JP5783134B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、係合装置としてバンドブレーキを備える車両用自動変速機の制御装置に関するものである。
バンドを回転体に巻き付けることでその回転体の回転を停止する形式のバンドブレーキを係合装置として備え、そのバンドに作用する力を係合圧に応じて発生させる車両用自動変速機が良く知られている。例えば、特許文献1,2に記載された自動変速機がそれである。
特開2002−98227号公報 特開平11−264460号公報
ここで、自動変速機の変速に際してバンドブレーキを係合するときには、例えば公知の湿式多板式のクラッチやブレーキのように、係合圧を漸増することでバンドの巻き付きを進行させて、そのバンドの巻き付きを完了させることが考えられる。ところで、バンドブレーキは、その特性上、係合圧を高めていくに従って徐々にバンドの巻き付きが進行する。その為、バンドブレーキは、係合圧が低い領域では摩擦係数が低く、バンドの接触角(すなわちバンド巻き付け角)が増加するに伴ってその摩擦係数が増加する傾向がある。このバンドブレーキの摩擦係数は、バンドの内周面(回転体との接触面)に設けられた摩擦材自体の真の摩擦係数ではなく、バントの接触角の大きさで変化する見かけ上の摩擦係数である。本明細書では、特に区別しない場合には、バンドブレーキの摩擦係数といえば、バンドブレーキの見かけ上の摩擦係数を指すものとする。
つまり、バンドブレーキは、多板式のブレーキと異なり、係合過程で摩擦材の接触面積が変化する為、係合過程におけるトルク容量は、係合圧に加えバントの接触角(見方を換えればバンドブレーキの摩擦係数)の影響を受ける。その為、係合圧を漸増することでバンドの巻き付きを完了させる場合、自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始後に係合圧の漸増によってバンドの巻き付きが進行して摩擦係数が増大する。そうすると、そのイナーシャ相中には、係合圧の漸増と相俟ってバンドブレーキのトルク容量が急増し、変速に伴う回転変化が急となって変速ショックが増大する可能性がある。このような現象は、自動変速機の入力トルクが比較的高くされることに伴って元々係合圧が高くされるような領域(例えば高アクセル開度領域)では発生し難く、自動変速機の入力トルクが比較的低くされることに伴って元々係合圧が低くされるような領域(例えば低アクセル開度領域)で特に顕著に現れると考えられる。尚、このような課題は未公知であり、バンドブレーキの係合過程におけるバンドの巻き付きの進行具合に着目することで変速ショックを抑制することについて未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、バンドブレーキを係合する際に、バンドブレーキのトルク容量を容易に制御することができる車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) バンドを回転体に巻き付けることでその回転体の回転を停止する形式のバンドブレーキを係合装置として備え、そのバンドに作用する力を係合圧に応じて発生させる車両用自動変速機の制御装置であって、(b) 前記車両用自動変速機の変速に際して前記バンドブレーキを係合するときには、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して、前記車両用自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始時点でのそのバンドの巻き付きを進行させるように、そのイナーシャ相開始前にその係合圧を増大し、前記イナーシャ相開始後は、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して、前記係合圧の増大を抑制するものであり、(c) 前記イナーシャ相開始前までに前記バンドの巻き付き割合が所定割合以上となるように前記係合圧を増大することにある。
このようにすれば、係合圧を漸増することでバンドの巻き付きを完了させる場合と比較して、イナーシャ相開始前までにバンドの接触角(バンドブレーキの摩擦係数)をより大きくすることができるので、イナーシャ相開始後においては、バンドの接触角増大(摩擦係数の増大)を少なくすることができ、係合圧の制御性が向上させられる。よって、バンドブレーキを係合する際に、バンドブレーキのトルク容量を容易に制御することができ、変速ショックを抑制することができる。
また、前記イナーシャ相開始前までに前記バンドの巻き付き割合が所定割合以上となるように前記係合圧を増大するので、イナーシャ相開始後におけるバンドの接触角増大を確実に少なくすることができる。
また、前記イナーシャ相開始後は、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して、前記係合圧の増大を抑制するので、バンドブレーキの機械的特性(機構上の特性)により係合時にバンドの巻き付きを進行させる作用によるトルク容量増加によってイナーシャ相を進行させ、トルク容量の急変を抑制することができる。よって、変速ショックを抑制することができる。
ここで、第の発明は、前記第の発明に記載の車両用自動変速機の制御装置において、前記イナーシャ相開始後は、前記係合圧を増大することでの前記バンドの巻き付きを進行させないことにある。このようにすれば、トルク容量の急変を確実に抑制することができる。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両用自動変速機の制御装置において、前記所定割合は、前記イナーシャ相開始後に前記係合圧を増大しなくとも前記バンドの巻き付きが完了に向かって進行する前記バンドの巻き付き割合として予め定められた所定割合である。
また、第の発明は、前記第1の発明から第3の発明の何れか1つに記載の車両用自動変速機の制御装置において、前記バンドブレーキにて伝達すべきトルクが所定トルクよりも小さな低トルク領域では、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して前記イナーシャ相開始前にその係合圧を増大する一方で、前記バンドブレーキにて伝達すべきトルクが前記所定トルク以上の高トルク領域では、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させることにある。このようにすれば、元々係合圧が小さくされる為にイナーシャ相中にバンドブレーキのトルク容量が急増するという現象が生じ易い低トルク領域では、そのトルク容量の急変を抑制することができる。一方、元々係合圧が大きくされる為にイナーシャ相中にバンドブレーキのトルク容量が急増するという現象が生じ難い高トルク領域では、係合圧を漸増することでバンドの巻き付きを完了させても、そのトルク容量の急変を抑制することができる。
本発明が適用される車両に備えられた動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両に設けられた制御系統の要部を説明する図である。 自動変速機などの構成を説明する骨子図である。 自動変速機の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 バンドブレーキの構成及び作動を説明する為の模式図である。 電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 バンドブレーキを係合する際の係合圧の大きさをパラメータとして係合開始からのトルク容量の時間変化特性の実験的検証結果の一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちバンドブレーキを係合する際にバンドブレーキのトルク容量を容易に制御する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図7のフローチャートに示す制御作動を実行した場合の一例を示すタイムチャートである。
本発明において、好適には、前記車両用自動変速機は、駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する。前記駆動力源としては、例えば内燃機関等のエンジンや電動機等の原動機が各々単独で或いは組み合わせて用いられる。また、前記車両用自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、その車両用自動変速機の軸線が車両の幅方向となる公知のFF車両などの横置き型でも、その車両用自動変速機の軸線が車両の前後方向となる公知のFR車両などの縦置き型でも良い。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられたエンジン14から駆動輪26までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(図2参照:以下、ケース12という)内において、エンジン14側から順番に、トルクコンバータ16、車両用自動変速機としての自動変速機18等を備えている。エンジン14により発生させられた動力は、トルクコンバータ16を経て自動変速機18に入力され、自動変速機18の出力軸20から差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)22や一対の車軸(ドライブシャフト)24等を順次介して左右の駆動輪26へ伝達される。
図2は、自動変速機18を説明する骨子図である。自動変速機18は中心線(軸心RC)に対して略対称的に構成されており、図2ではその軸心RCの下半分が省略されている。また、図2中の軸心RCはエンジン14、トルクコンバータ16の回転軸心である。
自動変速機18は、何れもシングルピニオン型の第1遊星歯車装置30、第2遊星歯車装置32、第3遊星歯車装置34、及び第4遊星歯車装置36と、複数の係合要素(係合装置)とを同軸線上(軸心RC上)に備え、入力軸28の回転を変速して出力軸20から出力する公知の遊星歯車式多段変速機である。この入力軸28は、トルクコンバータ16の出力側回転部材であるタービン軸と一体的に連結されている。
具体的には、自動変速機18は、第1,第2,第3,第4遊星歯車装置30,32,34,36の各回転要素(サンギヤS1−S4、キャリアCA1−CA4、リングギヤR1−R4)が、直接的に或いは係合装置(クラッチC1,C2,C3、及びブレーキB1,B2,B3,B4)を介して間接的(或いは選択的)に、相互に連結されたり、ケース12に連結されている。上記クラッチC1,C2,C3、及びブレーキB1,B2,B3,B4(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキB、或いは係合装置という)は、公知の車両用自動変速機においてよく用いられる油圧式の摩擦クラッチ(すなわち油圧式摩擦係合装置)である。例えば、クラッチC1,C2,C3やブレーキB1,B3,B4は、油圧アクチュエータにより複数のディスク(プレートも同意)が相互に押し付けられる湿式多板式のクラッチやブレーキであり、ブレーキB2は、油圧アクチュエータによってバンドが回転体に締め付けられる(巻き付けられる)ことでその回転体の回転を停止する形式のバンドブレーキ(以下、バンドブレーキ38と称す)である。
自動変速機18においては、例えば予め定められて記憶されたアップシフト線及びダウンシフト線を有する公知の関係(変速線図、変速マップ)から判断されたギヤ段が得られるように、図3に示す所定の係合作動表に従って各係合装置が油圧制御回路40(図1参照)からの作動油により、それぞれ係合又は解放されると共に、係合、解放時の過渡状態が制御される。これにより、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて自動変速機18のギヤ比γ(=変速機入力回転速度Nin/変速機出力回転速度Nout)がそれぞれ異なる複数のギヤ段(変速段)が選択的に成立させられる。図3において、「1st」乃至「5th」は前進ギヤ段としての第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段を、「R」は後進ギヤ段を、「N」は何れのギヤ段も成立させられないニュートラル状態を意味しており、「○」は係合装置の係合状態を、空欄は係合装置の解放状態をそれぞれ示している。
図4は、バンドブレーキ38の構成及び作動を説明する為の模式図である。図4において、バンドブレーキ38は、バンド50と、バンド50が巻き付く対象の回転体であるドラム52とを備えている。バンド50は、外周面の両端部にブラケット54,56を備えている。ブラケット54は、ケース12に固設されたアンカー58に当接し、アンカー58方向に移動不能にそのアンカー58により支持されている。ブラケット56は、バンド50における拡がり方向の弾性により油圧アクチュエータ60のロッド62の先端部に当接している。ドラム52は、軸心RCを回転軸心とする回転体であって、クラッチC3において油圧アクチュエータにより相互に押し付けられる複数のプレートにおける一方側のプレートがスプライン嵌合により嵌め入れられるクラッチドラムとして機能するものであり、サンギヤS2及びサンギヤS3に連結されている。
油圧アクチュエータ60は、シリンダ本体64と、そのシリンダ本体64内にてロッド62がブラケット56を押す方向に沿って摺動自在に配設されてロッド62を固定する不図示のピストンと、ロッド62がブラケット56から離間する方向の力をピストンに作用させる不図示のリターンスプリングと、油圧制御回路40によって所定の係合圧に調圧された作動油を受け入れる不図示の油室とを備えている。油圧アクチュエータ60において、前記油室に作動油が供給されると、前記ピストン及びロッド62を介して、バンド50をドラム52に締め付ける側に作用する力がブラケット56へ作用させられる。すなわち、作動油の係合圧に応じた作用力(=作動油の係合圧×ピストンの受圧面積−リターンスプリング力)が油圧アクチュエータ60によりブラケット56へ作用させられる。このように、自動変速機18においては、バンドブレーキ38のバンド50に作用する力が作動油の係合圧に応じて発生させられる。
図1に戻り、車両10には、例えばエンジン14の出力制御や自動変速機18の変速制御などに関連する制御装置を含む電子制御装置80が備えられている。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン14の出力制御、自動変速機18の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や油圧制御用(変速制御用)等に分けて構成される。
電子制御装置80には、各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ70、変速機入力回転速度センサ72、変速機出力回転速度センサ74、アクセル開度センサ76、スロットル弁開度センサ78など)により検出された各種信号(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntすなわち変速機入力回転速度Nin、車速Vに対応する変速機出力回転速度Nout、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度Acc、スロットル弁開度θthなど)が、それぞれ供給される。また、電子制御装置80からは、例えばエンジン14の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、自動変速機18の変速制御の為に油圧制御回路40を作動させる為の油圧指令信号Spなどが、それぞれ出力される。
図5は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5において、変速制御手段すなわち変速制御部82は、自動変速機18の変速制御を実行する。具体的には、変速制御部82は、例えば前記公知の変速マップから実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて自動変速機18のギヤ段を決定し、その決定したギヤ段が得られるように自動変速機18の自動変速制御を実行する油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力する。自動変速機18の各ギヤ段を成立させる各係合装置を係合する為の係合圧は、例えば自動変速機18の入力トルクTinに応じた油圧に調圧されるライン油圧を元圧として(最大油圧として)油圧制御回路40内の各リニアソレノイドバルブにより各々制御される。各係合装置の係合圧は、各係合装置にて伝達すべきトルク(例えば入力トルクTinを各係合装置にて分担する分担トルク)以上のトルク容量が必要であることから、入力トルクTinが大きい程、大きくされる。自動変速機18の入力トルクTinは、例えばアクセル開度Accや車速Vに基づいて算出される車両10に対する駆動要求量、或いはエンジン14の推定トルク等に基づいて算出される。駆動要求量としては、例えば駆動輪26における要求駆動トルク、出力軸20における要求変速機出力トルク、入力軸28における要求変速機入力トルク、エンジン14の目標エンジントルク等である。また、駆動要求量として、単にアクセル開度Accやスロットル弁開度や吸入空気量等を用いることもできる。
ここで、自動変速機18の変速に際して係合装置を係合するときの係合過程について検討する。変速制御部80は、公知の手法として、例えば急速充填(ファーストフィル)の後に一定の油圧指令値にて低圧待機し、その後、係合に向かって油圧指令値を漸増させ(例えば直線的に漸増させ)、係合完了後には最終的に最大油圧指令値とする油圧指令信号Spを出力する。ところで、バンドブレーキ38は、多板式の係合装置と異なり、係合圧に応じてバンド50の接触角(図4参照)が変化する(すなわち係合過程でバンド50の接触面積が変化する)。その為、係合圧を係合完了まで漸増することでバンドブレーキ38の巻き付きを完了させる場合、自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相中には、係合圧の漸増とその係合圧の漸増によるバンド50の巻き付きの進行(すなわち摩擦係数の増大)とが相俟ってバンドブレーキ38のトルク容量が急増し、変速に伴うタービン回転速度Nt(すなわち変速機入力回転速度Nin)の変化が急となって変速ショックが増大するという現象が生じる可能性がある。
本実施例では、イナーシャ相開始後においてバンド50の接触角の増大を少なくすると、上述したような現象が発生し難くなることを実験的検証により見出した。例えば、イナーシャ相開始時点でバンド50の巻き付き割合が所定割合以上(例えばイナーシャ相開始後に係合圧を増大しなくともバンドブレーキ38の機構上の特性によりバンド50の巻き付きが完了に向かって進行してタービン回転速度Ntが適切に変化させられるバンド50の巻き付き割合として予め実験的に求められた所定割合以上)とされると、上述したような現象が発生し難くなることを見出した。上記バンド50の巻き付き割合とは、例えばバンド50の巻き付き完了状態での接触角Acompに対する、バンド50の巻き付き進行状態における実際の接触角Arealの割合(=Areal/Acomp[%])である。上記バンドブレーキ38の機構上の特性とは、例えばバンドブレーキ38の係合時に、バンド50の巻き付きを進行させる方向に力が作用してトルク容量を増加させる公知のセルフエナージ作用である。
図6は、バンドブレーキ38を係合する際の係合圧の大きさをパラメータとして係合開始からのそのバンドブレーキ38のトルク容量の時間変化特性(立ち上がり特性)の実験的検証結果を示す図である。図6において、比較的小さな一定圧の係合圧にてバンドブレーキ38を係合する係合圧小時は、バンド50の巻き付きの進行が比較的遅く(初期の摩擦係数が小さく)、バンドブレーキ38の摩擦係数の増大が比較的遅い。そして、バンド50の巻き付き完了後、摩擦係数は一定となる。一方、比較的大きな一定圧の係合圧にてバンドブレーキ38を係合する係合圧大時は、バンド50の巻き付きの進行が比較的早く、即バンド50の巻き付きが完了する。従って、変速に適用する場合、イナーシャ相中のバンドブレーキ38の摩擦係数を一定とすることができる。尚、図6の例では、係合圧大時及び係合圧小時共、最終的なバンド50の接触角は略同じとなり、摩擦係数も略同じとなっている。従って、両者の最終的なトルク容量の差は、係合圧の差に因るものである。
以上のことから、本実施例では、バンドブレーキ38を係合する際、自動変速機18のイナーシャ相開始前に比較的大きな係合圧にてバンド50の巻き付きを進行させ、イナーシャ相開始後は専らバンドブレーキ38の機構上の特性によりバンド50の巻き付きを進行させることで、上述したようなイナーシャ相中にバンドブレーキ38のトルク容量が急増するという現象が発生し難くなることを見出した。
そこで、本実施例の電子制御装置80は、自動変速機18の変速に際してバンドブレーキ38を係合するときには、同一アクセル開度Acc又はスロットル弁開度θthにおいて係合圧を漸増することで(例えば直線的に増加することで)バンド50の巻き付きを完了させる場合と比較して、自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相開始時点でのバンド50の巻き付きを進行させるように、そのイナーシャ相開始前に係合圧を増大する。例えば、電子制御装置80は、上記イナーシャ相開始前までにバンド50の巻き付き割合が前記所定割合以上となるように係合圧を増大する。
加えて、電子制御装置80は、前記イナーシャ相開始後は、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる場合と比較して、係合圧の増大を抑制する。例えば、電子制御装置80は、前記イナーシャ相開始後は、係合圧を増大することでのバンド50の巻き付きを進行させない。すなわち、電子制御装置80は、前記イナーシャ相開始後は、イナーシャ相開始時点での係合圧をそのまま維持(保持)する。従って、バンド50の巻き付き進行は、専らバンドブレーキ38の機構上の特性に因るものとなる。
前述したように、自動変速機18の各係合装置の係合圧は、入力トルクTinが大きい程大きくされるので、入力トルクTinが比較的大きな高トルク領域では、バンドブレーキ38の係合圧は元々高くされる。バンドブレーキ38の係合圧が元々高くされるときには、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる場合であってもバンド50の巻き付きの進行は促進されると考えられる。本実施例では、上述したようなイナーシャ相中にバンドブレーキ38のトルク容量が急増するという現象は、バンドブレーキ38の係合圧が元々高くされるような高トルク領域では発生し難く、バンドブレーキ38の係合圧が元々低くされるような低トルク領域で特に顕著に現れることを見出した(図6参照)。上記高トルク領域は、入力トルクTinが比較的大きくされるようなアクセル開度Accの高開度領域(図6の係合圧大時に相当)であって、例えばバンドブレーキ38にて伝達すべき分担トルクが所定トルク以上となる高トルク領域である。上記低トルク領域は、入力トルクTinが比較的小さくされるようなアクセル開度Accの低開度領域(図6の係合圧小時に相当)であって、例えばバンドブレーキ38にて伝達すべき分担トルクが所定トルクよりも小さくなる低トルク領域である。上記アクセル開度Accの低開度領域や上記低トルク領域は、上述したようなイナーシャ相中にバンドブレーキ38のトルク容量が急増するという現象が生じ易い領域として予め求められた領域である。上記所定トルクは、例えば上記低トルク領域を判断する為の予め定められた判定閾値である。
そこで、本実施例の電子制御装置80は、前記低トルク領域では、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる場合と比較してイナーシャ相開始前に係合圧を増大する一方で、前記高トルク領域では、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる。
より具体的には、低開度領域判定手段すなわち低開度領域判定部84は、アクセル開度Accが前記低開度領域にあるか否かを、例えば実際のアクセル開度Accが所定アクセル開度よりも小さいか否かに基づいて判定する。上記所定アクセル開度は、例えば上記低開度領域を判断する為の予め定められた判定閾値である。
変速制御部82は、自動変速機18の変速に際してバンドブレーキ38を係合するときに、低開度領域判定部84によりアクセル開度Accが前記低開度領域にないと判定された場合には、例えば多板式の係合装置と同様に、急速充填の後に一定の油圧指令値にて低圧待機し、その後、係合に向かって油圧指令値を漸増させ、係合完了後には最終的に最大油圧指令値とするような予め定められた所定の係合過渡パターンに従ってバンドブレーキ38を係合する油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力する(以下、公知の手法を用いた従来制御という)。
一方で、変速制御部82は、自動変速機18の変速に際してバンドブレーキ38を係合するときに、低開度領域判定部84によりアクセル開度Accが前記低開度領域にあると判定された場合には、例えば自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相開始前までにバンド50の巻き付き割合が前記所定割合以上となるように、イナーシャ相開始前には、上記所定の係合過渡パターンにおける油圧指令値よりも高く設定された油圧指令値にてバンドブレーキ38を係合する油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力する。より具体的には、変速制御部82は、変速出力開始当初は、上記所定の係合過渡パターンと同様に、急速充填の後に一定の油圧指令値にて低圧待機し、変速出力開始から第1所定時間T1経過後は、油圧指令値を所定の係合過渡パターンのように漸増させるのではなく、その漸増よりも大きな傾きK1にて油圧指令値を増加させ、第1所定時間T1が経過して更に第2所定時間T2が経過してからイナーシャ相が開始するまで、その漸増よりも小さな傾きK2にて油圧指令値を増加させるような予め定められた所定の低開度時係合過渡パターンに従ってバンドブレーキ38を係合する油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力するフィードフォワード制御を行う。
イナーシャ相開始判定手段すなわちイナーシャ相開始判定部86は、自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相が開始されたか否かを、例えばタービン回転速度Nt(すなわち変速機入力回転速度Nin)の変化量がイナーシャ相が開始されたと判断する為の予め定められた所定回転変化量を超えたか否かに基づいて判定する。
変速制御部82は、バンドブレーキ38の係合に際して前記フィードフォワード制御を実行しているときに、イナーシャ相開始判定部86により自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相が開始されたと判定された場合には、そのフィードフォワード制御を終了し、そのフィードフォワード制御に替えて、油圧指令値を所定の係合過渡パターンのように漸増させるのではなく、この判定時点での油圧指令値をそのまま維持(保持)する油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力する。従って、低開度領域判定部84によりアクセル開度Accが前記低開度領域にあると判定された場合のバンドブレーキ38の係合に際しては、この判定時点以降は専らバンドブレーキ38の機構上の特性により、バンド50の巻き付き完了に向かってバンド50の巻き付きが進行させられ、その巻き付きにより変速に伴う変速機入力回転速度Ninの回転変化が促進される。この判定時点以降は、このような制御を基本としつつ、自動変速機18の変速に伴う変速機入力回転速度Ninの実際の回転変化を目標回転変化に一致させるように、次式(1)に示すような予め定められたフィードバック制御式から算出したFB制御量Pb2FBにて油圧指令値を制御(増減)しても良い。この式(1)において、eは目標変速機入力回転速度Nintと実変速機入力回転速度Ninとの回転偏差ΔNin(=Nint−Nin)、Kpはフィードバック比例定数(FB比例ゲイン)、Kiは積分定数(FB積分ゲイン)である。
Pb2FB=(Kp×e+Ki×(∫edt)) ・・・(1)
図7は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわちバンドブレーキ38を係合する際にバンドブレーキ38のトルク容量を容易に制御する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図7のフローチャートでは、解放されているバンドブレーキ38を係合する必要がある自動変速機18の変速が判断されたことが前提とされる。また、図8は、図7のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートである。
図7において、先ず、変速制御部82に対応するS10において、例えばバンドブレーキ38を係合する為の油圧指令信号Spが油圧制御回路40へ出力される(図8のt1時点)。次いで、低開度領域判定部84に対応するS20において、例えばアクセル開度Accが前記低開度領域にあるか否かが判定される。このS20の判断が否定される場合は変速制御部82に対応するS30において、例えば公知の手法を用いた従来制御(例えば急速充填の後に一定の油圧指令値にて低圧待機し、その後、係合に向かって油圧指令値を直線的(一律に)に漸増させ、係合完了後には最終的に最大油圧指令値とするような予め定められた所定の係合過渡パターンに従って油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力する制御)にてバンドブレーキ38が係合される(図8の係合圧におけるt1時点乃至t7時点の破線参照)。尚、前述した通り、アクセル開度Accが前記高開度領域にある場合には、従来制御を実行しても問題は生じ難い。
一方で、前記S20の判断が肯定される場合は変速制御部82に対応するS40において、例えば自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相開始前までにバンド50の巻き付き割合が前記所定割合以上となるように、変速出力開始当初は前記所定の係合過渡パターンと同様に急速充填後に一定の油圧指令値にて低圧待機しつつ、変速出力開始から第1所定時間T1経過後には前記所定の係合過渡パターンにおける油圧指令値の漸増よりも大きな傾きK1にて油圧指令値を増加させ、第1所定時間T1が経過して更に第2所定時間T2が経過した後には前記所定の係合過渡パターンにおける油圧指令値の漸増よりも小さな傾きK2にて油圧指令値を増加させるような予め定められた所定の低開度時係合過渡パターンに従って油圧指令信号Spを油圧制御回路40へ出力するフィードフォワード制御にてバンドブレーキ38が係合される(図8のt1時点乃至t4時点における実線参照)。次いで、イナーシャ相開始判定部86に対応するS50において、例えば自動変速機18の変速過程におけるイナーシャ相が開始されたか否かが判定される。このS50の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合は変速制御部82に対応するS60において、例えば上記S40にて実行されている上記フィードフォワード制御が終了させられ、そのフィードフォワード制御に替えて、このS50の判断が肯定された時点での油圧指令値をそのまま保持する油圧指令信号Spが油圧制御回路40へ出力される(図8のt4時点乃至t6時点における実線参照)。この際、自動変速機18の変速に伴う変速機入力回転速度Nin(すなわちタービン回転速度Nt)の実際の回転変化を目標回転変化に一致させるように、前記式(1)に示すような予め定められたフィードバック制御式から算出したFB制御量Pb2FBにて油圧指令値が制御(増減)される。このS60では、専らバンドブレーキ38の機構上の特性により、バンド50の巻き付き完了に向かってバンド50の巻き付きが進行させられ、その巻き付きにより変速機入力回転速度Ninの回転変化が促進される。
図8において、実線は本実施例を示し、破線は従来例を示している。同一アクセル開度Acc又はスロットル弁開度θthにおいてイナーシャ相開始前にフィードフォワード制御にて係合圧(油圧指令値)が従来例よりも高くされた本実施例では、イナーシャ相開始時点までのバンド50の巻き付きの進行が促進されてバンド50の接触角がより大きくされている(t2時点乃至t4時点)。その為、本実施例では、イナーシャ相開始時点(t4時点)が早められ、変速全体の時間(t1時点乃至t6時点)も短くされる。加えて、本実施例では、イナーシャ相開始後(t4時点以降)のバンド50の接触角の増大が比較的小さくされる為、イナーシャ相開始後は、係合圧(油圧指令値)を上げず、専らバンド50の巻き付きの進行によるトルク容量増大によってイナーシャ相を進行させることができる(例えばタービン回転速度Ntを目標回転近傍にて変化させることができる)。従って、本実施例では、このイナーシャ相(t4時点乃至t6時点)においては、タービン回転速度Ntの実際の回転変化を目標回転変化に追従させるフィードバック制御の制御性が向上させられる。これに対して、係合圧(油圧指令値)が比例的に増加させられる従来例では、イナーシャ相開始時点(t5時点)でのバンド50の接触角が比較的小さくされる為、イナーシャ相開始後も、係合圧(油圧指令値)の漸増によってバンド50の巻き付きを進行させており、イナーシャ相(t5時点乃至t7時点)におけるタービン回転速度Ntの実際の回転変化が目標回転変化(二点鎖線)に対して比較的離反させられ易くなっている。また、従来例では、イナーシャ相中において、バンド50の接触角の増大と係合圧の増大とが相俟ってトルク容量の増大量が比較的大きくされる。この為、変速ショックが増大し易い。尚、従来例でも、イナーシャ相においてフィードバック制御により係合圧を補償することはできるが、実際値と目標値との回転偏差が比較的大きくされる為に、油圧の応答遅れ等によりタービン回転変化の制御性が低下させられる。また、従来例においては、係合圧(油圧指令値)を係合完了まで一律に漸増させるのではなく、破線で示すように、イナーシャ相中の回転変化をより目標に追従させる為に、漸増させるときの傾きをイナーシャ相開始前後で変更するように所定の係合過渡パターンが予め定められても良い。
上述のように、本実施例によれば、自動変速機18の変速に際してバンドブレーキ38を係合するときには、係合圧(油圧指令値)を漸増させる場合と比較して、イナーシャ相開始時点でのバンド50の巻き付きを進行させるように、イナーシャ相開始前に係合圧(油圧指令値)を増大するので、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる場合と比較して、イナーシャ相開始前までにバンド50の接触角をより大きくすることができる。その為、イナーシャ相開始後においては、バンド50の接触角増大を少なくすることができ、係合圧の制御性が向上させられる。よって、バンドブレーキ38を係合する際に、バンドブレーキ38のトルク容量を容易に制御することができ、変速ショックを抑制することができる。
また、本実施例によれば、イナーシャ相開始前までにバンド50の巻き付き割合が所定割合以上となるように係合圧を増大するので、イナーシャ相開始後におけるバンド50の接触角増大を確実に少なくすることができる。
また、本実施例によれば、イナーシャ相開始後は、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる場合と比較して、係合圧の増大を抑制するので、バンドブレーキ38の機構上の特性により係合時にバンド50の巻き付きを進行させる作用によるトルク容量増加によってイナーシャ相を進行させ、トルク容量の急変を抑制することができ、変速ショックを抑制することができる。
また、本実施例によれば、イナーシャ相開始後は、係合圧を増大することでのバンド50の巻き付きを進行させないので、トルク容量の急変を確実に抑制することができる。
また、本実施例によれば、バンドブレーキ38にて伝達すべきトルクが所定トルクよりも小さな低トルク領域では、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる場合と比較してイナーシャ相開始前にその係合圧を増大する一方で、バンドブレーキ38にて伝達すべきトルクが所定トルク以上の高トルク領域では、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させる。これにより、元々係合圧が小さくされる為にイナーシャ相中にバンドブレーキ38のトルク容量が急増するという現象が生じ易い低トルク領域では、そのトルク容量の急変を抑制することができる一方、元々係合圧が大きくされる為にイナーシャ相中にバンドブレーキ38のトルク容量が急増するという現象が生じ難い高トルク領域では、係合圧を漸増することでバンド50の巻き付きを完了させても、そのトルク容量の急変を抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、図7のフローチャートにおいて、S50の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられたが、これに限らず、例えばS20或いはS40に戻すようにしても良い。
また、前述の実施例では、所定の低開度時係合過渡パターンのフィードフォワード制御における油圧指令値の傾きK2は、所定の係合過渡パターンにおける油圧指令値の漸増よりも小さなものであったが、これに限らない。要は、傾きK1よりも小さな傾きであれば良い。また、この傾きK2の部分がなくとも良い。
また、前述の実施例では、自動変速機18は遊星歯車式多段変速機であったが、これに限らず、変速に関与するバンドブレーキが備えられている自動変速機であれば本発明を適用することができる。
また、前述の実施例では、流体伝動装置としてトルクコンバータ16が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられても良い。また、流体伝動装置は必ずしも備えられる必要はない。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
18:自動変速機(車両用自動変速機)
38:バンドブレーキ(係合装置)
50:バンド
52:ドラム(回転体)
80:電子制御装置(制御装置)

Claims (4)

  1. バンドを回転体に巻き付けることで該回転体の回転を停止する形式のバンドブレーキを係合装置として備え、該バンドに作用する力を係合圧に応じて発生させる車両用自動変速機の制御装置であって、
    前記車両用自動変速機の変速に際して前記バンドブレーキを係合するときには、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して、前記車両用自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始時点での該バンドの巻き付きを進行させるように、該イナーシャ相開始前に該係合圧を増大し、前記イナーシャ相開始後は、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して、前記係合圧の増大を抑制するものであり、
    前記イナーシャ相開始前までに前記バンドの巻き付き割合が所定割合以上となるように前記係合圧を増大することを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 前記イナーシャ相開始後は、前記係合圧を増大することでの前記バンドの巻き付きを進行させないことを特徴とする請求項に記載の車両用自動変速機の制御装置。
  3. 前記所定割合は、前記イナーシャ相開始後に前記係合圧を増大しなくとも前記バンドの巻き付きが完了に向かって進行する前記バンドの巻き付き割合として予め定められた所定割合であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用自動変速機の制御装置。
  4. 前記バンドブレーキにて伝達すべきトルクが所定トルクよりも小さな低トルク領域では、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させる場合と比較して前記イナーシャ相開始前に該係合圧を増大する一方で、
    前記バンドブレーキにて伝達すべきトルクが前記所定トルク以上の高トルク領域では、前記係合圧を漸増することで前記バンドの巻き付きを完了させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両用自動変速機の制御装置。
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