JP6056771B2 - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法、精製装置および製造方法 - Google Patents

2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法、精製装置および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法および精製装置ならびに該精製方法を有する2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
従来、カーエアコン等の冷媒には1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)が広く使用されていた。しかしながら、HFC−134aは地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が1430と高いことから、近年のGWPが高い冷媒に対する規制の動き、例えば、EUでは2011年から新型モデル車でGWPが150以上の冷媒が使用禁止となる等、により使用が制限されるようになった。ここで、本明細書においてハロゲン化炭化水素については化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に替えてその略称を用いることもある。
そこで、HFC−134aの代替冷媒として、GWPが4と極めて低い2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の使用が広がりつつある。HFO−1234yfの製造においては、使用または発生するフッ酸、塩酸等の酸を除去するためにアルカリ洗浄や水洗が行われるため、粗液には中間体、副生物、未反応原料等のフッ素系の低分子有機物不純物の他に水分が含まれることが多い。
このようなHFO−1234yfの粗液を蒸留精製する場合、HFO−1234yfと水は共沸混合物を形成するため、粗液に含まれる水分が塔頂還流ラインに濃縮し、得られる製品中の水分が高くなってしまう。そこで、特許文献1においては、蒸留塔の底部から得られる缶出液を水分の少ないHFO−1234yf製品とするHFO−1234yfの製造方法が記載されている。
しかしながら、HFO−1234yf粗液中に含まれるフッ素系の低分子有機物不純物には、HFO−1234yfより沸点が高いものが多く、蒸留塔の底部から得られる缶出液には、このような有機物不純物が多く混入してしまうことから、さらに別の工程で有機物不純物を除去する必要があった。
国際公開第2010/024366号
本発明は、上記観点からなされたものであり、有機物不純物および水分の含有量がともに少ない高純度の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを効率よく得る、精製方法および精製装置、ならびに製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、水および有機物不純物を含有する粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを連続的に精製する方法であって、X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔と前記蒸留塔の塔頂から留出物を取り出し冷却凝縮する手段を備えた装置を用い、前記蒸留塔のm段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを供給し、前記冷却凝縮する手段において冷却凝縮された留出物の一部を抜き出し、残部を還流液として前記蒸留塔のh段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に還流するとともに、前記蒸留塔のn段目の液相部を抜き出して2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物を得る2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法を提供する。
本発明は、水および有機物不純物を含有する粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを連続的に精製する、X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔と前記蒸留塔の塔頂から留出物を取り出し冷却凝縮する手段を備えた装置であって、前記冷却凝縮手段は、冷却凝縮された留出物の一部を抜き出す留出物排出口と、残部を還流液として排出する還流液排出口を有し、前記蒸留塔は、m段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを供給する供給口と、h段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に前記還流液を還流する供給口と、n段目の液相部を2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物として抜き出す排出口を有する、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製装置を提供する。
本発明は、上記本発明の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法を備える、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を提供する。
本発明によれば、有機物不純物および水分の含有量がともに少ない高純度の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが効率よく得られる。
本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態の一例を示す概略図である。 本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態の変形例を示す概略図である。 本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態の別の変形例を示す概略図である。 本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態のさらに別の変形例を示す概略図である。 実施例3に用いたHFO−1234yfの精製装置を示す図である。 比較例1に用いたHFO−1234yfの精製装置を示す図である。 比較例2に用いたHFO−1234yfの精製装置を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、下記説明に限定して解釈されるものではない。
本発明は、水および有機物不純物を含有する粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを連続的に精製する方法であって、X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔と前記蒸留塔の塔頂から留出物を取り出し冷却凝縮する手段を備えた装置を用い、前記蒸留塔のm段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを供給し、前記冷却凝縮する手段において冷却凝縮された留出物の少なくとも一部を前記蒸留塔のh段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に還流するとともに、前記蒸留塔のn段目の液相部を抜き出して2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物を得る2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法を提供する。
<粗HFO−1234yf>
本発明の精製方法が対象とする粗HFO−1234yfは、水および有機物不純物を含有する。粗HFO−1234yfが含有する有機物不純物としては、HFO−1234yfを従来公知の製造方法で製造する際に使用する原料の未反応物や、製造過程で生成される中間体、副生物等が挙げられる。
例えば、ジクロロペンタフルオロプロパン(CHCl(HCFC−225)の異性体混合物を用いてHFO−1234yfを製造する場合には、粗HFO−1234yfは以下のような有機物不純物を含有する。
HCFC−225の異性体混合物を原料として用いてHFO−1234yfを製造する方法では、以下の反応経路(1)に示す通り、原料中の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClCFCF、HCFC−225ca)を選択的に脱フッ化水素させて1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を製造し、得られるCFO−1214yaを還元してHFO−1234yfを製造する。
Figure 0006056771
上記HCFC−225異性体混合物を原料とする製造方法においては、有機物不純物として、以下の化合物が挙げられる。
原料に含まれる化合物として、HCFC−225ca(沸点:51℃)および、その異性体、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClFCFCClF、HCFC−225cb、沸点:56.1℃)、2,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClCF、HCFC−225aa、沸点:52℃)等が挙げられる。
また、中間生成物として、CFO−1214ya(沸点:46.4℃)や、CFO−1214yaからHFO−1234yfを生成する反応系における中間生成物の1−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CHCl、HCFO−1224yd、沸点:15℃)等が挙げられる。
さらに、副生物として、HCFC−225caの還元体である1,1,1,2−ヘキサフルオロプロパン(CFCHFCH、HFC−254eb、沸点:−6℃)、HCFC−225aaが脱塩化水素反応した後、還元して得られる1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(CFCH=CF、HFO−1225zc、沸点:−20.7℃)、HFO−1234yfの過還元体である3,3,3−トリフルオロプロペン(CFCH=CH、HFO−1243zf、沸点:−22℃)、3,3−ジフルオロプロペン(CHFCH=CH、HFO−1252zf、沸点:−26.5℃)等が挙げられる。
HFO−1234yfは、沸点が−29℃である。本発明の精製方法によれば、HFO−1234yfに沸点の近い有機物不純物であっても、具体的には、有機物不純物が、沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物を含有する場合においても、これらを有効に分離することが可能である。HCFC−225の異性体混合物を原料として用いて上記反応経路を経てHFO−1234yfを製造する場合には、沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物として、HFO−1225zc、HFO−1243zf、HFO−1252zf等が挙げられる。
また、上記HCFC−225の異性体混合物を原料として用いてHFO−1234yfを製造する以外の反応経路を経て得られる粗HFO−1234yfが含有する有機物不純物のうち沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物として、HFO−1225zc、HFO−1243zf、HFO−1252zf以外に、例えば、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(CFCF=CHF、HFO−1225ye、沸点:−18℃)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCH=CHF、HFO−1234ze、沸点:−16℃)、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロペン(CFCF=CF、PFO−1216yc、沸点:−29℃)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(CFCFCH、HFC−245cb、沸点:−18.3℃)等が挙げられる。
これらのうち、PFO−1216yc、HFO−1225ye、HFO−1234ze等は、例えば、PFO−1216ycを原料化合物として用いた以下の反応経路(2)によりHFO−1234yfを製造する際に、有機物不純物となりうる沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物である。
Figure 0006056771
また、HFC−245cbは、例えば、1,2,3−トリクロロプロパンを原料化合物として用いた以下の反応経路(3)によりHFO−1234yfを製造する際に、有機物不純物となりうる沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物である。
Figure 0006056771
ここで、反応経路(2)または反応経路(3)によるHFO−1234yfの製造において、得られる粗HFO−1234yfには上記沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物以外に、原料の未反応物や、製造過程で生成される中間体、副生物等のうち沸点が−40℃〜−10℃の範囲外の有機化合物が、上記反応経路(1)において説明したのと同様に、通常含まれる。
なお、特許文献1において、HFC−245cbは、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(CFCHFCHF、HFC−245eb、沸点−1℃)とともに、HFO−1234yfを製造する原料化合物として用いられている有機化合物である。特許文献1では、HFC−245cb、HFC−245ebを脱フッ化水素してHFO−1234yfを製造し、未反応原料等の有機物不純物の除去は、水分除去のための蒸留塔とは別の蒸留塔を用いて行う方法を取っている。
粗HFO−1234yfが不純物として含有する有機化合物については上記の通りである。また、粗HFO−1234yfが不純物として含有する水は、上記例示したいずれの製造方法においても、フッ化水素、塩化水素等の酸が使用される、または発生することから、これを除去するために行われるアルカリ洗浄や水洗で持ち込まれる水である。
本発明のHFO−1234yfの精製方法においては、このように水および有機物不純物を含有する粗HFO−1234yfの、有機物不純物および水分の含有量を、上記の構成により1本の蒸留塔で効率よく低下させ、高純度のHFO−1234yf精製物とするものである。
具体的には、本発明のHFO−1234yfの精製方法によれば、粗HFO−1234yf中の全有機物量に対するHFO−1234yfの含有割合が5質量%以上99.5質量%未満である粗HFO−1234yfを、精製物中の全有機物量に対するHFO−1234yfの含有割合が99.5質量%以上、さらに好ましくは、99.8質量%以上であるHFO−1234yf精製物とすることができる。
なお、特にHFO−1234yfと沸点が近い、具体的には、沸点が−40℃〜−10℃の範囲にある有機物不純物が、粗HFO−1234yf中のHFO−1234yf量に対して10質量%以上の割合で、粗HFO−1234yfに含まれると、上記精製物中の全有機物量に対するHFO−1234yfの含有割合が99.5質量%以上であるHFO−1234yf精製物を得るためには、以下に説明する蒸留塔の段数Xを大きくする等の対応が必要となる。そこで、沸点が−40℃〜−10℃の範囲にある有機物不純物については、上に示した各種反応段階で、得られる粗HFO−1234yfにおけるHFO−1234yf量に対する含有割合が10質量%以上とならないように、従来公知の方法で反応条件を制御することが好ましい。
また、本発明のHFO−1234yfの精製方法によれば、例えば、HFO−1234yfに対する水の含有割合が100ppm以下、好ましくは50ppm以下である粗HFO−1234yfを、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm以下であるHFO−1234yf精製物とすることができる。
また、本発明のHFO−1234yfの精製方法によれば、例えば、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm超である粗HFO−1234yfを、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm以下、好ましくは10ppm以下であるHFO−1234yf精製物とすることができる。
<精製方法>
本発明の精製方法においては、上記のような粗HFO−1234yfを、X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔と前記蒸留塔の塔頂から留出物を取り出し冷却凝縮する手段を備えた装置を用いて、以下の方法で精製する。
上記粗HFO−1234yfを、蒸留塔のm段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に供給し、冷却凝縮する手段において冷却凝縮された留出物の少なくとも一部を蒸留塔のh段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に還流するとともに、蒸留塔のn段目の液相部を抜き出し、これをHFO−1234yfの精製物として得る。
本発明の精製方法においては、上記冷却凝縮する手段において冷却凝縮された留出物の少なくとも一部を還流液として蒸留塔のh段目に還流する。還流液として蒸留塔に還流する留出物は、塔頂から取り出された留出物の一部であっても全部であってもよい。例えば、還流液として蒸留塔に還流する留出物が、塔頂から取り出された留出物の一部である場合、上記冷却凝縮手段において留出物の一部を抜き出し、残部を還流液としてもよい。
塔頂から取り出される留出物は、HFO−1234yfと水が共沸する性質から水分含有量の高い組成となるため、この全てを還流液として蒸留塔に還流すると長時間運転する間に蒸留塔内全体として水分含有量が高まる傾向にある。したがって、上記留出物の一部を抜き出すことで、蒸留塔内の水分含有量を一定量以下に抑えることができ好ましい。
本発明のHFO−1234yfの精製方法においては、さらに、上記冷却凝縮手段において抜き出した一部の留出物を脱水処理し、得られた第1の処理物を、上記蒸留塔のk段目(ただし、kは、n+1≦k≦mを満たす整数。)に供給する操作を加えることが好ましい。これにより、蒸留塔内で高濃度化しやすい水を効率よく蒸留塔の外に排出し、HFO−1234yfを主とする有用な成分を蒸留塔に戻すことができる。この場合、第1の処理物を上記蒸留塔に供給するk段目は、上記粗HFO−1234yfを、上記蒸留塔に供給するm段目と同じ段とする、すなわちk=mであることが好ましい。
また、蒸留塔内で高濃度化しやすい水を蒸留塔の外に排出する方法としては、上記還流液を蒸留塔に戻す前に脱水処理して蒸留塔に還流する方法を用いてもよい。
本発明の精製方法は、例えば、本発明のHFO−1234yfの精製装置、具体的には、図1に概略図を示す本発明の精製装置の実施形態の一例を用いて実行できる。
図1に示す本実施形態の精製装置10Aは、X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔1と、蒸留塔1の塔頂3から留出物S10を取り出し冷却凝縮する手段2を備えた装置である。
蒸留塔1は、m段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に粗HFO−1234yf(F11)を供給する供給口11と、h段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に、冷却凝縮手段2から送られる還流液を還流する供給口12(以下、「還流液供給口12」ともいう。)と、n段目の液相部をHFO−1234yfの精製物S12として抜き出す排出口13(以下、「精製物排出口13」ともいう。)を有する。
冷却凝縮手段2は、蒸留塔1の塔頂3から取り出された留出物S10の供給を受ける留出物供給口23と、留出物S10の一部S13の抜き出しが可能なように開閉自在に設けられた排出口21(以下、「留出物排出口21」ともいう。)と、残部S11を還流液として抜き出す還流液排出口22を有する。また、留出物排出口21は、留出物S10の一部S13の抜き出し量の調整が可能な機構を有する。なお、冷却凝縮手段2においては、留出物排出口21を閉じれば、留出物S10の全部を還流液S11として還流液排出口22から取り出し蒸留塔1に還流することができる。留出物排出口21を開けた状態では、留出物S10の一部S13が抜き出され、残部がS11(還流液)として還流液排出口22から取り出される。
以下、図1に概略図を示す本発明の精製装置の実施形態の一例を参照しながら本発明の精製方法について説明する。
蒸留塔1の段数Xは、3以上であればよい。供給される粗HFO−1234yfの純度によるが精製物の純度を上げるためにXは10以上が好ましく、20以上が特に好ましい。Xの上限は特にないが、操作性や、敷設性等を考慮すれば、50程度が上限として好ましく、40程度がより好ましい。蒸留塔1の各段の位置については、塔頂3に最も近い段が1段目であり、塔底4に最も近い段がX段目である。また、段の位置関係を言う場合、ある段の塔頂3側の段を上の段、塔底4側の段を下の段という。
蒸留塔1の大きさは、粗HFO−1234yfの純度や処理量によるが、内径については、概ね100〜2000mmとすることができる。高さは、内径や蒸留塔1が有する段数Xによる。例えば内径300〜1000mmでは1段あたりの高さは0.5〜1.0mmと設計することができる。蒸留塔1の材質としては、粗HFO−1234yfに含まれる各種成分に反応しない材質であれば特に制限されない。
蒸留塔1の温度は、塔頂3付近の温度Ttを10〜50℃、塔底4付近の温度Tbを50〜150℃とすることが好ましい。Ttは20〜40℃がより好ましく、Tbは80〜120℃がより好ましい。塔底4付近の温度Tbは塔底をスチーム等で加熱することで調整できる。また、塔頂3付近の温度Ttは、冷却凝縮手段2から還流液として蒸留塔1のh段目に戻される留出物S10の残部S11の温度と供給量により調整できる。蒸留塔1内の温度を上記範囲とすることで、効率よくHFO−1234yfを精製できる。蒸留塔1内の圧力は、例えば、圧力調整弁等により0.3〜1.0MPaに調整されることが好ましく、0.5〜0.8MPaがより好ましい。蒸留塔1内の圧力を上記範囲とすることで、効率よくHFO−1234yfを精製できる。
上記粗HFO−1234yf(F11)は、蒸留塔1のm段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に配設された供給口11から供給される。供給される粗HFO−1234yf(F11)の温度については、気液平衡が乱れ段数の低下を防ぐという観点から20〜80℃に調整されることが好ましく、40〜60℃がより好ましい。供給口11の位置は、蒸留塔1のn+1段目〜X段目のいずれかの段から適宜選択される。すなわち、供給口11は、n段目に配設されるHFO−1234yfの精製物S12を抜き出す精製物排出口13より下の段に設けられる。本発明において供給口11は、n+2段目より下の段に設けられることが好ましい。また、蒸留塔1の段数Xによるが、例えばXが20〜40の場合、供給口11は、n+2段目より下の段であって、n+20とX−10のうちの大きい数字の段より上の段に設けられることが好ましい。
本発明において、HFO−1234yfの精製物は、蒸留塔1のn段目に配設されるHFO−1234yf精製物S12の精製物排出口13からn段目(ただし、nは2≦n≦X−1を満たす整数。)の液相部として取り出される。精製物排出口13は蒸留塔1の2段目からX−1段目までのいずれの段に設けられてもよい。
蒸留塔1においては、塔底4に近いほど、粗HFO−1234yf中のHFO−1234yfより高沸点の有機物不純物の濃度が高い液相部が得られる。HFO−1234yfと水が共沸することから、蒸留塔1の塔頂3に近いほど水とHFO−1234yfの濃度が共に高い液相部が得られるが、塔頂3に近いほどHFO−1234yfに対する水の含有割合は高い傾向にある。
従来の精製方法においては、塔頂から得られる留出物を冷却凝縮してHFO−1234yf精製物としていたために、ここで得られる精製物は水分含有量が高く、さらに別工程での水分除去が必要とされていた。
本発明の精製方法においては、冷却凝縮手段2で留出物S10の少なくとも一部が冷却凝縮して得られる還流液S11の蒸留塔への還流を行いつつ、蒸留塔1の2段目以降でありかつ最も下の段(X段)より1以上上の段から選ばれるいずれかの段から、得られる液相部を取り出してHFO−1234yf精製物S12とすることで、HFO−1234yfに対する水分含有割合の低いHFO−1234yf精製物を得ることを可能とした。
なお、精製物排出口13が配設されるn段目は、蒸留塔1の段数Xによるが、例えば、Xが20〜40の場合、2段目または2段目より下の段であって、20とX−10のうちの小さい数字の段より上の段にあることが、純度が高く含有水分量が低い製品を得るという観点から好ましく、同様の観点から、2段目〜10段目がより好ましい。
一方、本発明の精製方法において、蒸留塔1の塔頂3付近の排出口14(以下、「塔頂排出口14」ともいう)から排出される留出物S10は、冷却凝縮手段2に供給される。冷却凝縮手段2において留出物S10は、例えば、留出物S10を30℃以下の冷媒で冷却して液相とする等の方法により、冷却凝縮される。冷却凝縮手段2において、留出物S10の一部S13を留出物排出口21から抜き出す場合には、留出物S10は冷却凝縮される前または後に、すなわち気相としてまたは液相として、その一部S13が留出物排出口21から抜き出される。留出物S10から一部S13が抜き出された場合はその残部であり、また抜き出されなかった場合にはその全部であるS11は液相として還流液排出口22から取り出され、還流液として蒸留塔1のh段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。nは2≦n≦X−1を満たす整数。)に還流される。以下、必要に応じて、留出物排出口21から抜き出される留出物S10の一部S13を、「抜き出し留出物」S13といい、留出物S10の残部S11を、「還流留出物」S11という。
なお、冷却凝縮手段2は、図示されないが、冷却凝縮の際に、反応系から粗HFO−1234yfに同伴する等して蒸留塔に供給され最終的に冷却凝縮手段に持ち込まれた窒素ガスや、HFO−1234yfよりも沸点の低い有機物不純物を気相の状態で除去する機構を有してもよい。
還流留出物S11が還流液として、蒸留塔1に還流される位置であるh段目は、1段目〜n−1段目であれば特に制限されない。すなわち、蒸留塔1からHFO−1234yf精製物を取り出すためにn段目に設けられる精製物排出口13より、塔頂3に近い段のいずれかに配設されれば特に制限されないが、蒸留効率を上げる観点から1段目または2段目が好ましい。
ここで、上記の通り、塔頂から取り出される留出物S10からその一部を、抜き出し留出物S13として抜き出すことで、蒸留塔内の水分含有量を一定量以下に抑えることができる。それにより、蒸留塔1のn段目の液相部を取り出してなるHFO−1234yfの精製物S12における、HFO−1234yfに対する水の含有割合を、安定して十分低く保つことが可能となる。すなわち、本発明の方法においては、塔頂から取り出される留出物S10からその一部を抜き出し留出物S13として抜き出すとともに、残部を還流留出物S11として蒸留塔に還流しつつ蒸留を行うことが好ましい。なお、抜き出し留出物S13の排出量と、蒸留塔1に供給する粗HFO−1234yf(F11)の供給量の比率は、具体的には、以下の通り調整することが好ましい。
例えば、HFO−1234yfに対する水の含有割合が100ppm以下、好ましくは50ppm以下である粗HFO−1234yf(F11)を、または、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm超である粗HFO−1234yf(F11)を、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm以下であるHFO−1234yf精製物S12とするためには、抜き出し留出物S13の排出量(質量/H)をSw13とし、粗HFO−1234yf(F11)の供給量(質量/H)をFw11とした場合の、Sw13:Fw11を、0.01:1〜1:1の範囲とすることが好ましく、Sw13:Fw11は、0.03:1〜0.1:1がさらに好ましい。
また、蒸留塔1における留出物S10の排出量(質量/H)をSw10、還流留出物S11の供給量(質量/H)をSw11、およびHFO−1234yf精製物S12の排出量Sw12とした場合に、Sw13:Sw11は、0.01:1〜1:1の範囲とすることが好ましく、0.03:1〜0.1:1がさらに好ましい。Sw12:Fw11は、0.005:1〜0.2:1の範囲とすることが好ましく、0.01:1〜0.1:1がさらに好ましい。
なお、上記本発明の実施形態の精製装置10Aを用いた、粗HFO−1234yfの連続的な精製において、精製装置10Aの運転開始から蒸留塔1および冷却凝縮手段2における供給物と排出物の物質収支・組成が平衡状態になるまで、通常、数時間を要する。上記得られるHFO−1234yfの精製物S12における全有機物中のHFO−1234yfの純度やHFO−1234yfに対する水の含有割合は、この平衡状態に達した際のものである。
以上、本発明のHFO−1234yfの精製方法の実施形態について、図1に概略図を示す本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態の一例を参照して説明した。本発明のHFO−1234yfの精製方法においては、さらに、上記冷却凝縮手段において抜き出した一部の留出物を脱水処理し、得られた第1の処理物を、上記蒸留塔のk段目(ただし、kは、n+1≦k≦mを満たす整数。)に供給する操作を加えることが好ましい。
このような操作を加えた、本発明の精製方法の実施形態は、例えば、図2に概略図を示す本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態の変形例を用いて実行できる。
図2に示す本実施形態の精製装置10Bは、精製装置10Aにさらに抜き出し留出物S13を脱水処理する第1の脱水処理手段5が設けられ、蒸留塔1がこれにより脱水処理された第1の処理物S14を、蒸留塔1に供給するための第1の処理物供給口15をk段目(ただし、kは、n+1≦k≦mを満たす整数。)に有する以外は精製装置10Aと同様である。
抜き出し留出物S13を脱水処理する第1の脱水処理手段5として、具体的には、以下の(a)〜(d)の方法が挙げられる。
(a)モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)やシリカゲル、活性アルミナのような脱水剤を充填した脱水塔を通して、脱水剤に水を吸収させる。
(b)蒸留塔を用いて沸点差で有機成分から水を分離する。
(c)脱水塔により、気相の状態で濃硫酸と接触させて水を吸収させる。
(d)液相の状態で硫酸マグネシウムなどの脱水剤を懸濁させて、脱水剤に水を吸収させた後、濾過等で脱水剤を除去する。
これらのうちでも、第1の脱水処理手段5としては、操作性やメンテナンスが容易になるという観点から(a)の脱水塔を用いることが好ましい。脱水塔を用いる場合、脱水塔に充填された脱水剤が吸着できる水分量の限界を超えると水分が破過し、脱水塔出口の第1の処理物に含まれる水分量が増加する。このため、水分量が増加し始めた時点で、水分を限界まで吸着した脱水剤は水分吸着が可能な脱水剤と交換される。脱水塔出口の第1の処理物の水分量が増加し始めた時点で脱水剤を交換できるように、本発明に係る装置においては、脱水塔出口の第1の処理物の水分量をモニタリングする機構を有することが好ましい。
第1の脱水処理手段5においては、抜き出し留出物S13が含有する水分量、脱水処理して得られる第1の処理物S14に求められる水分含有量、および求められる処理量(速度)等に応じて、適宜脱水能力が設定される。脱水塔を用いる場合には、脱水剤の交換の頻度等を考慮した上で、脱水剤の種類や容量等を適宜選択する。
なお、脱水処理後の第1の処理物S14における水分含有量としては、製品中の水分低減を容易にできる観点から、第1の処理物S14中のHFO−1234yfに対する水の質量割合として100ppm以下となる範囲が好ましく、50ppm以下がより好ましい。
第1の処理物S14を蒸留塔1に供給するための第1の処理物供給口15を設ける位置、すなわち第1の処理物S14を蒸留塔1に供給する位置であるk段目は、n+1段目からm段目のいずれかの段から適宜選択される。すなわち、第1の処理物供給口15は、n段目に配設されるHFO−1234yfの精製物S12を抜き出す精製物排出口13より下の段であって、粗HFO−1234yf(F11)の供給口11と同じ段(m段目)かそれよりも上の段に設けられる。本発明において第1の処理物供給口15は、m段目に設けられることが好ましく、以下に説明する通り粗HFO−1234yfを供給するための供給口11を第1の処理物供給口15として用いることがより好ましい。蒸留塔1への第1の処理物S14の供給量(質量/H)は、F11の供給量(質量/H)に対して0.03〜0.1倍とすることが好ましい。また、蒸留塔1に供給する第1の処理物S14の温度としては、20〜80℃が好ましい。
本発明のHFO−1234yfの精製方法においては、上記冷却凝縮手段において抜き出した一部の留出物を脱水処理し、得られた第1の処理物を、上記粗HFO−1234yfとともに、蒸留塔のm段目から蒸留塔に供給してもよい。このような本発明の精製方法の実施形態は、例えば、図3に概略図を示す本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態の別の変形例を用いて実行できる。
図3に示す本実施形態の精製装置10Cは、精製装置10Bにおいて、第1の処理物S14が蒸留塔1のk段目に供給される機構のかわりに、これを粗HFO−1234yfの供給路に合流させる機構を有し、また、蒸留塔1の塔底4から缶出液を取り出してその一部S15を抜き出し、残部を加熱する手段6と加熱された残部を蒸留塔1の塔底4付近に戻す機構を有する以外は精製装置10Bと同様である。なお、これに伴い精製装置10Cにおいて、蒸留塔1は第1の処理物供給口15をk段目に有しない構成である。
また、蒸留塔1の塔底4から缶出液を取り出してその一部S15を抜き出し、残部を加熱する手段6と加熱された残部を蒸留塔1の塔底4付近に戻す機構は、本発明の精製装置においては任意に有してもよい機構である。このようにして缶出液の残部を加熱して蒸留塔1の塔底4付近に戻すことにより、塔底4付近の温度の調整に寄与できる。缶出液には粗HFO−1234yfが含有するHFO−1234yfより高沸点の有機物不純物が粗HFO−1234yfより高濃度で含まれる。缶出液から取り出された一部S15は、必要に応じて別の分離工程等を経て、上記HFO−1234yfを製造するための原料等に使用される。
ここで、精製装置10Cにおいて、蒸留塔1のm段目から蒸留塔1に供給される供給物F12は、精製装置10Cの外から供給される粗HFO−1234yf(F11)と、精製装置10C内で発生した第1の処理物S14との混合物となる。このような供給物F12の温度および供給量は、上記精製装置10Aにおいて、粗HFO−1234yf(F11)をm段目から蒸留塔1に供給する場合と同様とすることができる。すなわち、精製装置10Cのような装置を用いて精製を行う場合、供給物F12の供給量(質量/H)をFw12とした場合の、Sw13:Fw12を、上記Sw13:Fw11の値と同様に設定することで、HFO−1234yfに対する水の含有割合が100ppm以下、好ましくは50ppm以下である供給物F12を、または、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm超である供給物F12を、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm以下であるHFO−1234yf精製物S12とすることができる。
また、本発明のHFO−1234yfの精製方法において、得られる抜き出し留出物を脱水処理して蒸留塔に供給する工程を有する場合には、この工程を上記冷却凝縮手段において抜き出した一部の留出物を上記粗HFO−1234yfとともに脱水処理し、得られた第2の処理物を上記蒸留塔のm段目に供給する方法で行ってもよい。このような本発明の精製方法の実施形態は、例えば、図4に概略図を示す本発明のHFO−1234yfの精製装置の実施形態のさらに別の変形例を用いて実行できる。
図4に示す本実施形態の精製装置10Dは、精製装置10Cにおいて、抜き出し留出物S13を脱水処理する第1の脱水処理手段5を配設せず、抜き出し留出物S13として粗HFO−1234yfの供給路に合流させ、合流後の抜き出し留出物S13と粗HFO−1234yf(F11)を同時に脱水処理する第2の脱水処理手段7が設けられ、これにより脱水処理された第2の処理物F13を、蒸留塔1のm段目に設けられた供給口11から蒸留塔1に供給するようにした以外は精製装置10Cと同様である。
また、精製装置10Dにおける第2の脱水処理手段7は、上記精製装置10B、10Cにおける第1の脱水処理手段5と方法については、好ましい態様を含め同様とすることができる。ただし、処理能力としては、抜き出し留出物S13と粗HFO−1234yf(F11)の合計量を脱水処理するのに見合う処理能力とすることが好ましい。
さらに、図示されていないが、必要に応じて精製装置10Dに、図3に示す精製装置10Cが有する第1の脱水処理手段5と同様の第1の脱水処理手段5を設けてもよい。
ここで、精製装置10Dにおいて、蒸留塔1のm段目から蒸留塔1に供給される供給物F13の温度および供給量は、上記精製装置10Aにおいて、粗HFO−1234yf(F11)をm段目から蒸留塔1に供給する場合と同様とすることができる。すなわち、精製装置10Dのような装置を用いて精製を行う場合、供給物F13の供給量(質量/H)をFw13とした場合の、Sw13:Fw13を、上記Sw13:Fw11の値と同様に設定することで、HFO−1234yfに対する水の含有割合が100ppm以下、好ましくは50ppm以下である供給物F13を、または、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm超である供給物F13を、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm以下であるHFO−1234yf精製物S12とすることができる。
ここで、粗HFO−1234yf(F11)の水分含有量については、本発明の精製方法が、精製装置10Dを用いる等により、処理対象となる粗HFO−1234yf(F11)の脱水処理を含む場合においては、粗HFO−1234yf(F11)中のHFO−1234yfに対する水の含有割合として、例えば、0.1〜0.3質量%程度であってもよい。ただし、本発明の精製方法が、粗HFO−1234yf(F11)の脱水処理を含まない場合においては、HFO−1234yfに対する水の含有割合が20ppm以下であるHFO−1234yf精製物を得るために、粗HFO−1234yf(F11)として、HFO−1234yfに対する水の含有割合が100ppm以下となるように、予め、反応系から得られる粗HFO−1234yfを上記脱水処理と同様の方法で、脱水処理しておくことが好ましい。
<製造方法>
本発明のHFO−1234yfの製造方法は、上記記載の精製方法を備える製造方法である。本発明のHFO−1234yfの製造方法は、具体的には、以下の(A)工程および(B)工程を有する製造方法である。
(A)原料化合物を反応させて水および有機物不純物を含有する粗HFO−1234yfを得る反応工程
(B)(A)工程で得られた粗HFO−1234yfを上記本発明の精製方法により精製する精製工程
(A)の反応工程において、粗HFO−1234yfを得る方法は特に限定されないが、例えば、1)HCFC−225の異性体混合物を原料として用いて上記反応経路(1)を経て得る方法、2)PFO−1216ycを原料化合物として用いて上記反応経路(2)を経て得る方法、3)1,2,3−トリクロロプロパンを原料化合物として用いて上記反応経路(3)を経て得る方法、4)1,1,2,3−テトラクロロプロペンを原料化合物として用いて得る方法、等が挙げられる。
これらの方法によれば、得られる粗HFO−1234yfは、未反応原料化合物や、中間体、副生物等の有機物不純物とともに反応過程で用いられる水を含有する。
(B)の精製工程において、上記(A)の反応工程で得られた水および有機物不純物を含有する粗HFO−1234yfを上記本発明の精製方法で精製することで、有機物不純物および水分の含有量がともに少ない高純度HFO−1234yfを得ることができる。
ここで、より高純度のHFO−1234yfを得るために、(A)の反応工程において、特にHFO−1234yfと沸点が近い、具体的には、沸点が−40℃〜−10℃の範囲にある有機物不純物の、得られる粗HFO−1234yfにおけるHFO−1234yf量に対する含有割合が10質量%以上とならないように、従来公知の方法で反応条件を制御することが好ましい。
また、粗HFO−1234yfにおける水の含有割合がHFO−1234yf量に対して100ppmを超える量であると、(B)の精製工程で得られるHFO−1234yf精製物において望ましいとされるHFO−1234yfに対して20ppm以下の水分含有量とすることが困難な場合があるため、(B)の精製工程の前に脱水処理の工程をさらに設けることが好ましい。
本発明の製造方法においては、このようにして、得られる精製物中の全有機物量に対するHFO−1234yfの含有割合が99.5質量%以上、さらに好ましくは、99.8質量%以上であって、水分含有量が極めて低い、好ましくはHFO−1234yfに対する水分含有量が20ppm以下であるHFO−1234yf精製物が製造できる。
以上、本発明のHFO−1234yfの精製方法および精製装置、ならびにHFO−1234yfの製造方法について例を挙げて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて適宜構成を変更することができる。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
以下の精製装置を用いて、上記反応経路(1)の方法で得られた粗HFO−1234yfを精製した。
(精製装置)
図4に示す精製装置10Dと同様の蒸留塔1、冷却凝縮手段2、第2の脱水手段7および加熱手段6を備える精製装置を用いた。
蒸留塔1として、内径が550mm、SUS316L製、全段数Xが25の蒸留塔1を用いた。蒸留塔1は、21段目(上記「m段目」に相当)に、粗HFO−1234yf(F11)と冷却凝縮手段2で得られた抜き出し留出物S13を一緒に第2の脱水手段7で脱水処理した供給物F13を供給する供給口11、2段目(上記「n段目」に相当)にHFO−1234yf精製物S12を取り出す精製物排出口13、1段目(上記「h段目」に相当)に冷却凝縮手段2から送られる還流液(還流留出物)S11を供給する還流液供給口12を有する構成であった。
冷却凝縮手段2は蒸留塔1の塔頂3から取り出された留出物S10の供給を受ける留出物供給口23と、留出物の一部(抜き出し留出物)S13を気相または冷却凝縮した液相として抜き出す留出物排出口21と、残部(還流留出物)S11を冷却凝縮した後、蒸留塔1に還流する還流液として取り出す還流液排出口22を有するものである。第2の脱水手段7としては、脱水剤としてモレキュラーシーブを充填した容積が6mの脱水塔を用いた。また、蒸留塔1の塔底4から缶出液を取り出してその一部S15を抜き出し、残部を加熱手段6により加熱後、蒸留塔1の塔底4付近に戻す設計であった。
(粗HFO−1234yfの精製)
粗HFO−1234yf(F11)を脱水塔7に通過させて得られた処理物を供給物F13として605kg/Hの供給量で蒸留塔1の21段目に供給して、精製装置の運転を開始した。蒸留塔1は、圧力設定を0.7MPaとし、塔頂3付近の温度を約30℃、塔底4付近の温度を約120℃と設定した。精製装置の運転開始から、冷却凝縮手段2、脱水塔7および加熱手段6に連結された蒸留塔1における供給物(供給物S13、還流液(還流留出物)S11、加熱手段から塔底に供給される液相等)と排出物(HFO−1234yf精製物S12、缶出液等)の物質収支・組成が平衡状態になるまで、1〜24時間、初期運転を行い、その後、得られた平衡状態による連続運転により粗HFO−1234yfの精製を行った。この平衡状態時の精製装置における物質の供給量、排出量および組成は以下の通りであった。
蒸留塔1の塔頂3から300kg/Hで取り出した留出物S10を冷却凝縮手段2に供給し、その一部を気相または液相の状態で抜き出し留出物S13として32kg/Hの量、抜き出した後、その全量を粗HFO−1234yf(F11)の供給路に合流させ、脱水塔7に通過させて得られた処理物を供給物F13として605kg/Hの供給量で蒸留塔1の21段目に連続的に供給させた。
冷却凝縮手段2に蒸留塔1の塔頂3から供給された留出物S10から、抜き出し留出物S13が除かれた残部(還流留出物)S11は、冷却凝縮によりこれを液相とした後、液温約30℃の還流液として268kg/Hの供給量で蒸留塔1の1段目に還流した。
一方、蒸留塔1の2段目から液相部を、HFO−1234yf精製物S12として、50kg/Hの排出量で取り出した。
蒸留塔1の塔底4から723kg/Hの排出量で缶出液を取り出し、その一部を加熱手段6により約100℃に加熱し塔底4付近に200kg/Hの量で戻した。缶出液の残部S15の量は523kg/Hであった。
この平衡状態時の精製装置における、抜き出し留出物S13を粗HFO−1234yf(F11)の供給路に合流させ、脱水塔7に通過させて得られた処理物である供給物F13、残部(還流留出物)S11、HFO−1234yf精製物S12、缶出液の残部S15の組成を表1に示す。なお、粗HFO−1234yf(F11)の組成は、上記F13、S13の流量(605kg/Hおよび32kg/H)と、下記表1に示すF13、S13の組成および脱水塔7の脱水能力から算定できる。
表1から分かるように、得られたHFO−1234yf精製物S12において、全有機物量に対するHFO−1234yfの含有量は99.95質量%であり、HFO−1234yfに対する水の含有割合は9.0ppmであった。
Figure 0006056771
[実施例2]
粗HFO−1234yf(F11)に含まれる水分量が、実施例1よりも高いこと以外は実施例1と同様に蒸留を行った。具体的には、平衡状態時の精製装置における供給物F13に含まれる水分が全有機物量に対して13ppm、HFO−1234yfに対する水の含有割合が112ppmであること以外は実施例1と同様に蒸留を行った。その結果、蒸留塔1の精製物排出口13から得られたHFO−1234yf精製物S12−1は、全有機物量に対するHFO−1234yfの含有量は99.9質量%以上であり、全有機物量に対する水分量は40ppmであり、HFO−1234yfに対する水の含有割合は40ppmであった。
[実施例3]
図5に示す精製装置10Eを用いて、実施例1で用いた粗HFO−1234yf(F11)の精製を行った。精製装置10Eは実施例1で使用した精製装置において、冷却凝縮手段2が留出物の一部(抜き出し留出物)S13を抜き出す留出物排出口21を有しない以外は実施例1と同様の装置である。
ここで、脱水塔7を経て蒸留塔1に供給された粗HFO−1234yf(F11)においては、全有機物量に対するHFO−1234yfの含有量は13.0質量%、全有機物量に対する水分量は6.5ppmであり、HFO−1234yfに対する水の含有割合は50.0ppmであった。そして、蒸留塔1の精製物排出口13から得られたHFO−1234yf精製物S12は、全有機物量に対するHFO−1234yfの含有量は99.9質量%以上であり、全有機物量に対する水分量は46ppmであり、HFO−1234yfに対する水の含有割合は46ppmであった。HFO−1234yf精製物S12の水分量は実施例1に比べて高い値であったが、還流液(還流留出物)S11におけるHFO−1234yfに対する水の含有割合に比べて低い値である。
[比較例1]
図6に示す精製装置20を用いて、実施例1で用いた粗HFO−1234yf(F11)の精製を行った。精製装置20は実施例1で使用した精製装置において、蒸留塔1が2段目にHFO−1234yf精製物S12を取り出す精製物排出口13を持たず、さらに、冷却凝縮手段2が留出物の一部(抜き出し留出物)S13を抜き出す留出物排出口21を持たず、そのかわりに、冷却凝縮手段2で留出物S10から得られる還流液S11の一部を蒸留塔1に還流し、その残部をHFO−1234yf精製物S16として抜き出すようにした以外は実施例1と同様の精製装置である。
その結果、得られたHFO−1234yf精製物S16における、全有機物量に対するHFO−1234yfの含有量は99.9質量%以上であり、全有機物量に対する水分量は220ppmであり、HFO−1234yfに対する水の含有割合は220ppmであった。
[比較例2]
図7に示す精製装置30を用いて、実施例1で用いた粗HFO−1234yf(F11)の精製を行った。精製装置30は実施例1で使用した精製装置において、蒸留塔1が2段目にHFO−1234yf精製物S12を取り出す精製物排出口13を持たず、そのかわりに、冷却凝縮手段2で留出物S10の残部から得られる還流液S11の一部を蒸留塔1に還流し、その残部をHFO−1234yf精製物S16−1として抜き出すようにした以外は実施例1と同様の装置である。
その結果、得られたHFO−1234yf精製物S16−1における、全有機物量に対するHFO−1234yfの含有量は99.9質量%以上であり、全有機物量に対する水分量は233ppmであり、HFO−1234yfに対する水の含有割合は233ppmであった。比較例1のHFO−1234yf精製物S16と比較してHFO−1234yf精製物S16−1に含まれる水分量は同程度であり、実施例1に比べて依然水分量は高い値であった。
本発明によれば、HFC−134aの代替冷媒として有用な、GWPが4と極めて低い2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを、有機物不純物および水分の含有量がともに少ない高純度精製物として、効率よく精製することができる。
10A、10B、10C、10D、10E…HFO−1234yfの精製装置、
1…蒸留塔、2…冷却凝縮手段、3…塔頂、4…塔底、5…第1の脱水処理手段、6…加熱手段、7…第2の脱水処理手段、
11…供給口、12…還流液供給口、13…精製物排出口、14…塔頂排出口、15…処理物供給口、
21…留出物排出口、22…還流液排出口、23…留出物供給口

Claims (12)

  1. 水および有機物不純物を含有する粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを連続的に精製する方法であって、
    X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔と前記蒸留塔の塔頂から留出物を取り出し冷却凝縮する手段を備えた装置を用い、前記蒸留塔のm段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを供給し、前記冷却凝縮する手段において冷却凝縮された留出物の一部を抜き出し、残部を還流液として前記蒸留塔のh段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に還流するとともに、前記蒸留塔のn段目の液相部を抜き出して2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物を得る2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  2. 前記有機物不純物が、沸点が−40℃〜−10℃の有機化合物を含有する請求項1に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  3. 前記有機物不純物が、3,3,3−トリフルオロプロペン、3,3−ジフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロペン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  4. 前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペン中の全有機物量中の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が5質量%以上99.5質量%未満であり、前記2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物中の全有機物量中の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有割合が99.5質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  5. 前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンにおける2,3,3,3−テトラフルオロプロペンに対する水の含有割合が100ppm以下であり、前記2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物における2,3,3,3−テトラフルオロプロペンに対する水の含有割合が20ppm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  6. 前記冷却凝縮手段において抜き出した一部の留出物を脱水処理し、得られた第1の処理物を前記蒸留塔のk段目(ただし、kは、n+1≦k≦mを満たす整数。)に供給する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  7. 前記第1の処理物における2,3,3,3−テトラフルオロプロペンに対する水の含有割合が100ppm以下である請求項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  8. 前記第1の処理物を、前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとともに、前記蒸留塔のm段目から前記蒸留塔に供給する請求項またはに記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  9. 前記冷却凝縮手段において抜き出した一部の留出物を、前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとともに脱水処理し、得られた第2の処理物を前記蒸留塔のm段目に供給する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  10. 前記脱水処理が、脱水塔を通すことで行われる請求項のいずれか1項に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製方法。
  11. 水および有機物不純物を含有する粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを連続的に精製する、X段(ただし、Xは3以上の整数。塔頂に最も近い段を1段目とする。)の蒸留塔と前記蒸留塔の塔頂から留出物を取り出し冷却凝縮する手段を備えた装置であって、
    前記冷却凝縮手段は、冷却凝縮された留出物の一部を抜き出す留出物排出口と、残部を還流液として排出する還流液排出口を有し、前記蒸留塔は、m段目(ただし、mは、n+1≦m≦Xを満たす整数。nは、2≦n≦X−1を満たす整数。)に前記粗2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを供給する供給口と、h段目(ただし、hは1≦h≦n−1を満たす整数。)に前記還流液を還流する供給口と、n段目の液相部を2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製物として抜き出す排出口を有する、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの精製装置。
  12. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の精製方法を備える、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
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