JP5786858B2 - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)は、塩素を含まないため、冷媒等に使用されるクロロフルオロカーボン類等のフロン類の代替化合物として有用である。
HFO−1234yfの製造方法としては、例えば、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CFCFCHCl、HCFC−225ca)を脱フッ化水素反応して1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を得た後、CFO−1214yaを水素と反応させて還元することでHFO−1234yfを得る方法が挙げられる。
CFO−1214yaを還元してHFO−1234yfを得る方法としては、例えば、以下に示す方法(i)が挙げられる。
(i)パラジウムをアルミナに担持した触媒の存在下、CFO−1214yaを水素と反応させてHFO−1234yfを得る方法(特許文献1)。
しかし、方法(i)で使用される触媒は、耐久性が高いものの、副反応が多く蒸留分離できない副生物が生成し、HFO−1234yfへの変換率が低い。
一方、同様の還元反応を行う方法として、以下に示す方法(ii)が示されている。
(ii)パラジウムを活性炭に担持した触媒の存在下、RfCF=CX(ただし、Rfは炭素数1〜10のフルオロアルキル基、Xは塩素、臭素またはヨウ素を示す。)に水素を反応させてRfCF=CHを得る方法(特許文献2)。
しかし、方法(ii)で使用される触媒は、耐久性が低いものが多く、触媒を頻繁に交換する必要がある。
国際公開第2008/060614号 特開平2−286635号公報
本発明は、長時間安定して高い変換率で2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造できる方法の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]触媒の存在下、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの少なくとも一方の原料化合物と、水素とを反応させる2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法において、前記触媒が、ASTM D2866に準じて測定される灰分が3%以下の活性炭に担持された貴金属触媒であり、前記触媒が充填された触媒層に原料化合物と水素とを導入して気相で反応させることを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[2]前記活性炭の灰分が1%以下である、前記[1]に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[3]前記貴金属がパラジウムである、前記[1]または[2]に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[4]前記活性炭がヤシ殻活性炭である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[5]前記触媒担持活性炭の比表面積が10〜2000m/gである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[6]前記触媒担持活性炭の塩素量が300μg/g以下である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
[7]原料化合物と水素を触媒層のガス導入部に導入するとともに、該触媒層のガス導入部とガス排出部との間の少なくとも1か所から水素を導入する、前記[]に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
]前記触媒層に導入する原料化合物と前記水素との割合が、前記原料化合物中の塩素原子のモル数と前記水素のモル数の比(H/Cl)で表わして、0.7以下である、前記[]または[]に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
]原料化合物が、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとの混合物であって両者の合計モル数に対する1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの割合が50モル%以上の混合物、である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
本発明の製造方法によれば、長時間安定して高い変換率で2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造できる。
本実施例に使用した製造装置を示した模式図である。
本発明の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)の製造方法は、触媒の存在下、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)および1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CHCl、HCFO−1224yd)の少なくとも一方の原料化合物と、水素とを反応させる方法である。
CFO−1214yaおよびHCFO−1224ydは、それぞれ下式(1)および(2)に示す反応によりHFO−1234yfを生成する。
CFCF=CCl + 2H → CFCF=CH + 2HCl (1)
CFCF=CHCl + H → CFCF=CH + HCl (2)
本発明の製造方法は、反応形態の違いにより、下記方法(α)または方法(β)が挙げられる。
(α)触媒の存在下、原料化合物と水素を気相で反応させる方法。
(β)触媒の存在下、原料化合物と水素を液相で反応させる方法。
(方法(α))
方法(α)としては、例えば、触媒担持担体を充填した触媒層を形成し、該触媒層に原料化合物ガスと水素ガスを含むガス(以下、原料混合ガスともいう)を導入して反応させる方法が挙げられる。
触媒としては、灰分が3%以下の活性炭に担持された貴金属触媒を使用する。担体として灰分が3%以下の活性炭を使用すれば、耐久性が高い触媒が得られ、かつ原料化合物からHFO−1234yfへの変換率も高くできる。
活性炭の灰分は、変換率と耐久性の両立が容易な点から、1%以下が好ましい。また、活性炭の灰分は、触媒の入手性の点から、0.1%以上が好ましい。
活性炭の灰分は、ASTM D2866に準じて測定される。
活性炭としては、灰分が低い活性炭が得られやすく、耐久性と変換率を両立する触媒の入手が容易な点から、ヤシ殻活性炭が特に好ましい。ただし、活性炭は、灰分が3%以下であればヤシ殻活性炭以外の活性炭でもよい。例えば、木材、木炭、泥炭、亜炭、石炭等を原料として調製した活性炭が挙げられる。
活性炭の灰分は、酸による洗浄等の公知の方法で除去できる。例えば、石炭等を原料とした活性炭の灰分が3%を超えていても、該活性炭を塩酸等の酸で洗浄して灰分を3%以下にすれば、本発明の製造方法における触媒の担体として使用できる。
活性炭の形状としては、長さ2〜5mm程度の成形炭、4〜50メッシュ程度の破砕炭、粒状炭等が挙げられる。なかでも、4〜20メッシュの破砕炭、または成形炭が好ましい。
触媒の貴金属としては、例えば、パラジウム、ロジウム、白金、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、金等が挙げられる。活性炭に担持する貴金属は、1種でもよく、2種以上でもよい。2種以上の貴金属触媒を使用する場合、触媒はそれらの貴金属の混合物であってもよく、合金であってもよい。合金触媒としては、例えばパラジウム/白金合金触媒やパラジウム/ロジウム合金触媒などが挙げられる。
活性炭に担持する貴金属としては、活性の点から、パラジウム、ロジウム、白金が好ましく、パラジウムやパラジウム合金が特に好ましい。
貴金属の担持量は、活性炭に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜1.0質量%がより好ましい。貴金属の担持量が下限値以上であれば、原料化合物と水素の反応率が向上する。貴金属の担持量が上限値以下であれば、反応熱による触媒層の過剰な温度上昇を抑制して、副生物の生成を低減しやすくなるとともに、触媒の入手が容易になる。
本発明の製造方法に使用する触媒としては、パラジウムが特に好ましい。
また、本発明の製造方法に使用する触媒担持活性炭には、触媒耐久性向上および副生物低減の観点等から、貴金属に加えて、貴金属以外の金属が担持されていてもよい。貴金属以外の金属としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられる。これら貴金属以外の金属は、1種であっても、2種以上であってもよい。
前記貴金属以外の金属を担持させる際の該金属の割合は、貴金属の100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましい。
触媒担持活性炭の比表面積は、10〜2000m/gが好ましく、100〜1500m/gがより好ましい。触媒担持活性炭の比表面積が下限値以上であれば、原料化合物と水素の反応率が向上する。触媒担持活性炭の比表面積が上限値以下であれば、副生物の生成を抑制やすい。
触媒担持活性炭の比表面積は、ガス吸着法、例えば、BET法に準拠した方法で測定される。
本発明における触媒層は、前記貴金属触媒担持活性炭を反応器に充填することによって形成される。触媒層における触媒担持活性炭の充填密度は、0.5〜1g/cmが好ましく、0.6〜0.8g/cmがより好ましい。触媒担持活性炭の充填密度が下限値以上であれば、単位容積あたりの触媒担持活性炭の充填量が多く、反応させるガス量を多くすることができるため生産性が向上する。触媒担持活性炭の充填密度が上限値以下であれば、触媒層の温度上昇を抑制しやすく、反応温度を130℃以下に維持することが容易になる。
触媒担持活性炭の充填部分は、反応器内に1つあってもよく、2つ以上あってもよい。
さらに、触媒担持活性炭の塩素量は300μg/g以下であることが好ましい。塩素量がより低含有量である前記触媒担持活性炭を用いることで、触媒の耐久性が高く、目的物への変換率も高い効果が得られる。なお、触媒担持活性炭の塩素量とは、触媒担持活性炭を粉砕し、粉砕したものを10mMのNaOH溶液中で2時間攪拌して塩素分を抽出し、得られた抽出液中の塩素イオンをイオンクロマト法で定量して得られる値をいう。
触媒担持活性炭の塩素量は、10〜300μg/gが好ましく、10〜200μg/gがより好ましく、10〜100μg/gがさらにより好ましい。触媒担持活性炭の塩素量が上限値以下であれば2,3,3,3−テトラフルオロプロペンへの変換率が向上し、上限値以上であれば2,3,3,3−テトラフルオロプロペンへの変換率が抑制される。
触媒層の温度は、気相反応であることより、原料化合物ガスと水素ガスを含むガスの露点よりも高い温度とする。CFO−1214yaの沸点が46℃であり、HCFO−1224ydの沸点が推定で4〜10℃である点、および反応性の点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。
触媒層の温度は、触媒の劣化の進行に伴い次第に低下することで、反応率が低下するという問題がある。そのため、高い反応率を維持できるよう、触媒層の温度を十分な温度に保つ操作を行うことが好ましい。例えば、触媒層を熱媒などで外部から加熱してその温度を維持している場合は、熱媒の温度を徐々に上げて、触媒層の温度を高めることができる。
なお、触媒層の温度とは、外部からの加熱により維持される触媒層の温度をいう。通常原料混合ガスは触媒層の一部の領域で反応し、反応熱の発生により反応域(原料混合ガスが反応している領域)は他の触媒層領域よりも高温となる。この反応域の触媒活性は経時的に低下することより、通常、反応域は原料混合ガスの導入部からガスの流れ方向の下流側に徐々に移動していく。また、反応域の下流側では反応域で生成した温度の高い生成ガスが流れ、通常、触媒層の温度よりも高温となり、反応域から離れるほど徐々に温度が低下していく。本発明の触媒層の温度とは反応域の上流側の温度、すなわち、熱媒などで外部から加熱してその温度を維持している触媒層の温度をいう。
また、本発明の製造方法では、副生物の生成を抑制する点から、反応中の触媒層の最高温度を130℃以下に維持することが好ましく、100℃以下に維持することがより好ましい。つまり、本発明の製造方法では、反応熱による触媒層の過剰な温度上昇を抑制し、触媒層の最高温度を前記上限値以下にすることが好ましい。前記のように、反応域およびその下流側近傍の領域における温度は、反応熱により他の領域の触媒層の温度よりも高くなる。反応中の触媒層の最高温度とはこの反応熱の発生により他の領域よりも高温となった触媒層領域の最高温度をいう。
反応中の触媒層の最高温度の測定法としては、例えば、挿し込み型の温度計を使用した下記測定法が挙げられる。
触媒層における原料化合物と水素の反応は、まずガス導入部の触媒が反応に寄与し、該ガス導入部の触媒が劣化するとその下流側の触媒が反応に寄与するというように、触媒層における反応域がガス排出側に向かって徐々に移動していく。つまり、触媒層の最高温度を示す部分は、原料化合物ガスと水素ガスの反応域の移動と共に移動していくため、予め挿し込み型の温度計の計測部を触媒層のガス導入部に位置させておき、反応の進行と共に該計測部を移動させることで触媒層の最高温度を測定できる。
反応中の触媒層の最高温度を前記上限値以下に維持する方法としては、触媒層の最高温度を低く制御しつつ、生産性を高く維持しやすい点から、触媒層に水素を分割して導入する方法(方法(α1))が好ましい。水素を触媒層の複数個所に分割して導入すれば、原料化合物の導入量を変化させずに触媒層における反応域を分散させられるため、反応熱の発生が一箇所に集中しない。そのため、生産性を低下させずに、触媒層の局所的な過剰発熱を容易に抑制できる。
水素の分割導入とは、原料化合物と水素を触媒層のガス導入部に導入するとともに、触媒層のガス導入部とガス排出部との間の少なくとも1か所から水素を導入することをいう。すなわち、原料混合ガスを導入する導入部以外に触媒層の少なくとも1箇所、すなわち、合計2箇所以上、から水素を導入することをいう。
具体的には、触媒層のガス導入部(ガスの流れ方向の最上流側のガス導入部)に導入する原料混合ガスは、触媒層に導入する水素の一部と原料化合物の全量との混合ガスとする。残余の水素はガスの流れ方向下流の触媒層に導入し、その導入位置の触媒層を流れるガス(通常は、原料化合物の一部が水素と反応した後の、生成ガス)に水素を混入し、該水素の導入位置から下流側の触媒層で未反応の原料化合物を水素と反応させ、触媒層出口(ガスの流れ方向の最下流側のガス排出部)から生成ガスを排出する。原料混合ガスの導入部と次の水素導入部との間で、原料混合ガス中の水素の少なくとも一部は原料化合物と反応していることが好ましい。また、ガスの流れ方向の最下流側の水素導入部は、その水素導入部とガス排出部との間の触媒層で導入された水素と原料化合物とが充分反応しうる位置に設けることが好ましい。
方法(α1)における水素の導入は、2箇所に分割導入しても、3箇所以上に分割導入してもよく、プロセスを簡略化できる点から、2箇所に分割導入することが好ましい。
触媒層の2箇所以上に分割導入する水素の分割割合は、触媒層の最高温度を低く維持しやすい点から、分割される各々のガス量を等量とすることが好ましい。
反応器内に触媒担持担体が充填された部分が2つ以上ある場合、水素の分割導入は、例えば、水素の一部を原料化合物と共に1段目の充填部に導入し、残部を2段目以降の充填部に導入する方法が挙げられる。
また、方法(α1)以外の触媒層の最高温度の制御方法としては、原料化合物および水素と共に触媒層に不活性ガスを流通させる方法(方法(α2))が挙げられる。不活性ガスを流通させ、触媒層中を流通する原料化合物および水素の濃度を調節することで、反応熱による触媒層の過剰な温度上昇を抑制できる。また、不活性ガス以外の希釈ガスを不活性ガスの代わりにまたは不活性ガスとともに使用することもできる。
不活性ガスとしては、窒素ガス、希ガス、水素化反応に不活性なフロン類等が挙げられる。不活性ガス以外の希釈ガスとしては塩化水素などが挙げられる。
触媒層への不活性ガスの導入量は、触媒層の最高温度を低く維持しやすく、副生物の生成を低減しやすい点、および触媒の劣化を抑制しやすい点から、原料化合物1モルに対して、0.1モル以上が好ましく、0.5モル以上がより好ましい。また、不活性ガスの導入量は、該不活性ガスの回収率の点から、原料化合物1モルに対して、10モル以下が好ましく、4モル以下がより好ましい。
また、方法(α1)、方法(α2)以外の触媒層の最高温度の制御方法としては、反応器を加熱する熱媒温度を、原料混合ガスの露点を下限として、より低い温度とする方法(方法(α3))が挙げられる。熱媒の温度を低く保つことで、反応熱のより迅速な除熱が可能となり、触媒層の過剰な温度上昇を抑制できる。
方法(α3)においては、前記触媒層の温度は、低い温度であるほどHFO−1234yfと分離困難な副生物の生成を抑制するのに有利であることより、露点よりも高くかつ50℃未満とすることが好ましい。より好ましくは、露点よりも高くかつ30℃以下である。
触媒層の最高温度の制御は、方法(α1)、方法(α2)、方法(α3)単独、またはそれぞれを2つ、または3つを併用することが好ましい。
反応圧力は、取り扱い性の点から、常圧が好ましい。
原料化合物ガスの触媒に対する接触時間は、4〜60秒が好ましく、8〜40秒がより好ましい。この接触時間は、反応器に導入されるガス量と触媒層体積から計算される原料化合物ガスの接触時間である。
副生物の生成を抑制しやすい点から、触媒層に導入する原料化合物と水素の割合は、原料化合物中の塩素原子のモル数と水素のモル数との比(H/Cl)で表わして、その値を0.7以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましく、0.5以下とすることがさらに好ましい。また、比(H/Cl)は、HFO−1234yfの収率の点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。
水素を分割導入する場合、同様に、触媒層に導入する原料化合物と触媒層に導入する水素の総量との割合は、上記モル数の比(H/Cl)を0.7以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましく、0.5以下とすることがさらに好ましい。また、比(H/Cl)は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。
方法(α)では、触媒層における下式(I)で表される原料化合物ガスの線速度uが0.1〜100cm/秒であることが好ましく、1〜30cm/秒であることがより好ましい。この線速度uは、反応器に導入されるガス量と触媒層体積から計算される原料化合物ガスの線速度である。前記原料化合物ガスの線速度uが下限値以上であれば、生産性が向上する。前記原料化合物ガスの線速度uが上限値以下であれば、原料化合物と水素の反応率が向上する。
u=(W/100)×V/S (I)
ただし、式(I)中、Wは前記触媒層を流通する全ガス中の原料化合物ガスの濃度(モル%)を示し、Vは前記触媒層を流通する全ガスの流量(cm/秒)を示し、Sは前記触媒層のガスの流通方向に対する断面積(cm)を示す。
方法(α)に使用する反応器としては、触媒担持担体を充填して触媒層を形成できる公知の反応器が挙げられる。
反応器の材質としては、例えば、ガラス、鉄、ニッケル、またはこれらを主成分とする合金等が挙げられる。
反応後の生成ガスには、目的物であるHFO−1234yfの他に、未反応の原料、反応中間体として生成したHCFO−1224yd、および塩化水素が含まれる。
生成ガスに含まれる塩化水素は、該生成ガスをアルカリ水溶液に吹き込んで中和することにより除去できる。前記アルカリ水溶液に使用するアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
生成ガスからのHFO−1234yfおよび未反応の原料化合物の回収方法としては、例えば、蒸留等の公知の方法を採用できる。
反応後の生成ガスから回収した原料化合物は再利用できる。回収したHCFO−1224ydは、CFO−1214yaと共に原料化合物として水素と反応させてもよく、CFO−1214yaとは別にHCFO−1224ydのみで水素と反応させてもよい。
原料化合物としてCFO−1214yaとHCFO−1224ydの混合物を使用する場合、HCFO−1224ydは上記CFO−1214yaからHFO−1234yfを得る際の中間体であることから、通常、HCFO−1224ydの割合の少ない混合物が使用される。よって、CFO−1214yaとHCFO−1224ydの合計量に対するHCFO−1224ydの割合は50モル%以下が好ましく、25モル%以下がより好ましい。
(方法(β))
方法(β)では、触媒の存在下、原料化合物と水素を液相で反応させる。
触媒や触媒担持担体は、方法(α)で説明したものと同じである。
方法(β)では、媒体を使用しても使用しなくてもよいが、媒体を使用することが好ましい。前記媒体としては、水、アルコール等の有機溶媒等が挙げられる。
媒体を使用する場合、媒体の使用量は、原料化合物100質量部に対して、10〜100質量部が好ましい。
水素の供給方法としては、触媒担持担体、原料化合物、および必要に応じて使用する媒体を含む液に水素ガスを吹き込む方法、予め加圧によって水素を溶解させた媒体を触媒担持担体と原料化合物を含む液に添加する方法等が挙げられる。
方法(β)における原料化合物と水素の反応は、回分式でもよく、連続式でもよい。
反応温度は、0〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。反応温度が下限値以上であれば、原料化合物と水素の反応率が向上する。反応温度が150℃以下であれば、副生物の生成を抑制しやすい。
反応圧力は、ゲージ圧で0.01〜5MPaGが好ましく、0.1〜1MPaGがより好ましい。
反応時間は、回分式であれば1〜50時間が好ましく、連続式であれば1〜60秒が好ましい。
方法(β)における水素の供給量は、副生物の生成を抑制しやすい点から、原料化合物中の塩素原子のモル数と供給される水素のモル数との比(H/Cl)を0.7以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましく、0.5以下とすることがさらに好ましい。また、比(H/Cl)は、HFO−1234yfの収率の点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。なお、前記水素の供給量とは、反応液中に溶解した水素量を意味する。
反応後の反応液には、目的物であるHFO−1234yfの他に、未反応の原料、反応中間体として生成したHCFO−1224yd、および塩化水素が含まれる。反応液に含まれる塩化水素は、反応液にアルカリを添加して中和することにより除去できる。前記アルカリアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
前記アルカリは、反応に使用する反応液に予め添加してもよい。
反応液からのHFO−1234yf、および未反応の原料化合物の回収方法としては、例えば、蒸留等の公知の方法を採用できる。
反応液から回収した原料化合物は再利用できる。回収したHCFO−1224ydは、CFO−1214yaと共に原料化合物として水素と反応させてもよく、CFO−1214yaとは別にHCFO−1224ydのみで水素と反応させてもよい。
方法(β)に使用する反応器としては、触媒担持担体存在下に反応原料を接触させて液相反応させることができる公知の反応器が挙げられる。
反応器の材質としては、例えば、ガラス、鉄、ニッケル、またはこれらを主成分とする合金等が挙げられる。
(原料化合物)
原料化合物は、CFO−1214yaおよびHCFO−1224ydの少なくとも一方からなる。
CFO−1214yaは、公知の方法により製造できる。例えば、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClCFCF、HCFC−225ca)を、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させて脱フッ化水素反応させる方法が挙げられる。該反応にはHCFC−225caを含むジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)を使用でき、前記相間移動触媒によりHCFC−225中のHCFC−225caのみが選択的に脱フッ化水素される。反応後、CFO−1214yaは蒸留等の公知の方法により分離回収できる。
前記HCFC−225caを含むHCFC−225は、塩化アルミニウム等の触媒の存在下、テトラフルオロエチレンとジクロロフルオロメタンを反応させることにより製造できる。該反応により得られるHCFC−225には、HCFC−225caと、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClFCFCClF、HCFC−225cb)が主成分として含まれ、他に2,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClCF、HCFC−225aa)、2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClFCClF、HCFC−225bb)等が少量含まれる。
前記HCFC−225caを含むHCFC−225は、市販品を使用してもよい。市販品としては、アサヒクリンAK225(旭硝子社製、商品名、HCFC−225caの48モル%と、HCFC−225cbの52モル%の混合物)等が挙げられる。
前記相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)が好ましい。
HCFO−1224ydは、CFO−1214yaに水素を反応させてHFO−1234yfを得る際に中間体として生成する。
以上説明したように、本発明の製造方法に使用する、灰分3%以下の活性炭に担持した貴金属触媒は、耐久性が高く、また原料化合物からHFO−1234yfへの変換率も高い。そのため、本発明の製造方法によれば、長時間安定して高い変換率でHFO−1234yfを製造できる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。例2は実施例であり、例3は比較例である。
[測定方法]
(灰分)
本実施例における活性炭の灰分は、ASTM D2866に準拠した方法で測定した。
(比表面積)
本実施例における触媒の比表面積は、BET法に準拠した方法で測定した。
(変換率)
各例で得られた生成ガスをガスクロマトグラフィー(GC)にて分析し、下式(II)によりCFO−1214yaからHFO−1234yfへの変換率X(単位:%)を算出した。変換率Xの測定は、反応初期と、表1に示す時間の経過後に随時行った。
X=[Y/(Z/2)]×100 (II)
(ただし、式中、Yは生成したHFO−1234yfのモル数、Zは触媒層に導入したCFO−1214yaのモル数を示す。)
(金属分析)
試料をメノウ乳鉢ですり潰し、0.1g を白金坩堝に秤量した。ガスバーナーの弱火で灰化し、残渣に超高純度塩酸600μL とギ酸200μL を加え、ホットプレート上で乾燥した。さらに超高純度塩酸500μL と超高純度過酸化水素水100μLを加えて溶解し、超純水で10mLとした。溶解液中のNa、K、Ca、MgをICP−MS法で定量した。
(塩素分析)
触媒担持活性炭の試料をメノウ乳鉢ですり潰し、0.1gを洗浄済みのポリカップに秤量した。10mMのNaOH溶液10mLを入れ、マグネチックスターラーを用いて2時間攪拌抽出した。抽出液中のCLをイオンクロマト法で定量した。
イオンクロマト法の装置としてDionex社製DX−500、カラムはIonPac AG10−HC及びIonPac AS11−HC、検出器として電気伝導度検出器を使用した。また溶離液として3mNのKOHを使用した。
分析条件として溶離液流速1.5mL/min、インジェクション量25μL、検量線0〜1ppmの条件で塩素量の定量分析を行った。
[例1]CFO−1214yaの製造
アサヒクリンAK225(旭硝子社製、商品名、HCFC−225ca(48モル%)とHCFC−225cb(52モル%)からなるHCFC−225)を反応原料として使用して、以下の方法によりCFO−1214yaを製造した。
0℃に冷却したジムロートを設置した内容積1Lのガラス反応器に、相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)の3gと、水酸化カリウムの83g(1.485モル)と、水の180gと、アサヒクリンAK225の609g(3.0モル)とを仕込んだ後、撹拌しながら徐々に昇温し、45℃で1時間反応を行った。その後、有機相と水相の2相に分離している反応粗液を分液し、有機相を、釜容積1L、理論段数10段の能力を持つ蒸留塔に仕込み、蒸留を実施した。蒸留の結果、純度99.5%のCFO−1214ya(沸点45℃)の262g(1.43モル)を得た。
[例2]
HFO−1234yfの製造には、図1に例示した反応装置101を使用した。
反応装置101は、図1に示すように、2本の反応管110A、110Bと、それら反応管110A、110Bを浸漬する塩浴130とを備えている。反応管110Aは、その入口111a側と出口112a側に2箇所の触媒充填部113a、114aを有する。同様に、反応管110Bは、その入口111b側と出口112b側に2箇所の触媒充填部113b、114bを有する。反応管110Aの出口112aと反応管110Bの入口111bは配管で連結されている。
反応管110A、110Bとしては、内径2.54cm、長さ100cmのインコネル(登録商標)600製の反応管を使用した。また、ヤシ殻活性炭(灰分0.5%)に対して0.5質量%のパラジウムを担持したパラジウム担持活性炭(比表面積834m/g)を使用した。反応管110Aの触媒充填部114aに前記パラジウム担持活性炭を充填し、高さ40cmの触媒層120Aを形成した。同様に、反応管110Bの触媒充填部113bおよび114bに前記パラジウム担持活性炭を充填し、それぞれ高さ40cmの触媒層120Bおよび触媒層120Cを形成した。触媒層120A〜120Cのパラジウム担持活性炭の充填密度は0.73g/cmとした。
次いで、触媒層120A〜120Cが全て浸漬されるように、反応管110Aおよび反応管110Bを塩浴130中に浸漬し、触媒層120A〜120Cを80℃に加熱した。
次いで、CFO−1214yaからなる原料化合物ガス(A)と、水素ガス(B)と、窒素ガス(C)とを、総導入量のモル比で水素/CFO−1214ya/窒素=1/1/2として反応管110Aおよび110Bに流通させ、生成ガス(D)を得た。つまり、原料化合物ガス(A)中の塩素原子のモル数と、触媒層に導入する水素ガス(B)の総導入量のモル数との比(H/Cl)を0.5とした。また、触媒層120A〜120Cに対する原料化合物ガス(A)の接触時間は40秒、原料化合物ガス(A)の線速度uは7cm/秒とした。
また、水素ガス(B)は、総導入量の50%を原料化合物ガス(A)と共に反応管110Aの入口111aから導入し、残りの50%を反応管110Aと反応管110Bを連結する配管部分に導入した。すなわち、水素ガス(B)は、触媒層120A〜120Cからなる長さ120cmの触媒層において、触媒層120A(0cm地点)と、触媒層120B(40cm地点)の2箇所に分割して導入した。
また、反応中の触媒層120A〜120Cの最高温度を、それら触媒層にそれぞれ挿入した挿し込み型の温度計140A〜140Cにより測定したところ、100℃以下であった。
生成ガス(D)をGC分析したところ、反応初期の変換率Xは74%であり、235時間経過後も変換率Xは74%であった。
なお、触媒中に含まれる金属量をICP−MS法で定量したところ、各元素数百μg/gであった。また、触媒中に含まれる塩素量をイオンクロマト法で定量したところ、24μg/gであった。
[例3]
触媒を表1に示す触媒に変更した以外は、同様にして反応を行った。
生成ガス(D)をGC分析したところ、反応初期の変換率Xは47%であり、41時間経過後の変換率Xは13%であった。
各例において測定した変換率Xの結果を表1に示す。なお、表1における担持量は、活性炭に対する担持量である。
Figure 0005786858
表1に示すように、担体として灰分が3%以下の活性炭を使用した例2では、灰分が3%を超える例3に比べて変換率Xが高く、またその変換率Xが長時間維持されていた。
なお、触媒中に含まれる金属量をICP−MS法で定量したところ、各元素数十μg/gであった。また、触媒中に含まれる塩素量をイオンクロマト法で定量したところ、330μg/gであった。
本発明の製造方法は、触媒の耐久性が高く、目的物への変換率も高いため、冷媒等に使用できるHFO−1234yfの製造方法として非常に有用である。
なお、2010年6月23日に出願された日本特許出願2010−142667号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. 触媒の存在下、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの少なくとも一方の原料化合物と、水素とを反応させる2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法において、前記触媒が、ASTM D2866に準じて測定される灰分が3%以下の活性炭に担持された貴金属触媒であり、前記触媒が充填された触媒層に原料化合物と水素とを導入して気相で反応させることを特徴とする2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  2. 前記活性炭の灰分が1%以下である、請求項1に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  3. 前記貴金属がパラジウムである、請求項1または2に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  4. 前記活性炭がヤシ殻活性炭である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  5. 前記触媒担持活性炭の比表面積が10〜2000m/gである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  6. 前記触媒担持活性炭の塩素量が300μg/g以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  7. 原料化合物と水素を触媒層のガス導入部に導入するとともに、該触媒層のガス導入部とガス排出部との間の少なくとも1か所から水素を導入する、請求項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  8. 前記触媒層に導入する原料化合物と前記水素との割合が、前記原料化合物中の塩素原子のモル数と前記水素のモル数の比(H/Cl)で表わして、0.7以下である、請求項またはに記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  9. 原料化合物が、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、または、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとの混合物であって両者の合計モル数に対する1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの割合が50モル%以上の混合物、である、請求項1〜のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
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