JP5796952B2 - コネクタと筺体との防水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタと筺体との防水構造、及びコネクタの防水構造に関するものである。
雨水や埃の浸入を防ぎ接続部の信頼性を高いレベルで確保した防水コネクタは、自動車、家電製品等の広い分野で使用されている。コネクタの防水構造は、雄コネクタハウジングの接続部に弾性材料からなるシール部材を装着し、嵌合部の隙間を密閉した構成が一般的に広く知られている。防水機能を確保するためのシール部材を所定の位置に固定する手段が夫々報告されている。
例えば特許文献1記載の技術によれば、一方向に整列する雌型端子を保護する筒部があって、この筒部の周面にシール部材を装着する構造であるが、装着されたシール部材を保持するために別途準備された固定部材を使用するものである。
また特許文献2記載の技術によれば、雌型コネクタハウジング内に環状のシール部材を装着するもので、このシール部材の外周部にフランジ部を備え、このフランジ部に穿孔を備え、この穿孔に対応する位置に備わるコネクタハウジング側の係合突起がこの穿孔に係ることで、シール部材の抜けを防ぐものである。
特願2000−2693号公報 実開平5−11354号公報
しかし、特許文献1記載の方法では、防水性は確保できても、別途シール部材を固定する部材が必要であり、部品点数の増加、工数の増加、更にはコネクタハウジングの複雑化、大型化を招くものである。また、特許文献2記載の方法では、シール部材を固定するために外方に延出したフランジ部を新たに形成し、コネクタハウジング側にはフランジ部に対応する壁面を新たに形成し、そこに係合突起を新たに形成するものであって、コネクタハウジング及びシール部材ともに形状の複雑化、大型化を招くものである。更に特許文献1及び特許文献2記載の方法では、雌雄コネクタハウジング間の接合面をシール部材で埋めて防水性を確保する構造なので、シール部材が雄型コネクタハウジングの進入に対して妨げとして作用する結果、作業性(挿入性)が低下することも否めない。
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、挿入性を低下させることなく、コネクタハウジング及びシール部材の複雑化、大型化を招くことなく、防水性を向上させたコネクタと筺体との防水構造、または、このような防水構造を構成するコネクタを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために本発明は、接合面間にシール部材を装着する構造を採りつつ、嵌合孔を断面形状の大きさの相違する複数の穿孔からなり、嵌合孔の入口側の穿孔を奥側の穿孔に比べて大きい構成としている。
このような構成とすることで、コネクタハウジング及びシール部材の複雑化、大型化を招くことなく、コネクタの挿入性が向上された防水構造を提供するものである。
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)本発明のコネクタと筺体との防水構造は、導電性の端子を少なくとも一列方向に固定配置する基部と、この基部を基端とし、先端が開口した、前記端子を囲う筒部と、この筒部の基端部付近の周面に備わる、コネクタを固定するための鍔部と、を備えるコネクタと、前記筒部に嵌合する嵌合孔を側面に備え、内部に回路基板を収容した筐体との防水構造であって、前記筒部の周面と、前記嵌合孔内周面との接合面間の隙間を埋めるように、周方向に沿って弾性材料からなるシール部材が備わり、前記筒部の周面にはこのシール部材の一方端面を支持するための、前記筒部の周方向に不連続に形成された支持部が備わり、前記コネクタを前記筐体の嵌合孔に嵌合させる際シール部材が嵌合方向に沿って変位する
のを前記支持部が規制するところに特徴を有するものである。
本発明は、コネクタと筺体との接合面間の防水構造に係るものである。コネクタは、導電性の端子を少なくとも一列方向に固定配置する基部と、この基部を基端とし、先端が開口した、前記端子を囲う筒部と、この筒部の基端部付近の外周面に備わる、コネクタを固定するための鍔部と、を備えるもので、いわゆる雄型、雌型両コネクタに対応するものである。本発明は、これら雄型又は雌型コネクタと、筺体との接合面間の防水構造に係るものである。
コネクタは、前記筒部の周面と、前記嵌合孔内周面との接合面間の隙間を埋めるように、周方向に沿って弾性材料からなるシール部材を備えているので、筒部と、嵌合孔との接合面は防水性が確保されている。シール部材は、弾性材料からなるもので、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマであってよい。
前記筒部の周面には装着されたこのシール部材の一方端面を支持するための支持部が備わるので、嵌合時シール部材はこの支持部で嵌合方向の移動が規制され、不要な位置ズレが生じることなく、所定の位置に備わって本来の防水性能を発揮する。
支持部は、筒部に装着されたシール部材が、嵌合時、嵌合孔内周面との摩擦によって引き摺られて、嵌合方向に変位するのを防ぐものであって、コネクタハウジングの射出成型時に同時に形状を得てよい。庇形状、衝立形状、ブロック状などの形状であってよい。
筺体は、前記筒部を受け入れる嵌合孔を側面に備え、内部に回路基板を収容するもので、回路基板を雨水や埃から遮断するものである。筺体は、耐熱性、耐水性等を考慮してアルミ合金等の金属製品、及び非金属の合成樹脂製品などがある。
(2)好ましくは、コネクタと筺体との防水構造は、前記筺体の嵌合孔は嵌合方向の垂直断面形状の異なる少なくとも2個の穿孔を備え、第1穿孔は、第2穿孔に比べて前記断面形状が大きく、第1穿孔は第2穿孔よりも入口側に備わり、前記シール部材は前記第2穿孔に接し、前記支持部は前記第1穿孔に接するところに特徴を有する(1)に記載のものである。
筺体の嵌合孔は、入口側と奥側とで大きさの相違する少なくとも2個の穿孔を備える。入口側の穿孔は、奥側の穿孔に比べて大きいので、筒部周面との接合面間に大きなクリアランスが形成される。大きなクリアランスは、嵌合初期の挿入段階で適切な案内の機能を果たすので、コネクタはスムーズに挿入される。
本発明のシール部材は、筒部の周面に装着され、筒部の嵌合方向に沿った中位に保持される構造である。シール部材が筒部の中位に保持されるので、嵌合相手の嵌合孔の入口側の穿孔の大きさを大きくすることができる。
シール部材が第2穿孔に接し、支持部が第1穿孔に接するので、筒部と嵌合孔との接合面間のシールは嵌合孔奥側の第2穿孔でなされ、筒部と嵌合孔との位置決めは嵌合孔入口側の第1穿孔でなされる。穿孔ごとに機能分担がなされている。
筒部と、嵌合孔との位置決めは、支持部と、第1穿孔間でおこなわれ、双方合成樹脂等の剛体だから、位置決めは、弾性体が介在するのに比べて正確である。
シールは第2穿孔でなされるので、入口側に相当する第1穿孔は、第2穿孔に比べて断面形状を大きくでき、筒部を嵌合孔に挿入する際、第1穿孔が筒部の案内として機能する。
(3)好ましくは、コネクタと筺体との防水構造は、嵌合方向に直交する投影面に投影さ
れた、前記シール部材の形状が、同じく投影された、前記筒部周面に備わる支持部の周側
面をつなげてできた支持部の仮想周面形状の内側に収まるところに特徴を有する(2)
載のものである。
シール部材の外形は、支持部仮想周面形状よりも小さいのでコネクタの筒部を筺体嵌合孔に挿入する際、嵌合孔入口側の第1穿孔内周面がシール部材の挿入動作の妨げとなることなく嵌合されうる。
(4)好ましくは、コネクタと筺体との防水構造は、前記シール部材がシール部と、この
シール部の一方側端から延びたスカート部とを備え、このシール部は、周方向に沿って少
なくとも1本の突条を形成した突条部を備え、前記シール部材が前記筒部に装着された際
このスカート部と前記筒部の周面との対応部分で、一方には係合用の突起部が備わり、他
方には係合用の係合孔部が備わるところに特徴を有する(1)から(3)の内一項記載の
ものである。
シール部は、少なくとも1本の突条を形成した突条部を備えるので、柔軟性のあるこの突条部が嵌合孔内周面の形状に倣うことで高い防水性が確保されうる。
筒部周面の係合部にスカート部の係合部が係合するので、シール部材は、筒部周面の所定位置に保持され、外れたり位置がズレたりすることがない
(5)好ましくは、コネクタと筺体との防水構造は、前記突起部が前記シール部材の装着
方向側の側面にテーパー面を備えているところに特徴を有する(4)に記載のものである。
突起部は、スカート部の装着方向の側面にテーパー面を備えているので、シール部材の装着が容易になる。
(6)好ましくは、コネクタと筺体との防水構造は、前記突起部が前記テーパー面と反対
側面に突起状の鉤部を備えるところに特徴を有する(5)に記載のものである。
突起部は、テーパー面と反対側面に鉤部を備えているので、シート部材に外力が作用しても筒部から外れにくい。
本発明によれば、シール部材の位置ズレが生じにくく、挿入性のよいコネクタと筺体との防水構造が得られる。
図1は本発明に係るコネクタとアルミ筐体との防水構造を示す外観図であり、(A)は分解斜視図、(B)は組立斜視図である。 図2は本発明に係るシール部材を装着したコネクタとこれに嵌め合うアルミ製筐体との外観斜視図である。 図3は本発明に係るコネクタにシール部材を装着する過程を示す外観斜視図であり、(A)は装着前、(B)は装着途中、(C)は装着完了の図である。 図4は本発明に係るシール部材を装着したコネクタとアルミ製筐体との嵌合を示す図1の(B)のIV−IV線に沿った断面図であり、(A)は嵌合前、(B)は正規嵌合姿勢の図である。 図5は図4のシール部材周辺(片側)を拡大した図であり、(A)は嵌合前、(B)は嵌合途中、(C)は正規嵌合姿勢の図である。 図6は本発明に係るコネクタをアルミ製筐体から離間する過程を示す断面図で、シール部材のスカート部に突起部が係合している周辺を示す拡大断面図である。 図7は本発明の他の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るコネクタとアルミ筺体との防水構造を示す外観図であり、(A)は分解斜視図、(B)は組立斜視図である。図2は本発明に係るシール部材を装着したコネクタとこれに嵌め合うアルミ製筺体との外観斜視図である。図4は本発明に係るシール部材を装着したコネクタとアルミ製筺体との嵌合を示す図1の(B)のIV−IV線に沿った断面図であり、(A)は嵌合前、(B)は正規嵌合姿勢の図である。ここで、説明中指示する方向が明確になるように、指示方向を定義しておく。コネクタをアルミ製筺体に嵌め込む方向に相当する方向を第1方向D1、及び第1方向に反対する方向を第1´方向D1´とし、図4に示すように、図上で上下方向をX方向、特に上方向をX1、下方向をX1´とし、図上で前後方向をY方向、特に手前方向をY1、奥方向をY1´とする。
〔防水構造〕
本発明の実施形態に係るコネクタとアルミ製筺体との防水構造は、図1、図2、及び図4に示されるように、コネクタハウジング1、アルミ製筺体3、及びその接合面に装着されるシール部材2から構成される。
〔コネクタハウジング〕
コネクタハウジング1は、図1、図2、及び図4に示されるように、端子15を固定する基部13、端子15を変形から保護するための筒部11、及びコネクタハウジング1を固定するための鍔部10から構成される。基部13は端子15を1列或いは2列以上で整列配置するために端子保持孔(図示せず)を備える。筒部11及び12は、基部13を基端にして整列端子15を囲うように直立する。筒部11は、基部13から第1方向D1に沿って備わっている。筒部12は、基部13から第1´方向D1´に沿って備わっている。鍔部10は、2個の筒部11及び12のつなぎ目付近の周面から外方に膨出したもので、X方向に短径、Y方向に長径を備えた略楕円体である。鍔部10は、Y1方向及びY1´方向の両端部にねじ穴10a、10aを備えている。ねじ穴10a、10aは、コネクタ1をアルミ製筺体3に固定するためのものである。
〔アルミ製筺体〕
アルミ製筺体3は、図1及び図2に示されるように、電子制御ユニット(図示せず)を収容するための箱体のダイカスト製品である。機密性を確保するため開口部はシールゴムを介してねじ締めされる(図示せず)。一般的に自動車のエンジンルームに搭載されるものである。内蔵される電子制御ユニットと、外部との電気信号及び電源回路の接続はコネクタを介しておこなわれる。コネクタ接続用の嵌合孔31が前壁30中央に備わる。前壁30の厚みは、筒部11の長さとほぼ同じ厚みのある構造である。電子制御ユニットの正常な作動環境を維持するためにコネクタハウジング1とアルミ製筺体3との接続は、高度な防水性が要求される。そのため嵌合孔31にはシール部材2が装着される。コネクタハウジング1は、シール部材2を介してアルミ製筺体3にねじ締めされる。アルミ製筺体3は、そのためのねじ穴30a、30aを嵌合孔31のY1方向及びY1´方向の両端に備えている。
〔シール部材〕
シール部材2は、図1、図2及び図4に示されるように、コネクタハウジング1の筒部11の周面に装着されるもので、筒部11周面の輪郭形状に即した形状に成型された略矩形の環状体である。シール部材2はシール部20と、スカート部21と、を備えている。シール部20は、周方向に沿って並行する2本の突条を形成した突条部20aからなる。突条部20aは外周部が押しつぶされて接合面の防水性を発揮する。突条部20aは2本並行することで防水性を高めている。
スカート部21は、図1及び図2に示されるように、シール部20の下端(第1´方向D1´)から第1´方向D1´に延出する。本実施形態では、スカート部21は略矩形のシール部20の各角部に備わっている。スカート部21は、シール部20に比べて厚みが薄く変形容易なシート状である。スカート部21は、シール部材2が筒部11に装着された際、シール部材2を所定領域に保持するための係合孔21aを備えている。
シール部材2は、図4に示されるように、外周部が押しつぶされて接合面の防水性を確保するものだから、材質は変形可能な弾性体であることが望ましい。一般的に天然ゴム、合成ゴム、及び熱可塑性エラストマなどの弾性材料が用いられる。耐熱性、耐候性などを考慮すればシリコーンゴムを選択してよい。
〔シール部材の装着〕
図3は、本発明に係るコネクタにシール部材を装着する過程を示す外観斜視図であり、(A)は装着前、(B)は装着途中、(C)は装着完了の図である。図6は本発明に係るコネクタをアルミ製筺体から離間する過程を示す断面図で、シール部材のスカート部に突起部が係合している周辺を示す拡大断面図である。
シール部材2は、図3及び図6に示されるように、筒部11の先端側から第1´方向D1´に装着される。シール部材の装着は、筒部11に環状のシール部材2の中空部を通すようにしておこなわれる。シール部材2は、スカート部21から筒部11に装着される。シール部材2は、内周面が筒部11の周面と軽く摺りあうようにして深部に向かう(図3の(A))。
装着動作の半分ほどの地点で、スカート部21の第1´方向D1´の先端が筒部11周面に備わる突起部11bに当接する。突起部11bはテーパー面111bでスカート部21先端に接し、スカート部21は装着動作とともにテーパー面111bに沿って突起部11bを摺りあがる(図3の(B))。
シール部材2は、所定位置に装着されると、突起部11bにスカート部21の係合孔21aが係合する。突起部11bの先端には係合を確かにするように鉤部110bが備わり、
鉤部110bを乗り越えるようにしてスカート部21を突起部11bの位置に合わせる(図3の(C))。
正しい装着姿勢でシール部材2が筒部11に装着されると、シール部20の第1´方向D1´の縁部が筒部11に備わる支持部11aの立ち上がる嵌合側側面110aに当接する(図3の(C))。
このように正しい姿勢で装着されたシール部材2は、図3及び図6に示されるように、シール部20の第1´方向D1´の縁部が支持部11aの嵌合側側面110aに当接し、スカート部21の係合孔21aが筒部11に備わる突起部11bに係合する。
〔コネクタの嵌合〕
図4は、本発明に係るシール部材を装着したコネクタとアルミ製筺体との嵌合を示す図1の(B)のIV−IV線に沿った断面図であり、(A)は嵌合前、(B)は正規嵌合姿勢の図である。方向を明確に定義するために、嵌合方向D1に直交する方向で図面の上下方向をX方向とし、特に上方向をX1、下方向をX1´とし、図面に対して前後方向をY方向とし、特に前方向をY1、後方向をY1´とする。
コネクタハウジング1のアルミ製筺体3への嵌合は、図4に示されるように、筒部11の先端をアルミ製筺体3の嵌合孔31に向けた姿勢でおこなわれる。
アルミ製筺体3の嵌合孔31は、第1方向D1に沿う垂直断面形状が筒部11の形状に対応した略矩形である。嵌合孔31は、図4に示されるように、第1方向D1に沿う垂直断面形状の大きさが相違する2個の穿孔で構成されている。2個の穿孔は、第1´方向D1´に相当する入口側の第1穿孔31aと、第1方向D1に相当する奥側の第2穿孔31bである。第1穿孔31aは、第2穿孔31bに比べてX方向、Y方向とも差渡し寸法が大きい。第1穿孔31aと、第2穿孔31bとのつなぎ目には大きさの差を調整するためにテーパー面の段差部31cが形成されている。
第1穿孔31aの第1方向D1に沿う垂直断面形状は、図4に示されるように、シール部材2の最も外方の周面を結んだ外形よりも大きく、また、第1穿孔31aの開口縁はC面が備わっている。これらの条件によって筒部11は、正確に嵌合孔31に案内されるので、嵌合初期の挿入動作がスムーズにおこなわれる。
図4に示されるように、コネクタハウジング1の挿入動作が進みシール部材2の第1方向D1の先頭が第2穿孔31bに掛かり始めるころ、支持部11aの嵌合側側面110aが第1穿孔31aに掛かり始める。支持部11aは、第1方向D1方向に沿って延びる周側面110a´を第1穿孔31a内周面に摺接させながら前進する。コネクタハウジング1は、支持部11aの周側面110a´が第1穿孔31a内周面に当接してX方向、Y方向の位置決めがなされることで、正規嵌合姿勢をとる。変形容易なシール部材2で位置決めをおこなう方式を取らず、合成樹脂の剛性体からなる支持部11aで位置決めをおこなうので、正確に位置決めが定まり、位置ズレによって生じるシール部材2の偏当たりを的確に回避することができる。
図4に示されるように、コネクタハウジング1が嵌合孔31に完全に嵌合された姿勢で、鍔部10下面はアルミ製筺体3の前壁30表面に密接し、第1方向D1の位置決めが定まる。このとき支持部11aの嵌合側側面110aは、嵌合孔31の段差部31c手前に位置する。また支持部の周側面110a´は第1穿孔31a内周面に当接し、X方向及びY方向の位置決めが定まる。このとき筒部11の周面が嵌合孔31内周面に重なり、筒部11の周面に装着されたシール部材2は、周方向に亘って均等に第2穿孔31b内周面に弾
接して両接合面間の隙間を一様に埋める。
コネクタハウジング1は、図1で示されるように、正規嵌合姿勢で鍔部10に備わるねじ締め部で固定され、アルミ製筺体に対して正規嵌合姿勢が維持される。
このように、シール部材2が一様に変形するので部分的に集中荷重が加わることがなく、偏当たりの経年劣化による防水性の低下が生じにくい。
〔嵌合動作中のシール部材の変形〕
図5は、図4のシール部材周辺(片側)を拡大した図であり、(A)は嵌合前、(B)は嵌合途中、(C)は正規嵌合姿勢の図である。
シール部材2は、図5に示されるように、シール部20に2本の突状を形成した突条部20aを備えている。筒部11の周面と第2穿孔31bの内周面との間には隙間がある。シール部材2は、この両面間の隙間を埋めて接合面間の防水性を確保する。
シール部20の第1´方向D1´の後端部は、図5の(A)に示されるように、支持部11aの第1方向D1の嵌合側側面110aに当接している。筒部11を嵌合孔31に挿入初期の嵌合前にあっては、筒部11は、全長の半分ほどを嵌合孔31に挿入している。シール部20は、第1穿孔31aに位置している。突条部20aは、その頂部で第1穿孔31aの内周面との間でクリアランスを有している。支持部11aは、嵌合孔31の手前に位置している。このように、コネクタハウジング1及び付属するシール部材2は、嵌合孔31内周面に摺接する部分がないので、第1穿孔31aが適切な案内の機能を果たし挿入初期段階の嵌合をスムーズにおこなわせる。
挿入中期の嵌合途中にあっては、図5の(B)に示されるように、シール部20の突条部20aの第1方向D1に位置する突条が第2穿孔31bの内周面に弾接している。支持部11aの周側面110a´は、第1穿孔31aの内周面に対応した位置にある。周側面110a´と第1穿孔31aの内周面との間には、クリアランスがある。支持部11aの周側面110a´と、第1穿孔31aとの当接によって、嵌合孔31に対するコネクタハウジング1の筒部11の正規の姿勢が強制される。したがって、同時に第2穿孔31bに当接して弾性変形するシール部材2の突条部20aは、周方向に亘って一様変形が可能である。
挿入完了の正規嵌合姿勢にあっては、図5の(C)に示されるように、シール部20の突条部20aの2本の突条が第2穿孔31bの内周面に弾接している。支持部11aの周側面110a´は、第1穿孔31a内周面に当接した状態で、第1方向D1の角部が段差部31cに当接している。鍔部10の下面は、アルミ製筺体3の前壁30に当接している。第1方位D1の位置決めは、鍔部10の前壁30への当接で定められる。
このように、筒部11の周面と、嵌合孔31内周面との接合面間の隙間は、シール部材2で的確に埋められている。位置決めは、合成樹脂からなる剛体の支持部11aでなされるので正確である。また、水の進入経路に屈曲部が複数箇所備わり、進入口から遠いところにシール部材2が位置するので、一層防水機能が高められている。
〔シール部材の係合〕
図6は、本発明に係るコネクタをアルミ製筺体から離間する過程を示す断面図で、シール部材のスカート部に突起部が係合している周辺を示す拡大断面図である。
図6に示されるように、コネクタハウジング1がアルミ製筺体3に嵌合した姿勢で、シー
ル部材2の突条部20aは第2穿孔31bの内周面に弾接し、突条部20aは押しつぶされた状態である。
コネクタハウジング1をアルミ製筺体3から離間する際、シール部材2は、弾接した突条部20aで第2穿孔31bの内周面に引き摺られ、筒部11から外れる方向(第1方向D1)に変位する。変位は弾性的におこなわれる。
シール部材2は、図6に示されるように、スカート部21で筒部11の周面に備わる突起部11bに係合し、コネクタハウジング1がアルミ製筺体3から離間した際、変位していたシール部材2は、復元力が作用して元の状態に戻る。突起部11bは鉤部110bを備えていて、シール部材2の係合をより確かなものにしている。
このような手段でシール部材2は、突起部11bに係合し、離間時の変位に対しては弾性的に復元し元の状態を保持する。この機能によって、シール部材2が筒部11の所定の位置からずれたり、筒部11から外れたりするおそれは大幅に軽減されている。
〔作用効果〕
本実施形態のコネクタとアルミ製筐体との防水構造は上述した通りであり、以下の効果を奏する。(1)筒部の周面と、嵌合孔内周面との接合面間の隙間は、シール部材2で一様に埋められているので、接合面間の防水性が確保されている。
(2)位置決めは、合成樹脂からなる剛体の支持部でなされるので正確である。
(3)水の進入経路に屈曲部が複数箇所備わり、進入口から遠いところにシール部材2が位置するので、防水機能が高められている。
(4)支持部側面が嵌合孔内周面に当接した状態で筒部を嵌合孔に嵌め合わせているので、コネクタのがたつきが軽減される。
(5)シール部材は筒部周面に装着されて、嵌合孔内周面との隙間を埋める防水構造なので、コネクタハウジングの鍔部下面にシール部材を装着する防水構造に比べて低背化が可能である。
(6)シール部材は、支持部で嵌合方向の動きが規制されるので、位置ズレによる防水効果の低下のおそれが軽減される。
(7)シール部材は、スカート部で筒部の突起部に係合されるので、コネクタの離間動作の際、シール部材が筒部から外れる事態が生じにくい。
(8)突起部は、シール部材の装着側にテーパー部を備えているので、シール部材の嵌挿の際、装着抵抗が緩和される。
(9)嵌合孔は、大きさの相違する第1穿孔と、第2穿孔とからなり、大きい方の第1穿孔が入口側なので、コネクタの挿入がし易く、シール部材を傷つけるおそれが軽減される。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明思想の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、図7に示されるように、支持部1100aが鍔部10の表面から延びた構造であ
ってよい。このような実施形態であっても概ね上記した(1)〜(9)の効果を奏しうる。
1 コネクタハウジング
10 鍔部
10a ねじ穴
11 筒部
11a 支持部
110a 嵌合側側面
110a´ 周側面
11b 突起部
110b 鉤部
111b テーパー面
11c 空洞部
12 筒部
13 基部
15 端子
16 ねじ
2 シール部材
20 シール部
20a 突条部
21 スカート部
21a 係合孔
3 アルミ製筺体
30 前壁
31 嵌合孔
31a 第1穿孔
31b 第2穿孔
31c 段差部

Claims (7)

  1. 導電性の端子を少なくとも一列方向に固定配置する基部と、
    この基部を基端とし、先端が開口した、前記端子を囲う筒部と、
    この筒部の基端部付近の周面に備わる、コネクタを固定するための鍔部と、
    を備えるコネクタと、
    前記筒部に嵌合する嵌合孔を側面に備え、
    内部に回路基板を収容した筐体との防水構造であって、
    前記筒部の周面と、前記嵌合孔内周面との接合面間の隙間を埋めるように、周方向に沿っ
    て弾性材料からなるシール部材が備わり、
    前記筒部の周面にはこのシール部材の一方端面を支持するための
    前記筒部の周方向に不連続に形成された支持部が備わり、
    前記コネクタを前記筐体の嵌合孔に嵌合させる際シール部材が嵌合方向に沿って変位する
    のを前記支持部が規制するところに特徴を有するコネクタと筺体との防水構造。
  2. 前記筺体の嵌合孔は嵌合方向の垂直断面形状の異なる少なくとも2個の穿孔を備え、第1
    穿孔は、第2穿孔に比べて前記断面形状が大きく、第1穿孔は第2穿孔よりも入口側に備
    り、
    前記シール部材は前記第2穿孔に接し、前記支持部は前記第1穿孔に接するところに特徴
    を有する請求項1に記載のコネクタと筺体との防水構造。
  3. 嵌合方向に直交する投影面に投影された、前記シール部材の形状が、
    同じく投影された、前記筒部周面に備わる支持部の周側面をつなげてできた支持部の仮想
    周面の内側に収まるところに特徴を有する請求項2記載のコネクタと筺体との防水構造。
  4. 前記シール部材はシール部と、
    このシール部の一方側端から延びたスカート部とを備え、
    このシール部は、周方向に沿って少なくとも1本の突条を形成した突条部を備え、
    前記シール部材が前記筒部に装着された際このスカート部と前記筒部の周面との対応部分
    で、一方には係合用の突起部が備わり、他方には係合用の係合孔部が備わるところに特徴
    を有する請求項1から3の内一項記載のコネクタと筺体との防水構造。
  5. 前記突起部は前記シール部材の装着方向側の側面にテーパー面を備えているところに特徴
    を有する請求項4に記載のコネクタと筺体との防水構造。
  6. 前記突起部は前記テーパー面を備える面と反対側面に鉤部を備えるところに特徴を有する
    請求項5に記載のコネクタと筺体との防水構造。
  7. 請求項1から6の内一項記載のコネクタと筺体との防水構造を構成するコネクタ。
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