JP5783330B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録媒体に関する。特に、本発明は、グラニュラー磁性層を含む垂直磁気記録媒体において、高い磁気異方性を維持しながら該磁性層を厚膜化したものに関する。
近年、磁気記録の高密度化の要請が著しい。磁気記録の高密度化を実現する技術として、垂直磁気記録方式が採用されている。この方式に基づいた垂直磁気記録媒体は、非磁性基板と、硬質磁性材料を含む磁気記録層を少なくとも含む。垂直磁気記録媒体は、前記要素に加え、軟磁性材料から形成され、磁気ヘッドが発生する磁束を磁気記録層に集中させる役割を担う軟磁性裏打ち層、磁気記録層の硬質磁性材料を目的の方向に配向させるための下地層、磁気記録層の表面を保護する保護膜などを、任意選択的に、更に含んでいてもよい。
垂直磁気記録媒体の磁気記録層を形成するための材料として、グラニュラー磁性材料が用いられる。このグラニュラー磁性材料は、磁性材料と非磁性材料から構成され、磁性結晶粒と、磁性結晶粒の周囲を取り囲むように偏析した非磁性材料から構成されるグラニュラー構造をもたらす。磁性材料は、近年では例えば規則合金が注目されており、非磁性材料には、炭素系、酸化物系、窒化物系等が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
垂直磁気記録媒体では、グラニュラー磁性材料として各種材料が提案されているが、磁性結晶粒としての規則合金と、非磁性材料との組み合わせによっては、磁気記録層の膜厚が大きくなると、非磁性材料が磁性結晶粒の粒界のみならず磁性結晶粒の表面にも析出し、磁性結晶粒の成長を妨げるという現象が起こることがある(非特許文献1参照)。このような表面への析出が起こった後に、更に磁気記録層の膜厚を厚くしていくと、磁性結晶粒の表面に析出した非磁性材料上に磁性結晶粒子が成長する、所謂二次成長が起こる。このような二次成長は、結果的に、垂直磁気記録媒体の磁気異方性を低下させることになっていた。
このため、グラニュラー磁性材料に含まれる非磁性材料についても種々の材料が検討されている。例えば、特許文献2は、BCを非磁性材料として用いた磁気記録層を含む垂直磁気記録媒体を開示している。特許文献2は、高い熱安定性、高い磁気異方性定数(Ku)等を実現できること、及びDCスパッタリング法により成膜が行えることを報告している。しかし、特許文献2は、規則合金と組み合わせてBCを用いることの言及はない。
特許文献3は、L1型の結晶構造を有する規則合金にSiO等の酸化物を非磁性材料として添加したグラニュラー磁性材料を第1の磁性層に用い、このような酸化物を含まない連続層(CAP層)としての第2の磁性層を用いた二層構造の磁性層を有する熱アシスト磁気記録媒体を開示している。特許文献3の発明では、第1の磁性層中の非磁性材料の含有率が、前記基板側から前記第2の磁性層側に向かって減少していることを特徴としており、このような構成にすることによって、過剰な非磁性材料が規則合金の結晶粒の上部に析出し、結晶粒の成長が垂直方向に分断されることを防いでいる。また、これによって、粒径が微細で、且つ、基板面に対して垂直な方向に連続的に成長した規則合金の結晶粒を実現している。
また、グラニュラー磁性材料を含む複数の磁性層からなり、これらの磁性層において非磁性材料の濃度が異なっている磁気記録媒体も知られている。
例えば、特許文献4は、基板上に基板温度制御層を形成する工程と、基板温度制御層上に下地層を形成する工程と、下地層上に磁気記録層を形成する工程とを有し、磁気記録層を形成する工程では、基板を加熱チャンバで加熱する第1工程と、C、Si酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の非磁性材料を添加したFePtを主とする合金からなる磁気記録層を製膜チャンバで製膜する第2工程とからなる磁性層積層工程をN回(N≧2)繰り返して垂直磁気記録媒体を製造する方法を開示している。この製造方法により、磁気記録層を製膜する間の基板温度の変化を小さくし、結晶粒径を小さくしている。また、特許文献4では、磁気記録層に添加する非磁性材料の含有量について、基板側の添加量を多くしている。
また、特許文献5は、Fe及びPtを主原料とする磁性合金と、カーボン、酸化物、窒化物から選ばれる少なくとも一種の非磁性材料を含有する複数の磁性層により構成された磁気記録層を有する磁気記録媒体を開示している。特許文献5の磁気記録層では、第一の磁性層よりも表面側に位置する第二の磁性層が、第一の磁性層(FePt合金と前記非磁性材料とで構成されている)のFePt磁性合金粒子の直径よりも微細な状態で混ざり合った均質な構造を有する。また、特許文献5では、第一の磁性層は、第二の磁性層と比較して、非磁性材料であるカーボンの含有量が多く、それ以外の酸化物及び窒化物の含有量が少ないことを特徴としている。
特開平08−083418号公報 特開2008−097824号公報 特開2011−154746号公報 特開2012−048784号公報 特開2012−181902号公報
Appl. Phys. Express, 101301, 2008 富士時報 vol.83,No.4 2010年,257〜260頁 R. F. Penoyer, Rev. Sci. Instr. 30(1959) p711 強磁性体の物理(下)近角聰信 裳華房 10〜21頁
垂直磁気記録媒体においては、高い磁気異方性を維持する必要がある。また、垂直磁気記録媒体では、グラニュラー構造中の規則合金の粒径を微細化することが望まれる(特許文献3参照)。更に、近年、熱アシスト式、マイクロ波アシスト式等のエネルギーアシスト式の磁気記録媒体が、上記の高密度化した磁気記録媒体として注目を集めている(非特許文献2参照)。これらのエネルギーアシスト式の磁気記録媒体では、磁気記録層がある程度の膜厚を有することが有利であることが、本発明者らの研究で分かってきた。このように、垂直磁気記録媒体の磁気記録層には、高い磁気異方性を維持しながら微細な規則合金で所定の膜厚を持たせるという要請が存在する。
しかし、従来から用いられている規則合金−非磁性材料の組み合わせでは、単層として十分な膜厚を実現することはできなかった。また、複数層のグラニュラー磁性材料で構成される磁気記録層を含む磁気記録媒体においても、これまで十分に高い磁気異方性を維持しながら、所定の膜厚を実現した磁気記録媒体は得られていなかった。
従って、本発明は、高い磁気異方性を維持しながら、所望の膜厚を有する磁気記録層を含む垂直磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板及び磁気記録層を少なくとも含む。該垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、少なくとも第1磁気記録層及び第2磁気記録層を含む複数層からなり、
前記第1磁気記録層は、基板側に近い磁気記録層であり、第1磁性結晶粒と、前記第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第1磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第1非磁性結晶粒界は炭素からなり、
前記第2磁気記録層は、第2磁性結晶粒と、前記第2磁性結晶粒を取り囲む第2非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第2磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第2非磁性結晶粒界は、炭素、ホウ素又はケイ素から選択される2つ以上の材料からなるもの、又はホウ素からなるものである
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板及び磁気記録層を少なくとも含む。該垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、少なくとも第1磁気記録層及び第2磁気記録層を含む複数層からなり、
前記第1磁気記録層は、基板側に近い磁気記録層であり、第1磁性結晶粒と、前記第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第1磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第1非磁性結晶粒界は炭素からなり、
前記第2磁気記録層は、第2磁性結晶粒と、前記第2磁性結晶粒を取り囲む第2非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第2磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第2非磁性結晶粒界は炭化物である。
本発明において、炭化物は、ホウ素(B)炭化物又はケイ素(Si)炭化物であることが好ましく、特に、炭化ホウ素(B4C)又は炭化ケイ素(SiC)であることが好ましい。また、本発明において、第2非磁性結晶粒界は、炭素、ホウ素又はケイ素から選択されるつ以上の材料、又はホウ素であることが好ましい。本発明において、前記炭化物、又は、炭素、ホウ素又はケイ素から選択されるつ以上の材料、又はホウ素の含有量は、20vol%から50vol%であることが好ましい。
また、本発明において、前記第1磁性結晶粒及び前記第2磁性結晶粒はL1型の規則合金を含むことが好ましく、L1型の規則合金は、Fe及びPtを含むことが特に好ましい。また、第1の磁気記録層の膜厚は4nm以下であることが好ましい。
更に、本発明の磁気記録媒体では、前記第1磁気記録層又は第2磁気記録層を複数層有し、且つ、前記第1磁気記録層と第2磁気記録層が交互に積層されていてもよい。
高い磁気異方性を維持しながら所定の膜厚を有する磁気記録層を含む垂直磁気記録媒体を得ることができる。
本発明の垂直磁気記録媒体の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明で使用しうるL1型の規則合金の結晶構造を表す概略図である。 (a)〜(c)は、磁気記録層のグラニュラー磁性材料(FePt−C)の成長の過程の問題点を説明するための概略図である。 (a)〜(b)は、磁気記録層のグラニュラー磁性材料(FePt−BC)の成長の過程を説明するための概略図である。 実施例1〜3及び実施例11並びに比較例1〜5の磁気記録媒体の磁気異方性定数(Ku)の測定結果を示す図である。 実施例4〜6及び比較例1〜4及び6の磁気記録媒体の磁気異方性定数(Ku)の測定結果を示す図である。 実施例7〜10及び比較例7結果と、実施例11〜12及び比較例8の結果を比較した図である。 図7の結果に、さらに実施例13〜17の結果を加えて、比較した図である。 実施例13〜17の第2磁気記録層(2層目)のホウ素(B)及び炭素(C)の全量に対するMr/Msの値をプロットした図である。 実施例10の磁気記録媒体の平面TEM像を示す図である。 比較例9の磁気記録媒体の平面TEM像を示す図である。 実施例1〜3及び実施例18〜20の磁気記録媒体について、磁気記録層の総膜厚に対して、Kuの値をプロットした図である。 実施例20磁気記録媒体の垂直TEM像を示す図である。 実施例3の磁気記録媒体の垂直TEMを示す図である。
本発明の磁気記録媒体は非磁性基体及び磁気記録層を少なくとも含む。図1に、本発明の磁気記録媒体のより具体的な構成例を示した。図1に示されるように、本発明の磁気記録媒体100は、非磁性基体20、任意選択的なシード層40、磁気記録層60、および任意選択的な保護層80を有する。本発明では、磁気記録層60は、少なくとも第1磁気記録層62と第2磁気記録層64を含む複数層で構成される。図1には、第1磁気記録層62及び第2磁気記録層64の二層構造を示した。さらに、第1磁気記録層は、第1磁性結晶粒、及びこの第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性結晶粒界から構成され、第2磁気記録層は、第2磁性結晶粒、及びこの第2磁性結晶粒を取り囲む第2非磁性結晶粒界から構成される。図1に示した本発明の磁気記録媒体の構成例において、上述の通り、シード層40および保護層80は任意選択的な層であるが、本発明ではこれらの層を設けることが好ましい。さらに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性基体10と磁気記録層0との間に、密着層、軟磁性裏打ち層、非磁性下地層などをさらに含んでもよい。さらに、保護層80の上層に潤滑層を設けてもよい。
本発明の磁気記録媒体は、例えば熱アシスト式、マイクロ波アシスト式等のエネルギーアシスト式の磁気記録媒体を含めた、種々の垂直磁気記録媒体に適用可能である。従って、本発明の磁気記録媒体は、上述した各層に加え、種々の垂直磁気記録媒体に必要な層を適宜含むことができる。例えば、熱アシスト式垂直磁気記録媒体では、ヒートシンク層等を磁気記録層の下部に更に含むことができる。
本発明では、上述した通り、磁気記録層60は少なくとも第1磁気記録層62と第2磁気記録層64を含む複数層で構成される。以下に本発明でこのような磁気記録層の構成を取ることについて説明する。
近年の垂直磁気記録媒体では、規則合金磁性結晶粒と、これを取り囲む非磁性結晶粒界とからなるグラニュラー構造をもたらす磁性結晶粒−非磁性材料で磁気記録層を構成することが一般に行われており、このような磁性結晶粒−非磁性材料の研究が盛んに行われている。例えば、規則合金の例として、L1型の規則合金があり、例えば鉄白金(FePt)系、コバルト白金(CoPt)系などの合金が知られている。これらの規則合金を含むL1型の規則合金−非磁性材料には、例えば、FePt−炭素(C)[以下、FePt−C]、FePt−SiO等が知られている。これらの材料は、高い磁気異方性を実現できる材料として期待されるが、これらの材料には、磁気記録層の膜厚の増加に伴う、所謂磁性結晶粒の二次成長の問題、特定のシード層上でグラニュラー構造を形成できないというような問題などがあることが、本発明者らの研究により明らかになってきた。
本発明は、このような問題を解決し、高い磁気異方性を維持しながら所定の膜厚を実現し、エネルギーアシスト式を含めた各種方式にも十分適用可能な垂直磁気記録媒体を提供することを目的とする。
以下では、L1型の規則合金−非磁性材料として、FePt−C及びFePt−BCを例にとり、上記問題点と、本願発明の概要について、図面を参照しながら説明する。
図2は、L1型のFePt合金の結晶格子図である。図2に示されるように、L1型のFePt合金は、(001)配向を有し、Fe原子及びPt原子が交互に積層した構造を有する。
図3は、L1型のFePt−C材料をスパッタリング法によりシード層210上に堆積させた際の成長過程を示す図である。この例では、シード層は、(001)配向を有するL1型のFePt磁性結晶粒を形成できるMgO層とする。図3(a)に示すように、FePt−C材料をスパッタリング法で堆積させると、シード層210上で磁性結晶粒200とその周りを取り囲む非磁性結晶粒界270が成長する。磁性結晶粒200は、図2に示したように、Fe原子の層230とPt原子の層250が交互に積層した構造を取り、シード層210に対して垂直な方向に結晶が成長していく。これにより、シード層210に対して垂直な磁化容易軸290を持ちうる磁気異方性を持った磁気記録層を得ることができる。なお、図3にはシード層210の上にFe原子の層230が積層され、その上にPt原子の層250が積層されている例が記載されている。しかし、シード層210の上にPt原子の層250が積層され、その上にFe原子の層230であってもかまわない。更に膜厚を厚くするために、FePt−Cの堆積を進めると、磁性結晶粒の表面上に炭素が回り込み、磁性結晶粒の表面上で炭素が堆積し(図3(b)のd)、磁性結晶粒200の成長を妨げる(図3(b))。更にFePt−Cの堆積を進めると、磁性結晶粒の表面上に回り込んだ炭素上に磁性結晶粒200’、200”が成長する、所謂、磁性結晶粒の二次成長が起こる。これらの二次成長した磁性結晶粒200’、200”は、シード層210に対して垂直な方向に成長した磁性結晶粒200とは異なる方向に成長し、磁性結晶粒200とは異なる磁化容易軸(292、294)を有するものとなる(図3(c))。このような異なる方向へ向いて結晶が成長すると、磁気記録層全体としての磁気異方性が低下することになる。FePt−Cでは、上述した、炭素の磁性結晶粒の表面上への回り込みは、例えば75vol%FePt−25vol%Cの材料を用いた場合、シード層からの磁性結晶粒の高さが3nmを越えると起こることが本発明者らにより見出された。また、炭素の回り込みが生じる膜厚は磁性結晶粒の径により変動し、径が小さくなるほど薄い膜厚で炭素の回り込みが生じることが判明した。即ち、記録密度を向上させるために炭素の添加量を増大して磁性結晶粒を小さくしようとすれば、良好な磁性結晶粒を形成できる膜厚は減少することになる。従って、高い磁気異方性を維持しながら膜厚を厚くすることは、FePt−C単層では難しいことが分かった。
このように、FePt−Cのような規則合金を用いた材料では、単層で磁気記録層を厚膜化することは困難である。従来用いられているCoCr系合金等の非規則合金を用いた磁気記録層とは異なる挙動が規則合金を用いた磁気記録層において発現している。
一方、非磁性材料としてBCを含む磁性材料で、グラニュラー構造を形成した磁気記録媒体が知られている(特許文献2)。しかし、この文献で実際に作製された磁気記録媒体は、規則合金を用いたものではない。例えば、FePt−BCでは、MgO等を材料としたシード層210を用いると、図4に示したように、FePt磁性結晶粒200の形成は行われるが(図4(a))、この磁性結晶粒を取り囲む非磁性結晶粒界320が形成されないか、形成されたとしてもわずかであり(図4(b))、磁性結晶粒を互いに分離するには至らず、混合状態(400)となることが、本発明者らの研究で分かった。理論に拘束されるものではないが、これは、非磁性材料であるBCが、FePt磁性結晶粒から排出されにくく、FePt磁性結晶粒が成長しても、結晶内に留まることによると考えられる。このように、非磁性材料が磁性結晶粒内に残留すると、FePt−BCの堆積に伴い、磁性結晶粒内でBCも成長し、次第に磁性結晶粒を破壊することに繋がる。このような破壊は、磁気異方性を低下させることになる。このように、FePt−BC材料も、単層では厚膜化を行うことができない場合があることが、本発明者らの研究により分かってきた。
また、非磁性の粒界偏析材料として、SiC等も知られているが、規則合金−SiCも上記FePt−BCと同様に、単層では十分なグラニュラー構造を形成することができないことが、本発明者らの研究により分かってきた。
このように、規則合金−非磁性材料で構成される材料のうち炭化物系の非磁性材料を添加したものは、これまで、垂直磁気記録媒体の磁気記録層の磁性材料としての用途が限られていた。特に、このような材料を、厚膜化を実現するための規則合金−非磁性材料として垂直磁気記録媒体に利用するという着想はなかった。また、炭素を非磁性材料として添加した規則合金−炭素で構成される材料は、これまで、十分な膜厚の垂直磁気記録媒体の磁気記録層を実現できていなかった。
本発明者らは、本発明において、シード層上にあらかじめテンプレート層としてL1型規則合金−炭素(C)(FePt−C)を形成すれば、このL1型規則合金−炭素(C)上にL1型の規則金属−炭化物又は規則金属−[炭素と、ホウ素及び/又はケイ素から選択される1つ以上の材料](本明細書において、炭化物、ホウ素(B)炭化物又はケイ素(Si)炭化物、炭化ホウ素(BC)又は炭化ケイ素(SiC)、及び、炭素と、ホウ素及び/又はケイ素から選択される1つ以上の材料を単に炭素含有非磁性材料とも称する)がグラニュラー構造を形成して成長でき、所望の膜厚で磁気記録層を形成できることを新たに見出した。また、このような磁気記録層を含む垂直磁気記録媒体は高い磁気異方性を有することも明らかとなった。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、グラニュラー構造を有する磁気記録層で、高い磁気異方性を維持しながら磁気記録層の厚膜化を実現できるものである。
以下に本発明の磁気記録媒体の各構成要素について説明する。
非磁性基体20は、表面が平滑である様々な基体であってもよい。たとえば、磁気記録媒体に一般的に用いられる材料を用いて、非磁性基体20を形成することができる。例えば、NiPメッキを施したAl合金、強化ガラス、結晶化ガラス等の材料を非磁性基板として用いることができる。ガラス基板等を非磁性基板として用いる場合、当該基板上に、密着性に優れた合金材料、例えば、Cr、CrTi、Taを密着層として形成してもよい。
任意選択的な軟磁性裏打ち層は、磁気記録層への記録の際に、磁気ヘッドが発生する磁束を磁気記録層に集中させる機能を有する層である。軟磁性裏打ち層は、FeTaC、センダスト(FeSiAl)合金などの結晶性材料、またはCoZrNb、CoTaZr、CoFeZrTaなどのCo合金を含む非晶質材料を用いて形成することができる。この場合、磁性層の形成温度で結晶化による表面粗さの変化が生じないような材料を選択する必要がある。
軟磁性裏打ち層の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造および特性によって最適値が変化するが、生産性との兼ね合いから、10nm以上500nm以下程度であることが望ましい。
任意選択的に設けてもよい非磁性下地層は、軟磁性裏打ち層とシード層40との間の密着性を確保すること、およびシード層40が所望の配向を得ることができるようにさせることを目的とする層である。非磁性下地層は、CrまたはCrを含む合金を用いて形成することができる。また、非磁性下地層をNiW、Ta、Cr、あるいは、Taおよび/またはCrを含む合金による複数の層からなる積層構造としてもよい。後述するシード層40および磁気記録層60の結晶性の向上、生産性の向上、および記録時にヘッドが発生させる磁界への最適化を考慮すると、非磁性下地層は、5nm以上30nm以下の膜厚を有することが望ましい。
シード層40の機能は、上層である磁気記録層60の磁性結晶粒の結晶配向等を制御することである。また、シード層40は非磁性体であることが望ましい。
より具体的には、シード層40は、磁気記録層60中の規則合金の結晶(例えばL1型のFePt合金等の場合)を例えば(001)に配向させることを目的とする層である。このような配向とすることで、垂直磁気記録が可能になる。
上記の機能を達成するために、シード層40の材料は、磁気記録層60の磁性結晶粒の材料に合わせて適宜選択される。例えば、磁気記録層60の磁性結晶粒がL1型規則合金で形成される場合、立方晶系の材料であることが好ましく、SrTiO、MgO、TiN、CrN等が特に好ましく、最も好ましくはMgOである。本発明では、上記の酸化物の混合物を用いてシード層40を形成することもできる。また、上記の材料からなる複数の層を積層して、シード層40を形成することもできる。磁気記録層60の磁性結晶粒の結晶性の向上、生産性の向上などの観点から、シード層40は、1nm〜60nm、好ましくは1〜20nmの膜厚を有することが望ましい。シード層40は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタリング法、RFスパッタリング法などを含む)、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。本発明では、シード層40は、MgOを用いて形成することが特に好ましい。
磁気記録層60は、少なくとも第1磁気記録層62と第2磁気記録層64の2層を含む。第1磁気記録層62は、第1磁性結晶粒とこの第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性結晶粒界を含むグラニュラー構造を有し、第2磁気記録層は、第2磁性結晶粒とこの第2磁性結晶粒を取り囲む第2非磁性結晶粒界を含むグラニュラー構造を有する。本発明では、第2磁気記録層は、その非磁性結晶粒界が第1磁気記録層の第1非磁性結晶粒界と異なる材料からなるグラニュラー構造を有することを特徴とする。
本発明では、第1磁気記録層62は、規則合金を含む第1磁性結晶粒、及び炭素からなる第1非磁性結晶粒界から構成されるグラニュラー構造を有する。第2磁気記録層64は、規則合金を含む第2磁性結晶粒、及び炭化物、又は、炭素と、ホウ素及びケイ素から選択される1以上の材料からなる第2非磁性結晶粒界から構成されるグラニュラー構造を有する。本発明において、第1非磁性結晶粒界は、炭素(C)から構成される。また、第2非磁性結晶粒界は炭化物、又は、炭素と、ホウ素及び/又はケイ素から選択される1つ以上の材料であることが好ましく、より好ましくは、BC、SiC、TiC、ZrC、ホウ素−炭素(B−C)等であり、最も好ましくはBC、SiC又はB−Cである。なお、本明細書において、「ホウ素−炭素」又は「B−C」とは、第2磁気記録層の非磁性材料が、ホウ素及び炭素からなることを意味するが、炭化ホウ素のような明確なホウ素(B)と炭素(C)の結合を有する形態だけではなく、ホウ素(B)及び炭素(C)の混合物のような形態を含むことを意味する。このような複数の形態を含むB−C非磁性材料を、本明細書では単に「ホウ素−炭素」又は「B−C」のように表記する。
本発明では、磁性結晶粒−非磁性材料中の非磁性材料の割合は、磁性結晶粒−炭素中の炭素で20vol%から50vol%であることが好ましく、20vol%から40vol%であることがより好ましい。また、規則金属−炭素含有非磁性材料中の炭素含有非磁性材料の量は、20vol%から50vol%であることが好ましく、20vol%から40vol%であることがより好ましく、20vol%から30vol%であることが更に好ましい。磁気記録層の総膜厚を高めるためには、上記の範囲であることが好ましい。
本発明では、第2非磁性結晶粒界の非磁性材料がホウ素及び炭素からなる材料である場合、第2磁気記録層のホウ素(B)と炭素(C)のat%に基づく割合[B(at%)/C(at%)比]は0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。
次に、第1及び第2磁気記録層の第1磁性結晶粒及び第2磁性結晶粒は、規則合金、好ましくは、L1規則合金を含むものである。特に、Fe、Co、Ni等から選択される少なくとも一種の元素と、Pt、Pd、Au、Cu、Ir等から選択される少なくとも一種の元素とを含むL1合金が好ましい。より好ましくは、規則合金はFePt、CoPt、FePd、およびCoPdからなる群から選択される材料で構成されるL1型合金であり、最も好ましくは、L1型のFePt合金である。
また、磁性結晶粒の特性変調を目的として、第1及び第2磁性結晶粒に対してNi、Mn、Cr,Cu、Ag、Auなどの金属を添加してもよい。Ni、Mn、Crを添加することにより、磁気的相互作用が低減して磁気異方性やキュリー温度などの磁気特性を変化させることができるため、所望の磁気特性に調整することができる。また、Cu、Ag、Auを添加することにより、規則化温度を低減し、磁気異方性を向上させる効果を得ることができる。
例えば、第2磁気記録層にMnを添加すると、キュリー温度の低下により反転磁界(Hsw)を低下させることができ、熱アシスト記録が容易となる。すなわち、磁性結晶粒にMnを添加して前記炭素含有非磁性材料と組み合わせると、反転磁界の温度依存性がキュリー温度付近で大きく変化し、反転磁界が、磁気ヘッドが発生する記録磁界以下となる。これにより、従来よりも大幅に低い温度で熱アシスト記録が可能となる。また、この温度領域で反転磁界の温度勾配が大きくなり、熱アシスト記録時の記録の分解能を向上することが可能となる。
磁性結晶粒は必ずしもすべての原子が規則構造を有していなくてもよい。規則構造の程度を表わす規則度Sが所定の値以上であればよい。規則度Sは、磁気記録媒体をX線回折(XRD)により測定し、測定値と完全に規則化した際の理論値との比により算出される。例えば、L1型規則合金の場合は、まず、規則合金由来の(001)及び(002)ピークの積分強度を算出する。次に、測定された(001)ピークの積分強度に対する(002)ピークの積分強度の比の値(IN1)と、完全に規則化した際に理論的に算出される(001)ピークの積分強度に対する(002)ピークの積分強度の比の値(IN2)を算出する。上記測定により得られた値(IN1)を理論的に算出した値(IN2)で割ることで規則度Sを得ることができる。このようにして得られた規則度Sが0.5以上であれば、磁気記録媒体として実用的な磁気異方性定数Kuを有する。
本発明では、磁気記録層60は更に多くの磁気記録層が積層された構造を有していてもよい。例えば、磁気記録層60は、上記の第1磁気記録層及び第2磁気記録層を1組として、これらが複数積層された構造を有してもよく、上記の第1磁気記録層及び第2磁気記録層上に、これらの磁気記録層とは組成又は構成元素の異なる材料からなる磁気記録層を更に積層した構造を有していてもよい。また、磁気記録層60は、第1磁気記録層、第2磁気記録層、第1磁気記録層の順に積層された構造のように、異なる規則金属−炭素含有非磁性材料を交互に積層した構造を有していてもよい。更に、本発明では、磁気記録層60にCAP層のような追加の層を設けてもよい。第1磁性結晶粒と第2磁性結晶粒は異なる材料とすることができる。
磁気記録層60は、上述した構成を有する第1磁気記録層62及び第2磁気記録層64を少なくとも有する。本発明における第1磁気記録層62では、第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性材料は炭素(C)である。本発明では、この第1非磁性材料を含む第1磁気記録層上に、第2非磁性材料である炭素含有非磁性材料を含むグラニュラー磁性材料を用いて第2磁気記録層64を形成することで、第1磁気記録層のグラニュラー構造にならったグラニュラー構造の第2磁気記録層64を効率よく形成できる。
上述した通り、MgOをシード層40の材料として用いた場合、磁気記録層としてL1型のFePt−C、FePt−BC、FePt−SiC等では、シード層上に所望の膜厚で高い磁気異方性を持った磁気記録層を形成することができない。
これに対し、本発明は、あらかじめ、第1磁気記録層を、FePt−Cを材料とした磁気記録層として形成し、この第1磁気記録層62上にFePt−BC、FePt−B−C、FePt−SiC等の炭素含有非磁性材料を添加した規則合金を含む第2磁気記録層64を形成すること、並びに、これらの磁気記録層を更に交互に複数層形成することで、高い磁気異方性を維持しながら、磁気記録層60全体の厚膜化を実現した。
本発明では、第1磁気記録層の膜厚は、4nm以下、好ましくは2〜4nmである。4nmを越えると、規則合金の成長阻害及び二次成長が起こる。高い磁気異方性を維持する観点から、第2磁気記録層の膜厚は3〜7nmであることが好ましい。
磁気記録層60の膜厚は、特に限定されるものではない。しかしながら、高い生産性および高い記録密度を両立させる観点から、磁気記録層60は、少なくとも5nm以上、好ましくは8nm以上の膜厚を有することが望ましい。磁気記録層60としての好ましい膜厚は、6〜16nm、より好ましくは、8〜11nmである。更に、本発明の磁気記録媒体は、磁気異方性定数(Ku)の値として少なくとも6.5E+06erg/cm以上が好ましく、1.0E+07erg/cm以上を有することがより好ましく、1.2E+07erg/cm以上を有することが更により好ましい。
更に、磁気記録層60は、残留磁化(Mr)を飽和磁化(Ms)で割ったもの(Mr/Ms)の値が0.70を越えることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。なお、FePt−非磁性材料の磁性材料では、上述したように、炭素含有量が多いと、規則合金の成長阻害及び二次成長が起きるが、この二次成長状態が起こると、Mr/Msが低くなる傾向がある。
また、磁気記録層とは異なるキュリー温度Tcを有するTc制御磁性層をさらに配置することができる。Tc制御磁性層を配置し、両者のTcに合わせた記録温度を設定することで、記録時に必要とされる磁気記録媒体全体としての反転磁界を低減することができる。例えば、Tc制御磁性層のキュリー温度を磁気記録層のキュリー温度より低く設定する。記録温度を両者のキュリー温度の中間に設定すれば、記録時にTc制御磁性層の磁化は消失して記録を反転するために必要な磁界は低減する。このようにして磁気記録ヘッドに要請される記録時の発生磁界が低減され、良好な磁気記録性能が実現できる。
Tc制御磁性層の配置は、磁気記録層の上下いずれとしてもよい。Tc制御磁性層はグラニュラー構造とすることが好ましい。磁気記録層とTc制御磁性層の磁性結晶粒を概ね同じ位置に配置することが特に好ましい。概ね同じ位置とすることで信号対雑音比(SNR)等の性能を向上することができる。
Tc制御磁性層を構成する磁性結晶粒はCo又はFeの少なくとも一つを含む材料とすることが好ましいく、さらにPt、Pd、Ni、Mn、Cr、Cu、Ag、又はAuから選択される元素の少なくとも一つを含むことがより好ましい。例えば、CoCr系合金、CoCrPt系合金、FePt系合金、FePd系合金等を用いることができる。磁性結晶粒の結晶構造は、L1型、L1型、L1型等の規則構造、hcp構造(六方最密充填構造)、fcc構造(面心立方構造)等とすることができる。
Tc制御磁性層を構成する非磁性結晶粒界の材料には、前述した炭素含有非磁性材料、あるいはSiO、TiO等の酸化物、SiN、TiN等の窒化物、C、B等を用いることができる。
磁気記録層とTc制御磁性層の間の磁気的な交換結合を調整するために、磁気記録層とTc制御磁性層の間に交換結合制御層を配置することが好ましい。記録温度における磁気的な交換結合を調整することにより、反転磁界を調整することができる。交換結合制御層は、所望する交換結合に応じて磁性を有する層、又は非磁性層を選択することができる。記録温度における反転磁界の低減効果を高めるためには非磁性層を用いることが好ましい。
磁気記録層とは異なる一軸結晶磁気異方性定数Kuを有するKu制御磁性層を配置することができる。Ku制御磁性層を配置し、磁気記録層との間に適切な磁気的な交換結合を設定することで、記録を保存する時に必要とされる磁気記録媒体全体としての熱的な安定性を向上することができる。
Ku制御磁性層の配置は、磁気記録層の上下いずれとしてもよい。Ku制御磁性層はグラニュラー構造とすることが好ましい。磁気記録層とKu制御磁性層の磁性結晶粒を概ね同じ位置に配置することが特に好ましい。概ね同じ位置とすることで信号対雑音比(SNR)等の性能を向上することができる。
Ku制御磁性層を構成する磁性結晶粒はCo又はFeの少なくとも一つを含む材料とすることが好ましく、さらにPt、Pd、Ni、Mn、Cr、Cu、Ag、又はAuから選択される元素の少なくとも一つを含むことがより好ましい。例えば、CoCr系合金、CoCrPt系合金、FePt系合金、FePd系合金等を用いることができる。磁性結晶粒の結晶構造は、L1型、L1型、L1型等の規則構造、hcp構造(六方最密充填構造)、fcc構造(面心立方構造)等とすることができる。
Ku制御磁性層を構成する非磁性結晶粒界の材料には、前述した炭素含有非磁性材料、あるいはSiO、TiO等の酸化物、SiN、TiN等の窒化物、C、B等を用いることができる。
磁気記録層とKu制御磁性層の間の磁気的な交換結合を調整するために、磁気記録層とKu制御磁性層の間に交換結合制御層を配置することが好ましい。記録保存時における磁気的な交換結合を調整することにより、熱安定性を調整することができる。交換結合制御層は、所望する交換結合に応じて磁性を有する層、又は非磁性層を選択することができる。記録保存温度における熱安定性の向上効果を高めるためには非磁性層を用いることが好ましい。
任意選択的な保護層80は、下にある磁気記録層60以下の各構成層を保護するための層である。本発明における保護層80は、磁気記録媒体の分野で慣用的に使用されている材料、例えばカーボンを主体とする材料などを用いて形成することができる。また、保護層80は、単層であってもよく、積層構造を有してもよい。積層構造の保護層80は、例えば、特性の異なる2種のカーボン系材料の積層構造、金属とカーボン系材料との積層構造、または金属酸化物膜とカーボン系材料との積層構造であってもよい。保護層の膜厚は、保護層の厚さは典型的には10nm以下であることが好ましい。
任意選択的な潤滑層は、PFPE(パーフルオロポリエーテル)などの液体潤滑剤を用いて形成することができる。液体潤滑層の膜厚は、保護層の膜質等を考慮して液体潤滑層の機能を発揮できる膜厚とすることが好ましい。
次に、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法を説明する。最初に、必要に応じて、非磁性基板20の上に非磁性下地層を形成する。次いでシード層40を形成する。これらの各層は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法などを用いて形成することができる。なお、ガラス基板などに代表されるように、必要に応じて、非磁性基板上にTa、Crなどの金属、又は、これらの金属系合金などの材料からなる密着層を形成することができる。
続いて、磁気記録層60を形成する。まず、規則合金を構成する金属及び炭素を含む合金ターゲットを用いるスパッタ法、真空蒸着法などによって、第1磁気記録層62を形成する。
次に、第2磁気記録層64を第1磁気記録層62上に形成する。規則合金を構成する金属及び所望の炭素含有非磁性材料を含む合金ターゲットを用いるスパッタ法、真空蒸着法によって、第2磁気記録層64を形成することができる。
本発明では、上記の第1及び第2磁気記録層の成膜工程において、被成膜基板である非磁性基板20または適切な構成層が形成された非磁性基板20を300〜500℃の温度に加熱することが望ましい。
本発明において、第1磁気記録層62及び第2磁気記録層を形成する方法として、上記のような合金ターゲットを用いたスパッタリング法以外にも、規則合金(例えば、Fe、Pt)を含む材料及びC、或いはこれらの合金などを個別にスパッタリングするコスパッタ法を採用することもできる。
次に、磁気記録層60上に保護層80を形成する。保護層80は、上述の材料を用いて、形成することができ、例えばスパッタ法(DCマグネトロンスパッタリング法などを含む)、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
また、任意選択的な液体潤滑剤層は、磁気記録媒体の分野で慣用的に使用されている材料(たとえば、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤など)を用いて形成することができる。液体潤滑剤層は、たとえば、ディップコート法、スピンコート法などの塗布法を用いて形成することができる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(I) 実施例1〜17及び比較例1〜9
(i) (実施例1〜3)
非磁性基体と、その上に順次設けられるTa密着層、Cr下地層、MgOシード層、規則合金(FePt系)磁気記録層、及びカーボン(C)保護層を有する垂直磁気記録媒体を作製した。実施例1〜3では、第1磁気記録層にFePt−Cを用い、第2磁気記録層にFePt−BCを用いた例を示す。
非磁性基体として、化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)を準備した。非磁性基体を、スパッタ装置内に導入した。Ta密着層から、C保護層までの成膜は、大気解放することなく、インライン式の成膜装置で成膜した。Ta密着層は、純Taターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚5nmで成膜した。次に、Cr下地層は、純Crターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚20nmで成膜した。
次に、基体を300℃に加熱し、MgOターゲットを用いて、RFスパッタリング法で、膜厚5nmのシード層を成膜した。シード層であるMgO層は、真空度0.1PaのArガス雰囲気中で、RFパワー200Wで成膜した。
次に、第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層はFePt−C層である。まず、上記の各層を成膜した基体を400℃に加熱し、成膜時の組成が表1に記載の、FePt(vol%)−C(vol%)となるように調製されたFePt及びCを含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表1に示した膜厚の第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層(FeP−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、第2磁気記録層を成膜した。本実施例の第2磁気記録層はFePt−B4C層である。成膜は以下の通りに行った。上記のように第1磁気記録層を成膜した基体を400℃に加熱した状態で、表1に記載の、FePt(vol%)−B4C(vol%)となるように調製されたFePt及び炭化ホウ素を含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表1に示した膜厚の第2磁気記録層を成膜した。第2磁気記録層(FeP−B4C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、Arガス雰囲気中でカーボンターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により、膜厚3nmのカーボン保護層を形成し、磁気記録媒体を得た。
Figure 0005783330
(ii) (実施例4〜6)
非磁性基体と、その上に順次設けられるTa密着層、Cr下地層、MgOシード層、規則合金(FePt系)磁気記録層、及びカーボン(C)保護層を有する垂直磁気記録媒体を作製した。実施例4〜6では、第1磁気記録層にFePt−Cを用い、第2磁気記録層にFePt−SiCを用いた例を示す。
非磁性基体として、化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)を準備した。非磁性基体を、スパッタ装置内に導入した。Ta密着層から、C保護層までの成膜は、大気解放することなく、インライン式の成膜装置で成膜した。Ta密着層は、純Taターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚5nmで成膜した。次に、Cr下地層は、純Crターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚20nmで成膜した。
次に、基体を300℃に加熱し、MgOターゲットを用いて、RFスパッタリング法で、膜厚5nmのシード層を成膜した。シード層であるMgO層は、真空度0.1PaのArガス雰囲気中で、RFパワー200Wで成膜した。
次に、第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層はFePt−C層である。まず、上記の各層を成膜した基体を400℃に加熱し、成膜時の組成が表2に記載の、FePt(vol%)−C(vol%)となるように調製されたFePt及びCを含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表2に示した膜厚の第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層(FeP−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、第2磁気記録層を成膜した。本実施例の第2磁気記録層はFePt−SiC層である。成膜は以下の通りに行った。上記のように第1磁気記録層を成膜した基体を400℃に加熱した状態で、表2に記載の、FePt(vol%)−SiC(vol%)となるように調製されたFePt及びSiCを含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表2に示した膜厚の第2磁気記録層を成膜した。第2磁気記録層(FeP−SiC層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、Arガス雰囲気中でカーボンターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により、膜厚3nmのカーボン保護層を形成し、磁気記録媒体を得た。
Figure 0005783330
(iii) (実施例7〜17)
非磁性基体と、その上に順次設けられるTa密着層、Cr下地層、MgOシード層、規則合金(FePt系)磁気記録層、及びカーボン(C)保護層を有する垂直磁気記録媒体を作製した。実施例7〜17では、第1磁気記録層にFePt−Cを用い、第2磁気記録層にFePt−B−Cを用いた例を示す。実施例7〜17は、第1磁気記録層の炭素(C)の含有量を40vol%又は25vol%に固定し、第2磁気記録層のホウ素(B)及び炭素(C)の含有割合を変化させて磁気特性を評価した例である。ここで、実施例7〜10は、第1磁気記録層の炭素(C)含有量を40vol%、第2磁気記録層のB−C全量を25vol%にそれぞれ固定し、第2磁気記録層のホウ素(B)及び炭素(C)の含有割合を変化させた例である。また、実施例11〜12は、第1磁気記録層の炭素(C)含有量を25vol%、第2磁気記録層のB−C全量を25vol%にそれぞれ固定し、第2磁気記録層のホウ素(B)及び炭素(C)の含有割合を変化させた例である。さらに、実施例13〜17は、第1磁気記録層のC含有量を40vol%に固定し、第2磁気記録層のB−C全量を変化させた例である。
非磁性基体として、化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)を準備した。非磁性基体を、スパッタ装置内に導入した。Ta密着層から、C保護層までの成膜は、大気解放することなく、インライン式の成膜装置で成膜した。Ta密着層は、純Taターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚5nmで成膜した。次に、Cr下地層は、純Crターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚20nmで成膜した。
次に、基体を300℃に加熱し、MgOターゲットを用いて、RFスパッタリング法で、膜厚5nmのシード層を成膜した。シード層であるMgO層は、真空度0.1PaのArガス雰囲気中で、RFパワー200Wで成膜した。
次に、第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層はFePt−C層である。まず、上記の各層を成膜した基体を400℃に加熱し、成膜時の組成が表3に記載の、FePt(vol%)−C(vol%)となるように調製されたFePt及びCを含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表3に示した膜厚の第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層(FeP−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、第2磁気記録層を成膜した。本実施例の第2磁気記録層はFePt−B−C層である。成膜は以下の通りに行った。上記のように第1磁気記録層を成膜した基体を400℃に加熱した状態で、表3に記載の、FePt(vol%)−B−C(vol%)となるように調製されたFePt、ホウ素(B)及び炭素(C)を含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表3に示した膜厚の第2磁気記録層を成膜した。第2磁気記録層(FeP−B−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
Figure 0005783330
(iv) (比較例1〜6)
比較例として、単層の磁気記録層を有する磁気記録媒体を作製した。磁気記録層は表4に示す組成の規則合金−非磁性材料であった。表4に示す磁気記録層を有する磁気記録媒体は、上記実施例1〜6と同様に成膜した。但し、各比較例における磁気記録層は単層であるので、それぞれの比較例の各磁気記録層は、「FePt−C層」については、実施例1〜6の第1磁気記録層の成膜条件により成膜し、「FePt−BC層」については、実施例1〜3の第2磁気記録層の成膜条件により成膜し、「FePt−SiC層」については、実施例4〜6の第2磁気記録層の成膜条件により成膜した。
Figure 0005783330
(v) (比較例7〜8)
別の比較例として、2層の磁気記録層を有する磁気記録媒体を作製した。
非磁性基体と、その上に順次設けられるTa密着層、Cr下地層、MgOシード層、規則合金(FePt系)磁気記録層、及びカーボン(C)保護層を有する垂直磁気記録媒体を作製した。比較例7及び8は、第1及び第2磁気記録層にFePt−Cを用いた例である。
非磁性基体として、化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)を準備した。非磁性基体を、スパッタ装置内に導入した。Ta密着層から、C保護層までの成膜は、大気解放することなく、インライン式の成膜装置で成膜した。Ta密着層は、純Taターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚5nmで成膜した。次に、Cr下地層は、純Crターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚20nmで成膜した。
次に、基体を300℃に加熱し、MgOターゲットを用いて、RFスパッタリング法で、膜厚5nmのシード層を成膜した。シード層であるMgO層は、真空度0.1PaのArガス雰囲気中で、RFパワー200Wで成膜した。
次に、第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層はFePt−C層である。まず、上記の各層を成膜した基体を400℃に加熱し、成膜時の組成が表5に記載の、FePt(vol%)−C(vol%)となるように調製されたFePt及びCを含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表5に示した膜厚の第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層(FeP−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、第2磁気記録層を成膜した。本比較例の第2磁気記録層はFePt−C層である。成膜は以下の通りに行った。上記のように第1磁気記録層を成膜した基体を400℃に加熱した状態で、表5に記載の、FePt(vol%)−C(vol%)となるように調製されたFePtと、炭素を含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表5に示した膜厚の第2磁気記録層を成膜した。第2磁気記録層(FePt−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
Figure 0005783330
(vi)比較例9
本比較例は、2層の磁気記録媒体において、第2磁気記録層をFePt−SiOとした例である。本比較例の成膜条件は、第2磁気記録層の成膜において、FePt(75vol%)−SiO(25vol%)となるように調製されたFePt及びSiOを含むターゲットを用い、第1磁気記録層及び第2磁気記録層の膜厚をそれぞれ3nm(総膜厚6nm)とした以外、上記比較例7〜8と同様である。本比較例で得られた磁気記録媒体は1.80E+07erg/cmのKuと、0.95のMr/Ms値を有していた。
(vii)(実施例1〜17及び比較例1〜8の評価)
(A)実施例1〜6及び比較例1〜6の結果
磁気記録媒体の評価は、磁気異方性定数(Ku)を評価することにより行った。具体的には、PPMS装置(Physical Property Measurement System)(Quantum Design社製)を用い、自発磁化の磁場印可角度依存性を評価し、試料振動型磁力計(VSM)を用いて飽和磁化(Ms)を求め、非特許文献3及び4に基づいてKu値を算出した。
上記磁気異方性定数に加え、保磁力(Hc)及びM−Hヒステリシスループのα値(保磁力近傍での磁化曲線の傾き)を求めた。なお、M−Hヒステリシスループのα値は、理想的なグラニュラー媒体の場合、α=1になることが知られている。
具体的な測定方法は、PPMS装置を用いM−Hヒステリシスループを評価し、VSMを用いて得た飽和磁化(Ms)から、保磁力(Hc)付近の傾き(dM/dH)からαを求めた。なお、αは0.6以上、2.5以下を良好な範囲とした。
結果を表6にまとめた。
Figure 0005783330
また、Kuの値を図5及び図6にまとめた。図5は、実施例1〜3と比較例1〜5の結果を比較したものであり、図6は、実施例4〜6と比較例1〜4及び6の結果を比較したものである。なお、図5には、参考として、後述する実施例11の結果を「B−C/C」(黒丸)として併記した。
(A−1)FePt−BC/FePt−C(第2磁気記録層/第1磁気記録層)を含む磁気記録媒体の結果
Kuの値から、FePt−C単層の磁気記録媒体は、膜厚の増加と共に、Kuが大きく低下し、磁気異方性が膜厚の増加と共に低下することが分かる。また、FePt−BC単層の磁気記録媒体は、膜厚が4nmでもKuが小さく、磁気異方性が低いことが分かる。一方、本発明の磁気記録媒体であるFePt−C上に、FePt−BCを積層して磁気記録媒体としたものでは、膜厚を増加させても、Ku値の大幅な低下を防ぐことができた。また、保磁力(Hc)及びヒステリシスループのα値についても比較例に比べ、良好な結果となった。
(A−2)FePt−SiC/FePt−C(第2磁気記録層/第1磁気記録層)を含む磁気記録媒体の結果
Kuの値から、FePt−C単層の磁気記録媒体は、膜厚の増加と共に、Kuが大きく低下し、磁気異方性が膜厚の増加と共に低下することが分かる。また、FePt−SiC単層の磁気記録媒体は、膜厚が4nmでもKuが小さく、磁気異方性が低いことが分かる。一方、本発明の磁気記録媒体であるFePt−C上に、FePt−SiCを積層して磁気記録媒体としたものでは、FePt−C単層の磁気記録層を含む磁気記録媒体と比べて、厚膜を厚くしても、全体的にKu値を大きくすることができた。また、保磁力(Hc)及びヒステリシスループのα値についても比較例に比べ、良好な結果となった。
更に、上記実験結果から、規則合金−非磁性材料中の非磁性材料の特性は以下のように考えられる。
a)炭素(C)はFePt結晶中での拡散が速く、FePt結晶粒内からの排出性が良い。しかしながら、膜厚の厚さ4nmで、既にFePt結晶粒(柱状成長)の上表面にも拡散し、FePt結晶の二次成長を引き起こす。
b)BCは、最も拡散が遅く、FePt結晶粒内に残りやすいが、FePt結晶粒(柱状成長)の上表面への拡散はない。そのため、大きなKuはとれないが、厚膜化してもKuの低下はない。BCは、MgOシード層上ではグラニュラー構造をとることが比較的難しい。
c)SiCは、炭素(C)とBCの中間的な特性であると考えられ、非磁性結晶粒界部分への排出は磁気記録層の成長と共にある程度進むと考えられる。しかし、例えば、上記実施例では、FePt−C磁気記録層の膜厚が2nmで、FePt−SiC磁気記録層の膜厚が3nmまでは、FePt−C単層の磁気記録層を含む磁気記録媒体ほどFePt結晶粒の柱状成長表面への、SiCの拡散が少なく、磁気記録層の膜厚の増加に伴うFePt結晶粒の二次成長を比較的抑えることができる。この結果、上記膜厚までは単層で非常に高いKuを得ることができる。しかしながら、FePt−SiC層の膜厚が厚くなるに伴い、FePt結晶粒の柱状成長表面上にもSiCが拡散するようになり、二次成長を引き起こす可能性を有する。
(B)実施例7〜17及び比較例7〜8の結果
これらの実施例では、磁気異方性定数(Ku)と、残留磁化(Mr)を飽和磁化(Ms)で割ったもの(Mr/Ms)を評価した。Mrは、VSMにより測定することができる。FePt−非磁性材料の磁性材料では、上述したように、炭素含有量が多いと、規則合金の成長阻害及び二次成長が起きるが、この二次成長状態では、Mr/Msが低くなる傾向がある。このため、本実施例での評価項目とした。また、Mr/Msが低いと、磁気記録の際に印加された磁界がなくなったとき、磁化の向きを磁化された方向に保てない粒子が存在することを意味し、磁気記録ではそのような粒子は再生信号におけるノイズ源となり、好ましくない。本発明では、Mr/Msの値は0.70を越える値が好適である。
実施例7〜17及び比較例7〜8における磁気記録媒体の磁気異方性定数(Ku)と、Mr/Msの結果を表7に示した。
Figure 0005783330
また、Mr/Msの値を図7〜8にまとめた。図7は、実施例7〜10及び比較例7の結果と、実施例11〜12及び比較例8の結果を比較したものであり、図8は、図7の結果に、さらに実施例13〜17の結果を加えて、比較したものである。
図9は、実施例13〜17の第2磁気記録層(2層目)のホウ素(B)及び炭素(C)の全量に対するMr/Msの値をプロットしたものである。
(B−1)FePt−B−C/FePt−C(第2磁気記録層/第1磁気記録層)を含む磁気記録媒体の結果
実施例7〜12と比較例7及び8を比較すると、比較例では規則金属−非磁性材料中の非磁性材料が炭素(C)のみであるため、二次成長が起こり、これによって、Ku及びMr/Msの値が実施例7〜12に比べて低下している。
上記実施例7〜12の結果から、第2磁気記録層のホウ素(B)及び炭素(C)の割合(B/C比)は0.3以上が好ましく、0.4以上がより好ましいことがわかる(図7)。さらに、実施例13〜17(これらは実施例7〜12よりも広い範囲にわたって第2磁気記録層のB−C含有量を検討したものである)の結果からも、B/C比は0.3以上が好ましく、0.4以上がより好ましいことがわかる(図8)。
また、図9の結果から、FePt−B−Cにおけるホウ素(B)及び炭素(C)の総量が多くなるにつれて、Mr/Msの値も低下する傾向があることがわかる。また、実施例7〜17の結果からも、規則金属−非磁性材料中の非磁性材料の含有量は、20vol%から40vol%が好ましく、20vol%から30vol%がより好ましいことがわかる。
図5において実施例1〜6と併せて実施例11の結果を示したように、FePt−B−Cを用いた場合においても、実施例1〜6と同様の優れた磁気特性を実現できた。
(C)実施例10及び比較例9の結果
本発明の磁気記録媒体と従来の磁気記録媒体を比較するため、透過型電子顕微鏡(TEM)により、実施例10と比較例9の磁気記録媒体の平面TEMを測定した。結果を図10A及び図10Bに示した。本発明の実施例10(図10A)では、膜厚が7.2nmと比較的厚いにもかかわらず、一定で均一な粒形成が得られていることがわかる。一方、比較例9(図10B)のようにFeP−SiO2を第2磁気記録層として形成した場合、膜厚が6nm程度ですでに粒形成は均一なものではなかった。
(II) 実施例18〜20
(i) (実施例18〜20)
実施例18〜20は、磁気記録層を3層以上の複数層とした例である。
非磁性基体と、その上に順次設けられるTa密着層、Cr下地層、MgOシード層、規則合金(FePt系)磁気記録層、及びカーボン(C)保護層を有する垂直磁気記録媒体を作製した。実施例18〜20では、奇数番の磁気記録層にFePt−Cを用い、偶数番の磁気記録層にFePt−BCを用いた(詳細な層構成及び各層の膜厚は表8に示した。)。
非磁性基体として、化学強化ガラス基体(HOYA社製N−10ガラス基体)を準備した。非磁性基体を、スパッタ装置内に導入した。Ta密着層から、C保護層までの成膜は、大気解放することなく、インライン式の成膜装置で成膜した。Ta密着層は、純Taターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚5nmで成膜した。次に、Cr下地層は、純Crターゲットを用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、膜厚20nmで成膜した。
次に、基体を300℃に加熱し、MgOターゲットを用いて、RFスパッタリング法で、膜厚5nmのシード層を成膜した。シード層であるMgO層は、真空度0.1PaのArガス雰囲気中で、RFパワー200Wで成膜した。
次に、第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層はFePt−C層である。まず、上記の各層を成膜した基体を400℃に加熱し、成膜時の組成が表1に記載の、FePt(vol%)−C(vol%)となるように調製されたFePt及びCを含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表8に示した膜厚の第1磁気記録層を成膜した。第1磁気記録層(FeP−C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
次に、第2磁気記録層を成膜した。本実施例の第2磁気記録層はFePt−B4C層である。成膜は以下の通りに行った。上記のように第1磁気記録層を成膜した基体を400℃に加熱した状態で、表8に記載の、FePt(vol%)−B4C(vol%)となるように調製されたFePt及び炭化ホウ素を含むターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法により、表1に示した膜厚の第2磁気記録層を成膜した。第2磁気記録層(FeP−B4C層)は、真空度1.0PaのArガス雰囲気中、DCパワー100Wで成膜した。
上記第1磁気記録層及び第2磁気記録層の手順を必要な回数繰り返して所望の数の層を有する磁気記録層を形成した。
次に、Arガス雰囲気中でカーボンターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により、膜厚3nmのカーボン保護層を形成し、磁気記録媒体を得た。
(ii)(評価)
本実施例における磁気記録媒体の評価は、磁気異方性定数(Ku)を評価することにより行った。評価方法は実施例1〜6と同様である。
上記磁気異方性定数に加え、保磁力(Hc)及びヒステリシスループのα値(保磁力近傍での磁化曲線の傾き)を求めた。評価方法は実施例1〜6と同様である。
結果を表8に示した。なお、表8には、実施例1〜3の結果を参考として併記した。
Figure 0005783330
上記結果を図11に示した。図11は、磁気記録層の総膜厚に対して、Kuの値をプロットしたものである。
これらの結果から明らかなように、FePt−C層とFePt−BC層を交互に複数積層することで、Ku、Hc及びヒステリシスループのα値を保持したまま、膜厚を更に厚くすることができる。
更に、実施例20の層構造の磁気記録層を有する磁気記録媒体と、実施例3の層構造の磁気記録層を有する磁気記録媒体の垂直TEMを測定した。結果を図12A及び図12Bに示す。これらの結果から明らかなように、2層構造の実施例3では、7nm程度の膜厚で規則合金の成長阻害が起こるが、更に多くの層を有する実施例20では、10nm程度の膜厚までこのようなことは起こらなかった。
(III) まとめ
上記実施例及び比較例の実験結果の比較から、本発明の1つの実施形態として、FePt−Cを第1磁気記録層として使用し、これと組合せて、第2磁気記録層として、上記実施例で使用した規則合金を含む磁性結晶粒−炭素含有非磁性材料のグラニュラー構造を有する磁気記録層を設けることで、高い磁気異方性を維持しながら磁気記録層全体の厚膜化を実現することが可能となった。更に、本発明の別の1つの実施形態として、FePt−C層と、規則合金を含む磁性結晶粒−炭素含有非磁性材料を交互に複数層設けることにより、高い磁気異方性を維持しながら磁気記録層全体の膜厚の更なる厚膜化を実現できた。
本発明の磁気記録媒体は、熱アシスト式、マイクロ波アシスト式等のエネルギーアシスト式の磁気記録媒体を含めた、垂直磁気記録媒体を含む磁気記録装置に利用可能である。
20 非磁性基体
40、210 シード層
60 磁気記録層
62 第1磁気記録層
64 第2磁気記録層
80 保護層
100 磁気記録媒体
200 磁性結晶粒
230 規則合金の第1磁性結晶粒
250 規則合金の第2磁性結晶粒
270 非磁性結晶粒界
290、292、294 磁化容易軸
320 規則合金の添加材料(非磁性材料)の析出部分
400 磁性結晶粒(200)と非磁性材料(320)の混合領域

Claims (9)

  1. 非磁性基板及び磁気記録層を少なくとも含む垂直磁気記録媒体であって、
    前記磁気記録層は、少なくとも第1磁気記録層及び第2磁気記録層を含む複数層からなり、
    前記第1磁気記録層は、基板側に近い磁気記録層であり、第1磁性結晶粒と、前記第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第1磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第1非磁性結晶粒界は炭素からなり、
    前記第2磁気記録層は、第2磁性結晶粒と、前記第2磁性結晶粒を取り囲む第2非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第2磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第2非磁性結晶粒界は、炭素、ホウ素又はケイ素から選択される2つ以上の材料からなるもの、又はホウ素からなるものであることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 非磁性基板及び磁気記録層を少なくとも含む垂直磁気記録媒体であって、
    前記磁気記録層は、少なくとも第1磁気記録層及び第2磁気記録層を含む複数層からなり、
    前記第1磁気記録層は、基板側に近い磁気記録層であり、第1磁性結晶粒と、前記第1磁性結晶粒を取り囲む第1非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第1磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第1非磁性結晶粒界は炭素からなり、
    前記第2磁気記録層は、第2磁性結晶粒と、前記第2磁性結晶粒を取り囲む第2非磁性結晶粒界とを含むグラニュラー構造を有し、前記第2磁性結晶粒は規則合金を含み、前記第2非磁性結晶粒界は炭化物であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 前記炭化物は、ホウ素(B)炭化物又はケイ素(Si)炭化物であることを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記炭化物は、炭化ホウ素(B4C)又は炭化ケイ素(SiC)であることを特徴とする請求項2又は3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記第2非磁性結晶粒界の材料の含有量は、20vol%から50vol%であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記第1磁性結晶粒及び前記第2磁性結晶粒はL10型の規則合金を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記L10型の規則合金は、Fe及びPtを含むことを特徴とする請求項6に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記第1磁気記録層の膜厚は、4nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記第1磁気記録層又は第2磁気記録層を複数層有し、且つ、前記第1磁気記録層と第2磁気記録層が交互に積層されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
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