金装置1は、固定本体2と、フックレバー3とを具備する。
図4に示すように、固定本体2は、扉Dの前面に固着される。扉Dには、これを開閉操作するための操作ハンドルHが、扉Dの前面に沿って回動自在に枢着されている。固定本体2は、下方において前方へ隆起したハウジング部7と、ハウジング部7から扉Dの前面に沿って上方へ延出する板状の保持部8とを具備する。
図3,4に示すように、ハウジング部7は、扉Dの前面から起立してハウジング部7の外側を囲む周壁9と、この周壁9の前端を閉じて内側に機構収納空間Sを形成する前壁10とを具備する。
レバー受け開口11が、周壁9の上部と前壁10にわたってハウジング部7の中央上下方向に延びるように形成される。レバー受け開口11には、フックレバー3の過半部分が受け入れられる。ハウジング部7は、レバー受け開口11の側方へ膨出した側方膨出部を有する。
フックレバー3は、扉Dの前面と平行で水平の枢軸3aによって、下端側において固定本体2のハウジング部7に枢着される。フックレバー3は、図1ないし図3に示す倒伏位置において保持部8との間で操作ハンドルHを保持し(図4の仮想線)、起立位置(図4の実線)において操作ハンドルHを解放するように上下方向に延びる。
ハウジング部7には、レバー受け開口11の下端より上方位置の側方に、錠前5を受け入れる前後方向の錠受け筒部12が設けられ、これに錠前5が挿入固定される。錠受け筒部12の前端側の錠前開口12aが、レバー受け開口11の下端より上方位置の側方に位置して前壁10に形成される。錠前開口12aの周縁には、前壁10からわずかに前方へ突出して錠前5の前端部を囲む環状突出部12bが形成される。
図2,5に示すように、錠前開口12aの上方に位置して蓋体13の上縁が、水平の枢ピン13aによって前壁10に枢着される。蓋体13は、前壁10から前方へ起立した開放位置と、前壁10側へ伏せた閉鎖位置との間を回転自在で、開放位置において開口12aを開いて、錠前5の前端部を露出させ、閉鎖位置において錠前5の前端部を被覆することができ、閉鎖位置と開放位置においてデテント機構により保持される。また、蓋体13は、閉鎖位置において錠前開口12aから突出した環状突出部12bと錠前5の前部に嵌合する凹部13bと、閉鎖位置において錠前5の前面に密着するように凹部13b内に貼られた弾性シール材13cとを具備する。
図3,4に示すように、ハウジング部7の内部には、フックレバー3との間の相対回転位置に対応してフックレバー3を倒伏方向または起立方向に回転付勢するデッドポイントばね機構4と、フックレバー3を倒伏位置において鎖錠するストッパー6が設けられる。
ストッパー6は、錠前5のロータの後端部に結合され、錠前5に連動して鎖錠位置と解錠位置の間を正逆回転し、図3に示す鎖錠位置においてフックレバー3を倒伏位置に拘束し、解錠位置においてフックレバー3を解放する。
図3に示すように、ハウジング部7内には、錠前5の後部とストッパー6をその上方においてレバー受け開口11から隔てる遮水壁14が形成される。遮水壁14は、周壁9から、それと同じ前後方向高さで、内方斜め下方へ傾斜して延出し、レバー受け開口11からハウジング部7内に浸入して流下する水が、錠前5の後部とストッパー6にかからないように遮る。
荷箱の扉Dを閉じ、操作ハンドルHをロック位置へ回転させフックレバー3と固定本体2との間に保持する。この状態で、蓋体13を開いてキー操作により錠前5のロータを施錠方向に回転させる。蓋体13は、開放位置でデテント機構により保持されるので、片手で操作ハンドルHを操作し、他方の手でキー操作を行うことができる。ストッパー6は、錠前5に連動して図3に示す施錠位置に来て、フックレバー3が錠止される。蓋体13を閉じると、凹部13bに錠前5の前端部が嵌合し、前面にシール材13cが密着した状態で保持されるから、鍵穴から錠前5の内部への雨水の浸入が防止される。この状態で、フックレバー3は、起立回動することができず、操作ハンドルHはフックレバー3により拘束される。貨物自動車が雨や雪の中を走行中には、泥の混じった水や雪が掛金装置1にかかる。水は、固定本体2のレバー受け開口11とフックレバー3との隙間からハウジング部7内に浸入し、レバー受け開口11の下端へ流れるが、錠前5の後部とストッパー6はレバー受け開口11の下端より上方で、そこから側方へ外れた位置にあり、かつ遮水壁14に遮られるので、錠前5の後部とストッパー6には到達しない。このため、雨水や泥水が錠前5及びストッパー6の回転機構部に浸入しにくく、動作不良を生じにくい。
1 掛金装置
2 固定本体
3 フックレバー
3a 枢軸
4 デッドポイントばね機構
5 錠前
6 ストッパー
7 ハウジング部
8 板状の保持部
9 周壁
10 前壁
11 レバー受け開口
12 錠受け筒部
12a 錠前開口
12b 環状突出部
13 蓋体
13a 枢ピン
13b 凹部
13c 弾性シール材
D 扉
H 操作ハンドル
S 機構収容部

Claims (4)

  1. 扉を開閉操作するための操作ハンドルが扉の前面に沿って回動自在に枢着されている当該扉の前面に固着され、操作ハンドルを拘束、解放する掛金装置であって、
    ハウジング部と、このハウジング部から前記扉の前面に沿って上方へ延出する板状の保持部とを具備し、扉の前面に固着される固定本体と、
    扉の前面と平行で水平の枢軸によって下端側において前記固定本体のハウジング部に枢着され、前記保持部との間で前記操作ハンドルを保持する倒伏位置と当該操作ハンドルを解放する起立位置との間を起伏動作するように、上下方向に延びるフックレバーと、
    前記固定本体とフックレバーとの間の相対回転位置に対応してフックレバーを倒伏方向または起立方向に回転付勢するように前記ハウジング部内に設けられるデッドポイントばね機構と、
    前記フックレバーを倒伏位置で拘束、錠止するように前記ハウジング部内に設けられる錠前及びこの錠前に連動するストッパーと、を具備し、
    前記固定本体のハウジング部は、前記扉の前面から起立して外側を囲む周壁と、この周壁の前端側を閉じて内側に機構収納空間を形成する前壁と、周壁と前壁とにわたって形成されたレバー受け開口と、前壁と周壁とがレバー受け開口の側方へ膨出することによって形成された側方膨出部と、この側方膨出部上であってレバー受け開口の下端より上方に位置して前壁に形成された錠前開口と、この錠前開口の上方に位置して当該錠前開口を開閉するように前壁に枢着された蓋体とを具備し、
    前記フックレバーは、ほぼ下半部が、前記固定ハウジング部のレバー受け開口に回転自在に受け入れられ、
    前記錠前は、前面が前記錠前開口から露出し、前記蓋体により被覆可能に設けられ、
    前記ハウジング部内には、当該ハウジング部内に配置される前記錠前の後部と前記ストッパーをその上方においてレバー受け開口から隔てることによってハウジング部内に浸入する水を遮る遮水壁が形成されることを特徴とする操作ハンドルの掛金装置。
  2. 前記錠前は、その前部が前記錠前開口からわずかに前方へ突出するように設けられ、
    前記蓋体は、閉鎖位置において前記錠前開口から突出した前記錠前の前部に嵌合する凹部と、閉鎖位置において錠前の前面に密着するように凹部内に貼られた弾性シール材とを具備することを特徴とする請求項1に記載の操作ハンドルの掛金装置。
  3. 前記蓋体は、閉鎖位置と解放位置においてデテント機構により保持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作ハンドルの掛金装置。
  4. 前記遮水壁は、前記錠前の後部と前記ストッパーの上方において前記周壁から前記ハウジングの内方斜め下方に延出し、錠前の後部と前記ストッパーを前記レバー受け開口から隔絶していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の操作ハンドルの掛金装置。
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