JP5795398B2 - 果実の処理装置 - Google Patents
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請求項2に記載の果実の処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記修正手段は、前記押込部の押し込み方向に対する種子の傾きを修正することを特徴とする。上記構成によれば、対象とする果実の種子の形状が球形状以外の形状である場合(例えば、楕円体形状や扁平形状)にも、内部の種子が分離部を通過可能な状態となるように、収容部内における果実の収容状態を修正することができる。
以下、本発明をマンゴーの処理装置に具体化した第1実施形態について図面に基づいて説明する。
(収容工程)
まず、押込部9、判定部材11b、12b、第1修正部材13b、14b及び第2修正部材15bがそれぞれ退避位置に位置するとともに、遮蔽板10bが遮蔽位置に位置する状態(初期状態)で、収容部に対して皮むき処理されたマンゴーMが投入される。このときマンゴーMは蔕側を下方に向けるとともに、蔕をY方向前方側に向けるようにした状態で収容部内に収容される(図5参照)。つまり、マンゴーMの蔕を分離部3側に向けるとともに、密集部M4が環状刃32の延出部32a側に位置するように配置する。これにより、後の押し込み工程において、マンゴーMが分離部3を通過する際に、種子M1の繊維の流れに対して順方向に環状刃が入ることになる。また、密集部M4が環状刃32の延出部32aを通過する。
次に、軸線Pに対する種子M1のX方向の傾きを修正する第1修正工程が行なわれる(図4参照)。一方の第1修正用シリンダ13が駆動されて、第1修正部材13bが修正位置へ移動する。そして、第1修正部材13bは、収容部内に収容されたマンゴーMの果肉M2を貫通して種子M1に突き当たるとともに、同種子M1を軸線P側へX方向後方側から付勢する。続いて、他方の第1修正用シリンダ14が駆動されて、第1修正部材14bが修正位置へ移動する。そして、第1修正部材14bは、マンゴーMの果肉M2を貫通して種子M1に突き当たるとともに、同種子M1を軸線P側へX方向前方側から付勢する。これらの修正動作により、X方向における種子M1の位置が軸線P側に向って修正される。同時に、種子M1の姿勢が軸線Pに沿って直立する状態へと修正される、つまり、軸線Pに対する種子M1のX方向における傾きが修正される。
次に、軸線Pに対する種子M1のY方向の傾きを修正する第2修正工程が行なわれる(図5参照)。第2修正用シリンダ15が駆動されて、第2修正部材15bが修正位置へ移動する。そして、第2修正部材15bは、収容部に収容されたマンゴーMの果肉M2を貫通して種子M1に突き当たるとともに、同種子M1を軸線P側へY方向後方側から付勢する。この修正動作により、Y方向における種子M1の位置が軸線P側に向って修正される。同時に、種子M1の姿勢が軸線Pに沿って直立する状態へと修正される、つまり、軸線Pに対する種子M1のY方向における傾きが修正される。なお、蔕側を下方に向けるとともに、蔕をY方向前方側に向けた状態で収容されたマンゴーMは比較的Y方向後方側へ傾きやすい。そのため、種子M1をY方向後方側から付勢するように第2修正用シリンダ15を配置している。
続いて、収容部に収容されているマンゴーMについて、その種子M1が分離部3を通過可能な状態であるか否かを判定する(分離部3に対して種子M1が通過可能か否かを判定する)判定工程が行なわれる(図4参照)。両判定用シリンダ11、12が駆動されて判定部材11b、12bが判定位置へ移動する。このとき、判定位置にある判定部材11b、12bと種子M1との接触が第2感知手段によって検出された場合、両判定用シリンダ11、12はその検出情報(検出あり)を制御装置に出力する。そして、制御装置は種子M1が分離部3を通過不能な状態にあると判定して、続く処理動作を中断するとともに警報音(ブザー)等によって作業者に対する告知を行なう。
次にマンゴーMを分離部3に向って押し込むとともに、マンゴーMを種子部分と果肉部分とに分離する押し込み工程が行なわれる(図4及び5参照)。押込部9が収容部内のマンゴーMに向って軸線Pに沿って降下するとともに、その先端の押込体92がマンゴーの果肉M2内に進入する。そして、押込体92の挟持ピン95が種子M1上端を挟持するとともに、押込板94a〜94cが同種子M1に当接した状態(図4及び5の2点鎖線部分)となると、押込板94a〜94cと種子M1との接触を第1感知手段が感知して押込部9の降下が一旦停止する。
(1)処理装置は、収容部に収容されたマンゴーMに対して、マンゴーM内の種子M1が分離部3を通過可能な状態にあるか否かを判定する判定用シリンダ11、12を備えている。この構成によれば、マンゴーM内の種子M1が分離部3を通過可能であるか否か、即ち、押し込み工程における押し込み動作時に種子M1と分離部3とが干渉するか否かが判定される。そのため、内部の種子M1が分離部3を通過不能な状態にあるマンゴーMを、押し込み工程前に判別することができる。そのため、そのようなマンゴーMに対しては、その除去や位置の修正を行なうことが可能となる。これにより、種子M1と分離部3とが干渉し得る状態で押し込み工程がなされてしまい、果肉部分側へ種子片が混入することを抑制できる。
次に、図7〜11に基づいて、第2実施形態の処理装置を第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
(収容工程)
第1実施形態の処理装置の収容工程と同様であり、収容部に対して皮むき処理されたマンゴーMが、蔕側を下方に向けるとともに、蔕をY方向前方側に向けるようにした状態で収容される(図11参照)。
第2実施形態の処理装置では、まず、軸線Pに対する種子M1のY方向の傾きを修正する第2修正工程から行われる(図11参照)。第2修正用シリンダ15が駆動されて、第2修正部材15bが修正位置へ移動する。そして、第2修正部材15bは収容部に収容されたマンゴーMの果肉M2の上部を軸線P側へY方向後方側から付勢する。この修正動作により、Y方向におけるマンゴーM及び種子M1の位置が軸線P側に向かって修正される。同時に、マンゴーM及び種子M1の姿勢が軸線Pに沿って直立する状態へと修正される。
(判定工程)
両判定用シリンダ11、12によって判定位置(図10の2点鎖線部分)へ移動した判定部材11b、12bと、収容部に収容されているマンゴーMの種子M1との接触の有無により、マンゴーMの種子M1が分離部3を通過可能な状態であるか否かを判定する。第2実施形態の処理装置では、X方向における判定位置が異なっており、判定部材11bの先端位置が分離部3の環状刃32のZ方向(上方向)における延長線上よりも軸線P側(内側)に設定されている。なお、判定工程における具体的処理は、上記判定位置の違いを除いて、第1実施形態の処理装置の判定工程と同様である。
マンゴーMを分離部3に向って押し込むとともに、マンゴーMを種子部分と果肉部分とに分離する押し込み工程が行なわれる(図10及び11参照)。まず、第1修正部材13b、14bが退避位置に退避し、その後、判定部材11b、12bが退避位置に退避する。なお、判定部材11b、12bは自身が退避位置に退避するまでの期間、継続的にマンゴーMの種子M1との接触を検出する。つまり、判定部材11b、12bよりも先に退避位置へ退避する第1修正部材13b、14bの退避時及び退避後の一定時間においても、マンゴーMの種子M1との接触を検出可能となっている。そして、マンゴーMの種子M1との接触が検出された場合には、押し込み工程を停止するように制御している。たとえば、第1修正部材13b、14bが退避することにより、支えが失われてマンゴーMが傾倒してしまい、種子M1が分離部3を通過不能となる場合がある。このような場合にも、マンゴーMの傾倒に伴う種子M1と判定部材11b、12bとの接触を検出して、押し込み工程が停止されることで、分離部3を通過不能となるほどにマンゴーMが傾倒した状態で押し込み工程が行われることを抑制できる。
(11)第1修正用シリンダ13、14を上下2段に配置している。これにより、収容部に収容されたマンゴーMの種子M1は、X方向における両側及びその上下の合計4箇所で位置及び姿勢が修正される。そのため、マンゴーMの種子M1の位置及び姿勢の修正精度が向上する。
・ 分離部3において、果肉部分を分割するための分割刃33の数、配置位置及び形状は特に限定されるものではなく、所望の分割形状に応じて適宜設定すればよい。また、分割刃33を設けない構成としてもよい。
・ 上記各実施形態の処理装置を、収容部へ果実を輸送・供給するための第1輸送手段、及び処理装置により分離処理された果実の果肉部分及び種子部分を所定箇所まで輸送する第2輸送手段と組み合わせて果実の処理システムとしてもよい。この場合には、果実受け16は省略される。このように構成した場合には、大量の果実を効率的に処理することが可能となる。なお、第1輸送手段及び第2輸送手段としては、例えばベルトコンベアを用いることができる。また、上記第1輸送手段として、収容筒6を複数配した回転台を採用し、その回転台の回転に伴って果実を収容した状態の収容筒6が交換されていくように構成してもよい。
・ 第1修正部材13b、14b、及び第2修正部材15bの形状は、収容部に収容されたマンゴーMの種子M1の位置及び姿勢の少なくとも一方を修正可能な形状であれば特に限定されるものではない。
・ 判定工程及び第1、第2修正工程において、判定部材11b、12b及び各修正部材がマンゴーMの果肉M2を貫通して種子M1に接触するように構成した場合には、判定部材11b、12b及び各修正部材の移動軌跡が、分離部3の分割刃33のZ方向における延長線上に位置するように判定用シリンダ11、12、第1修正用シリンダ13、14、及び第2修正用シリンダ15の位置を設定することが好ましい。こうした場合には、判定部材11b、12b及び各修正部材がマンゴーMの果肉M2を貫通して形成される穴や溝の位置と、分割刃33による切断面とが一致するようになるため、分割処理されたマンゴーMの果肉M2に上記穴や溝の跡が残り難くなる。
(ロ)果実を果肉部分及び種子部分に分離するための果実の処理装置であって、果実を収容する収容部と、果実を通過させることにより果肉部分及び種子部分に分離する分離部と、前記収容部に収容された果実を前記分離部に向って押し込む押込部とを備え、前記押込部の先端には、前記収容部に収容された果実内に挿入されて同果実内の種子を挟持する挟持手段が設けられていることを特徴とする果実の処理装置。
Claims (3)
- 果実を果肉部分及び種子部分に分離するための果実の処理装置であって、果実を収容する収容部と、果実を通過させることにより果肉部分及び種子部分に分離する分離部と、前記収容部に収容された果実を前記分離部に向って押し込む押込部とを備え、
前記収容部に収容された果実の種子の位置又は姿勢を修正する修正手段を備え、
前記修正手段は、果実の果肉部分を貫通して種子を付勢することを特徴とする果実の処理装置。 - 前記修正手段は、前記押込部の押し込み方向に対する種子の傾きを修正することを特徴とする請求項1に記載の果実の処理装置。
- 前記修正手段は、互いに直交する2方向における種子の傾きを修正することを特徴とする請求項2に記載の果実の処理装置。
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