JP5782012B2 - 液状樹脂成形装置 - Google Patents
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Description
射出機に供給される樹脂材料は、樹脂ビーズ(固体)が一般的である。すなわち、樹
脂ビーズが加熱筒に投入され、加熱とスクリュー回転により可塑化・混練され、流動化材料が得られる。この流動化材料が金型へ射出され、固まって成形品となる。
主剤に硬化剤を混ぜると、硬化剤の作用により、常温では数時間〜数十時間で、又成形温度では数十秒〜数十分で所定の硬度まで硬化する。
硬化剤を使用する場合は、配管等の詰まりを避けるために、主剤に出来るだけ遅くに添加することが望まれる。
図7は従来の技術の液状樹脂材料供給装置の原理図であり、主剤201が、ポンプ202により計量シリンダ203に圧送される。この計量シリンダ203で計量したのち、主剤201は射出機204の加熱筒205へ供給される。また、硬化剤206が、ポンプ207により計量シリンダ208に圧送される。この計量シリンダ208で計量したのち、硬化剤206は射出機204の加熱筒205へ供給される。
レシプロ式ポンプも各種あるが、回転斜板でプランジャを往復させる斜板ポンプよりも、手押し水汲みポンプのようなピストンポンプが安価で、コスト的に魅力がある。
計量シリンダ203、208への供給圧力が変動すると、計量値も変動するため、液状樹脂材料供給装置には、ピストンポンプより高価な別のポンプが推奨されてきた。
加えて、請求項1に係る発明では、ピストンポンプの吐出圧が、計量供給機構への供給圧の1.5倍以上に設定されているため、ピストンポンプの吐出圧に余裕がある。吐出圧を、各ポンプと各計量供給機構との間に介在させた減圧弁で減圧することができる。減圧により、各計量供給機構から各射出機へ送出される液状樹脂材料の吐出圧の変動を大幅に抑制することができる。以上により、液状樹脂成形装置にピストンポンプが採用可能になった。
また、減圧弁23、24の前後に記載した(P)印は、圧力計を示す。
図2に示すように、第1・第2ポンプ17、18は、有底筒状のポンプケース34と、このポンプケース34に軸方向移動可能に収納されるピストン35と、このピストン35を往復移動させるアクチュエータ36とからなる。
ピストン35は、軸方向に貫通する通穴41、41を備え、これらの通穴41、41に第2ポンプ弁42、42を備える。
方向切換弁48を切り換えることにより、ピストン44を上下させることができ、ピストンロッド45を介してポンプ側のピストン35を上下させることができる。
また、シリンダ43に方向切換弁48を内蔵し、エア圧のみでエア流路を切換える方向切換弁内蔵エアシリンダであってもよい。方向切換弁内蔵エアシリンダであれば、電磁弁が不要であり、電気配線が不要となる。
液状樹脂材料15又は16を入れた容器52に第1ポンプ17又は第2ポンプ18をセットする。蓋49が液状樹脂材料15又は16の液面に載るため、外気の侵入(空気の吸い込み)が防止される。
ピストン35が上昇すると、ピストン35の上方の液状樹脂材料15又は16はピストン35で加圧され、吐出口38から吐出(圧送)される。同時に容器52内の液状樹脂材料15又は16が吸入口37を介してピストン35の下方空間に導かれる。
ただし、上下のストロークエンドでピストン35が一瞬ではあるが停止するため、吐出圧の変動は、ロータリ式ポンプや斜板式ピストンポンプに比較して大きくなる。
図3に示すように、第1・第2減圧弁23、24は、バイパス状の通路54を有する弁箱55と、通路54の入口56を開閉する弁体57と、弁箱55を横断するようにして弁体57から延びる弁棒58と、この弁棒58の先に連結されるダイヤフラム59と、弁体57が開く方向へダイヤフラム59を押す弁ばね61と、この弁ばね61及びダイヤフラム59を覆うダイヤフラムケース62とからなる。
矢印(1)のように、液状樹脂材料が流入すると、この液状樹脂材料は、矢印(2)の様に、入口56から通路54に流入し、通路54を流れ、出口63を介して弁箱55から流出する。壁64を境にして上流側を「一次側」、下流側を「二次側」と呼ぶ。
二次側の圧力が矢印(3)のように、ダイヤフラム59の下面に作用して、ダイヤフラム59を押し上げる。一方、ダイヤフラム59は弁ばね61で矢印(4)のように、押し戻される。矢印(3)の力と矢印(4)の力が釣り合った時点で、弁開度δが定まる。
以上により、一次側の圧力が変動しても、二次側の圧力は一定に保たれる。なお、二次側の圧力は、調節ねじ66の締め加減で変更可能である。
すなわち、本発明の第1・第2減圧弁23、24は、二次側の圧力を一定にする性能を有する「自力式減圧弁」である。
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
図1に示す液状樹脂成形装置10の第1ポンプ17及び第1計量供給機構13を用いた。
○実験に用いた液状樹脂材料:
品名:信越化学工業(株)製 KE−1950−40(A/B)
○第1ポンプの仕様:
吐出量:75cm3/ストローク(1500cm3/分)
最大吐出圧:12MPa
実験用吐出圧:3MPa、6MPa、9MPa(バルブで制御)
二次側の圧力設定:1MPa、2MPa
○第1計量供給機構の仕様:
吐出量(標準値):5cm3/1計量
図5は横軸が一次側の圧力、縦軸が相対的吐出量のグラフである。
第1減圧弁が無い場合は、一次側の圧力に比例して吐出量が増加する。1.00が1.014に増加したため、変動率は1.4%であった。
図6において詳細に説明する。
複数の射出機(12A,12B)と、射出機の一つ(12A)へ液状樹脂材料(15)を計量供給する第1A計量供給機構(13A)と、射出機の他の一つ(12B)へ液状材料(15)を計量供給する第1B計量供給機構(13B)と、これら第1A計量供給機構(13A)及び第1B計量供給機構(13B)へ前記液状樹脂材料(15)を圧送する第1ポンプ(17)と、射出機の一つ(12A)へ前記液状材料(15)とは異なる液状樹脂材料(16)を計量供給する第2A計量供給機構(14A)と、前記射出機の他の一つ(12B)へ前記液状材料(16)を計量供給する第2B計量供給機構(14B)と、これら第2A計量供給機構(14A)及び第2B計量供給機構(14B)へ前記液状樹脂材料(16)を圧送する第2ポンプ(18)とからなる。
第1ポンプ(17)、第2ポンプ(18)は、アクチュエータ(36)でピストン(35)を往復させるピストンポンプであり、このピストンポンプで構成される前記第1ポンプ(17)、第2ポンプ(18)の吐出圧が、前記計量供給機構(13A,13B,14A,14B)への供給圧の少なくとも1.5倍に設定されている。
第1ポンプ(17)は第1供給路(21)で第1A計量供給機構(13A)及び第1B計量供給機構(13B)に減圧弁(23A,23B)を介して連結されている。
第2ポンプ(18)は第2供給路(22)で第2A計量供給機構(14A)及び第2B計量供給機構(14B)に減圧弁(24A,24B)を介して連結されている。
第1A計量供給機構(13A)及び第2A計量供給機構(14A)は、第1送出路(28A)及び第2送出路(29A)、これら送出路(28A)、(29A)と混合部(31A)で合流して供給管(32A)を介して射出機(12A)に連結されている。
第1B計量供給機構(13B)及び第2B計量供給機構(14B)は、第1送出路(28B)及び第2送出路(29B)、これら送出路(28B)、(29B)と混合部(31B)で合流して供給管(32B)を介して射出機(12B)に連結されている。
各混合部(31A,31B)で2種の液状材料(15,16)を混合して射出機(12A,12B)の夫々に供給する。
尚射出機12は3基以上であってもよい。
第1・第2ポンプ17、18を共有することにより、設備費の圧縮が可能となる。構成要素の詳細な説明を省略する。
Claims (2)
- 複数の射出機(12A,12B)と、
前記射出機の一つ(12A)へ液状樹脂材料(15)を計量供給する第1A計量供給機構(13A)と、前記射出機の他の一つ(12B)へ前記液状材料(15)を計量供給する第1B計量供給機構(13B)と、これら第1A計量供給機構(13A)及び第1B計量供給機構(13B)へ前記液状樹脂材料(15)を圧送する第1ポンプ(17)と、
前記射出機の一つ(12A)へ前記液状材料(15)とは異なる液状樹脂材料(16)を計量供給する第2A計量供給機構(14A)と、前記射出機の他の一つ(12B)へ前記液状材料(16)を計量供給する第2B計量供給機構(14B)と、これら第2A計量供給機構(14A)及び第2B計量供給機構(14B)へ前記液状樹脂材料(16)を圧送する第2ポンプ(18)とからなり、
前記第1ポンプ(17)、第2ポンプ(18)は、アクチュエータ(36)でピストン(35)を往復させるピストンポンプであり、このピストンポンプで構成される前記第1ポンプ(17)、第2ポンプ(18)の吐出圧が、前記計量供給機構(13A,13B,14A,14B)への供給圧の少なくとも1.5倍に設定され、
前記第1ポンプ(17)は第1供給路(21)で前記第1A計量供給機構(13A)及び第1B計量供給機構(13B)に減圧弁(23A,23B)を介して連結され、
前記第2ポンプ(18)は第2供給路(22)で前記第2A計量供給機構(14A)及び前記第2B計量供給機構(14B)に減圧弁(24A,24B)を介して連結され、
前記第1A計量供給機構(13A)及び第2A計量供給機構(14A)は、第1送出路(28A)及び第2送出路(29A)、これら送出路(28A)、(29A)と混合部(31A)で合流して供給管(32A)を介して射出機(12A)に連結し、
前記第1B計量供給機構(13B)及び第2B計量供給機構(14B)は、第1送出路(28B)及び第2送出路(29B)、これら送出路(28B)、(29B)と混合部(31B)で合流して供給管(32B)を介して射出機(12B)に連結し、
前記各混合部(31A,31B)で、2種の液状材料(15,16)を混合して前記射出機(12A,12B)の夫々に供給するようにした、
ことを特徴とする液状樹脂成形装置。 - 前記ピストンポンプの吐出圧は、前記計量供給機構(13A,13B,14A,14B
)への供給圧の9倍を上限に設定されることを特徴とする請求項1記載の液状樹脂成形装置。
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