JP3873499B2 - 成形天井用接着剤塗布装置 - Google Patents

成形天井用接着剤塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3873499B2
JP3873499B2 JP00647999A JP647999A JP3873499B2 JP 3873499 B2 JP3873499 B2 JP 3873499B2 JP 00647999 A JP00647999 A JP 00647999A JP 647999 A JP647999 A JP 647999A JP 3873499 B2 JP3873499 B2 JP 3873499B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
molded ceiling
ceiling
stage
molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00647999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000203473A (ja
Inventor
和幸 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP00647999A priority Critical patent/JP3873499B2/ja
Publication of JP2000203473A publication Critical patent/JP2000203473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3873499B2 publication Critical patent/JP3873499B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形天井を車両のルーフに接着する工程で利用される成形天井用接着剤塗布装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のルーフに内張となる天井を取り付け方法としては、化粧用表皮付きの発泡材をルーフの内側に感圧型接着剤を用いて直に貼りつける貼り天井方式と、ルーフの内側に予め静音材を取り付けてから化粧表皮を針金で吊って取り付ける吊り天井方式、更に、ルーフ形状に合わせて形成された樹脂製または段ボール基材の成形天井を感圧型接着剤や両面接着テープ等を用いてルーフに取り付ける成形天井方式が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、貼り天井方式の場合は、雨音等の遮音性が低いために室内の静粛性に問題がある。また、吊り天井方式の場合は、天井を構成する静音材や化粧表皮および針金等のために天井が全体的に厚くなってしまうので、ヘッドクリアランスや居住性の点で問題が生じることが多い。従って、昨今では、タクシーやトラック等の一部の車両を除き、成形天井が利用されるのが一般的である。
【0004】
成形天井をルーフに取り付ける場合は、感圧型接着剤や両面接着テープ等を用いて接着作業が行われているが、実際には、これらの接着手段に加えて固定用の樹脂クリップを併用したり、または、ルームミラーや室内灯等を始めとするインテリアで成形天井をルーフに共締めして固定する場合が多く、感圧型接着剤や両面接着テープ等の使用目的は、成形天井の固定というより、専ら、ルーフと成形天井との密着性の確保、要するに、成形天井をルーフに密着させて雨音の反響等を吸収するために利用されている。
【0005】
前述した通り、成形天井の接着には感圧型接着剤や両面接着テープ等が用いられているが、両面接着テープは耐候性の点で問題があるため、夏場に100℃を越すようなルーフと成形天井との接着に用いた場合、長期間に渡って安定した接着状態を確保することは困難である。更に、成形天井の各部を強い力で万遍なくルーフに圧着してやらないと適切な接着状態が得られないので、接着作業を行う作業者の疲労が著しい。また、その反面、成形天井をルーフに圧着した瞬間に強力な接着力が発生するので、成形天井の位置決めに失敗すると貼り直しが効かなくなるといった欠点もある。
【0006】
そこで、このような問題を解消するため、反応型のホットメルト(高粘度粘着剤を高温で軟化させたもの)を接着剤として成形天井を接着する方法が提案されている。このホットメルトは耐候性の点では優れているものの、1分〜2分といった極く短い時間で硬化してしまうため、成形天井への接着剤の塗布作業と車両への持ち込み、および、実際の接着作業を極めて短時間で行う必要が生じ、これらの作業を短時間で行うための大掛かりな周辺設備が必要となり、製造コスト等の点で問題が残る。また、接着作業時における成形天井の位置決め作業も時間を掛けて正確に行うことはできず、成形天井の貼り直しも困難である。
【0007】
そこで、反応型のホットメルトに代えて水性接着剤を利用する方法が提案されているが、段ボール基材の成形天井に対してこの方法を適用した場合、段ボール基材に水分が染み込んでシミ等の原因となり、商品価値に問題を生じる場合がある。また、段ボール基材が接着剤から急激に水分を吸湿する結果、接着剤の特性に変化が生じ、接着強度の不足といった問題が発生する場合もある。
また、一部では湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いて成形天井をルーフに接着する方法も試みられてはいるが、紫外線劣化防止のためのカーボンを含有したガラス接着用の高粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いているため、接着個所の周辺にカーボン特有の黒色の汚れが生じ易く、また、粘性が高いために塗布作業が困難化する等の問題があった。
【0008】
一方、成形天井に接着剤等を塗布するための装置としては、特開平9-52066号に開示されるように、多関節型のマニプレータの先端にブラシを装備したものが提案されている。しかし、この装置は筆塗り技術を応用したものであるため、粘性の高い接着剤には向かず、また、接着剤等の塗布量を調整することもできない。
【0009】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、成形天井の接着に際して力の要る圧着作業を必要とせず、また、接着時の位置決め作業や貼り直し作業も容易に行うことができて、耐候性にも優れ、樹脂製および段ボール基材等の様々な材質の成形天井の接着にも適用することができ、接着個所周辺部の汚れも目立たず作業性に優れた成形天井用接着剤塗布装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の成形天井用接着剤塗布装置は、接着剤の塗布対象となる成形天井を載置するための荷受け側ステージと接着剤を塗布された成形天井を取り出すための払い出し側ステージとを両端に配備すると共に、前記払い出し側ステージは、成形天井を車両に持ち込むときの高さに合わせて配備する一方、前記荷受け側ステージは、払い出し側ステージの高さよりも低い位置に配備した成形天井搬送手段と
前記荷受け側ステージと払い出し側ステージとの間で前記成形天井搬送手段の上方に位置して成形天井搬送手段の送り方向と直行する向きに水平移動する走行子と
前記走行子に対して上下移動可能に取り付けられた接着剤塗布用ノズルを有するエンドエフェクタと
前記エンドエフェクタに接着剤を供給するための接着剤供給ポンプと、前記荷受け側ステージから接着剤塗布開始位置への成形天井の搬送動作制御、および、前記成形天井搬送手段と走行子とエンドエフェクタの 3 軸同時制御による接着剤塗布動作の制御を設定された塗布パターンに従って実施する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする構成を有する
【0011】
この構成によれば、成形天井を搬送する成形天井搬送手段が接着剤塗布動作のための一軸を兼ねるので、単体のベルトコンベアと多関節型の産業用ロボット等とを組み合わせて接着剤の塗布作業を行うような場合に比べて設備投資のコストが軽減される。また、塗布パターンの設定を変更することによって様々な形状の成形天井の接着剤塗布作業に対処することが可能となる
また、成形天井を車両に持ち込むときの高さに合わせて払い出し側ステージを配備し、荷受け側ステージは、払い出し側ステージの高さよりも低い位置に配備するようにしたので、接着剤の塗布が完了した成形天井の車両内持ち込みが容易となって作業者の負担が軽減されると共に、接着剤を塗布する成形天井を荷受け側ステージにセットする時の持ち上げ作業も楽になる。そして、払い出し側ステージと荷受け側ステージの高さを変えた結果、成形天井搬送手段 , 走行子 , エンドエフェクタの 3 つの移動要素の内、最も移動ストロークの大きな成形天井搬送手段が床面に対して傾斜して配備されるかたちとなって、成形天井用接着剤塗布装置の設置面積の狭小化と作業現場のスペースの有効利用が達成される
【0012】
また、ベルト式の成形天井搬送手段の送り方向に沿って、そのベルト上に荷受け側ステージと払い出し側ステージを兼ねる移動領域を複数設け、この移動領域が成形天井搬送手段の 1 サイクル動作毎に荷受け側端部と払い出し側端部との間をサイクリックに移動するように構成してもよい
接着剤の塗布が完了した成形天井を取り出さなくても接着剤塗布の対象となる次の成形天井を載置することができるようになり、作業効率の向上やサイクルタイムの短縮が実現される
【0013】
また、前記エンドエフェクタに供給されて成形天井に塗布される接着剤は、カーボンを含まない低粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤であること望ましい
【0014】
湿気硬化型一液ウレタン接着剤は実用的な接着強度が得られるまでに 30 分前後の硬化時間が必要とされるので、この間に成形天井の位置決め作業や貼り直し作業を余裕をもって行うことができる。しかも、機械的な圧着力ではなく化学変化によって接着作業を行うものであるため、両面接着テープや感圧型接着剤とは違って力を入れて接着面の圧着作業を行う必要がない
また、完全硬化後には十分な機械的強度と弾性および耐候性が確保されるのでルーフの全体的な剛性が強化される。更に、ルーフと成形天井との間を弾性をもって接着するので、雨水の衝突によるルーフの振動が軽減されて車両内の静粛性も高まり、経年変化による剥離現象も生じにくい
特に、カーボンを含まない低粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤を採用しているので、接着剤自体の色は有彩白色状であって接着個所の周辺に汚れを生じることがなく、また、接着剤の粘性が低いためにその塗布作業も容易である
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の成形天井用接着剤塗布装置1(以下、単に接着剤塗布装置という)の構成を簡略化して示す斜視図、また、図3,図4,図5の各々は、接着剤塗布装置1の実際の形状を示す正面図,平面図,右側面図である。図1では接着剤塗布装置1の各部を機能的に分類して概略を示しているので、細部の形状に関しては必ずしも図3〜図5とは一致しない。
【0018】
図1に示すように、接着剤塗布装置1は、ベルト式の搬送手段によって構成される成形天井搬送部2と、成形天井搬送部2の上方に位置して成形天井搬送部2の送り方向と直行する向きに水平移動する走行子3、および、走行子3に対して上下移動可能に取り付けられたエンドエフェクタ4と、エンドエフェクタ4に湿気硬化型一液ウレタン接着剤を供給するための接着剤供給ポンプ5、ならびに、図2に概略を示す駆動制御部6を備える。
【0019】
そして、図1で示される成形天井搬送部2の左端側は接着剤の塗布対象となる成形天井7aを載置するための荷受け側ステージ8aとして使用され、成形天井搬送部2の右端側は、接着剤を塗布された成形天井7bを取り出すための払い出し側ステージ8bとして使用される。
【0020】
また、前述した走行子3は、成形天井搬送部2を跨ぐようにして配備されたアーチ型の支持架9の上に固設された水平送り装置10の内部に設けられたサーボモータMyやボールナット&スクリュー等のリニア送り機構によって成形天井搬送部2の送り方向と直行する向き(Y軸方向)に送りを掛けられるようになっている。更に、走行子3には、接着剤塗布用ノズル12を有するエンドエフェクタ4を上下移動させるための昇降装置11が一体的に固設され、その内部に設けられたサーボモータMzやボールナット&スクリュー等のリニア送り機構によってエンドエフェクタ4に対して上下方向(Z軸方向)の送りを掛けるようになっている。
【0021】
エンドエフェクタ4に接着剤を供給する接着剤供給ポンプ5は、図1に示すように、エアシリンダを利用してドラム缶13a,13bから接着剤の汲み上げ作業を行う2基のシリンダ型ポンプ14a,14bによって構成される。また、片方のドラム缶の接着剤が空になった場合には自動的に他方のシリンダ型ポンプを作動させ、接着剤の供給作業を停止することなく、空になった側のドラム缶を新しいものに交換できるようになっている。ドラム缶13a,13bに貯溜されているのは、カーボンを含有しない低粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤、例えば、建築用外壁板の目地止め用接着剤から紫外線劣化防止用のカーボンを取り除いて生成された有彩白色状の湿気硬化型一液ウレタン接着剤等である。
シリンダ型ポンプ14aまたは14bから送出された接着剤は、供給ホース15aまたは15bを介して高圧液用減圧弁16に送られ、ピストンの往復動作に伴う圧力変動を高圧液用減圧弁16で平滑化された後、接続ホース17を経由して略一定の圧力でエンドエフェクタ4に送られ、エンドエフェクタ4のノズル12から吐出される。従って、接着剤供給ポンプ5の作動時にノズル12から送出される接着剤の単位時間当たりの吐出量(W)は一定である。
【0022】
図1に示す成形天井搬送部2の基台21は、実際には、図3〜図5に示すように、基台21の四隅の支柱を構成する矩形断面状のパイプ部材18a,18b,18c,18dと、これらのパイプ部材18a,18b,18c,18dを接合するストリンガー19b,19d(図3参照)ならびにリンフォースメント20a,20b,20c,20d(図5参照)によって構成される。
【0023】
また、成形天井搬送部2自体は、図3および図4に示すように、パイプ部材18b,18cの上端部にステー22a,22bを介して回転自在に取り付けられた駆動シャフト23と、その両端に固着された駆動プーリ24,24、および、パイプ部材18a,18dの上端部にステー25a,25bを介して回転自在に取り付けられた従動プーリ26,26と、駆動プーリ24,24と従動プーリ26,26との間に巻回されたタイミングベルト27,27によって構成される。
そして、実質的な搬送手段を構成するタイミングベルト27,27は、リンフォースメント20a上に固設されたサーボモータMxにより、サーボモータ側スプロケット28とチェーン30、および、駆動シャフト23に固着された従動側スプロケット29と駆動シャフト23を介して回転駆動され、タイミングベルト27,27上に両端を載せるようにして載置された成形天井7aに、荷受け側ステージ8aから払い出し側ステージ8bに向かう方向(X軸方向)の送りを掛ける。
【0024】
図3に示すように、成形天井搬送部2の払い出しステージ8bの側を支えるパイプ部材18b,18cの長さは、成形天井7bの取り出し作業と成形天井7bの車両内持ち込み作業とを容易化するために車両の高さに合わせて長めに設計される一方、荷受けステージ8aの側を支えるパイプ部材18a,18dの長さは、荷受けステージ8aに対する成形天井7aの載置作業を容易化するためにパイプ部材18b,18cに比べて短めに設計され、タイミングベルト27,27は、図3に示すように、荷受けステージ8aから払い出しステージ8bに向けて登り勾配の斜面を描いている。
【0025】
また、タイミングベルト27,27の表面には、その上に載置される成形天井7a,7bの位置決めと位置ずれ防止のためのアタッチメントブロック31〜36が所定の間隔で取り付けられている。アタッチメントブロック31〜36の取り付け位置は成形天井7a,7bの横幅に合わせて任意に調整することができるが、図3の例では、アタッチメントブロック31と32との間、アタッチメントブロック33と34との間、および、アタッチメントブロック35と36との間に横幅(W1)の成形天井7a,7bを載置する場合について示している。
そして、アタッチメントブロック31と32との間の幅W1の領域、アタッチメントブロック33と34との間の幅W1の領域、および、アタッチメントブロック35と36との間の幅W1の領域は、荷受け側ステージ8aおよび払い出し側ステージ8bとなる領域を交互に形成するする移動領域であり、また、アタッチメントブロック32と33との間の幅W2の領域、アタッチメントブロック34と35との間の幅W2の領域、および、アタッチメントブロック36と31との間の幅W2の領域は、成形天井7a,7bの載置を禁止したデッドスペースである。
【0026】
成形天井搬送部2の1サイクル動作は、図3に示されるような位置にあるアタッチメントブロック31が図3に示されるアタッチメントブロック33の位置まで移動するときの移動量、要するに、W1+W2に相当するタイミングベルト27,27の回転量として規定され、それに対応するサーボモータMxの回転パルスの値(以下、1サイクルパルスという)が駆動制御部6の不揮発性RAM37に記憶されている。図3から明らかなように、この実施形態に限定して言えば、タイミングベルト27の1回転は成形天井搬送部2の3サイクル動作に相当することになる。
つまり、成形天井搬送部2の1サイクル動作によって、図3の状態で荷受け側ステージ8aとなっているアタッチメントブロック31と32との間の幅W1の移動領域が図3におけるアタッチメントブロック33と34との間の位置に移動して新たな払い出し側ステージ8bとなり、同時に、図3の状態でアタッチメントブロック35と36との間に位置する幅W1の移動領域が図3におけるアタッチメントブロック31と32との間の位置まで移動して新たな荷受け側ステージ8aとなるのであって、このような繰り返し動作により前述した各々の移動領域が成形天井搬送部2の両端をサイクリックに移動して、交互に荷受け側ステージ8aもしくは払い出し側ステージ8bとしての役割を担うのである。
【0027】
また、この実施形態では、図3に示す通り、成形天井搬送部2の全長は2つの移動領域に1つのデッドスペースを加えた長さ(2・W1+W2)よりも短く設計されており、払い出し側ステージ8bの横幅が荷受け側ステージ8bの横幅に比べて僅かに不足するので、この不足分を補って成形天井7bを保持するための補助ステー38,38を成形天井搬送部2の右端に臨ませて設けている。
補助ステー38,38はタイミングベルト27,27と概ね同一平面上に配備されているが、アタッチメントブロック31と32との間、アタッチメントブロック33と34との間、および、アタッチメントブロック35と36との間のタイミングベルト27上には、各々にセンターポール39,40,41が立設されており、タイミングベルト27の送り動作によってアタッチメントブロック32,34,36が成形天井搬送部2の裏側に回って成形天井7a,7bの右端部から離脱した後も、これらのセンターポール39,40,41によって成形天井7a,7bが支えられるようになっているので、成形天井搬送部2から補助ステー38,38へ成形天井7a,7bを引き渡す際に成形天井7a,7bの端部が成形天井搬送部2と補助ステー38,38との間のギャップに引っ掛かるような問題は生じない。
図3では、アタッチメントブロック34が成形天井搬送部2の裏側に回って成形天井7bの右端部から離間した状態で成形天井7bがアタッチメントブロック33とセンターポール40で支えられている様子を示している。
【0028】
図4に示すように、各タイミングベルト27,27の外側面には、パイプ部材18bの上端部とパイプ部材18aの上端部とを結ぶようにして配備されたベルトカバー46と、パイプ部材18cの上端部とパイプ部材18dの上端部とを結ぶようにして配備されたベルトカバー47が設けられ、タイミングベルト27,27の横ぶれを防止するようになっている。
【0029】
また、接着剤塗布装置1の両側には、機械の回転部に人身や異物が巻き込まれるのを防止するためのシュルツェン状の安全柵42,43が、複数のステー44,45,48を介して取り付けられている。図5に示すように、ステー44,45は安全柵42,43を成形天井搬送部2の側面に固定するためのものであり、また、ステー48,48は、接着剤塗布装置1の上方に搬送方向と直行して位置し、両側の安全柵42,43の上端部を直に接続している。
【0030】
そして更に、前述した2本のステー48,48と片側のタイミングベルト27のベルトカバー47の側面とを利用して、図4に示されるような荷受けステージ側載置物検出センサAと払い出しステージ側載置物検出センサBが取り付けられている。
荷受けステージ側載置物検出センサAは、一方のステー48に取り付けられた発光部A1とベルトカバー47に取り付けられた受光部A2とによって構成されたダークON型の光学センサであり、また、払い出しステージ側載置物検出センサBは、他方のステー48に取り付けられた発光部B1とベルトカバー47に取り付けられた受光部B2とによって構成されたダークON型の光学センサである。
荷受けステージ側載置物検出センサAの検出光路を二点鎖線L1、また、払い出しステージ側載置物検出センサBの検出光路を二点鎖線L2として図3に示す。いずれのセンサもこれらの光路が載置物で遮られた状態でONとなる。
【0031】
図2は接着剤塗布装置1の駆動制御部6の要部を示すブロック図である。前述したX,Y,Z各軸のサーボモータMx,My,Mzには各々に固有のパルスコーダPx,Py,Pzが配備され、夫々のサーボ回路49,50,51を介して駆動制御部6のCPU52によって駆動制御されるようになっている。
【0032】
また、ROM53にはCPU52の駆動制御用プログラムが収められ、不揮発性RAM37には前述した1サイクルパルスの値、要するに、サーボモータMxを駆動して成形天井搬送部2に1サイクルの動作を実施させた時にパルスコーダPxが出力するパルス数と同じ値が記憶されている。RAM54は演算処理用、また、不揮発性記憶手段55は車種の種別に応じて作成された接着剤塗布用の動作プログラムを記憶するためのもので、ハードディスクドライブ等で構成されている。
【0033】
前述した荷受けステージ側載置物検出センサAと払い出しステージ側載置物検出センサBは入出力回路57およびバス56を介してCPU52に接続され、また、接着剤供給ポンプ5は、バス56および入出力回路57を介してCPU52によってON/0FF制御されるようになっている。
【0034】
制御卓58は接着剤塗布装置1を操作するためのオペレーションスイッチ等を実装したマン・マシン・インターフェイスであり、起動スイッチおよび終了スイッチの他に、車種の種別に応じた動作プログラムを指定するための選択スイッチやLCD等からなる簡易表示器を備える。制御卓58からの操作信号や選択信号は入出力回路57を介してCPU52に送られ、また、CPU52から制御卓58にはデータ表示用の信号等が送られる。
【0035】
図6〜図8はCPU52によって実施される接着剤塗布装置1の制御動作の一例を示すフローチャートであり、以下、これらの図面を参照して接着剤の塗布作業に関連した処理動作について説明する。
【0036】
電源投入後の処理を開始したCPU52は、まず、制御卓58から車種指定信号が入力されているか否か、終了スイッチが操作されているか否か、および、選択完了フラグF1がセットされているか否かを判別するが(ステップs1〜ステップs3)、作業者による制御卓58の操作が行われない限りステップs1およびステップs2の判別結果は偽となり、また、選択完了フラグF1は前回の作業終了時にリセットされているので(ステップS9参照)、電源投入直後のこの段階においてはステップs1〜ステップs3の判別結果は全て偽となって、CPU52は、これらの判別処理を繰り返し実行しながら作業者による制御卓58の操作を待つ待機状態に入る。
【0037】
作業者はこの間に制御卓58の選択スイッチを操作し、接着剤の塗布対象となる成形天井7aに対応した車種名を指定することになる。
【0038】
ステップs1の判別処理で制御卓58の選択スイッチの操作を検出したCPU52は、作業者によって指定された車種に対応する接着剤塗布用の動作プログラムを不揮発性記憶手段55からRAM54に読み込むと共に、指定された車種の名称を制御卓58の表示器に表示して選択完了フラグをセットする(ステップs10〜ステップs12)。
【0039】
接着剤塗布用の動作プログラムは、成形天井7aに対するエンドエフェクタ4の相対的な移動経路、要するに、接着剤を塗布する経路を記憶したものであり、その相対的な移動経路は車種によって異なる。また、各車種の接着剤塗布用動作プログラムには、接着剤の塗布を開始するアプローチポイントの位置情報(Xs,Ys,Zs)と接着剤のビード径(D)の情報が含まれる。
【0040】
前述したステップs12の処理で選択完了フラグF1がセットされる結果、次周期以降の処理では、ステップs1〜ステップs3の判別処理に加え、更に、作業者による起動スイッチの操作を検出するためのステップs4の判別処理が実行されることになる。
【0041】
作業者が起動スイッチの操作を実行しなければ、そのままステップs1〜ステップs4の判別処理が繰り返し実行されるので、もし、作業者が車種名の選択操作を誤ったような場合には、再び制御卓58を用いて車種名の選択作業を実施することによりステップs10〜ステップs12の処理をCPU52に実行させ、改めて別の車種の接着剤塗布用動作プログラムを読み込ませることが可能である。
また、選択した接着剤塗布用動作プログラムに対応する車種名が制御卓58の表示器に表示されるので、操作の誤りを発見することも容易である。
【0042】
そして、作業者が制御卓58の起動スイッチを操作すると、CPU52はステップs4の判別処理でこの操作を検出し、払い出しステージ側載置物検出センサBが0Nになっているか否か(ステップs5)、および、荷受けステージ側載置物検出センサAがONになっているか否かを判別する(ステップs6)。
【0043】
払い出しステージ側載置物検出センサBが0Nになっている場合には、払い出しステージ8bから接着剤の塗布作業が完了した成形天井7bが取り除かれていないことを意味し、また、荷受けステージ側載置物検出センサAがOFFになっている場合には、次の接着剤塗布対象となる成形天井7aが荷受けステージ8aにセットされていないことを意味する。
従って、ステップs5の判別結果が真となった場合、または、ステップs6の判別結果が偽となった場合には、CPU52は、次の成形天井に対する接着剤の塗布作業の開始を見合わせ、再びステップs1の処理に戻ってステップs1〜ステップs4の判別処理を繰り返し実行し、接着剤の塗布作業が完了した成形天井7bが払い出しステージ8bから取り除かれ、かつ、次の接着剤塗布対象となる成形天井7aが荷受けステージ8aに積み込まれた状態で作業者が再び起動スイッチを操作するまで待機する。
【0044】
なお、ステップs5の判別結果が真またはステップs6の判別結果が偽となった場合にステップs5の処理に戻って成形天井7aの積み込みや成形天井7bの取り出しを待機することも可能だが、そうした場合にはステップs4の判別処理が省略されるので、荷受けステージ側載置物検出センサAと払い出しステージ側載置物検出Bの反応のみに基づいて直ちに送り動作が開始されることになり、一定の危険が伴う。送り作業の開始は、飽くまで、起動スイッチを操作する作業者の目視確認とセンサによる安全確認とを併用して実施すべきであるという立場から、本実施形態では、このような方式は採用していない。
この考え方によれば、ステップs5の判別結果が真またはステップs6の判別結果が偽となった場合の戻り先は、基本的に、ステップs1〜ステップs4の区間内の何処でもよいのであるが、車種選択等に関する操作ミスを訂正する機会を最後まで残すという意味で、ステップs1まで戻るようにしている。
【0045】
そして、接着剤の塗布対象となる成形天井7aの積み込みと接着剤塗布作業の完了した成形天井7bの取り出しが確認された状態(図3の成形天井7bが存在しない状態)で作業者が起動スイッチを操作すると、CPU52は、タイミングベルト27にX軸方向の送りを掛けるサーボモータMxと、走行子3を介してエンドエフェクタ4にY軸方向の送りを掛けるサーボモータMy、および、エンドエフェクタ4に上下方向の送りを掛けるサーボモータMzに早送り指令を出力して、接着剤塗布用動作プログラムで与えられたアプローチポイント(Xs,Ys,Zs)の位置までエンドエフェクタ4のノズル12の先端を移動させた後(ステップs7)、接着剤供給ポンプ5に動作開始指令を出力して接着剤の送給動作を開始させる(ステップs8)。
【0046】
次いで、CPU52は接着剤塗布用動作プログラムから1ブロック分の移動経路を実行対象データとして読み込み(ステップs13)、X,Y,Zの各軸方向に対応する移動量の割合、要するに、この移動経路の方向比a:b:cを求めると共に、1ブロック分の移動量自体の値を分配レジスタに記憶する(ステップs14)。
【0047】
ノズル12から単位時間当たりに吐出される接着剤の量をW(一定値)、成形天井7aに対するノズル12の相対移動速度をV(変数)、接着剤のビード径をD(接着剤塗布用動作プログラムで与えられた値)とすれば、W=(π/4)・D2・Vの関係式が成り立つので、結果的に、成形天井7aに対するノズル12の相対移動速度Vの値を(4W)/(πD2)と設定することによって所望するビード径Dを得ることができる。
つまり、W=(π/4)・D2・Vの式から明らかなように、成形天井7aに対するノズル12の相対移動速度Vの値を大きくすればビード径Dは小さくなり、また、相対移動速度Vの値を小さくすればビード径Dは大きくなるということであって、所望するビード径Dを得るためには相対移動速度Vの値を調整すればよいことになる。
【0048】
また、相対移動速度Vを達成するために必要とされる各軸方向の移動速度Vx,Vy,Vzの各々は、前述した1ブロック分の移動経路の方向比a:b:cによって求めることができ、更に、実際的な速度制御を行うために必要とされる周期毎の移動指令である各軸方向の分配パルスΔVx,ΔVy,ΔVzの値は、移動速度Vx,Vy,Vzとパルス分配周期Δtとの関係から求めることができる。
【0049】
そこで、CPU52は、前述した方向比a,b,cと単位時間当たりの接着剤の吐出量W、および、接着剤のビード径Dとパルス分配周期Δtの値に基づいてステップs15に示す演算式を実行し、接着剤塗布用動作プログラムで与えられた1ブロック分の移動経路に沿ってV=(4W)/(πD2)の相対速度でエンドエフェクタ4を移動させるために必要とされるX,Y,Z各軸方向のパルス分配周期毎の移動指令ΔVx,ΔVy,ΔVzを求める。
【0050】
以下、CPU52は、ステップs14の処理で初期値、即ち、1ブロック分の経路の全長をセットした分配レジスタの値が0になるまでの間、パルス分配周期Δt毎に各軸のサーボモータMx,My,Mzに対して移動指令ΔVx,ΔVy,ΔVzを出力し、その周期で出力した移動量を分配レジスタから減算するといった処理を繰り返し実行し、1ブロック分の移動経路に沿って相対移動速度Vを維持しながらノズル12の先端を移動させていく(ステップs16〜ステップs19)。
【0051】
そして、ステップs13で読み込んだ1ブロック分の移動経路に対するパルス分配処理が完了して分配レジスタの値が0になったことがステップs19の判別処理で確認されると、CPU52は、ステップs10の処理でRAM54に読み込まれたプログラムを構成する全てのブロックに対するパルス分配処理が完了しているか否か、要するに、プログラムエンドに達しているか否かを判別し(ステップs20)、プログラムエンドに達していなければ、再びステップs13の処理に戻って接着剤塗布用動作プログラムから次の1ブロック分の経路を実行対象データとして読み込み、パルス分配に必要とされるステップs14およびステップs15の前処理を実施し、前記と同様にしてステップs16〜ステップs19のパルス分配処理を実行する。
【0052】
そして、最終的に、接着剤塗布用動作プログラムの最後の1ブロックに対するパルス分配処理が完了してステップs20の判別結果が偽となると、CPU52は接着剤供給ポンプ5に動作終了指令を出力して接着剤の送給動作を終了させ(ステップs21)、Y,Zの各軸をノズル12の退避位置となるホームポジションに復帰させる。また、X軸のサーボモータMxに対しては、不揮発性RAM37に記憶された1サイクルパルスの値からX軸の現在位置記憶レジスタの値を減算した値を移動指令として出力してタイミングベルト27の早送り動作を行わせてから、現在位置記憶レジスタの値を0にリセットして1サイクルの処理を終了する(ステップs22)。
【0053】
この操作により、最初の機械原点から起算して1サイクルパルスに相当する分の送りがX軸のサーボモータMxに掛けられ、タイミングベルト27は、ホームポジションからアプローチポイントまでの早送り工程(ステップs7)と接着剤の塗布動作工程(ステップs13〜ステップs20)、および、塗布作業完了後の早送り工程(ステップs22)を含めて全体でW1+W2の距離、要するに1/3回転だけ回転し、アプローチ動作開始時点で図3の31の位置にあったアタッチメントブロックは図3の33の位置まで移動して、動作開始時点で荷受け側ステージ8aに載置されていた成形天井7aは接着剤の塗布作業を終えて図3の成形天井7bの位置まで移動することになる。
同時に、図3に示される荷受け側ステージ8aの位置には、次の接着剤塗布対象となる成形天井を載置するための移動領域、即ち、図3ではアタッチメントブロック35と36との間の区間として示されている移動領域が移動してきているので、接着剤の塗布作業が完了した成形天井7bが払い出し側ステージ8bから取り出されるのを待つことなく、アタッチメントブロック35と36との間の移動領域によって形成される新たな荷受け側ステージ8aに次の接着剤塗布対象となる成形天井を載置することができる。
また、X軸の現在位置記憶レジスタの値は前述したステップs22の処理が終了した段階、つまり、1サイクルパルスに相当する分の送りが完了した段階で0にリセットされるので、CPU52は、アタッチメントブロック35と36との間の移動領域が荷受け側ステージ8aを構成している現在の状態を次のサイクルにおけるX軸の機械原点として認識することになり、これで、接着剤塗布装置1に関連した全ての環境が初期状態に復帰して、次のサイクルの接着剤塗布作業の開始が可能となる。
【0054】
ステップs22の処理を終えたCPU52は再びステップs1の判別処理に移行するが、この段階では既に選択完了フラグFがセットされている。従って、アタッチメントブロック35と36との間の移動領域で構成された新たな荷受け側ステージ8aに次の成形天井を載置し、払い出し側ステージ8bから接着剤塗布作業の完了した成形天井が取り出されたことを確認した後、再び起動スイッチを操作すれば、前記と同様にして1サイクルの処理が繰り返し実行され、新たに持ち込まれた成形天井に前記と同様にして接着剤の塗布作業を施すことができる。
以下、同じ操作の繰り返しであるが、別の車種の成形天井に接着剤の塗布作業を行う場合には、再び車種名を選択してその車種に対応する接着剤塗布用動作プログラムを読み込ませる必要がある。
【0055】
前述した通り、払い出し側ステージ8bの高さは車両の高さに合わせて設定してあるので、接着剤を塗布されて重量の増加した成形天井7bを取り出して車両内に持ち込む作業も比較的容易であり、また、荷受け側ステージ8aの高さは相対的に低めに設定されているので、接着剤の塗布対象となる次の成形天井7aを持ち上げて載置する作業も容易に実施することができる。
【0056】
また、タイミングベルト27上に設けられた移動領域が1サイクル動作毎に成形天井搬送部2の荷受け側端部と払い出し側端部との間をサイクリックに移動して荷受け側ステージ8aと払い出し側ステージ8bを交互に形成するので、接着剤の塗布が完了した成形天井7bの取り出しを待つことなく接着剤塗布対象となる次の成形天井7aを装填することができ、作業効率の向上やサイクルタイムの短縮に役立つ。
【0057】
更に、搬送手段となるタイミングベルト27が接着剤塗布作業のための送り機構の一軸(X軸)を兼ねるので、単体のベルトコンベアと多関節型の産業用ロボット等とを組み合わせて接着剤の塗布作業を行うような場合に比べて設備投資のコストが軽減され、また、コンベアの移動軸とロボットの移動軸の方向性が重複して無駄になるようなこともない。
【0058】
不揮発性記憶手段55に様々な接着剤塗布用動作プログラムを保存しておき、所望する車種のプログラムを選択的にRAM54に読み込んで実行させることにより、成形天井の形状や車種の違い等に応じて接着剤の塗布パターンを任意に変更することができる。
【0059】
更に、単位時間当たりの接着剤の送出量を一定に保ち、駆動制御部6による3軸同時制御によってノズル12の相対移動速度(V)を調整することで接着剤のビード径(D)を調整するようにしているので、特別な接着剤供給ポンプを用意しなくても、従来公知の接着剤供給ポンプ5をそのまま利用して成形天井の材質の違いや接着剤の特性の違いに応じた接着剤塗布作業を実施することができる。
【0060】
また、例えば、図9(a)や図9(b)に示すように、成形天井の搬送方向を逆行させずに3軸同時制御で接着剤塗布作業を行うようにすれば、荷受け側ステージ8aから払い出し側ステージ8bへの成形天井の搬送と同時に接着剤の塗布作業を実施することができるので、単体のベルトコンベアで所定位置に対する成形天井の位置決めを行った後に改めて多関節型の産業用ロボット等で接着剤の塗布作業を独立して行わせるような場合に比べ、全体の作業時間を短縮することができる。
【0061】
なお、接着剤の塗布パターンは接着剤塗布用プログラムによって任意に設定することができるので、その塗布パターンは必ずしも図9(a)や図9(b)のようなものに限定する必要はなく、例えば、図4に格子状のハッチングで示すエンドエフェクタ4の動作可能範囲内で、成形天井の中心部から外周部に向けて、または、成形天井の外周部から中心部に向けて渦巻き状の経路に沿って塗布していくといったことも可能である。(この場合は、X軸方向の送りに逆行動作を含む)
【0062】
更に、接着剤としては湿気硬化型一液ウレタン接着剤を採用しているので、成形天井を車両のルーフに接着してから実用的な接着強度が得られるまでには30分前後の余裕があり、その間に落ち着いて成形天井の取り付けに関する位置決め作業を行ったり、また、接着に失敗したような場合には貼り直しのリトライ作業を実施することも可能である。
特に、この実施形態では、建築用外壁板の目地止め用接着剤から紫外線劣化防止用のカーボンを取り除いて生成された粘性の低い有彩白色状の湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いるようにしているので、例え、接着剤が食み出したような場合であっても商品価値が著しく損なわれるようなことはない。
【0063】
しかも、機械的な圧着力ではなく化学変化によって接着作業を行うものであるから、両面接着テープや感圧型接着剤を用いた場合のように力を入れて成形天井をルーフに押し付ける必要はなく、成形天井の接着作業を行う作業者の負担が大幅に軽減される。
【0064】
また、完全硬化後には十分な機械的強度と弾性および耐候性が確保されるのでルーフの全体的な剛性が強化され、更に、ルーフと成形天井との間を弾性をもって接着するので、雨水の衝突によるルーフの振動が軽減されて車両内の静粛性も高まる。
図10(a)および図10(b)に示すように、ルーフに当たる雨音のピーク値は1kHz周辺が最大である。湿気硬化型一液ウレタン接着剤で成形天井を接着した場合と両面接着テープで成形天井を接着した場合とを比較すると、最も耳障りな音が発生する1kHz付近の周波数で概ね1dB〜2dBの静粛性の改善が見られる。なお、実験では同種の車両を用い、降雨量が26mm/hの時のデータを図10(a)に、また、降雨量が32mm/hの時のデータを図10(b)にまとめた。
【0065】
【発明の効果】
本発明の成形天井用接着剤塗布装置によれば、成形天井を搬送する成形天井搬送手段が接着剤塗布動作のための一軸を兼ねるので、単体のベルトコンベアと多関節型の産業用ロボット等とを組み合わせて接着剤の塗布作業を行うような場合に比べて設備投資のコストが軽減され、しかも、塗布パターンの設定は自由に変更できる構成であるため、様々な形状の成形天井の接着剤塗布作業に対処することが可能となる
更に、成形天井を車両に持ち込むときの高さに合わせて払い出し側ステージを配備すると共に、それよりも低い位置に荷受け側ステージ配備するようにしたので、接着剤の塗布が完了した成形天井の車両内持ち込みが容易となって作業者の負担が軽減され、接着剤を塗布する成形天井を荷受け側ステージにセットする時の載置作業も楽になる
【0066】
また、荷受け側ステージと払い出し側ステージを兼ねる移動領域を成形天井搬送手段のベルト上に複数設け、この移動領域を 1 サイクル動作毎に荷受け側端部と払い出し側端部との間で移動させるようにしたので、接着剤の塗布が完了した成形天井を取り出さなくても接着剤塗布の対象となる次の成形天井を載置することができ、成形天井のセットや搬送および接着剤塗布に必要とされる全体的なサイクルタイムが短縮される
【0067】
特に、カーボンを含まない低粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いるため、反応型のホットメルト等を用いた場合と比べて接着剤の硬化時間に余裕があるので、成形天井をルーフに取り付ける際の位置決め作業や貼り直し作業を余裕をもって行うことができる。また、反応型のホットメルト等と違って接着剤の塗布や搬送および取り付け作業を短時間のうちに完了させる必要はなく、しかも、機械的な圧着力ではなく化学変化によって接着作業を行うものであるため、成形天井を強い力でルーフに圧着して接着力を得る必要はなく、作業者の負担が大幅に軽減される
また、温度や経年変化による接着性能の劣化がなく、完全硬化後には十分な機械的強度と弾性および耐候性が確保されるのでルーフの全体的な剛性が強化され、しかも、ルーフと成形天井との間を弾性をもって接着するので、雨水の衝突による騒音が軽減されて車両内の静粛性も向上する
また、水性接着剤を用いた場合のように段ボール基材に水分が染み込むこともないので、樹脂製の成形天井の他、段ボール基材の成形天井の接着にも適する
湿気硬化型一液ウレタン接着剤としては、特に、カーボンを含有しない低粘性のものを使用するようにしているので、接着剤の食み出し等が生じた場合であってもカーボン特有の黒い汚れが生じることはなく、製品価値の向上に役立つ
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の成形天井用接着剤塗布装置の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図2】同実施形態の成形天井用接着剤塗布装置の駆動制御部の要部を示すブロック図である。
【図3】同実施形態の成形天井用接着剤塗布装置を示す正面図である。
【図4】同実施形態の成形天井用接着剤塗布装置を示す平面図である。
【図5】同実施形態の成形天井用接着剤塗布装置を示す右側面図である。
【図6】同実施形態の成形天井用接着剤塗布装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】制御動作の一例を示すフローチャートの続きである。
【図8】制御動作の一例を示すフローチャートの続きである。
【図9】図9(a)は接着剤の塗布パターンの一例を示す概念図であり、図9(b)は接着剤塗布パターンの他の一例を示す概念図である。
【図10】図10(a)は湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いて成形天井を接着した場合と両面接着テープを用いて成形天井を接着した場合との雨音の大きさの違いを示す実験データであり、図10(b)は湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いて成形天井を接着した場合と両面接着テープを用いて成形天井を接着した場合との雨音の大きさの違いを他の周波数について示す実験データである。
【符号の説明】
1 成形天井用接着剤塗布装置
2 成形天井搬送部(成形天井搬送手段)
3 走行子
4 エンドエフェクタ
5 接着剤供給ポンプ
6 駆動制御部(駆動制御手段)
7a,7b 成形天井
8a 荷受け側ステージ
8b 払い出し側ステージ
9 支持架
10 水平送り装置
11 昇降装置
12 接着剤塗布用ノズル
13a,13b ドラム缶
14a,14b シリンダ型ポンプ
15a,15b 供給ホース
16 高圧液用減圧弁
17 接続ホース
18a,18b,18c,18d パイプ部材
19b,19d ストリンガー
20a,20b,20c,20d リンフォースメント
21 基台
22a,22b ステー
23 駆動シャフト
24 駆動プーリ
25a,25b ステー
26 従動プーリ
27 タイミングベルト
28 サーボモータ側スプロケット
29 従動側スプロケット
30 チェーン
31,32,33,34,35,36 アタッチメントブロック
37 不揮発性RAM
38 補助ステー
39,40,41 センターポール
42 安全柵
43 安全柵
44,45 ステー
46,47 ベルトカバー
48 ステー
49 サーボ回路
50 サーボ回路
51 サーボ回路
52 CPU
53 ROM
54 RAM
55 ハードディスク(不揮発性記憶手段)
56 バス
57 入出力回路
58 制御卓
Mx サーボモータ(X軸)
My サーボモータ(Y軸)
Mz サーボモータ(Z軸)
Px パルスコーダ(X軸)
Py パルスコーダ(Y軸)
Pz パルスコーダ(Z軸)
A 荷受けステージ側載置物検出センサ
B 払い出しステージ側載置物検出センサ

Claims (3)

  1. 接着剤の塗布対象となる成形天井を載置するための荷受け側ステージと接着剤を塗布された成形天井を取り出すための払い出し側ステージとを両端に配備すると共に、前記払い出し側ステージは、成形天井を車両に持ち込むときの高さに合わせて配備する一方、前記荷受け側ステージは、払い出し側ステージの高さよりも低い位置に配備した成形天井搬送手段と、
    前記荷受け側ステージと払い出し側ステージとの間で前記成形天井搬送手段の上方に位置し、成形天井搬送手段の送り方向と直行する向きに水平移動する走行子と、
    前記走行子に対して上下移動可能に取り付けられた接着剤塗布用ノズルを有するエンドエフェクタと、
    前記エンドエフェクタに接着剤を供給するための接着剤供給ポンプと、
    前記荷受け側ステージから接着剤塗布開始位置への成形天井の搬送動作制御、および、前記成形天井搬送手段と走行子とエンドエフェクタの3軸同時制御による接着剤塗布動作の制御を設定された塗布パターンに従って実施する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする成形天井用接着剤塗布装置。
  2. 接着剤の塗布対象となる成形天井を載置するための荷受け側ステージと接着剤を塗布された成形天井を取り出すための払い出し側ステージとを両端に配備し、前記荷受け側ステージと払い出し側ステージとを兼ねる移動領域がベルト式の成形天井搬送手段のベルト上に送り方向に沿って複数形成され、1方向に動作する前記成形天井搬送手段の1サイクル動作毎に、前記移動領域が成形天井搬送手段の荷受け側端部と払い出し側端部との間をサイクリックに移動するように構成した成形天井搬送手段と、
    前記荷受け側ステージと払い出し側ステージとの間で前記成形天井搬送手段の上方に位置し、成形天井搬送手段の送り方向と直行する向きに水平移動する走行子と、
    前記走行子に対して上下移動可能に取り付けられた接着剤塗布用ノズルを有するエンドエフェクタと、
    前記エンドエフェクタに接着剤を供給するための接着剤供給ポンプと、
    前記荷受け側ステージから接着剤塗布開始位置への成形天井の搬送動作制御、および、前記成形天井搬送手段と走行子とエンドエフェクタの3軸同時制御による接着剤塗布動作の制御を設定された塗布パターンに従って実施する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする成形天井用接着剤塗布装置。
  3. 前記エンドエフェクタに供給されて成形天井に塗布される接着剤は、カーボンを含まない低粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形天井用接着剤塗布装置
JP00647999A 1999-01-13 1999-01-13 成形天井用接着剤塗布装置 Expired - Fee Related JP3873499B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00647999A JP3873499B2 (ja) 1999-01-13 1999-01-13 成形天井用接着剤塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00647999A JP3873499B2 (ja) 1999-01-13 1999-01-13 成形天井用接着剤塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000203473A JP2000203473A (ja) 2000-07-25
JP3873499B2 true JP3873499B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=11639621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00647999A Expired - Fee Related JP3873499B2 (ja) 1999-01-13 1999-01-13 成形天井用接着剤塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3873499B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5572047B2 (ja) * 2010-09-21 2014-08-13 ダイハツ工業株式会社 成形天井材用接着剤塗布装置
JP5782012B2 (ja) * 2012-11-14 2015-09-24 日精樹脂工業株式会社 液状樹脂成形装置
KR102192224B1 (ko) * 2020-07-14 2020-12-17 피알씨(주) 밀폐용기 덮개의 실링재 자동주입장치
CN115121442B (zh) * 2022-07-20 2024-04-19 台州智锐机械制造有限公司 一种卡车顶棚用的热压胶合设备

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5628062A (en) * 1979-08-15 1981-03-19 Mazda Motor Corp Applying device for adhesive for protector lace of automobile
JPS57165057A (en) * 1981-04-06 1982-10-09 Nippon Ranzubaagu Kk Coating method and apparatus therefor
JPS592970A (ja) * 1982-06-26 1984-01-09 Nissan Motor Co Ltd 自動車ル−フ構造
JPS6118580A (ja) * 1984-07-05 1986-01-27 Nissan Motor Co Ltd 自動車用ウインドパネルの取付方法
JPH075056B2 (ja) * 1984-09-07 1995-01-25 富士重工業株式会社 自動車のルーフトリム自動貼着装置
JPH0448957A (ja) * 1990-06-14 1992-02-18 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 接着剤の塗布装置及び方法
JPH06321147A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Toyota Motor Corp 自動車用成形天井仮付け装置
JP3427277B2 (ja) * 1995-03-09 2003-07-14 コニシ株式会社 一液弾性湿気硬化型液状ポリウレタン系接着剤
JPH1036481A (ja) * 1996-07-23 1998-02-10 Dainippon Ink & Chem Inc 一液湿気硬化型ウレタン組成物及び接着剤
JPH10235257A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Daiwa House Ind Co Ltd 接着剤自動塗布装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000203473A (ja) 2000-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1258407A (en) Process and apparatus for application of a curable material to an article
EP0075754B1 (en) Process for mutually fixing vehicle body elements, and body obtained by said process
JP3873499B2 (ja) 成形天井用接着剤塗布装置
JP2001212496A (ja) 塗装膜保護用コーティングシステム
CN111002597A (zh) 天窗框包边装置
CN112644042A (zh) 一种用于制造自封轮胎或静音轮胎的生产线系统及其生产方法
CN111604191A (zh) 一种用于汽车配件的喷漆装置及其工作方法
CA2005423A1 (en) Method and system for applying a painted border around a windshield plate
JP3403605B2 (ja) 部材接着方法及び部材接着装置
JPH1015456A (ja) 塗布ノズル
JPH0373232A (ja) 接着剤が過度に硬化したガラス窓パネルの車体への装着を防ぐ方法及びその装置
JP2008000668A (ja) 接着剤の塗布・乾燥方法並びに塗布・乾燥装置
JPH0524563A (ja) 自動車の組立方法
JPS60261722A (ja) 窓への窓ガラスの接着取付
CN108057581B (zh) 涂胶设备及其喷头组件、涂胶方法
JP3079907B2 (ja) 車体の組立方法および組立装置
US20060099334A1 (en) Apparatus and method for applying a coating to a windshield
KR100853394B1 (ko) 패널의 스킨 보강방법 및 장치
JPS6118580A (ja) 自動車用ウインドパネルの取付方法
CN217807295U (zh) 一种顶篷上料系统用全自动辅助上料机构
CN213477559U (zh) 一种整体卫浴美缝剂涂胶模组
CN117208646A (zh) 一种胶带自动粘接设备及方法
JPH0659852B2 (ja) 複数種の車体モデルの組付け方法
JPH07106347A (ja) 半導体装置の製造装置
JPH05330334A (ja) 合成樹脂枠体付き窓硝子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061016

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees