JP5377272B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車用エンジンマウント等として用いられる防振装置に係り、特に内部に封入された非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に装着される防振連結体や防振支持体の一種として、ゴム弾性体による防振効果に加えて、封入した非圧縮性流体の共振作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式の防振装置が知られている。このような防振装置は、一般に、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめた防振装置において、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、変形容易な可撓性膜で壁部の一部が構成された平衡室を設けて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入した構造とされている。そして、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力時に受圧室と平衡室の間に惹起される相対的な圧力変動に基づいて、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用を利用して防振効果を得るようになっている。
ところで、オリフィス通路を通じて流動せしめられる非圧縮性流体の共振作用に基づく防振効果は、予めチューニングされた特定の周波数域でしか有効に発揮され難い。特にオリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動入力時における高動ばね化に伴う防振性能の低下が問題となり易い。そこで、本出願人は、先に特開2006−97824号公報(特許文献1)において、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材で支持せしめた可動ゴム板を利用して、高周波域の防振性能を向上させた構造を提案した。
ところが、上記の特許文献1で提案した流体封入式防振装置では、特定形状とされた可動ゴム板を採用することで、仕切部材に対するゴム弾性板の当接打音を抑えつつ、前記オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の低動ばね化を或る程度は低減できるものの、要求される防振特性よっては未だ充分でないことがあった。例えば、自動車用エンジンマウントにおいて、シェイク振動等の低周波大振幅振動と、アイドリング振動等の中周波中振幅振動に加えて、走行こもり音等の高周波小振幅振動に対して、それぞれ高度な防振性能が要求されるような場合に、それら3つの異なる周波数域の振動に対して充分な防振性能を実現することが難しかったのである。
なお、このような3つの周波数域の振動に対して優れた防振性能を実現するために、例えば各別にチューニングした3つのオリフィス通路を形成すると共に、それら3つのオリフィス通路を切り換える切換弁を設けることも考えられるが、それでは切換弁を切換作動するアクチュエータが必要となり、構造の複雑化と装置の大形化及び重量化が避けられない。
特開2006−97824号公報
本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、3つの周波数域の振動に対して何れも優れた防振性能が発揮され得る流体封入式防振装置を、アクチュエータ駆動される切換弁等を必要とすることなく簡単で且つコンパクトな構造をもって実現することにある。
流体封入式防振装置に関する本発明の第一の態様は、(a)第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を連通する第一のオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、(b)円板形状のゴム弾性板に対して径方向中間部分の表裏両面に突出して周方向に延びる環状シールリップを一体形成し、前記仕切部材によって該ゴム弾性板の該環状シールリップを表裏両側から挟んで且つ径方向に係止して支持せしめ、該仕切部材に設けた透孔を通じて前記受圧室と前記平衡室の圧力が該ゴム弾性板の該環状シールリップで囲まれた中央部分の各一方の面に及ぼされるようにして液圧吸収機構を構成する一方、(c)該ゴム弾性板における該環状シールリップの外周側に環状薄肉部を形成し、該環状薄肉部の径方向外方に位置する該ゴム弾性板の外周部分を板厚方向に波うった湾曲形状とすると共に、該仕切部材において該ゴム弾性板の該外周部分を収容する環状収容部を形成して、該環状収容部に設けた連通孔を通じて該環状収容部を該受圧室と該平衡室に連通させることにより、該環状収容部内で該ゴム弾性板の該外周部分を回り込んで該受圧室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路を形成し、且つ、(d)前記ゴム弾性板の前記外周部分には、内周縁部と外周縁部においてそれぞれ表裏両面に突出して周方向に延びる緩衝突起が一体形成されており、(e)更に、前記ゴム弾性板の前記外周部分における表裏両面の内周縁部と外周縁部にそれぞれ形成された前記緩衝突起が、何れも、前記環状収容部の内面に対して、周方向で波うった該外周部分における少なくとも頂部において当接されていることを、特徴とする。
流体封入式防振装置に関する本発明の第二の態様は、(a)第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を連通する第一のオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、(b)円板形状のゴム弾性板に対して径方向中間部分の表裏両面に突出して周方向に延びる環状シールリップを一体形成し、前記仕切部材によって該ゴム弾性板の該環状シールリップを表裏両側から挟んで且つ径方向に係止して支持せしめ、該仕切部材に設けた透孔を通じて前記受圧室と前記平衡室の圧力が該ゴム弾性板の該環状シールリップで囲まれた中央部分の各一方の面に及ぼされるようにして液圧吸収機構を構成する一方、(c)該ゴム弾性板における該環状シールリップの外周側に環状薄肉部を形成し、該環状薄肉部の径方向外方に位置する該ゴム弾性板の外周部分を板厚方向に波うった湾曲形状とすると共に、該仕切部材において該ゴム弾性板の該外周部分を収容する環状収容部を形成して、該環状収容部に設けた連通孔を通じて該環状収容部を該受圧室と該平衡室に連通させることにより、該環状収容部内で該ゴム弾性板の該外周部分を回り込んで該受圧室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路を形成し、且つ、(f)前記仕切部材において、前記ゴム弾性板の表裏両面に形成された前記環状シールリップの少なくとも一方に対して内周面に当接して径方向内方への変位を規制する状態で係止される係止突起が形成されていることを、特徴とする。
このような本発明の第一又は第二の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、特定構造のゴム弾性板を採用し、該ゴム弾性板の径方向中間部分に形成した環状シールリップを仕切部材で挟んで径方向に係止して支持せしめた。これにより、ゴム弾性板は、その径方向中間部分において、(i)仕切部材によって周上の全周に亘って流体密にシールされた状態で支持されていると共に、(ii)仕切部材によって径方向に位置決めされた状態で支持されている。その結果、ゴム弾性板の中央部分を利用する液圧吸収機構と、ゴム弾性板の外周部分を利用する第二のオリフィス通路とを、相互間での流体の漏れや短絡等を防止して、且つ単一のゴム弾性板を巧く利用して、各別に構成し得たのである。しかも、ゴム弾性体の径方向中間部分が、環状シールリップを利用して径方向で位置決めされて仕切部材に組み付けられていることから、環状収容部内においてゴム弾性板の外周部分を回り込んで形成された第二のオリフィス通路の通路断面が安定して且つ精度良く設定され得て、第二のオリフィス通路による目的とする防振効果が安定して発揮され得ることとなる。
それ故、本発明の第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置では、第一のオリフィス通路により低周波数域の防振性能が発揮されることに加えて、中周波数域と高周波数域においても、第二のオリフィス通路による防振効果と液圧吸収機構による防振効果とが、それぞれ効果的に発揮され得るのである。
しかも、第二のオリフィス通路では、大振幅振動の入力時にゴム弾性板の外周部分が変位して環状収容部に開口する連通孔を覆蓋又は狭窄することで流体流動量が制限されることから、低周波大振幅振動の入力時における第一のオリフィス通路を通じての流体流動量が確保され得て、第一のオリフィス通路による防振性能が充分に発揮され得る。また、液圧吸収機構では、中〜大振幅振動の入力時にゴム弾性板の中央部分の弾性変形量がそれ自体の弾性等によって制限されることから、低周波大振幅振動や中周波中振幅振動の入力時における第一のオリフィス通路や第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が確保され得て、それら第一のオリフィス通路や第二のオリフィス通路による防振性能が充分に発揮され得る。
従って、本発明の第一又は第二の態様に従えば、オリフィス通路を切り換えるための切換弁やそれを作動させるアクチュエータ等も必要とされることがなく、簡単で且つコンパクトな構造をもって、上述のとおり3つの異なる周波数域の振動に対して何れも優れた防振効果を発揮し得る流体封入式防振装置が実現され得るのである。
ところで、上記本発明の第一の態様に係る流体封入式防振装置では、前記ゴム弾性板の前記外周部分における内周縁部と外周縁部において、それぞれ表裏両面に突出して周方向に延びる緩衝突起が一体形成された態様が、採用されている
このような緩衝突起を設けることにより、環状収容部の内面に対する打ち当り衝撃が更に軽減されると共に、前述の如き大振幅振動の入力時における連通孔の覆蓋又は狭窄がより安定して発現され得る。
また、上記本発明の第一の態様に係る流体封入式防振装置においては、そのような緩衝突起を形成するに際し、振動が入力されていない初期状態において、かかるゴム弾性板の外周部分における表裏両面の内周縁部と外周縁部にそれぞれ形成された緩衝突起を、何れも、前記環状収容部の内面に対して、周方向で波うった該外周部分における少なくとも頂部において当接されるように設定する態様が、採用されている
このように初期状態で緩衝突起を環状収容部の内面に当接させておくことにより、振動入力時における環状収容部の内面に対するゴム弾性板の打ち当り衝撃が一層効果的に軽減され得る。
さらに、上記本発明の第二の態様に係る流体封入式防振装置では、その仕切部材において、ゴム弾性板の表裏両面に形成された前記環状シールリップの少なくとも一方に対して内周面に当接して径方向内方への変位を規制する状態で係止される係止突起を形成せしめた態様が採用されている
すなわち、上記本発明の第二の態様に係る流体封入式防振装置では、ゴム弾性板の径方向中間部分が、そこに形成された環状シールリップに対する仕切部材の係止作用に基づいて、仕切部材に対する径方向内方への変位を規制されている。それ故、例えば段差乗り超えやクランキング時等に衝撃的な大荷重振動が入力される等して受圧室にキャビテーションが発生することでゴム弾性板の中央部分に過大な圧力が及ぼされた場合などであっても、仕切部材によるゴム弾性板の支持位置がずれてしまう等の不具合が効果的に防止される。これにより、ゴム弾性板の中央部分と外周部分を利用して構成された前述の液圧吸収機構と第二のオリフィス通路によって発揮される防振効果が、何れも、より高い信頼性をもって一層安定して発揮されるのである。
また、流体封入式防振装置に関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置において、そのゴム弾性板の中央部分に対して受圧室の圧力を及ぼす透孔と平衡室の圧力を及ぼす透孔との少なくとも一方の透孔によって、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路の何れよりも高周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路が形成されている態様が、採用されている
このような第三のオリフィス通路を形成することにより、液圧吸収機構によって発揮される高周波振動に対する防振効果を、より特定された周波数域において一層効果的に得ることが可能となる。
さらに、流体封入式防振装置に関する本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の態様に係る流体封入式防振装置において、その仕切部材において、環状収容部よりも外周側を周方向に延びるようにして第一のオリフィス通路を形成した態様が、採用されている
このような態様においては、第一のオリフィス通路の流路長さが効率的に確保され得て、低周波数域へのチューニングを容易に行なうことが出来ると共に、流路断面積を確保して防振特性の更なる向上も図られ得る。しかも、ゴム弾性板および環状収容部の外周側に並ぶようにして、軸方向で略同じ位置でオーバーラップするように第一のオリフィス通路を形成することが可能になることから、防振装置全体の軸方向サイズのコンパクト化も図られ得る。
本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置では、特定構造のゴム弾性板の径方向中間部分を仕切部材によってシール位置決め状態で支持せしめたことにより、該ゴム弾性体の中央部分を利用して構成される液圧吸収機構による高周波数域の防振効果と、ゴム弾性体の外周部分を利用して構成される第二のオリフィス通路による中周波数域の防振効果とを、何れも高度に両立して発揮せしめ得ることを可能と為し得た。
これにより、本発明の流体封入式防振装置は、オリフィス通路を切り換えるための切換弁やそれを作動させるアクチュエータ等も必要とすることなく、簡単で且つコンパクトな構造をもって、3つの異なる周波数域の振動に対して何れも優れた防振性能を高い信頼性のもとで安定して達成し得たのである。
本発明の一実施形態としてのエンジンマウントを示す、図2におけるI−I断面に相当する縦断面図。 図1に示したエンジンマウントの底面図。 図1に示したエンジンマウントを構成する仕切部材の平面図。 図3におけるIV−IV断面図。 図3に示した仕切部材の斜め下方からの分解斜視図。 図3に示した仕切部材の斜め上方からの分解斜視図。 図3に示した仕切部材を構成するオリフィス部材の平面図。 図7に示した仕切部材の底面図。 図7におけるIX−IX断面図。 図7におけるX−X断面の拡大説明図。 図3に示した仕切部材を構成する蓋板金具の平面図。 図11におけるXII−XII断面図。 図3に示した仕切部材を構成するゴム弾性板の平面図。 図13におけるXIV−XIV断面図。 図14における左端の拡大説明図。 図13に示されたゴム弾性板の領域αにおける外周端面の展開説明図。 図1に示したエンジンマウントの低周波防振特性を示すグラフ。 図1に示したエンジンマウントの中周波防振特性を示すグラフ。 図1に示したエンジンマウントの高周波防振特性を示すグラフ。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜2には、本発明に係る流体封入式防振装置の一実施形態としての自動車用の流体封入式エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、本体ゴム弾性体12で弾性連結された第一の取付部材たる第一の取付金具14と第二の取付部材たる第二の取付金具16を備えており、第一の取付金具14に取り付けられるパワーユニットを、第二の取付金具16に取り付けられる車両ボデーに対して、吊り下げ状態で弾性支持するようになっている。なお、図1は、外力が及ぼされていない装着前であり、図1中の上下方向が略鉛直上下方向となるようにして車両に装着される。
より詳細には、第一の取付金具14は、上方に開口するカップ金具18の底壁に対して下方に突出するナット金具20が溶着された構造とされている。一方、第二の取付金具16は、大径の略円筒形状とされており、第一の取付金具14の外周に離隔して外挿配置されている。また、本体ゴム弾性体12は、厚肉の略テーパ筒形状乃至は中空円錐台形状とされており、その内周面が第一の取付金具14の外周面に加硫接着されていると共に、外周面が第二の取付金具16の内周面に加硫接着されている。これにより、本体ゴム弾性体12は、第一の取付金具14の軸方向上端部と第二の取付金具16の軸方向下端部との間に跨がって配されている。
すなわち、本実施形態では、本体ゴム弾性体12が、第一の取付金具14と第二の取付金具16を備えた一体加硫成形品として形成されており、第二の取付金具16の下側開口部が本体ゴム弾性体12と第一の取付金具14とによって流体密に覆蓋されている。
一方、第二の取付金具16の上側開口部には、仕切部材22とダイヤフラム24が、重ね合わされるようにして組み付けられている。
ダイヤフラム24は、薄肉のゴム弾性膜によって、所定の弛みをもって弾性変形容易に形成されている。また、ダイヤフラム24の外周縁部には円環形状の固定金具26が加硫接着されている。そして、この固定金具26が、第二の取付金具16の上側開口部に対してかしめ固定されることにより、第二の取付金具16の上側開口部がダイヤフラム24で流体密に覆蓋されている。
これにより、第二の取付金具16の軸方向両側の開口部をそれぞれ覆蓋する本体ゴム弾性体12とダイヤフラム24の対向面間は、外部空間から流体密に遮断されており、そこに非圧縮性流体が封入された流体室が形成されている。この流体室には、水やアルキレングリコール等の非圧縮性流体が充填されている。
また一方、仕切部材22は、図3〜6に示されているように、オリフィス部材28の下面に蓋板金具30が重ね合わされていると共に、それらオリフィス部材28と蓋板金具30の間にゴム弾性板32が挟まれるようにして組み付けられている。
オリフィス部材28は、図7〜10にも示されているように、厚肉の略円環板形状を有しており、その中央に大径の上側透孔33が設けられていると共に、その外周縁部には外周壁部34が一体形成されている。また、この外周壁部34の外周面には、周上の一箇所で仕切壁36が突設されていると共に、該仕切壁36の周方向一方の側に位置して切欠窓38が形成されている。更に、オリフィス部材28の下面には、内周部分を周方向に延びる環状凹所40が形成されており、この環状凹所40が、オリフィス部材28の下面及び内周面に開口している。なお、環状凹所40の上底部42には、上側連通孔44が複数形成されていると共に、かかる上底部42の内周縁部には、下方に向かって環状凹所40内に突出する係止突起46が形成されている。本実施形態では、かかる係止突起46が、周方向に連続して延びる円環形状とされているが、周方向で分断されていても良い。
一方、蓋板金具30は、図11〜12にも示されているように、薄肉の略円環板形状を有しており、その中央には、上側透孔33よりも小径の下側透孔48が設けられている。なお、下側透孔48の外周側には、蓋板金具30から下方に突出した環状段差部50が形成されており、この環状段差部50の外径寸法が、オリフィス部材28の上側透孔33の内径と略同じとされている。そして、環状段差部50の内周縁部から下方に向かって突出する円筒部52が形成されており、この円筒部52の内孔によって上述の下側透孔48が形成されている。なお、蓋板金具30の径方向中間部分(環状段差部50を外周側に外れた位置)には、下側連通孔54が複数形成されている。また、蓋板金具30の外径寸法は、オリフィス部材28の外径寸法よりも大きくされている。なお、本実施形態では、上側透孔33の内径寸法が下側透孔48の内径寸法よりも大きくされているが、上側透孔33と下側透孔48の径寸法の関係は目的とする防振特性に応じて適宜チューニングされてもよい。即ち、上側透孔33の内径寸法が下側透孔48の内径寸法よりも小さくされていても良いし、これら上側透孔33と下側透孔48の内径寸法が等しくされていても良い。ただし、これら上側透孔33と下側透孔48の内径寸法は、後述する環状シールリップ62をシール可能とするために、環状シールリップ62の内径寸法よりも小さくされる。
そして、この蓋板金具30が、オリフィス部材28に対して、同一中心軸上で下方から重ね合わされており、径方向中間部分の各対応する位置に設けた固定穴56,57を利用して固定ビス58等で相互に固定されている。そして、オリフィス部材28の環状凹所40における下面への開口部が蓋板金具30で覆われており、それによって、仕切部材22において内周側に向かって開口する環状収容部60が形成されている。
さらに、これらオリフィス部材28と蓋板金具30の重ね合わせ面間には、その中央部分において、前記ゴム弾性板32が配設されている。このゴム弾性板32は、図13〜16にも示されているように、略円板形状を有しており、その外径寸法が、オリフィス部材28に形成された環状凹所40の外周壁部の内径寸法よりも所定寸法だけ小さくされている。そして、ゴム弾性板32は、その外周の所定幅領域が環状凹所40に収容されて、オリフィス部材28と蓋板金具30で挟まれて支持されることにより組み付けられている。
また、かかるゴム弾性板32には、径方向の中間部分において、上下両面でそれぞれ突出して周方向の全周に亘って連続して延びる環状シールリップ62,62が形成されている。そして、これら上下の環状シールリップ62,62の突出先端部分が、環状収容部60を画成するオリフィス部材28と蓋板金具30の上下対向面に対して押し付けられており、これによって、ゴム弾性板32が、環状シールリップ62,62の形成された径方向の中間部分において、仕切部材22によって板厚方向に挟まれて支持されている。即ち、ゴム弾性板32は、環状シールリップ62,62の形成部位よりも外周側が、環状収容部60に収容配置されている。
しかも、ゴム弾性板32の上側の環状シールリップ62は、環状収容部60の開口周縁部に突設された係止突起46に径方向で係止されている。上側の環状シールリップ62は、環状収容部60の係止突起46に対して外嵌状態で組み付けられており、それによって、オリフィス部材28及び蓋板金具30に対して、環状シールリップ62ひいてはゴム弾性板32の径方向の相対変位が阻止されて同一中心軸上に位置決めされている。即ち、上側の環状シールリップ62の内周面が係止突起46に当接することにより、ゴム弾性板32が径方向で係止されると共に、ゴム弾性板32の径方向内方への変位が規制されるようになっている。
そして、ゴム弾性板32において環状シールリップ62よりも内周側に位置する中央部分64は、仕切部材22の中央部分において、その上面がオリフィス部材28の上側透孔33を通じて外部に露出されている。一方、中央部分64の下面は、蓋板金具30の環状段差部50で覆われているものの該環状段差部50から離隔されている。これにより、かかるゴム弾性板32の中央部分64は、オリフィス部材28と蓋板金具30の何れによっても拘束されることなく、厚さ方向への弾性変形が許容された状態で組み付けられている。なお、本実施形態では、中央部分64が、更に厚肉の円板状の中央部とそれより薄肉の円環状の外周部とから構成されており、厚肉の中央部の上下両面には適当な形状のリブ突起が形成されることによって、ばね特性の調節等が施されている。
さらに、ゴム弾性板32には、上下の環状シールリップ62,62の外周側に隣接して周方向に環状に延びる環状薄肉部66が形成されている。この環状薄肉部66は、ゴム弾性板32の上下(表裏)両面から抉られるようにして薄肉とされており、かかる環状薄肉部66において、ゴム弾性板32が最も薄肉とされている。
そして、ゴム弾性板32において、この環状薄肉部66よりも外周側に位置する外周部分68が、環状薄肉部66において屈曲する様な弾性変形に基づいて厚さ方向(上下方向)両側に向かって容易に首振り状に変形変位し得るようにされている。なお、かかる外周部分68は、その厚さ寸法が、全体に亘って、環状収容部60の高さ寸法よりも小さくされており、環状収容部60内で首振り状に変形変位可能とされている。また、外周部分68は、径方向外方に行くに従って厚さ方向両側から次第に薄肉化された略台形の断面形状とされている。特に本実施形態では、外周部分68の内周縁部と外周縁部において、それぞれ表裏両面に突出して周方向に延びる緩衝突起70,72が一体形成されている。
これにより、環状薄肉部66を支点とした首振り状に外周部分68が変形変位せしめられた際、外周縁部だけが当接することなく、内周縁部と外周縁部において、それらの各部位に形成された緩衝突起70,72が、何れも略同時に或いは多少の前後をもって、環状収容部60の内面に対して当接されるようになっている。
また、外周部分68は、周方向において厚さ方向両側にうねるような形状で形成されて、波板状で周方向に延びている。即ち、この外周部分68は、その断面の形状や大きさは実質的に変化しないで一定で、厚さ方向の中心位置が周方向で上下に振れるように変化せしめられている。図16に、図13に示す領域αにおけるゴム弾性板32の外周端面の展開説明図を示す。特に本実施形態では、図16に示されているように、外周部分68の中心線や上下面が略サイン波状に一定周期で周方向に波うった形状とされており、その一周期が90度とされて、上下面が全体的に滑らかな湾曲面とされている。
そして、ゴム弾性板32の外周部分68が環状収容部60に収容状態で組み付けられており、図15に示されているように、かかる外周部分68における内外の緩衝突起70,72は、波状うねりの上死点となる図16中の中央位置において何れもオリフィス部材28に当接されている一方、波状うねりの下死点となる図16中の左右両端位置において何れも蓋板金具30に当接されている。また、波状うねりの上死点では、少なくとも外周側の緩衝突起72が蓋板金具30から離隔している一方、波状うねりの下死点では、少なくとも外周側の緩衝突起72がオリフィス部材28から離隔している。更に、外周部分68の外周面は、環状収容部60の外周壁面に対して径方向に所定距離を隔てて対向位置しており、外周部分68の径方向外方において全周に亘って広がる環状の連通隙間74が形成されている。
また、かかる環状収容部60の上側壁部であるオリフィス部材28に形成された上側連通孔44と、環状収容部60の下側壁部である蓋板金具30に形成された下側連通孔54は、何れも、環状収容部60に収容された外周部分68の収容位置に開口せしめられている。特に本実施形態では、これら上下の連通孔44,54が、何れも、内周側の緩衝突起70を挟んで径方向両側に跨がる位置と大きさで開口形成されている。また、環状収容部60は、これら上下の連通孔44,54によって、後述する平衡室78と受圧室76に対してそれぞれ連通されるようになっている。
而して、このような構造とされた仕切部材22は、図1に示されているように、その蓋板金具30の外周縁部が、第二の取付金具16の上側開口部に重ね合わされて、ダイヤフラム24の固定金具26の外周縁部と共に、第二の取付金具16の上側開口部に対してかしめ固定されることによって組み付けられている。かかる組付状態下、オリフィス部材28の上側には、ダイヤフラム24の固定金具26が重ね合わされており、オリフィス部材28が蓋板金具30と固定金具26の間で挟まれている。
これにより、本体ゴム弾性体12とダイヤフラム24の対向面間に形成された前述の流体室が仕切部材22で二分されており、仕切部材22の下方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体12で構成された受圧室76が形成されている。一方、仕切部材22の上方には、壁部の一部がダイヤフラム24で構成された平衡室78が形成されている。即ち、第二の取付金具16に支持された仕切部材22を挟んだ両側において、非圧縮性流体が充填された受圧室76と平衡室78とがそれぞれ形成されている。そして、第一の取付金具14と第二の取付金具16との間に、主として軸方向の振動が入力されると、本体ゴム弾性体12の弾性変形に伴って受圧室76に圧力変動が生ぜしめられるようになっている。なお、平衡室78は、ダイヤフラム24の変形に基づいて容積変化が容易に許容されるようになっている。
また、オリフィス部材28の外周側には、蓋板金具30と固定金具26で覆われた領域によって、周方向に延びる第一のオリフィス通路80が形成されている。この第一のオリフィス通路80は、オリフィス部材28に突設された仕切壁36によって周上の一箇所で仕切られることにより一周弱の長さで延びており、その周方向一方の端部が、蓋板金具30に形成された貫通窓82を通じて受圧室76に連通されていると共に、その他方の端部が、オリフィス部材28に形成された切欠窓38を通じて平衡室78に連通されている。これにより、第一のオリフィス通路80によって受圧室76と平衡室78が連通されており、第一のオリフィス通路80を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて低周波振動に対する防振効果が発揮されるようになっている。特に本実施形態では、エンジンシェイクに相当する10Hz前後の低周波大振幅振動に対して高減衰効果が発揮されるように、第一のオリフィス通路80の通路断面積と通路長さが設定されている。また、第一のオリフィス通路80は、図1に示されるように、ゴム弾性板32及び環状収容部60と軸方向で略同じ位置にオーバーラップするようにして環状収容部60の外周側を周方向に延びるように形成されている。これにより、エンジンマウント10の軸方向におけるサイズの大型化を抑制しつつ、第一のオリフィス通路80の流路長さが充分に確保されるようになっている。
更にまた、仕切部材22の環状収容部60にも、受圧室76と平衡室78を連通する第二のオリフィス通路84が、上記第一のオリフィス通路80から独立して形成されている。即ち、この第二のオリフィス通路84は、受圧室76に開口する上側連通孔44と、平衡室78に開口する下側連通孔54とが、環状収容部60内においてゴム弾性板32の外周部分68を外周側に回り込んで形成された流体通路(連通隙間74を含む)で相互に連通されることによって構成されている。そして、この第二のオリフィス通路84を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて中周波振動に対する防振効果が発揮されるようになっている。特に本実施形態では、アイドリング振動に相当する40Hz前後の中周波小振幅振動に対して高減衰効果が発揮されるように、第二のオリフィス通路84の通路断面積と通路長さが設定されている。
なお、アイドリング振動の小振幅入力時には、流動抵抗が小さい第二のオリフィス通路84に流体が流れる。これにより、流動抵抗が大きい低周波数域の第一のオリフィス通路80を通じての圧力の逃げが抑えられると共に、第二のオリフィス通路84の流体流動量が確保されて目的とする中周波防振効果が有効に発揮される。一方、エンジンシェイクの振動入力時には、アイドリング振動に比して大振幅の振動が入力されることから、ゴム弾性板32の外周部分68の首振り変形変位量が大きくなって環状収容部60の内面に当接して連通孔44,54が覆蓋されることにより第二のオリフィス通路84が実質的に遮断状態とされて第二のオリフィス通路84を通じての圧力の逃げが回避されることとなり、それ故、第一のオリフィス通路80の流体流動量が確保されて目的とする低周波防振効果が有効に発揮される。
さらに、仕切部材22の中央部分には、ゴム弾性板32を利用した液圧吸収機構86が構成されている。即ち、ゴム弾性板32の中央部分64には、下側透孔48と上側透孔33を通じて、受圧室76と平衡室78の各一方の圧力が及ぼされるようになっている。それ故、走行こもり音等の高周波振動の入力時には、第一のオリフィス通路80だけでなく第二のオリフィス通路84も流体流動抵抗が著しく大きくなって実質的に遮断状態となった状態下で、受圧室76に惹起される大きな圧力変動により当該中央部分64が弾性変形せしめられ、かかる弾性変形によって受圧室76の圧力変動が平衡室78に逃がされることにより、防振性能の向上効果が発揮されるようになっている。
特に本実施形態では、かかるゴム弾性板32の中央部分64の弾性変形に伴って受圧室76側に生ぜしめられる流体流路上に円筒部52からなる特定流路形態をもって下側透孔48が形成されている。そして、この円筒部52の長さと断面積が適当に設定されることにより、防振を目的とする走行こもり音に相当する100Hz前後の振動に対して流体共振作用に基づく防振効果が発揮し得る第三のオリフィス通路88が、かかる下側透孔48によって構成されている。即ち、本実施形態では、下側透孔48により構成される第三のオリフィス通路88が、第一及び第二のオリフィス通路80,84の何れよりも高周波数域にチューニングされている。
なお、このゴム弾性板32の中央部分64は、充分な厚さ寸法をもって展張状態で配設されており、適当な大きさの変形剛性(動的ばね定数)が設定されていることから、かかる中央部分64による防振効果が期待される走行こもり音に比して、振幅が充分に大きい前述のエンジンシェイクやアイドリング振動の入力時には、該中央部分64の弾性変形に基づく圧力の逃げが防止されるようになっている。即ち、中央部分64の弾性変形による液圧吸収機能は、このような振幅の大きなエンジンシェイク等の振動に対しては実質的に機能しない。それ故、前述の第一及び第二のオリフィス通路80,84による各防振効果も、第三のオリフィス通路88による防振効果と共に、有効に発揮され得る。
また、ゴム弾性板32は、径方向中間部分に突設された上下のシールリップ62,62において仕切部材22で挟持されていることに加えて、上側のシールリップ62が係止突起46で径方向に係止されていることにより、ゴム弾性板32の仕切部材22に対する径方向の位置ずれが強固に防止されている。これにより、仕切部材22の環状収容部60内でゴム弾性板32の外周部分68の回りに形成された第二のオリフィス通路84における通路断面が、優れた精度と安定性をもって設定され得ることとなり、目的とする防振効果が一層安定して発揮され浮る。特に本実施形態では、ゴム弾性板32における上側のシールリップ62が係止突起46で内周側から係止されていることから、例えばクランキング時等に衝撃的な大荷重が及ぼされてキャビテーションなどによる過大圧力が作用し、ゴム弾性板32が大きく受圧室76側又は平衡室78側に膨出変形した場合でも、ゴム弾性板32の径方向中間部分の位置決め状態が確実に維持され得る。それ故、ゴム弾性板32の外周部分68が環状収容部60内から引きずり出されるような不具合が防止されて、一層の信頼性及び性能安定性の向上が図られ得るのである。
更にまた、本実施形態では、ゴム弾性板32の外周部分68が、環状収容部60の上下内面に対して、周上で部分的に当初から当接状態とされている。それ故、振動入力時における外周部分68の弾性的な変形変位により、その当接領域が増減したり当接/離隔を繰り返したりすることで発生する外周部分68の環状収容部60の内面への打ち当たりに伴う衝撃や振動の発生が効果的に抑えられ得る。
因みに、本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10の試作品について、その防振特性を実測した結果を、図17〜18に示す。即ち、図17に示すグラフから、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動に対して、第一のオリフィス通路80による防振効果(高減衰効果)が有効に発揮されることが認められる。また、図18に示すグラフから、アイドリング振動に相当する中周波中振幅振動に対して、第二のオリフィス通路84による防振効果(低動ばね効果)が有効に発揮されることが認められる。また、図19に示すグラフから、走行こもり音に相当する高周波小振幅振動に対して、第三のオリフィス通路88を含む液圧吸収機構86による防振効果(低動ばね効果)が有効に発揮されることが認められる。
10:エンジンマウント,12:本体ゴム弾性体,14:第一の取付金具,16:第二の取付金具,22:仕切部材,24:ダイヤフラム,26:固定金具,28:オリフィス部材,30:蓋板金具,32:ゴム弾性板,33:上側透孔,34:外周壁部,36:仕切壁,38:切欠窓,40:環状凹所,44:上側連通孔,46:係止突起,48:下側透孔,50:環状段差部,52:円筒部,54:下側連通孔,60:環状収容部,62:シールリップ,64:中央部分,66:環状薄肉部,68:外周部分,70:緩衝突起(内周),72:緩衝突起(外周),74:連通隙間,76:受圧室,78:平衡室,80:第一のオリフィス通路,82:貫通窓,84:第二のオリフィス通路,86:液圧吸収機構,88:第三のオリフィス通路

Claims (4)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を連通する第一のオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、
    円板形状のゴム弾性板に対して径方向中間部分の表裏両面に突出して周方向に延びる環状シールリップを一体形成し、前記仕切部材によって該ゴム弾性板の該環状シールリップを表裏両側から挟んで且つ径方向に係止して支持せしめ、該仕切部材に設けた透孔を通じて前記受圧室と前記平衡室の圧力が該ゴム弾性板の該環状シールリップで囲まれた中央部分の各一方の面に及ぼされるようにして液圧吸収機構を構成する一方、
    該ゴム弾性板における該環状シールリップの外周側に環状薄肉部を形成し、該環状薄肉部の径方向外方に位置する該ゴム弾性板の外周部分を板厚方向に波うった湾曲形状とすると共に、該仕切部材において該ゴム弾性板の該外周部分を収容する環状収容部を形成して、該環状収容部に設けた連通孔を通じて該環状収容部を該受圧室と該平衡室に連通させることにより、該環状収容部内で該ゴム弾性板の該外周部分を回り込んで該受圧室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路を形成し、且つ、
    前記ゴム弾性板の前記外周部分には、内周縁部と外周縁部においてそれぞれ表裏両面に突出して周方向に延びる緩衝突起が一体形成されており、
    更に、前記ゴム弾性板の前記外周部分における表裏両面の内周縁部と外周縁部にそれぞれ形成された前記緩衝突起が、何れも、前記環状収容部の内面に対して、周方向で波うった該外周部分における少なくとも頂部において当接されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を、該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を連通する第一のオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、
    円板形状のゴム弾性板に対して径方向中間部分の表裏両面に突出して周方向に延びる環状シールリップを一体形成し、前記仕切部材によって該ゴム弾性板の該環状シールリップを表裏両側から挟んで且つ径方向に係止して支持せしめ、該仕切部材に設けた透孔を通じて前記受圧室と前記平衡室の圧力が該ゴム弾性板の該環状シールリップで囲まれた中央部分の各一方の面に及ぼされるようにして液圧吸収機構を構成する一方、
    該ゴム弾性板における該環状シールリップの外周側に環状薄肉部を形成し、該環状薄肉部の径方向外方に位置する該ゴム弾性板の外周部分を板厚方向に波うった湾曲形状とすると共に、該仕切部材において該ゴム弾性板の該外周部分を収容する環状収容部を形成して、該環状収容部に設けた連通孔を通じて該環状収容部を該受圧室と該平衡室に連通させることにより、該環状収容部内で該ゴム弾性板の該外周部分を回り込んで該受圧室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路を形成し、且つ、
    前記仕切部材において、前記ゴム弾性板の表裏両面に形成された前記環状シールリップの少なくとも一方に対して内周面に当接して径方向内方への変位を規制する状態で係止される係止突起が形成されていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  3. 前記ゴム弾性板の前記中央部分に対して前記受圧室の圧力を及ぼす前記透孔と前記平衡室の圧力を及ぼす前記透孔との少なくとも一方の透孔によって、前記第一のオリフィス通路と前記第二のオリフィス通路の何れよりも高周波数域にチューニングされた第三のオリフィス通路が形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記仕切部材において、前記環状収容部よりも外周側を周方向に延びるようにして前記第一のオリフィス通路が形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
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