JPH0768368B2 - 防湿性フィルムの製造法 - Google Patents

防湿性フィルムの製造法

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JPH0768368B2
JPH0768368B2 JP28543290A JP28543290A JPH0768368B2 JP H0768368 B2 JPH0768368 B2 JP H0768368B2 JP 28543290 A JP28543290 A JP 28543290A JP 28543290 A JP28543290 A JP 28543290A JP H0768368 B2 JPH0768368 B2 JP H0768368B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTF
Eと称す)から成り、防湿性に優れるフィルムの新規な
製造法に関する。
(従来の技術) PCTFEフィルムは、防湿性に優れており、例えば、実開
昭57−128798号公報に記載されているようにエレクトロ
ルミネセンス素子の被覆封止材としての用途があり、更
に、電気部品、電子部品、医療材料、薬品等の被覆封止
にも用いられている。
このPCTFEフィルムは、従来、PCTFEの融点(約210〜220
℃)よりも約100℃高い温度条件でフィルム状に溶融押
出し、次いで急冷する方法により製造されていた。
上記溶融押出成形法において、その温度をPCTFEの融点
よりもはるかに高温にする理由は、PCTFEの溶融粘度の
高さに起因するものであり、PCTFEはかような高温でな
ければ押出成形できないものである。このように、溶融
押出成形法における高温は必須であるが、そのため、PC
TFEの一部分解と分子量低下を招き、得られるフィルム
の性能劣化をもたらしていた。
フィルム製造時の高温に起因する問題を解決するため、
本出願人は、先に、PCTFEを圧縮成形してブロック状体
とし、このブロック状体を徐冷し、次いでこれをフィル
ム状に切削する方法を提案した。(特開平1−158047号
公報)。
この方法は製造時の最高温度を約300℃以下に抑えるこ
とができるので、PCTFEの分解および分子量低下を効果
的に防止でき、この点では好ましいものである。
(発明が解決しようとする課題) ところが、ブロック状体を旋盤等によりフィルム状に切
削する際にピンホールが発生することがあり、そのため
の防湿性の低下を招くという新たな問題を生じた。ピン
ホールによる防湿性の低下はフィルムが薄化するほどそ
の影響が大きく、近年のフィルム薄化要求に応えるため
にも、この解決が早急に望まれている。
従って、本発明は厚さが薄くても防湿性の優れたPCTFE
フィルムを提供することをその主目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者は従来技術の有する上記問題を解決するため、
種々研究の結果、ブロック状体を切削してフィルム状と
し、このフィルムを特定温度以上に加熱し、次いで、そ
の結晶化度を向上させることにより、所期の目的が達成
できることを知り、本発明を完成させるに至ったもので
ある。
即ち、本発明に係る防湿性フィルムの製造法はPCTFEを
圧縮成形してブロック状体とし、このブロック状体をフ
ィルム状に切削し、次いで、フィルムをPCTFEの融点以
上の温度に加熱し、その後結晶化度を高めることを特徴
とするものである。
本発明に係る方法においては、先ず、PCTFEが圧縮成形
され、円柱状、円筒状等のブロック状体とされる。この
圧縮成形は、従来と同じであってよく、例えば、シリン
ダー(金型)内にPCTFEの粉末やペレットを充填し、加
熱加圧することにより行なうことができる。なお、シリ
ンダーへのPCTFEの均一充填のため、予めシリンダーお
よびPCTFEを約100〜200℃に加熱しておくことが好まし
い。
圧縮成形時の圧力、温度、加熱加圧時間は種々の要因に
よって変わり得るが、通常、圧力は約10〜100Kg/cm2
温度は約230〜280℃、加熱加圧時間は約30〜300分であ
る。なお、PCTFEは市販品を使用でき、その具体例とし
てはダイキン社製の「ダイフロン CTFE」、3M社製の
「Kel−F」、Allied Fibers & Plastics社製の「Ac
lon CTFE」、Produits Chimiquis Ugine Kuhlmanの
「Voltalef」等を挙げることができる。
この圧縮成形により得られるブロック状体は、切削に供
するため冷却される。冷却は徐冷あるいは急冷のいずれ
であってもよいが、クラック等の発生防止のために、加
圧状態を維持するのが好ましく、更に好ましくは約250
〜400Kg/cm2まで昇圧するのがよい。従って、冷却はブ
ロック状体をシリンダー内に収納したまま室温に放置し
て行なうことができる。
かようにして得られるブロック状体は旋盤等により所定
厚さに切削される。
そして、次にこのフィルムはPCTFEの融点以上に加熱さ
れる。加熱はフィルム形成成分であるPCTFEを溶融させ
て、切削時に生じたピンホールを閉塞せしめるためのも
のであり、(a)フィルムを加熱炉内に入れて加熱する
方法、(b)フィルムを加熱ロール表面に接触させる方
法、(c)フィルムを加熱ロール間に通し加熱加圧する
方法、等により行なうことができる。
加熱温度および時間はその方法によって適宣設定する
が、通常、温度は約230〜290℃、時間は約5秒〜10分で
ある。
なお、加熱に際し、複数枚のフィルムを重ね合わせて用
い、積層一体化するようにしてもよい。
本発明の方法においては、この加熱後にフィルムの結晶
化度が高められる。一般にプラスチックフィルムは結晶
化度の高い程水蒸気透過性が小さくて防湿性が優れてお
り、PCTFEもその例外ではない。ところが、上記融点以
上の温度での加熱が施されたPCTFEフィルムは結晶化度
が約50%以下と低いので、この改善のための操作を施こ
すのである。
この高結晶化の操作は、防湿性の観点から上記フィルム
の結晶化度が約50%以上になるようにするのが好ましい
ことが、判明している。かような高結晶化PCTFEフィル
ムを得るには、例えば、融点以上の温度に加熱されたフ
ィルムを徐冷するか、融点以上の温度に加熱した後のフ
ィルムをPCTFEの融点以上好ましくは約180〜200℃の温
度で約30分〜20分時間再加熱し、次いで冷却(徐冷また
は急冷)する、等の方法を採用できる。冷却速度は前者
の場合約0.1〜1℃/minとするのが好ましい。
(発明の効果) 本発明は上記のように構成され、ブロック状体を切削し
たフィルムをPCTFEの融点以上の高温で熱処理し、次い
で高結晶化を行うようにしたので、PCTFEの分解や分子
量低下のみならずピンホールも少なく、防湿性の優れた
フィルムを提供できる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 内径300mmの金属製シリンダーを130℃に加熱し、このシ
リンダーに予め130℃に加熱した市販のPCTFE粉末を充填
する。そして、温度を250℃まで上げ、圧力を60Kg/cm2
に保ち、100分間加熱加圧し、円筒状のブロック状体と
する。
次に、ブロック状体をシリンダーに入れたまま室温に放
置して徐冷する。このとき、冷却開始と共に毎分当たり
1Kg/cm2の割合で昇圧し、圧力を300Kg/cm2として、この
圧力を冷却終了まで維持する。
冷却終了後に常圧に戻し、シリンダーからブロック状体
を取り出し、旋盤により厚さ200μmに切削することに
より長尺PCTFEフィルムを得た。
次に、この長尺フィルムを温度290℃の加熱炉中で30秒
間加熱してフィルムを一旦溶融させる。
その後、加熱炉の電源をOFFとして放置し室温(25℃)
まで徐冷することにより、高結晶化フィルム(試料1)
を得た。なお、このときの冷却速度は約0.2℃/minであ
った。
実施例2 実施例1と同様にして厚さ200μmの長尺の切削フィル
ムを得る。
次に、この切削フィルムを290℃の加熱炉中で30秒間加
熱してフィルムを一旦溶融させる。
そして、これを温度190℃の加熱炉中に移し30分間加熱
して取り出し、室温に放置することにより高結晶化フィ
ルム(試料2)を得た。
実施例3 切削厚さを100μmとすること以外は実施例1と同様に
して高結晶化フィルム(試料3)を得た。
実施例4 切削厚さを50μmとすること以外は実施例1と同様にし
て高結晶化フィルム(試料4)を得た。
実施例5 切削厚さを100μmとすること以外は実施例1と同様に
して切削フィルムを得る。
次に、この切削フィルム2枚を重ね合わせて実施例1と
同様にしてPCTFEの融点以上での加熱および徐冷を順次
行い、高結晶化フィルム(試料5)を得た。
比較例1 実施例1と同様にして厚さ200μmの切削フィルム(試
料6)を得た。
比較例2 切削厚さを100μmとすること以外は実施例1と同様に
して切削フィルム(試料7)を得た。
比較例3 切削厚さを50μmとすること以外は実施例1と同様にし
て切削フイルム(試料8)を得た。
これら実施例および比較例のフィルムの結晶化度および
水蒸気透過度を下記の方法により測定して得た結果を第
1表に示す。
〔結晶化度〕
フィルムの比重(d)を測定し、下記式(I)により算
出する。
〔水蒸気透過量〕 フィルムを縦、横が各10cmになるように切断し、この2
枚を重ね合わせ、端縁部全周を幅5mmで熱融着して封鎖
体を作る。なお、この封鎖体にはシリカゲル20gを封入
する。そして、これを温度50℃、湿度95%の雰囲気中に
放置し、シリカゲルの吸湿量によりフィルムの水蒸気透
過度を知る。この水蒸気透過度は、フィルム厚さ200μ
m当たりの値に換算して示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリクロロトリフルオロエチレンを圧縮成
    形してブロック状体とし、このブロック状体をフィルム
    状に切削し、次いでフィルムをポリクロロトリフルオロ
    エチレンの融点以上の温度に加熱し、その後結晶化度を
    高めることを特徴とする防湿性フィルムの製造法。
  2. 【請求項2】ポリクロロトリフルオロエチレンを圧縮成
    形してブロック状体とし、このブロック状体をフィルム
    状に切削し、次いでこのフィルムの複数枚を重ね合わせ
    てポリクロロトリフルオロエチレンの融点以上の温度に
    加熱して積層一体化し、その後該積層フィルムの結晶化
    度を高めることを特徴とする防湿性フィルムの製造法。
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