JP5788798B2 - 疼痛抑制用医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、架橋されたヒアルロン酸、及び製薬上許容される担体を含有してなる関節疾患における疼痛抑制用医薬組成物に関する。
高齢化が進む現代社会において、関節疼痛や関節変性に起因する機能障害である変形性関節症(以下、OAともいう。)は、全世界で最も一般的な関節疾患であり、高齢者における日常生活に支障をきたす身体的障害の主要な原因の1つとなっている。
現在、OA治療としては、例えば、各種疼痛に広く用いられている非ステロイド性抗炎症剤などの鎮痛剤による経口投与治療や、ヒアルロン酸溶液の関節内投与治療がある。
前者は、切れ味が良い鎮痛効果を有する合成医薬品により、関節疼痛を緩解することを目的とした対症療法的な治療方法である。
一方、後者は、関節液の減少や関節軟骨の変性による関節機能の低下を、ヒアルロン酸が有する潤滑作用、衝撃吸収作用、軟骨代謝改善作用や関節疼痛抑制作用により関節疾患を治療することを目的とした治療方法である。
以下、本願明細書においては、ヒアルロン酸又はそれから誘導される基を、「HA」と略称することがある。
現在、ヒアルロン酸やその誘導体を用いた関節内投与製剤(以下、IA−HA製剤ともいう。)としては、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液からなる製剤と、架橋ヒアルロン酸誘導体水溶液からなる製剤とが市販されている。例えば、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液からなるIA−HA製剤としては、アルツ(ARTZ(登録商標))、シンビスク(SYNVISC(登録商標))、ヒアルガン(HYALGAN(登録商標))、オルソビスク(ORTHOVISC(登録商標))などが挙げられる。架橋ヒアルロン酸誘導体水溶液からなるIA−HA製剤としては、シンビスク(SYNVISC(登録商標))、デュロレイン(DUROLANE(登録商標))が挙げられる。シンビスク(SYNVISC(登録商標))は、少量のアルデヒドにより共有結合で架橋させたヒアルロン酸誘導体とその誘導体を更にジビニルスルホンによって架橋させたヒアルロン酸誘導体からなるものであり、デュロレイン(DUROLANE(登録商標))はエポキシ架橋された関節保護薬である(特許文献1参照)。
これらIA−HA製剤は、所望の治療効果を得るために、基本的には1〜2週間毎に投与する(非特許文献1、3参照)。ヒアルロン酸は粘弾性を有するため、これらIA−HA製剤の関節内投与は通常の注射剤よりも太い注射針を用いて行われる。そのため、通常の注射剤の投与よりも、侵襲(性)や穿刺痛が意識され、日本では1回の治療期間における投与回数は原則5回までに制限されている。また、従来品は1週間毎に連続投与する必要性があることから、病院から遠隔地に居住する患者や仕事の都合上、毎週来院できない患者にとっては大きな負担となりうる。従って、投与回数が少なく、従来のIA−HA製剤と同等以上の治療効果を示す製剤が切望されていた。
最近、シンビスク(SYNVISC(登録商標))を用いる新しい処方として、1回の投与量(2mL)を3倍に増加させ単回投与によって適用する製剤(SYNVISC-ONE(商標))が報告されており、これによれば単回投与後26週間の治療効果を示すとされている(非特許文献4参照)。しかしながら、当該治療効果は、従来の3回分の投与量(6mL)を1回で投与した結果にすぎないものであり、従来の3倍もの用量の製剤を一度に関節内に注入することから、患者の負担が大きくなるというデメリットもある。
また、市販されている架橋ヒアルロン酸とは異なる架橋形式である光架橋ヒアルロン酸誘導体による関節内投与用の関節疾患治療剤が、単回投与で持続的な効果を有する旨の報告もあるが、ヒトOA治療における超長期の持続について具体的な開示や示唆はなされていない(特許文献2参照)。
また、IA−HA製剤は、総合的な関節機能の改善による長期にわたる患者のQOLの改善を主眼としており、非ステロイド性の抗炎鎮痛剤のような速効性の鎮痛効果はほとんど期待されていない(非特許文献1、2、4及び5参照)。
このように多数のIA−HA製剤が存在しているが、1回の投与量を増加させることなく、1回の投与で、従来のIA−HA製剤の複数回投与による効果と同等以上の効果を長期間、特に侵襲性の観点からすれば半年以上に亘って効果を示す関節内投与製剤は、報告されていない。
したがって、早期に顕著な鎮痛効果を発現させることができ、かつ投与回数や投与量がなるべく少なく、従来のIA−HA製剤と同等以上の治療効果を示す製剤が求められていた。
米国公開公報 US2006/0148755 国際公開公報 WO2008/069348
The Journal of Rheumatology 2004; 31:4,pp.775-782 OsteoArthritis and Cartilage (2004) 12, 642-649 Current Medical Research and Opinion 11:205-213, 1988 ARD Online First, published on March 19, 2009 as 10.1136/ard.2008.094623 Arthritis & Rheumatism, Vol.43, No.9, pp.1905-1915(2000)
本発明は、投与後、速やかな鎮痛効果を奏し、かつ従来の複数回投与に供するIA−HA製剤の1回の投与量とほぼ変わらない投与量を、複数回投与ではなく1回投与するだけで、ヒト関節疾患に対し極めて長期間の効果を持続する関節内投与製剤等を提供することを課題とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来IA−HA製剤には早期の疼痛軽減効果はみられないとされていたが、炭素数の少ないアミノアルコールをスペーサーとした架橋されたヒアルロン酸を用いることにより早期に疼痛の軽減がみられることを見出した。また、当該製剤が、従来の複数回投与に供されていたIA−HA製剤の1回分の投与量とほぼ変わらない量を、1回投与するだけで、半年以上にわたる長期の間、ヒト関節疾患に対して効果を持続できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、次の一般式(1);
[Ar−CH=CH−COO−(CH)n−NH−]m−HA (1)
(式中、Arは置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは2又は3を示し、HAはヒアルロン酸のカルボキシ残基を示し、mはヒアルロン酸の全カルボキシル基に対するアミド化された割合を示し、mは全カルボキシル基の3〜50%である。)
で表される部分アミド化ヒアルロン酸の桂皮酸部分の二重結合を、環化させてシクロブタン環を形成することにより架橋されたヒアルロン酸、及び製薬上許容される担体を含有してなる関節疾患における疼痛抑制用医薬組成物に関する。
この医薬組成物中の架橋されたヒアルロン酸の含有量は、製剤全体の0.5%(w/v%)〜3.0%(w/v%)であることが好ましい。
また、この医薬組成物は単回投与製剤であることが望ましい。その場合、13週間以上の投与間隔で投与されるものであることが好ましい。
また、この医薬組成物は、少なくとも13週間の効果持続のため、より好ましくは少なくとも26週間の効果持続のために用いられるものであることが好ましい。
本発明をより詳細に述べれば以下のとおりとなる。
(1)次の一般式(1);
[Ar−CH=CH−COO−(CH)n−NH−]m−HA (1)
(式中、Arは置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは2又は3を示し、HAはヒアルロン酸のカルボキシ残基を示し、mはヒアルロン酸の全カルボキシル基に対するアミド化された割合を示し、mは全カルボキシル基の3〜50%である。)
で表される部分アミド化ヒアルロン酸の桂皮酸部分の二重結合を、環化させてシクロブタン環を形成することにより架橋されたヒアルロン酸、及び製薬上許容される担体を含有してなる関節疾患における疼痛抑制用医薬組成物。
(2)環化させてシクロブタン環を形成する桂皮酸部分の二重結合の割合(架橋率)が、5%〜40%である前記(1)に記載の医薬組成物。
(3)架橋されたヒアルロン酸の含有量が、製剤全体の0.5%(w/v%)〜3.0%(w/v%)である前記(1)又は(2)に記載の医薬組成物。
(4)医薬組成物が、注射剤である前記(1)から(3)のいずれかに記載の医薬組成物。
(5)前記注射剤の単回投与量が2〜3mLである、前記(4)に記載の医薬組成物。
(6)単回投与製剤である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7)単回投与製剤が、13週間以上の投与間隔で投与される前記(6)に記載の医薬組成物。
(8)医薬組成物が、少なくとも13週間の効果持続である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の医薬組成物。
(9)医薬組成物が、少なくとも26週間の効果持続である、前記(8)に記載の医薬組成物。
(10)関節疾患における疼痛抑制用の医薬組成物として使用するための、次の一般式(1);
[Ar−CH=CH−COO−(CH)n−NH−]m−HA (1)
(式中、Arは置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは2又は3を示し、HAはヒアルロン酸のカルボキシ残基を示し、mはヒアルロン酸の全カルボキシル基に対するアミド化された割合を示し、mは全カルボキシル基の3〜50%である。)
で表される部分アミド化ヒアルロン酸の桂皮酸部分の二重結合を、環化させてシクロブタン環を形成することにより架橋されたヒアルロン酸。
(11)環化させてシクロブタン環を形成する桂皮酸部分の二重結合の割合(架橋率)が、5%〜40%である前記(10)に記載のヒアルロン酸。
(12)医薬組成物中の架橋されたヒアルロン酸の含有量が、医薬組成物全体の0.5%(w/v%)〜3.0%(w/v%)である前記(10)又は(11)に記載のヒアルロン酸。
(13)医薬組成物が、注射剤として使用されるものである前記(10)〜(12)のいずれかに記載のヒアルロン酸。
(14)前記注射剤の単回投与量が2〜3mLである、前記(13)に記載のヒアルロン酸。
(15)医薬組成物が、単回投与製剤である、前記(10)〜(14)のいずれかに記載のヒアルロン酸。
(16)単回投与製剤が、13週間以上の投与間隔で投与される前記(15)に記載のヒアルロン酸。
(17)医薬組成物が、少なくとも13週間の効果持続である、前記(10)〜(16)のいずれかに記載のヒアルロン酸。
(18)医薬組成物が、少なくとも26週間の効果持続である、前記(17)に記載のヒアルロン酸。
(19)関節疾患における疼痛の抑制を必要とする患者へ、次の一般式(1);
[Ar−CH=CH−COO−(CH)n−NH−]m−HA (1)
(式中、Arは置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは2又は3を示し、HAはヒアルロン酸のカルボキシ残基を示し、mはヒアルロン酸の全カルボキシル基に対するアミド化された割合を示し、mは全カルボキシル基の3〜50%である。)
で表される部分アミド化ヒアルロン酸の桂皮酸部分の二重結合を、環化させてシクロブタン環を形成することにより架橋されたヒアルロン酸の有効量、及び製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物を投与することからなる、関節疾患における疼痛の抑制を必要とする患者の疼痛を抑制する方法。
(20)環化させてシクロブタン環を形成する桂皮酸部分の二重結合の割合(架橋率)が、5%〜40%である前記(19)に記載の方法。
(21)医薬組成物中の架橋されたヒアルロン酸の含有量が、医薬組成物全体の0.5%(w/v%)〜3.0%(w/v%)である前記(19)に記載の方法。
(22)医薬組成物が、注射剤である前記(19)に記載の方法。
(23)前記注射剤の単回投与量が2〜3mLである、前記(22)に記載の方法。
(24)医薬組成物が、単回投与製剤である、前記(19)に記載の方法。
(25)単回投与製剤が、13週間以上の投与間隔で投与される前記(24)に記載の方法。
(26)医薬組成物が、少なくとも13週間の効果持続である、前記(19)に記載の方法。
(27)医薬組成物が、少なくとも26週間の効果持続である、前記(19)に記載の方法。
本発明は、関節疾患による疼痛の早期の改善効果を有するヒアルロン酸製剤を提供する。また、本発明は、従来とほぼ同量の投与量による1回投与製剤を提供する。本発明の医薬組成物は、投与後、速やかな疼痛改善効果を示し、この速効性は従来のIA−HA製剤にはみられないことから、従来のIA−HA製剤とは異なるメカニズムを本発明の有効成分が奏している可能性もある。即ち本発明は、本発明に用いられる架橋ヒアルロン酸が、かかる可能性を有していることを初めて見出したものである。
また、本発明の医薬組成物は、従来の複数回投与用のIA−HA製剤の1回あたりの投与量とほぼ変わらない量を、単に1回投与するだけで、ヒト関節疾患に対し極めて長期間の効果を持続するものであり、患者にとっての注入負担はさほど増加しないにもかかわらず、単回投与で済むため、注入の際の微生物等の感染リスクが低減し、複数回の穿刺痛からも解放されることとなる。また、その効果は極めて長期間に及ぶため、患者の通院や医療費負担の軽減にも寄与することとなる。さらに、投与間隔を極めて長くできることから、IA−HA製剤による継続的な治療が可能となる。
さらに、本発明の医薬組成物は、副作用が少なく医薬組成物として特に好ましいものである。
架橋ヒアルロン酸誘導体群とPBS群について投与後1週から13週における疼痛抑制効果を示す図である。横軸は投与後の各週を示し、縦軸は投与前基準値(Baseline)と各週におけるVASの値との差(mm)を示す。1、3、6、9、13週におけるプロットの上下に延びる縦線は、標準偏差を示す。●は、架橋ヒアルロン酸誘導体群の結果を示し、■はPBS群の結果を示す。
<1>有効成分
本発明の有効成分は、次の一般式(1);
[Ar−CH=CH−COO−(CH)n−NH−]m−HA (1)
(式中、Arは置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは2又は3を示し、HAはヒアルロン酸のカルボキシ残基を示し、mはヒアルロン酸の全カルボキシル基に対するアミド化された割合を示し、mは全カルボキシル基の3〜50%である。)
で表される部分アミド化ヒアルロン酸の桂皮酸部分の二重結合を、環化させてシクロブタン環を形成することにより架橋されたヒアルロン酸である。以下、この化合物を「架橋HA誘導体」という。
この架橋HA誘導体を構成するHAは、N−アセチル−D−グルコサミンとD−グルクロン酸とがβ1,3結合で結合してなる二糖単位を構成単位とし、当該二糖単位がβ1,4結合により繰り返し結合することにより構成されているグリコサミノグリカンである限りにおいて特に限定されない。また、塩を形成しない遊離状態であっても、薬学的に許容されうる塩を形成していても構わない。
HAの薬学的に許容されうる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属イオン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属イオン塩、アンモニウム塩等の無機塩基との塩、ジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アミノ酸等の有機塩基との塩が例示される。HA塩としては、アルカリ金属イオンとの塩がより好ましく、ナトリウムイオンとの塩が特に好ましい。
HAは、鶏冠、臍帯、軟骨及び皮膚など生体の一部から抽出し得られる天然物由来のもの、化学合成されたもの、及び、酵母等の微生物を用いた培養又は遺伝子工学的手法により生産させたものの何れでも構わない。なお、本発明の架橋HA誘導体は生体に投与されるため、医薬として混入が許されない物質を実質的に含まない高純度のHAが好ましい。
HAの重量平均分子量は特に限定されないが、例えば10,000〜5,000,000が挙げられる。好ましくは200,000〜3,000,000であり、より好ましくは500,000〜2,500,000が例示される。
架橋HA誘導体においては、まず前提としてこのようなHAにおけるカルボキシル基と、桂皮酸アミノアルキルエステルとがアミド結合している物質(以下「光反応性HA誘導体」ともいう。)が存在している。そして、これらの物質同士が、当該桂皮酸アミノアルキルエステル残基の二重結合部分においてシクロブタン環を形成することにより分子間及び/又は分子内で架橋されている。
前記一般式(1)におけるnは、桂皮酸アミノアルキルエステルにおけるアルキレン部分の長さを示し、nは2又は3であり、即ち炭素数2又は3のものが好ましく、特に直鎖状のものが好ましく、例えばエチレン基又はトリメチレン基が挙げられる。本発明における桂皮酸エステルの例としては、桂皮酸2−アミノエチルエステル又は桂皮酸3−アミノプロピルエステルが挙げられるが、好ましい桂皮酸エステルとしては桂皮酸3−アミノプロピルエステルが挙げられる。以下の説明では、桂皮酸3−アミノプロピルエステルを、単に桂皮酸アミノプロピルエステルと記載して、これに基づいて行う。以下に説明する桂皮酸アミノプロピルエステルに代えて、同様に桂皮酸アミノエチルエステルとすることができることは、容易に理解されることであろう。
光反応性HA誘導体は、桂皮酸アミノプロピルエステルを構成するアミノプロパノール由来のアミノ基を、HAのカルボキシル基とアミド結合させることにより製造することができる。
かかる桂皮酸アミノプロピルエステルは、桂皮酸のカルボキシル基と3−アミノプロパノールの水酸基とがエステル結合により結合しているエステル化合物である。この桂皮酸アミノプロピルエステルは、桂皮酸が有するビニレン基同士によりシクロブタン環を形成することができる。桂皮酸が有するビニレン基は、光(紫外線)照射により光二量化反応又は光重合反応を生じる性質を有している。そのため、光照射により、2つのビニレン基によりシクロブタン環が形成される。なお、桂皮酸3−アミノプロピルエステルを構成する桂皮酸としては、置換基を有している置換桂皮酸でも構わない。
前記一般式(1)におけるArは、置換基を有してもよいフェニルを示す。一般式(1)において、Arが、置換基を有していないフェニル基の場合には桂皮酸エステルとなり、置換基を有している場合には置換桂皮酸エステルとなる。このような置換基の例としては、桂皮酸のベンゼン環上の任意の1又は2個の水素が、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐状の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなど)、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐状の低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなど)、前記アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、水酸基、ハロゲン等が挙げられる。
光反応性HA誘導体において、HAにおけるカルボキシル基のすべてが、桂皮酸アミノプロピルエステルとアミド結合している必要はなく、その一部がアミド結合していてもよい。
前記一般式(1)におけるmは、HAの全カルボキシル基に対する、桂皮酸アミノアルキルエステルとアミド結合している割合(%)を示している。以下、HAに存在する全カルボキシル基のうち、アミド結合を形成している割合(m)を「導入率」(DS)という。DSは、HAの構成二糖単位当たりの桂皮酸アミノプロピルエステル残基の導入の割合(%)で計算され、例えば、構成二糖単位当たり1個の桂皮酸アミノプロピルエステル残基が導入された光反応性HA誘導体、又は構成200糖単位当たり1個の桂皮酸アミノプロピルエステル残基が導入された光反応性HA誘導体のDSは、各々100%と1%である。
本発明における光反応性HA誘導体におけるDS、即ちmは、特に限定されないが、3%〜50%が好ましく、5%〜30%がより好ましく、10%〜25%が更により好ましい。
本発明に用いる架橋HA誘導体は、特開2002−249501号公報、WO2008/069348号パンフレットなどに記載されている方法に準じて製造することができる。
例えば、桂皮酸アミノプロピルエステルとHAとをアミド結合により化学的に結合させうる方法であれば特に限定されない。例えば、水溶性カルボジイミド(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホン酸塩等の水溶性の縮合剤を使用する方法、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等の縮合補助剤と上記の縮合剤とを使用する方法、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)等の縮合剤を用いる方法、活性エステル法、酸無水物法などが挙げられる。
なお、光反応性HA誘導体は、予め桂皮酸とアミノプロパノール(例えば、3−アミノプロパノール。以下同じ。)とを反応させて桂皮酸アミノプロピルエステル(例えば、桂皮酸3−アミノプロピルエステル。以下同じ。)を調製し、調製した桂皮酸アミノプロピルエステルのアミノ基とHAのカルボキシル基とをアミド結合させて調製しても良く、又は、アミノプロパノールのアミノ基とHAのカルボキシル基とをアミド結合させてアミノプロパノールが導入されたHAを調製し、その後、桂皮酸のカルボキシル基と、調製したアミノプロパノールが導入されたHAにおけるアミノプロパノール由来の水酸基とをエステル結合させて調製してもよい。
架橋HA誘導体は、以上のような光反応性HA誘導体同士が、当該誘導体中に存在している桂皮酸プロピルエステル残基の二重結合部分においてシクロブタン環を形成することにより結合している化合物である。
当該桂皮酸プロピルエステル残基の二重結合部分においてシクロブタン環を形成する方法も特に限定されないが、例えば、光反応性HA誘導体の溶液に、当該桂皮酸プロピルエステル残基同士が光二量化又は光重合化反応を起こす条件で、光照射を行う方法を例示することができる。この場合の光照射には、HAのグリコシド結合を切断せず、且つ、桂皮酸プロピルエステル残基に光反応を生じさせる光であれば、光線の種類や波長等は特に限定されないが、波長200〜400nmの紫外線を例示することができる。照射光の強度は、架橋HA誘導体に求める性状に応じて適宜選択することができる。好ましい光照射装置としては、紫外ランプ、高圧水銀ランプ又はメタルハライドランプ等を用いることが可能である。必要に応じ、不要な波長の光を光源から、例えば、カットフィルターなどで除去することが好ましい。
架橋HA誘導体においては、光反応性HA誘導体における桂皮酸プロピルエステル残基の二重結合部分のすべてが、シクロブタン環を形成することにより結合している必要はなく、その一部のみがシクロブタン環を形成して結合していてもよい。
以下、架橋HA誘導体中の、光反応性HA誘導体に存在する桂皮酸プロピルエステル残基のうち、前記シクロブタン環構造の形成に寄与している桂皮酸プロピルエステル残基の割合(%)を「架橋率」という。例えば、100個の桂皮酸プロピルエステル残基が導入された光反応性HA誘導体において、20個の桂皮酸プロピルエステル残基(モノマー)が二量化すれば、10個の二量体が生成し、架橋率は20%である。
本発明に用いる架橋HA誘導体における架橋率は、特に限定されないが、5%〜40%が好ましく、7%〜35%がより好ましく、10%〜30%が更に好ましい。
前記シクロブタン環の形成を、前記の光照射を用いた架橋により行う場合には、その架橋を行う際の好ましい反応溶液濃度は、好ましくは0.5%〜3.0%であり、より好ましくは0.7%〜2%である。
架橋HA誘導体は、塩を形成しない遊離状態であっても、薬学的に許容されうる塩を形成していても何れでもよい。架橋HA誘導体の薬学的に許容されうる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が例示される。
<2>本発明の架橋HA誘導体の含有量
前記の架橋HA誘導体は三次元網目構造を有している。そのため、架橋HA誘導体を水性媒体に溶解させた溶液は、粘弾性を有するハイドロゲルの物理的性質を有し、特に、同じ濃度に調製したHAナトリウム水溶液よりも高い粘弾性を呈する。
本発明の医薬明組成物における、架橋HA誘導体の含有量は0.5%(w/v%)〜3.0%(w/v%)であるものが好ましい。より好ましくは0.7%(w/v%)〜2.0%(w/v%)、より好ましくは1.0%(w/v%)である。
本発明の医薬組成物は、種々の剤形とすることができるが、通常は注射用液剤として注射剤とすることが好ましい。
前記したような含有量とすることにより、注射針を付けた注射器を用いて関節内投与するために適度な流動性を付与することができ、また18ゲージ〜25ゲージの注射針を通過し、関節内投与注射剤(注射用組成物)として用いることができる。
<3>本発明の医薬組成物の投与量等
本発明の医薬組成物は、ヒトの関節内、特に膝関節内に投与されるものである。例えば、膝関節内に単回投与する場合には、2〜5mL、好ましくは2〜3mL投与されるのが好ましい。本発明の医薬組成物の投与量は、従来の複数回投与のIA−HA製剤の1回分の投与量と同等又はほぼ同量の投与とすることができる。
また、1回の膝関節内投与においては、光反応性HA誘導体の重量として成人患者(50〜70kg)1人当たり15mg〜60mgの通常用量範囲、好ましくは25mg〜35mg、特に好ましくは30mgとなるように、投与量(溶液のボリューム)を更に減じるように調製してもよい。
本発明の医薬組成物は、従来のIA−HA製剤と同様に1週間以上の投与間隔で投与することができる。本発明の医薬組成物は、疼痛の軽減作用が早期に発現し、その効果が長期間持続することから、投与間隔を従来のIA−HA製剤に比べて長くすることができる。本発明の医薬組成物は、13週間以上、より詳細には13週間から26週間に亘って作用が持続することから、投与間隔としては、13週以上、さらに13週から26週とすることができる。そして本発明の医薬組成物は、少なくとも13週間の効果持続のため、さらには26週間の効果持続のために用いることができる。現在のIA−HA製剤の一連の治療は26週毎とされていることからすれば、本発明の医薬組成物は26週毎の投与を継続して行うことができる単回投与による継続型IA−HA製剤ということもできる。
<4>本発明の医薬組成物の適用対象等
本発明の医薬組成物は、ヒト関節疾患に対する疼痛抑制作用又は疼痛改善効果を有する。本発明の医薬組成物は、投与後、早期に治療効果を示し、投与1週間後から3週間後においてほぼ最大の効果を示し始め、その効果は13週間以上、さらには26週間に亘って持続する。この「治療効果」は、ヒト関節疾患の症状を改善する効果である限りにおいて特に限定されず、身体機能の改善効果、こわばりの改善効果、疼痛の抑制効果等が例示されるが、疼痛の抑制効果であることが好ましい。
本発明の医薬組成物は、単回投与後、このような改善効果が1から3週間後には発現し、少なくとも13週間、さらには26週間という超長期間持続することが特徴である。
なお、本発明の医薬組成物には、所望の効果を失わず、且つ、副作用を生じない限りにおいて、必要に応じて通常の注入用製剤の調製に用いられる溶媒、pH調製剤、等張化剤、安定化剤などの添加剤を含有していてもよい。例えば、架橋HA誘導体の溶媒としては、注射用水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などが例示され、通常の注射剤の製剤調製においてpH調製剤や等張化剤として用いられているリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムなども添加剤として挙げられる。
また、本発明の医薬組成物は単回投与後早期に顕著な治療効果が得られる。後述の実施例に示すように、特に疼痛抑制効果は、本発明の医薬組成物の投与後3週において最大治療効果の約90%を上回る効果が得られる。このような本発明の医薬組成物における速効性かつ顕著性は、従来のIA−HA製剤にはみられないものであることから、従来のIA−HA製剤とは異なるメカニズム、例えば速効性の鎮痛作用のような作用を本発明の有効成分が有している可能性も考えられる。即ち、本発明は、本発明の架橋HA誘導体が、従来のIA−HA製剤におけるヒアルロン酸成分とは異なるメカニズムによる疼痛改善作用を有している可能性を初めて見出したものである。
また、後述の実施例に示すように、最初の単回投与後26週においても、再治療が必要なまでに再び疼痛が発現した患者は、PBS投与患者と比較し本発明の医薬組成物を投与した群は有意に少なく、この結果は本発明の医薬組成物の投与により疼痛の再発は顕著に遅延することを示している。
参考までに、市販のIA−HA製剤の1つであるARTZ(登録商標。生化学工業株式会社製)は、1アンプル又は1シリンジ2.5mLの関節内注射液であり、基本的処方としては1回1アンプル又は1シリンジを1週間毎に連続5回投与する。したがって、ARTZの1回の治療に用いる量は12.5mLである。また、Synvisc-One(商標。ジェンザイム製)は、処方としては1回の注入において6mLの単回投与で用いられる。
したがって、本発明の医薬組成物は、単回投与、少ない投与量、及び、治療効果の長さという主要な3つのメリットに基づき、例えば、慢性関節疾患に対し3ヶ月〜半年に1回投与するための投与製剤などとして用いることも可能である。もちろん、患者における改善効果の持続具合や症状などを考慮し、6ヶ月以上のインターバルでの投与製剤として用いることも可能である。いうまでもないが、1回投与のみ、つまり1回治療のみも可能である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これにより本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
[合成例] 架橋HA誘導体の調製
重量平均分子量90〜100万のヒアルロン酸ナトリウム、桂皮酸3−アミノプロピル塩酸塩を原料として用い、WO2008/069348号公報の記載に従い、導入率10〜25%並びに架橋率10〜30%となるように適宜調製し、1.0(w/v)%濃度の架橋ヒアルロン酸誘導体溶液を調製した。この溶液を、以下「試験物質」という。
[試験手順]
変形性膝関節症の患者に対して、多施設共同二重盲検並行群間比較試験を実施し、本発明の架橋HA誘導体の単回投与の有効性を検証した。なお、プラセボ(対照)としては、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)を用いた。
試験物質の投与1〜2週間前に、下記の選択基準及び除外基準に基づき、患者のスクリーニングを行った。当該基準に合致した患者を、本発明の架橋HA誘導体投与群とPBS投与群に無作為に分けた。架橋HA誘導体群249名、PBS群128名とした(総計377名)。
本発明の架橋HA誘導体投与群の患者には、前記の試験物質を、投与量3mL/関節、片方の罹患膝の関節内に単回注射した。PBS投与群の患者には、PBSを同じ要領で単回注射した。なお、投与を行った医師は、投与の前に、投与する患者の罹患膝を確認し、水腫が存在した場合には関節貯留液を吸引した。
注射後、1週間目、3週間目、6週間目、9週間目、及び13週間目のそれぞれの時点において、後述する評価方法に基づき改善効果を評価した。
なお、各評価日には、併用薬剤としてアセトアミノフェンを配布し、1日あたり4,000mgまでの服用を許可した。試験期間中はアセトアミノフェンの他、試験物質投与の4週間前から一定用量を継続して服用している場合に限り、非ステロイド消炎鎮痛剤、市販薬(OTC)、薬草療法、軟骨保護剤の服用を許容した。また試験期間中オピオイド系鎮痛剤の間欠的な使用も許容した。ただし、各評価日前の24時間は、いかなる併用療法をも禁止した。
[選択基準、除外基準]
(1)選択基準
次のすべての条件を満たす患者は、後述の除外基準のいずれかに該当する者を除き、本試験の対象患者となりうる。
・40歳以上80歳以下の変形性膝関節症症状を有する患者。
・少なくとも4週以上、立位又は歩行時に膝の痛みを有する患者。
・X線所見でKellgren-Larence分類グレード1から3と判断された患者。
・Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC(登録商標))疼痛評価で対象膝が40mm以上且つ反対膝が20mm以下の患者。なお、WOMAC(登録商標)はVisual analog scale(VAS)100mmを用いた。
・治験期間中に許容併用療法を除く、現在実施している治療法を中止することに同意している患者。
(2)除外基準
・X線所見でKellgren-Larence分類グレード4と判断された者。
・対象膝にOA以外の炎症性疾患がある患者、重度の膝関節水腫がある者、又は下肢アライメントが重度に変化している者。
・膝又は股関節の人工関節手術を受けた者、12ヶ月以内に膝関節手術を実施した者、3ヶ月以内に関節鏡を実施した者、6週以内にヒアルロン酸製剤関節内投与を受けた者。
・重篤な全身性疾患や評価対象膝に感染性皮膚疾患を有する者。
[評価方法]
Dr. Nicholas Bellamyにより開発されたWOMAC評価(The Journal of Rheumatology 1988; 15:12, p.1833-1840)を用いて、架橋HA誘導体の有効性を評価した。なお、WOMACは登録商標である。以下、この登録商標である旨の表示は省略する。
ここで用いたWOMAC評価は、疼痛(Pain)、こわばり(Stiffness)及び身体機能(Physical function)の3部構成から成る全24項目(Total)の質問を患者に対して行い、その回答に基づいて評価する方法である。
本試験では、主要評価として、WOMAC疼痛評価(Pain)を用い、さらに、副次評価として、WOMACこわばり評価(Stiffness)、WOMAC身体機能評価(physical function)、及び、WOMAC全項目評価(Total)を用いた。
なお、WOMAC評価は、OAの評価方法として確立されており、前記のとおり、疼痛、身体機能、こわばりの計24問の質問で成り立っている患者申告型の評価方法である。質問の回答方法としてVAS(Visual Analog Scale)とLikert scaleの2種類が存在する。VASは、各質問に対する患者自身の感触の程度を、患者が100mmの直線上に指し示し、その位置によって程度を判定する方法である。当該位置は、スケール上の左端からの長さとして表される。一方、Likert Scaleは、各質問に対する患者自身の感触の程度を、5段階の回答の選択肢によって患者が示す方法である。本試験ではVASによって患者の疼痛、身体機能、こわばりの程度を評価した。
例えば、投与前及び投与後の各評価時に患者に疼痛に関する同じ質問を行い、患者はスケールにおける位置(度合い)を指し示すことにより回答する。投与前に患者が指し示した長さ(投与前基準値(Baseline))と投与後の各評価時に患者が指し示した長さの間の差に基づき、改善効果を数値化する。
WOMAC評価は、OA治療効果の指標として汎用されており、WOMAC評価をOA治療効果に使用する信憑性と信頼性も認められている(The Journal of Rheumatology 2000; 27:11,p.2635-2641)。
有効性の解析は、Intention-to-treat population(ITT population)とper protocol population(PP population)を用いた。ITT populationは、本発明の架橋HA誘導体群247名、PBS群128名からなる総数375名であった。なお、投与後通院しなかった患者2名は削除した。
PP populationは、本発明の架橋HA誘導体群229名、PBS群115名からなる総数344名であった。なお、今回の試験の条件を逸脱した患者は削除した。
[結果]
WOMAC疼痛評価についてのPP population解析の結果を表1に、ITT population解析の結果を表2に示す。
Figure 0005788798
Figure 0005788798
本発明の架橋HA誘導体は、投与後3週時点でPBSに対して統計学的に有意な改善が確認され、さらに3週以降も顕著な効果が確認された。PP populationにおいて、3週、6週及び13週時点のp値は0.05以下であり、PBSに対して統計学的に有意差があった。本発明の架橋HA誘導体は9週においては有意差はつかなかったが、改善傾向は確認された。
また、ITT populationを用いた回帰解析結果を示したモデルグラフを図1に示す。投与後13週間の疼痛改善を解析したところ、1週から13週及び3週から13週において架橋HA誘導体投与群はPBS投与群に対して統計学的に有意に疼痛を改善した。投与後1週から13週については、p値=0.0483であり、投与後3週から13週については、p値=0.0495であり、両方ともPBSに対し統計学的有意差を示した。
さらに、回帰モデルにより13週時点での各WOMAC評価の改善をPP populationを用いて解析した。結果を表3に示す。投与後13週時点で架橋HA誘導体はPBSに対して統計学的に有意に疼痛を改善したことが確認された。副次的有効性評価項目であるWOMAC全項目評価及びWOMAC身体機能評価についても、架橋HA誘導体の統計学的に有意な改善が確認され、PBSに対し統計学的有意差があった。WOMACこわばり評価では、統計学的有意差を出さなかったが、架橋HA誘導体における有意な傾向は確認された。
なお、算出差異は、回帰モデルを用いて計算した差異であり、Estimated differenceと訳される。
Figure 0005788798
また、臨床的有用性を検証するため、Strict OMERACT-OARSI Responseを解析したところ、架橋HA誘導体の統計学的に有意な改善が認められた(表4参照)。
Strict OMERACT-OARSI Responseは、WOMAC 疼痛評価又はWOMAC身体機能評価で、投与前基準値(Baseline)から50%以上、かつ20mm以上の改善が認められた患者を著明改善群とする。これら改善群の総計をStrict OMERACT-OARSI responderという。
Figure 0005788798
また、早期の改善効果の発現についてWOMAC疼痛評価、WOMAC全項目評価、WOMAC身体機能評価及びWOMACこわばり評価について、第3週におけるベースラインからの改善平均値を、架橋HA誘導体群とPBS群とで比較し、検証した。WOMAC疼痛評価は第3週で最大改善効果の90%を上回る改善効果を得て、PBSに対する架橋HA誘導体の統計学的な有意性を表すp値を算出した(表5)。いずれの評価項目においてもp値は、0.05より小さく(p<0.05)、統計学的有意差が示された。
Figure 0005788798
さらに、架橋HA誘導体又はPBS投与後13週の観察を終了後、さらに13週、引き続き継続観察を実施し、初回投与後26週までの架橋HA誘導体群の有効性を検証した。
初回投与後16、19、22、26週後にWOMAC疼痛評価を行い、以下の基準に満たない患者を初回投与の有効性持続群として各治療群のサバイバル解析をCox-hazard modelを用いて行った。
基準A:WOMAC疼痛評価においてVAS40mm以上の疼痛を
有する。
基準B:WOMAC疼痛評価においてVAS40mm以上、
かつ初回投与前基準値から20mm未満の改善を有する。
Cox-hazard解析を用いた場合、両基準において、架橋HA誘導体投与群は26週までの有効性を示した(基準A:p=0.019、基準B:p=0.027)。
[結論]
架橋HA誘導体の単回注射は、注射後、少なくとも26週まで持続した改善効果を示すことが確認された。
架橋HA誘導体は、疼痛の評価のみならず、身体機能評価などにおいてもPBSに対し顕著な改善を示し、関節疾患において多面的な有効性が確認された。
また、疼痛改善効果の早期発現は注射後3週において確認することができ、PBSとの比較において統計学的有意差も示された。
さらに、架橋HA誘導体は、13週まで、さらには26週まで有意な改善効果を示した。また、架橋HA誘導体群における有害事象の発現率はPBS群と統計学的に有意に差はなく、また重篤な副作用も認められず、架橋HA誘導体の関節内注射剤としての高い安全性が確認された。
本発明は、投与後、早期に疼痛抑制効果を示し、かつ13週から26週もの長期に亘る持続性を有する新規な関節疾患疼痛抑制剤を提供するものであり、患者の負担が大きく改善された継続型の関節疾患治療剤であることから、医薬産業などにおける産業上の利用可能性を有している。

Claims (6)

  1. 次の一般式(1);
    [Ar−CH=CH−COO−(CH)n−NH−]m−HA (1)
    (式中、Arは置換基を有してもよいフェニル基を示し、nは2又は3を示し、HAはヒアルロン酸のカルボキシ残基を示し、mはヒアルロン酸の全カルボキシル基に対するアミド化された割合を示し、mは全カルボキシル基の3〜50%である。)
    で表される部分アミド化ヒアルロン酸の桂皮酸部分の二重結合を、環化させてシクロブタン環を形成することにより架橋されたヒアルロン酸、及び製薬上許容される担体を含有してなる、ヒトの関節疾患における疼痛抑制用医薬組成物であって、当該疼痛抑制用医薬組成物が注射剤であって、13週間以上の間隔で投与されるものである疼痛抑制用医薬組成物。
  2. 架橋されたヒアルロン酸の含有量が、製剤全体の0.5%(w/v%)〜3.0%(w/v%)である請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 架橋されたヒアルロン酸の含有量が、製剤全体の1%(w/v%)である請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記注射剤の単回投与量が2〜3mLである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 医薬組成物が、少なくとも13週間の効果持続のために用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 医薬組成物が、少なくとも26週間の効果持続のために用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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