JP4866135B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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本発明は、異なった方式で符号化及びパケット化された、複数の画像符号化データを選択的に復号等する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
近年、周波数利用効率が高く、伝送品質、画像品質に優れた放送を提供することを可能とするディジタル放送(インターネット放送、地上ディジタル放送等)が開始されている。
日本の地上ディジタル放送では、伝送方式として、高い周波数利用効率と伝送品質が得られるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)方式が採用され、帯域幅6MHzの放送チャンネル(物理チャンネル)を14個のセグメントに分割し、そのうちガードバンドを除いた13個のセグメントを複数のセグメント群(階層)のグループに分けて、各グループ単位で情報符号化方式や変調方式等の異なる番組(プログラム)を同時に放送することを可能にしている。
例えば、13個のセグメントのうち、中央の1セグメントを除く12セグメントを用いて、固定受信向けに、ハイビジョン番組(HDTV:High Definition TeleVision)を1番組、または、標準番組(SDTV:Standard Definition TeleVision)を2ないし3番組放送し、移動受信向けに、中央の1セグメントを用いて1セグメント放送(ワンセグ放送)が既に行われている。
また、情報源符号化(画像圧縮符号化)方式として、上述のHDTVやSDTVの番組にはMPEG-2 Video(Moving Picture Expert Group 2 Video)方式、ワンセグ放送の番組にはH.264/AVC(MPEG-4 AVC:Moving Picture Expert Group 4 Part10 Advanced Video Coding)方式が採用されている。
また、ストリーミング放送を行うためのプロトコルとして、MPEG-2 TS(Transport Stream)が採用されており、送信側で、情報源符号化後の画像符号化データ(ビットストリームのデータ)を伝送しやすい小さな固定長(ヘッダを含む188byte)のTSパケット(トランスポートストリームパケット)にパケット化し、それらのTSパケットを並べた1つのトランスポートストリームを生成して、上述のOFDM変調等を行って放送している。更に、HDTVやSDTVのTSパケットとワンセグ放送のTSパケットとを1つのトランスポートストリームに多重化し、それら複数の番組(プログラム)を多重放送することが可能となっている。
ここで、ストリーミング放送を実現するためには、受信機側で送信側と同期を取って、トランスポートストリームの各TSパケットを番組(プログラム)毎に判別して分離抽出し、TSパケット内の画像符号化データを復号できるようにする必要がある。
そのため、送信側では、エレメンタリストリーム(ES:Elementary Stream)である画像符号化データをピクチャ単位でPES(Packetized Elementary Stream)パケットにパケット化した上でTSパケット化している。更に、各PESパケットのヘッダ(PESヘッダ)内に、PTS(Presentation Time Stamp:提示時間情報)と呼ばれるそのPESパケット内のエレメンタリストリームESを再生(提示)する時間を示す時間情報が記述されている。更に、PCR(Program Clock Reference:番組時刻基準値情報)と呼ばれる基準時刻情報が番組(サービス)毎に伝送され、このPCRを受信機が受信した瞬間の時間をPCR値(番組時刻基準値)で示された時刻とすることで、送信側との同期を取ることが可能となっている。そして、PCR値に基づいて同期した基準時刻を基準にして、PTSの示す時間にそのPESパケット内のエレメンタリストリームESを復号(デコード)することで、番組(プログラム)毎に画像を再生することができるようになっている。
なお、以上に述べたPTSとPCRに基づいて固定受信向けのHDTVやSDTVの番組放送(以下、「高画質動画サービス」とも総称することとする)を同期再生することができるが、移動受信向けのワンセグ放送(以下、「簡易動画サービス」とも称することとする)では、更にピクチャ単位より細かいスライス単位で符号化してエレメンタリストリームESである画像符号化データを生成し、PESパケットにパケット化した上でTSパケット化している。そして、放送では、見たい場面から再生できるランダムアクセス機能が必要であることから、スライス単位で符号化された画像符号化データをピクチャ単位でランダムアクセスを行えるようにしている。
つまり、H.264/AVCでは、スライス単位で符号化された画像符号化データを、自身で1フレームの絵を生成できるIDRピクチャー(基準フレームデータ)と、参照画像を要する非IDRピクチャー(非基準フレームデータ)とに分類し、IDRピクチャーをIDR(Instantaneous Decoder Refresh:デコーダ符号動作の瞬時リフレッシュ)アクセスユニットに格納し、非IDRピクチャーを非IDR(non Instantaneous Decoder Refresh)アクセスユニットに格納して、PESパケットに多重化した上でTSパケット化している。そして、受信機側でIDRアクセスユニットを判別し、IDRアクセスユニットが格納されているPESパケットのPESヘッダに記述されているPTS(Presentation Time Stamp:提示時間情報)とPCR(Program Clock Reference:番組時刻基準値情報)に同期して、そのIDRアクセスユニット内のIDRピクチャーの再生(提示)を行うことで、非IDRアクセスユニットに格納されている非IDRピクチャーも順次に再生(提示)することができるようになっている。更に、同期再生(提示)の基準となるIDRアクセスユニットは、通常2秒程度の間隔、最大でも5秒間隔でTSパケットに現れるように、PESパケットに多重化しなければならないと規定されている。
ところで、従来、HDTVやSDTVの番組放送とワンセグ放送との多重放送を受信することが可能な受信機において、ユーザー等がHDTVやSDTVの番組放送からワンセグ放送への視聴に切替えた場合、その切替え時が上述のIDRアクセスユニットの現れる期間(2秒ないし5秒の期間)内のときには、次のIDRアクセスユニットが判別できるまで、ディスプレイの表示を黒表示(映像ミュート)としていたため、ユーザー等に対して違和感等を与えるという問題があった。
こうした問題を解決するため、特許文献1の受信機が提案されている。特許文献1の受信機をHDTVやSDTVとワンセグ放送とを受信するための受信機に適用した場合、HDTVやSDTVとワンセグ放送との両者を常に復号し、HDTVやSDTVからワンセグ放送への視聴に切替えられると、その切替え時におけるHDTVやSDTVの番組放送のフレーム画像を静止画としてディスプレイに表示させた後、次に、切替え時におけるワンセグ放送のフレーム画像と上述の静止画との合成画像を表示させてから、ワンセグ放送の画像だけに切替えてディスプレイ表示する。これにより、黒表示の期間を無くすこととなる。
特開2006−74466号公報
ところが、特許文献1の受信機では、HDTVやSDTVとワンセグ放送との両者を常に復号することとなるため、復号を行う復号器(デコーダ)の処理負担が大きく、消費電力の低減が困難となる等の問題がある。例えば、特許文献1の受信機を、バッテリで動作する携帯電話等の移動端末装置に適用することは極めて困難である。
更に、ユーザー等から切替え指示がなされた時点からワンセグ放送に完全に切替わるまでの同期処理期間において黒表示が行われないが、IDRアクセスユニットが現れる2秒ないし5秒間の間、静止画や合成画像がディスプレイ表示されることとなるため、迅速にワンセグ放送に切替えるための手段が講じられていると言えず、単に黒表示を行わないようにしているに過ぎないという課題がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、異なった方式で符号化及びパケット化された複数の画像符号化データを選択的に復号等する画像処理装置及び画像処理方法であって、例えば、ユーザー等に違和感を与えることなく迅速な切替えを行うことができ、また、復号処理の負担を低減等することができる、新規な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明は、符号化及びパケット化された高画質動画サービスのストリームをデコードする第1のデコーダ手段と、各々固有の提示時間情報が付された基準のアクセスユニット及び非基準のアクセスユニットが多重化された簡易動画サービスのストリームをデコードする第2のデコーダ手段とを備える画像処理装置であって、前記第1のデコード手段と第2のデコード手段の動作と停止を制御し、前記第1のデコード手段を動作させるときには前記第2のデコード手段を停止させ、前記第2のデコード手段を動作させるときには前記第1のデコード手段を停止させる切替え制御手段と、前記第1のデコード手段がデコード動作している間、前記簡易動画サービスのストリームから、前記固有の提示時間情報とアクセスユニットとを対応付けて順次に記憶すると共に、前記切替え制御手段によって前記第1のデコード手段のデコード動作から前記第2のデコード手段のデコード動作へと切替えられると、前記第1のデコード手段がデコード動作している間に記憶しておいた前記アクセスユニットのうち、最新の基準のアクセスユニットから順次に前記第2のデコーダ手段にデコードさせる同期情報蓄積処理手段と、前記第2のデコーダ手段が前記アクセスユニットのデコードを完了する現在時刻と、デコードされた前記アクセスユニットに対応付けられて前記同期情報蓄積処理手段に記憶されている固有の提示時間情報による提示時刻とを比較し、当該提示時刻が前記現在時刻より未来の時刻となると、同期確立と判定して、前記第2のデコーダ手段に通常のデコード処理を開始させる判定手段と、を具備することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、符号化及びパケット化された高画質動画サービスのストリームをデコードする第1のデコーダ工程と、各々固有の提示時間情報が付された基準のアクセスユニット及び非基準のアクセスユニットが多重化された簡易動画サービスのストリームをデコードする第2のデコーダ工程とを備える画像処理方法であって、前記第1のデコード工程と第2のデコード工程の処理と停止を制御し、前記第1のデコード工程の処理を行わせるときには前記第2のデコード工程を停止させ、前記第2のデコード工程の処理を行わせるときには前記第1のデコード工程を停止させる切替え制御工程と、前記第1のデコード工程におけるデコード処理の間、前記簡易動画サービスのストリームから、前記固有の提示時間情報とアクセスユニットとを対応付けて順次に記憶すると共に、前記切替え制御工程によって前記第1のデコード工程から前記第2のデコード工程へと切替えられると、前記第1のデコード工程がデコード処理をしている間に記憶しておいた前記アクセスユニットのうち、最新の基準のアクセスユニットから順次に前記第2のデコーダ工程においてデコードさせる記憶工程と、前記第2のデコーダ工程で前記アクセスユニットのデコードが完了する現在時刻と、デコードされた前記アクセスユニットに対応付けられて前記記憶工程において記憶されている固有の提示時間情報による提示時刻とを比較し、当該提示時刻が前記現在時刻より未来の時刻となると、同期確立と判定して、前記第2のデコーダ工程において通常のデコード処理を開始させる判定工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の画像処理装置の構成を表したブロック図である。また、この画像処理装置は、MPEG-2システムを用いた地上波ディジタル放送を受信する受信機のバックエンドとして適用されたものであり、高画質動画サービス(HDTVとSDTV)のデコード方式にはMPEG-2 Video、簡易動画サービスのデコード方式にはH.264/AVCが用いられている。
図1において、この受信機は、フロントエンド(前処理部)とバックエンド(後処理部)に大別され、フロントエンドは、放送波を受信するチューナ10とOFDM復調部20を備えた構成、バックエンドは、TSバッファ30、デマルチプレクサ40、本実施形態の画像処理装置1を備えた構成となっている。
そして、画像処理装置1は、ESバッファ50、H264デコーダ60、送出部70、IDR検出部80、IDRポインタ保持部90、PTS保持部100、PTS判定部110、MPEG-2デコーダ120、ビデオバッファ130、切替え制御部140を有して構成されている。
ここで、ESバッファ50とIDR検出部80とIDRポインタ保持部90及びPTS保持部100によって情報蓄積処理手段が構成されており、その情報蓄積処理手段の機能の詳細については後述することとする。
チューナ10では、図示しないアンテナにより放送波を受信し、ユーザー等が選局した放送チャンネルのOFDM信号Soを抽出し、内蔵されているAGC(Auto Gain Control)回路によってレベル調整して、OFDM復調部20に供給する。また、上述のAGC回路がAGC制御を行う際に生成するSメータ信号(受信感度を示す信号)Smを後述の切替え制御部140に供給する。
OFDM復調部20は、チューナ10から供給されるOFDM信号Soに対して復調及び誤り訂正処理等の処理を施すことでトランスポートストリームTSを再生し、半導体メモリ等で形成されたTSバッファ30に供給する。また、上述の誤り訂正処理の際に生成するビットエラーレート(Bit Error Rate)のデータBERを受信感度を示すデータとして、後述の切替え制御部140に供給する。
TSバッファ30は、トランスポートストリームTSを入力し、一時的に記憶してタイミング調整を図りつつデマルチプレクサ40へ転送するFIFO処理を行う。
デマルチプレクサ40は、TSバッファ30からのトランスポートストリームTSのTSパケットを解析し、ユーザー等の選局操作で所望のサービスが選択されることで指定されるPID(Packet Identifier:パケット識別子)のTSパケットを抽出し、更に抽出したTSパケットから、高画質動画サービス(HDTVやSDTV)のPES(Packetized Elementary Stream)パケットを抜き出してMPEG-2デコーダ120に供給すると共に、簡易動画サービス(ワンセグ放送)のエレメンタリストリーム(ES)をESバッファ50に供給し格納させる。また、簡易動画サービスのエレメンタリストリーム(ES)に関するPTS(Presentation Time Stamp:提示時間情報)を、簡易動画サービスのPESパケットのPESヘッダ内から抽出し、ESバッファ50に供給する各エレメンタリストリーム(ES)と関連付けてPTS保持部100に供給する。つまり、互いに関連付けられているESとPTSとの対応関係を保持しつつESバッファ50とPTS保持部100に格納させる。
更に、デマルチプレクサ40は、簡易動画サービスのエレメンタリストリーム(ES)と高画質動画サービスのPESと番組時刻基準値情報(PCR)についての多重分離を常に行い、その分離した番組時刻基準値情報(PCR)も、MPEG-2デコーダとESバッファ50に供給する。
ESバッファ50は、IDRアクセスユニットが最大5秒間毎に伝送されてくる場合を想定して、最大5秒間毎に伝送されてくるIDRアクセスユニット間のアクセスユニットを記憶する記憶容量を備えた半導体メモリ等で形成されている。そして、上述したように、ESバッファ50に格納されるPTSと関連付けてエレメンタリストリーム(ES)を記憶する。
IDR検出部80は、ESバッファ50に時々刻々と格納されるエレメンタリストリーム(ES)を検査して、IDRピクチャーが格納されているIDRアクセスユニット(IDR_AU)を検出する。例えば、IDRアクセスユニットの先頭に付けられたNALユニットに記述されているシーンパラメータセット(SPS:Sequence Parameter Set)の情報を調べることで、IDRアクセスユニット(IDR_AU)か非IDRアクセスユニット(非IDR_AU)かの判定を行って、IDRアクセスユニット(IDR_AU)を検出する。そして、検出したIDRアクセスユニット(IDR_AU)の位置を指し示す情報(IDRポインタデータ)をIDRポインタ保持部90に記憶させる。
IDRポインタ保持部90は、上述したようにIDR検出部80で検出されたIDRアクセスユニット(IDR_AU)のIDRポンタデータを記憶する。つまり、IDRアクセスユニット(IDR_AU)が検出されるたびに、その最新のIDRアクセスユニット(IDR_AU)が先頭のアクセスユニットであることを示すIDRポインタデータを記憶し、旧いIDR_AUのIDRポインタデータとの差し替えを行う。
PTS保持部100は、IDRポインタ保持部90と連携し、上述した簡易動画のPESパケットのPESヘッダ内から抽出されたPTSを、対応するESの領域情報と関連付けて保持する。
H264デコーダ60は、ESバッファ50を介してエレメンタリストリーム(ES)を入力し、デコードする。また、切替え制御部140からの切替え制御信号CHGに従ってデコード動作の開始又は停止をする。すなわち、切替え制御信号CHGによってデコード動作の開始の指示がなされるとデコード動作を開始し、デコード動作の停止の指示がなされると、次にデコード動作の開始が指示されるまで、デコード動作を停止する。そして、デコード動作を開始すると、IDRポインタ保持部90に格納されているIDRポインタデータに対応する最新のIDRアクセスユニット(IDR_AU)を最初に読み出してデコード(復号)し、更にそのIDRアクセスユニット(IDR_AU)に続くアクセスユニットを順次に読み出しつつデコードを行う。なお、このデコード処理はリソースが許す限りにおいて高速に行っている。また、PTSが存在しない非アクセスユニット(非IDR_AU)については、H.264の仕様に従いPTSを生成して、PTS判定部110へ供給する。
PTS判定部110は、切替え制御信号CHGに従ってH264デコーダ60がデコード動作を開始して各アクセスユニット(AU)をデコードする毎に、そのデコード完了時刻(現在時刻)と、そのデコードしたアクセスユニット(AU)のPTSとを比較する。そして、PTSの提示時間情報から得られる提示時刻が現在時刻より未来になると、そのデコードされた画像データとPTSとをイネーブル信号として、ビデオ送出部70に送出する。つまり、PTSで指定される提示時刻(別言すれば表示時刻)が現在時刻よりも時間的に未来となる時間関係になると、そのデコードされた画像データとPTSとをイネーブル信号として、ビデオ送出部70に送出する。
ビデオ送出部70は、上述のイネーブル信号として供給されたPTSで指定される提示時刻(表示時刻)になると、瞬時に上述のイネーブル信号として供給された画像データを、ビデオバッファ130に送出する。更に、そのイネーブル信号としての画像データをビデオバッファ130に送出した後は、ビデオ送出部70は、デマルチプレクサ40からESバッファ50を介して供給されるエレメンタリストリーム(ES)をH264デコーダ60がデコードすることで生じる画像データを、順次にビデオバッファ130に送出し、簡易動画サービスを提示するための通常の動作を行う。
MPEG-2デコーダ120は、切替え制御部140からの切替え制御信号CHGに従ってデコード動作の開始又は停止する。そして、MPEG-2 Video方式のデコード動作を開始すると、高画質動画サービスのPESのESをピクチャ単位でデコードし、ビデオバッファ130に供給する。
ビデオバッファ130は、H264デコーダ60またはMPEG-2デコーダ120でデコードされた画像データを一時記憶してディスプレイ等の表示部へ転送して映像を表示させる。
切替え制御部140は、チューナ10からのSメータ信号SmとOFDM復調部20からビットエラーレートデータBERを所定周期毎に入力し、それぞれ所定の閾値と比較することで、受信状態の良否を判定する。そして、高品質動画サービスを視聴中に受信状態が悪化すると簡易動画サービスの視聴に切替え、また、簡易動画サービスを視聴中に受信状態が良好になると、高品質動画サービスの視聴に切替える。また、ユーザー等の指示に従って、高品質動画サービスの視聴又は簡易動画サービスの視聴に切替える。なお、切替え制御信号CHGによって切替え制御を行うようになっている。
図2(a)(b)は、高品質動画サービスの視聴から簡易動画サービスへの視聴に切替わる際の同期処理動作を概念的に表した説明図である。
図2(a)は、H264デコーダ60がESバッファ50に記憶されている各アクセスユニット(AU)に対してデコードを完了する時刻(現在時刻)と、各アクセスユニット(AU)に対応付けられている固有の情報であるPTSで指定される提示時刻(表示時刻)との関係を説明するための図2(a)、図2(b)は、ESバッファ50に記憶されている各アクセスユニット(AU)を、PTSによる提示時刻に沿って表している。つまり、図示する提示時刻は、PTS(Presentation Time Stamp:提示時間情報)から得られる放送局側と同期した時刻を示している。そして、PTS=1.0から1.6側へと時間が進むものとして表している。また、IDR_AU(0)がIDRアクセスユニット、残りのアクセスユニットが非IDRアクセスユニットであるものとして表している。
前述したように、H.264/AVCに関するARIB TR−B14での運用では、IDR周期が通常約2秒、最大5秒と規定されていることから、本実施形態では、最新のIDRアクセスユニットをESバッファ50に記憶し、または、その最新のIDRアクセスユニットに関する情報(IDRポインタデータ)をIDRポインタ保持部90で常に保持し、次のIDRアクセスユニットが伝送されてくると、それを最新として更新することとしている。そして、図2(b)において、最新のIDRアクセスユニットがIDR_AU(0)であり、そのPTSで示される提示時刻が〔1.1〕となっているものとしている。つまり、本実施形態では、複数のIDRアクセスユニットが存在することが無いように、常に最新のIDRアクセスユニットで更新し、それがIDR_AU(0)であるとして示している。
デコード動作を停止していたH264デコーダ60が、図2(a)の時刻〔1.25〕において、切替え制御信号CHGによってデコード動作の開始の指示がなされたとすると、今までデコード処理を行っていたMPEG-2デコーダ120でデコードされた最新の画像データをビデオバッファ130に格納させ、その格納させた画像データで静止画像を継続的にディスプレイ表示させる。
そして、H264デコーダ60が、最新のIDRアクセスユニットであるIDR_AU(0)からデコードを開始する。
IDR_AU(0)のデコードが完了した時刻(現在時刻)が、IDR_AU(0)のPTSで示される提示時刻〔1.0〕より時間的に過去(例えば、1.28)となったとすると、そのIDR_AU(0)をデコードした画像データに基づいてディスプレイ表示を行わず、引き続き静止画像をディスプレイ表示させる。そして、次のアクセスユニット、すなわち非IDR_AU(1)のデコード処理に移行する。
この非IDR_AU(1)のデコードを完了した時刻(現在時刻)が、PTSで示される提示時刻〔1.2〕より時間的に過去(例えば、1.32)となったとすると、そのIDR_AU(0)をデコードした画像データに基づく表示を行わず、引き続き静止画像をディスプレイ表示させたまま、次のアクセスユニット、すなわち非IDR_AU(2)のデコード処理に移行する。
この非IDR_AU(2)のデコードを完了した時刻(現在時刻)が、PTSで示される提示時刻〔1.3〕より時間的に過去(例えば、1.345)となったとすると、この場合にも引き続き静止画像をディスプレイ表示させたままにする。
こうして、基準となるIDR_AU(0)から順繰りにデコードを行っていき、次の非IDR_AU(3)をデコード処理した結果、デコード完了時刻(現在時刻)が1.37となったとすると、非IDR_AU(3)のPTSで示される提示時刻〔1.4〕の方が現在時刻より未来の時刻となる。
つまり、基準となるIDR_AU(0)から順繰りにデコードを行っていくと、次第に、提示時刻と現在時刻との差が小さくなって、デコード処理が提示時刻に追いついていき、ついに、提示時刻が現在時刻より未来の時刻となる。
こうして提示時刻が現在時刻より未来の時刻となると、その非IDR_AU(3)をデコードした画像データと、提示時刻〔1.4〕を示すPTSとをイネーブル信号としてビデオ送出部70に供給することにより、映像表示予約を行う。
そして、実際に提示時刻〔1.4〕になると、送出部70が瞬時に、イネーブル信号としての上記の画像データをビデオバッファ130に転送することで、静止画像の画像データを消去させ(上記の画像データで上書きさせ)、その転送した画像データに基づいてディスプレイ表示させる。
したがって、切替え制御信号CHGで切替えの指示が成された時点「1.25」から、非IDR_AU(3)のデコードが完了した時点(すなわち、提示時刻が現在時刻より未来となった時点)で、簡易動画サービスへの同期処理が実際には完了することになり、更に実質的には、提示時刻〔1.4〕になった時点で、静止画像の表示からデコードした画像データに基づく表示へと切替わった時点で同期処理が完了することになる。そして、以降は、H264デコーダ60が通常のデコード処理を行って、デコード後の画像データを送出部70を介してビデオバッファ130へ転送し、簡易動画サービスの表示を継続する。
更に、提示時刻が現在時刻より未来となるまでの期間では、H264デコーダ60は通常のデコード処理よりも高速でデコード処理を行うことから、提示時刻が現在時刻より未来となるまでの期間は極めて短時間となり、同期処理を完了させる(同期を確立させる)のに要する時間は実質的に極めて短時間となる。このため、静止画像の表示を行っても短時間で済み、ユーザー等に対してほとんど違和感を与えることなく、簡易動画サービスへの切替えを迅速に行うことが可能である。
次に、画像処理装置1の動作について、図3、図4、図5のフローチャートを参照して説明する。
図3(a)(b)は、切替え制御部140の動作を説明するためのフローチャート、図4は、画像処理装置1の全体の動作を説明するためのフローチャートである。図5は、図2で説明した簡易動画サービスへ切替わる際に必要となるアクセスユニット(AU)とPTS等を予め蓄積するための同期情報蓄積処理の動作を説明するためのフローチャートである。
切替え制御部140は、電源投入などが行われて受信機が受信動作を開始すると、図3(a)と(b)に示す受信状態検出処理と切替え判定処理を並列的に行う。なお、本実施形態では、ユーザー等が切替え制御部140に対して、自動切替えを禁止する「マニュアルモード」と、受信状態に応じて自動切替えを行わせる「自動モード」が備えられている。
そして、ユーザー等が「マニュアルモード」を指定し、高画質動画サービスの受信を指定すると、切替え制御信号CHGによってMPEG-2デコーダ120を動作させ、H264デコーダ60を停止させ、受信状態が悪化しても継続的にMPEG-2デコーダ120を動作させ、H264デコーダ60を停止させる。
また、ユーザー等が「自動モード」を指定し、高画質動画サービスの受信を指定すると、切替え制御信号CHGによってMPEG-2デコーダ120を動作させ、H264デコーダ60を停止させる。ただし、受信状態が悪化すると、MPEG-2デコーダ120を停止させ、H264デコーダ60を動作させる。更に、受信状態が良好になる(復帰する)と、MPEG-2デコーダ120を再び動作させ、H264デコーダ60を停止させる。このように、ユーザー等が「自動モード」を指定し、高画質動画サービスの受信を指定すると、受信状態に応じた切替えを行うようになっている。
以下の動作説明では、便宜上、ユーザー等が「自動モード」を指定し、高画質動画サービスの受信を指定したものとして説明することとする。
まず、切替え制御部140は、図3(a)のステップS1において、所定のサンプリング時間を、内蔵するタイマー(T)にセットし、ステップS2において、タイマー(T)の計時値がサンプリング時間を超えたか否かの判断を行う。そして、超えたと判断するとステップS3において、チューナ10から供給されるSメータ信号SmとOFDM復調部20から供給されるビットエラーレートのデータBERを検出(取得)した後、再びステップS1からの処理を繰り返す。
このように、切替え制御部140は、所定のサンプリング時間毎に、Sメータ信号SmとビットエラーレートのデータBERを検出(取得)することで、ヒステリシスを持たせて受信状態の検出を行う。なお、サンプリング時間は、受信状態の変化を敏感に検出することとなったり、また鈍感となることのないように、調整されることが望ましい。
更に、切替え制御部140は、図3(a)の処理と平行して図3(b)の処理も行い、ステップS10において、現在視聴中の番組(サービス)を確認する。高画質動画サービスを視聴中であれば、ステップS11において、図3(a)のステップS2で検出した最新のSメータ信号SmとビットエラーレートのデータBERを夫々所定の閾値と比較し、その比較結果から受信状態の良否を判定する。そして、受信状態が悪化していると判定すると、簡易動画サービスへの視聴に切替えるべき条件が成立している(Yes)と判断して、ステップS12へ移行し、受信状態が良好であると判定すると、簡易動画サービスへの視聴に切替えるべき条件が成立していない(No)と判断し、ステップS10からの処理を繰り返す。
なお、ユーザー等が「マニュアルモード」にして簡易動画サービスを視聴するための入力指示をした場合にも、簡易動画サービスへの視聴に切替えるべき条件が成立している(Yes)と判断することとなるが、その場合の動作については説明を割愛する。
ステップS12では、切替え制御部140は、簡易動画サービスへの視聴に切替えるためのイベントを発生する。つまり、切替え制御信号CHGによって、画像処理装置1全体の動作を「高画質動画サービス」から「簡易動画サービス」を視聴するための動作に切替えさせる。
次に、上述のステップS10において、簡易動画サービスを視聴中であれば、ステップS13に移行し、図3(a)のステップS2で検出した最新のSメータ信号SmとビットエラーレートのデータBERを夫々所定の閾値と比較し、その比較結果から受信状態の良否を判定する。そして、受信状態が良好であると判定すると、高画質動画サービスへの視聴に切替えるべき条件が成立している(Yes)と判断し、ステップS14へ移行し、受信状態が悪化している判定すると、高画質動画サービスへの視聴に切替えるべき条件が成立していない(No)と判断し、ステップS10からの処理を繰り返す。
なお、ユーザー等が「マニュアルモード」にして高画質動画サービスを視聴するための入力指示をした場合にも、高画質動画サービスへの視聴に切替えるべき条件が成立している(Yes)と判断することとなるが、その場合の動作については説明を割愛する。
ステップS14では、切替え制御部140は、高画質動画サービスへの視聴に切替えるためのイベントを発生する。つまり、切替え制御信号CHGによって、画像処理装置1全体の動作を「簡易動画サービス」から「高画質動画サービス」を視聴するための動作に切替えさせる。
以上に説明したように、切替え制御部140は、受信状態を監視しつつ受信状態に応じて、画像処理装置1全体の動作を「高画質動画サービス」から「簡易動画サービス」への切替え、または、「簡易動画サービス」から「高画質動画サービス」への切替え制御を行う。
次に、図4を参照して、画像処理装置1全体の動作(デコード処理)について説明する。
ステップS20において、画像処理装置1の各構成要素が、切替え制御信号CHGによって切替えイベント(切替え制御)が発生されたか判断する。切替え制御が発生されていない場合には、ステップS33において、現在視聴中のサービスを視聴するための通常デコードの処理(通常のデコード処理)を継続する。つまり、現在視聴中のサービスが「高画質動画サービス」であれば、MPEG-2デコーダ120が通常のデコード処理を継続し、H264デコーダ60は停止したままとなる。一方、現在視聴中のサービスが「簡易動画サービス」であれば、H264デコーダ60が通常のデコード処理を継続し、MPEG-2デコーダ120は停止したままとなる。
次に、上述のステップS20において、切替えイベント(切替え制御)が発生されていると、ステップS21において、ビデオバッファ130が最新の画像データ(フレーム画のデータ)を保持する。つまり、ビデオバッファ130は、現在視聴中のサービスが「高画質動画サービス」であった場合には、MPEG-2デコーダ120から供給された最新の画像データ(フレーム画のデータ)を保持し、現在視聴中のサービスが「簡易動画サービス」であった場合には、H264デコーダ60から供給された最新の画像データ(フレーム画のデータ)を保持することとなる。
更にステップS22において、ビデオバッファ130がその保持した最新の画像データを継続して出力することにより、静止画をディスプレイ表示させる。
次に、ステップS23において、切替え制御信号CHGによって切替え先が「高画質動画サービス」となっていると、MPEG-2デコーダ120が動作を開始し、H264デコーダ60が停止してステップS24へ移行し、「簡易動画サービス」であればMPEG-2デコーダ120が停止し、H264デコーダ60が動作を開始してステップS28へ移行する。
ステップS24に移行すると、図5に示す「同期情報蓄積処理」が起動され、更にステップS25において、高画質動画サービス同期処理が開始される。つまり、ステップS24では、MPEG-2デコーダ120が動作している間に、簡易動画サービスへ切替わった場合の同期処理を行う際に必要となるアクセスユニット(AU)とPTS等とをIDRポインタデータによって対応付けて予め蓄積しておくための、同期情報蓄積処理が開始される。なお、この同期情報蓄積処理については後述する。
ステップS25では、MPEG-2デコーダ120がデマルチプレクサ40から供給されるPESパケットのPESヘッダからPTS(提示時間情報)を取得し、そのPTSとPCR(番組時刻基準値情報)から、放送側と同期するために提示時刻と現在時刻とを合わせるための同期処理を開始する。そして、ステップS26で同期処理が完了すると、ステップS27において、同期したときにデコードした画像データをビデオバッファに供給し、その画像データに基づくフレーム画像をディスプレイ表示させ、ステップS20からの処理を継続する。
ここで、MPEG-2デコーダ120が同期処理を完了すると、ステップS20からステップS33に移行し、MPEG-2デコーダ120が通常のデコード処理を行うこととなり、それ以降は、高画質動画サービスがディスプレイ表示されることになる。
次に、図5の同期情報蓄積処理について説明する。上述したように、ステップS24において同期情報蓄積処理が起動されると、MPEG-2デコーダ120による高画質動画サービスのための動作を行っている間中、ESバッファ50とIDR検出部80とIDRポインタ保持部90及びPTS保持部100が、図5の同期情報蓄積処理を継続して行う。
まず、図5のステップS241において、高画質動画サービスのための動作中であることの確認がなされた上でステップS242に移行する。
ステップS242では、IDR検出部80が、デマルチプレクサ40からESバッファ50に新たなPESのエレメンタリストリームESが格納されたかどうか否かを判定する。そして、新たなエレメンタリストリームESが格納されるまで判定を繰り返し、新たなエレメンタリストリームESが格納されるとステップS243に移行する。
ステップS243では、IDR検出部80が、ESバッファ50に蓄積された新しいエレメンタリストリームESを解析し、続くステップS244において、IDRアクセスユニットが存在するか否かを判定する。IDRアクセスユニットが存在してない場合(すなわち、非IDRアクセスユニットである場合)は判定条件が満たされず、ステップS242に戻って処理を繰り返す。一方、IDRアクセスユニットが存在していた場合は、判定条件が満たされ、ステップS245に移行する。
ステップS245では、IDRポインタ保持部90が、当該検出したIDRアクセスユニットのESバッファ50におけるIDRポインタデータを保持(別言すると、既に保持していたIDRポインタデータを上書き更新)し、次に、ステップS246において、PTS保持部100が、対応するIDRアクセスユニットのPTSを保存して、ステップS242からの処理を繰り返す。
そして、切替え制御信号CHGによる簡易動画サービスへの切替え制御がなされるまで(別言すれば、MPEG-2デコーダ120が動作中の間)、同期情報蓄積処理が継続的に行われる。
再び、図4において、上述のステップS23において、切替え制御信号CHGにより、簡易動画サービスへの切替え制御がなされていると、ステップS28へ移行し、MPEG-2デコーダ120が停止し、H264デコーダ60が動作を開始することになる。そして、簡易動画サービスのための同期処理が開始される。
次にステップS29において、H264デコーダ60が、IDRポインタ保持部90に保持されているIDRポインタデータに関連づけられている最新のIDRアクセスユニットをESバッファ50から取得してデコードし、次にステップS30において、PTS判定部110が、PTS保持部100に格納されている当該IDRアクセスユニットのPTS(つまり、対応付けられている固有のPTS)を取得し、更にステップS30において、その取得したPTSで示される提示時刻とデコード完了時刻(現在時刻)との差から、提示時刻が現在時刻より未来の時刻となっているか否か判断する。そして、提示時刻が現在時刻より未来の時刻でないときには、ステップS29に戻って、IDRアクセスユニットの次のアクセスユニット(AU)についてステップS29〜S31の処理を行い、その結果、提示時刻が現在時刻より未来の時刻となっていなければ、ステップS29に戻って、更に次のアクセスユニット(AU)についてステップS29〜S31の処理を行う。
つまり、図2で説明したように、提示時刻が現在時刻より未来の時刻となるまで、ESバッファ50に格納されている基準のIDRアクセスユニットから順次に他のアクセスユニット(AU)についても処理を行い、「提示時刻が現在時刻より未来の時刻となる」という条件が満たされると、同期処理が完了したことになり、ステップS32に移行する。
そして、ステップS32において、PTS判定部110が、送出部70に対して、同期確立したときのPTSとデコードされた画像データとをイネーブル信号として転送し、そして提示時刻が来ると、その画像データを瞬時にビデオバッファ130に格納させてディスプレイ表示させる。つまり、静止画表示の状態から、H264デコーダ60による通常のデコード動作状態となる。
そして、H264デコーダ60が通常のデコードを開始すると、ステップS20からステップS33に移行し、それ以降は、H264デコーダ60が通常のデコード処理を継続することとなる。
〔実施形態の効果〕
以上に説明したように、本実施形態の画像処理装置1によれば、次のような効果が得られる。
まず、MPEG-2デコーダ120でHDTVやSDTVの高画質動画サービスをデコードしている際に、ESバッファ50とIDR検出部80とIDRポインタ保持部90及びPTS保持部100で構成される情報蓄積処理手段が、簡易動画サービス(ワンセグ放送など)のストリームから、アクセスユニットとその固有の情報である提示時間情報を有するPTSを記憶しておき、切替え制御部140によってMPEG-2デコーダ120からH264デコーダ60への切替え制御がなされると、H264デコーダ60が情報蓄積処理手段に記憶されている最新のIDRアクセスユニット(IDR_AU)から各アクセスユニットを順にデコードし、そのデコード完了時刻(現在時刻)よりPTSで示される提示時刻の方が未来の時刻となる場合をPTS判定部110が判定すると、H264デコーダ60が同期処理を完了して通常のデコード処理に移行するようになっている。このことから、H264デコーダ60への切替え制御が行われてから、H264デコーダ60が同期確立となるまでの同期処理期間を短縮化することが可能となり、ユーザー対して違和感を低減することができる。
また、本実施形態の画像処理装置1では、上述の同期処理の短縮化を実現することと併せて、切替先のデコーダが同期処理を行っている間、切替えられる前のデコーダがデコードした画像データを静止画像として表示するので、黒表示を行う従来技術に較べて、ユーザー等に対し違和感を低減することができる。
また、切替え制御部140がH264デコーダ60とMPEG-2デコーダ120を排他的に切替える、すなわち、H264デコーダ60を動作させるときにはMPEG-2デコーダ120を停止させ、MPEG-2デコーダ120を動作させるときにはH264デコーダ60を停止させるので、各デコーダの処理負担を軽減することができると共に、消費電力の低減等を図ることができる。また、こうしたデコーダの排他的切替を行っても再生影像が途切れることなくシームレスにディスプレイ表示できるのは、上述のESバッファ50とIDR検出部80とIDRポインタ保持部90及びPTS保持部100で構成される構情報蓄積処理手段によって、同期処理を行う際に必要となるPTSとアクセスユニット(AU)を記憶しておき、その記憶しておいたPTSとアクセスユニット(AU)を用いて同期処理を短時間で完了させるようにしたことが大きく寄与している。
また、切替え制御部140が受信状態を検出し、検出した受信状態の良否に応じて、MPEG-2デコーダ120とH264デコーダ60を自動的に切替制御するので、ユーザー等に対し、受信状態に良いときには高画質動画サービスを自動的に提供し、受信状態の悪いときには伝送品質の良い簡易動画サービスを自動的に提供することができ、特に、携帯電話等の移動端末装置や、自動車に搭載されるナビゲーションシステム等において、ユーザー等に対し優れた利便性や操作性を提供することができる。
なお、以上に説明した実施形態では、ESバッファ50とIDR検出部80とIDRポインタ保持部90及びPTS保持部100で構成される構情報蓄積処理手段によって、PTSとアクセスユニット(AU)をESバッファ50に記憶する際、常に最新のIDRアクセスユニット(IDR_AU)が得られるように更新しつつ記憶するとしているが、かかる更新の処理を行わないようにしても良い。つまり、切替え制御部140によってH264デコーダ60への切替制御がなされ、H264デコーダ60が同期処理を行う際に、ESバッファ50に記憶されていた最新のIDRアクセスユニット(IDR_AU)を基準にしてデコード処理を開始し、提示時刻がデコード完了時(現在時刻)より未来の時刻となる時間関係をPTS判定部110が判定すればよい。すなわち、PTSとアクセスユニット(AU)をESバッファ50に記憶する際には、必ずしも最新の1つのIDRアクセスユニットだけを記憶する処理する必要は無く、複数のIDRアクセスユニットを記憶するようにしても良い。要は、H264デコーダ60への切替制御がなされ、H264デコーダ60が同期処理を行う際に、ESバッファ50に記憶されていた最新のIDRアクセスユニット(IDR_AU)を基準にしてデコード処理を開始するようにすれば良い。
実施形態に係る画像処理装置の構成を表したブロック図である。 図1に示した画像処理装置の機能を説明するための説明図である。 図1に示した画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。 更に、図1に示した画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。 更に、図1に示した画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…画像処理装置
50…ESバッファ
60…H264デコーダ
80…IDR検出部
90…IDRポインタ保持部
100…PTS保持部
110…PTS判定部
120…MPEG-2デコーダ
130…ビデオバッファ
140…切替え制御部

Claims (5)

  1. 符号化及びパケット化された高画質動画サービスのストリームをデコードする第1のデコーダ手段と、各々固有の提示時間情報が付された基準のアクセスユニット及び非基準のアクセスユニットが多重化された簡易動画サービスのストリームをデコードする第2のデコーダ手段とを備える画像処理装置であって、
    前記第1のデコード手段と第2のデコード手段の動作と停止を制御し、前記第1のデコード手段を動作させるときには前記第2のデコード手段を停止させ、前記第2のデコード手段を動作させるときには前記第1のデコード手段を停止させる切替え制御手段と、
    前記第1のデコード手段がデコード動作している間、前記簡易動画サービスのストリームから、前記固有の提示時間情報とアクセスユニットとを対応付けて順次に記憶すると共に、前記切替え制御手段によって前記第1のデコード手段のデコード動作から前記第2のデコード手段のデコード動作へと切替えられると、前記第1のデコード手段がデコード動作している間に記憶しておいた前記アクセスユニットのうち、最新の基準のアクセスユニットから順次に前記第2のデコーダ手段に通常よりも高速でデコードさせる同期情報蓄積処理手段と、
    前記第2のデコーダ手段が前記アクセスユニットのデコードを完了する現在時刻と、デコードされた前記アクセスユニットに対応付けられて前記同期情報蓄積処理手段に記憶されている固有の提示時間情報による提示時刻とを比較し、当該提示時刻が前記現在時刻より未来の時刻となると、同期確立と判定して、前記第2のデコーダ手段に通常のデコード処理を開始させる判定手段と、
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1のデコード手段と前記第2のデコード手段でデコードされる画像データを一時保持してディスプレイ表示するビデオバッファを更に備え、
    前記ビデオバッファは、前記切替え制御手段によって前記第1のデコード手段のデコード動作から前記第2のデコード動作へと切替えられると、当該切替え時に前記第1のデコード手段でデコードされた画像データに基づいて、当該切替え時から前記判定手段が同期確立と判定して前記第2のデコーダ手段が通常のデコード処理を開始するまでの間、静止画像をディスプレイ表示すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記高画質動画サービスと簡易動画サービスは、無線受信手段で受信されるサービスであって、
    前記切替え制御手段は、前記無線受信手段における受信状態の良否を判定し、前記第1のデコード手段がデコード動作中に受信状態が悪化したことを検出すると、前記第2のデコード手段のデコード動作に切り替えること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1のデコード手段は、MPEG-2Video方式に準拠したデコードを行い、前記第2のデコード手段は、H.264/AVC方式に準拠したデコードを行うこと、
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 符号化及びパケット化された高画質動画サービスのストリームをデコードする第1のデコーダ工程と、各々固有の提示時間情報が付された基準のアクセスユニット及び非基準のアクセスユニットが多重化された簡易動画サービスのストリームをデコードする第2のデコーダ工程とを備える画像処理方法であって、
    前記第1のデコード工程と第2のデコード工程の処理と停止を制御し、前記第1のデコード工程の処理を行わせるときには前記第2のデコード工程を停止させ、前記第2のデコード工程の処理を行わせるときには前記第1のデコード工程を停止させる切替え制御工程と、
    前記第1のデコード工程におけるデコード処理の間、前記簡易動画サービスのストリームから、前記固有の提示時間情報とアクセスユニットとを対応付けて順次に記憶すると共に、前記切替え制御工程によって前記第1のデコード工程から前記第2のデコード工程へと切替えられると、前記第1のデコード工程がデコード処理をしている間に記憶しておいた前記アクセスユニットのうち、最新の基準のアクセスユニットから順次に前記第2のデコーダ工程においてデコードさせる同期情報蓄積処理工程と、
    前記第2のデコーダ工程で前記アクセスユニットのデコードが完了する現在時刻と、デコードされた前記アクセスユニットに対応付けられて前記記憶工程において記憶されている固有の提示時間情報による提示時刻とを比較し、当該提示時刻が前記現在時刻より未来の時刻となると、同期確立と判定して、前記第2のデコーダ工程において通常のデコード処理を開始させる判定工程と、
    を具備することを特徴とする画像処理方法。
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