以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明に係る流体封入式エンジンマウントの第一の実施形態としての自動車用のエンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、インナ軸部材としてのインナ金具12とアウタ筒部材としてのアウタ筒金具14が本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造とされており、インナ金具12が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、アウタ筒金具14が図示しない自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持するようになっている。また、このような装着状態下、インナ金具12とアウタ筒金具14の間には、パワーユニットの分担支持荷重と、防振すべき主たる振動が、何れも、エンジンマウント10における中心軸線方向に入力されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、インナ金具12は、鉄鋼やアルミニウム合金等の金属材で形成されており、全体として逆向きの円錐台形状を呈している。またインナ金具12の大径側端部には、軸方向上方へ向かって突出する嵌着部18が一体形成されている。更に、嵌着部18には、上面に開口するねじ穴20が形成されている。そして、嵌着部18のねじ穴20に螺着されるボルト(図示せず)によって、インナ金具12がパワーユニットに取り付けられるようになっている。
このようなインナ金具12に対して、本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状とされており、軸方向上方に向かって次第に小径化するテーパ筒状外周面を有している。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端面から軸方向下方に挿し込まれた状態で、インナ金具12が加硫接着されている。また、本実施形態では、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層22が、インナ金具12における嵌着部18の外周面の略全面に被着されている。なお、本体ゴム弾性体16には、大径側端面に開口する大径の凹所24が形成されている。
また、本体ゴム弾性体16の大径端部側の外周面には、円筒形状の外周筒金具26が加硫接着されている。即ち、本体ゴム弾性体16は、インナ金具12と外周筒金具26を備えた一体加硫成形品として形成されているのである。そして、このように本体ゴム弾性体16と外周筒金具26が加硫接着されることにより、外周筒金具26の軸方向上側の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に覆蓋されている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、外周筒金具26の内周面に沿って軸方向下方に延びる厚肉円筒形状のゴム外周縁部28が一体形成されている。特に本実施形態では、ゴム外周縁部28は、外周筒金具26の軸方向下端面よりも軸方向下方に突出している。
更にまた、外周筒金具26の上側開口周縁部には、軸直角方向外方に向かって広がる円環形状のフランジ状部30が一体形成されている。また、フランジ状部30には、切欠状の開口窓31が形成されている。
一方、アウタ筒金具14は、鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成されており、全体として大径の円筒形状を呈している。また、アウタ筒金具14の軸方向中間部分には、段差部32が形成されており、かかる段差部32を挟んで軸方向上側が大径部34とされている一方、軸方向下側が小径部36とされている。そして、アウタ筒金具14は、図示しない筒状のブラケットを介して、車両ボデーに取り付けられるようになっている。
また、アウタ筒金具14の軸方向下側の開口部には、第一の可撓性膜としての第一の可撓性ゴム膜38が配設されている。第一の可撓性ゴム膜38は、変形容易となるように撓みを持たせた略円形ドーム形状を呈する薄肉のゴム弾性膜で形成されており、その外周縁部がアウタ筒金具14の小径部36の内周面に加硫接着されている。これにより、アウタ筒金具14の軸方向下側の開口部が第一の可撓性ゴム膜38によって流体密に覆蓋されている。なお、本実施形態では、第一の可撓性ゴム膜38と一体形成されたシールゴム層40が、アウタ筒金具14の内周面の略全面に被着されている。
このようなアウタ筒金具14は、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に外挿されて、八方絞り等の縮径加工が施されることにより、外周筒金具26に嵌着固定される。これにより、アウタ筒金具14が本体ゴム弾性体16の外周面に固着されている。その結果、インナ金具12とアウタ筒金具14が本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。また、かかる状態下、外周筒金具26におけるフランジ状部30とアウタ筒金具14における大径部34との間で、シールゴム層40が挟圧されている。これにより、本体ゴム弾性体16と第一の可撓性ゴム膜38の対向面間には、外部空間から遮断されて非圧縮性流体が封入された流体室42が形成されている。
なお、流体室42に封入される流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用可能であり、特に後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。
また、本体ゴム弾性体16と第一の可撓性ゴム膜38の対向面間には、仕切部材44が配設されている。そこにおいて、本実施形態の仕切部材44は、上側仕切部材本体46と下側仕切部材本体48と底金具50を備えている。
上側仕切部材本体46は、アルミニウム合金等の金属材や合成樹脂材等の硬質材によって形成されており、全体として大径の円筒形状を呈している。そこにおいて、本実施形態では、上側仕切部材本体46の軸方向下端部分には、径方向内方に向かって突出する内方突部52が全周に亘って形成されている。特に本実施形態では、内方突部52は、全周に亘って略一定の矩形断面形状で連続して延びるように形成されている。これにより、内方突部52の軸方向上面が平坦な環状のシール当接面とされている。
また、上側仕切部材本体46には、外周面に開口して周方向に延びる周溝54が、略一定の断面形状で略螺旋状に二周弱の長さで形成されている。そして、周溝54の一方の端部が、切欠状の開口窓56を通じて、軸方向上端面に開口せしめられている一方、他方の端部が、切欠状の連通孔58を通じて、内方突部52の内周面に開口せしめられている。
さらに、上側仕切部材本体46には、周溝54の形成位置を除いた部分において、軸方向下端部分を径方向に延びる切欠状の連通孔60が形成されている。
一方、下側仕切部材本体48は、上側仕切部材本体46と同様な硬質材によって形成されており、全体として厚肉の円板形状を呈している。なお、本実施形態では、下側仕切部材本体48の外径寸法と上側仕切部材本体46の外径寸法は略同じとされている。また、下側仕切部材本体48の外周部分には、軸方向下面に開口して略一定の断面形状で周方向に一周弱の長さで延びる周方向凹溝62が形成されている。そこにおいて、周方向凹溝62の周方向一端は、周方向凹溝62の上底壁に形成された接続孔64を通じて、下側仕切部材本体48の上面に開口せしめられている。更にまた、下側仕切部材本体48の中央部分には、略一定の円形断面で軸方向下面に開口する収容凹所66が形成されている。
このような構造とされた下側仕切部材本体48は、上側仕切部材本体46と同一中心軸線上に配されて、その上端面が上側仕切部材本体46の軸方向下端面に重ね合わせられるようになっている。そして、この状態で、下側仕切部材本体48に形成された接続孔64が、上側仕切部材本体46に形成された連通孔60内に開口して、接続孔64と連通孔60が接続されるように、上側仕切部材本体46と下側仕切部材本体48の周方向位置が合わせられるようになっている。
なお、図面では明示されていないが、上側仕切部材本体46と下側仕切部材本体48は、例えば、上側仕切部材本体46と下側仕切部材本体48の重ね合わせ面の何れか一方に形成された係合凹所に対して、他方に形成された係合突起を嵌め入れて係合せしめる等することにより、相互に係止固定されるようになっていても良いし、接着剤によって接着固定されるようになっていても良い。これにより、上側仕切部材本体46と下側仕切部材本体48が周方向で位置決めされるようになっている。
また一方、底金具50は、鉄やアルミニウム合金等の金属材によって形成されており、全体として薄肉の円板形状を呈している。また、底金具50の外周部分には、切欠状の接続窓68が形成されている。
このような底金具50は、下側仕切部材本体48と同一中心軸線上に配されて、下側仕切部材本体48の下面に重ね合わせられる。そして、この状態で、底金具50に形成された接続窓68が、下側仕切部材本体48に形成された周方向凹溝62の周方向他端部分の下方に位置するように、下側仕切部材本体48と底金具50の周方向位置が合わせられている。
なお、図面では明示されていないが、下側仕切部材本体48と底金具50は、例えば、下側仕切部材本体48と底金具50の重ね合わせ面の何れか一方に形成された係合凹所に対して、他方に形成された係合突起を嵌め入れて係合せしめる等することにより、相互に係止固定されるようになっていても良いし、接着剤によって接着固定されるようになっていても良い。これにより、下側仕切部材本体48と底金具50の周方向での位置合わせが行われるようになっている。
また、上述の如く下側仕切部材本体48と底金具50が重ね合わせられることによって、下側仕切部材本体48に形成された収容凹所66の開口部が底金具50で覆蓋されている。これにより、収容凹所66を利用して、下側仕切部材本体48と底金具50の対向面間に収容領域70が形成されている。かかる収容領域70には、可動部材としての可動ゴム板72が配設されている。
可動ゴム板72は、略円板形状を呈するゴム弾性体で形成されており、外周縁部において、軸方向両側に突出する円環状の外周支持部74が一体形成されていると共に、中央部分において、軸方向両側に突出する中央支持部76が一体形成されている。即ち、可動ゴム板72は、外周縁部と中央部が径方向中間部分に比して厚肉とされている。
また、可動ゴム板72の径方向中間部分には、軸方向両側に突出する緩衝当接部77が一体形成されている。そこにおいて、緩衝当接部77は、全周に亘って連続して延びる突条であって、外周支持部74や中央支持部76よりも突出高さが小さくされている。
このような可動ゴム板72は、下側仕切部材本体48に形成された収容凹所66に嵌め入れられた状態で、下側仕切部材本体48の下面に底金具50が重ね合わせられることにより、収容領域70に収容配置されるようになっている。そして、この状態で、可動ゴム板72の外周支持部74と中央支持部76は、それぞれ、下側仕切部材本体48と底金具50の対向面間で挟圧支持されている。なお、可動ゴム板72の径方向中間部分は、緩衝当接部77の形成位置を含めた全体が、下側仕切部材本体48と底金具50の何れからも離隔せしめられている。
また、収容領域70の天壁部と底壁部(上下の壁部)には、それぞれ、複数の透孔78が形成されている。これにより、可動ゴム板72の外周支持部74と中央支持部76の径方向間に形成された薄肉部分(径方向中間部分)が、透孔78を通じて外部に露出せしめられている。
このような構造とされた仕切部材44は、アウタ筒金具14の上側開口部から挿入されると共に、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品を構成する外周筒金具26が、仕切部材44を構成する上側仕切部材本体46の上側開口部から挿入されることにより、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品とアウタ筒金具14に組み付けられる。
そして、上述の如く仕切部材44が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品とアウタ筒金具14が組み付けられた状態で、アウタ筒金具14に八方絞り等の縮径加工が施されることにより、仕切部材44がアウタ筒金具14で固定的に支持されて、流体室42内で軸直角方向に広がるように配設されている。
また、アウタ筒金具14には、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品の外側から第二の可撓性膜としての第二の可撓性ゴム膜80が組み付けられている。第二の可撓性ゴム膜80は、変形容易な薄肉のゴム弾性膜によって形成されており、全体として円環板形状を有している。また、第二の可撓性ゴム膜80の内周縁部には、円環形状乃至は円筒形状を呈する内周嵌着金具82が加硫接着されている。更にまた、第二の可撓性ゴム膜80の外周縁部には、円筒形状を呈する外周嵌着金具84が加硫接着されている。即ち、本実施形態では、第二の可撓性ゴム膜80は、内周嵌着金具82と外周嵌着金具84を備えた一体加硫成形品として形成されているのである。
そこにおいて、本実施形態では、内周嵌着金具82の軸方向両端部分は、それぞれ、径方向外方に向かって延び出している。これにより、内周嵌着金具82には、外周面に開口する凹状溝が形成されている。そして、かかる凹状溝を埋めるようにして、第二の可撓性ゴム膜80の内周縁部が加硫接着されている。
なお、本実施形態では、内周嵌着金具82の軸方向下端部分が軸方向下方へ行くに従って次第に拡径するテーパ状部とされている。これにより、後述の如く、内周嵌着金具82をインナ金具12の嵌着部18に外挿することが容易に出来るようになっている。
上述の如き第二の可撓性ゴム膜80の一体加硫成形品は、内周嵌着金具82がインナ金具12の嵌着部18に圧入されると共に、外周嵌着金具84がアウタ筒金具14の大径部34に挿入されることにより、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品の外側からアウタ筒金具14に組み付けられる。即ち、本体ゴム弾性体16のテーパ筒状外周面を覆うようにして、第二の可撓性ゴム膜80が配設されているのである。そして、この状態で、アウタ筒金具14に絞り加工やかしめ加工が施されることにより、アウタ筒金具14の大径部34が外周嵌着金具84に嵌着固定されるようになっている。
そこにおいて、上述の如く第二の可撓性ゴム膜80の一体加硫成形品がアウタ筒金具14に組み付けられた状態で、仕切部材44を構成する底金具50が、アウタ筒金具14の段差部32に重ね合わせられていると共に、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品を構成する外周筒金具26のフランジ状部30が、仕切部材44を構成する上側仕切部材本体46の軸方向上端面に重ね合わせられており、更に、第二の可撓性ゴム膜80の一体加硫成形品を構成する外周嵌着金具84が、外周筒金具26のフランジ状部30の上面に重ね合わせられている。即ち、アウタ筒金具14に嵌着固定された外周嵌着金具84によって、仕切部材44がアウタ筒金具14の段差部32に押し付けられて、軸方向に固定されているのである。
また、この状態で、仕切部材44を構成する底金具50とアウタ筒金具14の段差部32の重ね合わせ面間や、仕切部材44を構成する上側仕切部材本体46や下側仕切部材本体48とアウタ筒金具14の大径部34の重ね合わせ面間には、シールゴム層40が挟圧されていると共に、ゴム外周縁部28が上側仕切部材本体46の内方突部52に形成されたシール当接面に押し付けられている。加えて、外周筒金具26と上側仕切部材本体46が密着状態で重ね合わせられていると共に、上側仕切部材本体46と下側仕切部材本体48が密着状態で重ね合わせられており、更に、下側仕切部材本体48と底金具50が密着状態で重ね合わせられている。
これにより、流体室42が仕切部材44を挟んだ両側に二分されて、仕切部材44を挟んだ一方の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて振動が入力される受圧室86が形成されていると共に、他方の側には、壁部の一部が第一の可撓性ゴム膜38で構成されて容積変化が許容される第一の平衡室88が形成されている。
また、上述の如く仕切部材44が流体室42内に配設されることにより、下側仕切部材本体48に形成された周方向凹溝62の開口が底金具50で流体密に覆蓋されて、仕切部材44の外周部分をアウタ筒金具14における大径部34の内周面に沿って周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。かかるトンネル状の流路は、下側仕切部材本体48に形成された接続孔64と上側仕切部材本体46に形成された連通孔60を通じて受圧室86に接続されていると共に、底金具50に形成された接続窓68を通じて第一の平衡室88に接続されている。即ち、周方向凹溝62を利用して形成されたトンネル状の流路を含んで、受圧室86と第一の平衡室88を相互に連通する第一のオリフィス通路90が形成されている。
さらに、上述の如く第二の可撓性ゴム膜80の一体加硫成形品がアウタ筒金具14に組み付けられた状態で、内周嵌着金具82とインナ金具12の嵌着部18との重ね合わせ面間には、シールゴム層22が挟圧されている。これにより、第二の可撓性ゴム膜80の内周縁部がインナ金具12に対して流体密に固着されている。
更にまた、上述の如く第二の可撓性ゴム膜80の一体加硫成形品がアウタ筒金具14に組み付けられた状態で、外周嵌着金具84とアウタ筒金具14における大径部34との重ね合わせ面間の軸方向下端部分には、シールゴム層40が挟圧されている。これにより、第二の可撓性ゴム膜80の外周縁部がアウタ筒金具14に対して流体密に固着されている。
そして、このように第二の可撓性ゴム膜80の内周縁部がインナ金具12に対して流体密に固着されると共に、第二の可撓性ゴム膜80の外周縁部がアウタ筒金具14に対して流体密に固着されることにより、本体ゴム弾性体16の外側には、本体ゴム弾性体16と第二の可撓性ゴム膜80で壁部の一部が構成されて、容積変化が許容される第二の平衡室92が形成されている。なお、第二の平衡室92には、受圧室86や第一の平衡室88と同じ非圧縮性流体が封入されている。
また、上述の如く仕切部材44が流体室42内に配設されることにより、上側仕切部材本体46に形成された周溝54の開口がアウタ筒金具14の大径部34で流体密に覆蓋されて、アウタ筒金具14の大径部34に沿って周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。かかるトンネル状の流路は、上側仕切部材本体46に形成された連通孔58を通じて受圧室86に接続されていると共に、外周嵌着金具84と第二の可撓性ゴム膜80に形成された切欠状の接続孔94と外周筒金具26のフランジ状部30に形成された開口窓31と上側仕切部材本体46に形成された開口窓56を通じて第二の平衡室92に接続されている。即ち、周溝54を利用して形成されたトンネル状の流路を含んで、受圧室86と第二の平衡室92を相互に連通する第二のオリフィス通路96が形成されている。
なお、図面では明示されていないが、例えば、上側仕切部材本体46の上端面に突設された係止突起と外周筒金具26のフランジ状部30に形成された係止孔を係止させる等して、外周筒金具26と上側仕切部材本体46を周方向で位置合わせすることにより、フランジ状部30に形成された開口窓31と上側仕切部材本体46に形成された連通孔58の周方向位置を合わせるようになっている。
そこにおいて、図2に示されているように、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96は、何れも、エンジンシェイクの周波数域に減衰係数のピーク周波数が位置するようにチューニングされている。特に本実施形態では、第一のオリフィス通路90のチューニング周波数が、第二のオリフィス通路96のチューニング周波数よりも高周波側に位置せしめられている。
また、本実施形態では、第二のオリフィス通路96を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される減衰係数の増大周波数域の高周波側の部分Aと、第一のオリフィス通路90を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される減衰係数の増大周波数域の低周波側の部分Bとが少なくとも一部の周波数域においてオーバーラップするようにして、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96がチューニングされている。なお、上記高周波側の部分Aは、図2において、第二のオリフィス通路96の減衰係数のピーク点より右側部分である。また、上記低周波側の部分Bは、図2において、第一のオリフィス通路90の減衰係数のピーク点より左側部分である。図2に示されているように、本実施形態では、これら二つの部分AとBが互いに交差して、AとBを合わせた周波数域Xの略1/4〜1/3の周波数域において重なり合っている。
特に本実施形態では、第二のオリフィス通路96を通じての流体流動作用に基づいて発揮される動的ばね定数のボトムからピークの間の周波数域Yにおいて、第一のオリフィス通路90を通じての流体流動作用に基づいて発揮される減衰係数の増大領域が始まるように、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96がチューニングされている。要するに、上記周波数域Yの領域に、第一のオリフィス通路90による減衰係数の増大効果の開始点Pが位置するように設定されている。これにより、第一のオリフィス通路90および第二のオリフィス通路96の両者における減衰係数増大効果が全体として広い周波数域で、一層効果的に発揮される。
また、何れのオリフィス通路90,96もエンジンシェイクの周波数域にチューニングされていることから、エンジンシェイクが入力された場合には、両方のオリフィス通路90,96において流体流動が生ぜしめられるようになっている。その際、入力される振動に対してより周波数適合する第一のオリフィス通路90又は第二のオリフィス通路96のほうが、他方のオリフィス通路(第二のオリフィス通路96又は第一のオリフィス通路90)よりも流体流動量が多くなる。これにより、エンジンシェイクの周波数が変化した場合にも、二つのオリフィス通路(第一のオリフィス通路90及び第二のオリフィス通路96)を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて大きな減衰係数が安定して発揮され得るのである。
なお、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96のチューニングは、例えば、その通路長さと通路断面積の比を調節することによって行うことが出来る。これら第一及び第二のオリフィス通路90,96のチューニング周波数は、受圧室86及び平衡室88,92の壁ばね剛性も影響することから、実験等を重ねてチューニングすることが望ましい。ここにおいて、壁ばね剛性とは、液室の容積を一定量だけ変化させるのに必要な圧力変化量として理解できる。
因みに、4〜6気筒のエンジンを想定した場合、一般に、エンジンシェイクの発生周波数域は5〜25Hz程度の周波数域となるが、第二のオリフィス通路96による減衰ピークを10Hzに設定すると共に、第一のオリフィス通路90による減衰ピークを15Hzに設定することによって、5〜25Hz程度の広い周波数域で十分に大きい減衰効果を得ることが可能となる。
上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、本体ゴム弾性体16よりも下側に第一の平衡室88が形成されていると共に、本体ゴム弾性体16よりも上側に第二の平衡室92が形成されていることから、何れの平衡室88,92においても十分な容積を確保することが可能となる。
また、略円形のドーム形状を呈する第一の可撓性ゴム膜38は、その外周縁部が支持された状態で、第一の平衡室88の壁部の一部を構成するようになっていることから、その有効面積を大きく確保することが可能となる。
さらに、略円環形状を呈する第二の可撓性ゴム膜80は、その内周縁部と外周縁部が支持された状態で、第二の平衡室92の壁部の一部を構成するようになっていることから、その有効面積を大きく確保することが可能となる。
更にまた、第一のオリフィス通路90が仕切部材44を構成する下側仕切部材本体48に形成された周方向凹溝62を利用して形成されていると共に、第二のオリフィス通路96が仕切部材44を構成する上側仕切部材本体46に形成された周溝を利用して形成されていることから、第一のオリフィス通路90の形成スペースと第二のオリフィス通路96の形成スペースを効率的に確保することが可能となる。その結果、十分な通路長さと通路断面積をもってエンジンシェイクの周波数域にチューニングされたオリフィス通路90,96を形成することが出来る。
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、十分な流体流動量を確保して、オリフィス通路90,96を流動せしめられる流体の共振作用に基づく高減衰効果が有効に発揮されるようにすることが可能となる。
そこにおいて、本実施形態では、第二のオリフィス通路96を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される減衰係数の増大周波数域の高周波側の部分Aと、第一のオリフィス通路90を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される減衰係数の増大周波数域の低周波側の部分Bとが一部においてオーバーラップしていることから、減衰係数が増大せしめられた周波数域を広くすることが出来る。その結果、広い周波数域で高減衰効果を発揮することが可能となる。
また、本実施形態では、仕切部材44を挟んで受圧室86と反対側に第一の平衡室88が形成されていることから、第一の平衡室88の容積が確保し易くなっている。
さらに、本実施形態では、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96が、それぞれ、アウタ筒金具14の大径部34に沿って延びるように形成されていることから、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96のそれぞれの通路長さを少ないスペースで容易に確保することが可能となる。
更にまた、本実施形態では、仕切部材44内に可動ゴム板72が配設されていることから、入力される振動が、自動車の走行こもり音等に相当する高周波小振幅振動の場合には、受圧室86と第一の平衡室88の相対的な圧力差によって、可動ゴム板72が軸方向で微小変位せしめられて、受圧室86に及ぼされる内圧変動が第一の平衡室88側に逃がされるようになっている。そして、このような液圧吸収作用によって発揮される低動ばね作用に基づいて、高周波数域の振動入力時にも、振動絶縁効果による優れた防振性能が実現されるようになっている。
なお、エンジンシェイクの入力に際して、可動ゴム板72は、収容凹所66を利用して形成された収容領域70の軸方向一方の内壁面に押し当てられて、変位が阻止されるようになっている。これにより、可動ゴム板72の微小変位による液圧吸収が防がれて、第一及び第二のオリフィス通路90,96を通じての流体流動が有効に生ぜしめられるようになっている。
続いて、本発明に係る流体封入式エンジンマウントの第二の実施形態としてのエンジンマウント100について、図3に基づいて、説明する。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態のエンジンマウント100では、外周筒金具26の軸方向下端部分に対して、径方向外方に広がる下側フランジ部102が一体形成されている。これにより、外周筒金具26には、全周に亘って延びる周溝104が形成されている。
また、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が外周筒金具26の周溝104内にも延び出している。これにより、周溝104内には、一方の側壁がゴム壁106で構成されて、外周面に開口して周方向に延びる周方向溝108が、略一定の断面形状で略螺旋状に二周弱の長さで形成されている。そして、周方向溝108は、一方の端部が、切欠状の開口窓110を通じて、外周筒金具26の軸方向上端面に開口せしめられている一方、他方の端部が、連通孔112を通じて、外周筒金具26の内周面に開口せしめられている。
更にまた、本実施形態では、ゴム外周縁部28の代わりに、本体ゴム弾性体16と一体形成された被覆ゴム層114が外周筒金具26の内周面から下側フランジ部102の下面の略全面に亘って被着されている。
また、本実施形態では、被覆ゴム層114と一体形成されたシールゴム突起116が、下側フランジ部102の外周部分を軸方向下方に突出して略一定の断面形状で全周に亘って延びるように設けられている。
更にまた、本実施形態では、アウタ筒部材としてのアウタ筒金具118は、上側筒金具120と下側筒金具122によって形成されており、全体として大径円筒形状を呈している。
上側筒金具120は、軸方向中間部分に形成された段差部124を挟んで、軸方向上側が小径部126とされていると共に、軸方向下側が大径部128とされており、全体として段付円筒形状とされている。また、上側筒金具120の大径部128側の開口端縁部には、かしめ部130が一体形成されている。
さらに、上側筒金具120の小径部126側の端部には、第二の可撓性ゴム膜80の外周縁部が加硫接着されている。即ち、本実施形態では、第二の可撓性ゴム膜80は内周嵌着金具82と上側筒金具120を備えた一体加硫成形品とされているのである。更にまた、第二の可撓性ゴム膜80と一体形成されたシールゴム132が、小径部126の内周面の全面に亘って被着されている。
一方、下側筒金具122は、軸方向中間部分に形成された段差部134を挟んで、軸方向上側が大径筒部136とされていると共に、軸方向下側が小径筒部138とされており、全体として段付円筒形状とされている。
また、下側筒金具122の小径筒部138には、第一の可撓性ゴム膜38の外周縁部が加硫接着されている。そこにおいて、本実施形態では、第一の可撓性ゴム膜38と一体形成されたシールゴム140が小径筒部138の内周面と外周面のそれぞれの略全面に被着されている。特に本実施形態では、シールゴム140のうち小径筒部138の内周面に被着されている部分は、段差部134の上面の径方向中間部分にまで延び出している。
上述の如き構造とされた上側筒金具120と下側筒金具122は、以下のようにして、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に組み付けられる。
先ず、内周嵌着金具82がインナ金具12の嵌着部18に圧入されると共に、上側筒金具120の小径部126が外周筒金具26に外挿されることにより、第二の可撓性ゴム膜80の一体加硫成形品が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に組み付けられる。この状態で、第二の可撓性ゴム膜80とシールゴム132の境界部分に形成された段差面に対して、外周筒金具26のフランジ状部30の外周縁部が当接せしめられていると共に、上側筒金具120の段差部124が外周筒金具26の下側フランジ部102の外周部分に重ね合わせられている。
次に、下側筒金具122の大径筒部136が上側筒金具120の大径部128に内挿されることにより、下側筒金具122が上側筒金具120の大径部128側に組み付けられる。なお、この状態で、下側筒金具122の大径筒部136はシールゴム突起116に外挿されていると共に、下側筒金具122の軸方向上端面は外周筒金具26の下側フランジ部102に重ね合わせられている。
そして、上述の如く下側筒金具122が上側筒金具120に組み付けられた状態で、上側筒金具120に対して、八方絞り等の絞り加工が施される。これにより、外周筒金具26のフランジ状部30と上側筒金具120の間及びゴム壁106と上側筒金具120の間で、シールゴム132が挟圧されている。
また、下側筒金具122の段差部134に対して、上側筒金具120のかしめ部130がかしめ固定される。これにより、上側筒金具120と下側筒金具122が固定されて、アウタ筒金具118が構成されている。そして、この状態で、シールゴム突起116は、下側筒金具122の段差部134と大径筒部136に対して、流体密に重ね合わせられる。なお、アウタ筒金具118は、図示しないブラケットを介して、車両ボデーに取り付けられるようになっている。
このようにしてアウタ筒金具118が本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に組み付けられることにより、本体ゴム弾性体16と第一の可撓性ゴム膜38の対向面間に形成された流体室42には、仕切部材142が収容配置されている。
そこにおいて、本実施形態の仕切部材142は、仕切部材本体144と蓋金具146を備えている。
仕切部材本体144は、鉄やアルミニウム合金等の金属材や合成樹脂等の硬質材によって形成されており、全体として厚肉の円板形状を呈している。また、仕切部材本体144の上端部には、径方向外方に向かって突出する円環板状部147が一体形成されている。更に、仕切部材本体144の径方向中央部分には、上端面に開口する円形の収容凹所148が形成されている。更にまた、仕切部材本体144の外周部分には、上端面に開口して略一定の断面形状で周方向に一周弱の長さで延びる凹溝150が形成されている。そこにおいて、凹溝150の周方向一方の端部は、底壁に形成された連通孔152を通じて、仕切部材本体144の下面に開口せしめられている。
一方、蓋金具146は、薄肉の略円板形状を呈しており、鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成されている。また、蓋金具146の径方向中間部分には、連通孔154が形成されている。
そして、蓋金具146は、仕切部材本体144の上端面に重ね合わせられる。この状態で、蓋金具146に形成された連通孔154は、仕切部材本体144に形成された凹溝150の周方向他端部分の上方に位置せしめられている。これにより、凹溝150は、連通孔154を通じて、蓋金具146の上面に開口せしめられている。
なお、図面では明示されていないが、例えば、仕切部材本体144の上端面に突設された係止突起と蓋金具146に形成された係止孔を係止させることにより、仕切部材本体144と蓋金具146が相互に係止固定されるようになっていても良いし、例えば、接着剤等を用いて、仕切部材本体144と蓋金具146を接着固定しても良い。これにより、蓋金具146と仕切部材本体144が周方向で位置合わせされるようになっている。
上述の如く仕切部材本体144と蓋金具146が重ね合わせられることにより、仕切部材本体144に形成された収容凹所148の開口部が蓋金具146で覆蓋されている。これにより、収容凹所148を利用して、仕切部材本体144と蓋金具146の対向面間に収容領域70が形成されている。
そして、収容領域70には、外周支持部74と中央支持部76がそれぞれ仕切部材本体144と蓋金具146の対向面間において挟圧支持された状態で、可動ゴム板72が収容配置されている。また、かかる状態下、可動ゴム板72の外周支持部74と中央支持部76の径方向間に形成された薄肉部分が、収容領域70の天壁部及び底壁部(上下の壁部)に形成された透孔78を通じて外部に露出されている。
このような構造とされた仕切部材は、その外周縁部(蓋金具146の外周部分と仕切部材本体144の円環板状部147)が、外周筒金具26の下側フランジ状部30と下側筒金具122の段差部134に挟まれた状態で、下側筒金具122の段差部134と共に、上側筒金具120のかしめ部130でかしめ固定されることにより、流体室42内で軸直角方向に広がるように配設されている。なお、かかる状態下、仕切部材142の外周縁部と下側フランジ部102の間で被覆ゴム層114が挟圧されていると共に、仕切部材142の外周縁部と段差部134の間でシールゴム140が挟圧されている。
そして、このように仕切部材142が流体室42内で軸直角方向に広がるように配設されることで、流体室42が仕切部材142を挟んだ両側に二分されており、仕切部材142を挟んだ一方の側には、受圧室86が形成されていると共に、他方の側には、第一の平衡室88が形成されている。
また、上述の如く仕切部材142が流体室42内に配設されることにより、仕切部材本体144に形成された凹溝150の開口が蓋金具146で流体密に覆蓋されて、仕切部材142の外周部分をアウタ筒金具118に沿って周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。かかるトンネル状の流路は、蓋金具146に形成された連通孔154を通じて受圧室86に接続されていると共に、仕切部材本体144に形成された連通孔152を通じて第一の平衡室88に接続されている。即ち、凹溝150を利用して形成されたトンネル状の流路を含んで、受圧室86と第一の平衡室88を相互に連通する第一のオリフィス通路90が形成されている。
さらに、前述の如く本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品にアウタ筒金具118が組み付けられることにより、本体ゴム弾性体16と第二の可撓性ゴム膜80の間には、第二の平衡室92が形成されている。
更にまた、前述の如く本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対してアウタ筒金具118が組み付けられることで、周方向溝108の開口がアウタ筒金具118で覆蓋されて、アウタ筒金具118に沿って周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。かかるトンネル状の流路は、外周筒金具26に形成された連通孔112を通じて受圧室86に接続されていると共に、外周筒金具26のフランジ状部30に形成された開口窓110を通じて第二の平衡室92に接続されている。即ち、周方向溝108を利用して形成されたトンネル状の流路を含んで、受圧室86と第二の平衡室92を相互に連通する第二のオリフィス通路96が形成されている。
そして、第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路96は、それぞれ、エンジンシェイクに相当する低周波数域で且つ僅かに異なる周波数域にチューニングされている。
このような構造とされたエンジンマウントにおいても、本体ゴム弾性体16を軸方向に挟んで第一の平衡室88と第二の平衡室92が形成されていることから、第一の実施形態と同様な効果を得ることが出来る。
また、本実施形態では、第二のオリフィス通路96が、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品を構成する外周筒金具26と、本体ゴム弾性体16と一体形成されたゴム壁106で構成された周方向溝108を利用して形成されていることから、第二のオリフィス通路96を形成するための特別な部品を別途設ける必要がなくなる。その結果、必要な部品点数を少なくすることが出来る。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一及び第二の実施形態において、可動ゴム板72は必ず必要なものではない。
また、前記第一及び第二の実施形態において、可動ゴム板72の中央部分は挟圧支持されている必要は必ずしもない。
さらに、前記第一及び第二の実施形態において、外周部分が挟圧支持されている可動ゴム板72の代わりに、可動部材として、収容領域70内で板厚方向に微小変位可能に収容配置されて、微小変位による液圧吸収作用が発揮されるようになっていると共に、最大変位状態で可動部材を挟んだ両側での流体の流動を阻止するようにされた可動板を採用することも可能である。可動部材として可動板を採用する場合、可動板は、ゴム弾性体の他、合成樹脂等の硬質板でも形成可能である。合成樹脂等の硬質板で可動板を形成する場合には、可動板と収容領域70の内面との当接面においてゴム等の緩衝突起を形成することが望ましい。これにより、当接時の打音を抑えることが出来る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:エンジンマウント,12:インナ金具,14:アウタ筒金具,16:本体ゴム弾性体,38:第一の可撓性ゴム膜,44:仕切部材,80:第二の可撓性ゴム膜,86:受圧室,88:第一の平衡室,90:第一のオリフィス通路,92:第二の平衡室,96:第二のオリフィス通路,100:エンジンマウント,118:アウタ筒金具,142:仕切部材