JP6648632B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば自動車を操舵する為のステアリングホイールの上下位置を調節可能とする機能を備えたステアリング装置の改良に関する。
自動車用ステアリング装置は、図11に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。
上述の様なステアリング装置で、運転者の体格や運転姿勢に応じて、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構や、前後位置を調節する為のテレスコピック機構を備える事が、従来から考えられている(例えば特許文献1参照)。図示の構造では、チルト機構を構成する為に、前記ステアリングコラム6の前端部に固定したハウジング10の上部前端部を車体11に対し、幅方向(幅方向とは、車体の幅方向を言い、左右方向と一致する。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置したチルト軸12により、揺動変位を可能に支持している。又、前記ステアリングコラム6の軸方向中間部下面に、変位ブラケット13を設けると共に、この変位ブラケット13を幅方向両側から挟む状態で、支持ブラケット14を設けている。そして、この支持ブラケット14を構成する左右1対の支持板部22、22のそれぞれに、上下方向に長いチルト調節用長孔15を、前記変位ブラケット13のうちで、これら両チルト調節用長孔15の一部に整合する部分にテレスコ調節用孔16を、それぞれ形成している。そして、前記両チルト調節用長孔15及びこのテレスコ調節用長孔16を幅方向に挿通する状態で、調節ロッド17を挿入している。又、前記テレスコピック機構を構成する為に、前記ステアリングシャフト5及びステアリングコラム6を伸縮可能な構造とすると共に、前記テレスコ調節用長孔16を前後方向に長い長孔としている。そして、前記調節ロッド17の一端部に設けた図示しない調節レバーを操作する事で、前記支持ブラケット14により前記変位ブラケット13を幅方向両側から挟持する力を調節し、ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態(アンロック状態)と、調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)とを切り替えられる様にしている。
上述の様なステアリング装置のより具体的な構造に就いて、図12、13を参照しつつ説明する。
ステアリングコラム6は、後側に配置したアウタコラム18の前部と、前側に配置したインナコラム19の後部とを摺動可能に嵌合させて、全長を伸縮可能にしている。このうち、例えば軽合金をダイキャスト成形する事により造ったアウタコラム18の前部にスリット20を設けて、この前部の内径を弾性的に拡縮可能としている。又、このスリット20を左右両側から挟む部分に左右1対の被挟持部21、21を設け、これら1対の被挟持部21、21により変位ブラケット13を構成している。又、これら1対の被挟持部21、21には、前後方向に長いテレスコ調節用長孔16、16を形成している。又、支持ブラケット14に設けられた左右1対の支持板部22、22を、前記変位ブラケット13を左右両側から挟持する部分に配置すると共に、これら1対の支持板部22、22のそれぞれに、チルト軸12(図11参照)を中心とする部分円弧状で上下方向に長い、チルト調節用長孔15、15を形成している。そして、これら両チルト調節用長孔15、15及び前記両テレスコ調節用長孔16、16に、調節ロッド17を幅方向に挿通している。
更に、前記調節ロッド17の軸方向一端部(図13の左端部)に調節レバー23を、軸方向他端部(図13の右端部)にナット24を、軸方向中間部一端寄り部分にスラストベアリング26、及び駆動側カム27と被駆動側カム28とにより構成されるカム装置29を、それぞれ設け、前記調節レバー23の揺動に基づいて前記1対の支持板部22、22の内側面同士の間隔を拡縮する様に構成している。
前記ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、前記調節レバー23を所定方向(一般的には下方)に揺動させて、前記駆動側カム27を、アンロック状態に切り替える際の回転方向であるアンロック方向に回転させる。そして、前記カム装置29の軸方向寸法を縮め、前記被駆動側カム28と前記ナット24との間隔を拡げる。この結果、前記1対の支持板部22、22の内側面と前記1対の被挟持部21、21の外側面との当接部の面圧が低下乃至は喪失すると同時に、前記アウタコラム18の前端部の内径が弾性的に拡がり、このアウタコラム18の前端部内周面と前記インナコラム19の後端部外周面との当接部の面圧が低下する。この状態で、前記調節ロッド17が前記両チルト調節用長孔15、15及び前記両テレスコ調節用長孔16、16内で動ける範囲で、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節できる。
前記ステアリングホイール1を所望位置に保持するには、このステアリングホイール1をこの所望位置に移動させた後、前記調節レバー23を逆方向(一般的には上方)に揺動させる。これにより、前記駆動側カム27を、ロック状態に切り替える際の回転方向であるロック方向に回転させる。そして、前記カム装置29の軸方向寸法を拡げ、前記1対の支持板部22、22の内側面同士の間隔を縮める。この状態で、これら1対の支持板部22、22の内側面と前記1対の被挟持部21、21の外側面との当接部の面圧が上昇すると同時に、前記アウタコラム18の前端部の内径が弾性的に縮まり、このアウタコラム18の前端部内周面と前記インナコラム19の後端部外周面との当接部の面圧が上昇して、前記ステアリングホイール1を、調節後の位置に保持できる。
以上の様な構成を有するステアリング装置は、前記1対の支持板部22、22と前記1対の被挟持部21、21との間等に作用する摩擦力により、前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節後の位置に保持しているが、例えば、二次衝突時等の運転者の保護の充実を図る面から、前記ステアリングホイール1の位置をより強固に保持できる構造が求められている。
特開2009−227181号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ステアリングホイールの上下位置を調節後の位置に保持可能な状態に於いて、このステアリングホイールの位置を強固に保持できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリング装置は、支持ブラケットと、チルト位置調節機構とを備えている。
このうちの支持ブラケットは、車体に取り付けられた状態でステアリングコラムを支持する為のものであり、このステアリングコラムの幅方向側方に配置される支持板部を有している。
前記チルト位置調節機構は、前記支持ブラケットに対する前記ステアリングコラムのチルト位置を調節可能とするものである。
この様なチルト位置調節機構は、チルト調節用長孔と、調節ロッドと、可動部材とにより構成されている。
このうちのチルト調節用長孔は、前記支持板部に、チルト位置調節方向である上下方向に伸長する状態で形成されている。
前記調節ロッドは、前記チルト調節用長孔を幅方向に挿通した状態で、前記ステアリングコラムと共にチルト位置調節方向である上下方向に変位可能な状態で設けられている。前記可動部材は、前記調節ロッドに前記支持板部に対する幅方向の変位を可能な状態に支持されている。
そして、前記支持板部に対して前記可動部材を幅方向に変位させる事に基づいて、前記チルト位置を調節可能なアンロック状態と、このチルト位置を調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能としている。
以上の様な構成を有する本発明のステアリング装置を実施する場合には、具体的には、
前記支持ブラケットとして、前記ステアリングコラムの一部に固設された変位側ブラケットを幅方向両側から挟む状態で設けられた1対の支持板部を有し、これら1対の支持板部の互いに整合する部分に上下方向に伸長した状態で形成されたチルト調節用長孔が形成された構成を採用できる。
この様な構成を採用した場合には、具体的に、前記変位側ブラケットとして、幅方向に貫通する状態でコラム側通孔が形成されている構成のものを採用できる。
この様な構成を採用した場合には、具体的に、前記調節ロッドを、前記コラム側通孔及び前記チルト調節用長孔を幅方向に挿通した状態で設ける構成を採用できる。
又、上述の様な構成を採用した場合には、具体的に、前記調節ロッドの両端部で前記1対の支持板部の外側面から突出した部分に、1対の押圧部を設ける構成を採用できる。
又、上述の様な構成を採用した場合には、具体的に、自身の幅方向の拡縮により、前記ロック状態と前記アンロック状態とを切り替え可能な拡縮装置(例えば、カム装置)を設ける。
特に、本発明のステアリング装置の場合、前記支持板部のうちで前記チルト調節用長孔に対して前後方向両側のうちの少なくとも一方の側に隣接する部分に弾性変形可能部が設けられていると共に、前記チルト調節用長孔の前後方向両側縁部のうち、前記弾性変形可能部が設けられた側の側縁部に、固定側係合面が設けられている。
又、前記可動部材に、可動側係合面が設けられている。
そして、前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替わる際、前記弾性変形可能部が前記可動部材に押されて弾性変形し、前記チルト調節用長孔の前後方向に関する寸法が縮む事により、前記ロック状態で前記固定側係合面と前記可動側係合面とが、締め代を有する状態で摩擦係合する。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、前記固定側係合面が、幅方向に関して前記可動部材側に向かうほど、前後方向に関して前記チルト調節用長孔の中央部から離れる方向に傾斜した第一の固定側係合面を有している構成を採用できる。
この様な構成を採用した場合には、具体的に、前記可動側係合面が、幅方向に関して前記支持板部側に向かうほど、前後方向に関して前記チルト調節用長孔の中央部に近付く方向に傾斜している構成を採用できる。
そして、この様な構成を採用した場合には、具体的に、ロック状態で、前記第一の固定側係合面と前記可動側係合面とを面接触で摩擦係合させる。
上述の様な請求項2に記載した発明を実施する場合には、具体的に、請求項3に記載した発明の様に、前記固定側係合面が、前記第一の固定側係合面と傾斜角度が異なる第二の固定側係合面を有している構成を採用できる。
そして、アンロック状態で、前記第二の固定側係合面と前記可動側係合面とを面接触させる。
上述の様な本発明のステアリング装置を実施する場合に、具体的には、請求項4に記載した発明の様に、前記弾性変形可能部を、前記アンロック状態から前記ロック状態への切り換えが行われる際、前後方向に関して前記チルト調節用長孔から離れた側の基端部を中心に、幅方向に揺動する態様で弾性変形するものとする。そして、前記弾性変形可能部のうち、前後方向に関して前記基端部と反対側の端面を、前記固定側係合面とする。
上述の様な本発明のステアリング装置を実施する場合に、具体的には、請求項5に記載した発明の様に、前記弾性変形可能部の基端部のうちの幅方向に関して前記可動部材が配置された側に、上下方向に伸長した凹溝を形成する構成を採用できる。
上述の様な本発明のステアリング装置を実施する場合に、具体的には、請求項6に記載した発明の様に、前記固定側係合面と前記可動側係合面との間に、板ばねを設ける構成を採用できる。この様な構成を採用した場合には、具体的に、この板ばねを、前記アンロック状態で、前記固定側係合面と前記可動側係合面とのうちの一方の係合面側が凸状で、他方の係合面側が凹状の弾性凸部を有するものとする。
そして、前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替わる際、前記弾性凸部が、前記固定側係合面と前記可動側係合面との間で弾性的に押し潰されて、この固定側係合面とこの可動側係合面とが、前記板ばねを介して面接触する様に構成する。
上述の様な本発明のステアリング装置を実施する場合に、具体的には、請求項7に記載した発明の様に、前記弾性変形可能部の弾性変形に基づいて、前記チルト調節用長孔の前後方向に関する寸法が最も短くなる状態が、前記アンロック状態と前記ロック状態との間に存在している構成を採用できる。
上述の様な本発明のステアリング装置を実施する場合に、具体的には、請求項8に記載した発明の様に、前記弾性変形可能部を、前記チルト調節用長孔に対して前後方向両側のうちの一方の側に隣接する部分にのみ設ける構成を採用できる。
或いは、請求項9に記載した発明の様に、前記弾性変形可能部を、前記チルト調節用長孔に対して前後方向両側に隣接する部分に設ける構成を採用できる。
上述の様に構成する本発明のステアリング装置によれば、支持ブラケットに対するステアリングコラムの上下位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)に於いて、このステアリングコラムの位置を強固に保持できる。
即ち、本発明の場合、ロック状態に於いて、可動側係合面と固定側係合面とを締め代を有する状態で摩擦係合させている。この為、ロック状態に於いて、ステアリングホイールを介して前記ステアリングコラムに上下方向の衝撃的な荷重が作用した場合でも、前記摩擦係合に基づいて前記支持ブラケットに対して前記ステアリングコラムが上下方向に変位する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図13と同様の図。 同じく、他方の支持板部を幅方向外側から見た側面図。 同じく、図2のイ−イ断面図。 同じく、ロック機構を説明する為の図2のイ−イ断面に相当する図であって、アンロック状態を示す図(a)と、ロック状態を示す図(b)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、アンロック状態を示す図4(a)のA部に相当する図(a)と、ロック状態を示す図4(b)のB部に相当する図(b)。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図4(b)のB部に相当する図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図4(b)のB部に相当する図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図13と同様の図。 ステアリング装置の従来構造の1例を示す部分側面図。 ステアリング装置の具体的な構造を説明する為の部分側面図。 図12のロ−ロ断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。本例のステアリングホイールの位置調節装置を適用可能なステアリング装置の特徴部分以外の基本的構造は、図11に記載したステアリング装置の構造と同様である。
即ち、本例のステアリングホイールの位置調節装置を適用可能なステアリング装置は、ステアリングホイール1(図11参照)の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って、ラックアンドピニオン機構を介して、左右1対のタイロッド4、4を押し引きし車輪に舵角を付与する。
前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、図11に示す様に、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続しており、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。又、前記ステアリングシャフト5に操舵補助力を付与する為に、前記ステアリングコラム6の前方に動力源となる電動モータ30(図11参照)を設けている。
後端部にステアリングホイール1を支持固定するステアリングシャフト5は、後側(図11の右側)に設けたアウタシャフト31の前端部と、前側(図11の左側)に設けたインナシャフト32の後端部とをスプライン係合させる事により、前記アウタシャフト31の前後位置を調節可能としている。そして、この様なステアリングシャフト5を、前記ステアリングコラム6の内側に、図示しない単列深溝型等の玉軸受により、回転のみ可能に支持している。
前記ステアリングコラム6は、後側に配置したアウタコラム18の前部と、前側に配置したインナコラム19の後部とを摺動可能に嵌合させて、全長を伸縮可能にしている。このうち、例えば軽合金をダイキャスト成形する事により造ったアウタコラム18の前部且つ下端部にスリット20を設けて、この前部の内径を弾性的に拡縮可能としている。又、このスリット20を左右両側から挟む部分に左右1対の被挟持部21、21を設け、これら1対の被挟持部21、21により変位ブラケット13を構成している。この様な1対の被挟持部21、21には、前後方向に長いテレスコ調節用長孔16、16を形成している。尚、変位ブラケットを、アウタコラムの前端部且つ上端部に設ける構成を採用する事もできる。
又、前記ステアリングコラム6(前記インナコラム19)の前端部には、ハウジング10(図11参照)を固定しており、このハウジング10の上部前端部を、車体11に対し、幅方向に配置したチルト軸12により、このチルト軸12を中心とした上下方向の揺動を可能な状態で支持している。又、前記ハウジング10内には、電動アシスト機構を構成する、図示しないウォーム及びウォームホイールを備えたウォーム式減速機等を配置している。そして、前記インナシャフト32に作用するトルクに基づき、前記ウォームを、前記ハウジング10に固定した前記電動モータ30により回転駆動する事で、前記ステアリングシャフト5に操舵補助力を付与する様にしている。
又、前記変位ブラケット13を幅方向両側から挟む状態で、支持ブラケット14aを設けている。この支持ブラケット14aは、上部に設けられた取付板部33と、この取付板部33から下方に垂れ下がった左右1対の支持板部22a、22bとを備えている。本例の場合、これら1対の支持板部22a、22bの上端縁をそれぞれ、前記取付板部33の下面のうちの幅方向に離隔した2箇所位置に溶接により固定している。この様な支持ブラケット14aは、前記取付板部33により、前記車体に対し1対の離脱カプセル34、34を介して、二次衝突時に前方への離脱を可能に支持されている。
又、前記1対の支持板部22a、22bには、前記チルト軸12を中心とする部分円弧状で上下方向に長い、1対のチルト調節用長孔15a、15bを形成している。尚、これら1対のチルト調節用長孔15a、15bは、部分円弧状ではなく、上方に向かうほど後方に向かう方向の直線状に形成する事もできる。
以上の構成により、前記チルト軸12を中心とする、前記ステアリングシャフト5及び前記ステアリングコラム6の揺動変位に基づいて、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節可能とすると共に、前記ステアリングシャフト5及び前記ステアリングコラム6の伸縮に基づいて、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節可能としている。
本例の場合、前記1対の支持板部22a、22bのうちの他方(図1の左方)の支持板部22bに形成されたチルト調節用長孔15bの前側に隣接する部分に前側弾性変形部35を、同じく後側に隣接する部分に後側弾性変形部36を、それぞれ設けている。これら前側、後側弾性変形部35、36のそれぞれが、特許請求の範囲に記載した弾性変形可能部に相当する。この様な前側、後側弾性変形部35、36は、それぞれの基端部39、42を中心として幅方向に揺動可能である。この様な前側弾性変形部35の後側縁は、前記チルト調節用長孔15bの前側縁を、前記後側弾性変形部36の前側縁は、このチルト調節用長孔15bの後側縁を、それぞれ構成している。
具体的には、本例の場合、前記他方のチルト調節用長孔15bの前側縁の上端縁及び下端縁から前方に伸長した状態で、1対の前側スリット37a、37bを形成している。そして、前記他方の支持板部22bのうち、前記チルト調節用長孔15bの前側縁の前側、且つ、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に関して前記1対の前側スリット37a、37b同士の間に位置する部分を、前記前側弾性変形部35としている。又、前記他方の支持板部22bの幅方向外側面のうち、前記1対の前側スリット37a、37bの前端部と前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に重畳{この形成方向に直交する方向(前後方向)に整合}する部分に、この形成方向に伸長した状態で、断面半円弧状の前側上下方向溝38を形成している。以上の様な構成を有する前側弾性変形部35は、アンロック状態(図3に実線で示す状態)で、基端部39(前記前側上下方向溝38が形成された部分)から後方に向かうほど幅方向外側(図3の上側)に向かう方向に傾斜している。この様な前側弾性変形部35は、前記基端部39を中心に揺動変位する事により、前記アンロック状態での第一の状態と、前記ロック状態(図3に二点鎖線で示す状態)での第二の状態とを切り替え可能である。
一方、前記他方のチルト調節用長孔15bの後側縁の上端縁及び下端縁から後方に伸長した状態で、1対の後側スリット40a、40bを形成している。そして、前記他方の支持板部22bのうち、前記チルト調節用長孔15bの後側縁の後側、且つ、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に関して前記1対の後側スリット40a、40b同士の間に位置する部分を、前記後側弾性変形部36としている。又、前記他方の支持板部22bの幅方向外側面のうち、前記1対の後側スリット40a、40bの後端部と前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に重畳{この形成方向に直交する方向(前後方向)に整合}する部分に、この形成方向に伸長した状態で、断面半円弧状の後側上下方向溝41を形成している。以上の様な構成を有する後側弾性変形部36は、アンロック状態(図3に実線で示す状態)で、基端部42(前記後側上下方向溝41が形成された部分)から前方に向かうほど幅方向外側に向かう方向に傾斜している。この様な後側弾性変形部36は、前記基端部42を中心に揺動変位する事により、前記アンロック状態での第一の状態と、前記ロック状態(図3に二点鎖線で示す状態)での第二の状態とを切り替え可能である。
又、前記前側弾性変形部35の後側縁(前記他方のチルト調節用長孔15bの前側縁)に前方固定側係合面43を形成している。この様な前方固定側係合面43は、特許請求の範囲に記載した固定側係合面を構成するものであり、幅方向外半部に形成された外方固定側係合面44aと、幅方向内半部に形成された内方固定側係合面45aとにより構成されている。尚、本例の場合、前記外方固定側係合面44aが、特許請求の範囲に記載した第一の固定側係合面に、前記内方固定側係合面45aが第二の固定側係合面に、それぞれ相当する。
このうちの外方固定側係合面44aは、ロック状態で、幅方向外側に向かうほど前側に向かう方向に傾斜している(幅方向に平行な仮想平面に対して傾斜している)。又、前記外方固定側係合面44aの、前記他方のチルト調節用長孔15bの前後方向中央部を通り、且つ、幅方向に平行な仮想平面に対する傾斜角度は、アンロック状態で、ロック状態よりも大きい。即ち、前記外方固定側係合面44aの前記仮想平面に対する傾斜角度は、前記前側弾性変形部35の前記基端部39を中心とした揺動変位と共に変化する。
又、前記内方固定側係合面45aは、ロック状態で、幅方向に平行である。一方、アンロック状態では、この内方固定側係合面45aは、幅方向外側に向かうほど前側に向かう方向に傾斜している(前記仮想平面に対して傾斜している)。即ち、前記内方固定側係合面45aに関しても、前記仮想平面に対する傾斜角度が、前記前側弾性変形部35の前記基端部39を中心とした揺動変位と共に変化する。尚、本例の場合、アンロック状態での、前記仮想平面に対する前記内方固定側係合面45aの傾斜角度が、ロック状態での、この仮想平面に対する前記外方固定側係合面44aの傾斜角度と等しい。
又、前記後側弾性変形部36の前側縁(前記他方のチルト調節用長孔15bの後側縁)に、後方固定側係合面46を形成している。この様な後方固定側係合面46は、特許請求の範囲に記載した固定側係合面を構成するものであり、幅方向外半部に形成された外方固定側係合面44bと、幅方向内半部に形成された内方固定側係合面45bとにより構成されている。尚、本例の場合、前記外方固定側係合面44bが、特許請求の範囲に記載した第一の固定側係合面に、前記内方固定側係合面45bが第二の固定側係合面に、それぞれ相当する。
このうちの外方固定側係合面44bは、特許請求の範囲に記載した第一の傾斜面に相当し、ロック状態で、幅方向外側に向かうほど後側に向かう方向に傾斜している(幅方向に平行な仮想平面に対して傾斜している)。又、前記外方固定側係合面44bの、前記他方のチルト調節用長孔15bの前後方向中央部を通り、且つ、幅方向に平行な仮想平面に対する傾斜角度は、アンロック状態で、ロック状態よりも大きい。即ち、前記外方固定側係合面44bの前記仮想平面に対する傾斜角度は、前記後側弾性変形部36の前記基端部42を中心とした揺動変位と共に変化する。
又、前記内方固定側係合面45bは、ロック状態で、幅方向に平行である。一方、アンロック状態では、この内方固定側係合面45bが、幅方向外側に向かうほど前側に向かう方向に傾斜している(前記仮想平面に対して傾斜している)。即ち、前記内方固定側係合面45bに関しても、前記仮想平面に対する傾斜角度が、前記後側弾性変形部36の前記基端部42を中心とした揺動変位と共に変化する。尚、本例の場合、アンロック状態での、前記仮想平面に対する前記内方固定側係合面45bの傾斜角度が、ロック状態での、この仮想平面に対する前記外方固定側係合面44bの傾斜角度と等しい。又、前記前方固定側係合面43と前記後方固定側係合面46とは、前記仮想平面に関して対称な構造を有している。
以上の様な構成を有する前記前方、後方固定側係合面43、46はそれぞれ、前記前側、後側弾性変形部35、36の揺動に基づいて、ロック状態での第一の状態{図3に二点鎖線で示す状態、及び、図4(b)に示す状態}と、前記アンロック状態での第二の状態{図3に実線で示す状態、及び、図4(a)に示す状態}との間を弾性変位により切り替え可能である。
具体的には、前記第二の状態での前記前方、後方固定側係合面43、46は、前記第一の状態でのこれら前方、後方固定側係合面43、46よりも、幅方向外側に位置している。又、前記第一の状態での前記前方、後方固定側係合面43、46同士の前後方向に関する距離のうちの最も小さくなる部分の距離Lは、前記第二の状態での前記前方、後方固定側係合面43、46同士の前後方向に関する距離のうちの最も小さくなる部分の距離Lよりも小さい(L<L)。即ち、前記第二の状態から前記第一の状態へと移行する際、前記前方、後方固定側係合面43、46同士の前後方向に関する距離のうちの最も小さくなる部分の距離は、徐々に小さくなる。
尚、本例の場合、前記前方、後方固定側係合面43、46を、前記外方固定側係合面44a、44bと前記内方固定側係合面45a、45bとの複合傾斜面により構成しているが、単一の傾斜面により構成する事もできる。
そして、前記1対のチルト調節用長孔15a、15b及び前記1対のテレスコ調節用長孔16、16に、調節ロッド17を幅方向に挿通している。
この様な調節ロッド17は、軸方向一端部(図1の右端部)に形成された雄ねじ部(図示省略)と、軸方向他端部(図1の左端部)に形成された頭部47とを有している。
又、本例の場合には、前記調節ロッド17の雄ねじ部に、1対の押圧部のうちの一方の押圧部に相当するナット24aを螺合している。
又、前記調節ロッド17の頭部47と前記1対の支持板部22a、22bのうちの他方(図1の左方)の支持板部22bとの間部分に、幅方向内側から順に、被駆動側カム28a、駆動側カム27、調節レバー23、スラストベアリング26aを配置している。
前記被駆動側カム28aは、1対の押圧部のうちの他方の押圧部に相当すると共に、特許請求の範囲に記載した可動部材に相当し、前記駆動側カム27と共に、特許請求の範囲に記載した拡縮機構に相当するカム装置29aを構成するものである。又、前記被駆動側カム28aは、例えば、焼結金属製で、前記調節ロッド17を挿通する為の中心孔48を有し、全体を略円輪板状としている。又、前記被駆動側カム28aは、幅方向外側面(図1の左側面)に、周方向に関する凹凸面である被駆動側カム面50が形成されている。
一方、前記被駆動側カム28aの幅方向内側面には、幅方向内側に突出したガイド凸部51が形成されている。そして、このガイド凸部51の外周面の前端部及び後端部に、前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に伸長する1対の可動側係合面52a、52bが形成されている。この様な1対の可動側係合面52a、52b同士は、幅方向内側に向かうほど(前記ガイド凸部51の先端縁に向かうほど)互いに近づく方向に傾斜している。
具体的には、本例の場合、前記ガイド凸部51を、前記被駆動側カム28aの幅方向内側面のうちの前記中心孔48を囲む部分から幅方向内側に突出した筒状としている。そして、この様なガイド凸部51の外周面のうちの前端部及び後端部に、前記1対の可動側係合面52a、52bを形成している。この様な1対の可動側係合面52a、52bのうちの一方(前方)の可動側係合面52aは、上下方向の全長に亙り幅方向内側に向かうほど後方に向かう方向に傾斜している。一方、前記1対の可動側係合面52a、52bのうちの他方(後方)の可動側係合面52bは、上下方向の全長に亙り幅方向内側に向かうほど前方に向かう方向に傾斜している。この様な前記1対の可動側係合面52a、52bは、組み付け状態で、前記被駆動側カム28aの中心軸を通り、且つ、前記1対のチルト調節用長孔15a、15bの形成方向(上下方向)に平行な仮想平面に関して対称な形状を有している。又、本例の場合、前記1対の可動側係合面52a、52bの傾斜角度を、アンロック状態での前記内方固定側係合面45a、45bの、前記他方のチルト調節用長孔15bの前後方向中央部を通り、且つ、幅方向に平行な仮想平面に対する傾斜角度、及び、ロック状態での前記外方固定側係合面44a、44bの前記仮想平面に対する傾斜角度と等しくしている。
尚、本例の場合、前記ガイド凸部51の外周面のうち、前記被駆動側カム28aの円周方向に関して前記1対の可動側係合面52a、52b同士の間に存在する部分をそれぞれ、部分円筒面状に形成している。但し、これら各部分の形状は特に限定されるものではない。
又、本例の場合、前記ガイド凸部51を、上述の様な筒状に形成しているが、ガイド凸部の構造は、本例の構造に限定されるものではない。例えば、前記被駆動側カム28aの幅方向内側面のうち、前記中心孔48を前後方向に挟んで離隔した2箇所位置に1対のガイド凸部を形成する構成を採用する事もできる。この様な構成を採用した場合には、これら1対のガイド凸部のうちの一方(前方)のガイド凸部の前側面と、同じく他方(後方)のガイド凸部の後側面とを、幅方向内側に向かうほど互いに近づく方向に傾斜させて、1対の可動側係合面とする。
以上の様な構成を有する前記被駆動側カム28aは、前記調節ロッド17の軸方向他端寄り部分を、前記中心孔48に挿通した状態で、この調節ロッド17に対する相対回転を可能な状態、且つ、幅方向(この調節ロッド17の軸方向)の相対変位を可能な状態に外嵌されている。又、前記ガイド凸部51は、前記他方のチルト調節用長孔15bの内側に配置されている。この状態でこのガイド凸部51の1対の可動側係合面52a、52bのうちの一方の可動側係合面52aが前記前方固定側係合面43に、同じく他方の可動側係合面52bが前記後方固定側係合面46に、それぞれ前後方向に対向している。この様な、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46とにより、ロック機構54を構成している。
具体的には、図4(a)に示すアンロック状態で、前記一方(前方)の可動側係合面52aが、前記前方固定側係合面43の内方固定側係合面45aに、同じく他方(後方)の可動側係合面52bが、前記後方固定側係合面46の内方固定側係合面45bに、それぞれ近接対向又は軽く(前記ステアリングホイール1の上下方向位置を調節する際、大きな抵抗とならない程度に軽く)当接している。この様にして、前記支持ブラケット14aに対する前記変位ブラケット13の上下方向に関する変位を許容している。尚、前記アンロック状態で、前記1対の可動側係合面52a、52bと、前記内方固定側係合面45a、45bとが当接している場合には、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記内方固定側係合面45a、45bとを面接触する様にする。別の言い方をすれば、前記アンロック状態で、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記内方固定側係合面45a、45bとが平行な状態となる様に、前記1対の可動側係合面52a、52bの傾斜角度と、前記内方固定側係合面45a、45bの傾斜角度を規制する。この様にすれば、前記ステアリングホイール1の上下方向の位置を調節する際の摺動を滑らかにできる。
一方、図4(b)に示すロック状態で、前記一方(前方)の可動側係合面52aが、前記前方固定側係合面43の外方固定側係合面44aに、同じく他方(後方)の可動側係合面52bが、前記後方固定側係合面46の外方固定側係合面44bに、それぞれ締め代を有する状態で当接している。この状態で、前記他方のチルト調節用長孔15bに対する前記被駆動側カム28aの、この他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)の変位を阻止できる。この結果、前記支持ブラケット14aに対する前記変位ブラケット13の上下方向に関する変位を阻止する事ができる。
尚、前記ロック機構54を、前記他方の支持板部22bではなく、前記一方の支持板部22aに設ける構成を採用する事もできる。この様な構成を採用する場合には、この一方の支持板部22aに、前記前方、後方固定側係合面43、46に関する構成(前記前側弾性変形部35、前記後側弾性変形部36等の構成)を適用する。又、前記ナット24aの幅方向内側面に、前記被駆動側カム28aのガイド凸部51に相当する凸部を設けて、前記1対のチルト調節用長孔15a、15bのうちの一方のチルト調節用長孔15aと係合させる。この様な構成を採用する場合には、各部分の方向等は適宜調節する。又、本例の場合、前記ロック機構54を、前記他方の支持板部22bにのみ設けているが、前記一方の支持板部22aにのみ、或いは、前記1対の支持板部22a、22bの両方に適用する事もできる。
一方、前記駆動側カム27は、例えば、焼結金属製で、前記調節ロッド17を挿通する為の中心孔49を有し、全体を例えば円輪板状或いは矩形板状としている。又、前記駆動側カム27の幅方向内側面には、周方向に関する凹凸面である、駆動側カム面53が形成されている。又、前記駆動側カム27の幅方向外側面には、幅方向外側に突出した駆動側係合凸部55が設けられている。この様な駆動側カム27は、前記中心孔49に、前記調節ロッド17の軸方向他端寄り部分のうちで、前記被駆動側カム28aを外嵌した部分よりも軸方向他端側部分の外周面に外嵌した状態で組み付けられている。又、この状態で、前記駆動側係合凸部55を、前記調節レバー23の基端部に設けられたレバー側通孔56に係合させている。この様にして、前記駆動側カム27を、前記調節レバー23と一体的に回転可能としている。
本例の場合、以上の様な構成により前記調節レバー23と、前記駆動側カム27とを、同期した(一体的な)回転可能な状態に組み付けている。尚、前記調節ロッド17に関しては、前記調節レバー23及び前記駆動側カム27とは同期して回転しない。但し、前記調節ロッド17を、前記調節レバー23及び前記駆動側カム27と同期した回転を可能に設ける事もできる。
次に、本例のステアリングホイールの位置調節装置の動作に就いて説明する。
前記ステアリングホイール1の上下位置及び前後位置を調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)とする際には、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態(アンロック状態)の前記調節レバー23を、所定方向(一般的には上方であって、以下、ロック方向と言う)に揺動させる。これにより、前記カム装置29aの軸方向寸法を拡げる事で、前記被駆動側カム28aと前記ナット24aとの間隔を縮める。この結果、前記インナコラム19の外周面と前記アウタコラム18の内周面との接触部に作用する摩擦力、及び、前記変位ブラケット13を構成する1対の被挟持部21、21の幅方向外側面と、前記支持ブラケット14aを構成する1対の支持板部22a、22bの幅方向内側面との接触部に作用する摩擦力、及び、これら1対の支持板部22a、22bの幅方向外側面と、前記被駆動側カム28a及び前記ナット24aの幅方向内側面との接触部に作用する摩擦力が、それぞれ増加して、ロック状態となる。
次に、前記ロック機構54の動作に就いて説明する。
上述の動作の際、前記調節レバー23の揺動に伴い前記カム装置29aを構成する駆動側カム27が回転して、前記被駆動側カム28aが幅方向内側{図4(a)の下方}に変位する(前記カム装置29aの軸方向寸法が拡がる)。すると、先ず、前記被駆動側カム28aを構成するガイド凸部51の1対の可動側係合面52a、52bの幅方向内端部が、前記前方、後方固定側係合面43、46を構成する内方固定側係合面45a、45bに当接する。ここから更に、前記被駆動側カム28aが幅方向内側に変位すると、前記1対の可動側係合面52a、52bが、前記前方、後方固定側係合面43、46を幅方向内側に押圧して、前記前側、後側弾性変形部35、36が、それぞれの基端部39、42を中心として幅方向内方に弾性的に揺動変位する。この際、前記ガイド凸部51の1対の可動側係合面52a、52bが、前記前方固定側係合面43と前記後方固定側係合面46とにより画成される空間(前記他方のチルト調節用長孔15bの内側)に食い込む様に変位する。そして、前記被駆動側カム28aが幅方向内側に変位し切った状態(ロック状態)で、図4(b)に示す様に、前記1対の可動側係合面52a、52bの幅方向中間部と、前記前方、後方固定側係合面43、46を構成する外方固定側係合面44a、44bとが、締め代を持った状態で強く摩擦係合する(面接触する)。この状態では、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46を構成する外方固定側係合面44a、44bとの当接面に楔効果が生じて、この当接面の摩擦力が大きくなる。
ロック状態からアンロック状態に切り替える際には、前記調節レバー23を前記所定方向とは反対方向(一般的には下方)に揺動させる事により、前記カム装置29aの軸方向寸法を縮める事で、前記被駆動側カム28aと前記ナット24aとの間隔を拡げる。これにより、前記各摩擦力が小さくなる。又、前記調節レバー23の揺動に伴い前記カム装置29aの軸方向寸法が縮まり、前記被駆動側カム28aが幅方向外方に変位すると、図4(b)に示す状態から図4(a)に示す状態に移行して、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46との係合が解除されて、アンロック状態となる。この状態で、前記調節ロッド17が、前記1対のチルト調節用長孔15a、15b及び前記1対のテレスコ調節用長孔16、16の内側で変位できる範囲内で、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態となる。
以上の様な構成を有する本例によれば、ステアリングホイールを調節後の位置に保持可能な状態(ロック状態)に於いて、ステアリングホイールの上下方向に関する位置を強固に保持できる。
即ち、本例の場合、ロック状態に於いて、車体に固定される前記支持ブラケット14aの他方の支持板部22bに設けられた前記前方、後方固定側係合面43、46と、前記調節ロッド17と一体的な変位を可能な前記被駆動側カム28aに設けられた1対の可動側係合面52a、52bとを摩擦係合させている。特に、本例の場合、前記前方、後方固定側係合面43、46と前記1対の可動側係合面52a、52bとが摩擦係合した状態で、この摩擦係合部分(接触面)に楔効果が生じる様に構成している。この為、例えば、二次衝突の際、前記ステアリングホイール1に上向きの大きな衝撃力が加わった場合でも、前記前方、後方固定側係合面43、46と前記1対の可動側係合面52a、52bとの摩擦係合に基づく大きな保持力により、前記ステアリングホイール1の上下方向への変位(例えば、跳ね上がり)を防止できる。この結果、前記ステアリングホイール1の後方で膨らんだエアバックの位置を適正な位置に保つ事ができ、このエアバッグによる運転者の保護充実を図り易くできる。又、例えば、運転者が車両への乗り降りの際、前記ステアリングホイール1に寄りかかって、このステアリングホイール1に下向きの衝撃的な荷重が作用した場合に、このステアリングホイール1が下方向に変位する事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5を参照しつつ説明する。本例の場合、前述した実施の形態の第1例の構造の後側弾性変形部36を省略した構造としている。
具体的には、本例の場合、1対の支持板部22a、22cのうちの他方の支持板部22cに形成された他方のチルト調節用長孔15cの前側縁の上端縁及び下端縁から前方に伸長した状態で、1対の前側スリット37c、37dを形成している。本例の場合、これら1対の前側スリット37c、37dの前後方向に関する長さを前述した実施の形態の第1例の前側スリット37a、37bよりも長くしている。そして、前記他方の支持板部22cのうち、前記他方のチルト調節用長孔15cの前側縁の前側、且つ、前記他方のチルト調節用長孔15cの形成方向(上下方向)に関して前記1対の前側スリット37c、37d同士の間に位置する部分を、前側弾性変形部35aとしている。又、前記他方の支持板部22cの幅方向外側面のうち、前記1対の前側スリット37c、37dの前端部と前記他方のチルト調節用長孔15bの形成方向(上下方向)に重畳{この形成方向に直交する方向(前後方向)に整合}する部分に、この形成方向に伸長した状態で、断面半円弧状の前側上下方向溝38aを形成している。この他の前記前側弾性変形部35aの構造は、前述した実施の形態の第1例の前側弾性変形部35と同様である。
一方、本例の場合、前記他方のチルト調節用長孔15cの後側縁を、幅方向に平行な状態で形成している。そして、この他方のチルト調節用長孔15cの後側縁を、後方固定側係合面46aとしている。
又、以上の様な構成を有する本例の場合には、被駆動側カムとして、前述した実施の形態の第1例の被駆動側カム28a(図4参照)から、1対の可動側係合面52a、52b
のうちの他方(図4の右側)の可動側係合面52bを省略した如き構造のものを採用する。この場合には、被駆動側カムを構成するガイド凸部の外周面のうちの前端部に一方の可動側係合面52aを設けると共に、後端部を幅方向に平行(他方のチルト調節用長孔15cの後側縁と平行)な平坦面とする。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例の場合、1対の支持板部22a、22dのうちの他方の支持板部22dに形成された後側弾性変形部36aの構造を、前述した実施の形態の第1例の構造の後側弾性変形部36と異ならせている。
具体的には、本例の場合、前記他方の支持板部22dの幅方向外側面のうち、他方のチルト調節用長孔15dの後側に隣接する部分を、前方に向かうほど幅方向外方に突出させる事により、前記後側弾性変形部36aを構成している。この様な後側弾性変形部36aは、前記他方の支持板部22dの幅方向内側面のうちのこの後側弾性変形部36aに相当する部分(他方のチルト調節用長孔15dの後側に隣接する部分)にプレス加工を施す事により形成する。従って、前記他方の支持板部22dの幅方向内側面のうちの前記後側弾性変形部36aに相当する部分は、前方に向かうほど幅方向外方に凹んでいる。
又、前記後側弾性変形部36aの前側縁(前記他方のチルト調節用長孔15dの後側縁)に後方固定側係合面46を形成している。この後方固定側係合面46の構造は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図7を参照しつつ説明する。
本例の場合、被駆動側カム28aのガイド凸部51に、幅方向内端面及び前後方向両端面を覆う状態で断面略コ字形の板ばね57を設けている。
具体的には、この板ばね57は、組み付け状態で、前記ガイド凸部51の幅方向内端面の幅方向内側に配置される平板状の基部58と、この基部58の前端部及び後端部から幅方向外側に折り曲げられた状態で形成された1対の板ばね腕部59{他方(後方)の板ばね腕部は図示省略}とから成る。
これら1対の板ばね腕部59のうちの一方(前方)の板ばね腕部59は、幅方向外方(図7の上方)に向かうほど前方に向かう方向に傾斜しており、幅方向中間部に、上下方向に伸長し、前側面(前方固定側係合面43側の面)が凸状で後側面{一方(前方)の可動側係合面52a側の面}が凹状となった弾性凸部60が形成されている。
又、前記1対の板ばね腕部59のうちの他方(後方)の板ばね腕部は、幅方向外方に向かうほど後方に向かう方向に傾斜しており、幅方向中間部に、上下方向に伸長し、後側面が凸面で前側面が凹面となった弾性凸部が形成されている。
この様な板ばね57は、前記1対の板ばね腕部59を、1対の可動側係合面52a、52b(図4参照)と前方、後方固定側係合面43、46(図4参照)との間に配置した状態で組み付けられている。
図7(a)に示すロック状態では、前記1対の板ばね腕部59の弾性凸部60の存在に基づいて、1対の可動側係合面52a、52b及び前方、後方固定側係合面43、46が、前記1対の板ばね腕部59と面接触していない。
一方、図7(b)に示すロック状態で、前記1対の板ばね腕部59の弾性凸部60が、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46との間で押し潰されて平坦面状に弾性変形して、これら1対の可動側係合面52a、52b及び前方、後方固定側係合面43、46が、前記1対の板ばね腕部59と面接触する。別の言い方をすれば、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46とが、前記1対の板ばね腕部59を介して面接触する。
以上の様な構成を有する本例の場合、アンロック状態で、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46とが摩擦係合する(食い込む様に係合する)事を防止して、前記ステアリングホイール1の上下方向の位置を調節する際の摺動を滑らかにできる。
尚、前記1対の可動側係合面52a、52bと、前記前方、後方固定側係合面43、46との間に配置される板ばねは、本例の構造に限定されるものではない。即ち、アンロック状態で、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46との面接触を防止する事ができ、ロック状態で、前記1対の可動側係合面52a、52bと前記前方、後方固定側係合面43、46とを、板ばねを介して面接触させる事ができる各種構造のものを採用できる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図8を参照しつつ説明する。
本例の場合、被駆動側カム28bを構成するガイド凸部51aの1対の可動側係合面52c(後側の可動側係合面は省略)のうちの一方(前方)の可動側係合面52cを、上下方向の全長に亙り幅方向外側(図8の上方)に向かうほど前方に向かう方向に傾斜した部分円筒面状に形成している。
一方、前記1対の可動側係合面52cのうちの他方(後方)の可動側係合面を、上下方向の全長に亙り幅方向外側に向かうほど後方に向かう方向に傾斜した部分円筒面状に形成している。
又、前側弾性変形部35の後側縁(他方のチルト調節用長孔15bの前側縁)に形成された前方固定側係合面43aの外方固定側係合面44aを、ロック状態で、幅方向外側に向かうほど前側に向かう方向に傾斜した部分円筒面状に形成している。
一方、後側弾性変形部(図示省略)の前側縁(前記チルト調節用長孔15bの後側縁)に形成された後方固定側係合面(図示省略)の外方固定側係合面を、ロック状態で、幅方向外側に向かうほど後側に向かう方向に傾斜した部分円筒面状に形成している。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図9を参照しつつ説明する。
本例の場合、図9に示す様に、ロック状態で、前方、後方固定側係合面43b(後方固定側係合面は図示省略)を構成する外方固定側係合面44cと内方固定側係合面45cとの連続部61を、前側弾性変形部35の揺動中心O35よりも幅方向内側に位置させている。
別の言い方をすれば、前記前方、後方固定側係合面43b同士の前後方向に関する距離が最も小さくなる状態を、アンロック状態からロック状態に切り替わる途中に存在させている。この様な本例の場合、アンロック状態からロック状態に切り替わる際、前記前方、後方固定側係合面43b同士の前後方向に関する距離が最も小さくなる状態を越えるタイミングで、操作する者にクリック感(乗り越え感)を与える事ができる。そして、この様なクリック感により、操作する者は、ロック状態になった事を確実に確認する事ができる。
尚、本例の構造は、前述した実施の形態の第1例等の様に、板ばね57を省略した構造に適用する事もできる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第7例]
本発明の実施の形態の第7例に就いて、図10を参照しつつ説明する。
本例の場合、ロック機構54aを、支持ブラケット14bを構成する1対の支持板部22e、22fのうちの一方(図10の右方)の支持板部22eの幅方向内側に設けている。
具体的には、本例の場合、変位ブラケット13aを構成する1対の被挟持部21a、21bのうちの一方(図10の右方)の被挟持部21aの幅方向外側面に形成された凹部62を形成している。そして、この凹部62の内側に、幅方向内側から順にスラストベアリング26b、調節レバー23a、カム装置29を配置している。
このうちのカム装置29は、幅方向内側に配置された駆動側カム27と、この駆動側カム27の幅方向内側に配置された被駆動側カム28aとから成る。
この様なカム装置29(前記駆動側カム27及び前記被駆動側カム28a)の構造は、配置が異なる以外、前述した実施の形態の第1例のカム装置29と同様である。
従って、本例の場合も、前記被駆動側カム28aのガイド凸部51の外周面の前端部及び後端部に、1対のチルト調節用長孔15e、15fのうちの一方(図10の右方)のチルト調節用長孔15eの形成方向(上下方向)に伸長し互いに平行な1対の可動側係合面52a、52b(図4参照)を形成している。
又、本例の場合、前記支持ブラケット14bを構成する1対の支持板部22e、22fのうちの一方(図10の右方)の支持板部22eに形成されたチルト調節用長孔15eの前側に隣接する部分に、前側弾性変形部35(図2〜4参照)を、同じく後側に隣接する部分に後側弾性変形部36を、それぞれ設けている。尚、本例の場合、前記前側弾性変形部35を、アンロック状態で、基端部39から後方に向かうほど幅方向内側に向かう方向に傾斜した状態で設けると共に、前記後側弾性変形部36を、アンロック状態で、基端部42から前方に向かうほど幅方向内側に向かう方向に傾斜した状態で設けている。即ち、本例の場合、前記前側弾性変形部35及び前記後側弾性変形部36は、図3、4を上下方向(幅方向)に反転させた如き形状を有している。別の言い方をすれば、本例の構造は、前述した実施の形態の第1例の構造を、図3、4の上方を幅方向内側とし、同じく下方を幅方向外側として読み替えて構造を有している。
尚、本例の様に、ロック機構を、支持ブラケットを構成する1対の支持板部のうちの何れか一方の支持板部の幅方向内側に設ける構造を採用する場合には、前述した実施の形態の各例の構造を、適宜適用する事ができる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の各例の構造は、技術的な矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせて実施する事ができる。
又、本発明は、ステアリングホイールの上下位置を調節する為のチルト機構と、同じく前後位置を調節する為のテレスコピック機構との両方を備えた構造だけでなく、チルト機構のみ、又はテレスコピック機構のみを備えた構造に適用する事もできる。
又、前述した実施の形態の各例では、1対の可動側係合面を被駆動側カムに設けているが、1対の可動側係合面を設ける対象は、被駆動側カムに限定されるものではない。1対の可動側係合面は、本発明の作用・効果を奏する事ができる範囲で、調節ロッドの回転に基づいて、軸方向に変位可能な各種部材に設ける事ができる。
又、ロック機構は、1対の支持板部のうちの何れか一方のみ、或いは、両方に設ける事ができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5 ステアリングシャフト
6 ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 ハウジング
11 車体
12 チルト軸
13、13a 変位ブラケット
14、14a、14b 支持ブラケット
15、15a、15b、15c、15d、15e、15f チルト調節用長孔
16 テレスコ調節用
17 調節ロッド
18 アウタコラム
19 インナコラム
20 スリット
21、21a、21b 被挟持部
22、22a、22b、22c、22d、22e、22f 支持板部
23、23a 調節レバー
24、24a ナット
26、26a、26b スラストベアリング
27 駆動側カム
28、28a、28b 被駆動側カム
29、29a カム装置
30 電動モータ
31 アウタシャフト
32 インナシャフト
33 取付板部
34 離脱カプセル
35、35a 前側弾性変形部
36、36a 後側弾性変形部
37a、37b、37c、37d 前側スリット
38、38a 前側上下方向溝
39 基端部
40a、40b 後側スリット
41 後側上下方向溝
42 基端部
43、43a、43b 前方固定側係合面
44a、44b、44c 外方固定側係合面
45a、45b、45c 内方固定側係合面
46、46a 後方固定側係合面
47 頭部
48 中心孔
49 中心孔
50 被駆動側カム面
51、51a ガイド凸部
52a、52b、52c 可動側係合面
53 駆動側カム面
54、54a ロック機構
55 駆動側係合凸部
56 レバー側通孔
57 板ばね
58 基部
59 板ばね腕部
60 弾性凸部
61 連続部
62 凹部

Claims (9)

  1. 車体に取り付けられた状態でステアリングコラムを支持する為のものであり、該ステアリングコラムの幅方向側方に配置される支持板部を有する支持ブラケットと、
    該支持ブラケットに対する該ステアリングコラムのチルト位置を調節可能とするチルト位置調節機構とを備え、
    該チルト位置調節機構は、前記支持板部に形成された、チルト位置調節方向である上下方向に伸長するチルト調節用長孔と、該チルト調節用長孔を幅方向に挿通した状態で、前記ステアリングコラムと共にチルト位置調節方向である上下方向に変位する調節ロッドと、該調節ロッドに前記支持板部に対する幅方向の変位を可能な状態で支持されている可動部材とを備え、前記支持板部に対して該可動部材を幅方向に変位させる事に基づいて、前記チルト位置を調節可能なアンロック状態と、該チルト位置を調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能としているステアリング装置であって、
    前記支持板部のうちで前記チルト調節用長孔に対して前後方向両側のうちの少なくとも一方の側に隣接する部分に弾性変形可能部が設けられていると共に、前記チルト調節用長孔の前後方向両側縁部のうち、前記弾性変形可能部が設けられた側の側縁部に、固定側係合面が設けられ、
    前記可動部材に、可動側係合面が設けられており、
    前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替わる際、前記弾性変形可能部が前記可動部材に押されて弾性変形し、前記チルト調節用長孔の前後方向に関する寸法が縮む事により、前記ロック状態で前記固定側係合面と前記可動側係合面とが、締め代を有する状態で摩擦係合する事を特徴とするステアリング装置。
  2. 前記固定側係合面が、幅方向に関して前記可動部材側に向かうほど、前後方向に関して前記チルト調節用長孔の中央部から離れる方向に傾斜した第一の固定側係合面を有しており、
    前記可動側係合面が、幅方向に関して前記支持板部側に向かうほど、前後方向に関して前記チルト調節用長孔の中央部に近付く方向に傾斜しており、
    ロック状態で、前記第一の固定側係合面と前記可動側係合面とが面接触で摩擦係合している、請求項1に記載したステアリング装置。
  3. 前記固定側係合面が、前記第一の固定側係合面と傾斜角度が異なる第二の固定側係合面を有しており、
    アンロック状態で、前記第二の固定側係合面と前記可動側係合面とが面接触している、請求項2に記載したステアリング装置。
  4. 前記弾性変形可能部が、前記アンロック状態から前記ロック状態への切り換えが行われる際、前後方向に関して前記チルト調節用長孔から離れた側の基端部を中心に、幅方向に揺動する態様で弾性変形するものであり、該弾性変形可能部のうち、前後方向に関して前記基端部と反対側の端面が、前記固定側係合面を構成している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  5. 前記弾性変形可能部の基端部のうちの幅方向に関して前記可動部材が配置された側に、上下方向に伸長した凹溝が形成されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  6. 前記固定側係合面と前記可動側係合面との間に、板ばねが設けられており、該板ばねは、前記アンロック状態で、前記固定側係合面と前記可動側係合面とのうちの一方の係合面側が凸状で、他方の係合面側が凹状の弾性凸部を有しており、
    前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替わる際、該弾性凸部が、前記固定側係合面と前記可動側係合面との間で弾性的に押し潰されて、該固定側係合面と該可動側係合面とが、前記板ばねを介して面接触する、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  7. 前記弾性変形可能部の弾性変形に基づいて、前記チルト調節用長孔の前後方向に関する寸法が最も短くなる状態が、前記アンロック状態と前記ロック状態との間に存在している、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  8. 前記弾性変形可能部が、前記チルト調節用長孔に対して前後方向両側のうちの一方の側に隣接する部分にのみ設けられている請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  9. 前記弾性変形可能部が、前記チルト調節用長孔に対して前後方向両側に隣接する部分に設けられている請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
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