JP5798605B2 - 車両後部構造 - Google Patents
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Description
また、リヤダンパ収容部の上壁には、リヤダンパを支持するリヤダンパ支持部が設けられ、リヤダンパが上下方向に延在した状態でリヤダンパ収容部に収容されている。
または、本発明に係る車両後部構造は、インナリヤホイールハウスとアウタリヤホイールハウスとを有し、リヤタイヤを収容するリヤホイールハウスと、車両の車幅方向外側で前記インナリヤホイールハウスに沿って車両前後方向に延在し、前記リヤホイールハウスを支持するリヤサイドフレームと、を備える車両後部構造であって、前記インナリヤホイールハウスは、前記車幅方向内側に膨出してリヤダンパを収容するリヤダンパ収容部と、前記リヤダンパ収容部の上壁に設けられて前記リヤダンパを支持するリヤダンパ支持部と、を有し、前記リヤダンパ収容部は、上方に向かうにつれて後方に位置し、上部が前記インナリヤホイールハウスの後部に配置され、前記リヤダンパは、前記リヤダンパ収容部に沿って傾斜し、前記リヤダンパ収容部には、上下方向に延びる稜線が設けられ、前記リヤダンパ収容部の車幅方向外側には、前記稜線に沿って上下方向に延び下端が前記インナリヤサイドフレームに固定される補強部材と、前記稜線に沿って上下方向に延び、かつ、前記インナリヤホイールハウスと前記アウタリヤホイールハウスとに跨って接合される連結部材と、が設けられていることを特徴とする。
また、前記発明に係る車両後部構造によれば、リヤダンパ収容部に稜線と補強部材とが設けられ、リヤダンパ収容部の剛性及び強度が高められている。
また、リヤダンパ収容部に沿って延在するリヤサイドフレームがリヤダンパ収容部の側壁の下端縁全部を支持し、リヤダンパ収容部の剛性及び強度がさらに高められている。
さらに、補強部材の下端がリヤサイドフレームに固定され、リヤダンパ収容部とリヤサイドフレームとの両者の剛性及び強度を高めている。
以上から、リヤダンパ支持部を介してリヤダンパ収容部に突き上げ荷重が伝達しても、リヤダンパ収容部を含むリヤホイールハウス全体の変形が抑制されてリヤダンパをしっかりと支持することができ、車両の運転性向上を図ることができる。
また、前記する構成によれば、リヤダンパ収容部の上部が後方に位置するようになり、リヤホイールハウスの車幅方向内側に設けられたシート等との干渉を回避できる。
一方で、リヤダンパの上部を後方に傾斜させた場合、リヤダンパ収容部に負荷がかかり、変形するおそれがある。しかしながら、稜線及び補強部材により剛性及び強度が高められた本発明に係るリヤダンパ収容部であれば、リヤダンパ収容部の変形が抑制されるようになっている。
よって、車両の運転性を損なうことなく、車内のレイアウトの自由性を確保することができる。
本発明に係る車両後部構造の実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態に係る車両後部構造1は、車幅方向外側で前後方向に延びる一対のリヤサイドフレーム2、2と、一対のリヤサイドフレーム2、2との間で車幅方向に延びるクロスメンバ3と、平板状のフロアパネル4と、リヤタイヤ30(図2参照)を収容する一対のリヤホイールハウス5、5とを主に備えている。
なお、実施形態の車両後部構造1は、左右対称となっている。よって、左右両側に一対で設けられた構成については、右側に配置されているものを例に挙げて説明する。
最初に、リヤホイールハウス5、5の構成を説明する。
図2に示すように、リヤホイールハウス5は、下側と車幅方向外側とが開口し、内部にリヤタイヤ30を収容する部材である。リヤホイールハウス5は、車幅方向内側に配置されるインナリヤホイールハウス6と、車幅方向外側に配置されるアウタリヤホイールハウス7とで構成されている。
また、インナリヤホイールハウス6は、リヤダンパ20を収容するリヤダンパ収容部8と、リヤダンパ収容部8の上壁に設けられてリヤダンパ20を支持するリヤダンパ支持部9とを備えている。
また、インナリヤホイールハウス6は、リヤダンパ支持部9が設けられるリヤダンパ収容部8の上壁に、鋼板6a、6bよりも肉厚の鋼板6cが用いられており、リヤダンパ収容部8の強度および剛性が高くなっている。
さらに、図5に示すように、リヤダンパ収容部8は、インナリヤホイールハウス6の側壁を車幅方向内側に膨出成形することで形成されている。よって、リヤダンパ収容部8は、インナリヤホイールハウス6よりも車幅方向内側に突出している。
なお、リヤダンパ収容部8の構成の詳細については後述する。
図1に示すように、リヤサイドフレーム2,2は、クロスメンバ3とともに車両後部構造1の骨格を構成する部材である。
リヤサイドフレーム2は、リヤホイールハウス5に沿って前方に延びる略直線状の直線部2cと、リヤダンパ収容部8に沿って湾曲する湾曲部2dと、その湾曲部2dの後端から直線状に延びる後方延出部2eとで構成されている。
なお、後方延出部2eは、車両の荷室底部を形成するパネル4aが接合されて、そのパネル4aを支持するためのものである。
この第2フランジ2bは、リヤサイドフレーム2の車幅方向外側の面に沿って上方に延出している。このため、平面視した場合に、直線部2cに形成された第2フランジ2bは直線状、湾曲部2dに形成された第2フランジ2bは湾曲状になっている。
そして、図3に示すように、リヤサイドフレーム2の直線部2cに形成された第2フランジ2bにインナリヤホイールハウス6の下端縁が接合され、湾曲部2dに形成された湾曲状の第2フランジ2bにリヤダンパ収容部8の下端縁が接合されている。
このため、インナリヤホイールハウス6とリヤダンパ収容部8との全ての下端縁がリヤサイドフレーム2に支持され、インナリヤホイールハウス6とリヤダンパ収容部8の剛性及び強度が高められている。
図4に示すように、リヤダンパ収容部8は、上方に向かうにつれて後方に位置するように傾斜しており、リヤダンパ支持部9に支持されるリヤダンパ20もリヤダンパ収容部8に沿って傾斜している。このため、図3に示すように、リヤダンパ収容部8の上部が後方に位置し、リヤホイールハウス5の車幅方向内側に設けられた図示しないシート等との干渉が回避できるようになっている。
ここでいう稜線10とは、リヤダンパ収容部8を構成する側壁を折り曲げることで形成される折れ線を指し、例えば側壁を直角に折り曲げることで形成される折れ線のほか、曲面を描くように緩やかに折り曲げることで形成される折れ線も含まれる。
以下、4つの稜線10に関し、前方から順に、第1稜線11、第2稜線12、第3稜線13、第4稜線14と称する。
第1稜線11と第2稜線12とは、リヤダンパ20よりも前方に設けられ、一方で、第3稜線13と第4稜線14とは、リヤダンパ20よりも後方に設けられている。このため、4つの稜線10がリヤダンパ20を前後から挟み、リヤダンパ20の前後でバランス良くリヤダンパ収容部8の剛性及び強度が高められている。
図4に示すように、第1補強部材16のビード16aは、第1稜線11と第2稜線12とに沿って延在し、第2補強部材17のビード17aは、第3稜線13に沿っており、補強部材の剛性及び強度を効率的に高められている。
また、第1補強部材16の下端が接合するリヤダンパ収容部8の下端の車幅方向内側には、リヤサイドフレーム2の第2フランジ2bが設けられている(図3参照)。このため、第2フランジ2bには第1補強部材16の下端が固定されており、第2フランジ2bの剛性及び強度が高められている。
また、リヤサイドフレーム2には、補強部材40を介して第2補強部材17の下端が固定されているため、リヤサイドフレーム2の剛性及び強度が高められている。
また、図1に示すように、リヤサイドフレーム2の直線部2cの車幅方向内側には、シート用のスライドレール21が前後方向に延在している。なお、従来ではリヤサイドフレーム2の上方にシート用のスライドレール21が重ねられていたが、本実施形態では、直線部2cが湾曲部2dよりも車幅方向外側に配置されているため、スライドレール21がリヤサイドフレーム2に重なっていない。よって、図2に示すように、シート用のスライドレール21は、フロアパネル4の上方に配置され、リヤサイドフレーム2の上面よりも低い位置に設置されている。
また、実施形態に係る車両後部構造1によれば、リヤダンパ支持部9からリヤダンパ収容部8に突き上げ荷重が伝達しても、リヤダンパ収容部8が極めて高い剛性及び強度を備え、変形し難くなっている。そのため、リヤダンパ収容部8を含むリヤホイールハウス5全体の変形が抑制されてリヤダンパ20をしっかりと支持することができるようになり、車両の運転性向上を図ることができる。
しかしながら、実施形態に係るリヤダンパ収容部8は、極めて高い剛性及び強度を備え、リヤダンパ収容部8の変形が抑制されるようになっており、車内のレイアウトの自由性を確保しつつ、車両の運転性向上を図ることができる。
たとえば、第3補強部材18の下端をリヤサイドフレーム2まで延ばし、リヤサイドフレーム2に接合してもよい。
2 リヤサイドフレーム
2c 直線部
2d 湾曲部
3 クロスメンバ
4 フロアパネル
5 リヤホイールハウス
8 リヤダンパ収容部
9 リヤダンパ支持部
10(11〜14) 稜線(第1稜線〜第4稜線)
16 第1補強部材
16a ビード
17 第2補強部材
17a ビード
18 第3補強部材
20 リヤダンパ
21 スライドレール
30 リヤタイヤ
31〜34 稜線(リヤサイドフレーム用稜線)
40 補強部材
Claims (7)
- リヤタイヤを収容するリヤホイールハウスと、
車両の車幅方向外側で前記リヤホイールハウスに沿って車両前後方向に延在し、前記リヤホイールハウスを支持するリヤサイドフレームと、
を備える車両後部構造であって、
前記リヤホイールハウスは、
前記車幅方向内側に膨出するリヤダンパを収容するリヤダンパ収容部と、
前記リヤダンパ収容部の上壁に設けられて前記リヤダンパを支持するリヤダンパ支持部と、を有し、
前記リヤダンパ収容部は、上方に向かうにつれて後方に位置し、上部が前記リヤホイールハウスの後部に配置され、
前記リヤダンパは、前記リヤダンパ収容部に沿って傾斜し、
前記リヤダンパ収容部には、上下方向に延びる稜線が設けられ、
前記リヤダンパ収容部の車幅方向外側には、前記稜線に沿って上下方向に延び、下端が前記リヤサイドフレームに固定される補強部材が設けられ、
前記リヤサイドフレームは、前記リヤダンパ収容部に沿って湾曲する湾曲部を有し、
前記湾曲部には、前記リヤダンパ収容部に設けられた前記稜線から連続して上下方向に延びるリヤサイドフレーム用稜線が設けられることを特徴とする車両後部構造。 - インナリヤホイールハウスとアウタリヤホイールハウスとを有し、リヤタイヤを収容するリヤホイールハウスと、
車両の車幅方向外側で前記インナリヤホイールハウスに沿って車両前後方向に延在し、前記リヤホイールハウスを支持するリヤサイドフレームと、
を備える車両後部構造であって、
前記インナリヤホイールハウスは、
前記車幅方向内側に膨出してリヤダンパを収容するリヤダンパ収容部と、
前記リヤダンパ収容部の上壁に設けられて前記リヤダンパを支持するリヤダンパ支持部と、を有し、
前記リヤダンパ収容部は、上方に向かうにつれて後方に位置し、上部が前記インナリヤホイールハウスの後部に配置され、
前記リヤダンパは、前記リヤダンパ収容部に沿って傾斜し、
前記リヤダンパ収容部には、上下方向に延びる稜線が設けられ、
前記リヤダンパ収容部の車幅方向外側には、前記稜線に沿って上下方向に延び下端が前記インナリヤサイドフレームに固定される補強部材と、前記稜線に沿って上下方向に延び、かつ、前記インナリヤホイールハウスと前記アウタリヤホイールハウスとに跨って接合される連結部材と、が設けられていることを特徴とする車両後部構造。 - 前記リヤサイドフレームには、上下方向に延びる前記リヤサイドフレーム用稜線が設けられ、
前記リヤサイドフレーム用稜線は、前記リヤダンパ収容部に設けられた稜線から連続して上下方向に延びることを特徴とする請求項2に記載の車両後部構造。 - 前記稜線は、前記リヤダンパの前後に設けられ、
前記補強部材は、前記リヤダンパよりも前方に設けられた稜線に沿って上下方向に延びる第1補強部材と、前記リヤダンパよりも後方に設けられた稜線に沿って上下方向に延びる第2補強部材と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両後部構造。 - 前記補強部材には、前記稜線に沿って延びるビードが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両後部構造。
- 前記リヤサイドフレームは、
前記リヤダンパ収容部に沿って湾曲する湾曲部と、
前記リヤホイールハウスに沿って直線的に延びる直線部と、
を備え、
前記直線部の車幅方向内側には、シート用のスライドレールが前後方向に延在していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両後部構造。 - 前記湾曲部の車幅方向内側には、前記車幅方向に延びるクロスメンバが接続していることを特徴とする請求項6に記載の車両後部構造。
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