以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るネットワークシステム1は、クライアントPC101,102及び103と、画像形成装置104,105及び106と、メールサーバ107と、を含む。これらの装置は、LAN(Local Area Network)回線等からなるネットワーク108を介して互いに接続され、各種データを相互に送受できる。なお、クライアントPC及び画像形成装置の台数は、それぞれ、図1に示す3台に限定されない。
クライアントPC101,102及び103は、画像形成装置104,105及び106、並びにメールサーバ107を利用するために一般のユーザによって操作される端末装置である。クライアントPC101,102及び103には、図形描画ツール及びワードプロセッサ等のアプリケーションプログラム、並びに、画像データの印刷ジョブ等を実現するためのプリンタドライバがインストールされている。クライアントPC101,102及び103は、上記アプリケーションプログラムを使用するユーザの指示に応じて、文字及び図形等を含む画像を出力するためのアプリケーションデータを作成し、作成したアプリケーションデータをプリンタドライバによってPDL(Page Description Language)データに変換して、画像ファイルとして画像形成装置104,105及び106に対して送信する。
クライアントPC101,102及び103はさらに、メールサーバ107に対し、自己宛ての電子メールの有無を確認し、自己宛ての電子メールがある場合には、メールサーバ107から当該自己宛ての電子メールを受信することができる。
画像形成装置104,105及び106は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、及び電子メール送信機能等を備えるMFP(Multifunction Printer)である。画像形成装置104,105及び106の詳細な構成については、後述する。
メールサーバ107は、ネットワーク108内における電子メールの送受信を行なうためのサーバ装置である。メールサーバ107は、クライアントPC101,102及び103のユーザ宛てに送信される電子メールを記憶し、ユーザの受信要求に応答して、記憶している電子メールを、要求元のクライアントPC101,102又は103に対して送信する。
本実施の形態において、メールサーバ107は、電子メールのデータ量を予め定められる容量(以下、「第1の制限容量」と記す。)に制限する。すなわち、メールサーバ107は、電子メールのデータ量が第1の制限容量を超える場合には、その電子メールを受信しない。
ネットワークシステム1において、画像形成装置104,105又は106は、スキャナ機能により原稿画像に基づいて生成される画像ファイル、又は、クライアントPC101,102又は103から受信する画像ファイルを、電子メール形式に変換し、電子メールに添付してクライアントPC101,102又は103を宛先としてメールサーバ107に対して送信する。メールサーバ107は、受信した電子メールを、クライアントPC101,102及び103毎に記憶する。クライアントPC101,102又は103は、自己宛ての電子メールの有無をメールサーバ107に確認し、自己宛てのメールがある場合には、メールサーバ107から当該自己宛てのメールを受信する。
[画像形成装置104,105及び106]
画像形成装置104,105及び106は、同一の構成を有する。以下、これらを代表して、画像形成装置104の構成及びその動作について説明する。
〈ハードウェア構成〉
図2を参照して、画像形成装置104は、制御部110、操作パネル112、画像読取部114、画像処理部116、画像形成部118、メール生成部120、及び、通信部124を含む。
制御部110は、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)130、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)134、HDD(Hard Disk Drive)136、及びフラッシュメモリ138を含む。CPU130には、バスライン122が接続されており、このバスライン122には、ROM132、RAM134、HDD136、及びフラッシュメモリ138が電気的に接続される。CPU130は、クライアントPC101,102及び103等の外部装置、又は、操作パネル112からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置104の各部の動作及び外部装置との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM132又はHDD136に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM132又はHDD136から読出されてRAM134に転送される。CPU130は、CPU130内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM134内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU130はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM134、HDD136及びCPU130内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
HDD136及びフラッシュメモリ138は、画像データ等の各種データを記憶する。HDD136は、画像形成装置104の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムとともに、後述する画像ファイル分割処理及び分割位置指定処理を実現するためのコンピュータプログラムを記憶する。
バスライン122にはさらに、操作パネル112、画像読取部114、画像処理部116、画像形成部118、メール生成部120、及び、通信部124が、電気的に接続される。
操作パネル112は、液晶ディスプレイからなる表示部140と、各種ハードウェアキー及びタッチパネルからなる操作部142と、を含む。操作パネル112は、液晶ディスプレイとタッチパネルとを重ねて構成される、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。この対話的な操作インターフェイスは、タッチパネルからユーザの指示を受付けて、その指示の内容を液晶ディスプレイに表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部110又は画像処理部116のMPU(Micro Processing Unit)に対して出力する。操作部142は、各種ハードウェアキーとして、電源オン指示及び電源オフ指示を入力するための電源ボタン、並びに、印刷処理及び電子メール送信処理等の各種処理を開始させるためのスタートキー等を含む。
本実施の形態において、画像形成装置104の管理者は、操作パネル112に対する入力操作によって、電子メール送信処理における各種設定を行なうことができる。例えば、管理者は、送信対象の電子メールのデータ量を、予め定められる容量(以下「第2の制限容量」と記す。)に制限するように設定することができる。管理者はさらに、画像ファイルの分割方法を、後述する第1の分割方法及び第2の分割方法のいずれかに設定することができる。管理者はさらに、送信エラーの通知方法を、エラーメッセージを表示する方法及びエラーメッセージを電子メールにて通知する方法のいずれかに設定することができる。
また本実施の形態において、画像形成装置104のユーザは、操作パネル112に対する入力操作によって、後述する特別機能における各種設定を行なうことができる。
画像読取部114は、光源を含む原稿走査ユニット、反射ミラー、光学レンズ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含むスキャナ装置である。原稿走査ユニットは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。)によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源から光を照射することによって反射光像を得る。反射ミラー及び光学レンズは、得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して画像ファイルを生成する。
画像処理部116は、MPU(図示せず。)を含む。画像処理部116は、画像読取部114から入力される画像ファイルに対して、例えば、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を施して所定の階調の印刷データを作成し、画像形成部118に対して出力する。
画像処理部116はさらに、制御部110の指示に従って、画像読取部114から入力される画像ファイル、又は、クライアントPC101,102若しくは103から受信する画像ファイルを、ユーザよって指定される分割位置(区切り位置)で分割する。本実施の形態において、画像処理部116は、以下に示す第1の分割方法及び第2の分割方法のいずれかによって、画像ファイルを分割するものとする。
図3を参照して、例えば、「2.1 設定」という章見出しがページ途中に設けられるページ(以下「分割対象ページ」と記す。)を含む画像ファイル150を、章見出しの直前を分割位置として区切り、第1の画像ファイルと、第2の画像ファイルとに分割するものとする。
第1の分割方法では、分割対象ページが第1の画像ファイルの最終ページ152となり、分割対象ページをコピーしたページが第2の画像ファイルの最初のページ154となるように、画像ファイル150が分割される。第1の分割方法によって画像ファイルが分割される場合、ページ152及び154は、内容が重複する部分を含む。その結果、ユーザは、第1の画像ファイル及び第2の画像ファイルにおける内容の前後関係を容易に把握することができる。
第2の分割方法では、まず、分割対象ページが第1の画像ファイルの最終ページ156となり、分割対象ページをコピーしたページが第2の画像ファイルの最初のページ158となるように、画像ファイル150が分割される。さらに、ページ156において、分割位置(すなわち、章見出しの直前)以降の部分(すなわち、第2章の始まりの部分)が空白データを挿入することによって削除され、ページ158において、分割位置以前の部分(すなわち、第1章の終りの部分)が空白データを挿入することによって削除される。第2の分割方法によって分割される場合、ページ156と、ページ158とは、内容が重複する部分を含まない。その結果、ユーザは、画像ファイルの整理及び保存等をする際に、重複部分を削除するという手間を省くことができる。
画像形成部118は、画像メモリ及び印刷部(以上いずれも図示せず。)を含む。画像メモリは、RAMを含み、印刷データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリは、制御部110等の指示に従って、印刷部に送信するための、画像処理部116から入力される印刷データ、又は、クライアントPC101,102及び103等から送信される印刷データ(画像ファイル)をページ単位で一時的に記憶し、記憶した印刷データを印刷部による画像形成に同期して、印刷部に対して出力する。印刷部は、感光体ドラム、帯電器、LSU(Laser Scanning Unit)、現像装置、転写装置、クリーニング装置及び定着装置(以上いずれも図示せず。)、並びに、画像形成装置104に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを含む。印刷部はさらに、画像形成装置104に着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するためのトレイである。印刷部は、制御部110等の指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリから送信される印刷データに基づく画像を印刷する。
メール生成部120は、制御部110の指示に従って、送信対象の画像ファイルに対して圧縮符号化処理を行なうことで所定の電子メール形式に変換し、変換したデータを電子メールに添付することで、電子メールを生成する。画像ファイルの圧縮符号化処理の形式としては、特に限定されないが、TIFF(Tagged Image File Format)形式等を使用できる。
通信部124は、ネットワーク108とのインターフェイスをとる。画像形成装置104は、この通信部124を介して、ネットワーク108上のクライアントPC101,102及び103、並びに、メールサーバ107と、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なうことができる。例えば、通信部124は、メール生成部120によって作成された電子メールを、例えばTCP(Transmission Control Protocol)コネクション等によって、メールサーバ107に対して送信することができる。
画像形成装置104は、上記した各部を動作させることによって、操作パネル112に対するユーザの入力操作に基づく指示又はクライアントPC101,102及び103等からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、クライアントPC101,102及び103等から送信される印刷データ(画像ファイル)を受信して記録用紙に記録するプリンタモード、原稿画像を読取りクライアントPC101,102及び103等に送信するスキャナモード、並びに、読取った画像ファイル又は受信した画像ファイルを電子メール形式に変換して電子メールに添付してメールサーバ107に送信する電子メール送信モード等の各種のモードのいずれかを実行する。
〈ソフトウェア構成〉
(画像ファイル分割処理)
画像ファイル分割処理を実現するためのコンピュータプログラムは、画像読取部114が電子メール送信対象の画像ファイルを生成することによって、又は、通信部124が電子メール送信対象の画像ファイルを受信することによって、起動される。なお、このプログラムの実行開始時において、表示部140には、画像ファイルの送信態様(例えば、分割位置、ページの削除、及びページの挿入等)を指定するためのイメージ送信画面が表示されているものとする。
図4を参照して、このプログラムは、画像ファイルを読込むステップS101と、表示部140に対し、読込まれた画像ファイルに基づくプレビュー画像をイメージ送信画面に表示させるステップS102と、イメージ送信画面に表示される特別機能キーが押下されるまで待機するステップS103と、を含む。
ここで、特別機能とは、画像ファイルの送信態様を指定するための機能を示す。本実施の形態では、特別機能の下位の機能(サブメニュー)として、削除対象のページを決定するためのページ削除機能、画像ファイルの分割位置を決定するための分割位置指定機能、並びに、挿入対象のページ及び挿入位置を決定するためのページ挿入機能がある。ユーザによって特別機能キーが押下されると、特別機能キーの近傍には、特別機能のサブメニューを選択するための各種キー(ページ削除キー、分割指定キー、及び、ページ挿入キー)を含むウィンドウが表示される。ユーザによってウィンドウに表示される各種キーのいずれかが押下されると、ウィンドウの表示は終了する。
このプログラムはさらに、ステップS103にて、特別機能キーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、上記したウィンドウに表示される分割指定キーが押下されるまで待機するステップS104と、ステップS104にて、分割指定キーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、後述する分割位置指定処理を実行するステップS105と、を含む。
このプログラムはさらに、イメージ送信画面に表示されるスタートキーが押下されるまで待機するステップS106と、ステップS106にて、スタートキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、メール生成部120が、分割された画像ファイル毎に電子メールを生成するステップS107と、を含む。
このプログラムはさらに、生成された電子メールの中に、第2の制限容量を超えているものがあるか否かを判定するステップS108と、ステップS108にて、第2の制限容量を超えているものがないと判定された場合(NOの場合)に実行され、生成された電子メールを、クライアントPC101,102又は103を宛先として、メールサーバ107に送信するステップS109と、を含む。
このプログラムはさらに、ステップS108にて、第2の制限容量を超えているものがあると判定された場合(YESの場合)に実行され、送信対象の電子メールが制限容量を超えていることを示すエラーメッセージを通知するステップS110を含む。
(分割位置指定処理)
図5を参照して、分割位置指定処理を実現するためのコンピュータプログラムは、表示部140に対し、特別機能キーに代えて、分割位置を指定するための分割キー、及び、決定された分割位置を解除するための解除キーを表示させるステップS201と、分割キーが押下されたか否かを判定するステップS202と、を含む。
このプログラムはさらに、ステップS202にて、分割キーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、プレビュー画像上の一部がタッチされたか否かを判定するステップS203と、ステップS203にて、プレビュー画像上の一部がタッチされたと判定された場合(YESの場合)に実行され、タッチされた部分を分割位置として決定するステップS204と、を含む。
このプログラムはさらに、ステップS202にて分割キーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)、又は、ステップS203にてプレビュー画像上の一部がタッチされていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、解除キーが押下されたか否かを判定するステップS205と、ステップS205にて、解除キーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、解除対象の分割位置がタッチされたか否かを判定するステップS206と、ステップS206にて、解除対象の分割位置がタッチされたと判定された場合(YESの場合)に実行され、タッチされた分割位置を、決定された分割位置から解除するステップS207と、を含む。
このプログラムはさらに、ステップS204の処理後、ステップS207の処理後、ステップS205にて解除キーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)、又は、ステップS206にて解除対象の分割位置がタッチされていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、イメージ送信画面に表示される完了キー(後述する完了キー510)が押下されたか否かを判定するステップS208を含む。ステップS208にて、完了キーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS202に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS208にて、完了キーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、表示部140に対し、分割キー及び解除キーに代えて、特別機能キーを表示させるステップS209を含む。
〈動作〉
図1〜図14を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置104は、以下のように動作する。以下の動作を除く、画像形成装置104の一般的な動作は、従来の画像形成装置の動作と同じである。なお、以下の動作において、クライアントPC101及び画像形成装置104は、電源が投入された状態であるものとする。
画像形成装置104の管理者は、電子メール送信処理における各種設定を行なうために、操作パネル112に対する入力操作によって指示を出し、表示部140に、送信設定画面160(図6参照)を表示させる。図6を参照して、管理者は、操作パネル112に対する入力操作によって、送信設定画面160に表示されるチェックボックス162及び164にチェックを入れる。これによって、画像ファイルを分割して送信する処理が選択されるとともに、画像ファイルの分割方法として、前章の残りの部分を空白にする処理、すなわち、上記した第2の分割方法が選択される。なお、管理者によって、チェックボックス162にチェックが入れられ、チェックボックス164のチェックが外される場合には、画像ファイルの分割方法として上記した第1の分割方法が選択される。また、チェックボックス162のチェックが外される場合には、画像ファイルを分割せずに送信する処理が選択される。
管理者はさらに、操作パネル112に対する入力操作によって、チェックボックス166にチェックを入れ、テキストフィールド168に対して「2MB」という文字列を入力し、チェックボックス170のチェックを外す。これによって、送信対象の電子メールのデータ量の容量制限を行なう処理が選択され、第2の制限容量の上限値が2MBになるように設定され、送信エラーの通知方法として、エラーメッセージを表示する方法が選択される。なお、管理者は、第2の制限容量の上限値として、第1の制限容量を超えない値を設定するものとする。管理者によって、チェックボックス170にチェックが入れられる場合には、送信エラーの通知方法として、エラーメッセージを電子メールにて通知する方法が選択される。また、チェックボックス166のチェックが外される場合には、送信対象の電子メールのデータ量の容量制限を行なわない処理が選択される。
上記した各種設定を行なった後、管理者は、操作パネル112に対する入力操作によってOKボタン172を押下する。OKボタン172が押下されると、送信設定画面160の表示は終了し、選択された処理及び方法、並びに、入力された数値が確定して設定に反映される。
画像形成装置104のユーザは、操作パネル112に対する入力操作によって、動作モードをイメージ送信モードに設定する。イメージ送信モードが設定されると、表示部140には、イメージ送信画面が表示される。
ユーザは、自動原稿搬送装置(図示せず。)に複数枚(本実施の形態では、5枚)の原稿を載置し、操作パネル112に対する入力操作によって、送信相手先であるクライアントPC101のメールアドレスを入力した後、操作部142のスタートキーを押下して、スキャンデータの電子メール送信を要求する指示(以下、「スキャンデータ送信指示」と記す。)を出す。
スキャンデータ送信指示がなされると、画像読取部114は、自動原稿搬送装置に載置された5枚の原稿を順に読取り、読取った画像情報を画像ファイルに変換する。図7を参照して、本実施の形態において、作成された画像ファイル200は、5ページ分の文書データ202〜210からなるものとする。
画像読取部114によって電子メール送信対象の画像ファイル200が生成されると、CPU130は、作成された画像ファイル200を読込み(ステップS101)、表示部140は、読込まれた画像ファイル200に基づくプレビュー画像を、イメージ送信画面に表示する(ステップS102)。
図8を参照して、イメージ送信画面300の中央部には、文書データ204〜210に基づく、4ページ分のプレビュー画像304〜310が表示される。本実施の形態では、画面300の中央部に、全ての文書データ202〜210に基づくプレビュー画像を一度に表示しきれない。ユーザは、画面300の右端部及び左端部にそれぞれ表示される波線マーク312,314を押下することによって、表示されるプレビュー画像を変更することができる。例えば、プレビュー画像304〜310が表示される状態で、ユーザによって波線マーク314が押下されると、画面300の中央部には、文書データ202〜208に基づく、4ページ分のプレビュー画像が表示される。画面300には、プレビュー画像304〜310とともに、特別機能キー316、プレビュー画像の確認画面の終了を指示するための完了キー511、及び、電子メールの送信処理の開始を指示するためのスタートキー512が表示される。
ユーザは、表示されたプレビュー画像を確認し、画面300に表示される特別機能キー316を押下する。特別機能キー316が押下されると(ステップS103にてYES)、表示部140は、特別機能キー316の近傍に、ウィンドウ400(図9参照)を表示する。図9を参照して、ウィンドウ400には、特別機能のサブメニューを選択するための、ページ削除キー402、分割指定キー404、及び、ページ挿入キー406が表示される。
ユーザは、画像ファイル200の分割位置を指定するために、分割指定キー404を押下する。分割指定キー404が押下されると(ステップS104にてYES)、ウィンドウ400の表示は終了し、分割位置指定処理が実行される(ステップS105)。
図10を参照して、分割位置指定処理が開始されると、画面300には、特別機能キー316に代えて、分割キー502及び解除キー504が表示される(ステップS201)。分割キー502及び解除キー504が表示されているときの画面300は、ユーザに対して分割位置の指定を行なわせるための画面である。このとき、画面300には、画面300を、プレビュー画像の確認画面に遷移させることを指示するための完了キー510が表示される。ユーザは、分割位置の指定を所望するプレビュー画像308,310が画面300に表示されていない場合には、波線マーク312,314を押下して、プレビュー画像308,310を画面300中央部に表示させた後、分割キー502を押下する。分割キー502が押下されると(ステップS202にてYES)、画像形成装置104は分割モードに移行する。
ユーザは、プレビュー画像308上の一部をタッチする。プレビュー画像308上の一部がタッチされると(ステップS203にてYES)、CPU130は、タッチされた部分を分割位置として決定する(ステップS204)。図11を参照して、分割位置が決定されると、ユーザによってタッチされた部分(この場合、「3.結論」という章見出しの直前の部分)には、決定された分割位置を示すライン506が表示される。
ユーザはさらに、他の分割位置を決定するために、プレビュー画像310上の一部をタッチする。プレビュー画像310上の一部がタッチされると(ステップS203にてYES)、CPU130は、タッチされた部分を分割位置として決定する(ステップS204)。図12を参照して、分割位置が決定されると、ユーザによってタッチされた部分(この場合、第3章の本文の途中の部分)には、決定された分割位置を示すライン508が表示される。
ユーザは、ライン508を確認した後、決定された分割位置の解除を所望し、解除キー504を押下する。解除キー504が押下されると(ステップS205にてYES)、画像形成装置104は解除モードに移行する。
ユーザは、プレビュー画像310におけるライン508の位置をタッチする。ライン508の位置がタッチされると、CPU130は、解除対象の分割位置がタッチされたと判定し(ステップS206にてYES)、タッチされた分割位置を、決定された分割位置から解除する(ステップS207)。図13を参照して、タッチされた分割位置が解除されると、決定された分割位置を示すライン508の表示が終了する(図13の破線の円509の内部参照)。
ユーザは、決定された分割位置(すなわち、ライン506)を確認した後、完了キー510を押下する(図13参照)。完了キー510が押下されると(ステップS208にてYES)、図14に示すように、画面300には、分割キー502及び解除キー504に代えて、特別機能キー316が表示される(ステップS209)。これによって、画面300は、プレビュー画像の確認画面に遷移する。
さらに、画像処理部116は、完了キー510が押下されたことに応答して、上記第2の分割方法に従って、決定された分割位置(すなわち、ライン506の位置)で画像ファイル200を分割する。図14を参照して、画像ファイル200はライン506(図13参照)の位置で分割され、これによって2つの画像ファイル600,602が作成される。画像ファイル600の最終ページである、文書データ208に基づくプレビュー画像604において、分割位置以降の内容(すなわち、第3章の始まりの部分)は、削除されている。画像ファイル602の最初のページである、文書データ208のコピーデータに基づくプレビュー画像606において、分割位置以前の内容(すなわち、第2章の終りの部分)は、削除されている。
画像処理部116によって画像ファイル200が分割されると、画面300中央部には、分割後の画像ファイル600,602に基づくプレビュー画像とともに、画像ファイル600,602の区切り位置を示すマーク514及びライン516が表示される。
ユーザは、画像ファイルの分割位置の決定後、さらに、削除対象のページの決定、又は、挿入対象のページ及び挿入位置の決定を所望する場合には、再度特別機能キー316を押下する。ユーザは、特別機能キー316の押下に応答して表示されるウィンドウ400上のページ削除キー402又はページ挿入キー406を押下して、押下したキーに対応する設定を行なう。対応する設定がなされると、画像処理部116は、設定内容に基づいて画像ファイル200に対して画像処理(ページの削除又はページの挿入)を施す。画面300中央部には、設定内容が反映されたプレビュー画像が表示される。
ユーザは、プレビュー画像を見て設定内容を確認し、スタートキー512を押下する。スタートキー512が押下されると(ステップS106にてYES)、メール生成部120は、分割された画像ファイル600,602毎に電子メールを生成する(ステップS107)。すなわち、メール生成部120は、分割されたファイル600,602をそれぞれ所定の電子メール形式に変換し、変換されたデータがそれぞれ添付された電子メールを生成する。CPU130は、生成された2つの電子メールの中に、第2の制限容量(ここでは、2MB)を超えているものがあるか否かを判定する(ステップS108)。
2つの電子メールの中に、第2の制限容量を超えているものがない場合(ステップS108にてNO)には、CPU130は、2つの電子メールを、クライアントPC101を宛先としてメールサーバ107に送信する(ステップS109)。メールサーバ107は、受信したメールをクライアントPC101に関連付けて記憶する。クライアントPC101は、メールサーバ107に対し、自己宛ての電子メールがあることを確認し、メールサーバ107から当該自己宛ての電子メールを受信する。
2つの電子メールの中に、第2の制限容量を超えているものがある場合(ステップS108にてYES)には、表示部140には、送信対象の電子メールが制限容量を超えていることを示すエラーメッセージが表示される(ステップS110)。
なお、ユーザは、画像ファイル200をページ途中で分割したい場合には、上記したように分割キー502を押下した後に、分割対象のプレビュー画像における所望の部分をタッチすればよいが、画像ファイル200をページ位置で区切って分割したい場合(すなわち、ページの直前(又は直後)で区切りたい場合)には、分割対象のプレビュー画像のページ番号(例えば、「p.4」等)をタッチすればよい。
また、ユーザは、分割位置を指定することなくスタートキー512を押下することによって、画像ファイルを分割しないで送信することもできる。
また、送信エラーの通知方法として、エラーメッセージを電子メールにて通知する方法が設定されている場合には、上記したエラーメッセージを含む電子メールが、電子メール送信指示の送信元であるクライアントPC101を宛先としてメールサーバ107に送信される。メールサーバ107は、受信したメールをクライアントPC101に関連付けて記憶する。クライアントPC101は、メールサーバ107に対し、自己宛ての電子メールがあることを確認し、メールサーバ107から当該自己宛ての電子メールを受信する。
〈作用・効果〉
上記実施の形態によれば、画像形成装置104において、操作パネル112は、送信対象の画像ファイルにおける区切り位置(すなわち、分割位置)を設定するユーザ入力を受付け、画像処理部116は、操作パネル112により設定された区切り位置で画像ファイルを分割し、メール生成部120は、画像処理部116により分割された画像ファイルを送信する。このように、画像ファイルが区切り位置で分割されて送信されるので、送信エラー等の不具合を起こすことなく、画像ファイルの送信を行なうことができる。また、ユーザは、操作パネル112によって所望の区切り位置を設定することができるため、分割後の画像ファイルの内容を確認しやすい。さらに、ユーザがPC上で分割後の画像ファイルの再分割及び合成等をやり直すといった手間を省くことができる。したがって、ユーザの使い勝手が向上する。
また上記実施の形態によれば、画像形成装置104において、表示部140は、送信対象の画像ファイルに基づくプレビュー画像を表示し、操作パネル112は、プレビュー画像上において区切り位置を指定するユーザ入力を受付けることで、画像ファイルにおける区切り位置を設定するユーザ入力を受付ける。これによって、ユーザは、所望の区切り位置をより一層容易に設定することができるため、より一層ユーザの使い勝手が向上する。
また上記実施の形態によれば、表示部140は、画像処理部116が画像ファイルを分割したことに応答して、画像処理部116により分割された画像ファイルに基づくプレビュー画像を表示する。これによって、ユーザは、分割後の画像ファイルの内容を確認することができるため、より一層ユーザの使い勝手が向上する。
また上記実施の形態によれば、画像形成装置104において、CPU130は、画像処理部116により分割された画像ファイルに、予め定められるデータ量を超えているものがあるか否かを判定する。CPU130によって、予め定められるデータ量を超えているものがあると判定された場合には、表示部140がエラーメッセージを表示する、又は、通信部124がエラーメッセージを含む電子メールを送信することによって、エラーの発生が通知される。これによって、ユーザは、分割された画像ファイルが、メールサーバの容量制限等の制限を満たしていないものであることを容易に知ることができる。したがって、送信エラー等の不具合を容易に回避することができる。
また上記実施の形態によれば、画像形成装置104において、画像読取部114は、原稿の画像を読取り、読取った画像情報を送信対象の画像ファイルに変換する。これによって、ユーザは、スキャナ装置等によって読取った画像ファイルにおいても、所望の区切り位置にて分割することが可能になる。したがって、ユーザの使い勝手がさらに向上する。
〈変形例〉
上記実施の形態によれば、ユーザは、決定した分割位置を変更する場合には、決定した分割位置を一旦解除してから再度分割位置の決定を行なう必要があるが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、決定した分割位置をドラッグアンドドロップすることによって、決定した分割位置を変更できるようにしてもよい。
また上記実施の形態において、画像ファイル分割処理の対象となる画像ファイルとして、画像形成装置104の画像読取部114によって読取られた原稿画像に基づくものを使用したが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、クライアントPC101,102及び103等によって作成されるアプリケーションデータに基づいてプリンタドライバによって変換された画像ファイル(PDLデータ)を使用してもよい。
また上記実施の形態では、スキャンデータ送信指示がなされたときに、画像ファイル分割処理が実行されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、コピー処理と同時にスキャンデータの電子メール送信を行なうことを要求する指示がなされたときに、画像ファイル分割処理が実行されてもよい。
また上記実施の形態では、画像形成装置104の管理者が、電子メール送信処理における各種設定を行なったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、ユーザIDにてユーザ認証を行なったユーザが電子メール送信処理における各種設定を行ない、設定内容がユーザID毎に登録されてもよい。
また上記実施の形態によれば、電子メールの中に、第2の制限容量を超えているものがある場合には、電子メール送信処理が実行されなかったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、制限容量を超えた電子メールのみが送信されず、制限容量を超えていない他の電子メールは送信されるようにしてもよい。
また上記実施の形態によれば、画像送信装置として画像形成装置104を例示したが、本発明はそのような実施の形態に限定されず、例えば、スキャナ装置であってもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。