JP2015023942A - 遊技機 - Google Patents

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Masatsugu Yano
将嗣 矢野
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Abstract

【課題】特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特別状態を発生させるものにおいて、かかる遊技性にバリエーションをもたせることで、遊技興趣をより向上させる。【解決手段】大当り遊技中に内部に特定領域を有する第2大入賞口を開放させる特定領域入球遊技(特定ラウンド)を実行するものにおいて、大当りの連荘回数Nを計数し、特定領域入球遊技にて遊技球が第2大入賞口に入球し且つ特定領域を通過すると、大当り遊技後に、計数した連荘回数Nがリミット回数NL未満の場合には(S486の「YES」)、高確率状態(「高確率時短あり電サポあり状態」)を発生させ(S488〜S494)、計数した連荘回数Nがリミット回数NL以上の場合には(S482の「NO」)、低確率状態(「低確率時短あり電サポあり状態」)を発生させる(S490〜S494)。【選択図】図25

Description

本発明は、パチンコ機やアレンジボール等の弾球式の遊技機に関する。
従来、この種の遊技機としては、Vアタッカー(可変入球口)の内部に遊技球が通過可能な特定領域が設けられた遊技機において、始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示される特別図柄が当り図柄で停止表示されると、Vアタッカーを開放させる当り遊技(特定遊技)を行い、当り遊技中にVアタッカーに入球した遊技球が特定領域を通過すると、当り遊技後に特別図柄が当り図柄で停止表示される確率が高確率となる確率変動状態(高確率状態)等の特別状態を発生させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この遊技機では、当り図柄の種別に基づいてVアタッカーの開放パターンを長時間開放パターンと短時間開放パターンのいずれかに選択することで、当り遊技後の確率変動状態への移行のし易さを変化させている。
特開2012−245172号公報
しかしながら、上述した遊技機のように、当り図柄に基づいて可変入球口の開放パターンを変化させることで特定遊技中の特定領域への遊技球の通過可能性を変化させる遊技性は周知化しているため、同様の遊技性では、遊技興趣の向上を図るのは困難である。
本発明の遊技機は、特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特別状態を発生させるものにおいて、かかる遊技性にバリエーションをもたせることで、遊技興趣をより向上させることを主目的とする。
本発明の遊技機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の遊技機は、
遊技球の入球が不能な入球不能状態と遊技球の入球が可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口と、識別情報を変動表示可能な識別情報表示装置と、を備え、
前記識別情報表示装置にて変動表示される識別情報の表示態様が特定の表示態様となったことに基づいて前記可変入球口を入球可能状態とする特定遊技を行い、該特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて該特定遊技後に前記識別情報の変動表示に係る遊技を通常とは異なる特別な態様で進めることが可能な特別状態を発生させる遊技機であって、
前記特別状態として、内容の異なる複数の特別状態が設けられ、
前記特定遊技の実行回数を計数する計数手段と、
前記計数手段の計数値に基づいて前記特別状態の内容を決定し、該決定した内容に基づく特別状態を発生させる特別状態発生手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の遊技機では、特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、識別情報の変動表示に係る遊技を通常とは異なる特別な態様で進めることが可能な特別状態を特定遊技後に発生させるものにおいて、特定遊技の実行回数を計数し、その計数値に基づいて特別状態の内容を決定し、決定した内容に基づく特別状態を発生させる。これにより、発生させる特別状態の内容にバリエーションをもたせることができる。また、特定遊技の実行回数に応じて発生させる特別状態の内容が変化するという新規な遊技性も実現することができる。これらの結果、特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特別状態を発生させるものにおいて、かかる遊技性にバリエーションをもたせて、遊技興趣を向上させることができる。なお、「特別な態様」としては、通常よりも遊技者に有利な態様としてもよい。
こうした本発明の遊技機において、
前記特別状態発生手段は、前記計数手段の計数値が所定値になる前は、前記特別状態として所定の内容を決定し、前記計数手段の計数値が前記所定値になると、前記特別状態として前記所定の内容よりも遊技者に不利な内容を決定する
ものとすることもできる。
こうすれば、遊技者に有利な状態がある程度継続することを期待させることができる一方で、有利な状態が際限なく継続するのを防止することができる。
また、本発明の遊技機において、
前記識別情報の変動表示は所定の始動口への遊技球の入球に基づいて行われるもので、
前記始動口として、遊技球の入球可能性が低い第1の態様と遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変始動口を備え、
前記特別状態として、前記識別情報の表示態様が前記特定の表示態様となる確率が所定の確率よりも高くなる確率変動状態と、前記可変始動口が前記第2の態様となる頻度が所定の状態よりも高くなる高頻度状態と、前記識別情報の変動時間が所定の時間よりも短縮される変動短縮状態のうちの少なくとも2つが含まれる複数の内容が設けられ、
前記特別状態発生手段は、前記計数手段の計数値に基づいて前記複数の内容のいずれかを決定する
ものとすることもできる。
こうすれば、特定遊技の実行回数に応じて、確率変動状態と高頻度状態と変動短縮状態のうち少なくとも2つが含まれる複数の内容を決定することができるため、特別状態の内容にバリエーションをもたせて、遊技興趣を一層向上させることができる。
ここで、「複数の内容」には、「確率変動状態と高頻度状態と変動短縮状態とを発生させる」態様や、「確率変動状態と高頻度状態とを発生させ変動短縮状態を発生させない」態様、「確率変動状態を発生させ高頻度状態と変動短縮状態とを発生させない」態様、「高頻度状態と変動短縮状態とを発生させ確率変動状態を発生させない」態様、「高頻度状態を発生させ確率変動状態と変動短縮状態とを発生させない」態様、「変動短縮状態を発生させ確率変動状態と高頻度状態とを発生させない」態様等を含めることができる。
また、本発明の遊技機において、
前記特別状態は、前記特定遊技後に前記識別情報の変動表示が所定回数行われると終了するもので、
前記特別状態発生手段は、前記計数手段の計数値に基づいて、前記特別状態を終了させることとなる前記識別情報の変動表示回数が異なる複数の内容のうちいずれかを決定し、該決定した内容に基づく回数の前記識別情報の変動表示が行われると、前記特別状態を終了させる
ものとすることもできる。
こうすれば、特別状態の発生期間によって特別状態の内容にバリエーションをもたせて、遊技興趣の向上を図ることができる。
ここで、「複数の内容」には、「確率変動状態」を特定遊技後に識別情報の変動表示が所定回数行われるまで継続させる場合にその回数の異なる複数の態様や、「高頻度状態」を特定遊技後に識別情報の変動表示が所定回数行われるまで継続させる場合にその回数の異なる複数の態様、「変動短縮状態」を特定遊技後に識別情報の変動表示が所定回数行われるまで継続させる場合にその回数の異なる複数の態様等を含めることができる。
また、本発明の遊技機において、
前記計数手段は、前記特別状態にて前記識別情報の表示態様が前記特定の表示態様となることに基づく前記特定遊技の実行が繰り返されることによって前記特定遊技の実行回数を計数する
ものとすることもできる。
こうすれば、特別状態を継続させることとなる特定遊技の連続発生回数(いわゆる連荘回数)に応じてその特別状態の内容を変化させるという新規な遊技性を実現することができる。
本発明の遊技機によれば、特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特別状態を発生させるものにおいて、かかる遊技性にバリエーションをもたせることで、遊技興趣をより向上させることができる。
本発明の第1実施例であるパチンコ機10の外観を示す外観斜視図である。 第1実施例のパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図である。 第1実施例のパチンコ機10の制御回路の構成を示すブロック図である。 第1大入賞口50と第2大入賞口60の構成の概略を示す構成図である。 第2大入賞口60の内部を含む構成の概略を示す構成図である。 振分装置67が遊技球を振り分ける様子を示す説明図である。 図柄表示装置40の構成を説明する説明図である。 普通図柄表示装置41の表示態様の一例を示す説明図である。 大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す説明図である。 演出表示装置34の画面構成を説明する説明図である。 サブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図である。 主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。 大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。 第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。 第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルの一例を示す説明図である。 大当り変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。 外れ変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。 主制御基板70のCPU70aにより実行される大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される初当り判定処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される特定領域入球遊技処理の一例を示すフローチャートである。 主制御基板70のCPU70aにより実行される大当り遊技終了時処理の一例を示すフローチャートである。 特定領域入球遊技の結果と連荘回数Nと大当り遊技後の遊技状態との関係を示す説明図である。 第2実施例の特定領域入球遊技処理を示すフローチャートである。 第2実施例の大当り遊技終了時処理を示すフローチャートである。 変形例の特定領域入球遊技処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例のパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2は第1実施例のパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3は第1実施例のパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
第1実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲を囲むように配置されたセンター役物49と、センター役物49の下側に配置され遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、センター役物49の左部に形成され遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、遊技領域31の左下部に配置された一般入賞口スイッチ46a(図3参照)を有する一般入賞口46と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知する第1大入賞口スイッチ50a(図3参照)を有する第1大入賞口50と、同じく遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知する第2大入賞口スイッチ60a(図3参照)を有する第2大入賞口60と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口48と、を備える。また、遊技盤30は、上述した各入賞口の周辺には遊技球をガイドしたり弾いたりする図示しない多数の釘が設けられている。
第2始動口38は、普通電動役物として設けられる可変式の入球口であり、翼片部38cと、翼片部38cを作動させる第2始動口ソレノイド38b(図3参照)と、を備える。この第2始動口38は、翼片部38cが直立しているときには遊技球の入球の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部38cが左側に開いているときには遊技球の入球の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部38cが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
第1大入賞口50と第2大入賞口60の構成の概略を図4に示す。図示するように、第1大入賞口50は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、開閉板50cと、開閉板50cを作動させる第1大入賞口ソレノイド50bと、を備える。この第1大入賞口50は、通常は開閉板50cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態:入球不能状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)の通常ラウンドにおいて、第1大入賞口ソレノイド50bによって開閉板50cが作動して手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態:入球可能状態)となる。第1大入賞口50には、遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための第1大入賞口スイッチ50aが取り付けられている。本実施例では、大当り遊技の処理として、第1大入賞口スイッチ50aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒)が経過するまでを1ラウンドとして第1大入賞口50を開放し、規定ラウンドまで第1大入賞口50の開放動作を繰り返す。なお、各ラウンドの間には、所定時間(例えば、2秒間)だけ第1大入賞口50を閉状態とする。
第2大入賞口60は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、開閉板60cと、開閉板60cを作動させる第2大入賞口ソレノイド60bと、を備える。この第2大入賞口60は、通常は開閉板60cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態:入球不能状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)中の特定ラウンド(特定領域入球遊技)において、第2大入賞口ソレノイド60bによって開閉板60cが作動して手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態:入球可能状態)となる。ここで、第2大入賞口60は、その開放態様として、第1所定時間(例えば5秒)に亘って開放する長開放の態様と、第1所定時間よりも短い第2所定時間(例えば0.2秒)に亘って開放する短開放の態様とがあり、後述する大当り図柄に応じていずれかの態様を選択して開放する。なお、第2大入賞口60には、遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための第2大入賞口スイッチ60a(図3参照)が取り付けられている。
この第2大入賞口60の内部を含む構成の概略を図5に示す。図示するように、第2大入賞口60内には、遊技球の通過を検知する特定領域通過スイッチ63a(図3参照)を有する特定領域63(いわゆるV領域)と、遊技球の通過を検知する非特定領域通過スイッチ64a(図3参照)を有する非特定領域64(いわゆる外れ領域)と、遊技球を特定領域63に誘導するよう特定領域63側に向かってわずかに傾斜した特定領域用誘導部65と、第2大入賞口60のフレームの一部(下端)を構成すると共に遊技球を非特定領域64に誘導するよう非特定領域64側に向かってわずかに傾斜した非特定領域用誘導部66と、第2大入賞口60内に入球した遊技球を平板状の振分板67aで受けて特定領域用誘導部65か非特定領域用誘導部66のいずれかに振り分ける振分装置67とが設けられている。振分装置67は、振分ソレノイド67bの駆動によって、振分板67aがその一端の回転軸67cを中心として下方に回動可能となっている。
振分装置67が遊技球を振り分ける様子を図6に示す。図示するように、振分装置67は、振分ソレノイド67bが駆動してない非駆動状態では、振分板67aで受けた遊技球を特定領域63側(特定領域用誘導部65)に振り分け(図6(a))、振分ソレノイド67bが駆動している駆動状態では、振分板67aが下方に回動することにより振分板67aで受けた遊技球を非特定領域64側(非特定領域用誘導部66)に振り分ける(図6(b))。即ち、第2大入賞口60に入球した遊技球は、振分装置67による振分を経て、特定領域63か非特定領域64のいずれかを通過することになる。本実施例では、振分装置67は、所定周期で、非駆動状態(第2大入賞口60に入球した遊技球を特定領域63側に振り分ける状態)と駆動状態(第2大入賞口60に入球した遊技球を非特定領域64側に振り分ける状態)とを交互に切り替えるものとした。非駆動状態の期間および駆動状態の期間としては、それぞれ同一の期間としてもよいし、異なる期間としてもよい。なお、本実施例では、第2大入賞口60に入球した遊技球を振分装置67により特定領域63および非特定領域64のいずれかに振り分ける構成を採用したが、これに限られず、振分装置の構成を他の如何なる構成によるものとしてもよいし、振分装置67を備えない構成、即ち第2大入賞口60に入球した遊技球の全てが特定領域63を通過する構成を採用するものとしてもよい。
図柄表示装置40は、図7の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示装置41と、特別図柄の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示装置42と、大当り遊技の規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す図柄を表示するラウンド表示装置43と、を備える。普通図柄表示装置41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。図8に、普通図柄表示装置41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示装置41は、図示するように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(図8の上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(図8の上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(図8の上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(図8の上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示装置41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、図8の上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第2始動口38を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。
特別図柄表示装置42は、図7に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置42は、第1始動口36か第2始動口38かのいずれかの入球が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、大当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第1始動口対応表示部となっており、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第2始動口対応表示部となっている。以下、特に、第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄(特図1)とも呼び、第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄(特図2)とも呼ぶ。図9に、大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の大当りとなる特別図柄(第1の大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける右上,右下,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける中段の横棒セグメントと右上および左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様とがある(図9の上から1段目参照)。また、第2の大当りとなる特別図柄(第2の大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様がある(図9の上から2段目参照)。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36および第2始動口38のいずれかに入球したときには、それぞれの始動口毎に特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。
ここで、第1,第2の大当りは、いずれも、通常ラウンドでは第1大入賞口50を開放し、特定ラウンドでは第2大入賞口60を開放する大当り遊技が行われる。大当り遊技は、本実施例では、第1〜第14ラウンドが通常ラウンドとして実行され、最終ラウンドである第15ラウンドが特定ラウンドとして実行される。なお、本実施例における大当り遊技の各ラウンドの遊技のうち特定ラウンドでの遊技を「特定領域入球遊技」とも呼ぶ。第1,第2の大当りは、特定ラウンドでの第2大入賞口60の開放態様がそれぞれ異なる。即ち、第1の大当りでは、第2大入賞口60を長開放し、第2の大当りでは、第2大入賞口60を短開放する。勿論、大当り種類(大当り図柄)に拘らず同じ開放態様で第2大入賞口60の開放させるものとしてもよい。大当り遊技が終了すると、遊技球が第2大入賞口60に入球し且つ特定領域63を通過したことを条件として、特別図柄の変動表示に係る遊技(図柄変動遊技)を「低確率時短なし電サポなし状態(通常遊技状態)」とは異なる特別な態様(通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な態様)で進めることができる状態である特別状態を発生させる。特別状態としては、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率(特図当り確率)が低確率状態よりも高くなる特図高確率状態(確率変動状態:以下、「高確率状態」と呼ぶ)と、特別図柄の変動時間が短縮される特図時短状態(変動短縮状態:以下、「時短あり状態」と呼ぶ)と、普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)が低確率状態よりも高くなると共に普通図柄の変動時間が短縮され且つ普通図柄が当り図柄で停止表示されたときに第2始動口38の開放時間が延長される電サポあり状態(高頻度状態)とが含まれ、本実施例では、高確率状態と時短あり状態と電サポあり状態の全てを発生させる「高確率時短あり電サポあり状態」と、高確率状態を発生させず時短あり状態と電サポあり状態とを発生させる「低確率時短あり電サポあり状態」のいずれかを発生させる。なお、「高確率時短あり電サポあり状態」と「低確率時短あり電サポあり状態」のいずれを発生させるのかを選択するための条件については後述する。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図10に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口36に入球した場合と、遊技球が第2始動口38に入球した場合に、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり(例えば、「358」)、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかった場合には、リーチありの外れとなるが(例えば、「393」)、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rのすべてが一致した場合には、大当りとなる(例えば、「777」)。この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示装置42により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と対応する。
また、本実施例では、演出表示装置34の表示画面内に第1保留図柄35aと第2保留図柄35bも表示されている。第1保留図柄35aは、第1特別図柄の変動表示中に第1始動口36に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。第2保留図柄35bも、第2特別図柄の変動表示中に第2始動口38に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。
こうして構成された実施例のパチンコ機10では、第1始動口36が演出表示装置34(センター役物49)の下側に配置されており、遊技者は、遊技球を遊技領域31の左側(演出表示装置34の左側領域)に流下させるように発射ハンドル18を回転操作(所謂左打ち)することにより、遊技球を第1始動口36に入球させることができる。また、普通図柄作動ゲート32および第2始動口38が演出表示装置34の左側に配置されており、遊技者は左打ちをすることにより、遊技球を普通図柄作動ゲート32に通過させることができ、普通図柄が当りとなって第2始動口38が開放すると、遊技者は左打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口38に入球させることができる。さらに、第1大入賞口50および第2大入賞口60が遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちすることにより、遊技球を遊技領域31の右側(演出表示装置34の右側領域)に流下させて、開状態となった第1大入賞口50や第2大入賞口60に入球させることができる。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,各種制御に必要な時間を計るタイマ(システムタイマ),周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタ イマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図11に示す。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ36aからの入球信号や第2始動口スイッチ38aからの入球信号が直接に入力されると共に、ゲートスイッチ32aからの通過信号や第1大入賞口スイッチ50aからの入球信号,第2大入賞口スイッチ60aからの入球信号,一般入賞口スイッチ46aからの入球信号,特定領域通過スイッチ63aからの通過信号,非特定領域通過スイッチ64aからの通過信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第2始動口ソレノイド38bへの駆動信号,第1大入賞口ソレノイド50bへの駆動信号,第2大入賞口ソレノイド60bへの駆動信号,振分ソレノイド67bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。また、主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。
サブ制御基板90は、図11に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90は、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93aを駆動したり可動演出役物を動作させるための装飾モータ93bを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26に設けられ演出ボタン26の操作を検知する操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図12は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、遊技開始処理(S110)と、普通図柄遊技処理(S120)と、普通図柄当り遊技処理(S130)と、特別図柄遊技処理(S140)と、大当り遊技処理(S150)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S110〜S150の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[遊技開始処理]
S110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,第1大入賞口スイッチ50a,第2大入賞口スイッチ60a,一般入賞口スイッチ46aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種判定用情報(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,リーチ用乱数,変動パターン決定用乱
数、普通図柄当否判定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ36aや第2始動口スイッチ38a,第1大入賞口スイッチ50a,第2大入賞口スイッチ60a,一般入賞口スイッチ46aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。遊技開始処理が終了すると、主制御処理に戻って次のS120の普通図柄遊技処理に進む。
[普通図柄遊技処理]
S120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図8参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過することに基づき取得される普通図柄当否判定用乱数と、普通図柄当り判定テーブルを用いて行われるもので、電サポなし状態(開放延長フラグがオフ)にあるときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、電サポあり状態(開放延長フラグがオン)にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、電サポなし状態(開放延長フラグがオフ)にあるときには長時間(例えば、30秒)に設定され、電サポあり状態(開放延長フラグがオン)にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第2始動口38の開放時間を設定し、第2始動口38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口38の開放時間は、電サポなし状態(開放延長フラグがオフ)にあるときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、電サポあり状態(開放延長フラグがオン)にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第2始動口38の開放は、上述したように、第2始動口ソレノイド38bを駆動制御することによって、翼片部38cを左に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の普通図柄当り遊技処理に進む。このように、電サポあり状態においては、普通図柄の変動時間を短縮する普図変動時間短縮機能を作動させると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)を高くする普図確率変動機能を作動させ、且つ、第2始動口38の開放時間を延長する開放延長機能を作動させる。このため、本実施例の電サポあり状態を、開放延長機能作動状態、普図時短状態または普図確変状態ともいう。また、これら3つの機能を同時に作動させる形態のみを例示したが、いずれか1つの機能またはいずれか2つの機能を作動させる形態とすることもできる。
[普通図柄当り遊技処理]
S130の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、第2始動口38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口38に入球しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口38に入球してもいないと判定すると、第2始動口38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口38に入球していると判定すると、第2始動口ソレノイド38bの駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS140の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
S140の特別図柄遊技処理は、図13〜図15に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、判定用情報を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。ここで、S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。なお、大当り判定は、特別図柄の当否判定に相当するものである。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄35aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2特別図柄を変動表示させるための第2始動口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口38に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用情報を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S216)、第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S218)。ここで、S216で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第2特別図柄表示手段42bに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。また、第2特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄35bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S210で第2始動口38に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S220)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S222)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S224)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S226)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S228)、第2特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S230)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S232)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S234)、第1特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S236)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S226〜S236では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。勿論、第1始動口36や第2始動口38に遊技球が入球した順に特別図柄を変動させるもの(入球順変動)としてもよいし、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行うもの(同時変動)としてもよい。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図16のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS228またはS234で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図14に示す。なお、図17(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図17(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜399のうち値60,61のときに大当りとし(1/200の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは当り判定用乱数が値0〜399のうち値60〜79のときに大当りとするものとした(1/20の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルが用いられる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図18に例示する第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図19に例示する第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルでは、図18に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜127のときに図9の左側1段目の図柄が選択されて「第1の大当り」となり(50%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値128〜1203のときに図9の左側2段目の図柄が選択されて「第2の大当り」となる(50%の出現確率)。また、第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルでは、図19に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のすべてで図9の右側1段目の図柄が選択されて「第1の大当り」となる(100%の出現確率)。前述したように、「第1の大当り」は、特定ラウンドにおける第2大入賞口60の開放時間が「第2の大当り」に比して長く設定されているため、第2大入賞口60に遊技球が入球する可能性が高くなる結果、特定領域63を遊技球が通過する可能性が高いものとなる。遊技球が特定領域63を通過すると、大当り遊技後に特別状態が発生するため、「第1の大当り」は特別状態(高確率状態や時短あり状態、電サポあり状態)の発生可能性が「第2の大当り」に比して高い大当りといえる。
また、S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れであるから、外れ図柄を決定する(S312)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
こうして停止図柄を決定すると、変動パターンテーブルを設定する(S314)。S324の処理は、大当り判定の結果が大当りである場合には、図20に例示する大当り変動パターンテーブルを設定し、大当り判定の結果が外れである場合には、図21に例示する外れ変動パターンテーブルを設定することにより行う。各変動パターンテーブルは、図20および図21に示すように、現在の遊技状態(時短あり状態か否か)と保留数と変動パターン決定用乱数とに対応付けて各種の変動パターン(変動時間)が規定されており、特別図柄を変動表示させる際には、これらの変動パターンテーブルを用いて一の変動パターンが選択される。また、各変動パターンテーブルは、いずれも、時短あり状態(変動短縮フラグがオンの場合)での通常変動における変動時間(通常変動Cが1秒で通常変動Dが4秒)が時短なし状態(変動短縮フラグがオフの場合)での通常変動における変動時間(通常変動Aが5秒で通常変動Bが10秒)に比して短時間に設定されている。
変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数と設定した変動パターンテーブルとを用いて変動パターンを設定する(S318)。そして、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S320)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし(S322)、図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(S324)、変動表示関連処理を終了する。S320〜S324の処理は、現在の変動表示関連処理の対象が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする処理となる。一方、現在の変動表示関連処理の対象が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントする処理となる。また、S324で送信する図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれ、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれている。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。
図13〜図15の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S222で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S238)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S240)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S242)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S244)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S246)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S224で停止表示時間中と判定するため、再びS246で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S248)。
S248で大当り図柄と判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S250)、現在の変動短縮フラグおよび確変フラグの設定状態をRAM70cに記憶し(S252)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S254)。これにより、後述する大当り遊技演出処理で大当り遊技開始演出などが実行されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や変動時間短縮機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S256,S258)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S260〜S264)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。
一方、S248で大当り図柄でないと判定すると、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S266)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S268)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S270)。ここで、変動短縮カウンタは、特別図柄の変動時間短縮機能の作動状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際して大当り態様に応じた値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、時短あり電サポあり状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、時短あり電サポあり状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S272)、開放延長フラグをオフとし(S274)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S276)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、時短あり電サポあり状態から時短なし電サポなし状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を時短あり電サポあり状態用から時短なし電サポなし状態用に変更する等の処理を行う。
[大当り遊技処理]
S150の大当り遊技処理は、図22に示すフローチャートに従って実行される。図22の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップ400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、遊技開始タイミングであるか否かを判定し(S402)、遊技開始タイミングであると判定すると、「初当り」であるか否かを判定する図23の初当り判定処理を行い(S404)、「初当り」と判定すると(S406)、大当りの連荘回数Nを値1に初期化し(S408)、「初当り」でない即ち連荘中と判定すると(S406)、大当りの連荘回数Nを値1だけインクリメントする(S410)。ここで、初当り判定処理は、図23に示すように、特別図柄遊技処理で特別図柄が大当り図柄で停止表示されたときにS252で記憶された確変フラグおよび変動短縮フラグの設定状態を読み出して(S440)、確変フラグがオフであるか否か(S442)、変動短縮フラグがオフであるか否かを(S444)、それぞれ判定し、確変フラグおよび変動短縮フラグがいずれもオフであると判定すると、「初当り」であると判定し(S446)、確変フラグがオフでないと判定するか、確変フラグがオフであり変動短縮フラグがオフでないと判定すると、「初当り」でない即ち連荘中と判定する(S448)ことにより行う。つまり、連荘回数Nは、特別状態(本実施例では「高確率時短あり電サポあり状態」または「低確率時短あり電サポあり状態」)での大当りの発生が繰り返されることで、その都度、値1ずつインクリメントされるもので、特別状態での大当り発生に基づく大当り遊技の連続実行回数(特別状態での大当りの連続発生回数)を示すものである。なお、本実施例では、連荘回数Nの初期値を値1としており、特別状態での大当り発生に基づく大当り遊技の連続実行回数に、特別状態の発生契機となった「初当り」の大当り遊技も含むものとしているが、これに限られることはなく、連荘回数Nの初期値を値0とすることで、特別状態での大当り発生に基づく大当り遊技の連続実行回数(連荘回数)に「初当り」を含まないようにしてもよい。
S408またはS410で連荘回数Nを設定すると、残りラウンド数に初期値(本実施例では値15)を設定する(S412)。なお、遊技開始タイミングでないと判定すると、残りラウンド数を初期化済みであるから、S404〜S412の処理をスキップする。次に、第1大入賞口50が開放中であるか否かを判定する(S414)。第1大入賞口50が開放中でない(閉鎖中である)と判定すると、残りラウンド数が値1である即ち特定ラウンドであるか否かを判定する(S416)。残りラウンド数が値1でない即ち値2以上であると判定すると、第1大入賞口50の開放タイミングであるか否かを判定する(S418)。この判定は、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定することにより行われる。第1大入賞口50の開放タイミングではないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。
S418で第1大入賞口50の開放タイミングであると判定すると、第1大入賞口50が開放されるよう第1大入賞口ソレノイド50bを駆動制御して(S420)、大当り遊技処理を一旦終了する。
第1大入賞口50を開放して大当り遊技処理を一旦終了した後は、次に大当り遊技処理を実行したときに、S414で第1大入賞口50が開放中であると判定し、第1大入賞口50の閉鎖タイミングか否かを判定する(S422)。この判定は、第1大入賞口50の規定の開放時間(例えば25秒)が経過したか否か、規定の開放時間が経過する前に第1大入賞口50に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否かを判定することにより行われる。第1大入賞口50の閉鎖タイミングでないと判定すると、第1大入賞口50の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、第1大入賞口50の閉鎖タイミングであると判定すると、第1大入賞口50が閉鎖されるよう第1大入賞口ソレノイド50bを駆動制御すると共に(S424)、残りラウンド数を値1だけデクリメントし(S426)、残りラウンド数が値0であるか否かを判定する(S428)。本実施例では、最終ラウンドが特定ラウンドとされているから、通常ラウンド中では残りラウンド数が値0でないと判定し、大当り遊技処理を一旦終了する。
こうしてS414〜S428の処理を繰り返すことにより通常ラウンドによる大当り遊技を実行し、S416で残りラウンド数が値1であると判定すると、特定ラウンドとして特定領域入球遊技処理を実行して(S430)、大当り遊技処理を一旦終了する。ここで、S430の処理は、図24の特定領域入球遊技を実行することにより行われる。
特定領域入球遊技では、主制御基板70のCPU70aは、まず、第2大入賞口60が開放中であるか否かを判定する(S450)。第2大入賞口60が開放中でない(閉鎖中である)と判定すると、第2大入賞口60の開放タイミングであるか否かを判定する(S452)。この判定は、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定することにより行われる。第2大入賞口60の開放タイミングではないと判定すると、そのまま特定領域入球遊技を一旦終了する。第2大入賞口60の開放タイミングであると判定すると、大当り種別が「第1の大当り」であるか否かを判定する(S454)。大当り種別が「第1の大当り」であると判定すると、第2大入賞口60の開放態様として長開放パターン(本実施例では5秒間開放するパターン)を設定し(S456)、大当り種別が「第1の大当り」でない即ち「第2の大当り」であると判定すると、第2大入賞口60の開放態様として短開放パターン(本実施例では0.2秒間開放するパターン)を設定する(S458)。そして、設定した開放パターンにしたがって第2大入賞口60が開放されるよう第2大入賞口ソレノイド60bを駆動制御して(S460)、特定領域入球遊技処理を終了する。特定領域入球遊技処理を終了すると、大当り遊技処理も終了する。
第2大入賞口60を開放して特定領域入球遊技(大当り遊技処理)を一旦終了した後は、次に特定領域入球遊技(大当り遊技処理)を実行したときに、S450で第2大入賞口60が開放中であると判定し、第2大入賞口60の閉鎖タイミングか否かを判定する(S462)。ここで、第2大入賞口60の閉鎖タイミングは、開放パターンとして長開放パターンが設定されている場合(S456)には、開放開始から5秒間が経過したタイミングであり、開放パターンとして短開放パターンが設定されている場合(S458)には、開放開始から0.2秒間が経過したタイミングである。第2大入賞口60の閉鎖タイミングでないと判定すると、第2大入賞口60の開放状態を維持したまま特定領域入球遊技を一旦終了する。一方、第2大入賞口60の閉鎖タイミングであると判定すると、第2大入賞口60が閉鎖されるよう第2大入賞口ソレノイド60bを駆動制御し(S464)、残りラウンド数を値1だけデクリメントする(S466)。こうして特定ラウンドを行うと、遊技球が特定領域63を通過したか否かを判定し(S468)、特定領域63を通過したと判定すると、特定ラウンドで遊技球が特定領域63を通過したことを示す特定領域通過フラグをオンとして(S470)、残りラウンド数が値0であるか否かを判定するS428の処理に進み、遊技球が特定領域63を通過していないと判定すると、特定領域通過フラグをオンとすることなく、S428の処理に進む。本実施例では、特定ラウンドを最終ラウンドとしているから、S428で残りラウンド数が値0であると判定し、図25に示す大当り遊技終了時処理を実行して(S432)、大当り遊技処理を終了する。
図25の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S480)、特定領域通過フラグがオンであるか否かを判定する(S482)。特定領域通過フラグがオンであると判定すると、特定領域通過フラグをオフとして(S484)、連荘回数Nがリミット回数NL未満であるか否かを判定する(S486)。ここで、リミット回数NLは、連荘回数が際限なく継続するのを防止するためのものであり、例えば、3回や5回などのように予め定めることができる。連荘回数Nがリミット回数NL未満であると判定すると、高確率状態を発生させるために確変フラグをオンとして(S488)、変動短縮カウンタを10,000回に設定し(S490)、時短あり状態を発生させるために変動短縮フラグをオンとし(S492)、電サポあり状態を発生させるために開放延長フラグをオンとする(S494)。なお、変動短縮カウンタを10,000回に設定することは、実質的に次回の大当りが発生するまで時短あり状態および電サポあり状態を発生させることになる。一方、連荘回数Nがリミット回数NL以上であると判定すると、確変フラグをオンとすることなく、変動短縮カウンタを50回に設定し(S491)、変動短縮フラグをオンとすると共に開放延長フラグをオンとする(S492〜S494)。なお、S482で特定領域通過フラグがオフであると判定すると、S484〜S494の処理をスキップする。こうして遊技状態を設定すると、大当り遊技終了指定コマンドと遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S496)、大当り遊技終了時処理を終了する。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面をそのときの遊技状態に応じた背景に設定する処理等を行う。
図26は、特定領域入球遊技の結果と連荘回数Nと大当り遊技後の遊技状態との関係を示す説明図である。図示するように、大当り遊技中に遊技球が特定領域63を通過すると、大当り遊技後の遊技状態として、連荘回数Nがリミット回数NL未満の場合には「高確率時短あり電サポあり状態」を発生させ、連荘回数Nがリミット回数NL以上の場合には「低確率時短あり電サポあり状態」を発生させる。なお、大当り遊技中に遊技球が特定領域63を通過しなかった場合には、大当り遊技後の遊技状態は「低確率時短なし電サポなし状態」となる。これにより、高確率状態へ一旦移行すると、連荘回数Nがリミット回数NLに到達するまで高確率状態が継続し易くなるから、遊技者は一定以上の出球数を確保することができる。一方で、連荘回数Nがリミット回数NLに到達すると、高確率状態は終了するため、大当りの連荘が際限なく継続するのを防止することができる。また、この場合でも、時短あり状態および電サポあり状態は、特別図柄の変動表示が50回行われるまで継続するため、電サポあり状態中の大当りの引き戻しによる連荘継続の可能性は残る。したがって、連荘回数Nがリミット回数NLに到達した後も、遊技者に大当りに対する期待感を与えることができるため、遊技興趣を向上させることができる。
以上説明した第1実施例のパチンコ機10によれば、大当り遊技中に特定領域63を有する第2大入賞口60を開放させる特定領域入球遊技(特定ラウンド)を実行するものにおいて、大当りの連荘回数Nを計数し、特定領域入球遊技にて遊技球が第2大入賞口60に入球し且つ特定領域63を通過すると、大当り遊技後に、計数した連荘回数Nに応じて複数の特別状態(「高確率時短あり電サポあり状態」,「低確率時短あり電サポあり状態」)のいずれかを選択して発生させるから、大当り遊技後の遊技状態にバリエーションをもたせることができ、遊技興趣をより向上させることができる。しかも、連荘回数Nがリミット回数NLに到達するまでは高確率状態を継続させ、連荘回数Nがリミット回数NLに到達すると、高確率状態を発生させないから、高確率状態へ一旦移行すると遊技者は所定の出球数の確保を期待することができる一方、高確率状態が際限なく継続するのを防止することができる。また、連荘回数Nがリミット回数NLに到達しても、電サポあり状態を発生させるから、電サポあり状態中の大当りの引き戻しを可能とすることができる。したがって、連荘回数Nがリミット回数NLに到達した後も、遊技者に大当りに対する期待感を与えることができるため、遊技興趣を一層向上させることができる。
第1実施例のパチンコ機10では、大当り遊技中の特定領域入球遊技にて遊技球が第2大入賞口60に入球し且つ特定領域63を通過した場合に、大当り遊技後の特別状態として、連荘回数Nに応じて「高確率時短あり電サポあり状態」および「低確率時短あり電サポあり状態」のいずれかを発生させるものとしたが、発生させる特別状態はこれらに限定されるものではない。例えば、特別状態として、「高確率時短なし電サポあり状態」や「高確率時短あり電サポなし状態」、「低確率時短なし電サポあり状態」、「低確率時短あり電サポなし状態」を発生させるものとしてもよい。この場合、遊技球が特定領域63を通過したことを契機に発生させる特別状態は、連荘回数Nに応じて3種類以上の中から選択するものとしてもよい。なお、「時短なし電サポあり状態」を発生させる場合、図25の大当り終了時処理で変動短縮フラグをオフとし開放延長フラグをオンとすればよく、「時短あり電サポなし状態」を発生させる場合、大当り終了時処理で変動短縮フラグをオンとし開放延長フラグをオフとすればよい。
第1実施例のパチンコ機10では、特定領域入球遊技にて遊技球が第2大入賞口60に入球し且つ特定領域63を通過した場合、連荘回数Nがリミット回数NLに到達する前は遊技者に有利な特別状態(「高確率時短あり電サポあり状態」)を発生させ、連荘回数がリミット回数NLに到達すると、連荘回数Nがリミット回数NLに到達する前よりも遊技者に不利な特別状態(「低確率時短あり電サポあり状態」)を発生させるものとしたが、これに限定されるものではなく、連荘回数Nが所定回数に到達する前は遊技者に不利な特別状態を発生させ、連荘回数が所定回数に到達すると、遊技者に有利な特別状態を発生させるものとしてもよい。
第1実施例のパチンコ機10では、連荘回数Nがリミット回数NL未満の場合とリミット回数NL以上の場合とで発生させる特別状態の内容を異ならせるものとしたが、これに限定されるものではなく、リミット回数NLを所定回数おき(例えば3回おき等)に設けたり、リミット回数NLを複数の所定回数目(例えば3回目,5回目,7回目,…等)に設けるものとし、連荘回数Nがリミット回数NLと一致しない場合と一致する場合とで発生させる特別状態の内容を異ならせるものとしてもよい。
第1実施例のパチンコ機10では、大当り遊技後に高確率状態(「高確率時短あり電サポあり状態」)が発生すると、次に大当りを引くまで高確率状態(「高確率時短あり電サポあり状態」)を維持するものとしたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技後に特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)が所定回数実行されると、高確率状態を終了させて低確率状態に変化させるものとしてもよい。この場合、連荘回数Nに応じて、高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を変化させるものとしてもよい。例えば、連荘回数Nがリミット回数NLに到達する前は高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第1の所定回数(例えば40回)とし、連荘回数Nがリミット回数NLに到達した後は高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第1の所定回数よりも少ない第2の所定回数(例えば10回)としてもよいし、連荘回数Nがリミット回数NLに到達する前は高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第2の所定回数(例えば10回)とし、連荘回数Nがリミット回数NLに到達した後は高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第1の所定回数(例えば40回)としてもよい。また、連荘回数Nが所定回数目(例えば3回目,5回目,7回目,…等)に一致しない場合に高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第1の所定回数とし、連荘回数Nが所定回数目と一致する場合に高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第2の所定回数とするものとしてもよいし、連荘回数Nが所定回数目と一致しない場合に高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第2の所定回数とし、連荘回数Nが所定回数目と一致する場合に高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を第1の所定回数とするものとしてもよい。あるいは、連荘回数Nが多くなるほど高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を徐々に少なくするものとしてもよいし、連荘回数Nが多くなるほど高確率状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を徐々に多くするものとしてもよい。また、時短あり状態や、電サポあり状態についても、高確率状態と同様に、連荘回数Nに応じて、時短あり状態や電サポあり状態が終了するまでの図柄変動遊技の実行回数を変化させるものとしてもよい。この場合の振り分け態様についても高確率状態と同様に行うものとしてもよい。
[第2実施例]
次に、第2実施例のパチンコ機10について説明する。第2実施例のパチンコ機10は、図24の特定領域入球遊技処理に代えて図27の特定領域入球遊技処理を実行する点と、図25の大当り遊技終了時処理に代えて図28の大当り遊技終了時処理を実行する点を除いて第1実施例のパチンコ機10と同様に構成されている。以下、図27の特定領域入球遊技および図28の大当り遊技終了時処理を順に説明する。
第2実施例の特定領域入球遊技処理は、図27に示すように、S452で第2大入賞口の開放タイミングであると判定し且つS454で大当り種別が「第1の大当り」であると判定すると、連荘回数Nがリミット回数NL未満の場合には、長開放パターンを設定して第2大入賞口60を開放し(S456,S460)、連荘回数Nがリミット回数NL以上の場合には、大当り種別が「第1の大当り」であっても、短開放パターンを設定して第2大入賞口60を開放する(S458,S460)。
また、第2実施例の大当り遊技終了時処理では、図25の大当り遊技終了時処理のS486,S491の処理を省略したものである。即ち、S482で特定領域通過フラグがオンであると判定すると、確変フラグをオンとし、変動短縮カウンタを10,000回に設定して、変動短縮フラグをオンとすると共に開放延長フラグをオンとすることにより(S488〜S494)、「高確率時短あり電サポあり状態」を発生させる。
以上説明した第2実施例のパチンコ機10によれば、大当り遊技が発生すると、特定領域入球遊技にて、連荘回数Nに応じて長開放パターンおよび短開放パターンのいずれかを選択して第2大入賞口60を開放する。短開放パターンは、長開放パターンに比して、遊技球が第2大入賞口60に入球する可能性が低いため、大当り遊技中に遊技球が特定領域63を通過する可能性が低くなる結果、高確率状態(「高確率時短あり電サポあり状態」)が発生し難い。これにより、連荘回数Nに応じて高確率状態が継続し易い状態と高確率状態が継続し難い状態とを振り分けることができる。この結果、高確率状態へ一旦移行すると遊技者は所定の出球数の確保を期待することができるため、遊技興趣をより向上させることができる一方、高確率状態が際限なく継続するのを防止することができる。
第2実施例のパチンコ機10では、連荘回数Nに応じて第2大入賞口60への遊技球の入球可能性が異なるように第2大入賞口60の開放態様を選択するものとしたが、これに限定されるものではなく、連荘回数Nに応じて特定領域63への遊技球の通過可能性が異なるように振分装置67の振分態様を選択するものとしてもよい。この場合の変形例の特定領域入球遊技処理を図29に示す。変形例の特定領域入球遊技処理では、S452で第2大入賞口の開放タイミングであると判定すると、連荘回数Nがリミット回数NL未満であるか否かを判定し(S453a)、連荘回数Nがリミット回数NL未満であると判定すると、特定領域63に対する遊技球の振分パターンとして高確振分パターンを設定し(S453b)、連荘回数Nがリミット回数NL以上であると判定すると、振分パターンとして低確振分パターンを設定する(S453c)。そして、設定した振分パターンにしたがって振分装置67を駆動制御してから(S453d)、第2大入賞口60を開放する(S454〜S460)。ここで、高確振分パターンは、第2大入賞口60に入球した遊技球に対して特定領域63を通過する確率(割合)が高い振分パターンであり、1周期あたりの駆動状態の期間が第1期間とされる。低確振分パターンは、第2大入賞口60に入球した遊技球に対して特定領域63を通過する確率(割合)が低い振分パターンであり、1周期あたりの駆動状態の期間が第1期間よりも短い第2期間とされる。これにより、連荘回数Nに応じて高確率状態が継続し易い状態と高確率状態が継続し難い状態とを振り分けることができるから、第2実施例と同様の効果を奏することができる。なお、低確振分パターンでは、第2大入賞口60に遊技球が入球しても特定領域63を通過できないように設定するものとしてもよい。例えば、第2大入賞口60が開放中のときには遊技球が特定領域63に振り分けられないように振分ソレノイド67bが非駆動状態となるパターンを設定するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のパチンコ機10では、大当り図柄に応じて第2大入賞口60の開放態様を変化させるものとしたが、これに限定されるものではなく、大当り図柄に応じて振分装置67の振分態様を変化させるものとしてもよいし、大当り図柄によっては、第2大入賞口60の開放態様や振分装置67の振分態様を変化させないものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のパチンコ機10では、大当り遊技の通常ラウンドと特定ラウンド(特定領域入球遊技)とで異なる大入賞口を開放させるものとしたが、同一の大入賞口を開放させるものとしてもよい。この場合、通常ラウンドでも内部に特定領域を有する大入賞口を開放させることとなるが、通常ラウンドでは大入賞口に入球した遊技球が特定流域を通過しても、特別状態を発生させないものとしてもよいし、通常ラウンドでは大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過しないように振分装置を構成するものとしてもよい。また、この場合、パチンコ機10が備える大入賞口を1つだけとしてもよい。
また、第1実施例や第2実施例のパチンコ機10では、初当り判定処理(図23参照)において、確変フラグおよび変動短縮フラグがいずれもオフである場合に「初当り」と判定するものとしたが、確変フラグだけに基づいて「初当り」か否かを判定し、変動短縮フラグの設定状態にかかわらず確変フラグがオフである場合に「初当り」と判定するものとしてもよい。この場合、確変フラグおよび変動短縮フラグがいずれもオフとなっている状態(「低確率時短なし電サポなし状態」)で大当りが発生した場合だけでなく、確変フラグがオフとなっており変動短縮フラグがオンとなっている状態(「低確率時短あり電サポあり状態」)で大当りが発生した場合にも、その大当りは「初当り」と判定されるため、連荘回数Nを値1に初期化する契機が増えるここととなる。これにより、「低確率時短あり電サポあり状態」でも高確率状態を発生させ易くすることができ、その結果、連荘継続の可能性を高めることができる。なお、確変フラグだけに基づいて「初当り」か否かを判定する場合、大当り発生時に確変フラグがオフとなっていれば「初当り」となって連荘回数Nが値1に初期化され、確変フラグがオンとなっていれば「連荘中」となって連荘回数Nが値1だけインクリメントされる。そして、確変フラグがオンとなっている状態(高確率状態)での大当りの発生が繰り返されることで、その都度、連荘回数Nが値1ずつインクリメントされる。
また、実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、第1大入賞口50や第2大入賞口60が「可変入球口」に相当し、特別図柄表示装置42に表示される特別図柄や演出図柄表示装置34に表示される演出図柄が「識別情報」に相当し、特別図柄表示装置42や演出図柄表示装置34が「識別情報表示装置」に相当し、図22の大当り遊技処理のS404〜S410の処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「計数手段」に相当し、図25の大当り遊技終了時処理のS486〜S494の処理を実行する主制御基板70のCPU70aが「特別状態発生手段」に相当する。また、第2始動口38が「可変始動口」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 パチンコ機、11 前面枠、12 ガラス板、14 上受け皿、16 下受け皿、18 発射ハンドル、18a タッチセンサ、18b 発射停止スイッチ、19 発射モータ、21 本体枠、22 外枠、24a 球貸ボタン、24b 返却ボタン、26 演出ボタン、27 操作検知スイッチ、28a,28b スピーカ、29 施錠装置、30 遊技盤、31a 外レール、31b 内レール、32 普通図柄作動ゲート、32a ゲートスイッチ、34 演出表示装置、34L,34M,34R 演出図柄、35a 第1保留図柄、35b 第2保留図柄、36 第1始動口、36a 第1始動口スイッチ、38 第2始動口、38a 第2始動口スイッチ、38b 第2始動口ソレノイド、38c 翼片部、40 図柄表示装置、40a 図柄表示基板、41 普通図柄表示装置、41a 左普通図柄表示部、41b 右普通図柄表示部、42 特別図柄表示装置、42a 第1特別図柄表示部、42b 第2特別図柄表示部、43 ラウンド表示部、45 一般入賞口、45a 一般入賞口スイッチ、46 アウト口、48 風車、49 センター役物、50 第1大入賞口、50a 第1大入賞口スイッチ、50b 第1大入賞口ソレノイド 、50c 開閉板、60 第2大入賞口、60a 第2大入賞口スイッチ、60b 第2大入賞口ソレノイド 、60c 開閉板、63 特定領域、63a 特定領域通過スイッチ、64 非特定領域、64a 非特定領域通過スイッチ、65 特定領域用誘導部、66 非特定領域用誘導部、67 振分装置、67a 振分板、67b 振分ソレノイド、67c 回転軸、70 主制御基板、70a CPU、70b ROM、70c RAM、72 中継端子板、80 払出制御基板、81 枠開放スイッチ、82 球貸表示基板、83 中継端子板、84 払出前スイッチ、85 払出後スイッチ、86 払出モータ、87 中継端子板、90 サブ制御基板、90a CPU、90b ROM、90c RAM、91 演出表示制御基板、92 アンプ基板、93 装飾駆動基板、93a LEDランプ、93b 装飾モータ、94 演出ボタン基板、100 発射制御基板、102 下受け皿満タンスイッチ。

Claims (5)

  1. 遊技球の入球が不能な入球不能状態と遊技球の入球が可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口と、識別情報を変動表示可能な識別情報表示装置と、を備え、
    前記識別情報表示装置にて変動表示される識別情報の表示態様が特定の表示態様となったことに基づいて前記可変入球口を入球可能状態とする特定遊技を行い、該特定遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて該特定遊技後に前記識別情報の変動表示に係る遊技を通常とは異なる特別な態様で進めることが可能な特別状態を発生させる遊技機であって、
    前記特別状態として、内容の異なる複数の特別状態が設けられ、
    前記特定遊技の実行回数を計数する計数手段と、
    前記計数手段の計数値に基づいて前記特別状態の内容を決定し、該決定した内容に基づく特別状態を発生させる特別状態発生手段と
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1記載の遊技機であって、
    前記特別状態発生手段は、前記計数手段の計数値が所定値になる前は、前記特別状態として所定の内容を決定し、前記計数手段の計数値が前記所定値になると、前記特別状態として前記所定の内容よりも遊技者に不利な内容を決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1または2記載の遊技機であって、
    前記識別情報の変動表示は所定の始動口への遊技球の入球に基づいて行われるもので、
    前記始動口として、遊技球の入球可能性が低い第1の態様と遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変始動口を備え、
    前記特別状態として、前記識別情報の表示態様が前記特定の表示態様となる確率が所定の確率よりも高くなる確率変動状態と、前記可変始動口が前記第2の態様となる頻度が所定の状態よりも高くなる高頻度状態と、前記識別情報の変動時間が所定の時間よりも短縮される変動短縮状態のうちの少なくとも2つが含まれる複数の内容が設けられ、
    前記特別状態発生手段は、前記計数手段の計数値に基づいて前記複数の内容のいずれかを決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の遊技機において、
    前記特別状態は、前記特定遊技後に前記識別情報の変動表示が所定回数行われると終了するもので、
    前記特別状態発生手段は、前記計数手段の計数値に基づいて、前記特別状態を終了させることとなる前記識別情報の変動表示回数が異なる複数の内容のうちいずれかを決定し、該決定した内容に基づく回数の前記識別情報の変動表示が行われると、前記特別状態を終了させる
    ことを特徴とする遊技機。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の遊技機であって、
    前記計数手段は、前記特別状態にて前記識別情報の表示態様が前記特定の表示態様となることに基づく前記特定遊技の実行が繰り返されることによって前記特定遊技の実行回数を計数する
    ことを特徴とする遊技機。
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