JP6520804B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6520804B2
JP6520804B2 JP2016084066A JP2016084066A JP6520804B2 JP 6520804 B2 JP6520804 B2 JP 6520804B2 JP 2016084066 A JP2016084066 A JP 2016084066A JP 2016084066 A JP2016084066 A JP 2016084066A JP 6520804 B2 JP6520804 B2 JP 6520804B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
upshift
rotational speed
driving force
vehicle
input shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016084066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017194101A (ja
Inventor
村杉 明夫
明夫 村杉
将人 清水
将人 清水
幸保 山下
幸保 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016084066A priority Critical patent/JP6520804B2/ja
Publication of JP2017194101A publication Critical patent/JP2017194101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6520804B2 publication Critical patent/JP6520804B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、車両用自動変速機の制御装置に関し、特にアップシフト変速における加速と駆動力との制御に関するものである。
車両の運転状態を示すパラメータたとえば前記車両の車速およびアクセル開度を用い、変速マップに基づいて変速制御する車両用自動変速機の制御装置において、前記アクセル開度が高開度の場合に、アップシフト変速線の前記アクセル開度の高開度領域において、一般的な設定より高い車速でアップシフトするように設定される場合がある。このような設定においては、より長くアップシフトせずに前記車両の加速が継続されることによって、長い連続的な加速により運転者の加速感を得ることができるとともに、アップシフト時の出力軸回転速度の変化が減少され、アップシフト時におけるトルク変動いわゆる変速ショックが抑制される。たとえば、特許文献1に記載の車両用自動変速機の制御装置がその一例である。
特開平09−089098号公報
上記の技術は、運転者の加速感を得るためには有効である。しかし、前記アクセル開度が高開度の場合にアップシフト変速線をより高い前記車両の車速すなわち出力軸回転速度に設定すると、たとえば空気密度の低い高地における走行、もしくは積載重量が大きい走行によって、前記アップシフト変速線にまで前記出力軸回転速度の増加が得られない場合においては、アップシフトできないことも生じうる。この場合には、アップシフトが得られないことによって、運転者の加速感が損なわれることとなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、前記アクセル開度が高開度の場合にアップシフト変速線をより高い出力軸回転速度に設定した車両において、たとえば空気密度の低い高地における走行、もしくは積載重量が大きい走行によって前記アップシフト変速線にまで前記出力軸回転速度の増加が得られない場合においても、前記車両を加速するための駆動力を確保することのできる車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、(a)アップシフト変速線の内のアクセル開度が高開度側の一部が高出力軸回転側に他の部分よりも所定値ずらして設定されている変速マップを有し、車両の運転状態と前記変速マップとに基づいて変速制御する変速制御手段を備える車両用自動変速機の制御装置であって、(b)前記自動変速機の入力軸回転速度の変化率を算出する入力軸回転速度変化率算出手段と、(c)前記車両の実駆動力とアップシフト変速後の推定駆動力とをそれぞれ算出する駆動力算出手段と、(d)前記入力軸回転速度の変化率が予め設定された閾値を下回るとともに、前記アップシフト変速後の推定駆動力が前記実駆動力以上の場合に、前記変速制御手段によるアッププシフト変速判断がなくてもアップシフト変速を実行するアップシフト実行手段とを、含むことを特徴とする
このようにすれば、前記アクセル開度が高開度の場合に前記アップシフト変速線のうちのアクセル開度が高開度側の一部が他の部分よりも所定値ずらして高い出力回転軸速度に設定された前記車両において、前記入力軸回転速度の変化率が前記閾値よりも大きい場合には、より長い連続的な加速が行われることによって運転者の加速感が得られる。同時に、たとえば空気密度の低い高地における走行、もしくは積載重量が大きい走行によって前記アップシフト変速線にまで前記出力軸回転速度の増加が得られないときのように、前記入力軸回転速度の変化率が予め設定された閾値を下回るとともに、前記アップシフト変速後の推定駆動力が前記実駆動力以上の場合には、アップシフト変速が実行されるので、車両を加速するための駆動力が確保され、運転者の加速感が損なわれない。
本発明が適用される車両に備えられた自動変速機の構成を説明する骨子図である。 図1の自動変速機の複数のギヤ段を成立させる際の摩擦係合装置の作動の組み合わせを説明する作動表である。 図1の自動変速機などを制御するために車両に設けられた電気的な制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図1の自動変速機の変速を説明する変速マップの一例である。 図3の電子制御装置による入力軸回転速度変化率の算出方法を示す一例である。 図3の電子制御装置によるアップシフト前のエンジントルクとアップシフト後のエンジントルクとを比較するマップの一例である。 図3の電子制御装置によるアップシフト前の車両の駆動力とアップシフト後の車両の駆動力との比較を示す一例である。 図3の電子制御装置の制御系統の要部を説明するフローチャートである。
以下、本発明の車両用自動変速機の制御装置の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両10に備えられた自動変速機12の構成を説明する骨子図である。図2は自動変速機12の複数のギヤ段を成立させる際の摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表である。この自動変速機12は、車両10の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものであって、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスアクスルケース14(以下、ケース14)内において、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置16を主体として構成されている第1変速部18と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置20及びシングルピニオン型の第3遊星歯車装置22を主体としてラビニヨ型に構成されている第2変速部24とを共通の軸心C上に有し、入力軸26の回転を変速して出力歯車28から出力する。入力軸26は、自動変速機12の入力回転部材に相当するものであり、本実施例では走行用の駆動力源であるエンジン30たとえばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関によって回転駆動される流体伝動装置としてのトルクコンバータ32のタービン軸と一体的に構成されている。また、出力歯車28は、自動変速機12の出力回転部材に相当するものであり、本実施例では例えば図3に示す差動歯車装置34に動力を伝達するために、デフリングギヤ35と噛み合うことでファイナルギヤ対を構成するデフドライブピニオンと同軸上に配置されたカウンタドリブンギヤと噛み合ってカウンタギヤ対を構成するカウンタドライブギヤとして機能している。そして、このように構成された自動変速機12等において、エンジン30の出力は、トルクコンバータ32、自動変速機12、差動歯車装置34、及び一対の車軸36等を含む車両用動力伝達装置11を順次介して左右の駆動輪38へ伝達されるようになっている(図3参照)。尚、自動変速機12やトルクコンバータ32は中心線(軸心)Cに対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはその軸心Cの下半分が省略されている。
トルクコンバータ32は、エンジン30のクランク軸31に連結されたポンプ翼車32p、トルクコンバータ32のタービン軸(入力軸26に相当)を介して自動変速機12に連結されたタービン翼車32t、及び一方向クラッチによって一方向の回転が阻止されているステータ翼車32sとを備えており、ポンプ翼車32pとタービン翼車32tとの間で流体を介して動力伝達を行うようになっている。すなわち、本実施例のトルクコンバータ32においては、ポンプ翼車32pが入力回転部材に、タービン翼車32tが出力回転部材にそれぞれ対応し、流体を介してエンジン30の動力が自動変速機12側へ伝達される。また、ポンプ翼車32p及びタービン翼車32tの間には、それらの間すなわちトルクコンバータ32の入出力部材間を直結可能なロックアップクラッチ33が設けられている。また、ポンプ翼車32pには、自動変速機12を変速制御したり、ロックアップクラッチ33の作動を制御したり、或いは各部に潤滑油を供給したりする為の元圧となる潤滑油圧をエンジン30によって回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ40が連結されている。
自動変速機12は、第1変速部18及び第2変速部24の各回転要素(サンギヤS1〜S3、キャリアCA1〜CA3、リングギヤR1〜R3)のうちのいずれかの連結状態の組み合わせに応じて第1ギヤ段「1st」〜第6ギヤ段「6th」の6つの前進ギヤ段(前進変速段)が成立させられるとともに、後進ギヤ段「R」の後進ギヤ段(後進変速段)が成立させられる。図2に示すように、例えば前進ギヤ段では、クラッチC1とブレーキB2との係合により第1速ギヤ段が、クラッチC1とブレーキB1との係合により第2速ギヤ段が、クラッチC1とブレーキB3との係合により第3速ギヤ段が、クラッチC1とクラッチC2との係合により第4速ギヤ段が、クラッチC2とブレーキB3との係合により第5速ギヤ段が、クラッチC2とブレーキB1との係合により第6速ギヤ段が、それぞれ成立させられるようになっている。また、ブレーキB2とブレーキB3との係合により後進ギヤ段が成立させられ、クラッチC1、C2、及びブレーキB1〜B3の何れもが解放されることによりニュートラル状態となるように構成されている。
図2の作動表は、上記各ギヤ段とクラッチC1、C2、及びブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合を表している。尚、第1ギヤ段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無い。つまり、発進時にはクラッチC1のみを係合させれば良く、このクラッチC1は発進クラッチとして機能する。また、車両停止に際してクラッチC1をスリップ状態乃至解放状態としてエンジン30から駆動輪38までの間の動力伝達経路を動力伝達抑制状態とするニュートラル制御を行う。
上記クラッチC1、C2、及びブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、例えば多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御され、係合によりエンジン30の動力を駆動輪38側へ伝達する油圧式摩擦係合装置である。そして、油圧制御回路110内のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5(図3参照)の励磁、非励磁や電流制御により、各クラッチC及びブレーキBの係合、解放状態が切り換えられると共に、係合、解放時の過渡係合油圧などが制御される。また、オンオフソレノイドバルブSV1の励磁、非励磁や電流制御により、図示されていないアキュムレータACMへの油圧の蓄圧とアキュムレータACMから各油圧式摩擦係合装置への油圧の供給とが切り替えられる。
図3は、エンジン30や自動変速機12などを制御する為に車両10に設けられた電気的な制御系統の要部を説明するブロック線図である。図3において、車両10には、例えば前述したアップシフト変速に関連する制御等を実行する電子制御装置50が備えられている。この電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置50は、エンジン30の出力制御や自動変速機12の変速制御を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用のエンジン制御装置や自動変速機12の変速制御用の油圧制御装置等に分けて構成される。
電子制御装置50には、例えば潤滑油温センサ52により検出された油圧制御回路80内の潤滑油(例えば公知のATF)の温度である潤滑油温TOILを表す信号、アクセル開度センサ54により検出された運転者による車両10に対する要求量(ドライバ要求量)としてのアクセルペダル56の操作量であるアクセル開度Acc(%)を表す信号、エンジン回転速度センサ58により検出されたエンジン30の回転速度であるエンジン回転速度Ne(rpm)を表す信号、気圧センサ60により検出されたエンジン30に吸入される車両まわりの大気圧Pa(Pa)、吸入空気量センサ62により検出されたエンジン30の吸入空気量Q/Nを表す信号、スロットル弁開度センサ64により検出された電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θTH(%)を表す信号、車速センサ66により検出された車速V(km/h)に対応する出力歯車28の回転速度である出力回転速度Nout(rpm)を表す信号、入力軸回転速度センサ68により検出された入力軸26の回転速度である入力軸回転速度Nin(rpm)(すなわちトルクコンバータ32のタービン軸の回転速度であるタービン回転速度Nt(rpm)を表す信号などがそれぞれ供給される。
また、電子制御装置50からは、例えばエンジン30の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Seとして、アクセル開度Accに応じて電子スロットル弁の開閉を制御する為のスロットルアクチュエータへの駆動信号や燃料噴射装置から噴射される燃料噴射量を制御する為の噴射信号やイグナイタによるエンジン30の点火時期を制御する為の点火時期信号などが出力される。また、例えば自動変速機12の変速制御の為の油圧制御指令信号Spとして、自動変速機12のギヤ段を切り換える為に油圧制御回路80内のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の励磁、非励磁などを制御する為のバルブ指令信号(油圧指令信号、油圧指令値、駆動信号)オンオフソレノイドバルブSv1への油圧指令信号などの油圧指令信号Spが油圧制御回路80へ出力される。
電子制御装置50の変速制御手段82は、図4に示すような予め記憶された、車速Vすなわち出力軸回転速度Nout及びアクセル開度Accを変数として予め定められた関係(変速マップ、変速線図)を有し、その関係に実際の車速Vおよびアクセル開度Accを適用し、車両状態を示す点が変速線を横切ることで変速段を判断し、その判断した所定のギヤ段が得られるように、自動変速機12の変速に関する係合装置を係合及び/又は解放させる変速指令として油圧制御指令信号Spを油圧制御回路80へ出力する。この油圧制御指令信号Spに従って、自動変速機12の変速が実行されるように油圧制御回路80内のリニアソレノイドバルブSL1−SL5が駆動させられて、その変速に関与する係合装置の油圧アクチュエータが作動させられる。図4の変速マップにおいて、太い実線はアップシフトが判断されるためのアップシフト線であり、破線はダウンシフトが判断されるためのダウンシフト線である。なお、アップシフト線は、アクセル開度Accがたとえば90%から100%の高負荷領域内たとえば図4のAccaを含む高負荷領域において、太い実線と細い実線に分かれている。電子制御装置50は、たとえばアクセル開度増加量に対する加速度増加量が閾値よりも小さく特に必要が生じた場合に太い実線のアップシフト線(以降、変更後のアップシフト線と呼ぶ)を選択するが、通常は細い実線で表されるアップシフト線(以降、従来のアップシフト線と呼ぶ)を選択しアップシフトを行う。本実施例において後述する制御はすべて太い実線で示される変更後のアップシフト線に関するものであり、細い実線で表わされる従来のアップシフト線ではない。また、特に従来のアップシフトを設けずに、すべてのアップシフトを変更後のアップシフト線で判断することとしても良い。
また、電子制御装置50は、たとえば空気密度の低い高地における走行もしくは積載重量が大きい走行によって、前記アップシフト変速線にまで前記出力軸回転速度Noutの増加が充分に得られず、またアップシフト変速後の推定駆動力F1が現行の駆動力すなわち実駆動力F0以上である場合に、前記出力軸回転速度Noutがアップシフト変速線を横切ることによって判断されるアップシフト変速に関して、アップシフト変速線を横切る前にアップシフト変速を実行する制御を行う。図3に示す電子制御装置50は、上記の制御機能の要部として、変速制御手段82と、入力軸回転速度変化率算出手段84と、駆動力算出手段86と、アクセル開度判定手段88と、車速判定手段90と、入力軸回転速度変化率判定手段92と、駆動力比較手段94とアップシフト実行手段96とを備えている。
図3において、変速制御手段82は、変速制御を実施していない場合に、入力軸回転速度変化率算出手段84に指令信号を出力し、入力軸転速度変化率算出手段84は、予め定められた所定時間間隔で入力軸回転速度変化率ΔNin(sec−2)を算出し、入力軸回転速度変化率判定手段92に算出した値を出力する。図5に入力軸回転速度変化率ΔNinの算出の例が示されている。時間軸の変化に対し入力軸回転速度Ninすなわちタービン回転速度Ntが一定である直線Ninuは、アクセル全開時すなわち図4の変速マップにおいてアクセル開度AccがAcca以上である領域においてアップシフトした場合におけるアップシフト開始時の入力軸回転速度Ninであり、図4の変速マップにおける出力軸回転速度Noutとそのアップシフト前における変速比γから算出される。Ninnlとして示されているのは、入力軸回転速度変化率ΔNinnlが大きくアップシフトが可能、すなわちアップシフト開始時の入力軸回転速度Ninuに達することが可能と判断される場合である。また、Ninlとして示されているのは、入力軸回転速度変化率ΔNinlが小さくアップシフトが難しい、すなわちアップシフト開始時の入力軸回転速度Ninに達するのが難しいと判断される場合である。たとえばt1における入力軸回転速度変化率ΔNinは、t1の前後で同じ時間間隔を有するt0とt2とにおける入力軸回転速度Ninの変化から算出される。すなわち入力軸回転速度変化率ΔNinnlは、t0における入力軸回転速度Ninnl0とt2における入力軸回転速度Ninnl2との差をt0からt2の経過時間で除した値であり、入力軸回転速度変化率ΔNinlは、t0における入力軸回転速度Ninl0とt2における入力軸回転速度Ninl2との差をt0からt2の経過時間で除した値である。なお、入力軸回転速度変化率ΔNinは、たとえば回転加速度センサを用いて測定するものとしても良い。
入力軸回転速度変化率ΔNinが算出されると、駆動力算出手段86は、車両10の現在の駆動力Fすなわち実駆動力Faとアップシフト変速後の推定駆動力Feとをそれぞれ算出し、駆動力比較手段94に出力する。駆動力Fは、たとえば図6に示されたエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの関係すなわち予め記憶されたマップに基づいて算出される。図6はエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの関係を示す例であり、実線は、標準大気圧すなわち一気圧におけるエンジン30の特性の一例である。図6の実線において「△」は、実駆動力Faに対応する実際のエンジン回転速度Ne0におけるエンジントルクTe0を示している。また「○」は、アップシフト変速後の推定駆動力Feに対応するアップシフト後のエンジン回転速度Ne1におけるエンジントルクTe1を示している。駆動力算出手段86は、算出されたエンジントルクTeと変速段における変速比γとから予め記憶されたマップに基づいて車両10の駆動力F、すなわち実駆動力Faと推定駆動力Feとを算出し、駆動力比較手段94に出力する。なお、破線で示したのは、気圧センサ60によって測定された気圧Paが一気圧より低い場合、すなわち高地における走行におけるエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの関係を示しており、気圧の低下によってエンジントルクTeも減少する。駆動力算出手段86は、気圧Paが一気圧から変動した場合は、予め実験的に求められ記憶された気圧とエンジン30の特性すなわちエンジントルクTeとエンジン回転数Neとの関係(マップ)からエンジン回転速度Neに対応するエンジントルクTeを算出する。
図7には、アクセル開度AccがAcca以上において、「△」で示された3速から「○」で示された4速にアップシフトした場合の車両10の出力軸回転速度Noutすなわち車速Vに対する駆動力Fの変化の例を示している。図7においては、出力軸回転速度Nout0において、3速から4速へのアップシフトが行われ、車両10の駆動力Fは、3速におけるF03から4速におけるF04へと増加している。また、アクセル開度がAcca以上すなわちアクセル全開領域にあり、アクセル全開領域における変速段毎の車両10の出力軸回転数Noutすなわち車速Vに対する駆動力Fの変化を示している。
アクセル開度判定手段88は、アクセル開度Accが予め設定されている閾値Acca以上であるか否かを判定する。アクセル開度判定手段88の判定が肯定された場合、車速判定手段90は、アップシフト変速線を横切る前にアップシフト変速が実行された場合に、実際のアクセル開度Accにおいてアップシフト後のダウンシフト線と車速Vとの差が閾値Va以上であるか否かを判定する。たとえば3速から4速にアップシフト線を越える前にアップシフトする場合、実際の車速Vと実際のアクセル開度Accにおける4速から3速へのダウンシフト線の車速との差が閾値Va以上あるか否かを判定する。これは、アップシフト線を越える前にアップシフトした場合、アップシフト線を越えることによるアップシフトと比較し、車速Vダウンシフト線と近づくことにより発生しやすくなる、ビジーシフトすなわちアップシフト後に短時間でダウンシフトされる状態の抑制を一つの目的としている。なお閾値Vaは変速段毎に予め定められた値(マップ)に基づいて設定される。車速判定手段90の判定が肯定された場合は、入力軸回転速度変化率判定手段92は、入力軸回転速度変化率算出手段84から出力された入力軸回転速度変化率ΔNinが予め設定されている入力軸回転速度変化率の閾値ΔNinaを下回っているか否か、および下回っている状態が予め設定されている所定時間ta以上継続したか否かを判定する。所定時間ta以上継続したか否かを判断することによって入力軸回転変化率の変動に対してより安定した判定が可能となる。入力軸回転速度変化率判定手段92の判定が肯定された場合は、駆動力比較手段94は、駆動力算出手段86によって算出された、推定駆動力Feと実駆動力Faとの差が駆動力Fの閾値Fc以上であるか否かを判定する。この判定によって、アップシフト後に車両10の加速が見込めるか否かが判定される。駆動力比較手段94の判定が肯定された場合すなわちアップシフト後の推定駆動力Feが実駆動力Faより閾値Fc以上大きい場合は、アップシフト実行手段96は、アップシフト変更線を超えていない状態において、アップシフトを実行する。
図8は、電子制御装置50の図3に示された制御動作の要部を説明するフローチャートであり、繰り返し実行される。電子制御装置50において、変速すなわちアップシフトもしくはダウンシフトを実行するための油圧制御が実施されていない場合は、入力軸回転速度変化率算出手段84に対応するステップS10(以下、ステップを省略する)において、入力軸回転速度変化率ΔNinの算出が行われる。これに続いて、駆動力算出手段86に対応するS20において、現在の車両10の駆動力Fすなわち実駆動力Faの算出が行われる。さらに駆動力算出手段86に対応するS30において、アップシフト後の推定駆動力Feの算出が行われる。さらにアクセル開度判定手段88に対応するS40において、アクセル開度Accがアクセル開度閾値Accaを越えているか否かが判定される。S40の判定が否定された場合は、S10からのステップが繰り返される。しかしS40の判定が肯定された場合は、車速判定手段90に対応するS50において、車速Vと実際のアクセル開度Accにおけるアップシフト後のダウンシフト線における車速との差が、予め設定された閾値Va以上か否かが判定される。S50の判定が否定された場合は、S10からのステップが繰り返される。しかし、S50の判定が肯定された場合は、入力軸回転送度変化率判定手段92に対応するS60において、入力軸回転変化率ΔNinが予め設定された閾値ΔNinaを下回る状態が予め設定された所定時間ta以上継続されたか否かが判定される。S60の判定が否定された場合は、S10からのステップが繰り返される。しかしS60の判定が肯定された場合は、駆動力比較手段94に対応するS70において、アップシフト後の駆動力Fすなわち推定駆動力Feと現在の駆動力Fすなわち実駆動力Faとの差が閾値Fc以上であるか否かが判定される。S70の判定が否定された場合は、S10からのステップが繰り返される。しかしS70の判定が肯定された場合は、アプシフト実行手段96対応するS80において、アップシフトが実行される。
このように本実施例においては、アクセル開度Accが高開度の場合にアップシフト変速線をより高い出力軸回転速度Noutに設定する車両10において、たとえば大気圧の低い高地における走行、もしくは荷物等の積載重量が大きい走行において、アップシフト変速線にまで出力軸回転速度Noutの上昇がえられない場合に、入力軸回転速度変化率ΔNinと、車両10の実駆動力Faとアップシフト後の推定駆動力Feとを算出し、入力軸回転速度変化率ΔNinが所定の閾値ΔNinaを下回るとともに、アップシフト変速後の推定駆動力Feが実駆動力Fa以上である場合にはアップシフトが実行される。これにより車両が加速するための駆動力が確保され、入力軸回転速度変化率ΔNinが低いすなわち入力軸回転数Ninの増加が得られないことによってアップシフトが実行されずアップシフトによる加速がえられない状況が抑えられるとともに運転者の加速感が損なわれることが抑制される。また、入力軸回転速度変化率ΔNinの増加が期待できる通常の走行においては、アクセル開度Accが高開度の場合にアップシフト変速線をより高い出力軸回転速度Noutに設定することによって、より長い連続的な加速が行われることにより運転者の加速感が得られやすい。
さらに、アップシフト変速線を横切る前にアップシフト変速を実行する条件として、アップシフト後のダウンシフト線と車速Vとの差を所定値Va以上とすることを加えることによって、ビジーシフトすなわちアップシフト後に短時間でダウンシフトされる状態を抑制することができる。
前述の実施例においては、入力軸回転速度変化率ΔNinによってアップシフト開始時の入力軸回転速度Ninに達することが可能か否かを判断するものとしたが、たとえば判断時点t1における、入力軸回転変化速度Ninと入力軸回転速度変化率ΔNinとからアップシフト開始時の入力軸回転速度Ninに達することが可能か否かを判断するものとしても良い。
また、前述の実施例では、車両10にはトルクコンバータ32が用いられていたが、トルクコンバータ32に替えて、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などが用いられても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:自動変速機(車両用自動変速機)
50:制御装置(電子制御装置)
82:変速制御手段
84:入力軸回転速度変化率算出手段
86:駆動力算出手段
96:アップシフト実行手段
Acc:アクセル開度
Nin:入力軸回転速度
ΔNin:変化率
ΔNina:閾値
Fa:実駆動力
Fe:推定駆動力

Claims (1)

  1. アップシフト変速線のうちのアクセル開度が高開度側の一部が高出力軸回転側に他の部分よりも所定値ずらして設定されている変速マップを有し、車両の運転状態と前記変速マップとに基づいて変速制御する変速制御手段を備える車両用自動変速機の制御装置であって、
    前記自動変速機の入力軸回転速度の変化率を算出する入力軸回転速度変化率算出手段と、
    前記車両の実駆動力とアップシフト変速後の推定駆動力とをそれぞれ算出する駆動力算出手段と、
    前記入力軸回転速度の変化率が予め設定された閾値を下回るとともに、前記アップシフト変速後の推定駆動力が前記実駆動力以上の場合に、前記変速制御手段によるアッププシフト変速判断がなくてもアップシフト変速を実行するアップシフト実行手段とを、含む
    ことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
JP2016084066A 2016-04-19 2016-04-19 車両用自動変速機の制御装置 Expired - Fee Related JP6520804B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016084066A JP6520804B2 (ja) 2016-04-19 2016-04-19 車両用自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016084066A JP6520804B2 (ja) 2016-04-19 2016-04-19 車両用自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017194101A JP2017194101A (ja) 2017-10-26
JP6520804B2 true JP6520804B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=60154620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016084066A Expired - Fee Related JP6520804B2 (ja) 2016-04-19 2016-04-19 車両用自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6520804B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2571746B (en) * 2018-03-07 2020-11-18 Jaguar Land Rover Ltd Control of a vehicle having an automatic transmission to compensate for ambient air density

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0989098A (ja) * 1995-09-20 1997-03-31 Mitsubishi Motors Corp 自動変速機の変速制御装置
JP4969078B2 (ja) * 2005-09-22 2012-07-04 マツダ株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP5194753B2 (ja) * 2007-12-07 2013-05-08 いすゞ自動車株式会社 車両用変速機の変速制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017194101A (ja) 2017-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6394663B2 (ja) 車両の走行制御装置
JP2017172630A (ja) 車両の変速制御装置
US10323743B2 (en) Control device of vehicle
US10030763B2 (en) Control apparatus for vehicle
JP2018071660A (ja) 車両の制御装置
JP6233379B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2010203590A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP6520804B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
US10253877B2 (en) Vehicle and control method for vehicle
JP4848769B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP4240048B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP4569513B2 (ja) 車両の制御装置
JP5673004B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
US10808835B2 (en) Shift control device of vehicle
US10464567B2 (en) Shift control device of vehicle
JP5299310B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP6493326B2 (ja) 車両の制御装置
JP4797573B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP5790535B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
EP2154398A2 (en) Controller for vehicle
JP2008164158A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2008151190A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2017106522A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2008144737A (ja) 動力出力装置の制御装置
JP2014111962A (ja) 車両の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190415

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6520804

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees