JP5800063B2 - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents
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Description
但し、前述の先発明の構造の場合、前記被駆動側カム面23の構造(前記各被駆動側連続面24、24の構造)だけでなく、駆動側カム面20の構造(前記各駆動側連続面29、29の構造)も、前述した様に規制しなければならない。この為、製造コストが嵩んでしまう可能性がある。
このうちのステアリングシャフトは、後端部にステアリングホイールを固定する。
又、前記ステアリングコラムは、前記ステアリングシャフトの周囲に設けられてこのステアリングシャフトを回転自在に支持している。
又、前記コラム側ブラケットは、前記ステアリングコラムの軸方向中間部に固設されている。
又、前記車体側ブラケットは、上部に設けられた取付板部及びこの取付板部から下方に垂れ下がった1対の支持板部を有し、これら両支持板部により前記コラム側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で、前記取付板部により車体に対し支持される。
又、前記両車体側通孔は、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられている。尚、ステアリングホイールの位置調節装置が、ステアリングホイールの高さ位置を調節する為のチルト機能を有する場合には、前記両車体側通孔を、上下方向に長い長孔とする。
又、前記両コラム側通孔は、前記コラム側ブラケットの一部で前記両車体側通孔と整合する部分に、幅方向に貫通する状態で形成されている。尚、ステアリングホイールの位置調節装置が、ステアリングホイールの前後位置を調節する為のテレスコピック機能を有する場合には、前記両コラム側通孔を、前後方向に長い長孔とする。
又、前記杆状部材は、前記両車体側通孔及び前記両コラム側通孔を幅方向に挿通している。
又、前記押圧部材は、この杆状部材の一端部で前記両支持板部のうちの一方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
又、前記被駆動カムは、前記杆状部材の中間部他端寄り部分で前記両支持板部のうちの他方の支持板部の幅方向外側面から突出した部分に、前記杆状部材に対する軸方向の相対変位を可能に外嵌されており、幅方向外側面に被駆動側カム面を有する。
又、前記駆動カムは、前記杆状部材の他端部に、前記他方の支持板から離れる方向への変位を阻止した状態で外嵌されており、幅方向内側面に形成した駆動側カム面と、前記被駆動側カム面とを係合させている。尚、前記駆動カムは、前記杆状部材に対して、相対回転可能、或いはこの杆状部材と同期した回転を可能な状態で外嵌する事ができる。
又、前記調節レバーは、前記駆動カムにその基端部を結合している。
又、前記被駆動側カム面と前記駆動側カム面とのうちの何れか一方を第一のカム面とし、他方を第二のカム面とした場合に、この第一のカム面は、複数個の第一の凹面と、これら各第一の凹面の円周方向に関する間部分に設けられ、これら各第一の凹面よりも前記第二のカム面側に突出した状態で設けられた第一の凸面と、これら各第一の凹面と、前記各第一の凸面とを円周方向に連続する第一の連続面とを有する。
一方、前記第二のカム面は、複数個の第二の凹面と、これら各第二の凹面の円周方向に関する間部分に設けられ、これら各第二の凹面よりも前記第一のカム面側に突出した状態で設けられた第二の凸面とを有する。
このうちの各内側連続面は、前記各第一の凹面の円周方向一端縁と、前記各第一の凸面の円周方向他端縁とを連続する傾斜面であり、前記ステアリングホイールの位置を調整可能な状態から、この位置を保持できる状態に移行する際、前記第二のカム面と摺接する。
又、前記各外側連続面は、前記各第一の凸面寄り部分が、これら各第一の凸面の円周方向他端縁と滑らかに連続しており、前記各内側連続面と円周方向に整合する位置の前記各第一の凹面からの前記第二のカム面側への突出量が、当該位置の、前記各内側連続面のこの他方のカム面側への突出量よりも小さい。この様にして、前記ステアリングホイールの位置を調整可能な状態から、この位置を保持できる状態に移行する際、前記第二のカム面と摺接しない様に構成している。
又、前記各外側連続面が前記各第一の凸面と連続する位置Xの円周方向に関する位相が、前記各内側連続面がこれら各第一の凸面と連続する位置Yの円周方向に関する位相よりも円周方向一方にずれている。
更に、前記各第一の凸面に、前記各第二の凸面が乗り上げる際、これら各第二の凸面のうちの、前記各内側連続面と対向する部分が、同じく前記各外側連続面と対向する部分よりも先に、前記各第一の凸面に乗り上げる。
尚、前記被駆動側カム面を、前記第一のカム面とする場合には、円周方向に関して、ステアリングホイールを調節後の高さ位置に保持する為の前記調節レバーの操作に基づいて、前記駆動カムが回転する方向を円周方向一方とし、反対方向を円周方向他方とする。一方、この駆動カムを、前記第一のカム面とする場合には、円周方向に関して、ステアリングホイールを調節後の高さ位置に保持する為の前記調節レバーの操作に基づいて、前記駆動カムが回転する方向を円周方向他方とし、反対方向を円周方向一方とする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、請求項3に記載した発明の様に、前記各内側連続面を、複数の傾斜面で構成し、これら各傾斜面の、これら各傾斜面を形成したカムの中心軸に直交する方向に存在する仮想平面に対する傾斜角度を、前記各被駆動側凸面に近い傾斜面程、小さくする。
先ず、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する為に調節レバーに加える操作トルクを小さくできる理由は、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する為の前記調節レバーの操作に基づいて、第二のカム面の各第二の凸面が、第一のカム面の各第一の凹面と対向した状態(ステアリングホイールの位置を調節可能な状態)から、前記第一のカム面の各第一の連続面のうちの各内側連続面のみと摺接した状態でこれら各内側連続面を上る様にして、前記第一のカム面の各第一の凸面と当接した(突き当たった)状態(ステアリングホイールを調節後の位置に保持できる状態)にまで変位するからである。即ち、前記操作の際、前記第二のカム面と、前記第一のカム面とが接触する部分(摩擦部分)を前記各内側連続面のみに限定する事により、この摩擦部分の前記駆動カムの回転中心からの距離(回転半径)を小さくして、摩擦抵抗と摩擦部分の回転半径との積で表されるモーメントを小さく抑えられる。この為、前記操作の際、前記調節レバーに加える操作トルクを小さくできる。
特に本例のステアリングホイールの位置調節装置の場合、前記被駆動側カム面23aが、円周方向複数箇所(本例の場合4箇所)に設けられた被駆動側凹面21a、21a(特許請求の範囲の第一の凹面に相当)と、円周方向複数箇所(本例の場合4箇所)に設けられた被駆動側凸面22a、22a(特許請求の範囲の第一の凸面に相当)と、円周方向複数箇所(本例の場合4箇所)に設けられた被駆動側連続面24a、24a(特許請求の範囲の第一の連続面に相当)とを有する。尚、前記被駆動側凹、凸両面21a、22aの数は、本例の構造に限定されるものではない。
又、前記各被駆動側凸面22a、22aは、円周方向に隣り合う前記各被駆動側凹面21a、21a同士の間部分に形成されており、それぞれがこれら各被駆動側凹面21a、21aよりも、幅方向外方{組み付け状態に於ける前記駆動カム16aの駆動側カム面20a(特許請求の範囲の第二のカム面に相当)側で、図1の上側}に突出した状態で、径方向外方に向かう程円周方向に関する幅が大きくなる略扇形の平坦面である。又、前記各被駆動側凸面22a、22aの径方向外端寄りの円周方向一端部{ステアリングホイールを調節後の高さ位置に保持する為の調節レバー14(図5、6参照)の操作に基づいて、駆動カム16aが回転する方向であって、図1の反時計方向、図2の時計方向、図3、4の左方向}に、前記各被駆動側凸面22a、22aよりも幅方向外方に突出した状態で、回り止め凸部30、30を形成している。この様な回り止め凸部30、30は、後述する駆動カム16aの各駆動側凹面18a、18aの円周方向他端と、各駆動側凸面19a、19aの円周方向一端とを連続する駆動側連続面29a、29aと当接(係合)する事により、前記駆動カム16aの、前記被駆動カム17aに対する円周方向一方への、それ以上の相対回転を阻止する{図4(c)参照}。
この駆動側カム面20aは、円周方向複数箇所(本例の場合4箇所)に設けられた駆動側凹面18a、18a(特許請求の範囲の第二の凹面に相当)と、それぞれがこれら各駆動側凹面18a、18aよりも組み付け状態に於ける幅方向内方{組み付け状態に於ける前記被駆動カム17aの被駆動側カム面23a側で、図2の上側}に突出した駆動側凸面19a、19a(特許請求の範囲の第二の凸面に相当)とを、円周方向に交互に形成して成る。尚、前記駆動側凹、凸各面18a、19aの数は、前記被駆動側凹、凸各面21a、22aの数と同じであれば良く、本例の場合に限定されるものではない。
先ず、ステアリングホイールを調節後の高さ位置に保持する為に前記調節レバー14に加える操作トルクを小さくできる理由は、ステアリングホイールを調節後の高さ位置に保持する為の前記調節レバー14の操作に基づいて、図4(a)に示す様な、前記駆動側カム面20aの各駆動側凸面19a、19aが、前記各被駆動側カム面23aの各被駆動側凹面21a、21aと対向した状態(ステアリングホイールの高さ位置を調節可能な状態)から、図4(b)に示す様に、前記各被駆動側連続面24a、24aのうちの各内側連続面31、31のみと摺接した状態で、これら各内側連続面31、31を上る様にして、図4(c)に示す様な、前記各被駆動側凸面22a、22aと当接した(突き当たった)状態(ステアリングホイールを調節後の高さ位置に保持できる状態)にまで変位するからである。
即ち、前記操作の際、前記駆動側カム面20aと、前記被駆動側カム面23aとが接触する部分(摩擦部分)を前記各内側連続面31、31のみに限定する事により、この摩擦部分の前記駆動カム16aの回転中心からの距離(回転半径)を小さくして、摩擦抵抗と摩擦部分の回転半径との積で表されるモーメントを小さく抑えられる。この為、前記操作の際、前記調節レバー14に加える操作トルクを小さくできる。
テレスコピック機能を備えた構造を実施する場合には、ステアリングコラムを、インナコラムとアウタコラムとを伸縮可能に組み合わせて構成し、変位ブラケットを、インナコラムとアウタコラムとのうちの後側に配置されて、ステアリングホイールの前後位置調節に伴って前後方向に変位するコラムに固定する。そして、変位ブラケットに形成した通孔を、軸方向に長い長孔とする。
又、本発明のステアリングホイールの位置調節装置を構成するカム装置15及び調節レバー14を設ける位置は、図6に示す従来構造と同様の位置に限定されず、車体側ブラケット5の一方(図6の右方)の支持板部7の幅方向外側に設ける事もできる。この様な構成を採用する場合には、押圧部材を、前記杆状部材12の他端部に設けた頭部38(図6参照)により構成する。
2 ステアリングコラム
3 前側車体側ブラケット
4 チルト軸
5 後側車体側ブラケット
6 取付板部
7 支持板部
8 チルト用長孔
9 変位ブラケット
10 被挟持部
11 通孔
12 杆状部材
13 押圧部材
14 調節レバー
15 カム装置
16、16a 駆動カム
17、17a 被駆動カム
18、18a 駆動側凹面
19、19a 駆動側凸面
20、20a 駆動側カム面
21、21a 被駆動側凹面
22、22a 被駆動側凸面
23、23a 被駆動側カム面
24、24a 被駆動側連続面
25 係合凸部
26a、26b 傾斜面
27 平坦面
28 段部
29、29a、29b 駆動側連続面
30 回り止め凸部
31 内側連続面
32 外側連続面
33 傾斜面
34 平坦面
35 第一の傾斜面
36 第二の傾斜面
37 凹部
38 頭部
Claims (3)
- 端部にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトと、
このステアリングシャフトの周囲に設けられてこのステアリングシャフトを回転自在に支持したステアリングコラムと、
このステアリングコラムの軸方向中間部に固設されたコラム側ブラケットと、
上部に設けられた取付板部及びこの取付板部から下方に垂れ下がった1対の支持板部を有し、これら両支持板部により前記コラム側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で、前記取付板部により車体に対し支持される車体側ブラケットと、
前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられた、1対の車体側通孔と、
前記コラム側ブラケットの一部でこれら両車体側通孔と整合する部分に、幅方向に貫通する状態で形成された1対のコラム側通孔と、
前記両車体側通孔及びこれら両コラム側通孔を幅方向に挿通した杆状部材と、
この杆状部材の一端部で前記両支持板部のうちの一方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられた押圧部材と、
前記杆状部材の中間部他端寄り部分で前記両支持板部のうちの他方の支持板部の幅方向外側面から突出した部分に、前記杆状部材に対する軸方向の相対変位を可能に外嵌されており、幅方向外側面に被駆動側カム面を設けた被駆動カムと、
前記杆状部材の他端部に、前記他方の支持板から離れる方向への変位を阻止した状態で外嵌され、幅方向内側面に形成した駆動側カム面と、前記被駆動側カム面とを係合させた駆動カムと、
この駆動カムにその基端部を結合した調節レバーとを備え、
前記被駆動側カム面と前記駆動側カム面とのうちの何れか一方を第一のカム面とし、他方を第二のカム面とした場合に、この第一のカム面は、複数個の第一の凹面と、これら各第一の凹面の円周方向に関する間部分に設けられ、これら各第一の凹面よりも前記第二のカム面側に突出した状態で設けられた第一の凸面と、これら各第一の凹面と前記各第一の凸面とを円周方向に連続する第一の連続面とを有し、
前記第二のカム面は、複数個の第二の凹面と、これら各第二の凹面の円周方向に関する間部分に設けられ、これら各第二の凹面よりも前記第一のカム面側に突出した状態で設けられた第二の凸面とを有するステアリングホイールの位置調節装置に於いて、
前記各第一の連続面は、径方向内側に設けられた内側連続面と、径方向外側に設けられた外側連続面とから成り、
このうちの各内側連続面は、前記各第一の凹面の円周方向一端縁と、前記各第一の凸面の円周方向他端縁とを連続する傾斜面であり、前記ステアリングホイールの位置を調整可能な状態から、この位置を保持できる状態に移行する際、前記第二のカム面と摺接し、
前記各外側連続面は、前記各第一の凸面寄り部分が、これら各第一の凸面の円周方向他端縁と滑らかに連続しており、前記各内側連続面と円周方向に整合する位置の前記各第一の凹面からの前記第二のカム面側への突出量が、当該位置の、前記各内側連続面の前記第二のカム面側への突出量よりも小さく、
前記各外側連続面が、前記各第一の凸面と連続する位置Xの円周方向に関する位相が、前記各内側連続面が、これら各第一の凸面と連続する位置Yの円周方向に関する位相よりも円周方向一方にずれており、
前記各第一の凸面に、前記各第二の凸面が乗り上げる際、これら各第二の凸面のうちの、前記各内側連続面と対向する部分が、同じく前記各外側連続面と対向する部分よりも先に、前記各第一の凸面に乗り上げる事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。 - 前記各第一の凸面に、前記第二のカム面の一部と係合する事により、前記駆動カムが、前記被駆動カムに対して、それ以上円周方向一方に回転する事を阻止する為の、回り止め凸部を設けている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
- 前記各内側連続面が、複数の傾斜面で構成されており、これら各傾斜面の、これら各傾斜面を形成したカムの中心軸に直交する方向に存在する仮想平面に対する傾斜角度が、前記各第一の凸面に近い傾斜面程、小さくなる、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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