JP5783346B1 - タッチセンサ - Google Patents

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Abstract

タッチセンサ(10)は、押圧検出センサ(20)と位置検出センサ(30)を備える。押圧検出センサ(20)は、圧電フィルム(21)と、該圧電フィルム(21)の第1主面に配置された第1圧電検出用電極(22)と、圧電フィルム(21)の第2主面に配置された第2圧電検出用電極(23)を備える。位置検出センサ(30)は、誘電体基板(31)と、誘電体基板(31)の第1主面に配列形成された複数の第1位置検出用電極(32)と、誘電体基板(31)の第2主面に配列形成された複数の第2位置検出用電極(33)とを備える。押圧検出センサ(20)について、第1圧電検出用電極(22)は、圧電フィルム(21)の略全面に形成されている。第2圧電検出用電極(23)は、圧電フィルム(21)の略全面に形成されているが、第1位置検出用電極(32)と第2位置検出用電極(33)が重なる領域には電極非形成部(231)が設けられている。

Description

本発明は、操作面へのタッチ位置の検出と操作面への押し込みを検出するタッチセンサに関する。
従来、操作者が操作面に触れたことで操作入力を検出するタッチ式入力装置が各種考案されている。タッチ式入力装置としては、操作面へのタッチ位置と、操作面の押し込みや当該押し込みによる押圧力を検出する装置がある。
例えば、特許文献1に記載のタッチ式入力装置は、平板状の感圧センサ(押圧検出センサ)と平板状の静電式位置検出センサを重ねた構造である。押圧検出センサは押し込みの有無や押圧力を検出し、静電式位置検出センサは操作位置を検出する。
静電式位置検出センサは、誘電体基板と、当該誘電体基板にマトリクス状に配列形成された位置検出用電極とを備える。位置検出用電極は、誘電体基板の対向する両主面に配置されている。押圧検出センサは、圧電体と、当該圧電体が発生する電荷を検出するための圧電検出用電極とを備える。圧電検出用電極は、圧電体の対向する両主面に配置されている。
特開平5−61592号公報
上述のように、静電式位置検出センサと押圧検出センサとを備えるタッチセンサの場合、タッチセンサの裏面側から入射した光は、押圧検出センサの裏面側の圧電検出用電極、圧電体、押圧検出センサの表面側の圧電検出用電極、静電式位置検出センサの裏面側の位置検出用電極、誘電体基板、および静電式位置検出センサの表面側の位置検出用電極を少なくとも、透過して、操作面である表示面へ出射される。
このため、個々の透光率が高いとしても、タッチセンサとしての透光率は低下してしまうことがある。
したがって、本発明の目的は、従来構成よりも透光率が高いタッチセンサを提供することにある。
この発明のタッチセンサは、押圧検出センサ、および、静電式位置検出センサを備え、次の構成を特徴としている。押圧検出センサは、厚み方向に直交する第1面と第2面とを有する圧電フィルムと、第1面に配置された第1圧電検出用電極と、第2面に配置された第2圧電検出用電極とを備える。静電式位置検出センサは、厚み方向に直交する第3面と第4面とを有する誘電体基板と、第3面に配置された第1位置検出用電極と、第4面に配置された第2位置検出用電極とを備える。
押圧検出センサと静電式位置検出センサは、第1面および第2面と、第3面および第4面が平行になるように配置されている。第1圧電検出用電極は第1面の略全面に配置されている。第2圧電検出用電極は、押圧検出センサおよび静電式位置検出センサを厚み方向に沿って見て、第1位置検出用電極と第2位置検出用電極が重なる位置に電極非形成部を備える。
この構成では、第1位置検出用電極と第2位置検出用電極が重なる領域では、厚み方向に、第1、第2位置検出用電極と第1圧電検出用電極が重なる。一方、第1位置検出用電極と第2位置検出用電極とが重ならない領域では、厚み方向に、第1位置検出用電極もしくは第2位置検出用電極と、第1、第2圧電検出用電極とが重なる。すなわち、タッチセンサの主面となる操作面から見ると、電極が形成される全ての領域で、電極が3層構造となり、従来の4層構造よりも層数が少なくなる。これにより、タッチセンサとしての透光率が向上する。
また、この発明のタッチセンサでは、電極非形成部は、押圧検出センサおよび静電式位置検出センサを厚み方向に沿って見て、第2位置検出用電極の配置領域に重なる領域を含むことが好ましい。
この構成では、第2位置検出電極の配置領域では、第2圧電検出用電極が存在しないので、第2位置検出電極の配置領域での透光率をさらに向上させることができる。
また、この発明のタッチセンサでは、電極非形成部は、押圧検出センサおよび静電式位置検出センサを厚み方向に沿って見て、第1位置検出用電極の配置領域の少なくとも一部に重なる領域を含むことが好ましい。
この構成では、第1位置検出電極に重なる領域の一部において、第2圧電検出用電極が存在しないので、さらに、第1位置検出電極の配置領域の一部での透光率を向上させることができる。
また、この発明のタッチセンサでは、第1位置検出用電極は、静電式位置検出センサを厚み方向に沿って見て、第2位置検出用電極と重なる領域の幅が、第2位置検出用電極と重ならない領域の幅よりも狭いことが好ましい。
この構成では、第1位置検出電極と第2位置検出用電極の重なる面積が小さくなるので、より透光性を向上させることができる。
また、この発明のタッチセンサでは、第1圧電検出用電極は、圧電フィルムの第1面に透光性ハードコート層を介して形成されている。
この構成では、第1圧電検出用電極を形成するベースフィルムと当該ベースフィルムを圧電フィルムに接着する粘着剤とが、1枚の透光性ハードコート層に置き換えられる。これにより、押圧検出センサの透光性を向上できる。さらに、押圧検出センサを薄くできる。これにより、より透光性が高く、より薄型のタッチセンサを実現できる。
また、この発明のタッチセンサでは、圧電フィルムは、一軸方向に延伸されたポリ乳酸であることが好ましい。
この構成では、高い透光性を有し、押圧検出の感度を向上させることができる。
この発明によれば、従来構成よりも透光率が高いタッチセンサを実現できる。
本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサの構成を示す側面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサの各層の電極パターンを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサを備えるタッチ式入力装置の構成を示す側面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るタッチセンサの各層の電極パターンを示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るタッチセンサの各層の電極パターンを示す平面図である。
本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサについて、図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサの構成を示す側面断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサの各層の電極パターンを示す平面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係るタッチセンサを備えるタッチ式入力装置の構成を示す側面断面図である。なお、図3ではタッチセンサを構成する押圧検出センサおよび位置検出センサの概略形状のみを記載している。
図1、図2に示すように、タッチセンサ10は、押圧検出センサ20と位置検出センサ30とを備える。押圧検出センサ20と位置検出センサ30は、平面視して矩形の平板形状からなる。押圧検出センサ20と位置検出センサ30は、主面が平行になるように重ねて配置されている。タッチセンサ10は、カバー部材40の裏面側に装着されている。カバー部材40は、ガラス板やアクリル板等の透光性と絶縁性を有する。カバー部材40は、表面が操作面で且つ表示画像の表示面である。
押圧検出センサ20と位置検出センサ30は、位置検出センサ30、押圧検出センサ20の順で、カバー部材40側から配置されている。カバー部材40と位置検出センサ30は透光性の粘着剤12によって接着され、位置検出センサ30と押圧検出センサ20は透光性の粘着剤11によって接着されている。粘着剤11,12は、例えば、アクリル系粘着剤からなる。
このような構成のタッチセンサ10は、図3に示すように、タッチ式入力装置1の一部として組み込まれる。タッチ式入力装置1は、略直方体形状の筐体50を備える。筐体50の表面側は開口している。筐体50内には、タッチセンサ10(押圧検出センサ20と位置検出センサ30の積層体)、カバー部材40、表示パネル60、および、制御部を実現する演算回路モジュール70が配置されている。これらは、筐体50の開口面(操作面、兼、表示面)側から順に、厚さ方向に沿って、カバー部材40,タッチパネル10、表示パネル60、演算回路モジュール70の順で配置される。表示パネル60は、液晶パネル、有機ELパネル等の薄型ディスプレイからなる。演算回路モジュール70は、押圧検出センサ20および位置検出センサ30が出力する検出信号から、操作位置および押圧力を算出する。
次に、タッチパネル10のより具体的な構成について説明する。
タッチパネル10の押圧検出センサ20は、圧電フィルム21、第1圧電検出用電極22、および第2圧電検出用電極23を備える。圧電フィルム21は、矩形であり、キラル高分子から形成されるフィルムである。キラル高分子として、本実施形態では、ポリ乳酸(PLA)、特にL型ポリ乳酸(PLLA)を用いている。PLLAは、一軸延伸されている。一軸延伸方向は、矩形を構成する直交する二辺(第1方向の辺および第2方向の辺)に対して、略45°を成す。なお、一軸延伸方向が成す角度は、適宜調整すればよく、タッチセンサ10が筐体50に対して、第1方向の両端のみ、第2方向の両端のみ、もしくは外周に沿って固定されている場合には、45°であることが最も好ましい。
このようなキラル高分子からなるPLLAは、主鎖が螺旋構造を有する。PLLAは、一軸延伸されて分子が配向すると圧電性を有する。そして、一軸延伸されたPLLAは、圧電フィルムの平板面が押圧されることにより、電荷を発生する。この際、発生する電荷量は、押圧量(押込量)により平板面が当該平板面に直交する方向へ変位する変位量に依存する。そして、一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。したがって、圧電フィルム21にPLLAを用いることで、押圧による変位を高感度に検出することができる。
なお、延伸倍率は3〜8倍程度が好適である。延伸後に熱処理を施すことにより、ポリ乳酸の延びきり鎖結晶の結晶化が促進され圧電定数が向上する。尚、二軸延伸した場合はそれぞれの軸の延伸倍率を異ならせることによって一軸延伸と同様の効果を得ることが出来る。例えば第1の軸方向に8倍、第1の軸方向に直交する第2の軸方向に2倍の延伸を施した場合、圧電定数に関してはおよそ第1の軸方向に4倍の一軸延伸を施した場合とほぼ同等の効果が得られる。すなわち、上述の一軸延伸方向とは、圧電フィルムが複数方向に延伸された場合も含めて、最も延伸された方向を意味する。そして、単純に一軸延伸したフィルムは延伸軸方向に沿って裂け易いため、前述したような二軸延伸を行うことにより幾分強度を増すことができる。
また、PLLAは、延伸等による分子の配向処理で圧電性を生じ、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。すなわち、強誘電体に属さないPLLAの圧電性は、PVDFやPZT等の強誘電体のようにイオンの分極によって発現するものではない。このため、PLLAには、PVDFやPZT等の強誘電性の圧電体で生じる焦電性が生じない。さらに、PVDF等は経時的に圧電定数の変動が見られ、場合によっては圧電定数が著しく低下する場合があるが、PLLAの圧電定数は経時的に極めて安定している。したがって、周囲環境に影響されることなく、押圧による変位を高感度に検出することができる。
また、PLLAは有機圧電材料としては透光性が高い。したがって、圧電フィルム21の透光性を高くすることができる。
第1圧電検出用電極22は、圧電フィルム21の第1主面に配置されている。圧電フィルム21の第1主面は、圧電フィルム21の位置検出センサ30側の面である。より具体的には、圧電フィルム21の第1主面には、薄膜で透光性の高いハードコート層210が成膜されており、当該ハードコート層210の表面に第1圧電検出用電極22が形成されている。ハードコート層210は、絶縁性を有するとともに、圧電フィルム21よりも剛性を有する材料からなる。
第1圧電検出用電極22は、圧電フィルム21の第1主面の略全面に亘る形状で形成されている。第1圧電検出用電極22は、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェン等の無機系の電極、ポリチオフェン、ポリアニリン等を主成分とする有機系の電極のいずれを用いてもよい。このような材料を用いることで、透光性が高い電極を形成することができる。
また、この構成では、圧電フィルム21の第1主面にハードコート層210が形成されているので、当該ハードコート層210の表面に形成された第1圧電検出用電極22を外部回路に接続する際に、異方性導電膜等の熱圧着による接続を行うことができる。
したがって、従来構成のように、第1圧電検出用電極を耐熱性の絶縁性ベースフィルムに形成して当該絶縁性ベースフィルムを粘着剤で圧電フィルムに接着する構成よりも、透光性を向上させることができる。また、圧電フィルムの第1主面に第1圧電検出用電極を配置する構造を、従来構成よりも薄型にすることができる。
第2圧電検出電極23は、圧電フィルム21の第2主面側に配置されている。圧電フィルム21の第2主面は、圧電フィルム21の第1主面と反対側の面、すなわち、位置検出センサ30側と反対側の面である。より具体的には、第2圧電検出用電極23は、絶縁性ベースフィルム230に形成されている。絶縁性ベースフィルム230は、透光性を有する材料からなる。絶縁性ベースフィルム230は、第2圧電検出用電極23が形成されている側の面が圧電フィルム21側となるように、粘着剤25によって圧電フィルム21の第2主面に接着されている。
第2圧電検出用電極23は、圧電フィルム21の第2主面の略全面に亘る形状で配置されており、具体的な形状および配列パターンは後述するが、図2に示すように、複数の電極非形成部231を有する。第2圧電検出用電極23は、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェン等の無機系の電極、ポリチオフェン、ポリアニリン等を主成分とする有機系の電極のいずれを用いてもよい。このような材料を用いることで、透光性が高い電極を形成することができる。
このような構成では、カバー部材40が押し込まれて、圧電フィルム21に応力が加わると、圧電フィルム21はひずんで電荷を発生する。第1圧電検出用電極22と第2圧電検出用電極23がこの電荷を検出して検出電圧信号を発生することで、押圧力を検出することができる。
位置検出センサ30は、誘電体基板31、第1位置検出用電極32、第2位置検出用電極33を備える。誘電体基板31は矩形であり、透光性を有する絶縁性材料からなる。
第1位置検出用電極32は、長尺状であり、誘電体基板31の第1主面(本発明の第3主面に相当する)に、誘電体基板31(タッチセンサ10)の第1方向と長尺方向とが平行になるように配置されている。誘電体基板31の第1主面(本発明の第3主面に相当する)は、誘電体基板31のカバー部材40側の面である。
第1位置検出用電極32は複数あり、誘電体基板31(タッチセンサ10)の第2方向に沿って間隔をおいて配置されている。第1位置検出用電極32は、誘電体基板31の第1主面(本発明の第3主面に相当する)に直接形成されている。
第2位置検出用電極33は、長尺状であり、誘電体基板31の第2主面(本発明の第4主面に相当する)に、誘電体基板31(タッチセンサ10)の第2方向と長尺方向とが平行になるように配置されている。誘電体基板31の第2主面(本発明の第4主面に相当する)は、誘電体基板31の押圧検出センサ20側の面である。第2位置検出用電極33は複数あり、誘電体基板31(タッチセンサ10)の第1方向に沿って間隔をおいて配置されている。より具体的には、第2位置検出用電極33は、絶縁性ベースフィルム330に形成されている。絶縁性ベースフィルム330は、透光性を有する材料からなる。絶縁性ベースフィルム330は、第2位置検出用電極33が形成されている側の面が誘電体基板31側となるように、粘着剤35によって誘電体基板31の第2主面(本発明の第4主面に相当する)に接着されている。
第1、第2位置検出用電極32,33は、透光性を有する材料からなり、例えば、ITOからなる。これにより、透光性を有する位置検出センサ30を実現できる。
このような構成では、操作面に指が接触もしくは近接した際の静電容量の変化により、第1、第2位置検出用電極32,33間の静電容量が変化する。この際、指に最も近い位置の第1、第2位置検出用電極32,33が対向する領域の静電容量が最も大きく変化する。したがって、この最も静電容量の変化が大きな第1、第2位置検出用電極32,33の組合せを検出することで、操作位置を検出することができる。
このような構成からなる位置検出センサ30では、第1位置検出電極32が第2方向に平行に伸長する長尺状であり、第2位置検出用電極33が第1方向に平行に伸長する長尺状であるので、図1、図2に示すように、タッチセンサ10を厚み方向に沿って見て、重なる領域が存在する。
第2圧電検出用電極23に設けられた電極非形成部231は、タッチセンサ10を厚み方向に沿って見て、第1位置検出電極31と第2位置検出用電極32が重なる領域(位置検出用電極の重複領域)に、設けられている。
この構成により、位置検出用電極の重複領域では、厚み方向に、第1位置検出用電極32、第2位置検出用電極33、第1圧電検出用電極22が重なるが、第2圧電検出用電極23は重ならない。すなわち、位置検出用電極の重複領域では、厚み方向に、電極は3層の構造となる。
第1位置検出用電極32と第2位置検出用電極33が重ならない領域における第1位置検出電極32が存在する領域では、厚み方向に、第1位置検出電極32、第1圧電検出用電極22、第2圧電検出用電極23が重なる。
第1位置検出用電極32と第2位置検出用電極33が重ならない領域における第2位置検出電極33が存在する領域では、厚み方向に、第2位置検出電極33、第1圧電検出用電極22、第2圧電検出用電極23が重なる。
このように、第1位置検出電極32と第2位置検出用電極33が重ならない領域では、厚み方向に、電極は3層の構造となる。
以上のように、本実施形態の構成を用いれば、タッチセンサ10の全体で、電極は3層の構造となり、従来構成の4層構造よりも、電極の層数を少なくすることができる。これにより、従来構成よりも透光性が高いタッチセンサを実現することができる。また、位置検出センサ30における電極が形成されていない領域にも第1、第2圧電検出用電極22,23は形成されているので、この領域の電極は2層構造となる。したがって、位置検出センサ30における電極が形成されていない領域と電極が形成されている領域との間の色の差や透光率の差を小さくすることができる。これにより、従来構成よりも、透光性のバラツキや色目のバラツキが少ないタッチセンサを実現することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るタッチセンサについて、図を参照して説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るタッチセンサの各層の電極パターンを示す平面図である。本実施形態のタッチセンサは、第1の実施形態に係るタッチセンサ10に対して、電極非形成部232の形状が異なるものであり、他の構成は、第1の実施形態に係るタッチセンサ10と同じである。したがって、第1の実施形態に係るタッチセンサ10と異なる箇所のみを具体的に説明する。
本実施形態の第2圧電検出用電極23に設ける電極非形成部232は、タッチセンサの厚み方向に沿って、第2位置検出用電極33と重なる位置に設けられている。ここで、第2位置検出電極33は、第1位置検出電極32よりも低抵抗に形成されている。例えば、第2位置検出用電極33は、第1位置検出電極32よりも幅広に形成されていたり、厚膜に形成されている。特に厚膜に形成されている場合、第2位置検出用電極33は、第1位置検出電極32よりも透光性が低くなる。
したがって、本実施形態の構成を用いれば、第1位置検出電極32よりも透光性の低い第2位置検出用電極33と第2圧電検出用電極23が重ならない。これにより、第2位置検出用電極33の形成領域での透光率を向上させることができる。さらに、第1位置検出電極32と第2圧電検出用電極23は重なるので、第1位置検出電極32の形成領域と第2位置検出用電極33の形成領域とでの透光率の差を小さくでき、透光性のバラツキや色目のバラツキが少ないタッチセンサを実現することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るタッチセンサについて、図を参照して説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るタッチセンサの各層の電極パターンを示す平面図である。本実施形態のタッチセンサは、第2の実施形態に係るタッチセンサに対して、第1位置検出用電極32Aの形状が異なるとともに、第2圧電検出用電極23における電極非形成部232A,232Bの形状が異なるものであり、他の構成は、第2の実施形態に係るタッチセンサと同じである。したがって、第2の実施形態に係るタッチセンサと異なる箇所のみを具体的に説明する。
本実施形態の第1位置検出用電極32Aは、タッチセンサの厚み方向に沿って、第2位置検出用電極33と重なる領域の幅が、第2位置検出用電極33と重ならない領域の幅よりも狭い。これにより、第1位置検出用電極32Aと第2位置検出用電極33とが重なる面積を小さくすることができる。これにより、透光率が低くなってしまう領域の面積を小さくすることができる。
また、上述のように、第1位置検出電極32Aは第2位置検出用電極33と比較して高抵抗であってもよいので、このように第1位置検出用電極32Aの幅を部分的に狭くしても、位置検出感度は殆ど低下しない。
また、本実施形態の第2圧電検出用電極23における電極非形成部232A,232Bは、第1位置検出用電極32Aにおける第2位置検出用電極33と重なる領域に接する一部の領域と、タッチセンサの厚み方向に沿って重なる領域にも電極の非形成領域が拡大された形状からなる。このような構成では、第1位置検出用電極32Aの一部の領域でも第2圧電検出用電極23と重ならない。これにより、当該領域での透光率を向上させることができる。
また、隣り合う非形成部232B間には、狭幅ではあるが電極が形成された領域を備えている。これにより、第2圧電検出用電極23は、他の電極形成領域と導通していない独立の領域が存在しないので、高い透光性を実現しながら、電荷検出のための一つの電極パターンで実現することができる。したがって、独立した電極のための引き回し等を設ける必要が無く、外部出力用の電極パターンを簡素化できる。
なお、上述の各実施形態では、第2圧電検出用電極23に非形成部を設ける例を示したが、第1圧電検出用電極22に非形成部を設けることもできる。しかしながら、絶縁性ベースフィルム230に形成された第2圧電検出用電極23に非形成部を設ける方が好ましい。絶縁性ベースフィルム230に第2圧電検出用電極23を形成して、電極非形成部231を設けた場合、従来の電極付き樹脂フィルムに対して行うパターニング処理とエッチング処理を用いて、容易に電極非形成部231を設けることができるからである。また、圧電フィルム21に形成する電極にパターニング処理とエッチング処理を行わなくてもよく、圧電フィルム21の劣化を防止することができるからである。
また、上述の説明では、カバー部材40側から、位置検出センサ、押圧検出センサの順に配置する例を示したが、逆の配置であってもよい。
また、上述の説明では、圧電フィルムの第1主面側にハードコート層を成膜して第1圧電検出用電極を形成する例を示した。しかしながら、圧電フィルムの第1主面側も第2主面側と同様に、絶縁性ベースフィルムに第1圧電検出用電極を形成し、当該絶縁性ベースフィルムを圧電フィルムに装着する構成であってもよい。
1:タッチ式入力装置
10:タッチセンサ
11,12:粘着剤
20:押圧検出センサ
21:圧電フィルム
22:第1圧電検出用電極
23:第2圧電検出用電極
210:ハードコート層
230,330:絶縁性ベースフィルム
231,232,232A,232B:電極非形成部
30:位置検出センサ
31:誘電体基板
32,32A:第1位置検出用電極
33:第2位置検出用電極
40:カバー部材
50:筐体
60:表示パネル
70:演算回路モジュール

Claims (6)

  1. 厚み方向に直交する第1面と第2面とを有する圧電フィルムと、前記第1面に配置された第1圧電検出用電極と、前記第2面に配置された第2圧電検出用電極とを備える押圧検出センサと、
    厚み方向に直交する第3面と第4面とを有する誘電体基板と、前記第3面に配置された第1位置検出用電極と、前記第4面に配置された第2位置検出用電極とを備える静電式位置検出センサと、
    を備え、
    前記押圧検出センサと前記静電式位置検出センサは、前記第1面および前記第2面と、前記第3面および前記第4面が平行になるように配置されており、
    前記第1圧電検出用電極は、前記第1面の略全面に配置されており、
    前記第2圧電検出用電極は、前記押圧検出センサおよび前記静電式位置検出センサを前記厚み方向に沿って見て、前記第1位置検出用電極と前記第2位置検出用電極が重なる位置に電極非形成部を備える、
    タッチセンサ。
  2. 前記電極非形成部は、前記押圧検出センサおよび前記静電式位置検出センサを前記厚み方向に沿って見て、前記第2位置検出用電極の配置領域に重なる領域を含む、
    請求項1に記載のタッチセンサ。
  3. 前記電極非形成部は、前記押圧検出センサおよび前記静電式位置検出センサを前記厚み方向に沿って見て、前記第1位置検出用電極の配置領域の少なくとも一部に重なる領域を含む、
    請求項2に記載のタッチセンサ。
  4. 前記第1位置検出用電極は、前記静電式位置検出センサを前記厚み方向に沿って見て、前記第2位置検出用電極と重なる領域の幅が、前記第2位置検出用電極と重ならない領域の幅よりも狭い、
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタッチセンサ。
  5. 前記第1圧電検出用電極は、前記圧電フィルムの前記第1面に、透光性ハードコート層を介して形成されている、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のタッチセンサ。
  6. 前記圧電フィルムは、一軸方向に延伸されたポリ乳酸である、
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のタッチセンサ。
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