JP5790079B2 - 放電抵抗固定構造 - Google Patents
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Description
該放電抵抗を固定する樹脂基板とを備え、
上記放電抵抗は、上記放電電流が流れた場合における単位体積あたりの発熱量が最も大きい最大発熱部を少なくとも含む部分が上記樹脂基板と離隔しており、
上記放電抵抗における上記樹脂基板に固定される被固定部は、上記最大発熱部を除く部位に形成されており、
上記放電抵抗は、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う車載電力変換装置に用いられ、
上記樹脂基板には、上記最大発熱部に対向する全ての領域を、上記樹脂基板の法線方向に貫通した貫通穴が形成されており、
上記被固定部は少なくとも一対設けられ、それぞれの上記被固定部と上記樹脂基板との間にボスが介在していることを特徴とする放電抵抗固定構造にある(請求項1)。
上記放電抵抗固定構造は、例えば、電気自動車やハイブリッド車に搭載され、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置に用いることができる。
この場合には、樹脂基板に上記貫通穴を設けたため、最大発熱部の近くに樹脂材料が配置されることを防止できる。そのため、放電抵抗から発せられる熱による、樹脂基板への影響を低減しやすくなる。
そのため、放電抵抗と樹脂基板との固定部に、少なくとも一対のボスが介在するため、放電抵抗を樹脂基板から確実に離隔させることができる。そのため、放電抵抗から発生した熱の影響を、樹脂基板が受けにくくなる。
この場合には、上記固定ピンと熱かしめ部とによって、放電抵抗を樹脂基板にしっかりと固定することができる。すなわち、固定ピンによって、樹脂基板に平行な方向における放電抵抗の位置規制を行うことができると共に、熱かしめ部によって、上記法線方向における放電抵抗の位置規制を行うことができる。これにより、放電抵抗を樹脂基板に固定するための部品(ボルト等)が不要となり、放電抵抗固定構造の製造コストを低減することが可能になる。
また、被固定部と樹脂基板との間に上記ボスを介在させ、さらに熱かしめ部を形成すると、後述するように、熱かしめ部の外径形状を均一にできるという効果も生じる。
この場合には、固定ピンの先端に熱を加えて固定ピンを溶融変形し、上記熱かしめ部を形成した場合に、熱かしめ部を構成する樹脂の一部が溝部に流入する。そして、この状態で熱かしめ部が固化する。そのため、熱かしめ部に対して、樹脂基板に平行な方向に何らかの力が加わった場合でも、溝部と、該溝部内に流入した樹脂とが引っ掛かり、熱かしめ部の位置ずれを防止することが可能になる。
この場合には、熱かしめ部の外観形状を一定にすることができる。すなわち、熱かしめ部を形成する際には、凹部を有する加締用具(図3参照)を加熱して、固定ピンの先端に押し当て、上記凹部内において先端を溶融変形させる。そして、冷却した後、加締用具を取り外す。これにより、凹部に嵌合する形状の熱かしめ部を形成する。
ここで、例えば製造ばらつきにより、固定ピンの先端の長さが長くなりすぎ、全ての樹脂が凹部に入りきれないことがある。しかし、この場合でも、溝部を上記非接触部まで延ばしておけば、凹部に入りきれなかった樹脂は、凹部(接触部)において溝部に流れ込み、非接触部に形成した溝部まで流れ出る。そのため、凹部に入る樹脂の量を一定にでき、熱かしめ部の外観形状を一定にすることができる。
この場合には、熱かしめ部に対して、樹脂基板に平行な方向へ何らかの力が加わった場合でも、熱かしめ部を構成する樹脂がリブ部に引っ掛かるため、熱かしめ部の位置ずれを防止できる。また、溝部を形成した場合と比較して、放電抵抗の厚さが薄くならないため、放電抵抗の強度を上げることができる。
本発明の参考例に係る放電抵抗固定構造につき、図1〜図7を用いて説明する。図1、図2に示すごとく、本例の放電抵抗固定構造1は、放電抵抗2と、樹脂基板3とを備える。放電抵抗2には、コンデンサ(図示しない)の放電電流が流れる。樹脂基板3は、放電抵抗2を固定している。
図2に示すごとく、放電抵抗2は、放電電流が流れた場合における単位体積あたりの発熱量が最も大きい最大発熱部20を少なくとも含む部分が樹脂基板3と離隔している。
放電抵抗2は、被固定部21において樹脂基板3に固定されている。被固定部21は、放電抵抗2における最大発熱部20を除く部位に形成されている。
上述したように、放電電流を流すと、凹部250に封止した電気抵抗体が発熱する。放電抵抗2のうち、発熱する部分(電気抵抗体を設けた部分)は全て、樹脂基板3から離隔している。すなわち、本例では、Z方向から見た場合に、電気抵抗体から外れた位置に、ボス31を設けてある。ボス31は、樹脂基板3と一体に形成され、樹脂基板3から被固定部21へ向かってZ方向に突出している。ボス31は、略円柱状である。
フレーム5の、X方向に直交する2つの内面63,64のうち、一方の内面63(パイプ57,58を設けた側の内面63)と、積層体500との間には、ばね部材62が設けられている。このばね部材62を使って積層体500をX方向に押圧し、フレーム5の他方の内面64に押し当てている。これにより、積層体500をフレーム5内に固定している。
図2に示すごとく、本例においては、放電抵抗2のうち、最大発熱部20を少なくとも含む部分を、樹脂基板3から離隔させた。そして、最大発熱部20を除く部位に被固定部21を形成した。このようにすると、放電抵抗2のうち温度が最も高くなる部分(最大発熱部20)を樹脂基板3に接触させずに、放電抵抗を樹脂基板に固定することができる。そのため、放電抵抗2から発生した熱の影響を樹脂基板3があまり受けなくなる。これにより、耐熱性の低い樹脂製の基板3でも、充分、使用に耐え得るようになる。樹脂基板3は金属と比べて安価であるため、樹脂基板3を使用することにより、放電抵抗固定構造1の製造コストを低減することができる。
このようにすると、放電抵抗2と樹脂基板3との固定部に、少なくとも一対のボス31が介在するため、放電抵抗2を樹脂基板3から確実に離隔させることができる。そのため、放電抵抗2から発生した熱の影響を、樹脂基板3が受けにくくなる。
この場合には、固定ピン32と熱かしめ部33とによって、放電抵抗2を樹脂基板3にしっかりと固定することができる。すなわち、固定ピン32によって、X方向およびY方向における放電抵抗2の位置規制を行うことができると共に、熱かしめ部33によって、Z方向における放電抵抗2の位置規制を行うことができる。これにより、放電抵抗2を樹脂基板3に固定するための部品(ボルト等)が不要となり、放電抵抗固定構造1の製造コストを低減することが可能になる。
図4、図5に示すごとく、放電抵抗2の固定用貫通孔34に固定ピン32を挿入すると、固定用貫通孔34の開口縁345から、固定ピン32の先端320が突出する。
本例は、樹脂基板4の形状を変更した例である。図8に示すごとく、本例では、樹脂基板3の、少なくとも最大発熱部20に対向する位置に、該樹脂基板3の法線方向(Y方向)に貫通した貫通穴30を形成した。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
その他、参考例1と同様の作用効果を備える。
本例は、放電抵抗の形状を変更した例である。図9、図10に示すごとく、本例では、放電抵抗2の表面のうち熱かしめ部33と接触する接触部23に、表面から凹んだ溝部25を形成した。本例では、固定用貫通孔34の周囲に4本の溝部25を放射状に形成した。個々の溝部25は、固定用貫通孔34に繋がっている。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
その他、参考例1と同様の作用効果を備える。
本例は、溝部25の長さを変更した例である。図11、図12に示すごとく、本例の溝部25は、接触部23から固定用貫通孔34の径方向に向かって延びている。溝部25は、放電抵抗2の表面のうち熱かしめ部33に接触しない非接触部24まで延びている。本例では、4本の溝部25を放射状に形成した。個々の溝部25は、固定用貫通孔34に繋がっている。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
本例は、放電抵抗2の形状を変更した例である。図13に示すごとく、本例では、放電抵抗2の表面のうち熱かしめ部33と接触する接触部23に、表面からZ方向に突出したリブ部26を形成した。リブ部26は、固定用貫通孔34の開口周縁部からZ方向に突出した円筒状部分26aと、該円筒状部分26aから放射状に延びた4本の放射状部26bとからなる。放射状部26bの、Z方向における高さは、固定用貫通孔34から離れるほど次第に低くなっている。
その他、参考例1と同様の構成を備える。
放電抵抗2の接触部23にリブ部26を形成すると、熱かしめ部33に対して、樹脂基板3に平行な方向(X方向、Y方向)へ何らかの力が加わった場合でも、熱かしめ部33を構成する樹脂がリブ部26に引っ掛かるため、熱かしめ部33の位置ずれを防止できる。また、溝部25(図9、図10参照)を形成した場合と比較して、放電抵抗2のZ方向の厚さが薄くならないため、放電抵抗2の強度を上げることが可能になる。
その他、参考例1と同様の作用効果を備える。
2 放電抵抗
20 最大発熱部
21 被固定部
3 樹脂基板
30 貫通穴
34 固定用貫通孔
Claims (5)
- コンデンサの放電電流が流れる放電抵抗と、
該放電抵抗を固定する樹脂基板とを備え、
上記放電抵抗は、上記放電電流が流れた場合における単位体積あたりの発熱量が最も大きい最大発熱部を少なくとも含む部分が上記樹脂基板と離隔しており、
上記放電抵抗における上記樹脂基板に固定される被固定部は、上記最大発熱部を除く部位に形成されており、
上記放電抵抗は、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う車載電力変換装置に用いられ、
上記樹脂基板には、上記最大発熱部に対向する全ての領域を、上記樹脂基板の法線方向に貫通した貫通穴が形成されており、
上記被固定部は少なくとも一対設けられ、それぞれの上記被固定部と上記樹脂基板との間にボスが介在していることを特徴とする放電抵抗固定構造。 - 請求項1に記載の放電抵抗固定構造において、上記放電抵抗の上記被固定部には、上記樹脂基板の法線方向に貫通した固定用貫通孔が形成され、上記樹脂基板は、上記法線方向に突出した固定ピンを有し、該固定ピンは上記固定用貫通孔に挿入され、上記固定ピンの先端は、上記固定用貫通孔の内径よりもその外径が大きくなるように熱を加えて溶融変形させた熱かしめ部となっており、該熱かしめ部と上記樹脂基板との間で上記放電抵抗を挟持して上記法線方向に固定するよう構成されていることを特徴とする放電抵抗固定構造。
- 請求項2に記載の放電抵抗固定構造において、上記放電抵抗の表面のうち上記熱かしめ部と接触する接触部には、上記表面から凹んだ溝部が形成されていることを特徴とする放電抵抗固定構造。
- 請求項3に記載の放電抵抗固定構造において、上記溝部は、上記接触部から上記固定用貫通孔の径方向に向かって、上記表面のうち上記熱かしめ部に接触しない非接触部まで延びていることを特徴とする放電抵抗固定構造。
- 請求項2に記載の放電抵抗固定構造において、上記放電抵抗の表面のうち上記熱かしめ部と接触する接触部には、上記表面から上記法線方向に突出したリブ部が形成されていることを特徴とする放電抵抗固定構造。
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