JP2001351217A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001351217A
JP2001351217A JP2000171518A JP2000171518A JP2001351217A JP 2001351217 A JP2001351217 A JP 2001351217A JP 2000171518 A JP2000171518 A JP 2000171518A JP 2000171518 A JP2000171518 A JP 2000171518A JP 2001351217 A JP2001351217 A JP 2001351217A
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Yoshitake Kaizu
功剛 貝津
Hisateru Sato
久輝 佐藤
Iwao Okamoto
巌 岡本
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体に関し、強磁性材料の結晶粒同
士の分離を保ちながら、記録磁化安定性に十分な結晶粒
径を確保し、低ノイズ化、良好な信号書込特性を実現す
る。 【解決手段】 非磁性材料4中に強磁性材料の結晶粒5
が分散した構造を持つ記録層3を構成する非磁性材料4
として、融点Tn がSiO2 の融点より低く、且つ、強
磁性材料の融点Tmag と同じかそれよりも高いガラス材
料を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
るものであり、特に、低ノイズで高出力を得るために強
磁性材料−非磁性材料グラニュラ磁気記録媒体を構成す
る強磁性材料及び非磁性材料の選択に特徴のある磁気記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のハードディスク装置の小型化,大
容量化の需要の高まりに伴い、高密度磁気記録が可能な
ハードディスク装置の研究開発が急速に進められてお
り、そのために、記録ビットの幅も記録密度の上昇に応
じて狭くなってきている。
【0003】しかし、記録密度を高くすると再生出力が
低下するとともにノイズが増加してS/N比が低下して
しまうので、記録信号読取時にエラーが発生してしまう
という問題がある。したがって、より小さな記録ビット
を磁気記録媒体に形成するためには、記録ヘッドの高性
能化もさることながら、磁気記録媒体自体の高保磁力化
及び低ノイズ化が重要となる。
【0004】この様な磁気記録媒体におけるノイズの発
生の原因は、磁化遷移部分のばらつきであり、これは強
磁性層を構成する強磁性結晶粒間の磁気的な相互作用に
起因している。
【0005】即ち、磁気記録媒体にデータを記録した場
合、隣接する記録ビットは磁化方向が交互に逆向きにな
り、その境界にビット境界が形成されるが、このビット
境界はビット境界を構成する強磁性結晶粒の粒界の影響
で乱れ、この乱れが再生信号のノイズ、即ち、粒界ノイ
ズとなってS/N比が低下することになる。したがっ
て、媒体ノイズ(Nm =Nmedia )の低減のためには強
磁性結晶粒間の磁気的な相互作用を弱めてやることが必
要になる。
【0006】そこで、従来の磁気記録媒体においては、
CoCrPt或いはCoCrPtTa等のCoを基調と
した3元もしくは4元の合金をスパッタリング法によっ
て成膜した薄膜を用いるのが一般的であるため、その組
成及び成膜条件を制御することによって、20〜50n
m程度の微細なCoリッチ磁性粒子からなる強磁性部分
の周りに非磁性のCrが偏析した構成とすることによっ
てノイズの低減を図っていた。
【0007】また、ガラス或いは耐熱性高分子フィルム
を基板として用い、Fe等の磁性金属とAg等の非磁性
金属を同時に低温で130〜150nm程度の膜厚に成
膜して微細混合膜を形成したのち、加熱により粒子成長
させ、所望の磁気特性膜を得ることが提案されている
(必要ならば、特開昭59−42642号公報参照)
が、この様な方法によっては、現在要求されている磁気
記録媒体の膜厚である30nm以下で高い保磁力を得る
ことは困難であると考えられる。
【0008】そこで、本発明者は、FeもしくはFe系
合金、或いは、CoもしくはCo系合金からなる強磁性
材料と、これらと非固溶な非磁性材料と同時スパッタし
て、非磁性金属材料中に微細な強磁性粒子を分離析出さ
せることによって、記録層を構成する強磁性粒子同士を
孤立化させ、強磁性粒子間の磁気的な相互作用を低減
し、高密度記録領域における媒体ノイズを減少させるこ
とを提案している(必要ならば、特願平7−16043
7号参照)。但し、この方法においては、スパッタ後に
熱処理を行うと、強磁性粒子の分離が完全ではなく、と
ころどころ接触する強磁性粒子が存在するという問題が
ある。
【0009】また、Co系合金と、それと非固溶な、高
分子材料、酸化物、窒化物、或いは、フッ化物等の非磁
性材料とを同時スパッタすることによって記録層を形成
した強磁性材料−非磁性材料グラニュラ磁気記録媒体が
提案されている(必要ならば、特開平11−11073
0号公報、或いは、特開平10−302242号公報参
照)。
【0010】ここで、図5を参照して、従来の強磁性材
料−非磁性材料グラニュラ磁気記録媒体の一例を説明す
る。 図5参照 図5は、従来の磁気記録媒体の概略的構成図であり、実
際には、Al基板の両側に対称的に記録層が構成されて
いる。まず、Al基板21上に、10μm程度のNiP
補強層22をメッキにより成膜してAl基板21の機械
的強度を高め、高速回転時の磁気ヘッドとの接触信頼性
を確保する。
【0011】次いで、スパッタリング法を用いて、強磁
性体であるCo80Pt20と非磁性体であるSiO2 とを
同時スパッタして、厚さが、15nmの記録層23を形
成したのち、厚さが10nmのDLC層26を形成す
る。
【0012】この場合、Co80Pt20とSiO2 の物理
化学的性質、例えば、融点、表面エネルギー、或いは、
凝集エネルギー等に依存した析出粒径及び孤立性を持っ
てSiO2 膜24中にCo80Pt20からなる強磁性粒子
25が析出した構造が実現され、強磁性粒子25間の磁
気的な相互作用が弱められ、優れた磁気特性が期待され
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
よる強磁性材料−非磁性材料グラニュラ磁気記録媒体に
おける強磁性粒子の平均結晶粒径は10nm以下であ
り、それ以上の膜厚にすると2列目の結晶粒が成長しは
じめて平均結晶粒径が増大することはなく、この様な結
晶粒径では充分な記録磁化安定性を確保することは困難
であるという問題がある。
【0014】これは、析出する結晶粒径に影響を与える
Co80Pt20とSiO2 の物理化学的性質の内、融点が
ともに1600℃程度と接近していることが原因である
と考えられる。即ち、同時堆積させた記録層23におい
て、非磁性母材であるSiO2 膜24中に充分大きな結
晶粒の強磁性粒子25を析出させるためには、非磁性材
料の融点Tn と強磁性材料の融点Tmag との間に、Tn
≦Tmag の関係が成立する必要があるが、両者の融点が
接近していると非磁性母材が冷却する過程で強磁性粒子
の結晶粒が充分成長しないためである。
【0015】また、上記の提案においてはSiO2 以外
の非磁性材料を用いることも示唆されているが、具体的
例は全く開示されておらず、且つ、SiO2 のようなガ
ラス材料ではない他の非磁性材料を用いて、SiO2
用いた場合以上の十分安定な記録磁化を有しながら、極
低ノイズ性を確保した磁気記録媒体を実現することは、
過去の実験事実から見て困難であると予想される。
【0016】したがって、本発明は、強磁性材料の結晶
粒同士の分離を保ちながら、記録磁化安定性に十分な結
晶粒径を確保し、低ノイズ化、良好な信号書込特性を実
現することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図におい
て、符号2はNiP等の補強層であり、また、符号6は
DLC等の保護層である。 図1参照 上述の課題を解決するために、本発明においては、非磁
性材料4中に強磁性材料の結晶粒5が分散した構造を持
つ記録層3を有する磁気記録媒体において、非磁性材料
4として、融点Tn がSiO2 の融点より低く、且つ、
強磁性材料の融点Tmag と同じかそれよりも低いガラス
材料を用いたことを特徴とする。
【0018】この様に、非磁性材料4として、融点Tn
がSiO2 の融点より低く、且つ、強磁性材料の融点T
mag と同じかそれよりも低いガラス材料を用いること、
即ち、 Tn <TSiO2、且つ、Tn ≦Tmag の関係を満たすことによって、強磁性材料の結晶粒5の
結晶粒径を十分大きくすることができ、それによって、
超高密度磁気記録領域においても熱揺らぎによる影響の
少ない、低媒体ノイズで高信号品質の、即ち、高S/N
の磁気記録媒体を実現することができる。
【0019】また、本発明においては、強磁性材料とし
てCoを主成分とする合金、特に、少なくともCoとP
tとを含む合金を用い、また、ガラス材料として、酸化
物、特に、SiO2 を主体とする材料を用いることを特
徴とする。
【0020】この様に、強磁性材料としては、記録磁化
の熱安定性を考慮すると六方細密構造を有するCoを主
成分とする合金が望ましく、特に、1軸異方性を有し、
適度に高い保磁力を得やすいCo−Pt合金が望まし
い。
【0021】また、ガラス材料としては、As2 3
Sb2 3 等の硫化物等でも良いが、常温・常圧での安
定性、強磁性材料に対する固溶度を考慮すると非固溶な
酸化物が望ましく、さらに、毒性等を考慮すると、Si
2 を主成分とする酸化物が望ましい。
【0022】また、本発明においては、非磁性基板1と
記録層3との間に、非磁性材料からなり、且つ、柱状結
晶構造を有する下地層、特に、CrまたはCrを主成分
とする合金を用いることを特徴とする。
【0023】この様に、Cr系材料からなる柱状結晶構
造を有する下地層を設けることによって、強磁性材料の
結晶粒5がエピタキシャル成長し、磁化容易軸が面内配
向するので、より高い保持力及びS/N比が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】ここで、図2を参照して、本発明
の第1の実施の形態の磁気記録媒体を説明する。 図2参照 図2は、本発明の第1の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図であり、実際には、Al基板の両側に対称的
に記録層を設けた構造となっている。まず、例えば、
3.5インチ(≒8.9cm)のAl基板11上に、厚
さが、例えば、10μm程度のNi8119からなるNi
P補強層12をメッキにより設けて、Al基板11の機
械的強度を高めて、高速回転時の磁気ヘッドとの接触信
頼性を確保する。
【0025】次いで、必要に応じて砥粒を用いたテクス
チャ加工を行って、NiP補強層12の表面の円周方向
に沿って微細な溝を形成したり、或いは、凹凸加工を行
って凹凸を形成する。このテクスチャ加工によって形成
された溝或いは凹凸加工によって形成された凹凸によっ
て磁気ヘッドと磁気ディスク記録媒体との間の摩擦を低
減して磁気ヘッドの吸着を防止するとともに、テクスチ
ャ加工によって円周方向に磁化が向きやすくなるので面
内記録方向への磁気異方性を高めることができる。
【0026】次いで、多元スパッタ装置を用いて、基板
温度Ts を25℃とした状態で、Co80Pt20ターゲッ
ト、SiO2 ターゲット、及び、GeO2 ターゲットを
用いて同時スパッタすることによってNiP補強層12
上に、厚さ7〜20nm、例えば、15nmの記録層1
3を堆積させたのち、保護層として厚さが、例えば、1
0nmのDLC層16を形成する。
【0027】この場合、SiO2 −GeO2 膜14の融
点は、SiO2 とGeO2 とが共晶を形成してSiO2
膜の融点より低くなるので、結晶粒が成長し易く記録層
13の膜厚とほぼ等しい平均結晶粒径のCo80Pt20
らなる強磁性粒子15がSiO2 −GeO2 膜14中に
析出した構造が実現される。
【0028】なお、この場合のスパッタ条件は、下記の
表1に示す条件で行うものであり、記録層13の組成は
50体積%のCo80Pt20が含まれたSiO2 −GeO
2 膜となり、また、SiO2 −GeO2 膜14における
SiO2 とGeO2 の体積比は、SiO2 :GeO2
80:20となる。また、記録層13の成膜時にRFバ
イアスを印加しているので強磁性粒子15が成長し易
く、結晶粒径がより大きくなる。
【0029】
【表1】
【0030】この第1の実施の形態の磁気記録媒体の保
磁力は15.9kA/mであり、また、8kfc/mm
(キロフラックスチェンジ/ミリメートル)の記録密度
における、Siso /Nm は27dBを実現することがで
きた。なお、Siso は孤立波出力、即ち、記録密度の低
い領域の出力であり、Nm は媒体ノイズである。
【0031】この様に、本発明の第1の実施の形態にお
いては、強磁性粒子15同士が完全に分離されて孤立し
ているので磁気的な相互作用が弱くなり、それによって
媒体ノイズNm が小さくなるので、Siso /Nm 比を大
きくすることができる。
【0032】また、本発明の第1の実施の形態において
は、非磁性母材としてCo80Pt20より融点が低いSi
2 −GeO2 を用いているのでCo80Pt20からなる
強磁性粒子15の平均結晶粒径を大きくすることがで
き、それによって、記録磁化の熱的安定性を向上するこ
とができる。
【0033】即ち、熱ゆらぎの影響は、Ku を記録層の
磁気異方性定数、Vを記録層の単位磁化の体積、kをボ
ルツマン定数、絶対温度をTとすると、Ku ・V/kT
で表され、この値が大きいほど熱的に安定である。した
がって、強磁性粒子の平均結晶粒径を大きくするとVが
大きくなり、熱ゆらぎの影響が小さくなり、熱的安定性
が高まる。
【0034】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施の形態の磁気記録媒体を説明するが、非磁性母材とし
てSiO2 −SnO2 を用いた以外は上記の第1の実施
の形態と全く同様であるので、説明は簡単にする。 図3参照 図3は、本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図であり、実際には、Al基板の両側に対称的
に記録層を設けた構造となっている。まず、上記の第1
の実施の形態と同様にAl基板11上にNiP補強層1
2をメッキにより設けたのち、多元スパッタ装置を用い
て、基板温度Ts を25℃とした状態で、Co80Pt20
ターゲット、SiO2 ターゲット、及び、SnO2 ター
ゲットを用いて同時スパッタすることによってNiP補
強層12上に、厚さ7〜20nm、例えば、15nmの
記録層13を堆積させたのち、保護層として厚さが、例
えば、10nmのDLC層16を形成する。
【0035】この場合、SiO2 −SnO2 膜17の融
点は、SiO2 とSnO2 とが共晶を形成してSiO2
膜の融点より低くなるので、結晶粒が成長し易く記録層
13の膜厚とほぼ等しい平均結晶粒径のCo80Pt20
らなる強磁性粒子15がSiO2 −SnO2 膜17中に
析出した構造が実現される。
【0036】なお、この場合のスパッタ条件は、下記の
表2に示す条件で行うものであり、記録層13の組成は
50体積%のCo80Pt20が含まれたSiO2 −SnO
2 膜となり、また、SiO2 −SnO2 膜17における
SiO2 とSnO2 の体積比は、SiO2 :SnO2
80:20となる。また、この場合も、記録層13の成
膜時にRFバイアスを印加しているので強磁性粒子15
が成長し易く、結晶粒径がより大きくなる。
【0037】
【表2】
【0038】この第2の実施の形態の磁気記録媒体の保
磁力は14.8kA/mであり、また、8kfc/mm
の記録密度における、Siso /Nm は26dBであり、
上記の第1の実施の形態とほぼ同様の特性を得ることが
できた。
【0039】この様に、本発明の第2の実施の形態にお
いても、非磁性母材としてCo80Pt20より融点が低い
SiO2 −SnO2 を用いているのでCo80Pt20から
なる強磁性粒子15の平均結晶粒径を大きくすることが
でき、それによって、記録磁化の熱的安定性を向上する
ことができる。
【0040】次に、図4を参照して、本発明の第3の実
施の形態の磁気記録媒体を説明するが、この第3の実施
の形態は、下地層として柱状多結晶構造を有するCr層
をNiP補強層上に設けた点で、上記の第1の実施の形
態と異なるものである。 図4参照 図4は、本発明の第3の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図であり、実際には、Al基板の両側に対称的
に記録層を設けた構造となっている。まず、上記の第1
の実施の形態と同様にAl基板11上にNiP補強層1
2をメッキにより設けたのち、多元スパッタ装置を用い
て、基板温度Ts を25℃とした状態で、Crをスパッ
タすることによって、厚さが、例えば、20nmのCr
層18を堆積させたのち、Co80Pt20ターゲット、S
iO2 ターゲット、及び、GeO2 ターゲットを用いて
同時スパッタすることによってCr層18上に、厚さ7
〜20nm、例えば、15nmの記録層13を堆積さ
せ、次いで、保護層として厚さが、例えば、10nmの
DLC層16を形成する。
【0041】この場合、Cr層18は柱状多結晶構造と
なるので、その上に堆積する記録層13中の強磁性粒子
19はエピタキシャル成長し、磁化容易軸が面内配向し
た状態で結晶粒が成長することになり、記録層13の膜
厚とほぼ等しい平均結晶粒径のCo80Pt20からなる強
磁性粒子19がSiO2 −GeO2 膜14中に析出した
構造が実現される。
【0042】なお、この場合のスパッタ条件は、下記の
表3に示す条件で行うものであり、記録層13の組成
は、上記の第1の実施の形態と同様に、50体積%のC
80Pt20が含まれたSiO2 −GeO2 膜となり、ま
た、SiO2 −GeO2 膜14におけるSiO2 とGe
2 の体積比は、SiO2 :GeO2 =80:20とな
る。
【0043】
【表3】
【0044】この第3の実施の形態の磁気記録媒体の保
磁力は19.9kA/mであり、また、8kfc/mm
の記録密度における、Siso /Nm は29dBであり、
上記の第1の実施の形態より優れた特性を得ることがで
きた。
【0045】この様に、本発明の第3の実施の形態にお
いては、柱状多結晶構造を有するCr層18からなる下
地層を設けているので、結晶配向がそろうとともに強磁
性粒子19の平均結晶粒径がより大きくなるので、保磁
力が大きくなり、且つ、熱的安定性を向上することがで
きる。
【0046】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載された構成・条件に
限られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、上記の各実施の形態においては、磁化記録層を構成
する磁性膜として、Co80Pt20を用いているが、他の
組成のCoPt合金でも良く、また、Co 69Cr21Pt
8 Ta2 等のCoCrPtTa合金、Co74Cr15Pt
4 Ta4 Nb3 等のCoCrPtTaNb合金、或い
は、Co76.3Cr17Pt6.7 等のCoCrPt合金を用
いても良いものであり、さらには、Co単体でも良く、
いずれにしても、Coまたは、Coを主成分とし少なく
ともPtを含むCo合金であれば良い。これは、Co合
金は六方細密構造を有し、且つ、Co−Pt合金は1軸
異方性を有し、適度に高い保磁力を得ることができるた
めである。
【0047】また、上記の各実施の形態においては、非
磁性母材としてSiO2 −GeO2或いはSiO2 −S
nO2 のSiO2 を主成分とするガラス材料を用いてい
るが、これらの材料に限られるものではなく、SO3
2 3 、B2 3 、As23 、或いは、Sb2 5
等の他の酸化物をSiO2 に混合しても良いものであ
り、いずれにしても、共晶を構成することによって融点
がSiO2 より低くなるので、強磁性粒子の平均結晶粒
径を大きくすることができる。
【0048】さらには、ガラス材料としては、SiO2
を主成分とするガラス材料に限られるものではなく、S
3 、P2 3 、B2 3 、As2 3 、或いは、Sb
2 5 等の単体の酸化物、SやP等の元素、As2 3
やSb2 3 等の硫化物、As2 Se3 やSb2 Se3
等のセレン化物、As2 Te3 やSb2 Te3 等のテル
ル化物、ハロゲン化物、或いは、有機化合物を用いても
良いものである。但し、常温・常圧における安定性、C
o合金に対する非固溶性、さらには、毒性を考慮するな
らば、SiO2 を主成分とするガラス材料が最も好適で
ある。
【0049】また、上記の第3の実施の形態において
は、下地層としてCrを用いているが、Crに限られる
ものではなく、Crを主成分とする合金を用いても良い
ものである。例えば、Cr90Mo10等のMo,W,T
a,V,Ti等を添加したCr合金を用いれば良いもの
であり、これらの元素の添加によりbcc構造を有する
Crの格子定数を大きくすることができ、それによっ
て、Co−Pt合金との格子整合を取ることが容易にな
るので、再現性良く強磁性粒子の平均結晶粒径を大きく
することができ、さらには、結晶配向性の制御や応力の
制御が可能になる。
【0050】また、上記の各実施の形態においては、非
磁性基板としてAl基板を用いているが、Al基板に限
られるものではなく、ガラス基板やSi基板等の他の基
板を用いても良いのであり、ガラス基板を用いた場合に
は、記録層の密着性を高めるためにNiP層或いはNi
Al層を下地として設ければ良い。
【0051】また、上記の各実施の形態においては特に
示していないが、記録層の残留磁化と膜厚の積は、10
0Gauss・μm以下にすることが望ましい。即ち、
リードヘッドがMRヘッドによって構成されて以来、感
度が飛躍的に向上しているので、記録層の残留磁化と膜
厚の積を大きくしても出力が飽和するので、100Ga
uss・μm以下にすることが望ましいことになる。
【0052】また、上記の各実施の形態においては、記
録層を同時スパッタによって成膜する際に、スパッタリ
ング電力以外にRFバイアスを印加しているが、このR
Fバイアスは必ずしも必要がないものである。
【0053】ここで、再び、図1を参照して、本発明の
付記を説明する。 (付記1) 非磁性基板1上に、非磁性材料4中に強磁
性材料の結晶粒5が分散した構造を持つ記録層3を有す
る磁気記録媒体において、前記非磁性材料4として、融
点Tn がSiO2 の融点より低く、且つ、前記強磁性材
料の融点Tmagと同じかそれよりも低いガラス材料を用
いたことを特徴とする磁気記録媒体。 (付記2) 上記強磁性材料として、CoまたはCoを
主成分とするCo合金を用いることを特徴とする付記1
記載の磁気記録媒体。 (付記3) 上記強磁性材料として、Coを主成分と
し、少なくともPtを含むCo合金を用いることを特徴
とする付記1記載の磁気記録媒体。 (付記4) 上記ガラス材料として、Co合金に非固溶
なガラス材料を用いることを特徴とする付記1乃至3の
いずれか1に記載の磁気記録媒体。 (付記5) 上記Co合金に非固溶なガラス材料とし
て、SiO2 を主成分とする酸化物を用いることを特徴
とする付記4記載の磁気記録媒体。 (付記6) 上記SiO2 を主成分とする酸化物が、S
iO2 −GeO2 またはSiO2 −SnO2 のいずれか
であることを特徴とする付記5記載の磁気記録媒体。 (付記7) 上記非磁性基板1と記録層3との間に、柱
状結晶構造を有する下地層を設けたことを特徴とする付
記1乃至6のいずれか1に記載の磁気記録媒体。 (付記8) 上記下地層として、CrまたはCrを主成
分とするCr合金を用いたことを特徴とする付記7記載
の磁気記録媒体。 (付記9) 上記記録層3の表面に、カーボンを主成分
とする保護層6を設けたことを特徴とする付記1乃至8
のいずれか1に記載の磁気記録媒体。 (付記10) 上記記録層3の残留磁化と膜厚の積を、
100Gauss・μm以下とすることを特徴とする付
記1乃至9のいずれか1に記載の磁気記録媒体。 (付記11) 非磁性基板1上に、非磁性材料4と強磁
性材料とを同時にスパッタして成膜することにより、非
磁性材料4中に強磁性材料の結晶粒5が分散した構造を
持つ記録層3を形成する磁気記録媒体の製造方法におい
て、前記非磁性材料4として、融点Tn がSiO2 の融
点より低く、且つ、前記強磁性材料の融点Tmag と同じ
かそれよりも低いガラス材料を用いたことを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法。 (付記12) 上記同時スパッタ工程において、スパッ
タリング電力以外に、高周波バイアス電力を印加するこ
とを特徴とする付記11記載の磁気記録媒体の製造方
法。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、強磁性材料−非磁性材
料グラニュラ磁気記録媒体を構成する非磁性材料とし
て、SiO2 より融点が低く、且つ、強磁性材料の融点
と同じか低い融点のガラス材料を用いているので、高い
S/N比と高い熱的安定性を再現性良く両立することが
でき、それによって、ハードディスク装置等の磁気ディ
スク記録装置の大容量化及び高密度磁気記録化に寄与す
るところが大きい。
【0055】また、柱状多結晶構造を有する下地層を設
けることによって、非磁性材料中に析出する強磁性粒子
の平均結晶粒径をより大きくすることができ、それによ
って、S/N比をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図である。
【図5】従来の磁気記録媒体の概略的構成図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 補強層 3 記録層 4 非磁性材料 5 強磁性材料の結晶粒 6 保護層 11 Al基板 12 NiP補強層 13 記録層 14 SiO2 −GeO2 膜 15 強磁性粒子 16 DLC層 17 SiO2 −SnO2 膜 18 Cr層 19 強磁性粒子 21 Al基板 22 NiP補強層 23 記録層 24 SiO2 膜 25 強磁性粒子 26 DLC層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 巌 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB06 BB07 CA01 CA05 DA03 FA09 5E049 AA04 AA09 DB12 DB20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、非磁性材料中に強磁
    性材料の結晶粒が分散した構造を持つ記録層を有する磁
    気記録媒体において、前記非磁性材料として、融点Tn
    がSiO2 の融点より低く、且つ、前記強磁性材料の融
    点Tmag と同じかそれよりも低いガラス材料を用いたこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記強磁性材料として、Coを主成分と
    し、少なくともPtを含むCo合金を用いることを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記ガラス材料として、Co合金に非固
    溶なガラス材料を用いることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記Co合金に非固溶なガラス材料とし
    て、SiO2 を主成分とする酸化物を用いることを特徴
    とする請求項3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記非磁性層基板と記録層との間に、柱
    状結晶構造を有する下地層を設けたことを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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