JP5782897B2 - ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法、ポリテトラフルオロエチレンシートの製造方法 - Google Patents
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Description
PTFE粉末は、懸濁重合によって得られた粉末であることが好ましいが、他の重合方法(例えば、乳化重合)によって得られた粉末であってもよい。ポリテトラフルオロエチレン粉末の平均粒径は、特に限定されるものではないが、10〜1000μmであってよい。
式(I): CF2=CF−ORf
[Rfは、炭素原子およびフッ素原子を必須としており、水素原子を有しておらず、酸素原子を有していてもよい有機基である。]
で示される化合物であることが好ましい。
式(II):
[式(II)中、mは0〜4の数である。]
式(III)
[式(III)中、nは1〜4の数である。]
の少なくともいずれか1つで示される基であることが好ましい。
ブロック体は、ポリテトラフルオロエチレン粉末を圧縮成形して得られる円筒形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、図2の斜視図に示すような形状を有するブロック体10であってもよい。このブロック体は、厳密な意味での円筒形状に限られるものではなく、全体的に丸みを帯びた形状であってもよいし、円筒形状が僅かに変形した形状であってもよい。また、ブロック体の形状としては、直径よりも軸方向長さの方が長くものであってもよいし、直径よりも軸方向長さの方が短いものであってもよい。ブロック体の最大厚みは、図2において“S”で示すようにブロック体10の外表面10aと内表面10bとの間の径方向の距離をいい、特に限定されないが、5〜50cmであることが好ましく、10〜30cmであることが特に好ましい。
圧縮成形時の圧縮圧力は、100〜1000kg/cm2であってよい。圧縮圧力を保持する時間は、1分〜5時間であってよい。
昇温区間は、特に限定されるものではなく、例えば、圧縮成形によって得られたブロック体を炉に入れ、PTFEの融点(融解温度)を超える温度であってPTFEの分解が生じる温度未満の温度である昇温目標温度まで雰囲気温度を昇温させる区間をいう。この昇温目標温度は、後述する結晶化温度領域の上限温度よりも高い温度である。なお、PTFEの融点(融解温度)とは、対象のブロック体を構成しているPTFEについて、DSC曲線を作成した場合における、吸熱ピークの頂点の温度であり、JIS−K7121に準じて測定して得られる温度である。特に、ここでは、対象のブロック体を構成しているPTFEについて、DSC曲線を作成した場合に、吸熱ピークが初めに観測される温度(焼成時の融点を示す温度である。)を超える温度まで加熱し、その後一度温度を低下させることで発熱ピークを観測し(発熱ピークの温度は結晶化温度を示す。)、その後に再度昇温させて二度目に吸熱ピークが観測される場合においてその吸熱ピークの温度を一般的なPTFEの融点とする。
融着区間は、昇温区間において炉内の雰囲気温度を昇温目標温度まで上昇させた後の区間であり、ブロック体の焼結が全体に均一に完了するまで、昇温目標温度と同じ温度で維持する処理が行われる区間である。なお、この融着区間は、PTFE粉末の融着状態の均一性を向上させる観点から、1〜100時間維持することが好ましく、10〜50時間維持することがより好ましいが、昇温区間の終了時点においてPTFE粉末の融着状態の均一性が十分に確保されている場合には、融着区間を短縮してもよい。
昇温区間や融着区間での処理を終えたブロック体は、後述する第2温度低下処理を開始するよりも前の時点で、第1温度低下処理が施される。この第1温度低下処理は、第2温度低下処理よりも早い温度低下速度でブロック体の温度を低下させる処理である。例えば、炉の熱供給装置の出力を速いスピードで弱めながらブロック体の第1温度低下処理を行い、その後で、炉の熱供給装置の出力を穏やかなスピードで弱めながら第2温度低下処理を行うようにして温度低下制御を行うようにしてもよい。
第1温度低下処理を終えたブロック体は、第1温度低下処理よりも穏やかな温度低下速度で徐々にブロック体の温度を低下させる第2温度低下処理が行われる。
第2温度低下処理を終えたブロック体は、常温下に放置する、もしくは、積極的に冷熱を供給する等によって、ブロック体を冷却する。ここでは、ブロック体が結晶化温度より低い温度になるため、ブロック体の内部の均一性に影響を与えにくいことから、第2温度低下処理における冷却速度よりも早い温度低下速度でブロック体の温度を低下させることが、時間短縮のために好ましい。あるいは、結晶化温度よりも低温である結晶化温度領域の下限温度(図6中の「Tl」で示す温度)を下回った後に温度低下速度を上げるようにしてもよい。これらの処理は、生産性や要求物性等の観点で適宜選択することができる。
図7に、熱供給装置による供給熱風によって熱量制御を行う場合における、第1温度低下処理と第2温度低下処理との組み合わせの例、および、温度低下速度が一定である場合の例を示した温度の時間変化を示す。なお、図7におけるグラフの縦軸の値は、PTFEのブロック体の雰囲気温度ではなく、炉内温度制御システムが制御を行う制御目標値としての温度を示している。
20 炉
100 炉内温度制御システム
Claims (4)
- ポリテトラフルオロエチレン粉末を圧縮成形して得られる円筒形状のブロック体を、融点を超える温度まで加熱した後に、第1温度低下処理を行い、
前記第1温度低下処理の後に、前記第1温度低下処理よりも穏やかな温度低下速度で、前記ブロック体の結晶化が完了する温度である結晶化温度になるまで冷却する第2温度低下処理を行う、
ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。 - 前記第1温度低下処理は、前記ブロック体の表面温度もしくは前記ブロック体の雰囲気温度が、前記ブロック体において結晶化が生じる結晶化温度領域よりも高温である状態でのみ行う、
請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。 - 前記ブロック体の表面温度もしくは前記ブロック体の雰囲気温度が前記結晶化温度になるまで冷却された後は、所定時間の間、前記ブロック体の表面温度もしくは前記ブロック体の雰囲気温度を前記結晶化温度で維持する、
請求項2に記載のポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法で得られた成形品を切削してポリテトラフルオロエチレンシートを製造する方法。
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