実施の形態1.
図1は、本発明における実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、デジタル放送受信装置100は、アンテナ101と、チューナ部102と、デマルチプレクサ部103と、MPEG映像デコーダ部104と、表示部105と、MPEG音声デコーダ部106と、スピーカ部107と、操作部108と、キー受信部109と、フラッシュメモリ110と、RAM(Random Access Memory)120と、制御部130と、を有する。
アンテナ101は、デジタル放送信号を受信し、受信したデジタル放送信号をチューナ部102に与える。
チューナ部102は、アンテナ101より受けたデジタル放送信号を復調してトランスポートストリーム(以下、TSという)を生成し、生成したTSをデマルチプレクサ部103に与える。
デマルチプレクサ部103は、チューナ部102より受けたTSを分離して、映像パケット、音声パケット、PSI(Program Specigic Information)セクションデータ及びSI(Service Infomation)セクションデータ等を取得する。そして、映像パケットはMPEG映像デコーダ部104に、音声パケットはMPEG音声デコーダ部106に、PSIセクションデータ及びSIセクションデータは制御部130に与える。
MPEG映像デコーダ部104は、デマルチプレクサ部103より受けた映像パケットから得られるデータをデコードすることにより映像データを生成し、生成した映像データを表示部105に与える。表示部105は、MPEG映像デコーダ部104より受けた映像データを表示する。
MPEG音声デコーダ部106は、デマルチプレクサ部103より受けた音声パケットから得られるデータをデコードすることにより音声データを生成し、生成した音声データをスピーカ部107に与える。スピーカ部107は、MPEG音声デコーダ部106より受けた音声データを出力する。
操作部108は、デジタル放送受信装置100のユーザより、デジタル放送受信装置100に対する操作の入力を受け付けて、入力された操作に対応する操作キー信号を出力する。キー受信部109は、操作部108より出力された操作キー信号を受信し、受信した操作キー信号に対応する操作信号を制御部130に与える。
フラッシュメモリ110には、デジタル放送受信装置100で行う処理を実現するためのアプリケーションプログラムが記憶されているほか、本実施の形態では、第1選局制御情報記憶部111が設けられている。
第1選局制御情報記憶部111には、各々のチャンネル毎に、チューナ制御時間、PSIセクション解析時間、Iピクチャ出現時刻及びIピクチャ出現間隔時間を特定する第1選局制御情報が記憶される。例えば、本実施の形態においては、図2に示すような第1選局制御情報テーブル111aが記憶される。
図示するように、第1選局制御情報テーブル111aは、項目欄111bと、チャンネル欄111cと、を有する。
項目欄111bには、項目欄111bには、チャンネル欄111cに格納する値の名称を特定する情報が格納される。ここで、本実施の形態においては、チャンネル欄111cに格納する値の名称を特定する情報として、チューナ制御時間、PSIセクション解析時間、Iピクチャ出現時刻、Iピクチャ出現間隔時間の文字列が格納される。
チャンネル欄111cには、各々のチャンネル毎に、項目欄111bで特定される名称に対応する値が格納される。なお、チャンネル欄111cに格納される値は、後述するように、制御部130により更新される。また、本実施形態においては、チャンネル欄111cには、初期値として0が格納されているものとするが、このような態様に限定されるものではない。
ここで、チューナ制御時間は、チューナ部102で受信するデジタル放送信号をチャンネル欄111cで特定されるチャンネルに変更する際に、チューナ部102に変更の指示を出してから、チューナ部102で変更後のチャンネルのデジタル放送信号を受信可能になるまでの時間である。また、PSIセクション解析時間は、PSIセクションデータが制御部130に与えられてから、映像パケット及び音声パケットのPIDを取得するまでにかかる時間である。また、Iピクチャ出現時刻は、MPEG映像デコーダ部104においてIピクチャを含む映像パケットを最後に取得した際の時刻である。また、Iピクチャ出現間隔時間は、MPEG映像デコーダ部104においてIピクチャを含む映像パケットを連続して取得した際のIピクチャ出現時刻の間の間隔である。
RAM120には、デジタル放送受信装置100で行う処理を実現するために必要なデータが記憶されるほか、本実施の形態では、第2選局制御情報記憶部121が設けられている。
第2選局制御情報記憶部121には、フラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部111から取得された第1選局制御情報テーブル111aが第2選局制御情報テーブル121aとして記憶される。ここで、以下では、図2に示されている第1選局制御情報テーブル111aと同様の構造を有するテーブルを第2選局制御情報テーブル121aとし、また、第1選局制御情報テーブル111aの項目欄111bと同様の欄を第2選局制御情報テーブル121aの項目欄121bとし、さらに、第1選局制御情報テーブル111aのチャンネル欄111cと同様の欄を第2選局制御情報テーブル121aのチャンネル欄121cとして説明する。
図3は、実施の形態1における制御部130の概略図である。図示するように、制御部130は、全体制御部131と、システムクロック部132と、選局制御部133と、Iピクチャ出現予測時刻算出部134と、遅延時間処理部135と、チューナ制御時間計測部136と、PSIセクション解析時間計測部137と、Iピクチャ出現時刻取得部138と、Iピクチャ出現間隔時間算出部139と、を有する。
全体制御部131は、デジタル放送受信装置100での処理の全体を制御する。システムクロック部132は、計時を行い、時刻を算出する。なお、システムクロック部132は、時刻を算出しているものとする。
選局制御部133は、操作部108を介して、選局が行われた際に、チューナ部102を選局されたチャンネルの周波数帯にあわせる等の選局処理を行う。
Iピクチャ出現予測時刻算出部134は、Iピクチャ出現時刻に、Iピクチャ出現間隔を加算することにより、現在時刻に最も近い将来におけるIピクチャ出現予測時間を算出する。
遅延時間処理部135は、Iピクチャ出現予測時刻算出部134が算出したIピクチャ出現予測時刻から、チューナ制御時間、PSIセクションを取得して解析するのに要する時間、及び、現在時刻、を減算することにより、チャンネルの切り替え処理の開始時刻を遅延させる遅延時間を算出する。
チューナ制御時間計測部136は、チューナ部102において、チャンネルを変更する指示を受けてから、変更後のチャンネルの放送信号を受信可能になるまでのチューナ制御時間を計測する。
PSIセクション解析時間計測部137は、全体制御部131において、PSIセクションを解析して映像パケット及び音声パケットのPIDを取得するまでにかかる時間を計測する。
Iピクチャ出現時刻取得部138は、デマルチプレクサ部103で分離された映像パケットがIピクチャを含むパケットである場合には、システムクロック部132から読み出した時刻を、Iピクチャ出現時刻とする。
Iピクチャ出現間隔時間算出部139は、Iピクチャ出現時刻取得部138で取得されたIピクチャ出現時刻と、第2選局制御情報記憶部121に記憶されている対応するチャンネルのIピクチャ出現時刻と、の差分によりIピクチャ出現間隔時間を算出する。
図4は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100での選局処理を示すフローチャートである。
まず、デジタル放送受信装置100の電源が入れられると、制御部130は、フラッシュメモリ110に記憶されているアプリケーションを起動する(S10)。そして、制御部130の全体制御部131は、フラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部111に記憶されている第1選局制御情報テーブル111aを読み出し、読み出した第1選局制御情報テーブル111aを第2選局制御情報テーブル121aとしてRAM120の第2選局制御情報記憶部121に記憶する(S11)。
次に、デジタル放送受信装置100のユーザが、視聴するチャンネルを切り替えるために、操作部108の選局キーを押下すると、キー受信部109が選局キーに対応する選局キー信号を受信し(S12でYes)、受信した選局キー信号に対応する選局信号を制御部130に与える。ここでは、一例として、デジタル放送受信装置100のユーザは、チャンネル1(CH1)からチャンネル2(CH2)に選局を切り替えるものとする。
選局信号を受けた制御部130では、遅延時間処理部135及びIピクチャ出現予測時刻算出部134が、第2選局制御情報テーブル121aのチャンネル欄121cのCH2に対応する列より、チューナ制御時間(ここでは、チューナ制御時間A2とする)、PSIセクション解析時間(ここでは、PSIセクション解析時間B2とする)、Iピクチャ出現時刻(ここでは、Iピクチャ出現時刻C2とする)及びIピクチャ出現間隔時間(ここでは、Iピクチャ出現間隔時間D2とする)を特定する情報を取得する(S13)。
次に、選局制御部133及びIピクチャ出現予測時刻算出部134は、ステップS13で取得したチューナ制御時間A2、PSIセクション解析時間B2、Iピクチャ出現時刻C2及びIピクチャ出現間隔時間D2が初期値であるか否かを確認する(S14)。本実施の形態では、初期値として0となっているか否かを確認するが、このような態様に限定されるものではない。そして、初期値ではない場合(ステップS14でNo)には、ステップS15に進み、初期値である場合(ステップS14でYes)には、ステップS19に進む。
ステップS15では、Iピクチャ出現予測時刻算出部134は、Iピクチャ出現予測時刻を算出する。例えば、まず、Iピクチャ出現予測時刻算出部134は、システムクロック部132から現在の時刻として時刻Tを取得して、ステップS13で取得されたIピクチャ出現時刻C2と、Iピクチャ出現間隔時間D2と、を用いて下記の(2)式を満たす整数Nを算出する。
C2+D2×N−T<D2 (2)
但し、(2)式の左辺は正の値となるものとする。
次に、Iピクチャ出現予測時刻算出部134は、(2)式で算出した整数Nを用いて下記の(3)式からIピクチャ出現予測時刻Rを算出する。
R=C2+D2×N (3)
次に、遅延時間処理部135は、選局制御部133が選局処理の開始を遅らせる遅延時間Lを算出する(S16)。例えば、遅延時間処理部135は、ステップS15で算出されたIピクチャ出現予測時刻Rと、ステップS13で取得されたチューナ制御時間A2及びPSIセクション解析時間B2と、現在時刻Tと、を用いて、下記の(4)式から遅延時間Lを算出する。
L=R−A2−B2−100(ms)−T (4)
ここで、PSIセクションデータは100(ms)の周期で送出されているため、チューナ制御完了後にPSIセクションデータ解析を開始するまで最大で100(ms)程度待つ場合がある。そのため(4)式では、PSIセクションデータの周期時間の最大値(100(ms))が含まれている。
なお、遅延時間処理部135は、算出した遅延時間Lが0未満である場合は選局動作を開始してもIピクチャ出現予測時刻Rまでに選局動作が完了しないということであり、次のIピクチャの出現待ち時間の間映像非表示期間が増加してしまう。そこで、(4)式で算出した遅延時間Lが正の値の最小値となるように、Iピクチャ出現間隔時間D2を少なくとも1つ以上加算した値を遅延時間Lとする。
そして、遅延時間処理部135は、ステップS17で遅延時間Lが算出されると、この遅延時間Lの時間計測を開始して遅延時間Lの経過を待ち、遅延時間Lが経過すると(S18でYes)、遅延時間処理部135は、ステップS19に進む。
ステップS19では、遅延時間処理部135は、選局制御部133に選局動作処理の開始を指示し、選局制御部133は選局動作処理を開始する。
以上のように、図6に示すフローチャートでは、従来Iピクチャの出現を待つ必要があった遅延時間Lの間はチャンネル1の映像を表示し続けることになり、映像非表示期間を短縮することができる。また、遅延時間が経過することにより選局動作を開始するため、確実に選局動作を開始することができる。
図5は、実施の形態1における選局動作処理を示すフローチャートである。本フローチャートでは、チャンネル1からチャンネル2にチャンネルを切り替えるものとする。
まず、選局制御部133は、選局動作を開始すると、チャンネル2のデジタル放送信号を受信して復調するために、チューナ部102に対して周波数帯を変更するよう指示を出し、チューナ制御を開始する(S20)。ここで、チューナ制御時間計測部136は、選局制御部133によりチューナ制御が開始されるとシステムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をチューナ制御開始時刻として取得する。
そして、選局制御部133は、チューナ制御を開始すると、チューナ部102がチャンネル2のデジタル放送信号を受信可能状態となった時点で発生するロック信号を検知するまで待機し(S21)、このようなロック信号を検知する(S21でYes)と、ステップS22に進む。
ステップS22では、チューナ制御時間計測部136は、システムクロック部132より時刻を読み出してチューナロック時刻とし、ステップS20で取得したチューナ制御開始時刻をチューナロック時刻から減算した差分値をチューナ制御時間として算出し、算出したチューナ制御時間をチャンネル2に対応する第2選局制御情報テーブル121aに格納する(S22)。
チューナ部102で、チャンネル2のデジタル放送信号が受信可能状態になると、デマルチプレクサ部103は、チューナ部102から出力されるTSからPSIセクションデータの抽出を開始する(S23)。ここで、PSIセクション解析時間計測部137は、PSIセクションデータの抽出が開始されるとシステムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をPSIセクション解析開始時刻として取得する。
PSIセクションデータは、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等の番組を特定するために必要な番組特定情報を含んでいるパケットである。
そして、全体制御部131はPMTを抽出するためには、まずPATを抽出して解析する必要があり、全体制御部131が、PATを解析した後PMTを抽出して解析を行い映像パケット、音声パケットを抽出するために必要なビデオPID、オーディオPIDを取得することにより、PSIセクション解析時間計測部137は、PSIセクションの解析が完了したものと判断する。
そして、全体制御部131が、PMTを解析してビデオPID、オーディオPIDを取得する(S24でYes)と、PSIセクション解析時間計測部137は、システムクロック部132より時刻を読み出して、読み出した時刻をPSIセクション解析終了時刻として取得し、ステップS23で取得したPSIセクション解析開始時刻を、PSIセクション解析終了時刻から減算した差分値をPSIセクション解析時間として算出し、算出したPSIセクション解析時間をチャンネル2に対応する第2選局制御情報テーブル121aに格納する(S25)。
次に、デマルチプレクサ部103は、チューナ部102から出力されるTSから映像パケット、音声パケットの抽出を行う(S26)。抽出された映像パケットはMPEG映像デコーダ部104に、抽出された音声パケットはMPEG音声デコーダ部106に、与えられる。
そして、デマルチプレクサ部103が映像パケットの抽出を開始すると、Iピクチャ出現時刻取得部138は、デマルチプレクサ部103が抽出した映像パケットがIピクチャを含むパケットであるかどうかの判定を行う(S27)。そして、映像パケットがIピクチャを含むパケットである場合(ステップS27でYes)には、ステップS28に進み、映像パケットがIピクチャを含むパケットではない場合(ステップS27でNo)には、ステップS33に進む。
ステップS28では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、システムクロック部132より時刻を読み出して、読み出した時刻をIピクチャ出現時刻として取得する。
そして、Iピクチャ出現時刻取得部138は、ステップS28で行ったIピクチャ出現時刻の取得が、ステップS20でチューナ部102の制御を開始してから、1回目であるか否かを判断する(S29)。そして、Iピクチャ出現時刻の取得が1回目ではない場合(ステップS29でNo)には、ステップS30に進み、Iピクチャ出現時刻の取得が1回目である場合(ステップS29でYes)には、ステップS32に進む。
ステップS30では、Iピクチャ出現間隔時間算出部139は、第2選局制御情報テーブル121aよりチャンネル2に対応するIピクチャ出現時刻を取得し、取得したIピクチャ出現時刻を、ステップS28で取得したIピクチャ出現時刻から減算した差分値によりIピクチャ出現間隔時間を算出する。
そして、Iピクチャ出現時刻取得部138は、ステップS28で取得したIピクチャ出現時刻を第2選局制御情報テーブル121aのチャンネル2に対応する欄に格納し、Iピクチャ出現間隔時間算出部139は、ステップS30で算出したIピクチャ出現間隔時間を、第2選局制御情報テーブル121aのチャンネル2に対応する欄に格納する(S31)。
一方、ステップS32では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、ステップS28で取得したIピクチャ出現時刻を第2選局制御情報テーブル121aのチャンネル2に対応する欄に格納する。
次に、MPEG映像デコーダ部104及びMPEG音声デコーダ部106は、それぞれデコード処理を行って(S33)、デコードされた映像データ及び音声データを、それぞれ表示部105及びスピーカ部107に出力する(S34)。
そして、ステップS26に戻り、デマルチプレクサ部103で映像パケットが抽出されるたびにステップS26以降の処理が繰り返し行われる。
なお、全体制御部131は、ステップS31で第2選局制御情報テーブル121aが更新されると、RAM120より第2選局制御情報テーブル121aを読み出し、フラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部111に第1選局制御情報テーブル111aとして記憶することで、これらのテーブルの同期をとる。
図6は、Iピクチャ出現時刻取得部138が行うIピクチャの出現時刻取得処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、Iピクチャ出現時刻取得部138は、デマルチプレクサ部103が映像パケットの抽出を開始するPES(Packetized Elementary Staream)パケットの先頭を含んでいるかどうかを示すPESパケット先頭フラグをFALSEに設定する(S40)。
次に、Iピクチャ出現時刻取得部138は、デマルチプレクサ部103が映像パケットを抽出するまで待機し(S41)、映像パケットを抽出した場合(S41でYes)には、ステップS42に進む。
ステップS42では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、PESパケット先頭フラグがFALSEかどうかの判定を行う。そして、PESパケット先頭フラグがFALSEである場合(ステップS42でYes)にはステップS43に進み、PESパケット先頭フラグがFALSEではない場合(ステップS42でNo)にはステップS45に進む。
ステップS43では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、映像パケットの先頭に配置されているトランスポートストリームヘッダ(図7:トランスポートストリームヘッダの概略図参照)を解析してペイロードユニット開始インジケータのパラメータの値が1であるか判定する。このパラメータの値が1である場合(ステップS43でYes)にはステップS44に進み、このパラメータの値が1ではない場合(ステップS43でNo)にはステップS41に戻り処理を繰り返す。
ペイロードユニット開始インジケータのパラメータの値が1である映像パケットはPESパケットの先頭を含んでおり、PESパケットの先頭には必ずIピクチャが配置されている。つまり、ペイロードユニット開始インジケータのパラメータの値が1である映像パケットに対して解析を行うことで、Iピクチャの出現の有無の判定が可能となる。
ステップS44では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、PESパケット先頭フラグをTRUEに設定する。
次に、Iピクチャ出現時刻取得部138は、映像パケットにピクチャヘッダを示すスタートコードが含まれているか判定を行う(S45)。スタートコードは32ビットの値(0x00000100)である。そして、スタートコードが含まれている場合(ステップS45でYes)にはステップS46に進み、スタートコードが含まれていない場合(ステップS45でNo)にはステップS41に戻り処理を繰り返す。
ステップS46では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、ピクチャヘッダに含まれるピクチャタイプを取得する(S46)。
Iピクチャ出現時刻取得部138は、ステップS46で取得したピクチャタイプがIピクチャであるか判定を行う(S47)。そして、Iピクチャである場合(S47でYes)にはステップS48に進み、Iピクチャでない場合(S47でNo)にはステップS40に戻り処理を繰り返す。
ステップS48では、Iピクチャ出現時刻取得部138は、システムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をIピクチャ出現時刻として取得する。
以上のように、本実施の形態1によれば、デジタル放送受信装置100のユーザが、視聴中のチャンネルを他のチャンネルに選局を行う際に、この他のチャンネルのIピクチャの出現時刻を予測し、Iピクチャの出現時刻に合わせて選局動作が完了するように選局動作の開始を遅らせることで、従来映像非表示期間に含まれていたIピクチャの出現待ち時間の間は視聴中のチャンネルの映像が表示されるため映像非表示期間を短縮することができる。
また、第1選局制御情報テーブル110を不揮発性のフラッシュメモリ110に記録しておくことで、デジタル放送受信装置100の電源をオフにした後に、再び電源をオンにしたときにおいても、初回のチャンネル切り替え時からIピクチャの出現時刻に合わせた選局動作を行うことができ、映像非表示期間を短縮することができる。
実施の形態2.
次に、本発明における実施の形態2について説明する。実施の形態2では、ユーザが視聴しているチャンネル以外のチャンネルのTSを用いて、第2選局制御情報テーブル121aに格納される情報を更新する。
図8は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、デジタル放送受信装置200は、アンテナ101と、チューナ部102と、デマルチプレクサ部103と、MPEG映像デコーダ部104と、表示部105と、MPEG音声デコーダ部106と、スピーカ部107と、操作部108と、キー受信部109と、フラッシュメモリ110と、RAM120と、制御部230と、補助チューナ部260と、メモリバッファ部261と、を有し、実施の形態1と比較して、制御部230、補助チューナ部260及びメモリバッファ部261が異なっているため、以下、これらに関連する事項について説明する。
補助チューナ部260は、アンテナ101より受けたデジタル放送信号を復調してTSを生成し、生成したTSをメモリバッファ部261に与える。なお、補助チューナ部260は、チューナ部102と同等の性能を有するものを用いるのが望ましい。
メモリバッファ部261は、補助チューナ部260から与えられたTSを記憶する。
図9は、実施の形態2における制御部230の概略図である。図示するように、制御部230は、全体制御部131と、システムクロック部132と、選局制御部133と、Iピクチャ出現予測時刻算出部134と、遅延時間処理部135と、チューナ制御時間計測部136と、PSIセクション解析時間計測部137と、Iピクチャ出現時刻取得部138と、Iピクチャ出現間隔時間算出部139と、パケット抽出部240と、選局制御情報更新部241と、補助チューナ制御時間計測部242と、補助PSIセクション解析時間計測部243と、補助Iピクチャ出現時刻取得部244と、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245と、を有し、実施の形態1と比較して、パケット抽出部240、選局制御情報更新部241、補助チューナ制御時間計測部242、補助PSIセクション解析時間計測部243、補助Iピクチャ出現時刻取得部244、及び、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245、が異なっているため、以下、これらに関連する事項について説明する。
パケット抽出部240は、メモリバッファ部261に記憶されているTSより、映像パケット、音声パケット及びPSIセクションデータを抽出する。
選局制御情報更新部241は、パケット抽出部240により抽出された映像パケット、音声パケット及びPSIセクションデータより計算されたチューナ制御時間、PSIセクション解析時間、Iピクチャ出現時刻及びIピクチャ出現間隔時間を第2選局制御情報テーブル121aに格納する処理を制御する。
補助チューナ制御時間計測部242は、補助チューナ部260において、チャンネルを変更する指示を受けてから、変更後のチャンネルの放送信号を受信可能になるまでのチューナ制御時間を計測する。
補助PSIセクション解析時間計測部243は、パケット抽出部240により抽出されたPSIセクションデータに基づいて、全体制御部131において、PSIセクションを解析して映像パケット及び音声パケットのPIDを取得するまでにかかる時間を計測する。
補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、パケット抽出部240により抽出された映像パケットがIピクチャを含むパケットである場合には、システムクロック部132から時刻を取得し、Iピクチャ出現時刻とする。
補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245は、補助Iピクチャ出現時刻取得部244で取得されたIピクチャ出現時刻と、第2選局制御情報記憶部121に記憶されている対応するチャンネルのIピクチャ出現時刻と、の差分によりIピクチャ出現間隔時間を算出する。
図10は、実施の形態2において、補助チューナ部260を介して取得されたTSに基づいて、第2選局制御情報テーブル121aを更新する処理を示すフローチャートである。
まず、選局制御情報更新部241は、未だ第2選局制御情報テーブル121aの更新が行われていないチャンネルを1つ選択する(S50)。次に、選局制御情報更新部241は、ステップS50で選択されたチャンネルのデジタル放送信号を受信して復調するために補助チューナ部260に対してチューナ制御を開始する(S51)。ここで、補助チューナ制御時間計測部242は、選局制御情報更新部241によりチューナ制御が開始されるとシステムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をチューナ制御開始時刻として取得する。
そして、選局制御情報更新部241は、チューナ制御を開始すると、補助チューナ部260がステップS50で選択されたチャンネルのデジタル放送信号が受信可能状態となった時点で発生するロック信号を検知するまで待機し(S52)、このようなロック信号を検知する(S52でYes)と、ステップS53に進む。
ステップS53では、補助チューナ制御時間計測部242は、システムクロック部132より時刻を読み出してチューナロック時刻とし、ステップS51で取得したチューナ制御開始時刻をチューナロック時刻から減算した差分値をチューナ制御時間として算出し、算出したチューナ制御時間をステップS50で選択されたチャンネルに対応する第2選局制御情報テーブル121aに格納する(S53)。
補助チューナ部260において、ステップS50で選択されたチャンネルのデジタル放送信号が受信可能状態になると、パケット抽出部240は、補助チューナ部260より出力され、メモリバッファ部261に蓄積されるTSからPSIセクションデータの抽出を開始する(S54)。ここで、補助PSIセクション解析時間計測部243は、PSIセクションデータの抽出が開始されるとシステムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をPSIセクション解析開始時刻として取得する。
そして、全体制御部131が、PATを解析した後PMTを抽出して解析を行い映像パケット、音声パケットを抽出するために必要なビデオPID、オーディオPIDを取得することにより、補助PSIセクション解析時間計測部243は、PSIセクションの解析が完了したものと判断する。
そして、全体制御部131が、PMTを解析してビデオPID、オーディオPIDを取得すると(S55でYes)、補助PSIセクション解析時間計測部243は、システムクロック部132より時刻を読み出して、読み出した時刻をPSIセクション解析終了時刻として取得し、ステップS54で取得したPSIセクション解析開始時刻をPSIセクション解析終了時刻から減算した差分値をPSIセクション解析時間として算出し、算出したPSIセクション解析時間を、ステップS50で選択されたチャンネルに対応する第2選局制御情報テーブル121aに格納する(S56)。
次に、パケット抽出部240は、補助チューナ部260から出力され、メモリバッファ部261に蓄積されるTSから映像パケット、音声パケットの抽出を行う(S57)。
そして、パケット抽出部240が映像パケットの抽出を開始すると、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、パケット抽出部240が抽出した映像パケットがIピクチャを含むパケットであるかどうかの判定を行う(S58)。そして、映像パケットがIピクチャを含むパケットである場合(ステップS58でYes)には、ステップS59に進み、映像パケットがIピクチャを含むパケットではない場合(ステップS58でNo)には、ステップS57に戻り処理を繰り返す。
ステップS59では、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、システムクロック部132より時刻を読み出して、読み出した時刻をIピクチャ出現時刻として取得する。なお、補助Iピクチャ出現時刻取得部244が行う処理の詳細は、図6に示されたフローチャートと同様である。
そして、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、ステップS59で行ったIピクチャ出現時刻の取得が、ステップS51で補助チューナ部260の制御を開始してから、1回目であるか否かを判断する(S60)。そして、Iピクチャ出現時刻の取得が1回目ではない場合(ステップS60でNo)には、ステップS61に進み、Iピクチャ出現時刻の取得が1回目である場合(ステップS60でYes)には、ステップS63に進む。
ステップS61では、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245は、第2選局制御情報テーブル121aより、ステップS50で選択されたチャンネルに対応するIピクチャ出現時刻を取得し、取得したIピクチャ出現時刻を、ステップS59で取得したIピクチャ出現時刻から減算した差分値によりIピクチャ出現間隔時間を算出する。
そして、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、ステップS59で取得したIピクチャ出現時刻を第2選局制御情報テーブル121aのステップS50で選択されたチャンネルに対応する欄に格納し、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245は、ステップS61で算出したIピクチャ出現間隔時間を、第2選局制御情報テーブル121aのステップS50で選択されたチャンネルに対応する欄に格納する(S62)。
一方、ステップS63では、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、ステップS59で取得したIピクチャ出現時刻を第2選局制御情報テーブル121aのステップS50で選択されたチャンネルに対応する欄に格納する。
次に、選局制御情報更新部241は、ステップS59で行ったIピクチャ出現時刻の取得が、ステップS51で補助チューナ部260の制御を開始してから、2回目であるか否かを判断する(S64)。そして、Iピクチャ出現時刻の取得が2回目ではない(1回目である)場合(ステップS64でNo)には、ステップS57に戻り処理を繰り返し、Iピクチャ出現時刻の取得が2回目である場合(ステップS64でYes)には、ステップS65に進む。
ステップS65では、選局制御情報更新部241は、チューナ部102で選択されているチャンネル以外の全てのチャンネルについて、第2選局制御情報テーブル121aの更新が行われたか否かを判断し、全てのチャンネルについて更新が行われている場合(ステップS65でYes)には処理を終了し、全てのチャンネルについて更新が行われていない場合(ステップS65でNo)にはステップS50に戻り処理を繰り返す。
なお、本フローチャートでは、チューナ部102で選択されているチャンネル以外の全てのチャンネルについて第2選局制御情報テーブル121aの更新が行われた場合には、処理を終了するようにしているが、このようにして処理が終了した場合には、チューナ部102で選択されているチャンネル以外の全てのチャンネルについて第2選局制御情報テーブル121aの更新が行われていないものとして、本フローを再びやり直してもよい。また、任意のタイミングで、例えば、特定の時間を空けて周期的に、また、チューナ部102で選択されているチャンネルの視聴が特定の時間を経過した際に、チューナ部102で選択されているチャンネル以外の全てのチャンネルについて第2選局制御情報テーブル121aの更新が行われていないものとして、本フローを再びやり直してもよい。
また、選局制御情報更新部241は、ステップS62で第2選局制御情報テーブル121aが更新されると、RAM120より第2選局制御情報テーブル121aを読み出し、フラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部111に第1選局制御情報テーブル111aとして記憶することで、これらのテーブルの同期をとる。
以上、本実施の形態によればユーザが視聴しているチャンネル以外のチャンネルについてもう一方のチューナを使用して順次選局動作を行い第2選局制御情報テーブル121aの更新を予め行っておくことで初回のチャンネル切り替え時からIピクチャの出現時刻に合わせた選局動作を行うことができ、映像非表示期間を短縮することができる。
なお、本実施の形態ではメモリバッファ部261でTSを蓄積するようにしているが、このような態様に限定されずRAM120にTSを蓄積する領域を設けてもよい。
実施の形態3.
次に、本発明における実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態2と同様に、ユーザが視聴しているチャンネル以外のチャンネルについて取得されたTSを用いて、第2選局制御情報テーブル121aに格納される情報を更新する。ただし、実施の形態3では、番組時間情報を用いて、新たな番組が始まったチャンネルにつき、第2選局制御情報テーブル121aに格納される情報を更新する。
図11は、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、デジタル放送受信装置300は、アンテナ101と、チューナ部102と、デマルチプレクサ部103と、MPEG映像デコーダ部104と、表示部105と、MPEG音声デコーダ部106と、スピーカ部107と、操作部108と、キー受信部109と、フラッシュメモリ110と、RAM320と、制御部330と、補助チューナ部260と、メモリバッファ部261と、を有し、実施の形態2と比較して、RAM320及び制御部330が異なっているため、以下、これらに関連する事項について説明する。
RAM320は、第2選局制御情報記憶部121と、番組時間情報記憶部322と、を有し、第2の実施形態と比較して、番組時間情報記憶部322が異なっているため、以下、番組時間情報記憶部322に関連する事項について説明する。
番組時間情報記憶部322は、チャンネル毎に、番組が開始される時刻を特定する番組時間情報が記憶される。例えば、図12に示すような番組時間情報テーブル322aが記憶される。
図示するように、番組時間情報テーブル322aは、チャンネル欄322bが設けられている。そして、チャンネル欄322bには、デジタル放送受信装置300で受信するチャンネル毎に、当該チャンネルで放送される番組の開始時刻を特定する情報が格納される。
ここで、チャンネル欄322bは、図12の上方から下方に向かって、時間軸が割り当てられており、各チャンネルの番組の開始時刻を特定する情報が、割り当てられた時間軸に対応する位置に格納される。
図13は、実施の形態3における制御部330の概略図である。図示するように、制御部330は、全体制御部131と、システムクロック部132と、選局制御部133と、Iピクチャ出現予測時刻算出部134と、遅延時間処理部135と、チューナ制御時間計測部136と、PSIセクション解析時間計測部137と、Iピクチャ出現時刻取得部138と、Iピクチャ出現間隔時間算出部139と、パケット抽出部240と、選局制御情報更新部341と、補助チューナ制御時間計測部242と、補助PSIセクション解析時間計測部243と、補助Iピクチャ出現時刻取得部244と、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245と、番組時間情報構築部346と、番組切替検出部347と、を有し、実施の形態2と比較して、選局制御情報更新部341、番組時間情報構築部346、及び、番組切替検出部347、が異なっているため、以下、これらに関連する事項について説明する。
選局制御情報更新部341は、パケット抽出部240により抽出された映像パケット、音声パケット及びPSIセクションデータより計算されたチューナ制御時間、PSIセクション解析時間、Iピクチャ出現時刻及びIピクチャ出現間隔時間を第2選局制御情報テーブル121aに格納する処理を制御する。ここで、本実施の形態では、番組切替検出部347で番組の切り替えが検出されたチャンネルにつき、第2選局制御情報テーブル121aを更新するようにパケット抽出部240、補助チューナ制御時間計測部242、補助PSIセクション解析時間計測部243、補助Iピクチャ出現時刻取得部244及び補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245を制御する。
番組時間情報構築部346は、デマルチプレクサ部103で分離されたSIセクションデータ、又は、パケット抽出部240がメモリバッファ部261より抽出したSIセクションデータ、より、各チャンネルで放送される番組の開始時刻を特定する情報を取得し、番組時間情報テーブル322aのチャンネル欄322bに、取得した開始時刻を特定する情報を時間軸に対応した位置に格納する。
なお、番組時間情報構築部346は、システムクロック部132から時刻を読み出すことで、SIセクションデータより将来における番組の開始時刻を取得して、番組時間情報テーブル322aに格納する。また、番組時間情報構築部346は、予め定められた時(例えば、周期的)に、番組時間情報テーブル322aを更新する。
番組切替検出部347は、予め定められた時に、システムクロック部132より時刻を読み出して、番組時間情報テーブル322aにおいて、読み出した時刻に対応する番組の開始時刻があるか否かを検知し、このような開始時刻がある場合には、選局制御情報更新部341に通知を行う。
なお、番組切替検出部347は、例えば、1分毎、5分毎、等のように予め定められた周期において、開始時刻の検知を行うのが望ましい。
図14及び図15は、実施の形態3において補助チューナ部260を介して取得されたTSに基づいて、第2選局制御情報テーブル121aを更新する処理を示すフローチャートである。なお、番組時間情報テーブル322aは、番組時間情報構築部346が既に構築し、番組時間情報記憶部322に記憶されているものとする。
まず、デジタル放送受信装置300での視聴が開始されると、番組切替検出部347は、システムクロック部132より時刻を読み出す(S70)。
次に、番組切替検出部347は、番組時間情報記憶部322に記憶されている番組時間情報テーブル322aを取得する(S71)。
そして、番組切替検出部347は、ステップS71で取得した番組時間情報テーブル322aにおいて、ステップS70で読み出した時刻と一致する番組の開始時刻があるか否かを確認する(S72)。このような開始時刻がない場合(ステップS72でNo)には、ステップS70に戻り処理を繰り返し、このような開始時刻がある場合(ステップS72でYes)には、ステップS73に進む。
ステップS73では、選局制御情報更新部341は、現在時刻と番組の開始時刻とが一致したチャンネルの内、未だ第2選局制御情報テーブル121aの更新が完了していないチャンネルを1つ選択する(S73)。
そして、選局制御情報更新部341は、ステップS73で選択されたチャンネルのデジタル放送信号を受信して復調するために補助チューナ部260に対してチューナ制御を開始する(S74)。ここで、補助チューナ制御時間計測部242は、選局制御情報更新部341によりチューナ制御が開始されるとシステムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をチューナ制御開始時刻として取得する。
次に、選局制御情報更新部341は、補助チューナ部260がステップS50で選択されたチャンネルのデジタル放送信号が受信可能状態となった時点で発生するロック信号を検知するまで待機し(S75)、このようなロック信号を検知する(S75でYes)と、ステップS76に進む。
ステップS76では、補助チューナ制御時間計測部242は、システムクロック部132より時刻を読み出してチューナロック時刻とし、ステップS74で取得したチューナ制御開始時刻をチューナロック時刻から減算した差分値をチューナ制御時間として算出し、算出したチューナ制御時間をステップS73で選択されたチャンネルに対応する第2選局制御情報テーブル121aに格納する(S76)。次に、図15のステップS77に進む。
ステップS77では、補助チューナ部260において、ステップS73で選択されたチャンネルのデジタル放送信号が受信可能状態になると、パケット抽出部240が、補助チューナ部260より出力され、メモリバッファ部261に蓄積されるTSからPSIセクションデータの抽出を開始する。ここで、補助PSIセクション解析時間計測部243は、PSIセクションデータの抽出が開始されるとシステムクロック部132から時刻を読み出して、読み出した時刻をPSIセクション解析開始時刻として取得する。
そして、全体制御部131が、PATを解析した後PMTを抽出して解析を行い映像パケット、音声パケットを抽出するために必要なビデオPID、オーディオPIDを取得することにより、補助PSIセクション解析時間計測部243は、PSIセクションの解析が完了したものと判断する。
そして、全体制御部131が、PMTを解析してビデオPID、オーディオPIDを取得すると(S78でYes)、補助PSIセクション解析時間計測部243は、システムクロック部132より時刻を読み出して、読み出した時刻をPSIセクション解析終了時刻として取得し、ステップS77で取得したPSIセクション解析開始時刻をPSIセクション解析終了時刻から減算した差分値をPSIセクション解析時間として算出し、算出したPSIセクション解析時間を、ステップS73で選択されたチャンネルに対応する第2選局制御情報テーブル121aに格納する(S79)。
次に、パケット抽出部240は、補助チューナ部260から出力され、メモリバッファ部261に蓄積されるTSから映像パケット、音声パケットの抽出を行う(S80)。
そして、パケット抽出部240が映像パケットの抽出を開始すると、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、パケット抽出部240が抽出した映像パケットがIピクチャを含むパケットであるかどうかの判定を行う(S81)。そして、映像パケットがIピクチャを含むパケットである場合(ステップS81でYes)には、ステップS82に進み、映像パケットがIピクチャを含むパケットではない場合(ステップS81でNo)には、ステップS80に戻り処理を繰り返す。
ステップS82では、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、システムクロック部132より時刻を読み出して、読み出した時刻をIピクチャ出現時刻として取得する。なお、補助Iピクチャ出現時刻取得部244が行う処理の詳細は、図6に示されたフローチャートと同様である。
そして、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、ステップS82で行ったIピクチャ出現時刻の取得が、ステップS74で補助チューナ部260の制御を開始してから、1回目であるか否かを判断する(S83)。そして、Iピクチャ出現時刻の取得が1回目ではない場合(ステップS83でNo)には、ステップS84に進み、Iピクチャ出現時刻の取得が1回目である場合(ステップS83でYes)には、ステップS86に進む。
ステップS84では、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245は、第2選局制御情報テーブル121aより、ステップS73で選択されたチャンネルに対応するIピクチャ出現時刻を取得し、取得したIピクチャ出現時刻を、ステップS59で取得したIピクチャ出現時刻から減算した差分値によりIピクチャ出現間隔時間を算出する。
そして、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、ステップS82で取得したIピクチャ出現時刻を第2選局制御情報テーブル121aのステップS73で選択されたチャンネルに対応する欄に格納し、補助Iピクチャ出現間隔時間算出部245は、ステップS84で算出したIピクチャ出現間隔時間を、第2選局制御情報テーブル121aのステップS73で選択されたチャンネルに対応する欄に格納する(S85)。
一方、ステップS86では、補助Iピクチャ出現時刻取得部244は、ステップS82で取得したIピクチャ出現時刻を第2選局制御情報テーブル121aのステップS73で選択されたチャンネルに対応する欄に格納する。
次に、選局制御情報更新部341は、ステップS82で行ったIピクチャ出現時刻の取得が、ステップS74で補助チューナ部260の制御を開始してから、2回目であるか否かを判断する(S87)。そして、Iピクチャ出現時刻の取得が2回目ではない(1回目である)場合(ステップS87でNo)には、ステップS80に戻り処理を繰り返し、Iピクチャ出現時刻の取得が2回目である場合(ステップS87でYes)には、ステップS88に進む。
ステップS88では、選局制御情報更新部341は、ステップS72で現在時刻と番組の開始時刻とが一致すると判断された全てのチャンネルにつき第2選局制御情報テーブル121aの更新を行ったか否かを判断する。そして、全てのチャンネルにつき第2選局制御情報テーブル121aの更新を行った場合(ステップS88でYes)には、図14のステップS70に戻り処理を繰り返し、全てのチャンネルにつき第2選局制御情報テーブル121aの更新を行っていない場合(ステップS88でNo)には、図14のステップS73に戻り処理を繰り返す。
以上のように、本実施の形態によれば番組の切り替わりによってIピクチャの出現タイミングが変化した場合でも、そのチャンネルへの切り替えのタイミングにおいて、選局制御情報を取得することができるので、映像非表示期間を短縮することができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4のデジタル放送受信装置について説明する。実施の形態1から3に係るデジタル放送受信装置は、ストリームの形式がTSでかつ映像の符号化方式がMPEG2―VIDEOであるデジタル放送を対象としている。そのため、ストリームの形式がTSでかつ映像の符号化方式がMPEG2―VIDEOであるISDB―T(Integrated Services Digital Broadcasting―Terrestrial)などの規格のデジタル放送には対応することができるが、ストリームの形式及び映像の符号化方式が異なるCMMB(China Multimedia Mobile Broadcasting)や、ATSC―M/H(Advanced Television Systems Committee―Mobile/Handheld)や、T−DMB(Terrestrial―Digital Media Broadcasting)や、DVB―H(Digital Video Broadcasting―Handheld)や、DVB―T2(Digital Video Broadcasting―Terrestrial 2)などの規格のデジタル放送には対応することができない。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置においては、対象とするストリームの形式をCMMB規格のデジタル放送で用いられているMFS(Mutiplex Frame Structre)とし、対象とする映像の符号化方式をH.264とすることにより、CMMB規格のデジタル放送において、選局時の映像非表示時間を短縮するものである。図16は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、デジタル放送受信装置は、アンテナ101と、チューナ部401と、デマルチプレクサ部402と、映像デコーダ部403と、表示部105と、音声デコーダ部404と、スピーカ部107と、操作部108と、キー受信部109と、フラッシュメモリ110と、RAM120と、制御部407と、を有する。この内、アンテナ部101と、表示部105と、スピーカ部107とは、実施の形態1から3に係るデジタル放送受信装置と同等のため、説明を省略する。
チューナ部401は、アンテナ101より受けたCMMB規格のデジタル放送信号を復調してMFS形式のストリームを生成し、生成したストリームをデマルチプレクサ部402に与える。
デマルチプレクサ部402は、チューナ部401より受けたCMMB規格のストリームから、映像ストリーム、音声ストリーム、番組特定情報を分離する。分離された映像ストリームは、1ピクチャ分の映像ピクチャのデータに組み立てた後に映像デコーダ部403に出力される。また、分離された音声ストリームは、1フレーム分の音声フレームに組み立てた後に音声デコーダ部404に出力される。さらに、分離された番組特定情報は、制御部407に出力される。
ここで番組特定情報とは、映像抽出情報、及び音声抽出情報を含む情報のことであり、具体的にはMFS形式のストリームのCMCT(Continual Service Multiplex Configuration Table)のことである。
また、映像抽出情報とは、ストリームから映像ピクチャを抽出するために必要な情報のことであり、具体的には、MFS形式のストリームの、映像ピクチャのデータを含むMSF(Multiplex Sub Frame)のMF_ID(Multiplex Frame Identifier)とMSF_ID(Multiplex Sub Frame Identifier)とを組み合わせた情報のことである。
また、音声抽出情報とは、ストリームから音声フレームを抽出するために必要な情報のことであり、具体的には、MFS形式のストリームの、音声フレームのデータを含むMSFのMF_IDとMSF_IDとを組み合わせた情報のことである。以後、映像抽出情報と音声抽出情報を合わせて視聴開始情報と呼ぶこととする。
映像デコーダ部403は、デマルチプレクサ部402より受けたH.264形式の映像ピクチャをデコードすることにより映像データを生成し、生成した映像データを表示部105に与える。
音声デコーダ部404は、デマルチプレクサ部402より受けたMPEG4―AAC(Moving Picture Experts Group 4―Advanced Audio Coding)形式の音声フレームをデコードすることにより音声データを生成し、生成した音声データをスピーカ部107に与える。
フラッシュメモリ110には、デジタル放送受信装置で行う処理を実現するためのアプリケーションプログラムが記憶されているほか、本実施の形態では、第1選局制御情報記憶部405が設けられている。第1選局制御情報記憶部405に記憶される選局制御情報のデータ形式を図17に示す。第1選局制御情報記憶部405には、各々のチャンネル毎に、チューナ制御時間、番組特定情報解析時間、キーピクチャ出現時刻、キーピクチャ出現間隔時間が記憶される。ここで番組特定情報解析時間とは、制御部407がデマルチプレクサ部402から番組特定情報を受信してから、番組特定情報を解析し視聴開始情報を取得するまでにかかる時間のことである。具体的には、制御部407がデマルチプレクサ部402からCMCTを受信してから、CMCTを解析し視聴開始情報を取得するまでにかかる時間のことである。
また、キーピクチャとは、ピクチャ間の予測を用いないでエンコードされるピクチャで、かつキーピクチャよりも再生時間が先のピクチャが、キーピクチャよりも再生時間が前のピクチャを参照せずにエンコードされるピクチャのことであり、具体的にはH.264のIDRピクチャ(Instantaneous Decoder Refreshピクチャ)のことである。
また、キーピクチャ出現時刻とは、映像デコーダ部403がキーピクチャを最後に取得した際の時刻のことである。また、キーピクチャ出現間隔時間は、映像デコーダ部403においてキーピクチャを連続して取得した際のキーピクチャ出現時刻の間の間隔のことである。
なお、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置において、チューナ制御時間、番組特定情報解析時間、キーピクチャ出現時刻、キーピクチャ出現間隔時間には、工場出荷時の初期値として0が格納されているものとするが、このような態様に限定されるものではない。
RAM120には、デジタル放送受信装置で行う処理を実現するために必要なデータが記憶されるほか、本実施の形態では、第2選局制御情報記憶部406が設けられている。第2選局制御情報記憶部406には、第1選局制御情報記憶部405と同様の内容が記憶されている。
図18は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置における制御部407の概略図である。図示するように、制御部407は、全体制御部501と、システムクロック部502と、選局制御部503と、キーピクチャ出現予測時刻算出部504と、遅延時間処理部505と、チューナ制御時間計測部506と、番組特定情報解析時間計測部507と、キーピクチャ出現時刻取得部508と、キーピクチャ出現間隔時間算出部509と、を有する。
全体制御部501は、デジタル放送受信装置での処理の全体を制御する。システムクロック部502は、計時を行い、時刻を算出する。なお、システムクロック部502は、時刻を算出しているものとする。
選局制御部503は、操作部108を介して、選局が行われた際に、チューナ部401を選局するチャンネルの周波数帯にあわせる等のチャンネル切り替え処理を行う。チャンネル切り替え処理の詳細については、後述する図20のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置におけるチャンネル切り替え処理は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置における、図5で示した選局動作処理に相当する。
キーピクチャ出現予測時刻算出部504は、キーピクチャ出現時刻に、キーピクチャ出現間隔の定数倍の値を加算することにより、現在時刻に最も近い将来におけるキーピクチャ出現予測時間を算出する。
遅延時間処理部505は、キーピクチャ出現予測時刻算出部504が算出したキーピクチャ出現予測時刻から、チューナ制御時間と、番組特定情報解析時間と、現在時刻を減算することにより、チャンネル切り替え処理の開始時刻を遅延させる遅延時間を算出する。
チューナ制御時間計測部506は、チューナ部401において、チャンネルを変更する指示を受けてから、変更後のチャンネルの放送信号を受信可能になるまでのチューナ制御時間を計測する。
番組特定情報解析時間計測部507は、デマルチプレクサ部402で番組特定情報の抽出を開始してから、選局制御部503が番組特定情報を受信し番組特定情報から視聴開始情報を解析するまでにかかる時間を計測する。
キーピクチャ出現時刻取得部508は、デマルチプレクサ部402が出力した映像ピクチャがキーピクチャである場合には、システムクロック部502から読み出した時刻を、キーピクチャ出現時刻とする。
キーピクチャ出現間隔時間算出部509は、キーピクチャ出現時刻取得部508で取得されたキーピクチャ出現時刻と、第2選局制御情報記憶部406に記憶されている対応するチャンネルのキーピクチャ出現時刻と、の差分によりキーピクチャ出現間隔時間を算出する。
図19は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の全体処理を示すフローチャートである。図19のフローチャートは、デジタル放送受信装置の電源がONされた後の1回目の選局の場合、又は選局するチャンネルの選局制御情報の値が初期値で、キーピクチャ出現予測時刻を算出できない場合は、遅延なしでチャンネル切り替え処理を実行する手順を示したものであり、一方、デジタル放送受信装置の電源がONされた後の2回目以降の選局で、かつ選局するチャンネルの選局制御情報の値が初期値ではなく、キーピクチャ出現予測時刻を算出できる場合は、遅延を行った後にチャンネル切り替え処理を実行する手順を示したものである。図19のフローチャートの動作をさらに詳しく説明する。
デジタル放送受信装置の電源がONになった時点で全体処理が開始され、ステップS101に進む。
ステップS101において、制御部407の全体制御部501は、フラッシュメモリ110に記憶されているアプリケーションを起動し、ステップS102に進む。
ステップS102において、制御部407の全体制御部501は、フラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部405に記憶されている選局制御情報を読み出し、読み出した選局制御情報をRAM120の第2選局制御情報記憶部406に記憶し、ステップS103に進む。
ステップS103において、制御部407の全体制御部501は、選局するチャンネルを決定し、ステップS104に進む。選局するチャンネルは、例えば以下のように決定する。まず、電源が入れられた後の最初の選局では、電源がOFFされる前に最後に視聴していたチャンネルを選局するようにする。また、最初の選局以降の選局では、ユーザによって指示されたチャンネルを選局するようにする。
ステップS104において、制御部407の全体制御部501は、電源ON後の1回目の選局か否かを判定する。電源ON後の1回目の選局の場合はステップS111に進み、電源ON後の2回目以降の選局であればステップS105に進む。
ステップS105において、制御部407のキーピクチャ出現予測時刻算出部504は、選局するチャンネルの選局制御情報を第2選局制御情報記憶部406から取得し、ステップS106に進む。
ステップS106において、制御部407のキーピクチャ出現予測時刻算出部504は、ステップS105で取得した選局制御情報のチューナ制御時間と、番組特定情報解析時間と、キーピクチャ出現時刻と、キーピクチャ出現間隔時間が初期値であるか否かを確認する。本実施の形態では、チューナ制御時間、番組特定情報解析時間、キーピクチャ出現時刻、およびキーピクチャ出現間隔時間の初期値は共に0としているが、このような態様に限定されるものではない。選局制御情報の全てが初期値でない場合はステップS107に進み、選局制御情報の内1つでも初期値のものが存在する場合は、ステップS111に進む。
ステップS107において、制御部407のキーピクチャ出現予測時刻算出部504は、キーピクチャ出現予測時刻を算出し、ステップS108に進む。キーピクチャ出現予測時刻は、例えば以下のように算出する。まず、システムクロック部502から現在の時刻として時刻Tを取得して、ステップS105で取得されたキーピクチャ出現時刻Fと、キーピクチャ出現間隔時間Gと、を用いて下記の(5)式を満たす整数Nを算出する。
0<F+G×N−T≦G (5)
そして、キーピクチャ出現予測時刻算出部504は、(5)式で算出した整数Nを用いて下記の(6)式からキーピクチャ出現予測時刻Rを算出する。
R=F+G×N (6)
ステップS108において、制御部407の遅延時間処理部505は、制御部407の選局制御部503がチャンネル切り替え処理の開始を遅らせる遅延時間を算出し、ステップS109に進む。遅延時間は、例えば以下のように算出する。ステップS106で算出されたキーピクチャ出現予測時刻Rと、ステップS103で取得されたチューナ制御時間A及び番組特定情報解析時間Eと、番組特定情報送出周期Hと、現在時刻Tと、を用いて、下記の(7)式から遅延時間Lを算出する
L=R−A−E−H―T (7)
なお、番組特定情報送出周期Hは、デジタル放送信号の規格によって予め決められており、本実施の形態においては、CMMB規格のストリームのCMCTの送出周期の1sとする。
ここで、算出された遅延時間Lが0未満である場合は、選局動作を開始してもキーピクチャ出現予測時刻Rまでに選局動作が完了しないということであり、次のキーピクチャの出現待ち時間の間映像非表示期間が増加してしまう。そこで、制御部407の遅延時間処理部505においては、(7)式で算出した遅延時間Lが正の値の最小値となるように、キーピクチャ出現間隔時間Dの定数倍の値を上記で算出された遅延時間Lに加算した値を遅延時間Lとする。
ステップS109において、制御部407の遅延時間処理部505は、ステップS108で算出された遅延時間Lの時間計測を開始して遅延時間Lの経過を待ち、ステップS110に進む。
ステップS110において、制御部407の遅延時間処理部505は、ステップS108で算出された遅延時間Lが経過したか否かを判定する。遅延時間Lが経過していればステップS111に進み、遅延時間Lが経過していなければステップS110に進む。
ステップS111において、制御部407の選局制御部503は、チャンネル切り替え処理を実行し、ステップS112に進む。チャンネル切り替え処理の詳細については、後述する図20のフローチャートを用いて説明する。
ステップS112において、制御部407の全体制御部501は、ユーザから選局キーを受信したか否かを判定する。選局キーを受信した場合はステップS103に進み、選局キーを受信していない場合はステップS112に進む。
図20は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のチャンネル切り替え処理を示すフローチャートである。チャンネル切り替え処理では、選局するチャンネルの映像及び音声の再生を開始するための動作を実行すると共に、選局するチャンネルの選局制御情報のチューナ制御時間、及び番組特定情報解析時間の更新を実行する。図20のフローチャートの動作は、図19のフローチャートのステップS111のチャンネル切り替え処理が実行された時点で開始され、ステップS201に進む。
ステップS201において、制御部407の選局制御部503は音声デコード出力処理を停止し、ステップS202に進む。音声デコード出力処理の詳細については、後述する図22のフローチャートを用いて説明する。
ステップS202において、制御部407の選局制御部503は映像デコード出力処理を停止し、ステップS203に進む。映像デコード出力処理の詳細については、後述する図21のフローチャートを用いて説明する。
ステップS203において、制御部407の選局制御部503はデマルチプレクサ部402に対して音声フレームの抽出を停止するよう指示し、ステップS204に進む。
ステップS204において、制御部407の選局制御部503はデマルチプレクサ部402に対して映像ピクチャの抽出を停止するよう指示し、ステップS205に進む。
ステップS205において、制御部407の選局制御部503はデマルチプレクサ部402に対して番組特定情報の抽出を停止するよう指示し、ステップS206に進む。
ステップS206において、制御部407の選局制御部503は、選局するチャンネルの周波数帯を選択するようチューナ部401を制御する。そして、制御部407のチューナ制御時間計測部506は、制御部407のシステムクロック部502から時刻を読み出して、読み出した時刻をチューナ制御開始時刻として取得し、ステップS207に進む。
ステップS207において、制御部407の選局制御部503は、ステップS206で選択された周波数帯でデジタル信号のロック信号をチューナ部401が検知したか否かを判定する。ロック信号を検知した場合はステップS208に進み、ロック信号を検知しなかった場合はステップS207に進む。
ステップS208において、制御部407のチューナ制御時間計測部506は、制御部407のシステムクロック部502より時刻を読み出してチューナロック時刻とし、ステップS206で取得したチューナ制御開始時刻をチューナロック時刻から減算した差分値をチューナ制御時間として算出する。そして制御部407のチューナ制御時間計測部506は、算出されたチューナ制御時間を用いて、RAM120の第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルのチューナ制御時間を更新し、ステップS209に進む。チューナ制御時間の更新は、例えば算出されたチューナ制御時間の値が第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルのチューナ制御時間の値よりも大きい場合に、算出したチューナ制御時間を第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルのチューナ制御時間の欄に上書きすることにより実行する。なお、制御部407のチューナ制御時間計測部506は、RAM120の第2選局制御情報記憶部406を更新した後に、第2選局制御情報記憶部406の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部405に記憶してもよい。
ステップS209において、制御部407の選局制御部503は、デマルチプレクサ部402に対して選局するチャンネルの番組特定情報の抽出を開始するよう指示し、ステップS210に進む。
ステップS210において、制御部407の選局制御部503は、デマルチプレクサ部402から番組特定情報を受信したか否かを判定する。番組特定情報を受信した場合はステップS211に進み、番組特定情報を受信していない場合はステップS210に進む。
ステップS211において、制御部407の番組特定情報解析時間計測部507は、制御部407のシステムクロック部502から時刻を読み出して、読み出した時刻を番組特定情報解析開始時刻として取得する。そして、制御部407の選局制御部503は、受信した番組情報を解析し視聴開始情報を取得し、ステップS212に進む。
ステップS212において、制御部407の番組特定情報解析時間計測部507は、制御部407のシステムクロック部502より時刻を読み出して番組特定情報解析完了時刻とし、ステップS211で取得した番組特定情報解析開始時刻を番組特定情報解析完了時刻から減算した値を番組特定情報解析時間として算出する。そして制御部407の番組特定情報解析時間計測部507は、算出された番組特定情報解析時間を用いて、RAM120の第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルの番組特定情報解析時間を更新し、ステップS213に進む。番組特定情報解析時間の更新は、例えば算出した番組特定情報解析時間の値が第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルの番組特定情報解析時間の値よりも大きい場合に、算出した番組特定情報解析時間を第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルの番組特定情報解析時間の欄に上書きすることにより実行する。なお、制御部407の番組特定情報解析時間計測部507は、RAM120の第2選局制御情報記憶部406を更新した後に、第2選局制御情報記憶部406の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部405に記憶してもよい。
ステップS213において、制御部407の選局制御部503は、デマルチプレクサ部402に対して映像ピクチャの抽出を開始するよう指示し、ステップS214に進む。
ステップS214において、制御部407の選局制御部503は、デマルチプレクサ部402に対して音声フレームの抽出を開始するよう指示し、ステップS215に進む。
ステップS215において、制御部407の選局制御部503は、映像デコード出力処理を開始し、ステップS216に進む。映像デコード出力処理の詳細については、後述する図21のフローチャートを用いて説明する。
ステップS216において、制御部407の選局制御部503は、音声デコード出力処理を開始し、処理を終了する。音声デコード出力処理の詳細については、後述する図22のフローチャートを用いて説明する。
図21は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置における、映像デコード出力処理を示すフローチャートである。映像デコード出力処理では、図16に示すデマルチプレクサ部402から受信した映像ピクチャを映像デコーダ部403でデコードし、デコードした映像ピクチャを表示部105に出力するという処理を繰り返す。また、映像デコーダ部403がキーピクチャを受信した場合、制御部407のキーピクチャ出現時刻取得部508は、キーピクチャ出現時刻を取得したのちに第2選局制御情報記憶部406の更新を行い、制御部407のキーピクチャ出現間隔時間算出部509は、キーピクチャ出現間隔時間を算出したのちに第2選局制御情報記憶部406の更新を行う。図21のフローチャートの動作は、図20のフローチャートのステップS215の映像デコード出力処理の開始が実行された時点で開始し、ステップS301に進む。また図21のフローチャートの動作は、図20のフローチャートのステップS202の映像デコード出力処理の停止が実行された時点で終了する。
ステップS301において、制御部407の選局制御部503は、デマルチプレクサ部402から映像デコーダ部403が映像ピクチャを受信したか否かを判定する。映像ピクチャを受信した場合はステップS302に進み、映像ピクチャを受信していない場合はステップS301に進む。
ステップS302において、制御部407の選局制御部503は、映像デコーダ部403が受信した映像ピクチャがキーピクチャか否かを判定する。キーピクチャの場合はステップS303に進み、キーピクチャではない場合はステップS308に進む。
ステップS303において、制御部407のキーピクチャ出現時刻取得部508は、システムクロック部502より時刻を読み出して、読み出した時刻をキーピクチャ出現時刻として取得し、ステップS304に進む。
ステップS304において、制御部407のキーピクチャ出現時刻取得部508は、ステップS303で行ったキーピクチャ出現時刻の取得が、図21のフローチャートの動作を開始してから1回目の処理か否かを判定する。1回目の処理であるの場合はステップS307に進み、1回目の処理でない場合はステップS305に進む。
ステップS305において、制御部407のキーピクチャ出現間隔時間算出部509は、第2選局制御情報部406から選局するチャンネルのキーピクチャ出現時刻を取得し、取得したキーピクチャ出現時刻を、ステップS304で取得したキーピクチャ出現時刻から減算した差分値によりキーピクチャ出現間隔時間を算出し、ステップS306に進む。
ステップS306において、制御部407のキーピクチャ出現間隔時間算出部509は、第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルのキーピクチャ出現間隔時間を、ステップS305で算出したキーピクチャ出現間隔時間に更新し、ステップS307に進む。なお、RAM120の第2選局制御情報記憶部406を更新した後に、第2選局制御情報記憶部406の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部405に記憶してもよい。
ステップS307において、制御部407のキーピクチャ出現時刻取得部508は、第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたたチャンネルのキーピクチャ出現時刻を、ステップS304で取得したキーピクチャ出現時刻に更新し、ステップS308に進む。なお、RAM120の第2選局制御情報記憶部406を更新した後に、第2選局制御情報記憶部406の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部405に記憶してもよい。
ステップS308において、制御部407の選局制御部503は、映像デコーダ部403に対して受信した映像ピクチャをデコードするよう指示し、ステップS309に進む。
ステップS309において、制御部407の選局制御部503は、ステップ308でデコードした映像ピクチャを表示部105に出力するよう指示し、ステップS301に進む。
図22は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の音声デコード出力処理を示すフローチャートである。音声デコード出力処理では、デマルチプレクサ部402から受信した音声フレームを音声デコーダ部404でデコードし、デコードされた音声フレームをスピーカ部107に出力するという処理を繰り返す。図22のフローチャートの動作は、図20のフローチャートのステップS216の音声デコード出力処理の開始が実行された時点で開始し、ステップS401に進む。また図21のフローチャートの動作は、図20のフローチャートのステップS201の音声デコード出力処理の停止が実行された時点で終了する。
ステップS401において、制御部407の選局制御部503は、デマルチプレクサ部402から音声デコーダ部404が音声フレームを受信したか否かを判定する。音声フレームを受信した場合はステップS402に進み、音声フレームを受信していない場合はステップS401に進む。
ステップS402において、制御部407の選局制御部503は、音声デコーダ部404に対して受信した音声フレームをデコードするよう指示し、ステップS403に進む。
ステップS403において、制御部407の選局制御部503は、ステップ403でデコードした音声フレームをスピーカ部107に出力するよう指示し、ステップS401に進む。
このように構成された本実施の形態のデジタル放送受信装置においては、図19のフローチャートの動作により、電源がONされた後の2回目以降の選局で、かつ選局するチャンネルの選局制御情報の値が初期値ではなく、キーピクチャ出現予測時刻を算出できる場合は、キーピクチャの出現時刻を予測し、遅延を行った後にチャンネル切り替え処理を実行する。チャンネル切り替え処理前の遅延を行っている間は映像及び音声のデコード出力処理を停止しないため、切り換え前のチャンネルの映像及び音声を出力することができる。一方、チャンネル切り替え処理前の遅延を行わない場合、ユーザから選局キーを受信した時点でチャンネル切り替え処理を実行し映像及び音声のデコード出力処理を停止する。従って、本実施の形態のデジタル放送受信装置は、チャンネル切り替え処理前の遅延を行わない場合と比較して、切り換え前のチャンネルの映像及び音声を表示する期間を、最大でキーピクチャ出現間隔時間だけ長くすることができる。また、本実施の形態のデジタル放送受信装置では、切り換え先のチャンネルのキーピクチャの出現時刻に合わせて遅延を行うため、遅延を行わない場合と同じタイミングで、切り換え先のチャンネルのキーピクチャを受信することができる。従って、本実施の形態のデジタル放送受信装置は、遅延を行わない場合と同じタイミングで、切り換え先のチャンネルの映像を表示することができる。
以上のことから、本実施の形態のデジタル放送受信装置は、チャンネル切り替え処理前の遅延を行わない場合と比較して、選局時の映像非表示期間を最大でキーピクチャ出現間隔時間だけ短くすることができる。また、実施の形態1から3のデジタル放送受信装置では対象としていないCMMB規格のデジタル放送について、選局時の映像非表示期間を短くすることができる。また、チューナ部401、デマルチプレクサ部402、映像デコーダ部403および音声デコーダ部404を、ATSC―M/H規格のデジタル放送、又はT−DMB規格のデジタル放送、又はDVB―H規格のデジタル放送、又はDVB−T2規格のデジタル放送、又はISDB―T規格のデジタル放送に対応のものとすることにより、これらの規格のデジタル放送についても、選局時の映像非表示期間を短くすることができる。
なお、本実施の形態においては、CMMB規格のデジタル放送信号を受信した場合のデジタル放送受信装置の動作について説明したが、ATSC―M/H規格のデジタル放送信号、T―DMB規格のデジタル放送信号、DVB―H規格のデジタル放送信号、DVB―T2規格のデジタル放送信号、およびISDB―T規格のデジタル放送信号など、他の規格のデジタル放送信号を受信した場合にも適用することができる。その場合、チューナ部401は、それぞれの放送規格のストリームのストリームを生成することになる。また、デマルチプレクサ部402は、それぞれの放送規格のストリームを受信し、映像ピクチャ、音声フレーム、番組特定情報を出力することになる。
また、番組特定情報としては、CMCTの代わりに、ATSC―M/H規格のストリームであればSMT(Service Map Table)を、T―DMB規格のストリームであればFIG(Fast Information Group)とPATとPMTとOD(Object Description) Streamとを合わせたものを、DVB―H規格のストリームであればNIT(Network Information Table)とPATとPMTとINT(IP/MAC Nortification Table)とESG(Electric Service Guide)データに含まれるSDP(Section Description Protocol)とを合わせたものを、DVB―T2規格のストリームであればL1(Layer 1) SignalingとPATとPMTとを合わせたものを、ISDB―T規格のストリームであればPATとPMTとを合わせたものをそれぞれ番組特定情報としてもよい。
また、映像抽出情報としては、MF_ID、MSF_IDの代わりに、ATSC−M/H規格のストリームであれば映像ピクチャのデータを含むパケットのIPアドレスとUDPポート番号とを組み合わせた情報を、T―DMB規格のストリームのストリームであれば映像ピクチャのデータを含むパケットのSubChId(Sub Channel Identifier)と映像PIDとOD StreamのPIDとを組み合わせた情報を、DVB―H規格のストリームのストリームであれば映像ピクチャのデータを含むパケットのPIDとIPアドレスとUDPポート番号とを組み合わせた情報を、DVB―T2規格のストリームであれば映像ピクチャのデータを含むパケットのPLP_ID(Physical Layer Pipe Identifier)と映像PIDとを組み合わせた情報を、ISDB−T規格のストリームであれば映像PIDをそれぞれ映像抽出情報としてもよい。
また、音声抽出情報としては、MF_ID、MSF_IDの代わりに、ATSC−M/H規格のストリームであれば音声フレームのデータを含むパケットのIPアドレスとUDPポート番号とを組み合わせた情報を、T―DMB規格のストリームであれば音声フレームのデータを含むパケットのSubChIdと音声PIDとOD StreamのPIDとを組み合わせた情報を、DVB―H規格のストリームであれば音声フレームのデータを含むパケットのPIDとIPアドレスとUDPポート番号とを組み合わせた情報を、DVB―T2規格のストリームであれば音声フレームのデータを含むパケットのPLP_IDと音声PIDとを組み合わせた情報を、ISDB−T規格のストリームであれば音声PIDをそれぞれ音声抽出情報としてもよい。
なお、映像デコード部403は、H.264形式の映像ピクチャをデコードできるものを用いたが、それ以外に、MPEG2―VIDEO形式の映像ピクチャや、AVS(Advanced Audio Video Coding Standard in Information Technology)形式の映像ピクチャをデコードできるものを用いてもよい。
また、音声デコード部404は、MPEG4―AAC形式の音声フレームをデコードできるものを用いたが、MPEG2―AAC形式の音声フレームや、Dolby AC3(Audio Code number 3)形式の音声フレームをデコードできるものを用いてもよい。
さらには、本実施の形態においては、番組特定情報送出周期としてCMMB規格のストリームのCMCTの送出周期を用いて説明したが、他の規格のデジタル放送信号の場合はそれぞれの規格に応じて番組特定情報送出周期を設定することができる。例えば、ATSC―M/H規格に対してはストリームのSMTの送出周期、T―DMB規格に対してはストリームのFIGのtype=0かつEextension=2の送出周期、DVB―H規格に対してはストリームのNITの送出周期、DVB―T2規格に対してはストリームのL1 Signalingの送出周期、ISDB―T規格に対してはストリームのPATの送出周期をそれぞれ番組特定情報送出周期Hとしてもよい。
また、本実施の形態においては、番組特定情報解析時間としては、制御部がCMCTを受信してからCMCTを解析し視聴開始情報を取得するまでにかかる時間としたが、他の規格のデジタル放送信号の場合はそれぞれの規格に応じて番組特定情報解析時間を設定することができる。例えば、ATSC−M/H規格に対してはストリームのSMTを受信してから視聴開始情報を取得するまでにかかる時間を、T―DMB規格に対してはストリームのFIGのtype=0かつEextension=2のものを受信してから視聴開始情報を取得するまでにかかる時間を、DVB―H規格に対してはストリームのNITを受信してから視聴開始情報を取得するまでにかかる時間を、DVB―T2形式に対してはストリームのL1 Signalingを受信してから視聴開始情報を取得するまでにかかる時間を、TS形式に対してはストリームのPATを受信してから視聴開始情報を取得するまでにかかる時間をそれぞれ番組特定情報解析時間としてもよい。
さらには、本実施の形態においては、キーピクチャとして、H.264のIDRピクチャで説明したが、MPEG2―VIDEOストリーム形式の場合は、Iピクチャをキーピクチャとしてもよい。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5のデジタル放送受信装置について説明する。デジタル放送のストリームにはスクランブルがかかっている場合がある。スクランブルがかかっているストリームの映像及び音声を再生するためには、デスクランブル処理を実行し、デスクランブルしたストリームから映像ピクチャ及び音声フレームを抽出し、デコード及び出力を行う必要がある。このデスクランブル処理では、デスクランブル処理を開始してからデスクランブルされたストリームの出力が開始されるまでに時間がかかる場合がある。以後、デスクランブル処理を開始してからデスクランブルされたストリームの出力が開始されるまでの時間のことをデスクランブル開始時間と呼ぶこととする。実施の形態1から4のデジタル放送受信装置では、チャンネル切り替え処理前の遅延時間を算出する際に、このデスクランブル開始時間について考慮されていない。デスクランブル開始時間を考慮せずに遅延時間を算出し、遅延を実行した後に選局を実行すると、映像ピクチャの受信が開始された直後にキーピクチャを受信することになるが、その時点では映像ピクチャのデスクランブルが行われていない場合がある。デスクランブルを行っていない映像ピクチャはデコードすることができないため、その結果キーピクチャのデコードが遅くなり、選局時の映像非表示期間が長くなる場合がある。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、デスクランブル開始時間を考慮してチャンネル切り替え処理前の遅延時間を算出することにより、選局時の映像非表示期間が長くなることを防止することができるものである。図23は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置とほぼ同じであるが、デスクランブル部408が存在することに加えて、第1選局制御情報記憶部409及び第2選局制御情報記憶部410に記憶するデータの内容、及び制御部411の構成が異なる。
デスクランブル部408は、制御部411からデスクランブル処理の開始指示を受信すると、チューナ部401より受信したストリームのデスクランブル処理を実行し、デスクランブルしたストリームをデマルチプレクサ部402に出力する。一方、デスクランブル処理を停止している状態では、チューナ部401より受けたストリームをそのままデマルチプレクサ部402に出力する。なお、チューナ部401より出力されるストリームは、映像ストリーム及び音声ストリームの部分にはスクランブルがかかっているが、番組特定情報にはスクランブルがかかっていないものとする。よって、デスクランブル部408がデスクランブル処理を停止している状態でも、番組特定情報の解析は行うことができるものとする。
図24は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の第1選局制御情報記憶部409及び第2選局制御情報記憶部410に記憶される選局制御情報のデータ形式を示す図である。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の第1選局制御情報記憶部409及び第2選局制御情報記憶部410には、各々のチャンネル毎に、チューナ制御時間、番組特定情報解析時間、キーピクチャ出現時刻、キーピクチャ出現間隔時間に加えて、デスクランブル開始時間が記憶されている。
図25は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置における制御部411の概略図である。制御部411の構成は、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置における制御部407とほぼ同じであるが、デスクランブル開始時間計測部510が存在する点が異なる。
なお、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置において、チューナ制御時間、番組特定情報解析時間、キーピクチャ出現時刻、キーピクチャ出現間隔時間、およびデスクランブル開始時間には、工場出荷時の初期値として0が格納されているものとするが、このような態様に限定されるものではない。
デスクランブル時間計測部510は、デスクランブル408において、デスクランブル開始の指示を受けてから、デスクランブルしたストリームを出力が開始されるまでのデスクランブル開始時間を計測する。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置で行われる処理は、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置で行われる処理とほぼ同じであるが、全体処理の一部、及びチャンネル切り替え処理の一部が異なる。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の全体処理が、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置の全体処理と異なる点は、図19のステップS108の遅延時間の算出処理において、デスクランブル開始時間を考慮して遅延時間を算出する点である。以下、本実施の形態の全体処理と実施の形態4の全体処理との相違点である、ステップS108の処理について説明する。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置では、ステップS108の遅延時間の算出処理を例えば以下のように行う。ステップS106で算出されたキーピクチャ出現予測時刻Rと、ステップS103で取得されたチューナ制御時間Aと、番組特定情報解析時間Eと、番組特定情報送出周期Hと、デスクランブル開始時間Iと、現在時刻Tと、を用いて、下記の(8)式から遅延時間Lを算出する。
L=R−A−E−H―I―T (8)
なお、制御部411の遅延時間処理部505は、算出した遅延時間Lが0未満である場合は選局動作を開始してもキーピクチャ出現予測時刻Rまでに選局動作が完了しないということを意味しており、次のキーピクチャの出現待ち時間の間映像非表示期間が増加してしまう。そこで、制御部411の遅延時間処理部505おいては、(8)式で算出した遅延時間Lが正の値の最小値となるように、キーピクチャ出現間隔時間Dの定数倍の値を遅延時間に加算した値を遅延時間Lとする。
図26は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のチャンネル切り替え処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置のチャンネル切り替え処理を示すフローチャートは、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置のチャンネル切り替え処理を示す図20のフローチャートとほぼ同じであるが、ステップS204の処理とステップS205の処理との間にステップS217のデスクランブル停止処理が存在する点、およびステップS212の処理とステップS213の処理との間にステップS218からステップS220のデスクランブル開始処理とデスクランブル開始時間の計測処理とが存在する点が異なる。以下、本実施の形態のチャンネル切り替え処理と実施の形態4のチャンネル切り替え処理との相違点である、ステップS217からステップS220の処理について説明する。
ステップS217において、制御部411の選局制御部503は、デスクランブル部408にデスクランブル処理を停止するよう指示し、ステップS205に進む。
ステップS218において、制御部411の選局制御部503は、デスクランブル部408にデスクランブル処理を開始するよう指示する。そして、制御部411のデスクランブル開始時間計測部510は、制御部411のシステムクロック部502から時刻を読み出し、読み出した時刻をデスクランブル開始時刻として取得し、ステップS219に進む。
ステップS219において、制御部411の選局制御部503は、デスクランブルされたストリームの出力が開始されたか否かを判定する。デスクランブルされたストリームの出力が開始された場合はステップS220に進み、デスクランブルされたストリームの出力が開始されていない場合はステップS219に進む。
ステップS220において、制御部411のデスクランブル開始時間計測部510は、制御部411のシステムクロック部502より時刻を読み出してデスクランブル開始完了時刻とし、ステップS218で取得したデスクランブル開始時刻をデスクランブル開始完了時刻から減算した差分値をデスクランブル開始時間として算出する。そして算出したデスクランブル開始時間を用いて、RAM120の第2選局制御情報記憶部410に記憶されている選局されたチャンネルのデスクランブル開始時間を更新し、ステップS213に進む。デスクランブル開始時間の更新は、例えば算出したデスクランブル開始時間の値が第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルのデスクランブル開始時間の値よりも大きい場合に、算出したデスクランブル開始時間を第2選局制御情報記憶部406に記憶されている選局されたチャンネルのデスクランブル開始時間に上書きすることにより実行する。なお、制御部411のデスクランブル開始時間計測部510は、RAM120の第2選局制御情報記憶部410を更新した後に、第2選局制御情報記憶部410の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部409に記憶してもよい。
以上のように、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置と比較して、チャンネル切り替え処理前の遅延時間をデスクランブル開始時間の分だけ短く設定する。このことにより、選局後のチャンネルの映像ピクチャの受信が開始される時刻は、キーピクチャの受信よりデスクランブル開始時間だけ早くなる。よって、キーピクチャの受信を行う時刻にはデスクランブルされたキーピクチャを受信することができる。従って、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、スクランブルがかかっている場合でも、選局時の映像の非表示期間を短くすることができる。
なお、実施の形態4で説明したように、本実施の形態においても、他の規格のデジタル放送信号を受信した場合にも適用することができる。例えば、チューナ部401、デマルチプレクサ部402、映像デコーダ部403、音声デコーダ部404およびデスクランブル部408を、ATSC―M/H規格のデジタル放送、T−DMB規格のデジタル放送、DVB―H規格のデジタル放送、DVB−T2規格のデジタル放送、あるいはISDB―T規格のデジタル放送に対応のものとすることにより、これらの規格のデジタル放送信号にスクランブルがかかっている場合でも、選局時の映像非表示期間を短くすることができる。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6のデジタル放送受信装置について説明する。実施の形態1から5のデジタル放送受信装置では、ユーザから選局キーを受信し、チャンネル切り替え処理前の遅延を行っている間、切り換え前のチャンネルの映像及び音声を表示し続けている。そのため、ユーザは選局キーを押下したにも関わらずデジタル放送受信装置が選局の指示を受け付けていないと勘違いする場合がある。
本実施の形態のデジタル放送受信装置は、チャンネル切り替え処理前の遅延を行っている間、切り換え前のチャンネルの映像に、ユーザの選局指示を受け付けたことを示すGUI(Grafical User Interface)を合成して表示することにより、切り換え前のチャンネルの映像及び音声を出力しながら、ユーザの選局指示を受け付けたことをユーザに告知するものである。ここでいうユーザの選局指示を受け付けたことを示すGUIとは、例えば、「選局実行中です」という文字列が記述されている長方形の図形データなどである。図27は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は、実施の形態5に係るデジタル放送受信装置とほぼ同じであるが、GUI合成部412が存在する点が異なる。
GUI合成部412は、映像デコーダ部403が出力したデコード済みの映像ピクチャに対してGUIを合成して表示部105に出力する。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置で行われる処理は、実施の形態5に係るデジタル放送受信装置で行われる処理とほぼ同じであるが、全体処理の一部、及び映像デコード出力処理の一部が異なる。
図28は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の全体処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の全体処理を示すフローチャートは、実施の形態4及び5に係るデジタル放送受信装置の全体処理を示す図19のフローチャートとほぼ同じであるが、チャンネル切り替え処理前の遅延を行っている間にユーザの選局指示を受け付けたことを示すGUIを表示するために、ステップS106の処理とステップS107の処理との間にステップS113の選局指示を受け付けたことを示すGUIの合成の開始処理が存在することと、ステップS110の処理とステップS111の処理との間にステップS114の選局指示を受け付けたことを示すGUIの合成の停止処理が存在することとが異なる。以下、本実施の形態の全体処理と実施の形態4及び5の全体処理との相違点である、ステップS113及びステップS114の処理について説明する。
ステップS113において、制御部411の選局制御部503は、GUI合成部412に対して、合成するGUIに、選局指示を受け付けたことを示すGUIを追加するよう指示し、ステップS107に進む。また、合成するGUIに、選局指示を受け付けたことを示すGUIだけではなく、選局先のチャンネルの情報(例えばチャンネル番号、サービス名、番組名など)を示すGUIを追加してもよい。
ステップS114において、制御部411の選局制御部503は、GUI合成部412に対して、合成するGUIに、選局指示を受け付けたことを示すGUIを削除するよう指示し、ステップS111に進む。
図29は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の映像デコード出力処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の映像デコード出力処理のフローチャートは、実施の形態4及び5に係るデジタル放送受信装置とほぼ同じであるが、ステップS308の処理とステップS309の処理との間にステップS310のGUIの合成処理が存在する点が異なる。以下、本実施の形態の全体処理と実施の形態4及び5の全体処理との相違点である、ステップS310の処理について説明する。
ステップS310において、制御部411の選局制御部503は、GUI合成部412に対して、映像デコーダ部403から出力されたデコードされた映像ピクチャに対してGUIを合成するよう指示し、ステップS309に進む。どのようなGUIを合成するかは、図28のステップS113の処理が最後に実行された時刻と、ステップS114の処理が最後に実行された時刻との比較により変化する。例えば、S114の処理が最後に実行された時刻よりもステップS113の処理が最後に実行された時刻の方が現在に近い時刻の場合は、選局指示を受け付けたことを示すGUIを合成する。また例えば、S113の処理が最後に実行された時刻よりもステップS114の処理が最後に実行された時刻の方が現在に近い時刻の場合は、選局指示を受け付けたことを示すGUIを合成しない。また例えば、デジタル放送受信装置の電源がONになってから、ステップS113の処理及びステップS114の処理が1回も実行されていない場合は、選局指示を受け付けたことを示すGUIを合成しない。
このように、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置は、チャンネル切り替え処理前の遅延を行っている間、切り換え前のチャンネルの映像及び音声を出力しながら、ユーザの選局指示を受け付けたことを示すGUIを表示することができる。従って、ユーザがチャンネル切り替えを指示してから、チャンネル切り替えの処理を行うまでの間に、チャンネル切り替えの指示をデジタル放送受信装置が受け付けていないとユーザが勘違いすることを防止することができる。
なお、実施の形態4で説明したように、本実施の形態においても、他の規格のデジタル放送信号を受信した場合にも適用することができる。例えば、チューナ部401、デマルチプレクサ部402、映像デコーダ部403、音声デコーダ部404およびデスクランブル部408を、ATSC―M/H規格のデジタル放送、T−DMB規格のデジタル放送、DVB―H規格のデジタル放送、DVB−T2規格のデジタル放送、あるいはISDB―T規格のデジタル放送に対応のものとすることにより、これらの規格のデジタル放送でも、ユーザがチャンネル切り替えを指示してから、チャンネル切り替えの処理を行うまでの間に、チャンネル切り替えの指示をデジタル放送受信装置が受け付けていないとユーザが勘違いすることを防止することができる。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7のデジタル放送受信装置について説明する。実施の形態1、4、5、6のデジタル放送受信装置では、視聴していないチャンネルの選局制御情報の更新をチェックしていない。そのため、視聴していないチャンネルの選局制御情報が更新された場合、キーピクチャの出現時刻を正確に予測できなくなり、その結果、キーピクチャの受信が遅くなり、選局時の映像の非表示期間が長くなる場合がある。また、実施の形態2のデジタル放送受信装置では、視聴していないチャンネルの選局制御情報の更新を電源ON直後のみ実行するため、電源ONをし、図10の視聴していないチャンネルの選局制御情報の更新処理が終了した後に選局制御情報が更新された場合、キーピクチャの出現時刻を正確に予測できなくなる場合がある。また、実施の形態3のデジタル放送受信装置では、視聴していないチャンネルの選局制御情報の更新は、番組の切り替わりの時間帯のみ実行する。そのため、番組の切り替わりの時間帯以外のタイミングで選局制御情報が更新された場合、キーピクチャの出現時刻を正確に予測できなくなる場合がある。
本実施の形態のデジタル放送受信装置は、視聴していないチャンネルの選局制御情報を常に更新することにより、視聴していないチャンネルの選局制御情報が更新されても、キーピクチャの出現時間を正確に予測できるようにするものである。図30は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の構成は、実施の形態6に係るデジタル放送受信装置とほぼ同じであるが、補助アンテナ413が存在することと、補助チューナ部414が存在することと、補助デスクランブル部415が存在することと、補助デマルチプレクサ部416が存在することと、メモリバッファ部417が存在することと、制御部418の構成が異なる。
補助アンテナ413は、デジタル放送信号を受信し、受信したデジタル放送信号を補助チューナ部414に与える。なお、補助アンテナ413は、アンテナ101と同等の性能を有するものを用いるのが望ましい。
補助チューナ部414は、補助アンテナ413より受けたデジタル放送信号を復調してストリームを生成し、生成したストリームを補助デスクランブル部415に与える。生成するストリームの形式はTSでもよいし、他の形式でもよい。なお、補助チューナ部414は、チューナ部401と同等の性能を有するものを用いるのが望ましい。
補助デスクランブル部415は、デスクランブル処理を開始している状態では、補助チューナ部414より受けたストリームのデスクランブル処理を行い、デスクランブルしたストリームを補助デマルチプレクサ部416に出力する。一方、デスクランブル処理を停止している状態では、補助チューナ部414より受けたストリームをそのまま補助デマルチプレクサ部416に出力する。なお、補助チューナ部414より出力されるストリームは、映像及び音声の部分にはスクランブルがかかっているが、番組特定情報にはスクランブルがかかっていないものとする。よって、補助デスクランブル部415がデスクランブル処理を停止している状態でも、番組特定情報の解析は行うことができるものとする。なお、補助デスクランブル部415は、デスクランブル部408と同等の性能を有するものを用いるのが望ましい。また、デスクランブル部408と補助デスクランブル部415とをまとめたものを、1つの装置により実現してもよい。
補助デマルチプレクサ部416は、補助デスクランブル部415より受けたストリームから、映像ストリーム、番組特定情報を分離する。そして、分離された映像ストリームは、1ピクチャ分の映像ピクチャのデータに組み立てられた後にメモリバッファ部417に出力される。また、番組特定情報は制御部418に出力される。なお、デマルチプレクサ部402と補助デマルチプレクサ部416とをまとめたものを、1つの装置により実現してもよい。
メモリバッファ部417は、補助デマルチプレクサ部416が出力した映像ピクチャを記憶する。
図31は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の制御部418の概略図である。図示するように、制御部418は、実施の形態5に係るデジタル放送受信装置の制御部411と比較して、補助チューナ制御時間計測部511と、補助番組特定情報解析時間計測部512と、補助キーピクチャ出現時刻取得部513と、補助キーピクチャ出現間隔時間算出部514と、補助デスクランブル開始時間計測部515と、選局制御情報更新部516と、を有する点が異なる。
補助チューナ制御時間計測部511は、補助チューナ部414において、チャンネルを変更する指示を受けてから、変更後のチャンネルの放送信号を受信可能になるまでのチューナ制御時間を計測する。
補助番組特定情報解析時間計測部512は、補助デマルチプレクサ部416で番組特定情報の抽出を開始してから、選局制御部503が番組特定情報を受信し番組特定情報から視聴開始情報を解析するまでにかかる時間を計測する。
補助キーピクチャ出現時刻取得部513は、補助デマルチプレクサ部416が出力した映像ピクチャがキーピクチャである場合には、システムクロック部502から読み出した時刻を、キーピクチャ出現時刻とする。
補助キーピクチャ出現間隔時間算出部514は、補助キーピクチャ出現時刻取得部513で取得されたキーピクチャ出現時刻と、第2選局制御情報記憶部410に記憶されている対応するチャンネルのキーピクチャ出現時刻と、の差分によりキーピクチャ出現間隔時間を算出する。
補助デスクランブル時間計測部515は、補助デスクランブル415において、デスクランブル開始の指示を受けてから、デスクランブルしたストリームを出力が開始されるまでのデスクランブル開始時間を計測する。
選局制御情報更新部516は、補助チューナ制御時間計測部511で計測されたチューナ制御時間、補助番組特定情報解析時間計測部512で計測された番組特定情報解析時間、補助キーピクチャ出現時刻取得部で取得されたキーピクチャ出現時刻、補助キーピクチャ出現間隔時間算出部で算出されたキーピクチャ出現間隔時間、及び補助デスクランブル開始時間計測部515で計測されたデスクランブル開始時間を第2選局制御情報記憶部410に格納する処理を制御する。
本実施の形態に係るデジタル放送受信装置では、アンテナ101、チューナ部401、デスクランブル部408、デマルチプレクサ部402、映像デコーダ部403、表示部105、音声デコーダ部404、及びスピーカ部107を用いて、実施の形態6に係るデジタル放送受信装置と同様の全体処理、チャンネル切り替え処理、映像デコード出力処理、及び音声デコード出力処理が行われる。一方、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置では、補助アンテナ413、補助チューナ部414、補助デスクランブル部415、補助デマルチプレクサ部416、及びメモリバッファ部を用いて、選局制御情報更新処理が行われる。図32は、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置の選局制御情報更新処理を示すフローチャートである。図32の選局制御情報更新処理のフローチャートは、図28のステップS101のアプリケーションの起動処理が完了した時点で開始され、ステップS501に進む。
ステップS501において、制御部418の全体制御部501は第2選局制御情報記憶部410に記憶されている選局制御情報の内、どのチャンネルの選局制御情報を更新するかを決定し、ステップS502に進む。選局制御情報を更新するチャンネルの順番は、例えば第2選局制御情報記憶部410に記憶されているチャンネルの内の小さな物理チャンネルからの順番とし、第2選局制御情報記憶部410に記憶されている全てのチャンネルの選局制御情報の更新が完了したら、再び小さな物理チャンネルから順番に更新する。
ステップS502において、制御部418の選局制御部503は、補助デマルチプレクサ部416に対して映像ピクチャの抽出を停止するよう指示し、ステップS503に進む。
ステップS503において、制御部418の選局制御部503は、補助デスクランブル部415に対してデスクランブル処理を停止するよう指示し、ステップS504に進む。
ステップS504において、制御部418の選局制御部503は、補助デマルチプレクサ部416に対して番組特定情報の抽出を停止するよう指示し、ステップS505に進む。
ステップS505において、制御部418の選局制御部503は、選局制御情報を更新するチャンネルの周波数帯を選択するよう補助チューナ部414を制御する。そして、制御部418の補助チューナ制御時間計測部511は、制御部418のシステムクロック部502から時刻を読み出して、読み出した時刻をチューナ制御開始時刻として取得し、ステップS506に進む。
ステップS506において、制御部418の選局制御部503は、ステップS505で選択された周波数帯でデジタル信号のロック信号を補助チューナ部414が検知したか否かを判定する。ロック信号を検知した場合はステップS507に進み、ロック信号を検知しなかった場合はステップS506に進む。
ステップS507において、制御部418の補助チューナ制御時間計測部511は、制御部418のシステムクロック部502より時刻を読み出してチューナロック時刻とし、ステップS506で取得したチューナ制御開始時刻をチューナロック時刻から減算した差分値をチューナ制御時間として算出する。そして、制御部418の選局制御情報更新部516は、算出されたチューナ制御時間を用いて、RAM120の第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのチューナ制御時間を更新し、ステップS508に進む。チューナ制御時間の更新は、例えば算出されたチューナ制御時間の値が第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのチューナ制御時間の値よりも大きい場合に、算出されたチューナ制御時間を第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのチューナ制御時間の欄に上書きすることにより実行する。なお、制御部418の補助チューナ制御時間計測部511は、RAM120の第2選局制御情報記憶部410を更新した後に、第2選局制御情報記憶部410の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部409に記憶してもよい。
ステップS508において、制御部418の選局制御部503は、補助デマルチプレクサ部416に対して選局するたチャンネルの番組特定情報の抽出を開始するよう指示し、ステップS509に進む。
ステップS509において、制御部418の選局制御部503は、補助デマルチプレクサ部416から番組特定情報を受信したか否かを判定する。番組特定情報を受信した場合はステップS510に進み、番組特定情報を受信していない場合はステップS509に進む。
ステップS510において、制御部418の補助番組特定情報解析時間計測部512は、制御部418のシステムクロック部502から時刻を読み出して、読み出した時刻を番組特定情報解析開始時刻として取得する。そして、制御部418の選局制御部503は、受信した番組情報を解析し視聴開始情報を取得し、ステップS511に進む。
ステップS511において、制御部418の補助番組特定情報解析時間計測部512は、制御部418のシステムクロック部502より時刻を読み出して番組特定情報解析完了時刻とし、ステップS510で取得した番組特定情報解析開始時刻を番組特定情報解析完了時刻から減算した値を番組特定情報解析時間として算出する。そして算出された番組特定情報解析時間を用いて、RAM120の第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルの番組特定情報解析時間を更新し、ステップS512に進む。番組特定情報解析時間の更新は、例えば算出された番組特定情報解析時間の値が第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルの番組特定情報解析時間の値よりも大きい場合に、算出された番組特定情報解析時間を第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルの番組特定情報解析時間の欄に上書きすることにより実行する。なお、制御部418の補助番組特定情報解析時間計測部512は、RAM120の第2選局制御情報記憶部410を更新した後に、第2選局制御情報記憶部410の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部409に記憶してもよい。
ステップS512において、制御部418の選局制御部503は、補助デスクランブル部415に対してデスクランブル処理を開始するよう指示する。そして、制御部418の補助デスクランブル開始時間計測部515は、制御部418のシステムクロック部502から時刻を読み出し、読み出した時刻をデスクランブル開始時刻として取得し、ステップS513に進む。
ステップS513において、制御部418の選局制御部503は、デスクランブルされたストリームの出力が開始されたか否かを判定する。デスクランブルされたストリームの出力が開始された場合はステップS514進み、デスクランブルされたストリームの出力が開始されていない場合はステップS513に進む。
ステップS514において、制御部418の補助デスクランブル開始時間計測部515は、制御部418のシステムクロック部502より時刻を読み出してデスクランブル開始完了時刻とし、ステップS512で取得したデスクランブル開始時刻をデスクランブル開始完了時刻から減算した差分値をデスクランブル開始時間として算出する。そして算出されたデスクランブル開始時間を用いて、RAM120の第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのデスクランブル開始時間を更新し、ステップS515に進む。デスクランブル開始時間の更新は、例えば算出されたデスクランブル開始時間の値が第2選局制御情報記憶部406に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのデスクランブル開始時間の値よりも大きい場合に、算出されたデスクランブル開始時間を第2選局制御情報記憶部406に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのデスクランブル開始時間の欄に上書きすることにより実行する。なお、制御部418の補助デスクランブル開始時間計測部515は、RAM120の第2選局制御情報記憶部410を更新した後に、第2選局制御情報記憶部410の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部409に記憶してもよい。
ステップS515において、制御部418の選局制御部503は、補助デマルチプレクサ部416に対して映像ピクチャの抽出を開始するよう指示し、ステップS516に進む。
ステップS516において、制御部418の選局制御部503は、補助デマルチプレクサ部416からメモリバッファ部417が映像ピクチャを受信したか否かを判定する。映像ピクチャを受信した場合はステップS517に進み、映像ピクチャを受信していない場合はステップS516に進む。
ステップS517において、制御部418の選局制御部503は、メモリバッファ部417が受信した映像ピクチャがキーピクチャか否かを判定する。キーピクチャの場合はステップS518に進み、キーピクチャではない場合はステップS516に進む。
ステップS518において、制御部418の補助キーピクチャ出現時刻取得部513は、システムクロック部502より時刻を読み出して、読み出した時刻をキーピクチャ出現時刻として取得し、ステップS519に進む。
ステップS519において、制御部418の補助キーピクチャ出現時刻取得部513は、ステップS518で行ったキーピクチャ出現時刻の取得が、ステップS515の映像ピクチャの抽出開始処理を実行してから1回目の処理か否かを判定する。1回目の処理であるの場合はステップS522に進み、1回目の処理でない場合はステップS520に進む。
ステップS520において、制御部418の補助キーピクチャ出現間隔時間算出部514は、第2選局制御情報記憶部410から選局制御情報を更新するチャンネルのキーピクチャ出現時刻を取得し、取得したキーピクチャ出現時刻を、ステップS518で取得したキーピクチャ出現時刻から減算した差分値によりキーピクチャ出現間隔時間を算出し、ステップS521に進む。
ステップS521において、制御部418の補助キーピクチャ出現間隔時間算出部514は、第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのキーピクチャ出現間隔時間を、ステップS520で算出されたキーピクチャ出現間隔時間に更新し、ステップS307に進む。なお、制御部418の補助キーピクチャ出現時間算出部514は、RAM120の第2選局制御情報記憶部410を更新した後に、第2選局制御情報記憶部410の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部409に記憶してもよい。
ステップS522において、制御部418の補助キーピクチャ出現時刻取得部513は、第2選局制御情報記憶部410に記憶されている、選局制御情報を更新するチャンネルのキーピクチャ出現時刻を、ステップS518で取得したキーピクチャ出現時刻に更新し、ステップS523に進む。なお、制御部418の補助キーピクチャ出現時刻取得部513は、RAM120の第2選局制御情報記憶部410を更新した後に、第2選局制御情報記憶部410の値をフラッシュメモリ110の第1選局制御情報記憶部409に記憶してもよい。
ステップS523において、制御部418の補助キーピクチャ出現時刻取得部513は、ステップS518で行ったキーピクチャ出現時刻の取得が、ステップS515の映像ピクチャの抽出開始処理を実行してから2回目以降の処理か否かを判定する。2回目以降の処理であるの場合はステップS501に進み、2回目以降の処理でない場合はステップS516に進む。
以上のように、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置では、視聴していないチャンネルの選局制御情報を常に更新するため、視聴していないチャンネルの選局制御情報が更新されても、キーピクチャの出現時間を正確に予測することができる。従って、視聴していないチャンネルの選局制御情報が更新されても、選局時の映像非表示時間を短くすることができる。
なお、実施の形態4で説明したように、本実施の形態においても、他の規格のデジタル放送信号を受信した場合にも適用することができる。例えば、チューナ部401、デマルチプレクサ部402、映像デコーダ部403、音声デコーダ部404、デスクランブル部408、補助チューナ部414、補助デスクランブル部415、および補助デマルチプレクサ部416を、ATSC―M/H規格のデジタル放送、T−DMB規格のデジタル放送、DVB―H規格のデジタル放送、DVB−T2規格のデジタル放送、あるいはISDB―T規格のデジタル放送に対応のものとすることにより、これらの規格のデジタル放送において、視聴していないチャンネルの選局制御情報が更新されても、選局時の映像非表示時間を短くすることができる。