JP5782416B2 - 被処理水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水の処理方法及び処理装置に関し、例えば化学的酸素要求量(COD:Chemical Oxygen Demand)とアンモニアとを含む被処理水の処理方法及び処理装置に関する。
コークス炉での石炭乾留時に発生するコークス炉排水には、フェノール、チオシアン等のCOD成分と、アンモニアとが含まれている。このようなコークス炉排水を処理する方法として、非特許文献1には、アンモニア態窒素(NH4 +−N)を硝化細菌群の働きで亜硝酸態窒素(NO2 -−N)を経て硝酸態窒素(NO3 -−N)まで酸化(硝化)した後に、硝酸態窒素を脱窒細菌群によって窒素ガス(N2)まで還元(脱窒)することで排水から窒素除去を実現することが開示されている。
また、非特許文献1には、安定的な亜硝酸型硝化反応(アンモニアが亜硝酸態窒素にまで硝化される反応)が観察されることが開示されている。
金井 佑樹、"亜硝酸型硝化−完全硝化反応の制御とその遷移過程における硝化細菌の挙動解析"、[online]、2006年、東京大学大学院新領域創成科学研究科、[平成23年8月10日検索]、インターネット<URL:http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/7612/2/K-00956.pdf>
しかしながら、本発明者は鋭意研究の結果、亜硝酸型硝化反応が進まない場合があることを見出した。つまり、アンモニア態窒素から亜硝酸態窒素への生成が十分に行われないために、コークス炉排水からアンモニアを除去できない場合があることを見出した。
生物処理槽に収容されたCOD成分とアンモニアとを含む被処理水中の亜硝酸の生成が十分に行われない場合には、アンモニアを窒素ガスまで十分に反応させることができないので、被処理水が処理された処理水中のアンモニアを十分に除去することができない。このため、被処理水が処理された処理水の品質が悪いという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、処理水の品質を向上できる、被処理水の処理方法及び処理装置を提供することを課題とする。
本発明者が処理水の品質を向上するために、生物処理槽に収容された被処理水の亜硝酸の生成を促進するための手段を鋭意研究した結果、生物処理槽に収容された活性汚泥中のアンモニア酸化細菌(AOB:Ammonia oxidizing bacteria)数を管理することにより、生物処理槽内に収容された被処理水中の亜硝酸濃度を管理できることを見出した。また、本発明者が亜硝酸の生成を促進するための条件を鋭意研究した結果、生物処理槽に収容された活性汚泥中のAOB数が所定以上でないと、亜硝酸の生成が促進されないことも見出した。
すなわち、本発明の被処理水の処理方法は、COD成分を分解可能な細菌を含んだ活性汚泥を収容している生物処理槽へ、COD成分とアンモニアとを含む被処理水が導入されて処理されることにより、被処理水が生物処理される方法において、生物処理槽内に収容された活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように調整することを特徴とする。
本発明の被処理水の処理装置は、COD成分を分解可能な細菌を含んだ活性汚泥を収容し、かつCOD成分とアンモニアとを含む被処理水が導入される生物処理槽と、該生物処理槽内に収容された活性汚泥中のAOB数を測定する測定部と、測定部で測定されたAOB数に基づいて、該生物処理槽内に収容された活性汚泥中のAOB数を調整する調整部とを備え、該調整部は、該生物処理槽内に収容された活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように調整するように構成されている。
本発明者は、鋭意研究の結果、生物処理槽に収容された活性汚泥中のAOB数が1×107cells/mL−MLSS)未満では、生物処理槽に収容された被処理水中の亜硝酸濃度が上昇しないことを見出した。したがって、活性汚泥中のAOB数を1×107(copied/mL−AS)以上に調整することにより、生物処理槽においてアンモニアから亜硝酸への反応を促進することができる。
このように、被処理水中のアンモニアを亜硝酸へ酸化し、次いで亜硝酸から硝酸に酸化し、さらに硝酸から窒素に酸化することで、被処理水中のアンモニアを除去することができる。
したがって、本発明は、処理水の品質を向上できる被処理水の処理方法及び被処理水の処理装置を提供することができる。
以上説明したように、処理水の品質を向上できる被処理水の処理方法及び被処理水の処理装置を提供することができる。
本発明の実施の形態における被処理水の処理装置を示す模式図である。 実施例において、コークス炉排水を処理する活性汚泥プロセス実機のAOB数の測定結果を示す図である。 実施例において、コークス炉排水を処理する室内実験装置のAOB数の測定結果を示す図である。 実施例において、コークス炉排水を処理する活性汚泥プロセス実機の亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]の測定結果を示す図である。 実施例において、コークス炉排水を処理する室内実験装置の亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]の測定結果を示す図である。 実施例において、コークス炉排水を処理する活性汚泥プロセス実機における活性汚泥中のAOB数と亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]との関係を示す図である。 実施例において、コークス炉排水を処理する室内実験装置における活性汚泥中のAOB数と亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]との関係を示す図である。
図1を参照して、本発明の一実施の形態における被処理水の処理装置100について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における被処理水の処理装置100は、脱窒槽111と、硝化槽112と、AOB数測定部120と、酸素供給部130と、酸素濃度測定部131と、酸素濃度制御部132と、汚泥濃度測定部141と、沈殿槽150と、汚泥量制御部160とを備えている。酸素濃度制御部132及び汚泥量制御部160は、AOB数に基づいて活性汚泥中のAOB数を調整する調整部である。
脱窒槽111は、無酸素槽とも称される生物処理槽である。脱窒槽111は、硝酸を窒素に還元する脱窒菌を含んだ活性汚泥を収容し、かつコークス炉排水などのCOD成分とアンモニアとを含んだ被処理水が導入される。また、脱窒槽111は、硝化槽112と接続され、この硝化槽112で酸化された硝化液が導入される。脱窒槽111においては、活性汚泥中の嫌気性微生物によって脱窒槽111に収容された被処理水中の硝酸を窒素ガスに還元する。
硝化槽112は、好気性槽とも称される生物処理槽である。硝化槽112は、COD成分を分解可能な細菌を含んだ活性汚泥を収容し、かつCOD成分とアンモニアとを含んだ被処理水(本実施の形態では脱窒槽111から供給される被処理水)が導入される。硝化槽112においては、活性汚泥中の好気性微生物によって、硝化槽112に収容された被処理水中の有機物を吸収・分解すると共に、硝化槽112に収容された被処理水中のアンモニアを亜硝酸に酸化し、亜硝酸を硝酸に酸化する。つまり、硝化槽112では、導入された被処理水中のCODを低減すると共に、アンモニアを硝酸にすることで、硝化液を生成する。
AOB数測定部120は、硝化槽112に収容された活性汚泥中のAOB数(存在数)を測定する。AOB数測定部120は、例えば、硝化槽112に貯留された活性汚泥の一部を採取する採取部と、採取した活性汚泥のDNAを精製する精製部と、精製したDNAとPCRプライマーとプローブとを含む反応液を用いて定量PCR法によりAOB数を測量する測量部とを有する。
酸素供給部130は、硝化槽112の底部に配置され、硝化槽112に貯留する活性汚泥に酸素を供給する。酸素供給部130は、例えば、散気装置である。
酸素濃度測定部131は、硝化槽112の内部に収容され、硝化槽112に貯留された活性汚泥中の酸素濃度を測定する。酸素濃度測定部131は、例えば、センサである。
酸素濃度制御部132は、AOB数測定部120により測定されたAOB数に基づいて、酸素濃度測定部131で測定される活性汚泥中の酸素濃度を制御するために、酸素供給部130で供給する酸素量を制御する。
酸素濃度制御部132は、活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように調整するように構成されている。具体的には、AOB数測定部120で測定される活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)に近い場合には、酸素供給部130から活性汚泥へ供給する酸素量を増加する。
汚泥濃度測定部141は、硝化槽112内に収容された活性汚泥の濃度を測定する。
沈殿槽150は、脱窒槽111及び硝化槽112と接続されており、脱窒槽111でBOD、COD及び亜硝酸態窒素や硝酸態窒素が低減されると共に、硝化槽112でBODやCODが低減、及びアンモニア態窒素が亜硝酸態窒素や硝酸態窒素に変換された被処理水と、脱窒槽111及び硝化槽112内に収容された活性汚泥とが混合された混合物が導入され、導入された混合物を処理水と活性汚泥とに沈降分離する。
汚泥量制御部160は、AOB数測定部120により測定されたAOB数に基づいて、沈殿槽150から系外に排出する余剰汚泥量を制御する。汚泥量制御部160は、SRT(固形物滞留時間)、ASRT(好気的固形物滞留時間)などを制御するために、余剰汚泥の排出量を制御する。
沈殿槽150から引き抜かれた引抜汚泥の一部は、返送汚泥として脱窒槽111へ返送され、残部は余剰汚泥として排出される。この場合、処理装置100は、脱窒槽111への返送経路をさらに備えている。
汚泥量制御部160は、活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように調整するように構成されている。具体的には、AOB数測定部120で測定される活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)に近い場合には、沈殿槽150から引き抜く余剰汚泥量を減らして、SRTやASRTを長くなるように調整する。
続いて、本実施の形態における被処理水の処理方法について説明する。本実施の形態における被処理水の処理方法は、図1に示す上述した処理装置100を用いて行う。
まず、脱窒槽111に、窒素を還元可能な細菌である脱窒菌などを含んだ活性汚泥を収容する。また、硝化槽112にCOD成分を分解可能な細菌、AOB、亜硝酸酸化細菌(NOB)などを含んだ活性汚泥を収容する。COD成分を分解可能な細菌とは、例えばフェノール分解細菌、チオシアン分解細菌などである。
また、COD成分とアンモニアとを含む被処理水を準備する。被処理水は、例えば、石炭を乾留してコークスを作製する際に石炭から排出されるアンモニアを含有するガスを冷却した場合に生成される凝縮水、スクラバーなどで処理した後のスクラバー排水などのコークス炉排水を用いることができる。なお、コークス炉排水は、ガス液や安水とも称される。
次に、上記被処理水を脱窒槽111に導入して、脱窒槽111に収容する。
次に、脱窒槽111に収容された被処理水を硝化槽112に導入して、硝化槽112に収容された被処理水中のアンモニアを硝酸に酸化する。
また、硝化槽112に収容された被処理水の一部を硝化液として脱窒槽111に導入して、脱窒槽111に収容された被処理水(硝化液)中の硝酸を窒素ガスに還元する。
具体的には、上記硝化槽112に被処理水を導入する工程では、硝化槽112において、酸素供給部130から活性汚泥に酸素を供給して、活性汚泥中の好気性微生物よって硝化槽112内に収容された被処理水中の有機物を吸収・分解する。これにより、硝化槽112に収容された被処理水のCOD成分を低減できる。また、硝化槽112において、活性汚泥中に含まれるAOBによりアンモニアが亜硝酸に硝化され、続いて活性汚泥中に含まれるNOBにより亜硝酸が硝酸に硝化される。
上記脱窒槽111に硝化液を導入する工程では、脱窒槽111において、活性汚泥中の脱窒菌により硝化液中の硝酸が窒素ガスに還元される。これにより、被処理水中のアンモニアを窒素ガスとして除去できる。
次に、脱窒槽111及び硝化槽112でCOD及びアンモニアが低減された活性汚泥及び被処理水の混合物を沈殿槽150に供給し、沈殿槽150において、沈殿分離する。具体的には、沈殿槽150において、上澄み液を処理水として次段の処理などに向けて流下し、かつ沈殿させた汚泥を引抜汚泥として底部から排出する。
上記の工程により沈殿槽150から排出した引抜汚泥は、例えば、その一部を返送汚泥として脱窒槽111またはその供給部に返送し、残部を余剰汚泥として系外へ排出する。
なお、脱窒槽111内に収容された被処理水と活性汚泥との混合物は硝化槽112へ移送されるので、返送汚泥の量により、硝化槽112に貯留される活性汚泥の量、つまりAOB数を調整することができる。
上記工程により、被処理水からCOD成分及びアンモニアが低減された処理水を生成できる。しかし、硝化槽112において、アンモニアが硝酸に硝化されない場合があることを本発明者は見出した。それに加えて、硝化槽112内に収容された活性汚泥中のAOB数を制御することで、アンモニアから亜硝酸への硝化を促進することが可能であることを本発明者は見出した。そこで、本実施の形態では、亜硝酸濃度を制御するために、以下の工程を実施して、硝化槽112内に収容された活性汚泥中のAOB数を調整している。
AOB数の測定方法は特に限定されないが、例えば以下の方法により測定することができる。具体的には、まず、活性汚泥から採取したサンプルからDNAを精製する。このDNAを用いて、A.Hermansson and P.Lindgren(2001)Applied and Environmental Microbiology.67,972−976に記載のPCRプライマーとプローブとを用いた定量PCR法によりAOB数の測定を行なう。
次に、測定されたAOB数に基づいて活性汚泥中のAOB数を1×107(cells/mL−MLSS)以上、好ましくは6×107(cells/mL−MLSS)以上に調整する。活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になると、活性汚泥中の亜硝酸濃度が急激に高くなるので、この値を閾値とすることで、アンモニアから亜硝酸への硝化反応を促進できる。また、活性汚泥中のAOB数が6×107(cells/mL−MLSS)以上であると、アンモニアから亜硝酸への硝化反応をより促進できる。
なお、AOB数が高いほどアンモニアから亜硝酸への硝化反応を促進できるため好ましい。
AOB数の調整方法は特に限定されないが、例えば以下の方法により調整することができる。具体的には、活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)近傍まで下がってくると、例えば、酸素供給部130から活性汚泥に供給する酸素量を増加する、沈殿槽150から引き抜く引抜汚泥量を減らして、SRTやASRTを長くする、などによりAOB数を増加することができる。
より具体的には、活性汚泥中のAOB数を1×107(cells/mL−MLSS)以上にするために、例えば、活性汚泥の溶存酸素濃度が1mg/L以上、より好ましくは1mg/L以上3mg/L以下になるように散気風量を調整したり、SRTが7日以上、より好ましくは11日以上14日以下になるように汚泥の引き抜き量を調整する。
上記活性汚泥中のAOB数を測定する工程は、連続的に実施されてもよく、定期的(例えば1〜2週間に1回)に実施されてもよく、不定期的に実施されてもよい。連続的または定期的に実施される場合には、AOB数の増減傾向を把握することができ、AOB数が管理値(1×107(cells/mL−MLSS)以上)から外れそうな場合には、事前にAOB数を増加するように調整することにより、処理水の品質を向上できる。この観点から、定期的または連続的にAOB数を測定する工程を実施することが好ましい。さらに、測定の手間を考慮すると、定期的にAOB数を測定する工程を実施することがより好ましい。
以上説明したように、本実施の形態における被処理水の処理方法及び処理装置100は、生物処理槽としての硝化槽112内に収容された活性汚泥中のAOB数により亜硝酸濃度を管理することを見出して完成されたものであり、その活性汚泥中のAOB数を1×107(cells/mL−MLSS)以上に調整する。これにより、生物処理槽としての硝化槽112内に収容された被処理水中のアンモニアの亜硝酸への反応を促進するように管理することができる。このため、被処理水中のアンモニアを亜硝酸へ酸化し、次いで亜硝酸から硝酸に酸化し、さらに硝酸から窒素に酸化することで、被処理水中のアンモニアを効率よく除去することができるため、処理水の品質を向上できる。
ここで、本実施の形態では、被処理水を脱窒槽111に導入した後、脱窒槽111から硝化槽112に被処理水を導入し、硝化槽112内に収容された硝化液を脱窒槽111に循環する処理方法及び処理装置について説明したが、本発明はこれに特に限定されない。本発明の被処理水の処理方法及び処理装置は、被処理水を硝化槽に導入した後、硝化槽から脱窒槽に被処理水を導入し、脱窒槽から混合物を沈殿槽に移送してもよい。また、硝化槽は、AOBによりアンモニアを亜硝酸に硝化する第1の槽と、この第1の槽と分離され、かつNOBにより亜硝酸を硝酸に硝化する第2の槽とを有していてもよい。
本実施例では、生物処理槽に収容された被処理水中のアンモニア酸化細菌数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように調整することによる効果について調べた。
図1に示す被処理水の処理装置100において、硝化槽112内に収容された活性汚泥中のAOB数に基づいて亜硝酸濃度を調整する調整部(酸素濃度制御部132及び汚泥量制御部160)及び脱窒槽111を備えていない処理装置を準備した。処理装置は、コークス炉排水(ガス液)を処理している実機の活性汚泥プロセス用、及び、コークス炉排水で立ち上げた室内実験レベルの活性汚泥プロセス用の2種類とした。
これらの処理装置において、COD成分とアンモニアとを含むコークス炉排水を被処理水として硝化槽112に供給し、硝化槽112内の活性汚泥に酸素を供給し、活性汚泥中の好気性微生物よって有機物を吸収・分解した。
次に、硝化槽112でCODが低減された活性汚泥及び被処理水を沈殿槽150に供給し、処理水と汚泥とに沈殿分離した。
(AOB数の測定)
上記の処理方法において、硝化槽112に収容された活性汚泥を採取し、採取した活性汚泥からFastDNA Spin Kit for Soil(Qbiogene Inc.)を用いて当該業者の定める方法に従いDNAを精製した。
A.Hermansson and P. Lindgrenが考案したPCRプライマーとプローブを用いた定量PCR法(A.Hermansson and P.Lindgren(2001)Applied and Environmental Microbiology.67,972−976)により、それぞれのAOB数を測定した。すなわち、上記の精製したDNA 10ng, TaqMan Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)及び400nMのPCRプライマー(Forward Primer:CTO189fA/BとCTO189fCの混合物、Reverce Primer:RT1r)と150nMのPCRプローブ(TMP1)とから構成される反応液を用いて下記の表1に示す条件で実施した。
Figure 0005782416
なお、上記表1において、CTO189fA/B及びCTO189fCは、モル比が2:1になるように混合して使用した。
コークス炉排水を処理する活性汚泥プロセス実機のAOB数の測定結果及び室内実験装置のAOB数の測定結果を図2及び図3にそれぞれ示す。図2及び図3において、横軸は測定日を示し、縦軸はAOB数(単位:cells/mL−MLSS)を示す。
(亜硝酸態窒素濃度の測定)
本実施例では、亜硝酸の1種である亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]を以下のように測定した。すなわち、上記の処理方法において、硝化槽に貯留された活性汚泥からサンプルを採取し、採取したサンプルについてJIS K0102 43.1.1ナフチルエチレンジアミン吸光光度法により亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]を測定した。
コークス炉排水を処理する活性汚泥プロセス実機の亜硝酸態窒素濃度の測定結果及び室内実験装置の亜硝酸態窒素濃度の測定結果を図4及び図5にそれぞれ示す。図4及び図5において、横軸は測定日を示し、縦軸は亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L](単位:mg/L)を示す。
(評価結果)
図2及び図4と、図3及び図5とから、コークス炉排水を処理する活性汚泥プロセス実機における活性汚泥中のAOB数と亜硝酸態窒素濃度との関係、及び、室内実験装置における活性汚泥中のAOB数と亜硝酸態窒素濃度との関係をそれぞれ図6及び図7に示す。図6及び図7において、横軸はAOB数(単位:cells/mL−MLSS)を示し、縦軸は亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L](単位:mg/L)を示す。
図6及び図7に示すように、実装置及び室内実験装置において、活性汚泥中のAOB数が所定数を超えると亜硝酸態窒素濃度の生成が始まることがわかった。このように、活性汚泥中のAOB数により硝化槽に収容された活性汚泥中の亜硝酸態窒素濃度を管理できることがわかったので、この活性汚泥中のAOB数を測定し、測定したAOB数に基づいてAOB数を調整することにより、硝化槽112内に収容された被処理水中の亜硝酸態窒素の生成を事前に促進できることがわかった。
また、図6に示すように、実装置においては、AOB数が、活性汚泥1mlあたり6×107個未満では亜硝酸態窒素が生成されていなかった。図7に示すように、室内実験装置においても、AOB数が、活性汚泥1mlあたり1×107個未満では亜硝酸態窒素が生成されていなかった。したがって、硝化槽112内に収容された活性汚泥中のAOB数を1×107(cells/mL−MLSS)以上、好ましくは6×107(cells/mL−MLSS)以上にすることにより、硝化槽112内に収容された被処理水中の亜硝酸を生成できることがわかった。
硝化槽112内に収容された被処理水中のアンモニアから亜硝酸への硝化を促進できるので、亜硝酸を硝酸に硝化して、さらに硝酸を窒素ガスに還元することにより、被処理水中のアンモニアを除去できるため、被処理水が処理された処理水の品質を向上できることがわかる。
以上より、本実施例によれば、生物処理槽内に収容された活性汚泥中のAOB数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように亜硝酸態窒素濃度[(NO2−N)mg/L]を調整することにより、処理水中の品質を向上できることが確認できた。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 処理装置、111 脱窒槽、112 硝化槽、120 AOB数測定部、130 酸素供給部、131 酸素濃度測定部、132 酸素濃度制御部、141 汚泥濃度測定部、150 沈殿槽、160 汚泥量制御部。

Claims (8)

  1. COD成分を分解可能な細菌を含んだ活性汚泥を収容している生物処理槽へ、COD成分とアンモニアとを含む被処理水が導入されて処理されることにより、前記被処理水が生物処理される方法において、
    前記生物処理槽内に収容された前記活性汚泥中のアンモニア酸化細菌数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように、前記生物処理槽の前記活性汚泥に供給する酸素量、及び、前記生物処理槽からの前記活性汚泥の引き抜き量の少なくとも何れか一方の量を調整し、
    前記被処理水は、前記COD成分としてフェノール及びチオシアンを含有するコークス炉排水である、被処理水の処理方法。
  2. 前記調整では、前記生物処理槽の前記活性汚泥に供給する酸素量を調整する、請求項1に記載の被処理水の処理方法。
  3. 前記調整では、前記アンモニア酸化細菌数が、1×10 (cells/mL−MLSS)を超える濃度から1×10 (cells/mL−MLSS)に向けて低下したときに、前記生物処理槽の前記活性汚泥に供給する酸素量を増加させる、請求項2に記載の被処理水の処理方法。
  4. 前記調整では、前記生物処理槽の前記活性汚泥の溶存酸素濃度が1mg/L以上になるように、前記生物処理槽の前記活性汚泥に供給する酸素量を調整する、請求項2又は3に記載の被処理水の処理方法。
  5. 前記調整では、前記生物処理槽からの前記活性汚泥の引き抜き量を調整する、請求項1〜4の何れか1項に記載の被処理水の処理方法。
  6. 前記調整では、前記アンモニア酸化細菌数が、1×10 (cells/mL−MLSS)を超える濃度から1×10 (cells/mL−MLSS)に向けて低下したときに、前記生物処理槽からの前記活性汚泥の引き抜き量を低減させる、請求項5に記載の被処理水の処理方法。
  7. 前記調整では、固形物滞留時間が7日以上になるように、前記生物処理槽からの前記活性汚泥の引き抜き量を調整する、請求項5又は6に記載の被処理水の処理方法。
  8. COD成分を分解可能な細菌を含んだ活性汚泥を収容し、かつCOD成分とアンモニアとを含む被処理水が導入される生物処理槽と、
    前記生物処理槽内に収容された前記活性汚泥中のアンモニア酸化細菌数を測定する測定部と、
    前記測定部で測定されたアンモニア酸化細菌数に基づいて、前記生物処理槽内に収容された前記活性汚泥中のアンモニア酸化細菌数を調整する調整部とを備え、
    前記調整部は、前記生物処理槽内に収容された前記活性汚泥中のアンモニア酸化細菌数が1×107(cells/mL−MLSS)以上になるように、前記生物処理槽の前記活性汚泥に供給する酸素量、及び、前記生物処理槽からの前記活性汚泥の引き抜き量の少なくとも何れか一方の量を調整するように構成されており、
    前記被処理水は、前記COD成分としてフェノール及びチオシアンを含有するコークス炉排水である、被処理水の処理装置。
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