次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
図1は本発明の一実施例であるパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知する第1ゲートスイッチ32a(図3参照)を有する第1普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知する第2ゲートスイッチ33a(図3参照)を有する第2普通図柄作動ゲート33と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の下方に配置され遊技球の入賞を検知する第1始動口スイッチ35a(図3参照)を有する第1始動口35と、第1始動口35の下方に配置され遊技球の入賞を検知する第2始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第2始動口36と、第2始動口36に取り付けられた開閉可能なチューリップ式の第1普通電動役物37と、遊技領域31の右部に配置され遊技球の入賞を検知する転落入球口スイッチ38a(図3参照)を有する転落入球口38と、転落入球口38に取り付けられた開閉可能なチューリップ式の第2普通電動役物39と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入賞を検知する大入賞口スイッチ44a(図3参照)を有する大入賞口44と、遊技領域31の左下部に配置された一般入賞口スイッチ45a(図3参照)を有する一般入賞口45と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口48と、を備える。また、遊技盤30は、上述した各入賞口の周辺に、遊技球をガイドしたり弾いたりする図示しない多数の釘が設けられている。
第1普通電動役物37は、第2始動口36に設けられた左右一対の翼片部37aと、翼片部37aを作動させる第1普通電動役物ソレノイド37b(図3参照)と、を備える。この第1普通電動役物37では、翼片部37aが直立しているときには第2始動口36への遊技球の入賞の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部37aが左右に開いているときには第2始動口36への遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部39aが直立した通常状態においては、第2始動口36への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
第2普通電動役物39は、転落入球口38に設けられた左右一対の翼片部39aと、翼片部39aを作動させる第2普通電動役物ソレノイド39b(図3参照)と、を備える。この第2普通電動役物39では、翼片部39aが直立しているときには転落入球口38への遊技球の入賞の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部39aが左右に開いているときには転落入球口38への遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部39aが直立した通常状態においては、転落入球口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
大入賞口44は、通常は遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技のときに、大入賞口ソレノイド44b(図3参照)によって遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態)となるよう駆動される。大入賞口44には、遊技球の入賞を検知すると共にその入賞数をカウントするための大入賞口スイッチ44a(図3参照)が取り付けられている。本実施例では、大当り遊技の処理として、大入賞口スイッチ44aが遊技球の入賞を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒)が経過するまでを1ラウンドとして大入賞口44を開放し、規定ラウンドまで大入賞口44の開放動作を繰り返す。なお、各ラウンドの間には、所定時間(例えば、2秒間)だけ大入賞口44を閉状態とする。
図柄表示装置40は、図4の構成図に例示するように、第1普通図柄(以下、普図1とも呼ぶ)の変動表示および停止表示が可能な第1普通図柄表示装置41と、第2普通図柄(以下、普図2とも呼ぶ)の変動表示および停止表示が可能な第2普通図柄表示装置42と、特別図柄の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示装置43と、を備える。第1普通図柄表示装置41および第2普通図柄表示装置42は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41a,42aと右普通図柄表示部41b,42bを備え、本実施例では、その表示態様は同一とする。図5に、第1普通図柄表示装置41と第2普通図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図示するように、左普通図柄表示部41a(42a)と右普通図柄表示部41b(42b)とが共に消灯した表示態様(図5の上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41a(42a)が点灯し右普通図柄表示部41b(42b)が消灯した表示態様(図5の上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41a(42a)が消灯し右普通図柄表示部41b(42b)が点灯した表示態様(図5の上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41a(42a)と右普通図柄表示部41b(42b)とが共に点灯した表示態様(図5の上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。第1普通図柄表示装置41は、遊技球が第1普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより第1普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で第1普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された第1普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、図5の上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第1普通電動役物37を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。また、第1普通図柄の変動表示中に、遊技球が第1普通図柄作動ゲート32を通過したときには、第1普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。なお、第2普通図柄表示装置42の表示態様や第2普通電動役物39の動作態様についても同様である。
特別図柄表示装置43は、図4に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部43aと第2特別図柄表示部43bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置43は、第1始動口35か第2始動口36かのいずれかの入賞が検知されたときに、第1特別図柄表示部43aと第2特別図柄表示部43bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、大当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部43aが第1始動口35への遊技球の入賞時に特別図柄を変動表示させる第1始動口入賞時用の表示部に対応し、第2特別図柄表示部43bが第2始動口36への遊技球の入賞時に特別図柄を変動表示させる第2始動口入賞時用の表示部に対応している。以下、特に、第1始動口入賞時用の第1特別図柄表示部43aで表示される特別図柄を第1特別図柄とも呼び、第2始動口入賞時用の第2特別図柄表示部43bで表示される特別図柄を第2特別図柄とも呼ぶ。図6に、大当り時における特別図柄表示装置43の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の大当りとなる特別図柄(第1の大当り図柄)として、第1特別図柄表示部43aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部43bにおける上段の横棒セグメントと左上および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様がある(図6の上段参照)。また、第2の大当りとなる特別図柄(第2の大当り図柄)として、第1特別図柄表示部43aにおける上段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部43bにおける上段および下段の横棒セグメントと左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様がある(図6の中段参照)。また、第3の大当りとなる特別図柄(第3の大当り図柄)として、第1特別図柄表示部43aにおける上段および中段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部43bにおける上段および下段の横棒セグメントと右上の縦棒セグメントとが点灯する表示態様がある(図6の下段参照)。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口35および第2始動口36のいずれかに入賞したときには、それぞれの始動口毎に特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄34aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄34bによって表示される。
ここで、例えば、第1の大当りは、大入賞口44の開放動作が15ラウンドに亘って繰り返される大当り遊技であり、第2の大当りは、大入賞口44の開放動作が5ラウンドに亘って繰り返される大当り遊技であり、第3の大当りは、大入賞口44の開放動作が2ラウンドに亘って繰り返される大当り遊技である。また、本実施例では、大当り図柄に関係なく、大当り遊技後に所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り判定で大当りとなる確率が低い低確率状態(通常状態とも呼ぶ)よりも高くなる高確率状態(確変状態とも呼ぶ)となる。また、大当り図柄に関係なく、大当り遊技後に、所定回数(例えば、100回や50回などであり、詳細は後述する)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに第1普通電動役物37や第2普通電動役物39の開放時間が延長される状態(いわゆる時短状態)となる。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図7に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口35に入賞したときと、遊技球が第2始動口36に入賞したときに、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。図8に、演出表示装置34の演出図柄の変動表示および停止表示の一例を示す。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり(図8(a)参照)、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり(図8(b)参照)、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる(図8(c)参照)。この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示装置43により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と一致する。
また、演出表示装置34は、本実施例では、表示画面内に第1保留図柄34aと第2保留図柄34bも表示されている。第1保留図柄34aは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に第1始動口35に遊技球が入賞するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入賞時とは逆の順に消去される。第2保留図柄34bも、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に第2始動口36に遊技球が入賞するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入賞時とは逆の順に消去される。
こうして構成された実施例のパチンコ機10では、第1始動口35は演出表示装置34の下方に配置されており、大当り遊技でない通常遊技のときに、遊技者は遊技球を遊技領域31の左側(演出表示装置34の左側領域)に流下させるように発射ハンドル18を回転操作(所謂左打ち)することにより、遊技球を第1始動口35に入賞させることができる。また、第1普通図柄作動ゲート32は演出表示装置34の左側に配置され、第2始動口36は演出表示装置34の下方に配置されているから、遊技者は左打ちをすることにより、遊技球を第1普通図柄作動ゲート32を通過させることができ、第1普通図柄が当りとなって第1普通電動役物37が第2始動口36を開放すると、遊技者は左打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口36に入賞させることができる。さらに、大入賞口44は遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちすることにより、遊技球を遊技領域31の右側(演出表示装置34の右側領域)に流下させて大入賞口44に入球させることができる。また、第2普通図柄作動ゲート33は演出表示装置34の左側(遊技領域31の左側)に配置され、転落入球口38は演出表示装置34の右側(遊技領域31の右側)に配置されているから、遊技者は左打ちをすることにより、遊技球を第2普通図柄作動ゲート33を通過させることができ、第2普通図柄が当りとなって第2普通電動役物39が転落入球口38を開放すると、遊技者は左打ちから右打ちに変更することにより、遊技球を転落入球口38に入球させることができる。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70と、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図9に示す。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ35aからの入賞信号や第2始動口スイッチ36aからの入賞信号が直接に入力されると共に第1ゲートスイッチ32aからの通過信号や第2ゲートスイッチ33aからの通過信号,転落入球口スイッチ38aからの入球信号,大入賞口スイッチ44aからの入賞信号,一般入賞口スイッチ45aからの入賞信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第1普通電動役物ソレノイド37bへの駆動信号,第2普通電動役物39bへの駆動信号,大入賞口ソレノイド44bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。また、主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。
払出制御基板80は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。
サブ制御基板90は、図9に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90は、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93aを駆動したり可動式の装飾部材を作動させるための装飾モータ93bを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図10は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、遊技開始処理(S110)と、第1普通図柄(普図1)遊技処理(S120)と、特別図柄遊技処理(S130)と、大当り遊技処理(S140)と、第2普通図柄(普図2)遊技処理(S150)と、転落遊技処理(S160)と、を繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S110〜S160の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[遊技開始処理]
S110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(第1ゲートスイッチ32aや第2ゲートスイッチ33a,第1始動口スイッチ35a,第2始動口スイッチ36a,転落入球口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種乱数値(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,リーチ用乱数,変動パターン決定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入賞に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ35aや第2始動口スイッチ36a,転落入球口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入賞が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。遊技開始処理が終了すると、主制御処理に戻って次のS120の第1普通図柄遊技処理に進む。
[第1普通図柄遊技処理]
S120の第1普通図柄遊技処理(普図1遊技処理)では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして第1普通図柄の当否判定を行なうと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる第1普通図柄を決定する(図5参照)。第1普通図柄の当否判定は、時短状態にないときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の第1普通図柄当り判定テーブルを用いて行われ、時短状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の第1普通図柄当り判定テーブルを用いて行われる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、第1普通図柄の変動表示時間を設定して第1普通図柄の変動表示を開始し、変動表示時間が経過するのを待つ。変動表示時間の設定は、時短状態にないときには長時間(例えば、30秒)に設定され、時短状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動表示時間が経過すると、決定した図柄で第1普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第1普通電動役物37の開放時間を設定し、第1普通電動役物37の開放を開始して第1普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第1普通電動役物37の開放時間は、時短状態にないときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、時短状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第1普通電動役物37の開放は、上述したように、第1普通電動役物ソレノイド37bを駆動制御することによって、翼片部37aを左右に開くことにより行なう。そして、第1普通電動役物37が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口36に入賞しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口36に入賞してもいないと判定すると、第1普通電動役物37の開放を維持したまま第1普通図柄遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口36に入賞していると判定すると、第1普通電動役物37の駆動を停止して、第1普通図柄遊技処理を終了する。第1普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の特別図柄遊技処理に進む。なお、このように、時短状態においては、第1普通図柄の変動時間を短縮する変動時間機能(時短機能)を作動させると共に第1普通図柄の当選確率を向上させる確率変動機能を作動させ、且つ、第1普通電動役物37の開放時間を延長する開放延長機能を作動させる。このため、本実施例の時短状態を、開放延長機能作動状態(開放延長あり状態)または確変状態ともいう。また、これら3つの機能を同時に作動させる形態のみを例示したが、いずれか1つの機能またはいずれか2つの機能を作動させる形態とすることもできる。なお、開放延長機能が作動していない状態を、開放延長なし状態ともいう。
[特別図柄遊技処理]
S130の特別図柄遊技処理は、図11〜図13に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ35aからの検知信号を入力して第1始動口35に遊技球が入賞したか否かを判定する(S200)。第1始動口35に遊技球が入賞したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、判定用乱数を取得してRAM70cの所定の判定用乱数記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。S206で取得される判定用乱数としては、第1始動口35への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第1特別図柄表示部43aに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,大当り判定の結果が外れで演出表示装置34の表示画面に演出図柄を変動表示する際にリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ用乱数などが挙げられる。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄34aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口35に遊技球が入賞していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S208の処理をスキップして次の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第2特別図柄を変動表示させるための第2始動口36に遊技球が入賞したか否かを判定する(S210)。第2始動口36に遊技球が入賞したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用乱数を取得してRAM70cの所定の判定用乱数記憶領域に格納し(S216)、第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S218)。S216で取得される判定用乱数としては、第2始動口36への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第2特別図柄表示手段42bに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,大当り判定の結果が外れで演出表示装置34の表示画面に演出図柄を変動表示する際にリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ用乱数などが挙げられる。また、第2特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄34bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S210で第2始動口36に遊技球が入賞していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S220)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S222)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S224)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS140の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S226)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、乱数記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用乱数を読み出し(S228)、変動表示関連処理を実行して(S230)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S232)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、乱数記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用乱数(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用乱数を読み出し(S234)、変動表示関連処理を実行して(S236)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S226〜S236では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図14のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれの状態であるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS228またはS234で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。この大当り判定テーブルの一例を図15に示す。なお、図15(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図15(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。図示するように、本実施例では、低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜299のうち値60〜62のときに大当りとし(1/100の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜299のうち値60〜65のときに大当りとする(1/50の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで同一の大当り判定テーブルを用いる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定したときには、判定用乱数記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用テーブルをセットし(S310)、読み出した大当り図柄決定用乱数とセットした大当り図柄決定用テーブルとを用いて停止表示させる大当り図柄を選択してセットする(S312)。なお、S310では、現在実行中の処理が第1特別図柄用であれば第1特別図柄の大当り図柄決定用テーブルをセットし、現在実行中の処理が第2特別図柄用であれば第2特別図柄の大当り図柄決定用テーブルをセットする。ここで、第1特別図柄の大当り図柄決定用テーブルの一例を図16に示し、第2特別図柄の大当り図柄決定用テーブルの一例を図17に示す。第1特別図柄の大当り図柄決定用テーブルでは、図16に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜179のときに図6の左上段の図柄が選択されて「第1の大当り」となり(約70%の大当り振り分け確率)、大当り図柄決定用乱数が値180〜229のときに図6の左中段の図柄が選択されて「第2の大当り」となり(約20%の大当り振り分け確率)、大当り図柄決定用乱数が値230〜255のときに図6の左下段の図柄が選択されて「第3の大当り」となる(約10%の大当り振り分け確率)。また、第2特別図柄の大当り図柄決定用テーブルでは、図17に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜203のときに図6の右上段の図柄が選択されて「第1の大当り」となり(約80%の大当り振り分け確率)、大当り図柄決定用乱数が値204〜229のときに図6の右中段の図柄が選択されて「第2の大当り」となり(約10%の大当り振り分け確率)、大当り図柄決定用乱数が値230〜255のときに図6の右下段の図柄が選択されて「第3の大当り」となる(約10%の大当り振り分け確率)。なお、第1特別図柄の大当り図柄決定用テーブルと、第2特別図柄の大当り図柄決定用テーブルとにおいて、各大当りの振り分け確率を同じものとしてもよい。
大当り図柄をセットすると、大当り時の特別図柄の変動パターンを決定するための大当り用変動パターンテーブルをセットする図18の大当り用変動パターンテーブルセット処理を実行する(S314)。
大当り用変動パターンテーブルセット処理では、変動短縮フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が時短状態か否かを判定し(S350)、変動短縮フラグがオンのときには大当り用の時短時変動パターンテーブルをセットし(S352)、変動短縮フラグがオフのときには大当り用の非時短時変動パターンテーブルをセットする(S354)。これらの大当り変動パターンテーブルの一例を図19に示す。図19(a)に時短時変動パターンテーブルを示し、図19(b)に非時短時変動パターンテーブルを示す。なお、図19には、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。
次に、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数とセットした大当り用変動パターンテーブルとを用いて大当り図柄変動パターンを選択してセットする(S318)。
一方、S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れ図柄を決定するための図示しない外れ図柄決定用テーブルをセットして(S320)、外れ図柄をセットする(S322)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いてセットすることができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いてセットすることもできる。外れ図柄をセットすると、外れ用変動パターンテーブルをセットする図20の外れ用変動パターンテーブルセット処理を実行する(S324)。
外れ用変動パターンテーブルセット処理では、変動短縮フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が時短状態か否かを判定し(S360)、変動短縮フラグがオンのときには外れ用の時短時変動パターンテーブルをセットし(S362)、変動短縮フラグがオフのときには外れ用の非時短時変動パターンテーブルをセットする(S364)。これらの外れ用の変動パターンテーブルの一例を図21に示す。図21(a)に時短時変動パターンテーブルを示し、図21(b)に非時短時変動パターンテーブルを示す。なお、図21には、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。また、図示するように、外れ用変動パターンテーブルでは、リーチ表示があるときのリーチ用の変動パターンテーブルとリーチ表示がないときの非リーチ用の変動パターンテーブルとが用意されている。
次に、変動パターン決定用乱数とリーチ用乱数とを読み出し(S326)、読み出した変動パターン決定用乱数およびリーチ用乱数とセットした外れ用変動パターンテーブルとを用いて外れ図柄変動パターンを選択してセットする(S328)。
こうして大当り図柄とその変動パターンあるいは外れ図柄とその変動パターンを設定すると、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S330)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントして(S332)、図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(S334)、変動表示関連処理を終了する。なお、この変動表示関連処理は、第1特別図柄用と第2特別図柄用との共通の処理として説明しており、現在の処理が第1特別図柄用であれば、S330,S332では第1特別図柄の変動表示を開始して第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする。また、現在の処理が第2特別図柄用であれば、S330,S332では第2特別図柄の変動表示を開始すると共に第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする。また、S334で送信される図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれ、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれている。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。
図12〜図14の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S222で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動表示時間が経過したか否かを判定する(S238)。変動表示時間は特別図柄の変動パターンを決定する際に変動パターンに応じて決定されているから、変動表示時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と決定されている変動表示時間とを比較することにより行うことができる。変動表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動表示時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S240)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S242)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S244)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S246)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S224で停止表示時間中と判定するため、再びS246で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S248)。
S248で大当り図柄と判定すると、大当り遊技フラグをオンすると共に(S250)、現在の遊技状態として大当り発生時における開放延長フラグと確変フラグの値をRAM70cの所定の大当り発生時状態記憶領域に記憶して(S252)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S254)。大当り遊技フラグをオンすることにより、後述する大当り遊技処理で大当り遊技が開始されることになる。また、大当り遊技開始指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、大当りファンファーレ画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力することにより大当り遊技演出を開始する。次に、大当り遊技中には確変機能や時短機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S256,S258)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S260〜S264)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS140の大当り遊技処理に進む。
一方、S248で大当り図柄でないと判定すると、確変フラグがオンか否かを判定し(S266)、確変フラグがオンでないときには、次のS276の処理に進む。確変フラグがオンのときには、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S268)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S270)。ここで、確変カウンタは、確変状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。確変カウンタが値0でないときには、確変状態を維持したまま次のS276の処理に進み、確変カウンタが値0のときには、確変フラグをオフとして(S272)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S274)、次のS276の処理に進む。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)に変更されることになる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を高確率状態用から低確率状態用に変更する等の処理を行う。
次に、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S276)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S278)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S280)。ここで、変動短縮カウンタは、時短(特別図柄および普通図柄の変動短縮)状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際して大当り態様に応じた値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、時短状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、時短状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S282)、開放延長フラグをオフとし(S284)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S286)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、時短状態(開放延長状態)から非時短状態(非開放延長状態)に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を時短用から非時短用に変更する等の処理を行う。
[大当り遊技処理]
S140の大当り遊技処理は、図22に示すフローチャートに従って実行される。図22の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、大入賞口44が開放中であるか否かを判定し(S402)、大入賞口44が閉鎖中である(開放中でない)と判定すると、大入賞口44の開放タイミングであるか否かを判定する(S404)。この判定は、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定することにより行われる。大入賞口44の開放タイミングであると判定すると、大入賞口44が開放されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御して(S406)、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、S404で大入賞口44の開放タイミングでないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。
一方、S402で大入賞口44が開放中であると判定すると、大入賞口44の閉鎖タイミングか否かを判定する(S408)。この判定は、規定の開放時間(本実施例では、25秒)が経過したか、大入賞口44に入賞した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したかのいずれかの成立を判定することにより行われる。大入賞口44の閉鎖タイミングでないと判定すると、大入賞口44の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口44の閉鎖タイミングであると判定すると、大入賞口44が閉鎖されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S410)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S412)。この判定は、大入賞口44が規定ラウンド数通りに開放されたか否かを判定することにより行われる。なお、規定ラウンド数は、大当りの種類に応じて、15ラウンドや5ラウンド,2ラウンドなどが設定されている(図16,17参照)。S412で大当り遊技の終了条件が成立していないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大当り遊技の終了条件が成立したと判定すると、図27に例示する大当り遊技終了時処理を実行して(S414)、大当り遊技処理を終了する。なお、大当り遊技を終了すると、主制御処理に戻って次のS150の第2普通図柄遊技処理(普図2遊技処理)に進む。
図23の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S450)、確変フラグをオンとすると共に(S452)、確変カウンタを100回に設定する(S454)。即ち、本実施例では、大当り遊技の終了後は、一律に確変カウンタに値100が設定されるのである。次に、今回の大当り発生時の確変フラグがオフであったか否か(S456)、今回の大当り発生時の開放延長フラグがオンであったか否か(S458,S460)をそれぞれ判定する。これらの判定は、図13の特別図柄遊技処理のS252の処理で大当り発生時の状態(確変フラグや開放延長フラグの値)がRAM70cの所定の大当り発生時状態記憶領域に記憶されているため、それらを読み出すことにより行うことができる。
S456で確変フラグがオフと判定し且つS458で開放延長フラグがオンと判定した場合、即ち大当り発生時に低確率状態で且つ開放延長あり状態の場合(本発明の低確率入球容易状態に相当し、以下、低確率開放延長あり状態という)には、大当り遊技後の開放延長回数を設定するために低確率開放延長ありの開放延長回数決定用テーブルをセットする(S462)。また、S456で確変フラグがオフと判定し且つS458で開放延長フラグがオフと判定した場合、即ち大当り発生時に低確率状態で且つ開放延長なし状態の場合(以下、低確率開放延長なし状態という)には、低確率開放延長なしの開放延長回数決定用テーブルをセットする(S464)。そして、S456で確変フラグがオンと判定し且つS460で開放延長フラグがオンと判定した場合、即ち大当り発生時に高確率状態で且つ開放延長あり状態の場合(本発明の高確率入球容易状態に相当し、以下、高確率開放延長あり状態という)には、高確率開放延長ありの開放延長回数決定用テーブルをセットする(S466)。また、S456で確変フラグがオンと判定し且つS460で開放延長フラグがオフと判定した場合、即ち大当り発生時に高確率状態で且つ開放延長なし状態の場合(以下、高確率開放延長なし状態という)には、高確率開放延長なしの開放延長回数決定用テーブルをセットする(S468)。こうして開放延長回数決定用テーブルをセットすると、開放延長回数決定用乱数を取得し(S470)、取得した開放延長回数決定用乱数とセットした開放延長回数決定用テーブルとを用いて大当り遊技後の開放延長回数を決定する(S472)。
ここで、これらの開放延長回数決定用テーブルの一例を図24,図25に示す。図示するように、開放延長回数決定用テーブルは、100回か50回か0回(開放延長なし)の開放延長回数が、開放延長回数決定用乱数に対応付けて定められている。図24(a)の低確率開放延長ありのテーブルでは、開放延長回数決定用乱数が値0〜255のうち全てで100回となる(100%の振り分け確率)。また、図24(b)の低確率開放延長なしのテーブルでは、開放延長回数決定用乱数が値0〜255のうち値0〜204のときに100回となり(約80%の振り分け確率)、値205〜255のときに50回となる(約20%の振り分け確率)。さらに、図25(a)の高確率開放延長ありのテーブルでは、開放延長回数決定用乱数が値0〜255のうち値0〜25のときに100回となり(約10%の振り分け確率)、値26〜51のときに50回となり(約10%の振り分け確率)、値52〜255のときに0回となる(約80%の振り分け確率)。そして、図25(b)の高確率開放延長なしのテーブルでは、開放延長回数決定用乱数が値0〜255のうち値0〜127のときに50回となり(50%の振り分け確率)、値128〜255のときに0回となる(50%の振り分け確率)。
このように、本実施例では、大当り発生時の状態に応じて異なる開放延長回数決定用テーブルがセットされ、各テーブルにおける開放延長回数の振り分けが異なるから、大当り発生時の状態に応じて大当り遊技後に設定される開放延長の条件(開放延長回数や開放延長の有無)が異なることになる。ここで、各テーブル毎の開放延長回数の期待値(開放延長回数と、その振り分け確率とを乗じた値の和)は、図24(a)の低確率開放延長ありのテーブルで100回となり、図24(b)の低確率開放延長なしのテーブルで90回となり、図25(a)の高確率開放延長ありのテーブルで15回となり、図25(b)の高確率開放延長なしのテーブルで25回となる。即ち、各テーブルの開放延長回数の期待値は、低確率開放延長ありのテーブル(図24(a))、低確率開放延長なしのテーブル(図24(b))高確率開放延長なしのテーブル(図25(b))、高確率開放延長ありのテーブル(図25(a))の順に少なくなる(開放延長回数が少なく不利となる)。また、開放延長が設定されない(0回となる)場合の振り分け確率は、図24(a)の低確率開放延長ありのテーブルと図24(b)の低確率開放延長なしのテーブルで0%となり、図25(a)の高確率開放延長ありのテーブルで80%となり、図25(b)の高確率開放延長なしのテーブルで50%となる。即ち、開放延長が設定されない振り分け確率は、低確率開放延長ありのテーブル(図24(a))および低確率開放延長なしのテーブル(図24(b))、高確率開放延長なしのテーブル(図25(b))、高確率開放延長ありのテーブル(図25(a))の順に高くなる(開放延長が設定されない可能性が高く不利となる)。このように、本実施例では、大当り発生時の状態が、低確率開放延長あり状態、低確率開放延長なし状態、高確率開放延長なし状態、高確率開放延長あり状態の順に、大当り遊技の終了後の遊技状態が不利となるように開放延長の条件が設定されるのである。なお、開放延長あり状態でみると、大当り発生時に低確率(低確率開放延長あり状態)の方が高確率(高確率開放延長あり状態)よりも大当り遊技後に有利となり、開放延長なし状態でみると、大当り発生時に低確率(低確率開放延長なし状態)の方が高確率(高確率開放延長なし状態)よりも大当り遊技後に有利となる。これらのことから、大当りが発生し易い状態は、大当り遊技後の状態が不利となり、大当りが発生し難い状態は、大当り遊技後の状態が有利となるものといえる。
こうして開放延長回数を決定すると、決定した開放延長回数が値0を超えるか否かを判定し(S474)、50回や100回であるために値0を超えるときには、変動短縮フラグをオンとすると共に開放延長フラグをオンとして(S476,478)、決定した開放延長回数を変動短縮カウンタにセットする(S480)。そして、大当り遊技終了指定コマンドと遊技状態指定コマンドをサブ制御基板に送信して(S482)、大当り遊技終了時処理を終了する。また、S474で開放延長回数が値0を超えないときには、開放延長回数に値0(開放延長なし)が決定されているため、変動短縮フラグや開放延長フラグをオンすることなく、大当り遊技終了指定コマンドと遊技状態指定コマンドをサブ制御基板に送信して(S482)、大当り遊技終了時処理を終了する。これにより、開放延長回数に50回や100回が設定されれば、大当り遊技終了後に、100回を上限とする特別図柄の変動表示が行われるまで確変状態(高確率状態)となり且つ設定された開放延長回数(50回または100回)を上限とする特別図柄の変動表示が行われるまで開放延長あり状態(時短状態)となる。なお、開放延長回数が50回の場合、特別図柄の変動表示が50回を超えた以降は確変状態ではあるが開放延長なし状態(非時短状態)であるため、高確率開放延長なし状態となる(この状態を潜伏確変状態ともいう)。また、開放延長回数に0回が設定されれば、大当り遊技終了後に、100回を上限とする特別図柄の変動表示が行われるまで確変状態となるものの、開放延長あり状態(時短状態)ではなく開放延長なし状態(非時短状態)であるため、大当り遊技終了後から高確率開放延長なし状態(潜伏確変状態)となる。なお、大当り遊技終了指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、大当りエンディング画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力することにより大当り遊技演出を終了する。また、遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して、演出表示装置34の背景画面などの表示を遊技状態に合わせた表示に設定する等の処理を行う。
[第2普通図柄遊技処理]
S150の第2普通図柄遊技処理(普図2遊技処理)は、図26に例示するフローチャートに従って実行される。第2普通図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2ゲートスイッチ33aからの通過信号に基づいて第2普通図柄作動ゲート(普図2作動ゲート)33を遊技球が通過したか否かを判定する(S500)。第2普通図柄作動ゲート33を遊技球が通過したと判定すると、第2普通図柄の現在の保留数(普図2保留数)がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S502)。現在の保留数が上限値よりも少ないと判定した場合には、普図2保留数を値1だけインクリメントすると共に(S504)、第2普通図柄用の判定用乱数(当り判定用乱数)を取得してRAM70cの第2普通図柄用の判定用乱数記憶領域に格納する(S506)。なお、S500で第2普通図柄作動ゲート33を遊技球が通過していないと判定したり、S502で保留数が上限値に達していると判定したりすると、S504,S506の処理をスキップして次の処理に進む。
次に、第2普通電動役物39が開放動作中であるか否か(S508)、第2普通図柄が変動表示中であるか否か(S510)、第2普通図柄が停止表示時間中であるか否か(S512)、第2普通図柄の保留数が値0であるか否か(S514)をそれぞれ判定する。第2普通電動役物39が開放動作中でなく、第2普通図柄が変動表示中でなく、第2普通図柄が停止表示時間中でなく、第2普通図柄の保留数が値0でもないと判定すると、第2普通図柄用の判定用乱数記憶領域に記憶されている当り判定用乱数のうち最も古い当り判定用乱数を読み出し(S516)、図27に例示する第2普通図柄変動開始処理(普図2変動開始処理)を実行して(S518)、第2普通図柄遊技処理を一旦終了する。
図27の第2普通図柄変動開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれの状態であるかを判定する(S550)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときには低確率用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行い(S552)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには高確率用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(S554)。図28に、第2普通図柄の当り判定テーブルの一例を示す。低確率用の当り判定テーブルでは、図28(a)に示すように、当り判定用乱数が値0〜299のうち値25〜27の場合に当りとなる(1/100の当り確率)。一方、高確率用の当り判定テーブルでは、図28(b)に示すように、当り判定用乱数が値0〜299のうち値25〜174の場合に当りとなる(1/2の当り確率)。
次に、S552,S554の当り判定の結果が当りであるか否かを判定し(S556)、当りの場合には当り図柄を設定し(S558)、当りでない即ち外れの場合には外れ図柄を設定する(S560)。そして、図柄表示基板40aを制御して第2普通図柄の変動表示を開始し(S562)、第2普通図柄保留数を値1だけデクリメントして(S564)、第2普通図柄変動開始処理を終了する。
図26の第2普通図柄遊技処理に戻って、第2普通図柄の変動表示が開始された後に第2普通図柄遊技処理を実行すると、S510で第2普通図柄が変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動表示時間が経過したか否かを判定する(S520)。なお、変動表示時間は、例えば、第1普通図柄と同様に、時短状態にないときには長時間(例えば、30秒)に設定され、時短状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮されるものとすることができる。変動表示時間が経過していないと判定すると、第2普通図柄遊技処理を一旦終了する。一方、変動表示時間が経過したと判定すると、第2普通図柄の変動表示を停止し(S522)、停止表示時間を設定して(S524)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S526)。停止表示時間は、第2普通図柄の変動表示を停止してから次に第2普通図柄の変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば、0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、第2普通図柄遊技処理を一旦終了する。
第2普通図柄の停止表示がなされた後に、第2普通図柄遊技処理が実行されると、S512で停止表示中と判定するため、再びS526で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過したと判定すると、停止表示している第2普通図柄が当り図柄であるか否かを判定する(S528)。当り図柄でないと判定すると、そのまま第2普通図柄変動開始処理を終了する。一方、当り図柄と判定すると、第2普通電動役物39の開放時間を設定し(S530)、第2普通電動役物39の開放動作を開始することにより転落入球口38を開放して(S532)、第2普通図柄変動開始処理を一旦終了する。ここで、第2普通電動役物39の開放時間の設定は、例えば、時短状態にないときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、時短状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長されるものとすることができる。また、第2普通電動役物39の開放動作は、上述したように、第2普通電動役物ソレノイド39bを駆動制御することによって、翼片部39aを左右に開くことにより行う。第2普通図柄電動役物39の開放動作が開始されると、転落入球口38が開放状態となるから、転落入球口38に遊技球が入球可能となる。ここで、前述したように、第2普通図柄作動ゲート33は遊技領域31の左側に配置され、転落入球口38は遊技領域31の右側に配置されている。このため、遊技者が左打ちしているときに、遊技球が第2普通図柄作動ゲート33を通過して第2普通図柄が当りになると、第2普通電動役物39が開放動作を開始して転落入球口38を開放することになるが、遊技者がそのまま左打ちを継続すれば、転落入球口38に遊技球が入球することはない。このため、転落入球口38への遊技球の入球を狙う遊技者は、左打ちから右打ちに変更すればよく、転落入球口38への遊技球の入球を狙わない遊技者は、そのまま左打ちを継続すればよい。即ち、遊技者自らの意思で、転落入球口38への遊技球の入球を狙うこともできるし、入球を狙わないこともできる。なお、第2普通電動役物39の開放時間は、第2普通電動役物39の開放してから、遊技者が左打ちから右打ちに変更し、右打ちにより発射された遊技球が転落入球口38に到達するのに十分な時間として定めるものとすればよい。
第2普通電動役物39の開放動作が開始された後に、第2普通図柄遊技処理が実行されると、S508で第2普通電動役物39の開放動作中と判定するため、開放時間が経過したか否かを判定する(S534)。開放時間が経過していないと判定すると、第2普通電動役物39の開放動作(転落入球口38の開放)を維持したまま第2普通図柄遊技処理を一旦終了し、開放時間が経過したと判定すると、第2普通電動役物39の開放動作を終了することにより転落入球口38の開放を終了して(S536)、第2普通図柄遊技処理を終了する。第2普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS160の転落遊技処理に進む。
[転落遊技処理]
S160の転落遊技処理は、図29に示すフローチャートに従って実行される。転落遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、転落入球口スイッチ38aからの検知信号を入力して転落入球口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S600)。転落入球口38に遊技球が入球したと判定すると、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれの状態であるかを判定する(S602)。確変フラグがオンのときには、確変フラグをオフとして(S604)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S606)、転落遊技処理を終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)に変更されることになる。即ち、高確率状態において、転落入球口38に遊技球が入球すると、大当り判定用の確率が低確率に転落するのである。また、遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を高確率状態用から低確率状態用に変更する等の処理を行う。なお、S600で転落入球口38に遊技球が入球していないと判定したり、S602で確変フラグがオンではないと判定すると、S604,S606の処理をスキップして転落遊技処理を終了する。即ち、低確率状態において、転落入球口38に遊技球が入球しても何ら処理がされない(大当り確率は変化しない)ことになる。このため、前述した図26の第2普通図柄遊技処理(図27の第2普通図柄変動開始処理)では、低確率状態でも当りになれば第2普通電動役物39を作動させて転落入球口38を開放するものとしたが、その場合に転落入球口38に遊技球が入球しても、大当りの発生確率に影響を与えることはない。一方で、高確率状態であれば高い確率で当り判定を行うから、高確率状態では高い確率で第2普通電動役物39が作動することになり、遊技者が転落入球口38に遊技球を入球させて低確率に転落させやすくすることができる。
ここで、大当り発生時の状態と大当り遊技後の遊技条件との関係の一例を図30に示す。図30(a),(b)のいずれも、まず、低確率開放延長なし状態で大当り(1)(いわゆる初当り)が発生して、大当り遊技(1)を実行し、その終了時には、図24(b)の低確率開放延長なしのテーブルに基づいて開放延長回数を決定すると共に高確率状態とする。このため、大当り遊技(1)の終了後は、高確率開放延長あり状態となり、開放延長回数は100回または50回(期待値90回)となる。そして、図30(a)では、大当り遊技(1)の終了後の高確率開放延長あり状態のままで、大当り(2)が発生して、大当り遊技(2)を実行し、その終了時には、図25(a)の高確率開放延長ありのテーブルに基づいて開放延長回数を決定すると共に高確率状態とする。図25(a)では、80%の振り分け確率で開放延長回数が0回になるから、大当り遊技(2)の終了後は、20%の振り分け確率で高確率開放延長あり状態となり、80%の振り分け確率で高確率開放延長なし状態となる。一方、図30(b)では、大当り遊技(1)の終了後の高確率開放延長あり状態において、転落入球口38に遊技球が入球したために、高確率から低確率に転落している。この場合、大当り遊技(1)の終了後に設定された開放延長回数(100回または50回)のうち、転落した時点の残り回数で低確率開放延長あり状態となる。その低確率開放延長あり状態で、大当り(2)が発生すると、大当り遊技(2)を実行し、その終了時には、図24(a)の低確率開放延長ありのテーブルに基づいて開放延長回数を決定すると共に高確率状態とする。図24(a)では、100%の振り分け確率で開放延長回数が100回になるから、大当り遊技(2)の終了後は、高確率開放延長あり状態となり、開放延長回数は100回(期待値100回)となる。
したがって、図30(a)では、高確率開放延長あり状態のために大当り(2)は発生し易いが、大当り遊技(2)の終了後の状態(開放延長の設定)が不利となり、逆に、図30(b)では、低確率開放延長あり状態のために大当り(2)は発生し難いが、大当り遊技(2)の終了後の状態が有利となる。このため、図30(b)では、大当り遊技(2)が終了してから次回の大当りが発生するまで、遊技球の数をほとんど減らすことなく持ち玉で遊技を行う可能性を高くすることができる。これに対し、図30(a)では、大当り遊技(2)が終了してから次回の大当りが発生するまでに時間が掛かったりする(大当りがすぐに発生しなかったりする)など、場合によっては、多くの遊技球を消費する可能性がある。このように、転落入球口38に遊技球を入球させることは、単に大当りの発生確率を低確率に転落させるだけでなく、大当り遊技の終了後の遊技条件を有利にすることに繋がるのである。また、本実施例では、大当りの発生確率を低確率状態で1/100として、特別図柄の100回の変動表示の間に大当りが発生する確率(いわゆる継続率)が60%を超えることから、低確率に転落させたとしても大当り発生の確率が著しく不利にはならないと考えることもできる。これらのことから、高確率開放延長あり状態ではなく、低確率開放延長あり状態で遊技を行うことにメリットを感じる遊技者も存在することになる。このため、大当りの発生確率が低確率になっても大当り遊技後の状態が有利になることを望む遊技者は、転落入球口38へ遊技球の入球を狙って大当り確率を低確率に転落させて遊技を行うことになり、大当り遊技後の状態が有利になるよりも大当りの発生確率が高確率であることを望む遊技者は、転落入球口38への遊技球の入球を狙うことなく遊技を行うことになる。
以上説明した実施例のパチンコ機10によれば、高確率状態(確変状態)で転落入球口38に遊技球が入球すると低確率状態に転落させ、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合よりも、大当り遊技の終了後の開放延長の設定を有利とするから、大当りが発生し易いが大当り遊技後の開放延長の設定が不利となる高確率開放延長あり状態で遊技を実行するか、大当りが発生し難いが大当り遊技後の開放延長の設定が有利となる低確率開放延長あり状態で遊技を実行するかを、遊技者の趣向に応じて選択させることができる。このため、低確率状態での遊技を望む遊技者に、転落入球口38への遊技球の入球を狙わせるといった新たな遊技性を提供することで、遊技興趣の更なる向上を図ることができる。
また、開放延長あり状態は所定回数(最大100回)の特別図柄の変動表示で終了するから、所定回数までに実行される変動表示の回数と、高確率状態と低確率状態との大当り確率の差とを考慮して、高確率開放延長あり状態か低確率開放延長あり状態のいずれで遊技を実行するかを、遊技者に選択させることができる。そして、転落入球口38には第2普通電動役物39が取り付けられており、第2普通図柄作動ゲート33を遊技球が通過して当りにならないと転落入球口38に遊技球が入球しないから、遊技性に変化を与えて遊技興趣をより一層向上させることができる。さらに、第2普通図柄作動ゲート33を遊技領域31の左側に配置し、転落入球口38を遊技領域31の右側に配置したから、転落入球口38へ遊技球を入球させるためには遊技者自らの意思で狙う必要があり、予期せぬ遊技球が転落入球口38に入球することはないから、遊技者の意図に反して低確率に転落するのを防止することができる。
実施例のパチンコ機10では、第2普通図柄作動ゲート33を遊技領域31の左側に配置し、転落入球口38を遊技領域31の右側に配置したが、これに限られるものではない。例えば、第2普通図柄作動ゲート33を遊技領域31の右側に配置し、転落入球口38を遊技領域31の右側に配置してもよい。あるいは、第2普通図柄作動ゲート33と転落入球口38とを、両方とも遊技領域31の右側に配置してもよいし、両方とも遊技領域31の左側に配置してもよい。ただし、遊技者の意図に反して低確率に転落するのを防止するためと、第2普通図柄作動ゲート33を通過した遊技球を第2始動口36などに入球可能として効率よく遊技を行うため、本実施例のように配置するものが好ましい。
実施例のパチンコ機10では、転落入球口38には第2普通電動役物39が取り付けられており、その開放確率が高確率状態と低確率状態とで異なるものとしたが、これに限られず、一定の確率で開放されるものとしてもよい。また、第2普通電動役物39の開放時間を時短状態と非時短状態とで異なるものとしたが、これに限られず、一定の時間で開放されるものとしてもよい。あるいは、転落入球口38に第2普通電動役物39が取り付けられていないもの(常時入球可能なもの)としてもよく、その場合、第2普通図柄作動ゲート33を備えないものとすればよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技の終了後における開放延長回数の振り分け確率(期待値)と開放延長の設定の有無(回数0回の有無)とが異なるものとしたが、これに限られず、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合よりも、遊技者に有利な態様で開放延長状態が設定されるものであればよい。例えば、開放延長の設定がない状態(開放延長0回となる状態)を設けないものとして、開放延長回数の振り分け確率だけが異なるものとしてもよい。また、開放延長の設定の有無だけを異なるものとして、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、常に開放延長を設定し、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、常に開放延長を設定しないものとしてもよい。または、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合よりも、高い確率で開放延長を設定するものとしてもよい。あるいは、開放延長に限られず、大当り遊技の終了後において遊技者に付与される利益に関する遊技条件を異なるものとすればよく、例えば、確変(高確率状態)の設定回数の振り分け確率が異なるものとしてもよい。また、時短機能と開放延長機能とを同時に作動させるものとしたが、いずれか一方のみの作動を可能として、その一方の設定だけが異なるものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当り発生時の4つの状態が、低確率開放延長あり状態、低確率開放延長なし状態、高確率開放延長なし状態、高確率開放延長あり状態の順に、大当り遊技後の遊技状態が不利となるようにしたが、4つの状態の有利不利の順はこれに限られるものではない。少なくとも、低確率開放延長あり状態よりも高確率開放延長あり状態の方が大当り遊技後の遊技状態が不利となるようにするものであれば、4つの状態の有利不利を如何なる順に定めるものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、大当りの種類として大当り遊技の終了後に確変状態になる確変大当りのみを有するものを例示したが、これに限られず、大当り遊技の終了後に確変状態にならない通常大当りと確変大当りとが混在するものとしてもよい。この場合、例えば、大当り遊技の終了後は所定の振り分け確率(40%など)で通常大当りとなり、残りの振り分け確率(60%など)で確変大当りとなるものとしてもよい。これにより、大当り遊技が終了したときに、所定の振り分け確率で低確率開放延長あり状態を発生させることができる。
実施例のパチンコ機10では、図29の転落遊技処理において転落入球口38に遊技球が入球したときに高確率状態であれば常に低確率に転落させるもの(確変フラグをオフとするもの)としたが、これに限られるものではない。例えば、転落入球口38に遊技球が入球したことに基づいて転落させるか否かの抽選処理(転落抽選処理)を行い、抽選結果が転落ありの場合には、確変フラグをオフとして低確率に転落させ、抽選結果が転落なしの場合には、確変フラグをオフせずにオンのまま(高確率のまま)とするものとしてもよい。あるいは、転落入球口38内を特定領域と非特定領域とに分けておき、転落入球口38内に入球した遊技球が特定領域を通過した場合には、確変フラグをオフとして低確率に転落させ、特定領域を通過しなかった(非特定領域を通過した)場合には、確変フラグをオフせずにオンのまま(高確率のまま)とするものとしてもよい。
ここで、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技の終了後に遊技者に付与される利益(開放延長回数の設定)を異なるものとしたが、これに限られず、大当り遊技中に遊技者に付与される利益を異なるものとしてもよく、例えば、大当り遊技中に獲得可能な賞球(出球)を異なるものとしてもよい。以下、この変形例について説明する。この場合、図14の変動表示関連処理におけるS310において大当り図柄決定用テーブルをセットする処理を、図31のフローチャートに基づいて行うものとしてもよい。また、この変形例でセットされる大当り図柄決定用テーブルの一例を図32,図33に示す。なお、この変形例では、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り図柄決定用テーブルは共通とした。図31の大当り図柄決定用テーブルセット処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、現在(今回の大当り発生時)の確変フラグがオフであるか否か(S370)、現在の開放延長フラグがオンであるか否か(S372,S374)をそれぞれ判定する。S370,S372で確変フラグがオフで且つ開放延長フラグがオンと判定した場合(低確率開放延長あり状態の場合)には、大当り図柄を決定するために図32(a)に示す低確率開放延長ありの大当り図柄決定用テーブルをセットする(S376)。また、確変フラグがオフで且つ開放延長フラグがオフと判定した場合(低確率開放延長なし状態の場合)には、図32(b)に示す低確率開放延長なしの大当り図柄決定用テーブルをセットする(S378)。さらに、現在の確変フラグがオンで且つ開放延長フラグがオンと判定した場合(高確率開放延長あり状態の場合)には、図33(a)に示す高確率開放延長ありの大当り図柄決定用テーブルをセットする(S380)。また、確変フラグがオンで且つ開放延長フラグがオフと判定した場合(高確率開放延長なし状態の場合)には、図33(b)に示す高確率開放延長なしの大当り図柄決定用テーブルをセットする(S382)。これらの大当り図柄決定用テーブルをセットすると、大当り図柄決定用テーブルセット処理を終了する。以後、図14の変動表示関連処理に戻って、S308で取得した大当り図柄決定用乱数と、セットした大当り図柄決定用テーブルとを用いて、大当り図柄(大当りの種類)がセットされる。このように、変形例では、大当りが発生したときの状態(高確率か低確率、開放延長の有無)に基づいて、異なる大当り図柄決定用テーブルをセットするのである。
図32,図33に示すように、変形例の大当り図柄決定用テーブルは、ラウンド数が14ラウンドで賞球が約2000発の第4の大当りと、ラウンド数が7ラウンドで賞球が約1000発の第5の大当りと、ラウンド数が2ラウンドで賞球のない第6の大当りとが、大当り図柄決定用乱数に対応付けて定められている。なお、第6の大当りは、大入賞口44がわずかな間(0.5秒)だけ開閉して確変状態になる、いわゆる突然確変大当り(突確大当り)である。図32(a)の低確率開放延長ありのテーブルでは、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち全てで第4の大当りとなる(100%の振り分け確率)。また、図32(b)の低確率開放延長なしのテーブルでは、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜204のときに第4の大当りとなり(約80%の振り分け確率)、値205〜255のときに第5の確変の大当りとなる(約20%の振り分け確率)。さらに、図33(a)の高確率開放延長ありのテーブルでは、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜25のときに第4の大当りとなり(約10%の振り分け確率)、値26〜51のときに第5の大当りとなり(約10%の振り分け確率)、値52〜255のときに第6の大当りとなる(約80%の振り分け確率)。そして、図33(b)の高確率開放延長なしのテーブルでは、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜127のときに第5の大当りとなり(50%の振り分け確率)、値128〜255のときに第6の大当りとなる(50%の振り分け確率)。
このように、この変形例では、大当り発生時の状態に応じて異なる大当り図柄決定用テーブルをセットし、各テーブルでは大当り図柄(獲得可能な賞球)の振り分けが異なるから、大当り発生時の状態に応じて大当り遊技中に獲得可能な賞球が異なることになる。ここで、各テーブル毎の獲得可能な賞球の期待値は、図32(a)の低確率開放延長ありのテーブルで約2000発となり、図32(b)の低確率開放延長なしのテーブルで約1800発となり、図33(a)の高確率開放延長ありのテーブルで約300発となり、図33(b)の高確率開放延長なしのテーブルで約500発となる。即ち、各テーブル毎の獲得可能な賞球の期待値は、低確率開放延長ありのテーブル(図32(a))、低確率開放延長なしのテーブル(図32(b))高確率開放延長なしのテーブル(図33(b))、高確率開放延長ありのテーブル(図33(a))の順に少なくなる。また、賞球が獲得できない(賞球が0となる)突確大当りの振り分け確率は、図32(a)の低確率開放延長ありのテーブルと図32(b)の低確率開放延長なしのテーブルで0%となり、図33(a)の高確率開放延長ありのテーブルで80%となり、図33(b)の高確率開放延長なしのテーブルで50%となる。即ち、賞球が獲得できない突確大当りの振り分け確率は、低確率開放延長ありのテーブル(図32(a))および低確率開放延長なしのテーブル(図32(b))、高確率開放延長なしのテーブル(図33(b))、高確率開放延長ありのテーブル(図33(a))の順に高くなる。このように、本変形例では、大当り発生時の状態が、低確率開放延長あり状態、低確率開放延長なし状態、高確率開放延長なし状態、高確率開放延長あり状態の順に大当り遊技中に獲得可能な賞球が不利となるように大当り遊技中の遊技条件が設定されるのである。なお、この変形例においても、本実施例と同様に、大当りが発生し易い状態は、大当り遊技中の状態(利益)が不利となり、大当りが発生し難い状態は、大当り遊技中の状態が有利となるものといえる。
また、この変形例では、大当り遊技の終了後は、確変回数と開放延長回数とに一律の値(例えば100回)が設定されるものとした。即ち、大当り遊技の終了後の遊技条件は、大当り発生時の状態に拘わらず同一とした。このため、図23の大当り遊技終了時処理では、S456〜S474の処理を省略し、S480の処理で変動短縮カウンタに値100をセットすればよい。図34に、大当り発生時の状態と大当り遊技中の遊技条件との関係の一例を示す。図34(a)では、大当り遊技(1)の終了後の高確率開放延長あり状態のままで大当り(2)が発生しており、高確率開放延長ありのテーブル(図33(a))で獲得可能な賞球が決まるから、大当り遊技(2)で獲得可能な賞球の期待値は約300発と少ないものとなる。一方、図34(b)では、大当り遊技(1)の終了後の高確率開放延長あり状態において、転落入球口38に遊技球が入球したために、高確率から低確率に転落している。その転落後の低確率開放延長あり状態で、大当り(2)が発生したために、低確率開放延長ありのテーブル(図32(a))で獲得可能な賞球が決まるから、大当り遊技(2)で獲得可能な賞球の期待値は約2000発と多いものとなる。即ち、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合に比べて、大当り遊技中に遊技者に付与される利益が大きくなるのである。
この変形例のパチンコ機10によれば、高確率状態(確変状態)で転落入球口38に遊技球が入球すると低確率状態に転落させ、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合よりも、大当り遊技中に獲得可能な賞球の設定を有利とするから、大当りが発生し易いが大当り遊技中に獲得可能な賞球が不利となる高確率開放延長あり状態で遊技を実行するか、大当りが発生し難いが大当り遊技中に獲得可能な賞球が有利となる低確率開放延長あり状態で遊技を実行するかを、遊技者の趣向に応じて選択させることができる。このため、本実施例と同様に、低確率状態での遊技を望む遊技者に、転落入球口38への遊技球の入球を狙わせるといった新たな遊技性を提供することで、遊技興趣の更なる向上を図ることができる。また、これ以外の効果についても、本実施例と同様に有するものとなる。
この変形例では、ラウンド数を異ならせることにより獲得可能な賞球が異なるものとしたが、これに限られず、ラウンド数を同じにし大入賞口44の開放時間を異ならせることにより、獲得可能な賞球が異なるものとしてもよい。また、突確大当りの振り分け確率を同じものとして、獲得可能な賞球の振り分けだけが異なるものとしてもよい。あるいは、突確大当りを設定しないものとしてもよい。
この変形例では、大当り遊技中の遊技条件(利益)だけを異なるものとして大当り遊技後の遊技条件は同じものとしたが、これに限られず、大当り遊技中の遊技条件と大当り遊技後の遊技条件との両方が異なるものとしてもよい。即ち、大当りが発生した以降において遊技者に付与される利益が異なるものとすればよく、低確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合には、高確率開放延長あり状態で大当りが発生した場合よりも、大当り遊技中と大当り遊技後とにおいて遊技者に付与される利益がいずれも大きくなるものとしてもよい。なお、大当り遊技後に付与される利益は、本実施例のように、開放延長の設定により異なるものなどとすることができる。
また、実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、第1普通電動役物37が取り付けられた第2始動口36が「始動口」に相当し、図23の大当り遊技終了時処理のS476,S478の処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「入球状態設定手段」に相当し、図14の変動表示関連処理のS300〜S304の処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「当否判定手段」に相当し、図10の主制御処理のS140(図22)の大当り遊技処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「当り遊技実行手段」に相当し、図23の大当り遊技終了時処理のS456〜S468の処理を実行する主制御基板70のCPU70aと図24,図25の開放延長回数決定用テーブルを記憶するROM70bとが「遊技条件設定手段」に相当し、図23の大当り遊技終了時処理のS452,S454の処理と図13の特別図柄遊技処理のS266〜S272の処理と図10の主制御処理のS160(図29)の転落遊技処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「確率状態設定手段」に相当し、第2普通電動役物39が取り付けられた転落入球口38が「特定入球口」に相当する。また、本実施例では、特定入球口を普通電動役物内に設けたが、これに限らず、所謂ゲートで構成してもよい。「特定入球口」の用語は、入球した遊技球を遊技盤の裏面側に排出するタイプの入口と、入球した遊技球を遊技領域に排出するタイプの入口との両方のタイプの入口を含む。また、図14の変動表示関連処理のS330の処理と図12の特別図柄遊技処理のS222,S238,S240の処理を実行する主制御基板70が「図柄変動遊技実行手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。