JP5801135B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

液封入式防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5801135B2
JP5801135B2 JP2011172117A JP2011172117A JP5801135B2 JP 5801135 B2 JP5801135 B2 JP 5801135B2 JP 2011172117 A JP2011172117 A JP 2011172117A JP 2011172117 A JP2011172117 A JP 2011172117A JP 5801135 B2 JP5801135 B2 JP 5801135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic membrane
wall
liquid chamber
elastic
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011172117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013036513A (ja
Inventor
山本 健太郎
健太郎 山本
辰典 増田
辰典 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2011172117A priority Critical patent/JP5801135B2/ja
Publication of JP2013036513A publication Critical patent/JP2013036513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5801135B2 publication Critical patent/JP5801135B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、振動源側に取り付けられる第1取付具と、支持側に取り付けられる第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、防振基体が室壁の一部をなす主液室と、ダイヤフラムが室壁の一部をなす副液室と、これら液室間を連通させるオリフィス流路とを備えてなり、前記オリフィス流路による液流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能を果たすように構成された液封入式防振装置が知られている。
この種の液封入式防振装置においては、オリフィス流路での液流動効果による比較的大きな振幅入力時の高減衰効果とともに、高周波数域での微振幅振動に対する動ばね定数を低減するために、主液室と副液室とを仕切る仕切り体に、弾性メンブレンと、該弾性メンブレンの変位量をその両側から規制する一対の変位規制壁を組み込んで構成したものが知られている。この構成では、弾性メンブレンと変位規制壁との衝突による衝撃が異音となって車室内に伝わることがあり、かかる異音を防止するための方策が種々提案されている。
例えば、下記特許文献1では、変位規制壁における弾性メンブレンとの対向面に粘弾性を有する薄膜状の緩衝ゴムを設けることで、弾性メンブレンが変位規制壁に衝突する際の異音を低減することが開示されている。また、下記特許文献2には、弾性メンブレンを収容する仕切部材本体と、その外周のオリフィス部材との間を、連結ゴム弾性体によって、防振的に連結する構成が開示されている。これらの方策では、工程数や部品数の増加を伴いコストが大幅に増加してしまう。
また、下記特許文献3には、弾性メンブレンに同心状の凹凸を設けることにより異音の低減を図る構造が開示され、下記特許文献4には、弾性メンブレンの表面に放射状及び同心状のリブを設けることにより異音の低減を図る構造が開示されている。これらの方策によれば、弾性メンブレンに設けた凸条やリブなどの凸部により変位規制壁に対する接触開始面積の低減を図ることができ、異音低減に対して一定の効果は期待できるものの、凸部自体のエネルギー吸収効果が不十分であり、異音が発生する可能性がある。
特開2006−038017号公報 特開2006−118547号公報 特開2006−258217号公報 特開2006−002868号公報
本発明は、上記の点に鑑み、弾性メンブレンと変位規制壁との当接に起因する異音を低減することができる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、振動源側と支持側の一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体が室壁の一部をなす液体が封入された主液室と、ゴム状弾性体からなるダイヤフラムが室壁の一部をなす液体が封入された副液室と、前記主液室と前記副液室とを仕切る仕切り体と、前記主液室と前記副液室とを連通させるオリフィス流路と、を備えたものである。前記仕切り体は、ゴム状弾性体からなる弾性メンブレンと、前記弾性メンブレンの変位量を膜面の両側から規制する一対の変位規制壁と、前記弾性メンブレンの外周を取り囲む周壁と、前記一対の変位規制壁と前記周壁により形成されて前記弾性メンブレンを収容する収容室とを備えてなり、前記弾性メンブレンと前記一対の変位規制壁との間及び前記弾性メンブレンと前記周壁との間に隙間が確保され、前記一対の変位規制壁には、前記主液室と前記副液室の圧力をそれぞれ前記弾性メンブレンの対応する膜面に及ぼすための開口部が設けられ、前記主液室と前記副液室が前記開口部及び前記隙間を介して連通されている。そして、前記弾性メンブレンに、前記変位規制壁に向かって膜面から突出し、肉厚よりも突出高さが大きく形成された筒状緩衝部が、前記弾性メンブレンの軸心に対して同心円状に複数設けられ、前記開口部よりも径方向外方側に複数の前記筒状緩衝部が設けられ、内側の筒状緩衝部ほど前記変位規制壁との隙間が大きく設定されている。
本発明の好ましい態様において前記仕切り体に設けられた一対の支持壁部の間にゴム状弾性体からなる弾性部材が挟圧保持され、この挟圧保持された弾性部材の周縁部に前記弾性メンブレンが環状に形成され、該環状の弾性メンブレンに前記筒状緩衝部が同心状に設けられてもよい
本発明に係る液封入式防振装置であると、弾性メンブレンに筒状緩衝部を設けたことにより、大振幅入力時に弾性メンブレンが変位規制壁に当接したときに、接触開始面積を減らして異音を低減することができる。しかも、当接後にも、筒状緩衝部が変形することによってエネルギー吸収量を大きくとれるため、弾性メンブレンと変位規制壁との衝突に起因する異音を大幅に低減することが可能となる。
実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図である。 同実施形態における仕切り体の縦断面図である。 (a)は同仕切り体を構成するオリフィス部材の平面図であり、(b)はそのIIIb−IIIb線断面図である。 (a)は同仕切り体を構成する蓋部材の平面図であり、(b)はそのIVb−IVb線断面図である。 (a)は同実施形態における弾性部材の断面図であり、(b)は平面図である。 (a)は同実施形態における仕切受け板の平面図であり、(b)は断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示された本実施形態に係る液封入式防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第1取付具12と、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16とを備えてなる。なお、図1は無負荷状態を示している。
第1取付具12は、第2取付具14の軸芯部上方に配されたボス金具であり、径方向外方に向けてフランジ状に突出するストッパ部18が形成されている。また、上面に上向きのボルト20が突設され、このボルト20を介してエンジン側に取り付けられるよう構成されている。
第2取付具14は、防振基体16が加硫成形される筒状胴部22と、その下端部に連結される有底筒状部24とからなる本体金具であり、有底筒状部24の底面に下向きのボルト26が突設され、このボルト26を介して車体側に取り付けられるように構成されている。筒状胴部22は、その下端部が有底筒状部24の上端開口部に対し、かしめ部28によりかしめ固定されている。符号30は、筒状胴部22の上端部にかしめ固定されたストッパ金具であり、第1取付具12のストッパ部18との間でストッパ作用を発揮する。
防振基体16は、略傘状に形成され、その上部に第1取付具12が埋設された状態に加硫接着され、下端外周部が筒状胴部22の上端開口部に加硫接着されている。防振基体16の下端部には、筒状胴部22の内周面を覆うゴム膜状のシール壁部32が連なっている。
第2取付具14には、防振基体16の下面に対して軸方向Xに対向配置されて防振基体16との間に液体封入室34を形成する可撓性ゴム膜からなるダイヤフラム36が取り付けられ、液体封入室34に液体が封入されている。ダイヤフラム36は、外周部に環状の補強金具36Aを備え、該補強金具36Aを介して上記かしめ部28に固定されている。
液体封入室34は、第2取付具14(詳細には、筒状胴部22)の内側において、防振基体16の下面とダイヤフラム36との間に形成されており、仕切り体38によって、防振基体16側、即ち防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室34Aと、ダイヤフラム36側、即ちダイヤフラム36が室壁の一部をなす下側の副液室34Bとに仕切られている。主液室34Aと副液室34Bは、単一のオリフィス流路40により互いに連通されている。
仕切り体38は、筒状胴部22の内側にシール壁部32を介して嵌着されており、その下面側に当接配置された仕切受け板42を用いて保持されている。仕切受け板42は、図6に示すように中央部に開口部を持つ環状金具であり、周縁部をダイヤフラム36の補強金具36Aとともに、上記かしめ部28で固定することにより、仕切り体38が、シール壁部32に設けられた段部32Aと仕切り受板42との間で軸方向Xに挟まれた状態に保持されている(図1参照)。
図2に示すように、仕切り体38は、ゴム弾性体からなる弾性メンブレン44を持つ弾性部材50と、該弾性メンブレン44を含む弾性部材50を収容する収容室45を備えた金属や樹脂等の剛性材料からなる仕切り体本体46とからなる。
弾性部材50は、図5に示すように平面視円形状をなし、中央部を含む大部分が厚肉部48に形成され、該厚肉部48を取り囲む周縁部が厚肉部48よりも薄肉状の可撓膜部分としての弾性メンブレン44に形成されている。厚肉部48は、図5(b)に示すように平面視円形状をなしている。弾性メンブレン44は、厚肉部48の全周を取り囲む環状、即ち平面視円形のリング板状をなしており、図5(a)に示すように、厚肉部48の厚み方向(即ち、弾性部材50の軸方向X)における中心位置において径方向外方側に張り出し形成されている。弾性メンブレン44は、厚肉部48よりも薄肉に形成されたことにより、上記軸方向Xに撓み変形可能になっている。
仕切り体本体46は、外周部にオリフィス流路40を形成するオリフィス部材52と、該オリフィス部材52とともに収容室45を形成する蓋部材54とからなる。オリフィス部材52は、図3に示すように、円筒状のオリフィス形成部56と、該オリフィス形成部56の内周面間を塞ぐ円形の変位規制壁58とを備えてなり、オリフィス形成部56の内側には、収容室45を形成するために軸方向X一方側、この例では上方に向けて開かれた凹所60が形成されている。
オリフィス形成部56の外周面には、外向きに開かれたオリフィス形成溝62が設けられ、シール壁部32を介して筒状胴部22の内周面に嵌合されることで、当該内周面との間に、周方向Cに沿って延びる上記オリフィス流路40を形成する(図1参照)。図3(a)に示すように、オリフィス形成溝62の周方向Cの一端には、主液室34Aに対して開口する主液室側開口40Aが設けられるとともに、周方向Cの他端には副液室34Bに対して開口する副液室側開口40Bが設けられ、これら開口を介してオリフィス流路40は主液室34Aと副液室34Bの間を連通している。なお、オリフィス流路40は、この例では、車両走行時のシェイク振動を減衰するために、シェイク振動に対応した低周波数域(例えば、5〜15Hz程度)にチューニングされている。すなわち、オリフィス流路40を通じて流動する液体の共振作用に基づく減衰効果がシェイク振動の入力時に有効に発揮されるように、流路の断面積及び長さを調整することによってチューニングされている。但し、これに限定されるものではない。
変位規制壁58は、その中央部に、弾性部材50の厚肉部48の下面を支持する円形の支持壁部64を備え、該支持壁部64の周りに、収容室45を副液室34Bに連通させる開口部66が設けられている。開口部66は、周方向Cに沿って複数個(この例では6個)が等間隔に設けられている。
蓋部材54は、オリフィス部材52の内周面に嵌着される環状の嵌着部68と、該嵌着部68の内側を塞ぐ円板状の変位規制壁70とからなり、上記凹所60の開口面を形成する段面52Aに当接した状態で組み付けられることにより、オリフィス部材52との間で短円柱状の収容室45を形成する。変位規制壁70は、図4に示すように、その中央部に弾性部材50の厚肉部48の上面を支持する円形の支持壁部72を備え、該支持壁部72の周りに、収容室45を主液室34Aに連通させる開口部74が設けられている。開口部74は、下側の変位規制壁58の開口部66と同様に、周方向Cに沿って複数個(この例では6個)が等間隔に設けられ、両開口部66,74は軸方向Xからみて互いに重なり合う位置に設けられている。
以上より、収容室45は、弾性メンブレン44の軸方向Xにおける変位量をその膜面の両側から規制する上下一対の変位規制壁70,58と、弾性メンブレン44の外周を取り囲む周壁76とにより、その内側に形成されている。ここで、周壁46は、オリフィス形成部56の内周面により形成されている。詳細には、この例では、弾性部材50は、その中央部の厚肉部48が、収容室45の対向する壁面間である上下の支持壁部72,64により挟圧保持されている。そして、この挟圧保持された厚肉部48よりも径方向K外方側の膜部分である弾性メンブレン44が、一対の変位規制壁70,58により、その軸方向Xにおける変位量(変形量)が規制されるように構成されている。
図2に示すように、弾性メンブレン44と収容室45との間には、上下方向及び外径方向に隙間が確保されている。すなわち、弾性メンブレン44と一対の変位規制壁70,58との間には、軸方向Xにおいてそれぞれ隙間78,78が確保され、また、弾性メンブレン44と周壁76との間には、径方向Kにおいて隙間80が確保されている。より詳細には、この例では、上記弾性部材50の周縁部における環状の弾性メンブレン44において、その上下両側と径方向外方側に隙間78,80が設けられており、中央の厚肉部48では上記隙間78が設けられていない。
また、上記一対の変位規制壁70,58に設けられた開口部74,66により、主液室34Aの圧力が開口部74を介して弾性メンブレン44の上側(主液室34A側)の膜面に及ぼされ、かつ、副液室34Bの圧力が開口部66を介して弾性メンブレン44の下側(副液室34B側)の膜面に及ぼされるようになっている。これにより、主液室34Aと副液室34Bが、開口部74,66及び隙間78,80を介して連通された状態に設けられている。
図2に示すように、弾性メンブレン44には、上下の変位規制壁70,58に向かって膜面から軸方向Xに突出する筒状緩衝部82が、弾性メンブレン44の軸心(中心、弾性部材50の軸心と同じ)Oに対して同心状に設けられている。筒状緩衝部82は、変位規制壁70,58との間で隙間を確保しつつ突出する筒状突起であり、弾性メンブレン44の表裏両側の膜面からそれぞれ突出して設けられ、表裏両側で対称に形成されている。筒状緩衝部82は、大振幅入力時における弾性メンブレン44と変位規制壁70,58との当接による衝撃を和らげるゴム部分であり、変位規制壁70,58との当接後にも筒状緩衝部82の変形を許容して変位規制壁70,58への伝達エネルギーを緩和させるために、薄肉円筒状に形成されている。すなわち、筒状緩衝部82は、図2に示すように、肉厚(軸方向Xでの平均肉厚)Pよりも膜面からの突出高さQが大きく形成されており、これにより、大振幅入力時に変位規制壁70,58との当接後にも軸方向Xにおいて筒状緩衝部82が容易に変形できるよう構成されている。筒状緩衝部82は、その根元部から先端部にかけての両側面の傾斜角度(軸方向Xに対する角度)が0°〜30°であることが好ましい。
筒状緩衝部82は、環状の弾性メンブレン44においてその軸心Oに対して同心状に設けられ、この例では、弾性メンブレン44の軸心Oに対して同心円状に複数設けられている。より詳細には、弾性メンブレン44は、内側筒状緩衝部82Aと外側筒状緩衝部82Bとの内外二重に設けられている。両筒状緩衝部82A,82Bは、図2に示すように、変位規制壁70,58の開口部74,66よりも径方向K外方側に設けられている。また、外側筒状緩衝部82Bは、弾性メンブレン44の最外周縁に設けられている。
筒状緩衝部82は、内側に位置するものほど変位規制壁70,58との隙間が大きく設定されている。この例では、内側筒状緩衝部82Aが、外側筒状緩衝部82Bよりも突出高さQが低く設定され、内側筒状緩衝部82Aと変位規制壁70,58との隙間Giが、外側筒状緩衝部82Bと変位規制壁70,58との隙間Goよりも大きく設定されている(Gi>Go)。より詳細には、筒状緩衝部82と変位規制壁70,58との隙間により形成される面積が、内側と外側とで実質的に等しくなるように、即ち、内側筒状緩衝部82Aにおいて上記隙間Giにより形成される面積Siと外側筒状緩衝部82Bにおいて上記隙間Goにより形成される面積Soとが実質的に等しくなるように(Si≒So)、それぞれの突出高さQを設定することである。前記面積は、微振幅振動時に液体が流通する流路の断面積となるものであり、筒状緩衝部82と変位規制壁70,58との間隙とその位置での周長との積により求められる。ここで、周長は、内側の筒状緩衝部82ほど短くなるので、内側に位置するものほど変位規制壁70,58との隙間を大きく設定することにより、内外の前記面積を同じ値に近づけることができる。
一例として、図示したものでは、内側筒状緩衝部82Aは、突出高さQ=1.5mm、肉厚P=1mm、外側筒状緩衝部82Bは、突出高さQ=2mm、肉厚P=1mmであり、従って、内側筒状緩衝部82Aの方が変位規制壁70,58との隙間が大きく設定されている。
以上よりなる液封入式防振装置10であると、微振幅入力時、即ち停車したアイドル時のように比較的微振幅で高周波数側の振動が入力した時には、弾性メンブレン44と収容室45との間に確保された隙間78,80を通って主液室34Aと副液室34Bとの間で液流動が可能であるため、この部分で主液室34Aと副液室34Bの液圧差を効果的に緩和して動ばね定数の低減を図ることができる。
一方、大振幅入力時、例えば車両走行時におけるシェイク振動のような比較的大振幅で低周波数側の振動が入力した時には、弾性メンブレン44が上下の変位規制壁70,58に当接することで、上記隙間78,80を介した液流動が規制されるので、オリフィス流路40での液流動効果による高減衰特性を実現することができる。その際、本実施形態であると、弾性メンブレン44に筒状緩衝部82が設けられているので、弾性メンブレン44が変位規制壁70,58により変位規制されるときの接触開始面積を減らせることは勿論のこと、筒状緩衝部82と変位規制壁70,58との当接後にも、筒状緩衝部82はその軸方向Xにおける弾性変形が可能である。そのため、変位規制壁70,58への伝達エネルギーを緩和させることができる。すなわち、この場合、変位規制壁70,58への伝達エネルギーEは、筒状緩衝部82の運動エネルギーをE1とし、筒状緩衝部82の変形による消費エネルギーをE2として、E=E1−E2で表されるので、筒状緩衝部82の変形による消費エネルギーの分だけ、変位規制壁70,58への伝達エネルギーを低減することができ、異音の発生を大幅に抑制することができる。
また、筒状緩衝部82を同心円状に複数設けたので、筒状緩衝部82の変形による消費エネルギーが増加して、変位規制壁70,58への伝達エネルギーをより一層低減することができ、異音の抑制効果を高めることができる。
また、筒状緩衝部82を変位規制壁70,58の開口部74,66よりも径方向K外方側に設けたので、大振幅入力時に、該筒状緩衝部82が変位規制壁70,58に当接することで上記隙間78をより確実に遮断することができる。すなわち、微振幅入力時における動ばね低減のための液流動の流路を、大振幅入力時に、筒状緩衝部82でより確実に塞ぐことができるので、液漏れを防止して高減衰効果を高めることができる。
また、内側筒状緩衝部82Aと変位規制壁70,58との隙間Giを、外側筒状緩衝部82Bと変位規制壁70,58との隙間Goよりも大きくして、当該隙間により形成される面積を内周側と外周側とで略同等に設定したことにより、微振幅入力時におけるこの部分での液流動の損失を最小限にすることができる。すなわち、例えば、内周側の隙間Giと外周側の隙間Goとが同じ値に設定されている場合、内周側では隙間により形成される面積が小さくなり、この部分で流路が絞られることによって低動ばね効果が損なわれてしまう。これに対し、本実施形態によれば、内周側で流路が絞られることを回避して、液流動の損失を最小限にすることができるので、低動ばね効果をより高周波数域まで維持することができる。しかも、本実施形態によれば、大振幅入力時に、より早期に変位規制壁70,58に当接する外側の筒状緩衝部82Bの突出高さQが高いので、外側筒状緩衝部82Bの変形量をより大きく確保することができ、上記エネルギー吸収効果をより一層向上することができる。
なお、上記実施形態では、筒状緩衝部82を単なる円筒状に形成したが、筒状緩衝部の内周側や外周側の膜部分との間に延びる補強リブを設けて、筒状緩衝部を補強するようにしてもよい。また、上記実施形態では、筒状緩衝部82を全周にわたって完全な筒状に形成したが、その高さ方向(軸方向X)に延びるスリットを設けてもよい。
上記実施形態では、変位規制壁70,58の開口部74,66に対して外周側に複数の筒状緩衝部82を設けたが、例えば、開口部74,66の内周側と外周側に筒状緩衝部を設けてもよい。好ましくは、開口部74,66に対して外周側に複数の筒状緩衝部を設けることであり、例えば、開口部74,66が径方向Kに複数設けられている場合、最も外側の開口部に対してその外周側に複数の筒状緩衝部を設けることが好ましい。なお、筒状緩衝部82は1個以上であれば2個に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、弾性部材50の中央部を厚肉部48として上下一対の支持壁部72,64により挟持させ、その周縁部に環状の弾性メンブレン44を設けた構成としたが、弾性部材は径方向Kの全体にわたって薄肉状に形成してもよく、また中央部を上下の変位規制壁により挟持させずに弾性部材の全体を弾性メンブレンとして上下(即ち、軸方向X)に変位可能な可動膜として形成してもよい。
また、上記実施形態では、単一のオリフィス通路を持つシングルオリフィス構造の防振装置について説明したが、複数の液室間をオリフィス通路にて連通させる液封入式防振装置であれば、ダブルオリフィス構造の防振装置など、種々の液封入式防振装置に適用可能である。また、上記液封入式防振装置10は、上下反転させて車両に組み付けられるものであってもよく、更には、エンジンマウント以外にも、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に適用可能である。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
10…液封入式防振装置 12…第1取付具 14…第2取付具
16…防振基体 34A…主液室 34B…副液室
36…ダイヤフラム 38…仕切り体 40…オリフィス流路
44…弾性メンブレン 45…収容室 48…厚肉部
50…弾性部材 58,70…変位規制壁 64,72…支持壁部
66,74…開口部 76…周壁 78,80…隙間
82…筒状緩衝部 X…軸方向 C…周方向
K…径方向 O…弾性メンブレンの軸心 P…筒状緩衝部の肉厚
Q…緩衝部の突出高さ

Claims (2)

  1. 振動源側と支持側の一方に取り付けられる第1取付具と、振動源側と支持側の他方に取り付けられる第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具との間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体が室壁の一部をなす液体が封入された主液室と、ゴム状弾性体からなるダイヤフラムが室壁の一部をなす液体が封入された副液室と、前記主液室と前記副液室とを仕切る仕切り体と、前記主液室と前記副液室とを連通させるオリフィス流路と、を備え、
    前記仕切り体は、ゴム状弾性体からなる弾性メンブレンと、前記弾性メンブレンの変位量を膜面の両側から規制する一対の変位規制壁と、前記弾性メンブレンの外周を取り囲む周壁と、前記一対の変位規制壁と前記周壁により形成されて前記弾性メンブレンを収容する収容室とを備えてなり、前記弾性メンブレンと前記一対の変位規制壁との間及び前記弾性メンブレンと前記周壁との間に隙間が確保され、前記一対の変位規制壁には、前記主液室と前記副液室の圧力をそれぞれ前記弾性メンブレンの対応する膜面に及ぼすための開口部が設けられ、前記主液室と前記副液室が前記開口部及び前記隙間を介して連通された液封入式防振装置において、
    前記弾性メンブレンに、前記変位規制壁に向かって膜面から突出し、肉厚よりも突出高さが大きく形成された筒状緩衝部が、前記弾性メンブレンの軸心に対して同心円状に複数設けられ、
    前記開口部よりも径方向外方側に複数の前記筒状緩衝部が設けられ、内側の筒状緩衝部ほど前記変位規制壁との隙間が大きく設定された
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記仕切り体に設けられた一対の支持壁部の間にゴム状弾性体からなる弾性部材が挟圧保持され、この挟圧保持された弾性部材の周縁部に前記弾性メンブレンが環状に形成され、該環状の弾性メンブレンに前記筒状緩衝部が同心状に設けられたことを特徴とする請求項記載の液封入式防振装置。
JP2011172117A 2011-08-05 2011-08-05 液封入式防振装置 Active JP5801135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011172117A JP5801135B2 (ja) 2011-08-05 2011-08-05 液封入式防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011172117A JP5801135B2 (ja) 2011-08-05 2011-08-05 液封入式防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013036513A JP2013036513A (ja) 2013-02-21
JP5801135B2 true JP5801135B2 (ja) 2015-10-28

Family

ID=47886315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011172117A Active JP5801135B2 (ja) 2011-08-05 2011-08-05 液封入式防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5801135B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110050143A (zh) * 2016-12-07 2019-07-23 株式会社普利司通 防振装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7438000B2 (ja) 2020-04-08 2024-02-26 Toyo Tire株式会社 液封入式防振装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4742999A (en) * 1986-05-16 1988-05-10 Flower Wallace C Quiet acting fluid filled vibration isolator having predictable low level high frequency minimum dynamic stiffness
JP5377272B2 (ja) * 2009-12-24 2013-12-25 東海ゴム工業株式会社 流体封入式防振装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110050143A (zh) * 2016-12-07 2019-07-23 株式会社普利司通 防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013036513A (ja) 2013-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5198605B2 (ja) 液封入式防振装置
US8807545B2 (en) Liquid-sealed antivibration device
JP5095763B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4896616B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5882125B2 (ja) 液封入式防振装置
WO2010032344A1 (ja) 液封入式防振装置
JP5801134B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5431982B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5882124B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5879211B2 (ja) 防振装置
JP4705670B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2010101466A (ja) 液封入式防振装置
JP5184276B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5801135B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4989620B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4075066B2 (ja) 流体封入式エンジンマウント
JP5668231B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5114799B2 (ja) 防振装置
JP6279497B2 (ja) 防振装置
JP6343486B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5893482B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5690988B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4603015B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5809879B2 (ja) 防振装置
JP5122523B2 (ja) 液封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5801135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250