JP2000203473A - 成形天井接着方法および成形天井用接着剤塗布装置 - Google Patents
成形天井接着方法および成形天井用接着剤塗布装置Info
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Abstract
必要とせず、また、接着時の位置決め作業や貼り直し作
業も容易に行うことができ、様々な材質の成形天井の接
着に適用することのできる成形天井接着方法を提供する
こと。 【解決手段】 カーボンを含まない低粘性の湿気硬化型
一液ウレタン接着剤を用いて成形天井をルーフに接着す
る。接着剤の硬化時間に余裕があるので、成形天井をル
ーフに取り付ける際の位置決め作業や貼り直し作業を余
裕をもって行うことができ、また、被接着物に水分が染
み込むこともないので段ボール基材の成形天井にも適す
る。更に、低粘性の接着剤を用いているので接着剤塗布
装置を用いてビード径を細くした状態で塗布作業を行っ
ている場合でもビードの破断等の問題を招くことなく、
安定した塗布作業を実施することができる。
Description
ルーフに接着するための成形天井接着方法、および、専
らその工程で利用される成形天井用接着剤塗布装置の改
良に関する。
け方法としては、化粧用表皮付きの発泡材をルーフの内
側に感圧型接着剤を用いて直に貼りつける貼り天井方式
と、ルーフの内側に予め静音材を取り付けてから化粧表
皮を針金で吊って取り付ける吊り天井方式、更に、ルー
フ形状に合わせて形成された樹脂製または段ボール基材
の成形天井を感圧型接着剤や両面接着テープ等を用いて
ルーフに取り付ける成形天井方式が知られている。
の場合は、雨音等の遮音性が低いために室内の静粛性に
問題がある。また、吊り天井方式の場合は、天井を構成
する静音材や化粧表皮および針金等のために天井が全体
的に厚くなってしまうので、ヘッドクリアランスや居住
性の点で問題が生じることが多い。従って、昨今では、
タクシーやトラック等の一部の車両を除き、成形天井が
利用されるのが一般的である。
圧型接着剤や両面接着テープ等を用いて接着作業が行わ
れているが、実際には、これらの接着手段に加えて固定
用の樹脂クリップを併用したり、または、ルームミラー
や室内灯等を始めとするインテリアで成形天井をルーフ
に共締めして固定する場合が多く、感圧型接着剤や両面
接着テープ等の使用目的は、成形天井の固定というよ
り、専ら、ルーフと成形天井との密着性の確保、要する
に、成形天井をルーフに密着させて雨音の反響等を吸収
するために利用されている。
接着剤や両面接着テープ等が用いられているが、両面接
着テープは耐候性の点で問題があるため、夏場に100℃
を越すようなルーフと成形天井との接着に用いた場合、
長期間に渡って安定した接着状態を確保することは困難
である。更に、成形天井の各部を強い力で万遍なくルー
フに圧着してやらないと適切な接着状態が得られないの
で、接着作業を行う作業者の疲労が著しい。また、その
反面、成形天井をルーフに圧着した瞬間に強力な接着力
が発生するので、成形天井の位置決めに失敗すると貼り
直しが効かなくなるといった欠点もある。
反応型のホットメルト(高粘度粘着剤を高温で軟化させ
たもの)を接着剤として成形天井を接着する方法が提案
されている。このホットメルトは耐候性の点では優れて
いるものの、1分〜2分といった極く短い時間で硬化して
しまうため、成形天井への接着剤の塗布作業と車両への
持ち込み、および、実際の接着作業を極めて短時間で行
う必要が生じ、これらの作業を短時間で行うための大掛
かりな周辺設備が必要となり、製造コスト等の点で問題
が残る。また、接着作業時における成形天井の位置決め
作業も時間を掛けて正確に行うことはできず、成形天井
の貼り直しも困難である。
性接着剤を利用する方法が提案されているが、段ボール
基材の成形天井に対してこの方法を適用した場合、段ボ
ール基材に水分が染み込んでシミ等の原因となり、商品
価値に問題を生じる場合がある。また、段ボール基材が
接着剤から急激に水分を吸湿する結果、接着剤の特性に
変化が生じ、接着強度の不足といった問題が発生する場
合もある。また、一部では湿気硬化型一液ウレタン接着
剤を用いて成形天井をルーフに接着する方法も試みられ
てはいるが、紫外線劣化防止のためのカーボンを含有し
たガラス接着用の高粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着
剤を用いているため、接着個所の周辺にカーボン特有の
黒色の汚れが生じ易く、また、粘性が高いために塗布作
業が困難化する等の問題があった。
の装置としては、特開平9-52066号に開示されるよう
に、多関節型のマニプレータの先端にブラシを装備した
ものが提案されている。しかし、この装置は筆塗り技術
を応用したものであるため、粘性の高い接着剤には向か
ず、また、接着剤等の塗布量を調整することもできな
い。
の欠点を解消し、成形天井の接着に際して力の要る圧着
作業を必要とせず、また、接着時の位置決め作業や貼り
直し作業も容易に行うことができて、耐候性にも優れ、
樹脂製および段ボール基材等の様々な材質の成形天井の
接着にも適用することができ、接着個所周辺部の汚れも
目立たず作業性に優れた成形天井接着方法および成形天
井用接着剤塗布装置を提供することにある。
の外面にカーボンを含まない低粘性の湿気硬化型一液ウ
レタン接着剤を塗布しておき、この成形天井を車両に持
ち込んでルーフの裏側に押し当てて接着作業を行うこと
によって前記目的を達成した。湿気硬化型一液ウレタン
接着剤は実用的な接着強度が得られるまでに30分前後の
硬化時間が必要とされるので、この間に成形天井の位置
決め作業や貼り直し作業を余裕をもって行うことができ
る。しかも、機械的な圧着力ではなく化学変化によって
接着作業を行うものであるため、両面接着テープや感圧
型接着剤とは違って力を入れて接着面の圧着作業を行う
必要がない。また、完全硬化後には十分な機械的強度と
弾性および耐候性が確保されるのでルーフの全体的な剛
性が強化される。更に、ルーフと成形天井との間を弾性
をもって接着するので、雨水の衝突によるルーフの振動
が軽減されて車両内の静粛性も高まり、経年変化による
剥離現象も生じにくい。
化型一液ウレタン接着剤を採用しているので、接着剤自
体の色は有彩白色状であって接着個所の周辺に汚れを生
じることがなく、また、接着剤の粘性が低いためにその
塗布作業も容易である。
接着剤を塗布するため手段として、接着剤の塗布対象と
なる成形天井を載置するための荷受け側ステージと接着
剤を塗布された成形天井を取り出すための払い出し側ス
テージとを両端に配備した成形天井搬送手段と、前記荷
受け側ステージと払い出し側ステージとの間で前記成形
天井搬送手段の上方に位置して成形天井搬送手段の送り
方向と直行する向きに水平移動する走行子と、前記走行
子に対して上下移動可能に取り付けられた接着剤塗布用
ノズルを有するエンドエフェクタと、前記エンドエフェ
クタに湿気硬化型一液ウレタン接着剤を供給するための
接着剤供給ポンプと、前記荷受け側ステージから接着剤
塗布開始位置への成形天井の搬送動作制御、および、前
記成形天井搬送手段と走行子とエンドエフェクタの3軸
同時制御による接着剤塗布動作の制御を設定された塗布
パターンに従って実施する駆動制御手段とを備えた成形
天井用接着剤塗布装置を提案する。この構成によれば、
成形天井を搬送する成形天井搬送手段が接着剤塗布動作
のための一軸を兼ねるので、単体のベルトコンベアと多
関節型の産業用ロボット等とを組み合わせて接着剤の塗
布作業を行うような場合に比べて設備投資のコストが軽
減される。また、塗布パターンの設定を変更することに
よって様々な形状の成形天井の接着剤塗布作業に対処す
ることが可能となる。
ズルからの接着剤の送出量を一定に保ち、前記駆動制御
手段による3軸制御で成形天井に対するエンドエフェク
タの相対移動速度を調整することによって接着剤の塗布
量、即ち、接着剤のビード径を調整するようにしたの
で、特別な接着剤供給ポンプを用意しなくても、樹脂製
や段ボール基剤等の材質の違いや成形天井の種別の違い
等に応じて接着剤の塗布量を最適化することができる。
特に、粘性の低い湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用い
ているため、成形天井に対するエンドエフェクタの相対
移動速度を高速化した場合であってもノズルから吐出さ
れる接着剤が不用意に破断したりすることがなく、安定
したビード径で塗布作業を実施することが可能となる。
ジから払い出し側ステージに向けて一方向に移動させな
がら3軸同時制御で接着剤塗布作業を行うので、荷受け
側ステージから払い出し側ステージへの成形天井の搬送
と接着剤の塗布作業とを同時に実施することができ、単
体のベルトコンベアと多関節型の産業用ロボット等とを
組み合わせて搬送動作と接着剤の塗布作業とを独立して
行わせるような場合に比べ、全体の作業時間、つまり、
接着剤の塗布作業に必要とされる実質的な所要時間が短
縮化される。
さに合わせて払い出し側ステージを配備し、荷受け側ス
テージは、払い出し側ステージの高さよりも低い位置に
配備するようにしたので、接着剤の塗布が完了した成形
天井の車両内持ち込みが容易となって作業者の負担が軽
減されると共に、接着剤を塗布する成形天井を荷受け側
ステージにセットする時の持ち上げ作業も楽になる。そ
して、払い出し側ステージと荷受け側ステージの高さを
変えた結果、成形天井搬送手段,走行子,エンドエフェク
タの3つの移動要素の内、最も移動ストロークの大きな
成形天井搬送手段が床面に対して傾斜して配備されるか
たちとなって、成形天井用接着剤塗布装置の設置面積の
狭小化と作業現場のスペースの有効利用が達成される。
方向に沿って、そのベルト上に荷受け側ステージと払い
出し側ステージを兼ねる移動領域を複数設け、この移動
領域が成形天井搬送手段の1サイクル動作毎に荷受け側
端部と払い出し側端部との間をサイクリックに移動する
ように構成したので、接着剤の塗布が完了した成形天井
を取り出さなくても接着剤塗布の対象となる次の成形天
井を載置することができるようになり、作業効率の向上
やサイクルタイムの短縮が実現される。
実施形態について説明する。図1は本発明を適用した一
実施形態の成形天井用接着剤塗布装置1(以下、単に接着
剤塗布装置という)の構成を簡略化して示す斜視図、ま
た、図3,図4,図5の各々は、接着剤塗布装置1の実際の形
状を示す正面図,平面図,右側面図である。図1では接着
剤塗布装置1の各部を機能的に分類して概略を示してい
るので、細部の形状に関しては必ずしも図3〜図5とは一
致しない。
ルト式の搬送手段によって構成される成形天井搬送部2
と、成形天井搬送部2の上方に位置して成形天井搬送部2
の送り方向と直行する向きに水平移動する走行子3、お
よび、走行子3に対して上下移動可能に取り付けられた
エンドエフェクタ4と、エンドエフェクタ4に湿気硬化型
一液ウレタン接着剤を供給するための接着剤供給ポンプ
5、ならびに、図2に概略を示す駆動制御部6を備える。
左端側は接着剤の塗布対象となる成形天井7aを載置する
ための荷受け側ステージ8aとして使用され、成形天井搬
送部2の右端側は、接着剤を塗布された成形天井7bを取
り出すための払い出し側ステージ8bとして使用される。
部2を跨ぐようにして配備されたアーチ型の支持架9の上
に固設された水平送り装置10の内部に設けられたサーボ
モータMyやボールナット&スクリュー等のリニア送り機
構によって成形天井搬送部2の送り方向と直行する向き
(Y軸方向)に送りを掛けられるようになっている。更
に、走行子3には、接着剤塗布用ノズル12を有するエン
ドエフェクタ4を上下移動させるための昇降装置11が一
体的に固設され、その内部に設けられたサーボモータMz
やボールナット&スクリュー等のリニア送り機構によっ
てエンドエフェクタ4に対して上下方向(Z軸方向)の送り
を掛けるようになっている。
着剤供給ポンプ5は、図1に示すように、エアシリンダを
利用してドラム缶13a,13bから接着剤の汲み上げ作業を
行う2基のシリンダ型ポンプ14a,14bによって構成され
る。また、片方のドラム缶の接着剤が空になった場合に
は自動的に他方のシリンダ型ポンプを作動させ、接着剤
の供給作業を停止することなく、空になった側のドラム
缶を新しいものに交換できるようになっている。ドラム
缶13a,13bに貯溜されているのは、カーボンを含有しな
い低粘性の湿気硬化型一液ウレタン接着剤、例えば、建
築用外壁板の目地止め用接着剤から紫外線劣化防止用の
カーボンを取り除いて生成された有彩白色状の湿気硬化
型一液ウレタン接着剤等である。シリンダ型ポンプ14a
または14bから送出された接着剤は、供給ホース15aまた
は15bを介して高圧液用減圧弁16に送られ、ピストンの
往復動作に伴う圧力変動を高圧液用減圧弁16で平滑化さ
れた後、接続ホース17を経由して略一定の圧力でエンド
エフェクタ4に送られ、エンドエフェクタ4のノズル12か
ら吐出される。従って、接着剤供給ポンプ5の作動時に
ノズル12から送出される接着剤の単位時間当たりの吐出
量(W)は一定である。
際には、図3〜図5に示すように、基台21の四隅の支柱を
構成する矩形断面状のパイプ部材18a,18b,18c,18dと、
これらのパイプ部材18a,18b,18c,18dを接合するストリ
ンガー19b,19d(図3参照)ならびにリンフォースメント20
a,20b,20c,20d(図5参照)によって構成される。
図4に示すように、パイプ部材18b,18cの上端部にステー
22a,22bを介して回転自在に取り付けられた駆動シャフ
ト23と、その両端に固着された駆動プーリ24,24、およ
び、パイプ部材18a,18dの上端部にステー25a,25bを介し
て回転自在に取り付けられた従動プーリ26,26と、駆動
プーリ24,24と従動プーリ26,26との間に巻回されたタイ
ミングベルト27,27によって構成される。そして、実質
的な搬送手段を構成するタイミングベルト27,27は、リ
ンフォースメント20a上に固設されたサーボモータMxに
より、サーボモータ側スプロケット28とチェーン30、お
よび、駆動シャフト23に固着された従動側スプロケット
29と駆動シャフト23を介して回転駆動され、タイミング
ベルト27,27上に両端を載せるようにして載置された成
形天井7aに、荷受け側ステージ8aから払い出し側ステー
ジ8bに向かう方向(X軸方向)の送りを掛ける。
出しステージ8bの側を支えるパイプ部材18b,18cの長さ
は、成形天井7bの取り出し作業と成形天井7bの車両内持
ち込み作業とを容易化するために車両の高さに合わせて
長めに設計される一方、荷受けステージ8aの側を支える
パイプ部材18a,18dの長さは、荷受けステージ8aに対す
る成形天井7aの載置作業を容易化するためにパイプ部材
18b,18cに比べて短めに設計され、タイミングベルト27,
27は、図3に示すように、荷受けステージ8aから払い出
しステージ8bに向けて登り勾配の斜面を描いている。
は、その上に載置される成形天井7a,7bの位置決めと位
置ずれ防止のためのアタッチメントブロック31〜36が所
定の間隔で取り付けられている。アタッチメントブロッ
ク31〜36の取り付け位置は成形天井7a,7bの横幅に合わ
せて任意に調整することができるが、図3の例では、ア
タッチメントブロック31と32との間、アタッチメントブ
ロック33と34との間、および、アタッチメントブロック
35と36との間に横幅(W1)の成形天井7a,7bを載置する場
合について示している。そして、アタッチメントブロッ
ク31と32との間の幅W1の領域、アタッチメントブロック
33と34との間の幅W1の領域、および、アタッチメントブ
ロック35と36との間の幅W1の領域は、荷受け側ステージ
8aおよび払い出し側ステージ8bとなる領域を交互に形成
するする移動領域であり、また、アタッチメントブロッ
ク32と33との間の幅W2の領域、アタッチメントブロック
34と35との間の幅W2の領域、および、アタッチメントブ
ロック36と31との間の幅W2の領域は、成形天井7a,7bの
載置を禁止したデッドスペースである。
に示されるような位置にあるアタッチメントブロック31
が図3に示されるアタッチメントブロック33の位置まで
移動するときの移動量、要するに、W1+W2に相当するタ
イミングベルト27,27の回転量として規定され、それに
対応するサーボモータMxの回転パルスの値(以下、1サイ
クルパルスという)が駆動制御部6の不揮発性RAM37に記
憶されている。図3から明らかなように、この実施形態
に限定して言えば、タイミングベルト27の1回転は成形
天井搬送部2の3サイクル動作に相当することになる。つ
まり、成形天井搬送部2の1サイクル動作によって、図3
の状態で荷受け側ステージ8aとなっているアタッチメン
トブロック31と32との間の幅W1の移動領域が図3におけ
るアタッチメントブロック33と34との間の位置に移動し
て新たな払い出し側ステージ8bとなり、同時に、図3の
状態でアタッチメントブロック35と36との間に位置する
幅W1の移動領域が図3におけるアタッチメントブロック3
1と32との間の位置まで移動して新たな荷受け側ステー
ジ8aとなるのであって、このような繰り返し動作により
前述した各々の移動領域が成形天井搬送部2の両端をサ
イクリックに移動して、交互に荷受け側ステージ8aもし
くは払い出し側ステージ8bとしての役割を担うのであ
る。
り、成形天井搬送部2の全長は2つの移動領域に1つのデ
ッドスペースを加えた長さ(2・W1+W2)よりも短く設計さ
れており、払い出し側ステージ8bの横幅が荷受け側ステ
ージ8bの横幅に比べて僅かに不足するので、この不足分
を補って成形天井7bを保持するための補助ステー38,38
を成形天井搬送部2の右端に臨ませて設けている。補助
ステー38,38はタイミングベルト27,27と概ね同一平面上
に配備されているが、アタッチメントブロック31と32と
の間、アタッチメントブロック33と34との間、および、
アタッチメントブロック35と36との間のタイミングベル
ト27上には、各々にセンターポール39,40,41が立設され
ており、タイミングベルト27の送り動作によってアタッ
チメントブロック32,34,36が成形天井搬送部2の裏側に
回って成形天井7a,7bの右端部から離脱した後も、これ
らのセンターポール39,40,41によって成形天井7a,7bが
支えられるようになっているので、成形天井搬送部2か
ら補助ステー38,38へ成形天井7a,7bを引き渡す際に成形
天井7a,7bの端部が成形天井搬送部2と補助ステー38,38
との間のギャップに引っ掛かるような問題は生じない。
図3では、アタッチメントブロック34が成形天井搬送部2
の裏側に回って成形天井7bの右端部から離間した状態で
成形天井7bがアタッチメントブロック33とセンターポー
ル40で支えられている様子を示している。
27の外側面には、パイプ部材18bの上端部とパイプ部材1
8aの上端部とを結ぶようにして配備されたベルトカバー
46と、パイプ部材18cの上端部とパイプ部材18dの上端部
とを結ぶようにして配備されたベルトカバー47が設けら
れ、タイミングベルト27,27の横ぶれを防止するように
なっている。
の回転部に人身や異物が巻き込まれるのを防止するため
のシュルツェン状の安全柵42,43が、複数のステー44,4
5,48を介して取り付けられている。図5に示すように、
ステー44,45は安全柵42,43を成形天井搬送部2の側面に
固定するためのものであり、また、ステー48,48は、接
着剤塗布装置1の上方に搬送方向と直行して位置し、両
側の安全柵42,43の上端部を直に接続している。
片側のタイミングベルト27のベルトカバー47の側面とを
利用して、図4に示されるような荷受けステージ側載置
物検出センサAと払い出しステージ側載置物検出センサB
が取り付けられている。荷受けステージ側載置物検出セ
ンサAは、一方のステー48に取り付けられた発光部A1と
ベルトカバー47に取り付けられた受光部A2とによって構
成されたダークON型の光学センサであり、また、払い出
しステージ側載置物検出センサBは、他方のステー48に
取り付けられた発光部B1とベルトカバー47に取り付けら
れた受光部B2とによって構成されたダークON型の光学セ
ンサである。荷受けステージ側載置物検出センサAの検
出光路を二点鎖線L1、また、払い出しステージ側載置物
検出センサBの検出光路を二点鎖線L2として図3に示す。
いずれのセンサもこれらの光路が載置物で遮られた状態
でONとなる。
部を示すブロック図である。前述したX,Y,Z各軸のサー
ボモータMx,My,Mzには各々に固有のパルスコーダPx,Py,
Pzが配備され、夫々のサーボ回路49,50,51を介して駆動
制御部6のCPU52によって駆動制御されるようになってい
る。
ラムが収められ、不揮発性RAM37には前述した1サイクル
パルスの値、要するに、サーボモータMxを駆動して成形
天井搬送部2に1サイクルの動作を実施させた時にパルス
コーダPxが出力するパルス数と同じ値が記憶されてい
る。RAM54は演算処理用、また、不揮発性記憶手段55は
車種の種別に応じて作成された接着剤塗布用の動作プロ
グラムを記憶するためのもので、ハードディスクドライ
ブ等で構成されている。
サAと払い出しステージ側載置物検出センサBは入出力回
路57およびバス56を介してCPU52に接続され、また、接
着剤供給ポンプ5は、バス56および入出力回路57を介し
てCPU52によってON/0FF制御されるようになっている。
めのオペレーションスイッチ等を実装したマン・マシン
・インターフェイスであり、起動スイッチおよび終了ス
イッチの他に、車種の種別に応じた動作プログラムを指
定するための選択スイッチやLCD等からなる簡易表示器
を備える。制御卓58からの操作信号や選択信号は入出力
回路57を介してCPU52に送られ、また、CPU52から制御卓
58にはデータ表示用の信号等が送られる。
剤塗布装置1の制御動作の一例を示すフローチャートで
あり、以下、これらの図面を参照して接着剤の塗布作業
に関連した処理動作について説明する。
ず、制御卓58から車種指定信号が入力されているか否
か、終了スイッチが操作されているか否か、および、選
択完了フラグF1がセットされているか否かを判別するが
(ステップs1〜ステップs3)、作業者による制御卓58の操
作が行われない限りステップs1およびステップs2の判別
結果は偽となり、また、選択完了フラグF1は前回の作業
終了時にリセットされているので(ステップS9参照)、電
源投入直後のこの段階においてはステップs1〜ステップ
s3の判別結果は全て偽となって、CPU52は、これらの判
別処理を繰り返し実行しながら作業者による制御卓58の
操作を待つ待機状態に入る。
を操作し、接着剤の塗布対象となる成形天井7aに対応し
た車種名を指定することになる。
イッチの操作を検出したCPU52は、作業者によって指定
された車種に対応する接着剤塗布用の動作プログラムを
不揮発性記憶手段55からRAM54に読み込むと共に、指定
された車種の名称を制御卓58の表示器に表示して選択完
了フラグをセットする(ステップs10〜ステップs12)。
井7aに対するエンドエフェクタ4の相対的な移動経路、
要するに、接着剤を塗布する経路を記憶したものであ
り、その相対的な移動経路は車種によって異なる。ま
た、各車種の接着剤塗布用動作プログラムには、接着剤
の塗布を開始するアプローチポイントの位置情報(Xs,Y
s,Zs)と接着剤のビード径(D)の情報が含まれる。
ラグF1がセットされる結果、次周期以降の処理では、ス
テップs1〜ステップs3の判別処理に加え、更に、作業者
による起動スイッチの操作を検出するためのステップs4
の判別処理が実行されることになる。
れば、そのままステップs1〜ステップs4の判別処理が繰
り返し実行されるので、もし、作業者が車種名の選択操
作を誤ったような場合には、再び制御卓58を用いて車種
名の選択作業を実施することによりステップs10〜ステ
ップs12の処理をCPU52に実行させ、改めて別の車種の接
着剤塗布用動作プログラムを読み込ませることが可能で
ある。また、選択した接着剤塗布用動作プログラムに対
応する車種名が制御卓58の表示器に表示されるので、操
作の誤りを発見することも容易である。
を操作すると、CPU52はステップs4の判別処理でこの操
作を検出し、払い出しステージ側載置物検出センサBが0
Nになっているか否か(ステップs5)、および、荷受けス
テージ側載置物検出センサAがONになっているか否かを
判別する(ステップs6)。
Nになっている場合には、払い出しステージ8bから接着
剤の塗布作業が完了した成形天井7bが取り除かれていな
いことを意味し、また、荷受けステージ側載置物検出セ
ンサAがOFFになっている場合には、次の接着剤塗布対象
となる成形天井7aが荷受けステージ8aにセットされてい
ないことを意味する。従って、ステップs5の判別結果が
真となった場合、または、ステップs6の判別結果が偽と
なった場合には、CPU52は、次の成形天井に対する接着
剤の塗布作業の開始を見合わせ、再びステップs1の処理
に戻ってステップs1〜ステップs4の判別処理を繰り返し
実行し、接着剤の塗布作業が完了した成形天井7bが払い
出しステージ8bから取り除かれ、かつ、次の接着剤塗布
対象となる成形天井7aが荷受けステージ8aに積み込まれ
た状態で作業者が再び起動スイッチを操作するまで待機
する。
テップs6の判別結果が偽となった場合にステップs5の処
理に戻って成形天井7aの積み込みや成形天井7bの取り出
しを待機することも可能だが、そうした場合にはステッ
プs4の判別処理が省略されるので、荷受けステージ側載
置物検出センサAと払い出しステージ側載置物検出Bの反
応のみに基づいて直ちに送り動作が開始されることにな
り、一定の危険が伴う。送り作業の開始は、飽くまで、
起動スイッチを操作する作業者の目視確認とセンサによ
る安全確認とを併用して実施すべきであるという立場か
ら、本実施形態では、このような方式は採用していな
い。この考え方によれば、ステップs5の判別結果が真ま
たはステップs6の判別結果が偽となった場合の戻り先
は、基本的に、ステップs1〜ステップs4の区間内の何処
でもよいのであるが、車種選択等に関する操作ミスを訂
正する機会を最後まで残すという意味で、ステップs1ま
で戻るようにしている。
7aの積み込みと接着剤塗布作業の完了した成形天井7bの
取り出しが確認された状態(図3の成形天井7bが存在しな
い状態)で作業者が起動スイッチを操作すると、CPU52
は、タイミングベルト27にX軸方向の送りを掛けるサー
ボモータMxと、走行子3を介してエンドエフェクタ4にY
軸方向の送りを掛けるサーボモータMy、および、エンド
エフェクタ4に上下方向の送りを掛けるサーボモータMz
に早送り指令を出力して、接着剤塗布用動作プログラム
で与えられたアプローチポイント(Xs,Ys,Zs)の位置まで
エンドエフェクタ4のノズル12の先端を移動させた後(ス
テップs7)、接着剤供給ポンプ5に動作開始指令を出力し
て接着剤の送給動作を開始させる(ステップs8)。
ラムから1ブロック分の移動経路を実行対象データとし
て読み込み(ステップs13)、X,Y,Zの各軸方向に対応する
移動量の割合、要するに、この移動経路の方向比a:b:c
を求めると共に、1ブロック分の移動量自体の値を分配
レジスタに記憶する(ステップs14)。
接着剤の量をW(一定値)、成形天井7aに対するノズル12
の相対移動速度をV(変数)、接着剤のビード径をD(接着
剤塗布用動作プログラムで与えられた値)とすれば、W=
(π/4)・D2・Vの関係式が成り立つので、結果的に、成
形天井7aに対するノズル12の相対移動速度Vの値を(4W)/
(πD2)と設定することによって所望するビード径Dを得
ることができる。つまり、W=(π/4)・D2・Vの式から明
らかなように、成形天井7aに対するノズル12の相対移動
速度Vの値を大きくすればビード径Dは小さくなり、ま
た、相対移動速度Vの値を小さくすればビード径Dは大き
くなるということであって、所望するビード径Dを得る
ためには相対移動速度Vの値を調整すればよいことにな
る。
要とされる各軸方向の移動速度Vx,Vy,Vzの各々は、前述
した1ブロック分の移動経路の方向比a:b:cによって求め
ることができ、更に、実際的な速度制御を行うために必
要とされる周期毎の移動指令である各軸方向の分配パル
スΔVx,ΔVy,ΔVzの値は、移動速度Vx,Vy,Vzとパルス分
配周期Δtとの関係から求めることができる。
単位時間当たりの接着剤の吐出量W、および、接着剤の
ビード径Dとパルス分配周期Δtの値に基づいてステップ
s15に示す演算式を実行し、接着剤塗布用動作プログラ
ムで与えられた1ブロック分の移動経路に沿ってV=(4W)/
(πD2)の相対速度でエンドエフェクタ4を移動させるた
めに必要とされるX,Y,Z各軸方向のパルス分配周期毎の
移動指令ΔVx,ΔVy,ΔVzを求める。
値、即ち、1ブロック分の経路の全長をセットした分配
レジスタの値が0になるまでの間、パルス分配周期Δt毎
に各軸のサーボモータMx,My,Mzに対して移動指令ΔVx,
ΔVy,ΔVzを出力し、その周期で出力した移動量を分配
レジスタから減算するといった処理を繰り返し実行し、
1ブロック分の移動経路に沿って相対移動速度Vを維持し
ながらノズル12の先端を移動させていく(ステップs16〜
ステップs19)。
ク分の移動経路に対するパルス分配処理が完了して分配
レジスタの値が0になったことがステップs19の判別処理
で確認されると、CPU52は、ステップs10の処理でRAM54
に読み込まれたプログラムを構成する全てのブロックに
対するパルス分配処理が完了しているか否か、要する
に、プログラムエンドに達しているか否かを判別し(ス
テップs20)、プログラムエンドに達していなければ、再
びステップs13の処理に戻って接着剤塗布用動作プログ
ラムから次の1ブロック分の経路を実行対象データとし
て読み込み、パルス分配に必要とされるステップs14お
よびステップs15の前処理を実施し、前記と同様にして
ステップs16〜ステップs19のパルス分配処理を実行す
る。
グラムの最後の1ブロックに対するパルス分配処理が完
了してステップs20の判別結果が偽となると、CPU52は接
着剤供給ポンプ5に動作終了指令を出力して接着剤の送
給動作を終了させ(ステップs21)、Y,Zの各軸をノズル12
の退避位置となるホームポジションに復帰させる。ま
た、X軸のサーボモータMxに対しては、不揮発性RAM37に
記憶された1サイクルパルスの値からX軸の現在位置記憶
レジスタの値を減算した値を移動指令として出力してタ
イミングベルト27の早送り動作を行わせてから、現在位
置記憶レジスタの値を0にリセットして1サイクルの処理
を終了する(ステップs22)。
して1サイクルパルスに相当する分の送りがX軸のサーボ
モータMxに掛けられ、タイミングベルト27は、ホームポ
ジションからアプローチポイントまでの早送り工程(ス
テップs7)と接着剤の塗布動作工程(ステップs13〜ステ
ップs20)、および、塗布作業完了後の早送り工程(ステ
ップs22)を含めて全体でW1+W2の距離、要するに1/3回転
だけ回転し、アプローチ動作開始時点で図3の31の位置
にあったアタッチメントブロックは図3の33の位置まで
移動して、動作開始時点で荷受け側ステージ8aに載置さ
れていた成形天井7aは接着剤の塗布作業を終えて図3の
成形天井7bの位置まで移動することになる。同時に、図
3に示される荷受け側ステージ8aの位置には、次の接着
剤塗布対象となる成形天井を載置するための移動領域、
即ち、図3ではアタッチメントブロック35と36との間の
区間として示されている移動領域が移動してきているの
で、接着剤の塗布作業が完了した成形天井7bが払い出し
側ステージ8bから取り出されるのを待つことなく、アタ
ッチメントブロック35と36との間の移動領域によって形
成される新たな荷受け側ステージ8aに次の接着剤塗布対
象となる成形天井を載置することができる。また、X軸
の現在位置記憶レジスタの値は前述したステップs22の
処理が終了した段階、つまり、1サイクルパルスに相当
する分の送りが完了した段階で0にリセットされるの
で、CPU52は、アタッチメントブロック35と36との間の
移動領域が荷受け側ステージ8aを構成している現在の状
態を次のサイクルにおけるX軸の機械原点として認識す
ることになり、これで、接着剤塗布装置1に関連した全
ての環境が初期状態に復帰して、次のサイクルの接着剤
塗布作業の開始が可能となる。
テップs1の判別処理に移行するが、この段階では既に選
択完了フラグFがセットされている。従って、アタッチ
メントブロック35と36との間の移動領域で構成された新
たな荷受け側ステージ8aに次の成形天井を載置し、払い
出し側ステージ8bから接着剤塗布作業の完了した成形天
井が取り出されたことを確認した後、再び起動スイッチ
を操作すれば、前記と同様にして1サイクルの処理が繰
り返し実行され、新たに持ち込まれた成形天井に前記と
同様にして接着剤の塗布作業を施すことができる。以
下、同じ操作の繰り返しであるが、別の車種の成形天井
に接着剤の塗布作業を行う場合には、再び車種名を選択
してその車種に対応する接着剤塗布用動作プログラムを
読み込ませる必要がある。
さは車両の高さに合わせて設定してあるので、接着剤を
塗布されて重量の増加した成形天井7bを取り出して車両
内に持ち込む作業も比較的容易であり、また、荷受け側
ステージ8aの高さは相対的に低めに設定されているの
で、接着剤の塗布対象となる次の成形天井7aを持ち上げ
て載置する作業も容易に実施することができる。
移動領域が1サイクル動作毎に成形天井搬送部2の荷受け
側端部と払い出し側端部との間をサイクリックに移動し
て荷受け側ステージ8aと払い出し側ステージ8bを交互に
形成するので、接着剤の塗布が完了した成形天井7bの取
り出しを待つことなく接着剤塗布対象となる次の成形天
井7aを装填することができ、作業効率の向上やサイクル
タイムの短縮に役立つ。
が接着剤塗布作業のための送り機構の一軸(X軸)を兼ね
るので、単体のベルトコンベアと多関節型の産業用ロボ
ット等とを組み合わせて接着剤の塗布作業を行うような
場合に比べて設備投資のコストが軽減され、また、コン
ベアの移動軸とロボットの移動軸の方向性が重複して無
駄になるようなこともない。
動作プログラムを保存しておき、所望する車種のプログ
ラムを選択的にRAM54に読み込んで実行させることによ
り、成形天井の形状や車種の違い等に応じて接着剤の塗
布パターンを任意に変更することができる。
一定に保ち、駆動制御部6による3軸同時制御によってノ
ズル12の相対移動速度(V)を調整することで接着剤のビ
ード径(D)を調整するようにしているので、特別な接着
剤供給ポンプを用意しなくても、従来公知の接着剤供給
ポンプ5をそのまま利用して成形天井の材質の違いや接
着剤の特性の違いに応じた接着剤塗布作業を実施するこ
とができる。
に、成形天井の搬送方向を逆行させずに3軸同時制御で
接着剤塗布作業を行うようにすれば、荷受け側ステージ
8aから払い出し側ステージ8bへの成形天井の搬送と同時
に接着剤の塗布作業を実施することができるので、単体
のベルトコンベアで所定位置に対する成形天井の位置決
めを行った後に改めて多関節型の産業用ロボット等で接
着剤の塗布作業を独立して行わせるような場合に比べ、
全体の作業時間を短縮することができる。
用プログラムによって任意に設定することができるの
で、その塗布パターンは必ずしも図9(a)や図9(b)のよう
なものに限定する必要はなく、例えば、図4に格子状の
ハッチングで示すエンドエフェクタ4の動作可能範囲内
で、成形天井の中心部から外周部に向けて、または、成
形天井の外周部から中心部に向けて渦巻き状の経路に沿
って塗布していくといったことも可能である。(この場
合は、X軸方向の送りに逆行動作を含む)
タン接着剤を採用しているので、成形天井を車両のルー
フに接着してから実用的な接着強度が得られるまでには
30分前後の余裕があり、その間に落ち着いて成形天井の
取り付けに関する位置決め作業を行ったり、また、接着
に失敗したような場合には貼り直しのリトライ作業を実
施することも可能である。特に、この実施形態では、建
築用外壁板の目地止め用接着剤から紫外線劣化防止用の
カーボンを取り除いて生成された粘性の低い有彩白色状
の湿気硬化型一液ウレタン接着剤を用いるようにしてい
るので、例え、接着剤が食み出したような場合であって
も商品価値が著しく損なわれるようなことはない。
によって接着作業を行うものであるから、両面接着テー
プや感圧型接着剤を用いた場合のように力を入れて成形
天井をルーフに押し付ける必要はなく、成形天井の接着
作業を行う作業者の負担が大幅に軽減される。
弾性および耐候性が確保されるのでルーフの全体的な剛
性が強化され、更に、ルーフと成形天井との間を弾性を
もって接着するので、雨水の衝突によるルーフの振動が
軽減されて車両内の静粛性も高まる。図10(a)および図1
0(b)に示すように、ルーフに当たる雨音のピーク値は1k
Hz周辺が最大である。湿気硬化型一液ウレタン接着剤で
成形天井を接着した場合と両面接着テープで成形天井を
接着した場合とを比較すると、最も耳障りな音が発生す
る1kHz付近の周波数で概ね1dB〜2dBの静粛性の改善が見
られる。なお、実験では同種の車両を用い、降雨量が26
mm/hの時のデータを図10(a)に、また、降雨量が32mm/h
の時のデータを図10(b)にまとめた。
着剤や両面接着テープおよび反応型のホットメルト等を
用いた従来の接着方法に比べて接着剤の硬化時間に余裕
があるので、成形天井をルーフに取り付ける際の位置決
め作業や貼り直し作業を余裕をもって行うことができ
る。また、反応型のホットメルト等と違って接着剤の塗
布や搬送および取り付け作業を短時間のうちに完了させ
る必要はなく、これらの作業を高速化するための格別な
周辺装置を必要としない。しかも、感圧型接着剤や両面
接着テープとは違って機械的な圧着力ではなく化学変化
によって接着作業を行うものであるため、成形天井を強
い力でルーフに圧着して接着力を得る必要はなく、作業
者の負担が大幅に軽減される。
年変化による接着性能の劣化がなく、完全硬化後には十
分な機械的強度と弾性および耐候性が確保されるのでル
ーフの全体的な剛性が強化され、しかも、ルーフと成形
天井との間を弾性をもって接着するので、他の接着方法
に比べて雨水の衝突による騒音が軽減されて車両内の静
粛性も向上する。
ボール基材に水分が染み込むこともないので、樹脂製の
成形天井の他、段ボール基材の成形天井の接着にも適す
る。
特に、カーボンを含有しない低粘性のものを使用するよ
うにしているので、接着剤の食み出し等が生じた場合で
あってもカーボン特有の黒い汚れが生じることはなく、
製品価値の向上に役立つ。
によれば、成形天井を搬送する成形天井搬送手段が接着
剤塗布動作のための一軸を兼ねるので、単体のベルトコ
ンベアと多関節型の産業用ロボット等とを組み合わせて
接着剤の塗布作業を行うような場合に比べて設備投資の
コストが軽減され、しかも、塗布パターンの設定は自由
に変更できる構成であるため、様々な形状の成形天井の
接着剤塗布作業に対処することが可能となる。
天井に対するエンドエフェクタの相対移動速度を調整す
ることによって接着剤の塗布量を調整するようにしてい
るので、特別な接着剤供給ポンプを用意しなくても、樹
脂製や段ボール基剤等の材質の違いや成形天井の種別の
違い等に応じて接着剤の塗布量を最適化することができ
る。特に、低粘性の接着剤を採用しているため、エンド
エフェクタの相対移動速度を速くして細いビード径で接
着剤の塗布作業を行うような場合であっても、ビードに
破断を生じることなく安定した塗布作業を実施すること
ができる。
ジから払い出し側ステージに向けて一方向に移動させな
がら3軸同時制御で接着剤塗布作業を行うことができる
ので、成形天井の搬送と接着剤の塗布作業とを同時に実
施することが可能となり、単体のベルトコンベアと多関
節型の産業用ロボット等とを組み合わせて搬送動作と接
着剤の塗布作業とを独立して行わせるような場合に比
べ、接着剤の塗布作業に必要とされる実質的な所要時間
が短縮化される。
さに合わせて払い出し側ステージを配備すると共に、そ
れよりも低い位置に荷受け側ステージ配備するようにし
たので、接着剤の塗布が完了した成形天井の車両内持ち
込みが容易となって作業者の負担が軽減され、接着剤を
塗布する成形天井を荷受け側ステージにセットする時の
載置作業も楽になる。
ージを兼ねる移動領域を成形天井搬送手段のベルト上に
複数設け、この移動領域を1サイクル動作毎に荷受け側
端部と払い出し側端部との間で移動させるようにしたの
で、接着剤の塗布が完了した成形天井を取り出さなくて
も接着剤塗布の対象となる次の成形天井を載置すること
ができ、成形天井のセットや搬送および接着剤塗布に必
要とされる全体的なサイクルタイムが短縮される。
置の構成を簡略化して示す斜視図である。
制御部の要部を示すブロック図である。
正面図である。
平面図である。
右側面図である。
動作の一例を示すフローチャートである。
ある。
ある。
す概念図であり、図9(b)は接着剤塗布パターンの他
の一例を示す概念図である。
剤を用いて成形天井を接着した場合と両面接着テープを
用いて成形天井を接着した場合との雨音の大きさの違い
を示す実験データであり、図10(b)は湿気硬化型一
液ウレタン接着剤を用いて成形天井を接着した場合と両
面接着テープを用いて成形天井を接着した場合との雨音
の大きさの違いを他の周波数について示す実験データで
ある。
ブロック 37 不揮発性RAM 38 補助ステー 39,40,41 センターポール 42 安全柵 43 安全柵 44,45 ステー 46,47 ベルトカバー 48 ステー 49 サーボ回路 50 サーボ回路 51 サーボ回路 52 CPU 53 ROM 54 RAM 55 ハードディスク(不揮発性記憶手段) 56 バス 57 入出力回路 58 制御卓 Mx サーボモータ(X軸) My サーボモータ(Y軸) Mz サーボモータ(Z軸) Px パルスコーダ(X軸) Py パルスコーダ(Y軸) Pz パルスコーダ(Z軸) A 荷受けステージ側載置物検出センサ B 払い出しステージ側載置物検出センサ
Claims (6)
- 【請求項1】 車両のルーフ形状に合わせて形成された
成形天井をルーフの裏側に接着する成形天井接着方法に
おいて、 予め前記成形天井の外面にカーボンを含まない低粘性の
湿気硬化型一液ウレタン接着剤を塗布しておき、この成
形天井を車両に持ち込んでルーフの裏側に押し当てるこ
とによって接着作業を行うようにしたことを特徴とする
成形天井接着方法。 - 【請求項2】 接着剤の塗布対象となる成形天井を載置
するための荷受け側ステージと接着剤を塗布された成形
天井を取り出すための払い出し側ステージとを両端に配
備した成形天井搬送手段と、 前記荷受け側ステージと払い出し側ステージとの間で前
記成形天井搬送手段の上方に位置し、成形天井搬送手段
の送り方向と直行する向きに水平移動する走行子と、 前記走行子に対して上下移動可能に取り付けられた接着
剤塗布用ノズルを有するエンドエフェクタと、 前記エンドエフェクタにカーボンを含まない低粘性の湿
気硬化型一液ウレタン接着剤を供給するための接着剤供
給ポンプと、 前記荷受け側ステージから接着剤塗布開始位置への成形
天井の搬送動作制御、および、前記成形天井搬送手段と
走行子とエンドエフェクタの3軸同時制御による接着剤
塗布動作の制御を設定された塗布パターンに従って実施
する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする成形天井
用接着剤塗布装置。 - 【請求項3】 エンドエフェクタの接着剤塗布用ノズル
からの接着剤の送出量を一定に保ち、前記駆動制御手段
で成形天井に対するエンドエフェクタの相対移動速度を
調整することによって成形天井に対する接着剤の塗布量
を調整するようにしたことを特徴とする請求項2記載の
成形天井用接着剤塗布装置。 - 【請求項4】 接着剤塗布動作制御を実施する間、前記
成形天井搬送手段を荷受け側ステージから払い出し側ス
テージに向けて一方向に移動させるようにしたことを特
徴とする請求項2または請求項3記載の成形天井用接着
剤塗布装置。 - 【請求項5】 成形天井を車両に持ち込むときの高さに
合わせて前記成形天井搬送手段における払い出し側ステ
ージを配備すると共に、前記荷受け側ステージは、払い
出し側ステージの高さよりも低い位置に配備したことを
特徴とする請求項2,請求項3または請求項4記載の成
形天井用接着剤塗布装置。 - 【請求項6】 前記荷受け側ステージと払い出し側ステ
ージとを兼ねる移動領域がベルト式の成形天井搬送手段
のベルト上に送り方向に沿って複数形成され、1方向に
動作する前記成形天井搬送手段の1サイクル動作毎に、
前記移動領域が成形天井搬送手段の荷受け側端部と払い
出し側端部との間をサイクリックに移動するように構成
したことを特徴とする請求項2,請求項3,請求項4また
は請求項5記載の成形天井用接着剤塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00647999A JP3873499B2 (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 成形天井用接着剤塗布装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000203473A true JP2000203473A (ja) | 2000-07-25 |
JP3873499B2 JP3873499B2 (ja) | 2007-01-24 |
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ID=11639621
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