JP5785687B2 - 急性虚血性脳卒中を処置するためのテネクテプラーゼの使用 - Google Patents

急性虚血性脳卒中を処置するためのテネクテプラーゼの使用 Download PDF

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Description

関連出願
これは、米国特許法§119(e)の下、2006年8月29日に出願された、米国仮出願第60/823,868号(この全体の内容は、参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する、37CFR§1.53(b)の下で出願された本出願である。
発明の分野
本発明は、血栓溶解剤によって脳卒中を処置する方法に関し、より具体的には、急性虚血性脳卒中を処置するために特定の投与レジメンでテネクテプラーゼを投与する方法に関する。
関連分野の説明
脳卒中は、血管の疾患によりもたらされる急性の脳の損傷に対する一般的な用語である。脳卒中は社会に深刻な問題を与えており、米国では毎年脳卒中によって約500,000人が死亡するか、または永久障害者となっている。脳卒中は2つの主要なカテゴリに分類できる:出血性脳卒中(正常な血管の外側に血液が漏れることによりもたらされる)および虚血性脳卒中(血液供給の欠乏による大脳の虚血)である;本出願は後者に関するものである。
虚血性脳卒中は、先進工業国の全死因の約3分の1を占めており、45歳を超える成人の重篤な長期にわたる身体障害の主要な原因である。急性虚血性脳卒中を処置するための薬物療法が必要とされているのは当然のことである。脳卒中の機序および脳卒中に続いて起こる事象のカスケードについては、かなりの洞察が得られてきている;ニューロンの損傷および細胞死に対する理解も進んでいる。
虚血性脳卒中の3つの主要な機序は、血栓症、塞栓症、および全身性低灌流(その結果として虚血および低酸素がもたらされる)である。これらのタイプの脳卒中では、いずれも、血液供給の欠乏の結果死んだ脳領域を梗塞部と呼んでいる。脳動脈の壁に形成された血栓によってもたらされる大脳動脈の閉塞は、一般的に「脳血栓」と呼ばれる。大脳塞栓症において、大脳動脈を遮断する閉塞作用のある物質が、循環の下流に発生する(例、塞栓は心臓から大脳動脈に運ばれる)。脳卒中が血栓症によるものか塞栓症によるものかを識別することは困難であるため、これらのタイプの脳卒中の両方をカバーするために「血栓塞栓症」という用語が用いられる。全身性低灌流は、血中乳酸塩レベルの上昇、ヘマトクリットの低減、低血圧、または心臓が血液を適切にポンプ輸送できなかったことの結果として発生し得る。
脳卒中の症状の持続が24時間未満であり、患者が完全に回復すれば、その患者は一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)を起こしたという。TIAの症状は、言葉、視覚、知覚または運動の一時的な障害である。TIAは本格的規模の脳卒中の前兆であるとしばしば考えられるため、TIAに罹患した患者は、たとえば抗凝血剤(例、クマリンおよびヘパリン)または抗血小板剤(アスピリンおよびチクロピジンなど)などによる予防的脳卒中療法に対する候補となる。
急性虚血性脳卒中(Acute ischemic stroke:AIS)は不均一な疾患プロセスである;経過、回復、身体障害、または死亡の予測は困難である。急性虚血性脳卒中は代表的には急性の血栓塞栓性の動脈の閉塞性の病変によって起こる。急性虚血性脳卒中における動脈の閉塞性の病変の場所は比較的不均一である。組換え型組織プラスミノゲン活性化剤(recombinant tissue plasminogen activator:rtPA)などの血栓溶解剤が血栓塞栓性脳卒中の処置に用いられており、虚血をもたらす血栓を溶解することによって機能する。実際のところ、静脈内rtPA(アルテプラーゼ、ACTIVASE(登録商標))は、急性虚血性脳卒中の処置に対して認可されている唯一の薬物である。静脈内rtPA(0.9mg/kg、最大90mg)の用量の10%をボーラスで与えた後に60分間の注入をするのが、虚血性脳卒中の始まりから3時間以内に推奨される処置である。この薬物は、急性脳卒中の際にできる限り早く投与されれば、大脳の虚血領域の血流を少なくとも部分的に回復し、かつニューロンの生存能力を支えるために最も有用であると考えられている(Grossら、Neurosurgery、36:1172−1177(1995);Ingallら、Stroke、35:2418−2424(2004);The ATLANTIS,ECASS,and NINDS rt−PA Study Group Investigators、Lancet、363:768−774(2004))。しかし、たとえば拡散強調および灌流MRイメージング技術ならびにCT灌流技術の使用など、他の方法によってもっと遅い時期に投与するのが有効であるという付加的な証拠もある。Tomsick、J.Vasc.Interv.Radiol.、15:S67−S76(2004)。加えて、急性虚血性脳卒中の静脈内処置が望ましくない患者に対して、動脈内組織プラスミノゲン活性化剤(tPA)またはウロキナーゼによるカテーテルに基づく処置を単独で、または補助的なバルーン血管形成術/ステントとともに行なうことが成功している。Rameeら、Stroke、35:e109−e111(2004)。虚血性脳卒中患者における再疎通のための静脈内および動脈内tPAアプローチの組合せも提案されている。The IMS Study Investigators、Stroke、35:904−912(2004)。
血栓溶解、すなわち虚血性脳卒中における症状の始まりから数時間以内にtPAによって大脳動脈の血塊を溶解することは、1996年から急性虚血性脳卒中の処置として認可されている。他の2つの薬剤、プロウロキナーゼ(M1またはM2動脈血栓への直接的な動脈内投与)と、静脈内アンクロドすなわちマレーのピットバイパー(毒ヘビ)の毒に由来するフィブリノゲン低下剤とが治療上の有益性を示しており、将来は急性虚血性脳卒中療法のために利用可能になる可能性がある。ウサギ塞栓性脳卒中モデルにおける抗ICAM−1抗体と、それに続くtPAによる血栓溶解の効果も調べられた(Bowesら、Exp.Neurol、119:215−219(1993))。tPA(虚血後30分)および抗ICAM−1抗体(虚血後5分)は、各々単独では神経学的な結果を対照よりも改善したが、これら2つの化合物の組合せの同時投与は、いずれかの化合物の単独投与よりも効果的になることはなかった。血栓溶解が塞栓症から3時間遅れたときには、tPAもその組合せも神経学的損傷を低減しなかった。ウサギにおける実験では、tPA(虚血後30分)および抗CD18抗体(虚血後5分)の各々が単独では神経学的な結果を改善したが、これら2つの化合物の組合せの同時投与は、いずれかの化合物の単独投与よりも効果的になることはなかったことも示された(Bowesら、Neurology、45:815−819(1995))。抗ICAM−1抗体(虚血後15分)およびtPA(虚血後2時間)の組合せは、tPAが有効であり続ける虚血後の時間を延ばした。すなわちこの組合せは、tPAの治療域を、ウサギにおいて単独投与されたときのtPAの有効治療域から広げる効果があった。この効果は、ラットにおけるtPAおよび糖タンパク質IIB/IIIA受容体阻害剤によってもみられた。Liら、Circulation、107:2837−2843(2003)。特許文献1および特許文献2は、ヒトなどの哺乳動物における梗塞関連動脈(例、冠状動脈を遮断された哺乳動物における急性心筋梗塞(acute myocardial infarction:AMI)または大脳動脈の閉塞によってもたらされる局所性虚血性脳卒中)における血流増加のための血栓溶解化合物と抗CD18抗体との共投与を開示する。
特許文献3は、tPAの脳関連阻害剤および脳卒中の処置におけるその使用を開示する。特許文献4は、活性成分として星状細胞機能改善剤および血栓溶解剤、好ましくはtPAを含む、大脳虚血疾患を処置するための医薬組成物を開示する。
テネクテプラーゼ(TNK、TNKASE(商標)、Genentech,Inc.、サウスサンフランシスコ、カリフォルニア州)は、チャイニーズハムスターの卵巣細胞においてクローニングおよび発現された、ヒトtPAの遺伝子操作による改変体である。Keytら、Proc.Natl.Acad.Sci USA、91:3670−3674(1994)。一般的な第3世代血栓溶解薬の概観については、Verstraete、Am.J.Med.、109:52−58(2000)も参照されたい。米国においてはAMIの患者に対する単一ボーラス投与が認可されており、テネクテプラーゼはアルテプラーゼに比べてフィブリン特異性が増加し、かつ半減期が増加するように遺伝子操作されたものである。
ASSENT−2二重盲検ランダム化試験における急性心筋梗塞において単一ボーラステネクテプラーゼとフロントローディング(front−loaded)のアルテプラーゼとを比較したとき、30日間の死亡率に関してテネクテプラーゼおよびアルテプラーゼは同等であった。テネクテプラーゼは投与が容易であるため、病院の内外におけるより迅速な処置を促進し得る。Van de Werfら、Lancet、354:716−722(1999)。ASSENT−2研究の結果から、統計学的に顕著な差ではなかったものの、合計脳卒中率および30日間の死亡率は、テネクテプラーゼで処置された75歳を超える女性患者の方が、アルテプラーゼで処置された患者よりも低いことが示された。著者らは、女性患者および75歳を超える患者には、たとえばテネクテプラーゼなどの重量調整された投与レジメンに従って与えられた血栓溶解剤の方が有益である可能性があると結論付けた。Vermeer、Thrombosis Research、103:補遺1、SlOl−S104(2001年9月30日)。AMIの処置に有用であり得るその他の血栓溶解薬は、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アニストレプラーゼ、アルテプラーゼ、サルプラーゼ、レテプラーゼ、ラノテプラーゼ、スタフィロキナーゼ、フィブロラーゼ、プロウロキナーゼ、およびチスイコウモリのプラスミノゲン活性化剤を含む。Iqbal、Clinical and Applied Thrombosis/Hemostasis、6/1:1−13(2000)。テネクテプラーゼによる追跡データは、テネクテプラーゼがアルテプラーゼと同様の全体的効力および許容性のプロファイルを示し、1年間の追跡後の死亡率も類似することを示す。テネクテプラーゼは、処置を受けるのが遅れた患者における死亡率の低下と、ASSENT−2における大脳以外の出血の合併症の発生率の低下という、アルテプラーゼを超える明らかな利点を有する。DunnおよびGoa、Am J Cardiovasc Drugs、1(1)、51−66(2001)。
Callahanら、HeartDrug、1/5:281−290(2001)は、r−PAおよびテネクテプラーゼがどちらもボーラス療法で与えられたときにAMIの処置に有効であること、より初期の処置開始およびより低い処置コストを促進し得る特徴を述べた概説である。その後の研究では、血栓溶解薬(レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、アルテプラーゼ、およびストレプトキナーゼ)が死亡率の低減に対し同様の効力を示すこと、およびGUSTO−Iにおいて促進された(accelerated)アルテプラーゼの明らかな利益がこれに一致することが見出された。Dundarら、QJM、96:103−113(2003)。テネクテプラーゼは、ASSENT−3 PLUSと呼ばれる試験における入院前の設定(prehospital setting)において、低分子量ヘパリンのエノキサパリン(enoxaparin:ENOX)または未分留ヘパリンと組合せたAMI処置において有効であることが見出された。テネクテプラーゼとENOXとの組合せは初期虚血事象を低減させるが、より低用量のENOXを高齢の患者においてテストする必要がある。Wallentinら、Circulation、108:135−142(2003);米国特許第7,084,118号。
虚血性脳卒中の処置において、Jonasら、Annals of the New York Academy of Sciences、939:257−267(2001)は、血栓溶解の成功に対しニューロン保護剤では失敗したと評価する上での動物モデルの予測値を開示している。動物脳卒中モデルにおいて神経保護性と主張された薬剤はすべてヒトの試験においては失敗した。すでに血栓溶解は、動物およびヒトの脳卒中において有益であると報告されている。動物においては、梗塞サイズに対する神経保護剤および血栓溶解剤の効果は時間に依存する:処置を早く開始すると最もよく機能し;最初の処置の時間が遅れるにしたがってその利点は徐々に失われ、ついには完全に失われる。動物のデータからは、全般的に神経保護剤の有益な効果は血栓溶解剤よりも弱く、完全に失われるのも早いことが示されている。ヒトのデータからは、神経保護剤の試みが失敗し、その効果を示し始める域(entry windows)が、動物におけるこれらの薬剤のテストでみられた(あらゆる)成功域をはるかに超えていたことがわかる。これに対し、ヒトの血栓溶解試験では一様に、これらの薬剤が動物において有益な効果を示した域に入るまでの時間が制限された。臨床的な脳卒中試験では、神経保護剤は利点を生じることができなかった。なぜなら神経保護剤の最大の効果があまりにも弱く、動物モデルから予測できる時間に用いられても遅すぎたためである。動物モデルにおいて神経保護剤よりも強い効果を有するテネクテプラーゼおよびウロキナーゼなどの血栓溶解療法は、最適な効果の初期域の間に臨床的に用いられ、有益な結果を生じた。
急性虚血性脳卒中の処置のための静脈内および動脈内血栓溶解の分野は、急速に前進している。既存の血栓溶解剤には制限があるため、過去10年にわたって新たな血栓溶解剤の開発が進められ、それらは第3世代血栓溶解剤と呼ばれる。いくつかの第3世代血栓溶解剤のうち2つが急性虚血性脳卒中の処置に対して調べられており、それらはテネクテプラーゼおよびレテプラーゼを含む。第3世代血栓溶解剤は構造的な変更が加えられているために、半減期がより長く、血栓基質への浸透がより大きくなっている。最初の予備的なヒト臨床試験では、静脈内アルテプラーゼ療法に対する候補になりにくい虚血性脳卒中の患者16人における動脈内レテプラーゼの安全性および効力が評価された。患者の88%において処置後にほぼ完全な再疎通または完全な再疎通が観察された。第3世代血栓溶解剤の開発および使用によって、虚血性脳卒中の患者における再疎通および臨床的回復の比率が増加することが期待される。Qureshiら、Current Opinion in Investigational Drugs、3(12):1729−1732(2002)。
たとえば、修飾されたrtPAであるモンテプラーゼは、塞栓性脳卒中のラットモデルにおける梗塞体積および出血性変化を低減させる。Muramatsuら、Neurological Research、24:311−316(2002)。その他のこうした第3世代薬物は、ラノテプラーゼ、プラスミン、または切断された形態のプラスミン(マイクロプラスミン)、血栓溶解に関連しない神経保護および治療的活性を有する直接作用性の血栓溶解剤、組換え型ナミチスイコウモリ唾液プラスミノゲン活性化剤(recombinant desmodus rotundus salivary plasminogen activator:rDSPA)アルファ−1、および変異体フィブリン活性化ヒトプラスミノゲン(BB10153;British Biotech Inc.)を含む。薬物の発見および開発のこれらの領域は、Lapchak、Expert Opinion on Investigational Drugs、11:1623−1632(2002)に概説されている。
3時間以内に処置された急性虚血性脳卒中において低用量rtPAと組合せたときの、血小板糖タンパク質IIb/IIIa受容体を選択的に遮断する静脈内の環状ヘプタペプチドであるエプチフィバチドの安全性を評価するために、CLEAR脳卒中研究と呼ばれる、複数の研究機関にまたがった、ランダム化された二重盲検の連続的用量漸増臨床試験が現在行なわれている。
テネクテプラーゼは、アルテプラーゼよりもフィブリン特異性が高く、PAI−Iに対して耐性があり、かつ生物学的半減期が長い(アルテプラーゼが10分であるのに対して18分である)ために脳卒中後に神経保護性となり得ることが提案されており、これらの特徴は脳卒中患者においてアルテプラーゼよりも大脳出血を減少させ得るものである。
2000年から2003年にわたって登録された88人の急性虚血性脳卒中患者においてテネクテプラーゼの予備的研究が行なわれ、ここでは4段階の用量のテネクテプラーゼが用いられた:0.1、0.2、0.4、および0.5mg/kg。最初の3段階には徴候的な頭蓋内出血(intracranial hemorrhage:ICH)はなかった。13人の患者のうち2人が0.5mg/kgにおいて徴候的なICHを有し、用量の増加とともにICHが増加し(8%−38%)、過去の急性虚血性脳卒中試験におけるアルテプラーゼ群と同様の結果となった。現在テネクテプラーゼは、0.1mg/kgのテネクテプラーゼ、0.4mg/kgのテネクテプラーゼ、および0.9mg/kgのrtPAを用いた急性虚血性脳卒中患者におけるランダム化され制御されたフェーズIIb臨床試験においてテストされている。
初期の動物での研究において、塞栓性脳卒中および末梢出血のウサギモデルにおけるテネクテプラーゼの活性がアルテプラーゼの活性と比較された。アルテプラーゼの注入またはテネクテプラーゼのボーラス投与の結果、用量依存性の血塊溶解がもたらされた。テネクテプラーゼは、ミリグラム/キログラム単位でアルテプラーゼよりも1桁効き目が強いことが見出された。アルテプラーゼとは異なり、このモデルにおいてテネクテプラーゼはプラスミノゲンの全身的活性化を少ししかもたらさず、出血性変化を少ししかもたらさなかった。テネクテプラーゼはテンプレート出血時間(template bleeding time)を延ばさなかった。著者らは、フィブリン特異性の増加と血漿クリアランスの減少とを組合せることによって、野生型tPAよりも便利で効き目の強い血栓溶解剤(テネクテプラーゼ)を生成することが可能だと述べている。著者らによると、出血性変換の顕著な低減は、この分子にみられる全身性プラスミノゲンの保存に帰する可能性がある。Thomasら、Stroke、25:2072−2078(1994)。
別の動物での研究においては、ウサギ塞栓性脳卒中モデルにおいて0.6mg/kgまたは1.5mg/kgの用量のテネクテプラーゼが野生型tPAと比較された。野生型tPAおよびテネクテプラーゼはどちらもほとんどの対象において血栓溶解をもたらし、互いに異なることはなかった。テネクテプラーゼもtPAも出血のサイズに影響しなかった。テネクテプラーゼは、塞栓性脳卒中のモデルにおいて野生型tPAに匹敵する再疎通率を示す。tPAは出血率を増加させるが、テネクテプラーゼ処置に関連する出血は対照またはtPA群と比べて統計学的に異ならない。著者らはテネクテプラーゼが脳卒中に対する代替的な血栓溶解処置となる見込みがあることを示唆したが、野生型tPAと比べて安全性が改善されることを示すことはできなかった。Chapmanら、Stroke、32:748−52(2001)。
ヒトにおけるより最近の研究では、虚血に続く事象の性質のみならずその時間経過においても動物での研究との多くの類似点が示される。Callaway、Current Neuropharmacology、2/3:277−294(2004)。ウサギにおける塞栓性脳卒中の6時間後にNXY−059(100mg/kg)およびテネクテプラーゼ(0.9mg/kg)を共投与すると、臨床評価スコアが改善される。Lapchakら、Experimental Neurology、188:279−285(2004年8月);Comment in Exp Neurol.、188:195−199(2004年8月)。WagnerおよびJauch、Experimental neurology、188(2):195−199(2004);Comment on Exp Neurol.、188(2)279−85(2004)は、テネクテプラーゼなどの血栓溶解剤に、たとえばフリーラジカルスカベンジャ、NXY059、および酸化窒素などの中枢神経系(central−nervous−system:CNS)保護療法を加えたものの急性脳卒中処置に対する域(window)を開示する。Lapchakら、Experimental Neurology、185:154−159(2004)は、ウサギにおける小血塊塞栓性脳卒中に続く臨床評価スコアに対するテネクテプラーゼとアルテプラーゼとの比較を開示する。ウサギ小血塊塞栓性脳卒中モデル(rabbit small clot embolic stroke model:RSCEM)を用いて、塞栓の1時間後に静脈内に与えられたテネクテプラーゼ(0.1mg/kg〜3.3mg/kg)およびアルテプラーゼ(0.9mg/kg〜3.3mg/kg)の用量応答プロファイル分析が行なわれた。
付加的な研究においては、塞栓の3(または6)時間後にテネクテプラーゼ(0.9mg/kg)またはアルテプラーゼ(3.3mg/kg)が投与されて、これらの血栓溶解剤に対する治療域が定められた。どちらの研究に対しても、塞栓の24時間後に挙動分析が行なわれて、50%のウサギにおいて神経学的障害を生成する有効脳卒中用量(P50)または血塊量(mg)の決定を可能にした。
この研究によって、テネクテプラーゼは広い治療範囲、少なくとも3時間の治療域を有し、かつ永続性の効果を有することが示される。さらに、テネクテプラーゼに対する安全性プロファイルはアルテプラーゼと同様である。テネクテプラーゼは、大脳内出血(intracerebral hemorrhage:ICH)の比率を、アルテプラーゼによって生成されるものより増加させることはない。しかし、アルテプラーゼに対する治療範囲および治療域は、テネクテプラーゼに対するものよりも制限されている。これらの前臨床研究は、テネクテプラーゼがアルテプラーゼよりも良好な薬理学的プロファイルを有することを示唆しており、脳卒中患者におけるランダム化二重盲検臨床試験におけるテネクテプラーゼのさらなる調査を支持する。Araujoら、Society for Neuroscience Abstract Viewer and Itinerary Planner、巻:2003、ページ:要約No.102.2(2003)、Conference:33rd Annual Meeting of the Society of Neuroscience、ニューオーリンズ、ルイジアナ州、米国、2003年11月08−12日も参照されたい。
米国特許出願公開第2002/0081294号明細書 米国特許出願公開第2004/0057951号明細書 米国特許第6,541,452号明細書 米国特許出願公開第2004/0176347号明細書
テネクテプラーゼを用いて、たとえば大脳の血流を増加および/または梗塞のサイズを低減させることなどによって急性虚血性脳卒中における臨床結果を改善するための方法を提供する必要がある。
要旨
したがって、本発明は請求されるとおりである。1つの局面において、本発明はヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するための方法を提供し、この方法は、ヒトにテネクテプラーゼを約0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量で投与するステップを含み、このテネクテプラーゼは(a)約0.015mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で与えられた後に、合計用量から初期用量を差引いたものに等しい量で約50〜90分の期間にわたって注入されるか、または(b)ボーラスのみとして与えられる。便利には、テネクテプラーゼは、本明細書により詳細に述べられるものなどの薬学的に許容できる調合物の形でヒトに投与される。好ましくは、合計用量は約0.2mg/kgから0.3mg/kg、より好ましくは約0.25mg/kgである。
この方法の実施形態の1つにおいて、合計用量は初期ボーラスと、それに続く注入で与えられる。好ましくは、初期用量は約0.08mg/kgから0.12mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kgのボーラスであり、および/または注入の期間は約55〜70分、より好ましくは約60分である。特に好ましい実施形態においては、合計用量は約0.25mg/kgであり、それは初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、約60分間にわたって約0.15mg/kg注入される。別の特に好ましい実施形態においては、約60分間で約0.25mg/kgの合計用量のテネクテプラーゼがヒトに投与され、それは1分間の約0.1mg/kgの初期ボーラスに続き、約60分間の残りの時間にわたる約0.25mg/kgの注入として与えられる。
この方法の別の実施形態において、合計用量はボーラスのみで与えられる。合計用量は代表的には約0.05mg/kgから0.5mg/kgである。好ましい実施形態において、合計用量は約0.25mg/kgである。
どちらの方法においても好ましくは、テネクテプラーゼは急性虚血性脳卒中の始まりから約15分から約20時間の間の時間、より好ましくは約45分から約6時間の間、さらにより好ましくは急性虚血性脳卒中の始まりから最大約3時間以内にヒトに投与される。好ましい実施形態において、ボーラスは静脈内であり、および/または注入は継続的である。
これら両方の方法の好ましい実施形態において、これらの方法は有効量の第2の薬剤をヒトに投与するステップをさらに含み、ここで第1の薬剤はテネクテプラーゼである。この第2の薬剤は好ましくは神経保護剤、血栓溶解剤、糖タンパク質IIbIIIa拮抗薬、または抗CD18抗体である。この第2の薬剤はテネクテプラーゼの前、後、またはテネクテプラーゼと同時にヒトに共投与されてもよい。こうした第2の薬剤は、たとえば虚血性脳卒中の始まりから約3時間を超えて(例、脳卒中の始まりから約3〜8時間以内、好ましくは約3〜6時間以内に少なくとも1回)哺乳動物に投与されてもよい。
別の局面において、本発明は以下を含むキットを供給する:テネクテプラーゼを含む容器;およびヒトにテネクテプラーゼを約0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量で投与することによってヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するためにテネクテプラーゼを使用するための指示書を含み、このテネクテプラーゼは(a)約0.015mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で与えられた後に、合計用量から初期用量を差引いたものに等しい量で約50〜90分の期間にわたって注入されるか、または(b)ボーラスで与えられる。
好ましくは、合計用量は約0.2mg/kgから0.3mg/kg、より好ましくは約0.25mg/kgであり、初期ボーラスは約0.08mg/kgから0.12mg/kgである。
このキットの実施形態の1つにおいて、合計用量は初期ボーラスと、それに続く注入として与えられる。好ましい実施形態においては、合計用量は約0.25mg/kgであり、それは初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、約60分間にわたって約0.15mg/kg注入される。このキットの特に好ましい実施形態においては、合計用量は約0.25mg/kgであり、それは初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、約60分間にわたって約0.15mg/kg注入される。このキットの別の特に好ましい実施形態においては、約60分間で約0.25mg/kgの合計用量のテネクテプラーゼがヒトに投与され、それは1分間の約0.1mg/kgの初期ボーラスに続き、約60分間の残りの時間にわたる約0.25mg/kgの注入として与えられる。
このキットの別の実施形態において、合計用量はボーラスのみで与えられる。
本明細書におけるキットは好ましくは第2の薬剤を含む容器をさらに含み、指示書は、有効量の第2の薬剤をヒトに投与することによってヒトにおける虚血性脳卒中を処置するためにテネクテプラーゼと組合せて第2の薬剤を用いるための指示書を含む。好ましい第2の薬剤は、神経保護剤、血栓溶解剤、糖タンパク質IIb IIIa拮抗薬、または抗CD18抗体である。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下の方法などが提供される:
(項目1)
ヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するための方法であって、前記ヒトにテネクテプラーゼを約0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量で投与するステップを含み、前記テネクテプラーゼは(a)約0.05mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で与えられた後に、前記合計用量から前記初期用量を差引いたものに等しい量で約50〜90分の期間にわたって注入されるか、または(b)ボーラスで与えられる、方法。
(項目2)
前記合計用量は約0.2mg/kgから0.3mg/kgである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記合計用量は約0.25mg/kgである、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記合計用量は初期ボーラスと、それに続く前記注入で与えられる、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記初期用量は約0.08mg/kgから0.12mg/kgのボーラスである、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記初期用量は約0.1mg/kgのボーラスである、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
注入の前記期間は約55〜70分である、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
注入の前記期間は約60分である、項目1〜7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記合計用量は約0.25mg/kgであり、初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、約60分間にわたって約0.15mg/kg注入される、項目1〜8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記合計用量はボーラスで与えられる、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記テネクテプラーゼは急性虚血性脳卒中の始まりから約15分から20時間の間の時間に前記ヒトに投与される、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記テネクテプラーゼは急性虚血性脳卒中の始まりから約30分から6時間の間の時間に前記ヒトに投与される、項目1〜11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記テネクテプラーゼは急性虚血性脳卒中の始まりから約30分から3時間の間の時間に前記ヒトに投与される、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記ボーラスは静脈内である、項目1〜13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
有効量の第2の薬剤を前記ヒトに投与するステップをさらに含み、前記第1の薬剤はテネクテプラーゼである、項目1〜14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記第2の薬剤は、神経保護剤、血栓溶解剤、糖タンパク質IIb IIIa拮抗薬、または抗CD18抗体である、項目15に記載の方法。
(項目17)
(a)テネクテプラーゼを含有する容器と;
(b)ヒトに前記テネクテプラーゼを約0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量で投与することによって前記ヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するために前記テネクテプラーゼを使用するための指示書とを含み、前記テネクテプラーゼは(a)約0.05mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で与えられた後に、前記合計用量から前記初期用量を差引いたものに等しい量で約50〜90分の期間にわたって注入されるか、または(b)ボーラスで与えられる、
キット。
(項目18)
前記合計用量は約0.2mg/kgから0.3mg/kgである、項目17に記載のキット。
(項目19)
前記合計用量は約0.25mg/kgである、項目17または18に記載のキット。
(項目20)
前記合計用量は初期ボーラスと、それに続く前記注入で与えられる、項目17〜19のいずれか1項に記載のキット。
(項目21)
前記初期ボーラス用量は約0.08mg/kgから0.12mg/kgである、項目17〜20のいずれか1項に記載のキット。
(項目22)
前記合計用量は約0.25mg/kgであり、初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、約60分間にわたって約0.15mg/kg注入される、項目17〜21のいずれか1項に記載のキット。
(項目23)
前記合計用量はボーラスで与えられる、項目17〜19のいずれか1項に記載のキット。
(項目24)
第2の薬剤を含む容器をさらに含み、前記指示書は、有効量の前記第2の薬剤をヒトに投与することによって前記ヒトにおける虚血性脳卒中を処置するために前記テネクテプラーゼと組合せて前記第2の薬剤を用いるための指示書を含む、項目17〜23のいずれか1項に記載のキット。
(項目25)
前記第2の薬剤は、神経保護剤、血栓溶解剤、糖タンパク質IIb IIIa拮抗薬、または抗CD18抗体である、項目24に記載のキット。
0.9mg/kgを、1分間にわたる10%ボーラスと、1時間の残り時間にわたる90%として与えた後の、メジアンモデル予測ACTIVASE(登録商標)(アルテプラーゼ)濃度を示す。これは1000対象シミュレーションの結果であった。人口統計は予備的なAIS脳卒中研究において観察されたものに基づいた。 メジアンモデル予測アルテプラーゼ(ACTIVASE(登録商標))濃度を、0.25mg/kgボーラス−注入レジメンからのモデル予測テネクテプラーゼ(TNK)メジアン、第5および第95百分位数濃度と比較した、1000対象シミュレーションからのモデル予測薬物動態学的(pharmacokinetic:PK)プロファイルを示す。このシミュレーションは、1分間にわたる0.1mg/kgのボーラスおよび1時間の残り時間にわたる0.15mg/kgとして投与された0.25mg/kgのTNKaseに基づいた。TNKの第5百分位数はグラフの一番下の線(実線)であり、TNKメジアンはACTIVASEメジアン線に近い点線であり、TNKの第95百分位数は一番上の破線である。メジアンモデル予測アルテプラーゼ濃度は、10%ボーラスと、1時間の残り時間にわたる90%として与えられた0.9mg/kg(最大90mg/kg)に基づいた(Activaseメジアンは、プラトーに達してから60分後に降下する実線である)。 ボーラス−注入レジメンに対するメジアンモデル予測アルテプラーゼ(ACTIVASE(登録商標))濃度を、0.25mg/kgのボーラスのみのレジメンからのモデル予測テネクテプラーゼ(TNK)メジアン、第5および第95百分位数濃度と比較した、1000対象シミュレーションからのモデル予測PKプロファイルを示す。TNKの第5百分位数はグラフの一番下の線(実線)であり、TNKメジアンはActivaseメジアン線の上の点線であり、TNKの第95百分位数は一番上の破線である。メジアンモデル予測アルテプラーゼ濃度は、10%ボーラスと、1時間の残り時間にわたる90%としての0.9mg/kg(最大90mg/kg)に基づいた(Activaseメジアンは、プラトーに達してから60分後に降下する実線である)。
好ましい実施形態の詳細な説明
A.定義
本明細書において「脳卒中」は、少なくとも24時間にわたって脳への血液供給を中断させる脳血管発作(cerebrovascular accident:CVA)によってもたらされる神経学的障害として定義される。脳卒中は出血性脳卒中および虚血性脳卒中を含む異なる形を取ってもよく、その各々はさらに細分されてもよい。よって、たとえば出血性脳卒中はICHまたはくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)による神経学的障害の突然の発達を特徴とし得るのに対し、虚血性脳卒中のサブタイプはラクナ(lacunar)脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、および脳塞栓症を含む。本明細書において「脳卒中」という用語は最も広い意味で用いられ、本明細書に具体的に列挙されているか否かにかかわらずすべての形の脳卒中を含む。
本明細書において「一過性脳虚血発作」または「TIA」は、脳への血液供給の一時的な中断として定義され、これは24時間以内に完全に治まり、通常は数分から1時間続く。
本明細書において「急性虚血性脳卒中」は、24時間より長く続くかまたは死に至る血栓塞栓症による大脳機能の局所的または全体的な障害の急性の発達として定義される。急性局所性虚血性脳卒中は、脳のある領域への血液供給の中断によってもたらされる脳の損傷である。本明細書において対象となる急性虚血性脳卒中は一般的に、主な大脳動脈(例、中大脳動脈、前大脳動脈、後大脳動脈、内頸動脈、椎骨動脈または脳底動脈)および2次的な動脈または細動脈を含む動脈のいずれか1つまたはそれ以上の閉塞によってもたらされる。「動脈閉塞」は一般的に、1次的および2次的な動脈または細動脈を塞ぐ単一の塞栓もしくは血栓または複数の血塊粒である。
「脳室内出血(intraventricular hemorrhage)」または「IVH」という用語は、脳の脳室の内側または周囲の出血を示すために用いられる。IVHはしばしば4つのグレードに分類される:グレード1:脳室の小さい範囲に出血が起こる;グレード2:脳室の内側にも出血が起こる;グレード3:血液によって脳室が大きくなる;グレード4:出血が脳室の周囲の脳組織に広がる。
「大脳の血流を増加させるか、または梗塞のサイズを低減させる」とは、たとえば脈管イメージングなど、当該技術分野において周知の技術を用いて定められた、処置哺乳動物を未処置哺乳動物と比較したときの、大脳の血流の統計学的もしくは生理学的に顕著な増加、および/または梗塞サイズの統計学的もしくは生理学的に顕著な低減を誘導することによって、臨床結果を改善する作用のことを意味する。好ましくは、拮抗薬の投与の2〜4時間後に定められた大脳血流は、未処置哺乳動物に比べて少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%増加する。望ましくは、拮抗薬の投与の48時間後に測定された梗塞サイズは、未処置哺乳動物よりも20%小さく、好ましくは50%小さい。
「梗塞」とは、血栓または塞栓による局部循環の閉塞によってもたらされる、組織または器官、たとえば心臓または脳などにおける壊死の領域である。梗塞サイズは公知の方法によって測定できる。
「梗塞関連動脈」とは、血栓または塞栓によって少なくとも部分的に遮断されたときに、組織または器官、たとえば心臓または脳などにおける梗塞の元となる動脈である。
「処置」とは、治療的処置および予防手段または防止手段の両方を示す。処置を必要とする対象には、すでに障害を有するものと、障害を予防すべきものとが含まれる。本明細書において好ましいのは、脳卒中、特に急性虚血性脳卒中に罹患したと診断された個体の処置である。
本明細書において用いられる「テネクテプラーゼ」という用語は、組織プラスミノゲン活性化剤改変体のTNK−tPAまたはTNKASE(商標)の商標としても公知であり、これはGenentech,Inc.(サウスサンフランシスコ、カリフォルニア州)より入手可能なT103N、N117Q、K296A、H297A、R298A、R299A tPAを示すtPA改変体を示し、ここでは野生型tPAのThr103がAsnに変更され(T103N)、野生型tPAのAsn117がGlnに変更され(N117Q)、野生型tPAのLys−His−Arg−Arg(SEQ ID NO:1)296−299がAla−Ala−Ala−Ala(SEQ ID NO:2)に変更される(KHRR296−299AAAA)。本明細書の「背景」部分および米国特許第5,612,029号を参照されたい。
「パッケージインサート」は、治療的製品の商業用パッケージに慣習的に含まれる指示書を示すために用いられ、これは適応、用法、用量、投与、禁忌、包装される製品と組合されるべき他の治療的製品、および/またはこうした治療的製品の使用に関する警告などに関する情報を含む。
「薬剤(medicament)」とは、脳卒中またはその症状もしくは副作用を処置するための活性薬物である。
「第2の薬剤」とは、脳卒中を処置するために第1の薬剤テネクテプラーゼを助けるために加えられ得る薬剤である。こうした第2の薬剤の例は、限定的でなく、アスピリン、細胞内接着分子(intercellular adhesion molecule:ICAM)−1およびLFA−1拮抗薬、たとえばエンリモマブ(抗−ICAM−1モノクローナル抗体)ならびに抗CD18および抗CD11a抗体などの抗体、ヒト抗白血球抗体、たとえばHu23F2Gなど、糖タンパク質IIbIIIa拮抗薬、たとえばエプチフィバチド(INTEGRELIN(商標))(血小板糖タンパク質IIb/IIIa受容体を選択的に遮断する静脈内の環状ヘプタペプチド)など、直接的トロンビン阻害剤、外部または局部超音波、機械的な血塊の回復(retrieval)または解離(inaceration)、フィブリン溶解剤、ニューロン外傷治療剤、たとえば塩基性線維芽細胞成長因子(例、FIBLAST(商標))など、神経保護剤、たとえばシチコリン(citicoline)、マグネシウム、ナルメフェン(nalmefene)、ジゾシルピン(dizocilpine)、ニモジピン、ラモトリジン、シパトリジン(sipatrigine)、ルベルゾール(lubelzole)、メキシレチン、クロメチアゾールなど、カルシウムおよびナトリウムチャンネル遮断剤、ベータアミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロプリオン酸拮抗薬、セロトニンアゴニスト、膜貫通型カリウムチャンネル調節剤、星状細胞活性化を阻害する薬剤(例、ONO2506)、酸化防止剤(例、MCI−186)、抗接着モノクローナル抗体ならびに血小板凝集を阻害する拮抗薬および抗体、たとえばアルガトロバンおよびアブシキシマブ(REOPRO(商標))など、フェニトイン、酸化窒素、CNS保護療法、フリーラジカルスカベンジャ、たとえばチリラザド、反応性酸素代謝産物および酸化防止剤など、ならびに下記に定義されるテネクテプラーゼ以外の血栓溶解剤、たとえばアシル化プラスミノゲン−ストレプトキナーゼ活性化剤複合体(acylated plasminogen−streptokinase activator complex:APSAC)、1本鎖ウロキナーゼ−プラスミノゲン活性化剤(single−chain urokinase−plasminogen activator:scu−PA)、ヘビ毒由来のトロンビン様酵素、たとえばアンクロド(好ましくは静脈内の、マレーのピットバイパーの毒に由来するフィブリノゲン低下剤)など、ストレプトキナーゼ(例、SAKSTAR(商標))、ウロキナーゼ、アニストレプラーゼ、アルテプラーゼ、サルプラーゼ、レテプラーゼ、ラノテプラーゼ(SUN−9216;Genetics Institute Inc.)、プラスミン、切断された形態のプラスミン(マイクロプラスミン;ThromboGenics Ltd)、血栓溶解に関連しない神経保護活性を有する直接作用性の血栓溶解剤、組換え型ナミチスイコウモリ唾液プラスミノゲン活性化剤(rDSPA)アルファ−1(Schering/Teijin Pharmaceuticals)、変異体フィブリン活性化ヒトプラスミノゲン(BB10153;British Biotech Inc.)、スタフィロキナーゼ、フィブロラーゼ、プロウロキナーゼ(M1またはM2動脈血栓への直接的な動脈内投与)、モンテプラーゼ(修飾されたrtPA)、パミテプラーゼ、チソキナーゼおよびチスイコウモリのプラスミノゲン活性化剤など、星状細胞機能改善剤、たとえばUS2004/0176347に開示されるものなど、スピントラップ剤(spin-trap agent)、たとえばNXY−059(cerovive)など、クロピドグレル、n−メチル−デキストロ−アスパラギン酸受容体遮断剤、抗痙攣剤、カスパーゼ3阻害剤、((t−ブチルイミノ)メチル)1,3(ベンゼン二スルホン酸二ナトリウムnオキシド)、エブセレン、グルタチオンペルオキシダーゼ、ノルフェナゾン、rovelizumab、ラクタシスチンベータラクトン、tsukubaenolide、4ホスホノメチルピペコリン酸、エリプロディル、ガングリオシドGMlに対する抗体、ならびに上記のいずれかの生物学的に活性な改変体、塩、および誘導体を含む。
「血栓溶解剤」とは、血栓を分解および/または溶解する分子である。例示的な血栓溶解剤は、ストレプトキナーゼ、アシル化プラスミノゲン−ストレプトキナーゼ活性化剤複合体(APSAC)、ウロキナーゼ、1本鎖ウロキナーゼ−プラスミノゲン活性化剤(scu−PA)、ヘビ毒由来のトロンビン様酵素、たとえばアンクロドなど(Bell,W.「Defibrinogenating enzymes」、Colmanら(編):Hemostasis and Thrombosis、Lippincott、フィラデルフィア(1987)p.886)、tPA、および上記の各々の生物学的に活性な改変体を含む。本発明において用いられ得る好適な血栓溶解剤は、たとえば米国特許第5,770,425号;第5,770,426号;第5,612,029号;第5,520,911号;第5,736,134号;第5,728,567号;第5,714,145号;第5,840,564号;第5,616,486号;第5,411,871号;第5,520,913号;第5,262,170号;および第5,108,901号に開示される。
本明細書において用いられる「共投与(Co−administration)」または「共投与すること(co−administering)」とは、単独で投与されるテネクテプラーゼの有効治療域の間に第2の薬剤を投与することを意味する。よって第2の薬剤はテネクテプラーゼの前、後、またはテネクテプラーゼと同時に投与されてもよい。第2の薬剤のタイプによって、たとえば抗CD18抗体などの第2の薬剤の投与は、好ましくはテネクテプラーゼの投与開始の約1時間前から直前(1〜15分前)に開始され、より好ましくはテネクテプラーゼの投与開始と同時に開始される。共投与は、テネクテプラーゼの投与開始後、たとえば約15〜30分から最大約3時間後に第2の薬剤を投与することも含む。共投与は単一調合物の形の投与を含み、ここで2つの薬剤は互いに物理的に分離されていてもよいが必ずしもそうである必要はない。
単独で投与されたテネクテプラーゼの「有効治療域」とは、テネクテプラーゼが単独で投与されるときに、テネクテプラーゼを受けていない対照よりも動脈中の血流の開放性の再確立に対する効果を示すような、動脈の遮断によってもたらされた梗塞後の期間または時間域を意味する。有効治療域はテネクテプラーゼに対して種依存性であるが、対照に対するテネクテプラーゼの効力を評価する標準的テストによって容易に定めることができる。
本明細書において用いられるときの「抗CD18抗体」という用語は、CD18(好ましくはヒトCD18)に結合してCD18の生物活性を阻害するかまたは実質的に低減させる抗体を示す。通常この抗体は、細胞表面にCD18サブユニットを発現する細胞(例、好中球)が内皮に結合する能力を(部分的または完全に)遮断する。
抗CD18抗体の例は、MHM23(Hildrethら(1983));M18/2(IgG2a;Sanches−Madridら、Eur.J.Immunol.13(3):202−208(1983));H52(American Type Culture Collection(ATCC)寄託HB10160);Mas191cおよびIOT18(Vermot Desrochesら、Scand.J.Immunol.33(3):277−286(1991));ならびにNA−8(WO94/12214)を含む。好ましい抗体は、MHM23またはH52のいずれかが結合するCD18エピトープに結合する抗体である。好ましくは、この抗体はCD18ポリペプチドに対して高親和性を有する。好ましい実施形態において、この抗体はCD18抗原に対して約4nMまたはそれ以下の親和性を有する。好ましくは、親和性は約3nMまたはそれ以下であり、最も好ましくは約1nMまたはそれ以下である。特定の実施形態において、この抗体はCD18のCD11bと結合する細胞外ドメイン内の領域に結合してもよく、この抗体はアルファ鎖およびベータ鎖を解離させてもよい(例、この抗体は、MHM23抗体がそうであるようにCD11bとCD18との複合体を解離させてもよい)。
II.発明を実施するための様式
テネクテプラーゼなどの血栓溶解剤による脳卒中の処置の結果ならびに処置後の脳卒中患者の生存および回復は、早期の介入に加えて、血栓溶解療法が施された態様に密接に関係する。本発明は、テネクテプラーゼによる脳卒中の処置、特に急性虚血性脳卒中の処置に対する改善されたプロトコルを提供する。本発明の処置プロトコルおよび投与レジメンは、最大限の効力および安全性を示す薬物動態学的プロファイルをもたらすため、脳卒中の血栓溶解療法における顕著な進歩を表わすものである。
1つの局面において、本発明はヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するための方法を提供し、この方法は、ヒトにテネクテプラーゼを約0.05mg/kgから0.15mg/kg(好ましくは約0.2mg/kgから0.3mg/kg、より好ましくは約0.25mg/kg)の合計用量で投与するステップを含み、このテネクテプラーゼは約0.015mg/kgから0.15mg/kgの初期用量のボーラス(好ましくは約0.08mg/kgから0.12mg/kgのボーラス、より好ましくは約0.1mg/kgのボーラス)として与えられた後に、合計約0.05mg/kgから0.5mg/kg(好ましくは約0.2mg/kgから0.3mg/kg、より好ましくは約0.25mg/kg)の合計への残りの量を約50〜90分、より好ましくは約55〜70分、最も好ましくは約60分の期間にわたって注入されることによって与えられる。たとえば合計用量が約0.25mg/kgのテネクテプラーゼであるとき、初期ボーラス用量は好ましくは約0.1mg/kgであり、その後の注入は約0.15mg/kgである。現在の実験に基づくと、これは最も好ましいレジメンであり、ここで後続の注入は約60分間にわたって与えられる。ただし、最も好ましい投薬計画は、脳卒中の特定のタイプおよび範囲、患者の状態、脳卒中の始まりからの経過時間などを含むさまざまな要因に依存して、指定された投薬範囲内で変動し得る。
テネクテプラーゼの注入はボーラス用量が完了した直後に続いてもよいし、ボーラス用量の完了から最大約30分間離されてもよいが、ボーラス用量が完了した直後に注入を始める方が好ましい。好ましくは、ボーラス注射は静脈内に行なわれるが、動脈内など他の手段で注射されてもよい。好ましくは、注入は静脈内、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑液内、または髄膜下の経路によって連続的に行なわれるが、好ましい注入は静脈内である。
代替的な局面において、ヒトにおける急性虚血性脳卒中は、合計用量約0.05mg/kgから0.15mg/kg、好ましくは約0.2mg/kgから0.3mg/kg、より好ましくは約0.25mg/kgの、ボーラス用量のみで与えられるテネクテプラーゼを投与することによって処置される。好ましくは、ボーラスは静脈内である。
脳卒中は重篤な状態であり、米国における3番目に大きな死因である。生存および回復の程度は診断および介入の時間の関数であるため、本発明の方法においては、神経学的調査における急性の障害によって急性虚血性脳卒中の状態が診断されるか、または示唆されればできる限り早く患者にテネクテプラーゼを投与することが予期されている。
急性虚血性脳卒中の最初の臨床的提示は代表的に、以下のうち1つまたはそれ以上を含む:(1)意識の変化、たとえば昏迷または昏睡、混乱または動揺、記憶の喪失、発作および/またはせん妄;(2)意識レベルの減少/神経学的障害に関連し、および/または異常な/重篤な首もしくは顔面の痛みを含む、激しいかまたは異常に重篤な頭痛;(3)失語症(話の首尾が一貫しない、または話の理解が困難);(4)顔面の脱力または非対称性;(5)1本またはそれ以上の手足の非協調性、脱力、麻痺または感覚の喪失;(6)運動失調(バランスの悪さ、ぎこちなさまたは歩行困難);(7)視覚の損失;および(8)激しいめまい、複視、一側性の聴力損失、悪心、嘔吐および/または羞明。これらの発現の1つまたはそれ以上が存在することは、急性虚血性脳卒中の最初の徴候である可能性があり、それは引続き識別診断および神経学的調査を行なうことによって検証できる。
神経学的調査、および任意にはニューロイメージング技術、たとえばコンピュータ断層撮影(computed tomography:CT)(ノンコントラストCTおよび灌流CTを含む)および磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging:MRI)(拡散強調イメージング(diffusion weighted imaging:DWI)および灌流イメージング(perfusion imaging:PI)を含む);脈管イメージング(例、二重走査および経頭蓋ドップラー超音波およびレーザドップラー);および血管造影法(例、コンピュータデジタル消去血管造影法(digital subtraction angiography:DSA)およびMR血管造影法)など、ならびにその他の侵襲性または非侵襲性の技術が、急性虚血性脳卒中の診断のために利用可能である。
脳卒中の重篤度を評価するために利用可能ないくつかの尺度がある。これらの尺度は、Barthel指数(MahoneyおよびBarthel、Maryland State Medical Journal、14:56−61(1965))、修正Rankin尺度(Rankin、Scot.Med.,J.、2:200−215(1957);van Swietenら、Stroke、19:604−607(1988);Duncanら、Stroke、31:1429−1438(2000))、グラスゴー転帰尺度(JennettおよびBond、Lancet、l(7905):480−4(1975);Teasdale、J.Neuro.Neurosurg.Psychiatry、41:603−610(1978);Jennettら、Lancet、1:480−484(1995))および米国立衛生研究所の脳卒中尺度(the National Institute of Health Stroke Scale:NIHSS)(Brottら、Stroke、20:864−870(1989))を含む。本発明の方法は、すべての段階の重篤度における急性虚血性脳卒中の処置に対して好適である。
好ましくは、本明細書の用量および投与レジメンのテネクテプラーゼが、脳卒中の始まりの直後から約24時間後までのあらゆる時間に少なくとも1回投与される。特定の実施形態において、テネクテプラーゼは最初に、脳卒中の始まりから約15分(または約30分または45分)から約20時間(より好ましくは約10時間、または約6時間、または3時間、または約90分、または約60分)の間に患者に投与される。特定の実施形態においては、急性虚血性脳卒中に一致する徴候および症状の始まりを示してから3時間以内の患者が、本発明に従ってテネクテプラーゼによる血栓溶解療法を受ける。
本明細書の方法においては、有効量の第2の薬剤(テネクテプラーゼが第1の薬剤である)をテネクテプラーゼとともに患者に投与してもよい。第2の薬剤は1つまたはそれ以上の薬剤であってもよく、たとえば上に示した薬剤などを含んでもよい。こうした好ましい薬剤は神経保護剤、抗痙攣剤、スピントラップ剤、細胞内接着分子(ICAM)−1およびLFA−1拮抗薬、たとえば抗CD11aおよび抗CD18抗体など、糖タンパク質IIbIIIa拮抗薬、ニューロン外傷治療剤、血小板凝集および付着を阻害する抗体、ならびにヒト抗白血球抗体、またはテネクテプラーゼ以外の血栓溶解剤を含む。より好ましいのは神経保護剤、他の血栓溶解剤、糖タンパク質IIbIIIa拮抗薬、および抗CD18抗体である。
これらの第2の薬剤は一般的に、上記において用いられたものと同じ用量および投与経路で、またはこれまでに用いられた用量の約1%から99%までが用いられる。こうした第2の薬剤が用いられるとき、特にテネクテプラーゼを伴う最初の投薬よりも後の投薬において、第2の薬剤はテネクテプラーゼが存在しないときよりも少量用いられることによって、第2の薬剤によってもたらされる副作用をなくすかまたは低減させることが好ましい。
テネクテプラーゼのボーラス投薬とともに第2の薬剤の有効量が投与されるとき、第2の薬剤はたとえばこうした投薬の1回分のみ、またはこうした投薬の2回分以上など、あらゆるこうした投薬とともに投与されてもよい。実施形態の1つにおいて、第2の薬剤は最初のボーラス投薬とともに投与される。別の実施形態においては、第2の薬剤は第1および第2の投薬とともに投与される。さらなる実施形態においては、第2の薬剤はすべてのテネクテプラーゼ投薬とともに投与される。
組合せ投与は、別個の調合物または単一の医薬調合物を用いる共投与(同時投与)と、いずれかの順序での連続的投与とを含み、ここでは両方(またはすべて)の活性薬剤がその生物活性を同時に発揮する期間があることが好ましい。好ましくは、最初の曝露の後に、こうした薬剤の量を低減させるかまたはなくすことによって、プレドニゾンおよびシクロホスファミドなどの副作用を有する薬剤への対象の曝露を低減させる。
加えて、脳卒中を処置するために、INTERCOOL(商標)デバイスなどのデバイスおよび/または33℃もしくは類似の温度における外部氷の使用がテネクテプラーゼとともに利用されてもよい。
テネクテプラーゼの治療的調合物は、所望の精製度を有するテネクテプラーゼを、任意の生理学的に許容できる担体、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol,A.編(1980))と混合し、凍結乾燥調合物または水溶液の形にすることによって、保存のために調製される。許容できる担体、賦形剤または安定剤とは、使用される用量および濃度において受容者に対する毒性がないものであり、たとえばリン酸、クエン酸およびその他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基より小さい)ポリペプチド;たとえば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;たとえばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、トレハロースまたはデキストリンを含む単糖類、二糖類およびその他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;たとえばマンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;たとえばナトリウムなどの塩形成対イオン;および/またはたとえばTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはPEGなどの非イオン性界面活性剤を含む。
活性成分は、たとえばコアセルベーション技術または界面重合などによって調製されたマイクロカプセル、たとえば、それぞれコロイド薬物送達系(たとえばリポソーム、アルブミン微小球、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセルなど)、またはマクロエマルジョンにおける、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルなどに閉じ込められてもよい。こうした技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol,A.編(1980)に開示される。
インビボ投与に用いられる調合物は無菌である必要がある。これは凍結乾燥および還元の前または後に滅菌ろ過膜でろ過することによって容易に達成される。
徐放性の調製物が用いられてもよい。徐放性調製物の好適な例は、テネクテプラーゼを含有する固体疎水性ポリマーの半透過性のマトリクスを含み、このマトリクスはたとえばフィルムまたはマイクロカプセルなどの形成された物品の形態である。徐放性マトリクスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル(たとえば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)など)、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタミン酸とのコポリマー、非分解性のエチレン−酢酸ビニル、分解性の乳酸−グリコール酸コポリマー、たとえばLUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドからなる注射可能な微小球)など、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸などのポリマーは100日以上にわたって分子を放出できるが、特定のヒドロゲルがタンパク質を放出する期間はもっと短い。カプセル化された抗体が長時間体内に残ると、37℃における水分への曝露の結果として抗体が変性または凝集する可能性があり、その結果生物活性が失われたり免疫原性が変化したりするおそれがある。含まれる機構に依存して、安定化のための合理的戦略を工夫できる。たとえば、凝集機構がチオ−ジスルフィド相互交換を通じた分子間S−S結合形成であることが見出されるとき、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の調節、適切な添加剤の使用、および特定のポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されてもよい。
徐放性テネクテプラーゼ組成物は、リポソームに閉じ込められたテネクテプラーゼも含む。テネクテプラーゼを含有するリポソームは、以下に記載されるものなどの当該技術分野において公知の方法によって調製される:Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:3688(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4030(1980);ならびに米国特許第4,485,045号および第4,544,545号。通常、リポソームは小さい(約200〜800オングストローム)単層タイプであり、その脂質含有量は約30mol.%のコレステロールより高く、選択される割合は最適なテネクテプラーゼ療法に対して調節される。米国特許第5,013,556号には、循環時間を増大させたリポソームが開示される。
用いるべきテネクテプラーゼの正確な合計用量、ならびにボーラスによる用量および注入による用量をどれ位にするか、またはボーラスのみを用いるべきかどうかは、たとえば処置される脳卒中の正確な性質、脳卒中の重篤度および経過、テネクテプラーゼを予防目的で投与するのか治療目的で投与するのか、過去の療法、患者の臨床的履歴およびテネクテプラーゼに対する応答、ならびに主治医の裁量などに左右される。この療法の進行は、本明細書に詳述される従来の技術およびアッセイによって容易にモニタリングされる。
本発明の別の実施形態においては、脳卒中における臨床結果を改善するために有用な材料を含有する製造物およびキットが提供される。この製造物は、ラベルを有する容器を含む。好適な容器は、たとえばボトル、ガラス瓶および試験管などを含む。容器は、ガラスまたはプラスチックなどのさまざまな材料から形成されてもよい。容器は、本明細書において定義されるような脳卒中の処置に対して有効な組成物を保持し、滅菌されたアクセスポートを有してもよい(たとえばこの容器は、皮下注射針によって貫通可能なストッパを有する静脈内溶液バッグまたはガラス瓶であってもよい)。組成物中の活性薬剤はテネクテプラーゼである。容器上のラベルは、この組成物が上述のように脳卒中を処置するために用いられることを示し、さらに上述のようなインビボ使用に対する説明を示してもよい。
具体的には、実施形態の1つにおいて、このキットはテネクテプラーゼを含む容器と、ヒトにテネクテプラーゼを約0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量で投与することによってヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するためにテネクテプラーゼを使用するための指示書とを含み、このテネクテプラーゼは(a)約0.015mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で与えられた後に、合計用量から初期用量を差引いたものに等しい量で約50〜90分の期間にわたって注入されるか、または(b)ボーラスで与えられる。好ましくは、合計用量は約0.2mg/kgから0.3mg/kg、より好ましくは約0.25mg/kgであり、上記の選択肢(a)における初期用量は約0.08mg/kgから0.12mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kgである。
このキットの実施形態の1つにおいて、合計用量は初期ボーラスと、それに続く注入として与えられる。好ましい実施形態においては、合計用量は約0.25mg/kgであり、それは初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、約60分間にわたって約0.15mg/kg注入される。
このキットの別の実施形態において、合計用量はボーラスで与えられる。
これらのキットは任意に、第2の薬剤を保持する容器をさらに含んでもよく、ここで指示書は、有効量の第2の薬剤をヒトに投与することによってヒトにおける虚血性脳卒中を処置するためにテネクテプラーゼと組合せて第2の薬剤を用いるための説明を含む。例示的な第2の薬剤および好ましい第2の薬剤は上に示されている。
本発明のキットは、たとえばリン酸緩衝食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容できる緩衝液を含む別の容器をさらに含んでもよい。このキットには、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、注射器、および使用に対する指示を有するパッケージインサートを含む、商業的見地および使用者の見地から望ましいその他の材料がさらに含まれてもよい。
以下の実施例は例示のために提供されるものであって限定のためのものではない。明細書中のすべての引用の開示は明白にここに引用により援用される。
急性虚血性脳卒中の処置のためのテネクテプラーゼの投与レジメンの決定
テネクテプラーゼによるAISの処置の安全性および効力を改善する投薬戦略は、PKモデリングを行なうことによって開発された。
ACTIVASE(登録商標)(アルテプラーゼ)(Gulbaら、J.Am.Coll.Cardiol、30/7、1611−1617(1997);Tanswellら、J.Am.Coll.Cardiol、19/5、1071−1075(1992))およびTNKase(テネクテプラーゼ)(Wang−Clowら、Am.Heart J.、141 133−40(2001);Tanswellら、Clin.Pharmacokinet、41/15、1229−45(2002))の両方に対して、血栓溶解剤による効力の結果は、用量および濃度に関係することが確認されている。この観察から、血栓溶解剤による用量選択に対するPKに基づくアプローチが適切であることが示唆された。さらに、ウサギのインビボPKおよび薬力学的(pharmacodynamic:PD)研究のPK分析から、曲線下面積(area under the curve:AUC)および50%血塊溶解までの時間を比較するとき、アルテプラーゼおよびTNKaseは効力がほぼ等しいことが示唆された(Thomasら、Stroke、25/10、2072−2078(1994))。このことは、アルテプラーゼおよびTNKaseによって処置されたAMI患者のTIMI10B臨床研究からも推測され、ここでは効力および安全性の結果が同様であることが見出されただけでなく、30分および90分という重要な処置時点におけるアルテプラーゼおよびTNKaseの濃度も類似していることが見出された。これらの時点はそれぞれ、アルテプラーゼの注入速度の変更および注入終了を示すため、重要であった(Modiら、J.Clin.Pharm.、40/5:508−515(2000))。このことから、処置期間(0〜60分)中のアルテプラーゼの濃度時間プロファイルおよび曝露を再現するTNKase投与レジメンは、薬物濃度と応答との関係および類似濃度における同様の効力のために、AISにおける同様の効力および安全性の改善の可能性をもたらし得ることが結論付けられた。
したがって、AISに対するTNKaseの適切な用量を提供するために、アルテプラーゼ急性心筋梗塞(AMI)PK履歴データならびにAMIおよび脳卒中におけるTNKaseデータを用いてPKモデリングが行なわれた。PKモデリングに基づくと、初期ボーラスで約0.1mg/kg与えられた後に、60分間にわたって0.15mg/kg注入される0.25mg/kgの用量が好ましいレジメンであった。AIS投薬戦略におけるTNKase用量に対する第2の選択は、0.25mg/kgボーラスのボーラスであった。
0.9mg/kg(1分間にわたる10%ボーラスおよび1時間の残りの時間にわたる90%)のUSPI投薬に関連する、処置期間中のアルテプラーゼの曝露および濃度時間プロファイルを再現することを意図したモデリングおよびシミュレーションアプローチを用いて、TNKase投与レジメンが得られた。これは、公表されたPKパラメータおよび濃度に基づいてアルテプラーゼの構造およびエラーモデル(PKモデル)を確立すること、ならびにインハウスAMIおよびAISのPKデータからTNKase集団PKモデル(population PK model:PPKモデル)を構築することを必要とした。
すべての計算は、NONMEMモデリングソフトウェアパッケージバージョン5(Beal、BoeckmanおよびSheiner、NONMEM user’s guide、1988−1992.1992.サンフランシスコ、カリフォルニア州、University of California at San Francisco)を用いて行なわれた。アルテプラーゼは、2コンパートメントおよび3コンパートメントPKに従うと記載されていた(Seifriedら、Thrombosis & Haemostasis、61/3:497−501(1989);Tanswellら、Arzneimittelforschung、41/12:1310−19(1991);Tanswellら、Clin.Pharmacol.Ther.、46/2:155−62(1989);Tanswellら、J.Amer.College of Cardiology.19/5:1071−75(1992);Tebbeら、The American Journal of Cardiology、64/8:448−53(1989))。2コンパートメントモデルが選択されたのは、最も近年に文献に記載されており、かつより一般的に用いられるフロントローディング投与レジメンを伴っていたためである(Neuhausら、J.Am.Coll.Cardiol.、19/5:885−891(1992))。PKパラメータならびに30分および90分における濃度の平均および標準偏差も用いられた(Tanswellら、J.Am.Coll.Cardiol.、19/5:1071−75(1992))。このモデルはアルテプラーゼに対するAMI投与レジメンに関連するPKに基づいているが、PKパラメータはAISに対するアルテプラーゼのUSPI投薬によって得られる濃度のシミュレーションに用いるために妥当な近似であると考えられた(Genentech)。シミュレーションに用いられた最終アルテプラーゼPKモデルパラメータを表Iにまとめている。
TNKaseのPPKモデルは、AMI試験TIMI10B(Modiら、前出)および予備的な用量漸増AIS試験からの個々の患者の血清濃度データを用いて得られた。組合されたデータは、2コンパートメントモデルを用いて最もよく説明された。最終モデル結果を表IIにまとめている。
TNKaseのPKアッセイは内因性tPAと投与されたTNKaseとを区別していないため、内因性tPAレベルを獲得するためにモデルにはベースラインパラメータが含まれた。重量および年齢は、以下の式に従ってクリアランス(clearance:CL)における共変量として含まれた:
はCLの集団推定値であり、CLは個々のCLであり、WTは81.8をメジアン重量とする個々の重量であり、AGEは58をメジアン年齢とする個々の年齢である。次いでこのTNKaseのPPKモデルを用いて、AIS投与レジメンの推定および候補投与レジメンのシミュレーションが行なわれ、アルテプラーゼに対して予期されるものと同様の濃度−時間プロファイルおよび曝露を生成するための努力がなされた。
TNKase投与レジメンに対する根拠は、60分の処置期間中のアルテプラーゼに対するUSPI投与レジメンの濃度−時間プロファイルおよび曝露であった(図1)。これをTNKase投薬に対する近似目標として用いるという戦略を用いた。図1から、10%のアルテプラーゼボーラスは定常状態に近い薬物濃度をもたらした後、残りの60分にわたってほぼ一定のアルテプラーゼ濃度が続くことが示唆された。次いで、2〜60分において2分ごとに得られたモデル推定メジアン濃度値を用いて平均有効濃度(コンピュータプログラムJMPバージョン5.1.2003)(SAS Institute Inc.)およびAUCを算出した。
観察された時間−濃度プロファイルに基づいて、脳卒中に対する第1のTNKレジメンはボーラス後の一定の注入を含んだ。平均有効濃度に達するために必要とされるボーラス用量は、以下の式によって得られた:
アルテプラーゼ平均有効濃度およびTNKase
(集団体積)はそれぞれ〜1800ng/mLおよび4072mLであり、0.1047mg/kgの近似TNKaseボーラス用量を必要とした。
アルテプラーゼ曝露はAUC0〜60分として定められた。この60分の投薬期間中の同様の曝露を得るために必要とされるTNKase用量は、以下の式から得られた:
60分の投薬期間中のアルテプラーゼAUCは、以下の式によって算出された:
アルテプラーゼAUC=Ceffective×60分
ここで:
effective=0〜60分の平均アルテプラーゼ有効濃度
アルテプラーゼに対する平均有効濃度はおよそ1800ng/mLであり、その結果AUCは108,000ngmin/mLとなった。TNKase集団クリアランスが105mL/minであるとき、有効濃度に近似する濃度および曝露を維持するために必要とされる合計TNKase用量は、1時間にわたって投与される0.16mg/kgであった。
0.1mg/kgのボーラスおよび60分間にわたる0.15mg/kgの注入という、より臨床的に適用可能な用量は、算出された0.1047mg/kgのボーラス用量および0.16mg/kgの60分注入から同定されたものであり、1000対象シミュレーションにおいてテストされた。図2は、このレジメンの平均濃度、第5および第95百分位数濃度をアルテプラーゼに対するモデル予測濃度と比較した様子を示す。
0〜60分の処置期間および60〜120分の処置後期間に対するAUC、ならびに0〜120分の全AUCは、コンピュータプログラムWinNonlinバージョン3.0 2001(WinNonlin)を用いて算出され、表IIIにまとめられている。
これらの結果に基づいて、1分間にわたる0.1mg/kgのボーラスおよび1時間の残り時間にわたる0.15mg/kgとして投与される0.25mg/kgのTNKaseの用量が、AISにおけるTNKaseに対する適切な投与レジメンであると定められた。
結果を向上できるかどうかを定めるために、付加的な投与レジメンを検討した。脳卒中におけるアルテプラーゼの認可を導いた臨床研究において、出血は用量を制限する毒性であった。しかし、AMI文献は、より高濃度の血栓溶解剤が血塊溶解を改善し得ることを示唆した。この応答に対する曝露の関係は、アルテプラーゼがフロントローディング投与レジメンとして投与された少なくとも2つの研究において観察され、AMIにおける結果の改善をもたらした(Gulbaら、前出;Neuhausら、前出)。TNKaseのフィブリン特異性によって、理論上はフィブリノゲンに対する影響およびその後の出血の危険性を減少させながらより高用量にすることが可能となり得るため、0.25mg/kgのボーラス投与レジメンが検討された。その目的は、フィブリノゲンを変化させたり出血の危険性を増加させたりすることなく、より高い初期用量を投与することによって血塊溶解を改善する(AMIにおけるアルテプラーゼによって観察されるものと一致する)ことであった。このボーラスレジメンは、ボーラス−注入レジメンによって観察される、より遅い時点における低レベル曝露も低減させ得る。
図3は、メジアンモデル予測アルテプラーゼ濃度を、0.25mg/kgのボーラスレジメンからのモデル予測TNKaseメジアン、第5および第95百分位数濃度とともに示す。表IVはAUC値をまとめて、基本的な時点における濃度を比較したものである。全体的に、0.25mg/kgのボーラスのシミュレーションから観察された曝露および濃度時間曲線から、ボーラスのみの処置に対するこのレジメンは適切であることが示唆された。
まとめると、薬物動態学的モデリングおよびシミュレーションを用いて、急性虚血性脳卒中の処置に用いるためのTNKaseのボーラス−注入投与レジメンおよびボーラスのみの投与レジメンが定められた。これらの投与レジメンは、AIS患者に投与されるときにテネクテプラーゼからアルテプラーゼに比べて改善された安全性および効力を提供するように設計された。
本発明を必然的に好ましい実施形態および特定の実践例とともに説明したが、当業者は前述の明細書を読んだ後に、本明細書の精神および範囲から逸脱することなく本明細書に示される内容にさまざまな変更、同等物の置換、および修正をもたらすことが可能である。よって、本発明は本明細書に具体的に記載されるもの以外の態様で実行され得る。したがって、本特許証によって与えられる保護は、添付の請求項およびその同等物によってのみ限定されることが意図される。

Claims (18)

  1. ヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するための組成物であって、該組成物は、テネクテプラーゼを含み、該組成物は、前記ヒトに、0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量のテネクテプラーゼが、0.015mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で投与された後に、合計用量から初期用量を差引いたものに等しい量で50〜90分の期間にわたって注入されるように投与され、該組成物は急性虚血性脳卒中の始まりから15分から20時間の間の時間に該ヒトに投与されることを特徴とする、組成物。
  2. 前記合計用量は0.2mg/kgから0.3mg/kgである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記合計用量は0.25mg/kgである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記初期用量は0.08mg/kgから0.12mg/kgのボーラスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記初期用量は0.1mg/kgのボーラスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 注入の前記期間は55〜70分である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 注入の前記期間は60分である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記組成物は、前記ヒトに、0.25mg/kgの合計用量のテネクテプラーゼが、初期ボーラスで0.1mg/kg与えられた後に、60分間にわたって0.15mg/kg注入されるように投与されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記組成物は急性虚血性脳卒中の始まりから30分から6時間の間の時間に前記ヒトに投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記組成物は急性虚血性脳卒中の始まりから30分から3時間の間の時間に前記ヒトに投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記ボーラスは静脈内である、請求項1〜1のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記組成物は、有効量の第2の薬剤と組合わせて前記ヒトに投与され、該第2の薬剤は、神経保護剤、血栓溶解剤、糖タンパク質IIb/IIIa拮抗薬、または抗CD18抗体であることを特徴とする、請求項1〜1のいずれか1項に記載の組成物。
  13. (a)テネクテプラーゼを含有する容器と;
    (b)テネクテプラーゼを0.05mg/kgから0.5mg/kgの合計用量で投与することによってヒトにおける急性虚血性脳卒中を処置するためにテネクテプラーゼを使用するための指示書とを含み、テネクテプラーゼは0.015mg/kgから0.15mg/kgの初期ボーラス用量で与えられた後に、合計用量から初期用量を差引いたものに等しい量で50〜90分の期間にわたって急性虚血性脳卒中の始まりから15分から20時間の間の時間に注入される、
    キット。
  14. 前記合計用量は0.2mg/kgから0.3mg/kgである、請求項1に記載のキット。
  15. 前記合計用量は0.25mg/kgである、請求項1または1に記載のキット。
  16. 前記初期ボーラス用量は0.08mg/kgから0.12mg/kgである、請求項1〜1のいずれか1項に記載のキット。
  17. 前記合計用量は0.25mg/kgであり、初期ボーラスで0.1mg/kg与えられた後に、60分間にわたって0.15mg/kg注入される、請求項1〜1のいずれか1項に記載のキット。
  18. 第2の薬剤を含む容器をさらに含み、前記指示書は、有効量の第2の薬剤をヒトに投与することによって前記ヒトにおける虚血性脳卒中を処置するために前記テネクテプラーゼと組合せて第2の薬剤を用いるための指示書を含み、該第2の薬剤は、神経保護剤、血栓溶解剤、糖タンパク質IIb/IIIa拮抗薬、または抗CD18抗体である、請求項1〜1のいずれか1項に記載のキット。
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