JP5781133B2 - エレベータの乗り場ドア装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エレベータ乗り場の昇降口を開閉するエレベータの乗り場ドア装置に関する。
エレベータの乗り場ドア装置は、乗り場ドアの他に、乗り場ドアを戸開不能にロック(戸閉状態にロック)するインターロック機構を具備している。
従来のインターロック機構の構成について簡単に説明する。
エレベータの昇降口の上側には、固定フックが設けられており、この固定フックは、先端側に係合片を有し、この係合片の係合面は、平面形状を呈している。また、乗り場ドアには、ロックレバーが上下方向(開錠及び施錠方向)へ揺動可能に設けられており、このロックレバーは、先端側に、固定フックの係合片に上方向から係合可能な係合爪を有し、この係合爪の係合面は、平面形状を呈している。そして、インターロック機構は、乗り場ドアを戸閉した時に、ロックレバーの下方向(施錠方向)の揺動動作によってロックレバーの係合爪が前記固定フックの係合片に係合して、乗り場ドアを戸開不能にロックするようになっている。また、インターロック機構は、乗り場ドアの戸開動作を開始する時に、ロックレバーの上方向(開錠方向)の揺動動作によってロックレバーの係合爪と固定フックの係合片との係合状態を解除して、乗り場ドアのロック状態を解除するようになっている。
特開2012−162385号公報
ところで、インターロック機構の動作の信頼性を確保する等の理由により、通常、乗り場ドアを戸開不能にロックした状態において、固定フックの係合片の係合面とロックレバーの係合爪の係合面との間には微小な隙間(例えば、3mm以下の隙間)が形成されている。一方、固定フックの係合片とロックレバーの係合爪との間に異物が挟まる等、何らかの外的要因によって前記隙間が無くなると、固定フックの係合片とロックレバーの係合爪との間に過大なセリ(突っ張り)が発生することがある。このような場合に、ロックレバーの揺動動作が妨げられて、乗り場ドアが戸開しないという故障を招くおそれがある。
本発明は上記事情に鑑み、乗り場ドアを戸開不能にロックした状態において、固定フックの係合片とロックレバーの係合爪との間に過大なセリが発生することがない、新規な構成のエレベータの乗り場ドア装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の実施形態は、エレベータ乗り場の昇降口を開閉するエレベータの乗り場ドア装置において、前記昇降口の上側に戸開閉方向(開閉方向)へ移動可能に懸架された乗り場ドアと、前記乗り場ドアを戸開不能にロック(戸閉状態にロック)するインターロック機構と、を具備し、前記インターロック機構は、前記昇降口の上側に設けられ、一端側(先端側)に係合片を有した固定フックと、前記乗り場ドアに上下方向(開錠及び施錠方向)へ揺動可能に設けられ、先端側に前記固定フックの前記係合片に上方向から係合可能な係合爪を有したロックレバーと、を備え、前記固定フックの前記係合片の係合面又は前記ロックレバーの前記係合爪の係合面のうち少なくともいずれかの係合面が曲面形状を呈していることを特徴とする。
ここで、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「懸架され」とは、直接的に懸架されたことの他に、別部材を介して間接的に懸架されたことを含む意である。更に、「設けられ」とは、直接的に設けられたことの他に、別部材を介して間接的に設けられたことを含む意である。
(a)は図2における矢視部IAの拡大図、(b)は図1(a)におけるIB-IB線に沿った構成図。 図4における矢視部IIの拡大図。 (a)は一対の係合ブレードを第1係合ローラ及び第2係合ローラに係合させる前の様子を示す説明図、(b)は一対の係合ブレードを第1係合ローラ及び第2係合ローラに係合させた様子を示す説明図。 本発明の実施形態に係るエレベータの乗り場ドア装置を昇降路側から見た説明図。
本発明の実施形態について図1から図4を参照して説明する。なお、説明中、左右方向は、エレベータ乗り場側から見た状態を基準にしている。
<エレベータの乗り場ドア装置1の構成>
図2及び図4に示すように、本発明の実施形態に係るエレベータの乗り場ドア装置1は、エレベータ乗り場の昇降口3を開閉する両開き式のドア装置である。
図3に示すように、昇降口3の上側には、左右方向(昇降口3の幅方向)へ延びたヘッダーケース5が設けられており、昇降口3の下側には、左右方向へ延びた敷居7が設けられている。また、ヘッダーケース5と敷居7の間には、上下方向へ延びた一対のバックアングル9L,9Rが左右方向に離隔して設けられている。
ヘッダーケース5には、左右方向へ延びたドアレール11が設けられており、このドアレール11(すなわち、昇降口3の上側)には、一対の乗り場ドア13L,13Rが互いに接近離反する戸開閉方向(左右方向)へ移動可能に懸架されている。また、各乗り場ドア13L,13Rは、上側に、ドアハンガー15L,15Rを有している。更に、各ドアハンガー15L,15Rには、複数のハンガーローラ17L,17Rが水平な軸心周りに回転可能に設けられており、各ハンガーローラ17L,17Rは、ドアレール11に左右方向へ転動可能(移動可能)に支持されている。更に、各乗り場ドア13L,13Rの下面は、複数のガイドシュー19L,19Rが設けられており、各ガイドシュー19L,19Rは、敷居7に左右方向へ摺動可能(移動可能)に支持されている。
ヘッダーケース5におけるドアレール11の上側には、左右方向に離隔した一対のシーブ21L,21Rが水平な軸心周りに回転可能に設けられている。また、一対のシーブ21L,21Rには、無端状のロープ23が巻回して設けられている。更に、一方のドアハンガー15Lは、ロープ23の上側部分に連結具25Lを介して連結されており、他方のドアハンガー15Rは、ロープ23の下側部分に連結具25Rを介して連結されている。そして、一対の乗り場ドア13L,13Rは、乗りかご(図示省略)が昇降口3(昇降口3の着床位置)に着床して停止した際に、乗りかごのかごドア(図示省略)からの駆動力を利用して互いに接近離反する戸開閉方向へ移動するようになっている。
一対の乗り場ドア13L,13Rの間には、一対の乗り場ドア13L,13Rに自閉力を与えるドアクローザ(図示省略)が設けられている。そして、一対の乗り場ドア13L,13Rは、通常時に、ドアクローザからの自閉力によって戸閉状態になっている。
エレベータの乗り場ドア装置1は、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能にロック(戸閉状態にロック)するインターロック機構27を具備している。そして、インターロック機構27の具体的な構成は、次のようになる。
図1(a)(b)及び図2に示すように、ヘッダーケース5における一対のドアハンガー15L,15Rの間には、固定フック29が設けられており、この固定フック29は、一端側(先端側)に、係合片31を有している。また、固定フック29の係合片31の係合面31aは、曲面形状を呈しており、固定フック29の全表面には、テフロン加工が施されている。なお、固定フック29の係合片31の係合面31aのみ又は固定フック29の係合片31の全表面のみにテフロン加工が施されるようにしても構わない。
一方のドアハンガー15Lには、ロックレバー33が揺動軸35を介して上下方向(開錠及び施錠方向)へ揺動可能に設けられており、このロックレバー33は、先端側に、固定フック29の係合片31に上方向から係合可能な係合爪37を有している。また、ロックレバー33の係合爪37の係合面37aは、曲面形状を呈しており、ロックレバー33の係合爪37の全表面には、テフロン加工が施されている。なお、ロックレバー33の係合爪37の係合面37aの曲率半径は、固定フック29の係合片31の係合面31aの曲率半径と同じであるが、異なっていても構わない。また、ロックレバー33の係合爪37の係合面37aのみ又はロックレバー33の全表面にテフロン加工が施されるようにしても構わない。
インターロック機構27は、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸閉した時に、ロックレバー33の下方向(施錠方向)の揺動動作によってロックレバー33の係合爪37が固定フック29の係合片31に係合して、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能(戸開方向へ移動不能)にロックするようになっている。また、インターロック機構27は、一対の乗り場ドア13L,13Rの戸開動作を開始する時に、ロックレバー33の上方向(開錠方向)の揺動動作によってロックレバー33の係合爪37と固定フック29の係合片31との係合状態を解除して、一対の乗り場ドア13L,13Rのロック状態を解除するようになっている。なお、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能にロックした状態において、固定フック29の係合片31の係合面31aとロックレバー33の係合爪37の係合面37aとの間の最小隙間Cは、1.5〜2.0mmに設定されている。
一方のドアハンガー15Lには、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能にロックした状態においてロックレバー33の姿勢を保持するためのストッパ39が設けられている。また、一方のドアハンガー15Lとロックレバー33の基端部の間には、ロックレバー33をストッパ39側へ付勢するスプリング41がブラケット43を介して設けられている。
ロックレバー33の係合爪37には、作動片45が設けられており、固定フック29の他端部には、作動片45との接触によって一対の乗り場ドア13L,13Rを戸閉したことを検出するスイッチ47がブラケット49を介して設けられている。また、スイッチ47は、エレベータの制御装置(図示省略)に接続されており、スイッチ47からの戸閉信号は、エレベータの制御装置に送信されるようになっている。
揺動軸35には、第1係合ローラ51が水平な軸心周りに回転可能に設けられており、換言すれば、ロックレバー33には、第1係合ローラ51が揺動軸35を介して水平な軸心周りに回転可能に設けられている。また、ロックレバー33における第1係合ローラ51の上側には、第2係合ローラ53がローラ軸55を介して水平な軸心周りに回転可能に設けられている。更に、第2係合ローラ53は、ロックレバー33の係合爪37が固定フック29の係合片31に係合させた状態において、第1係合ローラ51よりも僅かに右側(図2において左側)に位置するようになっている(図2及び図3(a)参照)。また、第2係合ローラ53は、ロックレバー33の係合爪37と固定フック29の係合片31との係合状態を解除した時に、第1係合ローラ51と同一鉛直線上に位置するようになっている(図3(b)参照)。
そして、図3(a)(b)に示すように、第1係合ローラ51及び第2係合ローラ53は、乗りかごが昇降口3に着床して停止した際に、一対の乗り場ドア13L,13Rの戸開閉動作及びロックレバー33の揺動動作を行うためのかご係合装置57に係合可能になっている。ここで、かご係合装置57は、かごドアに設けられかつ上下方向へ延びた一対の係合ブレード59L,59Rを備えている。また、一対の係合ブレード59L,59Rは、かごドアの戸開動作の開始直後に、第1係合ローラ51及び第2係合ローラ53に挟持しながら係合して、ロックレバー33をスプリング41の付勢力に抗して上方向へ揺動させるようになっている。更に、一対の係合ブレード59L,59Rは、かごドアの戸閉動作の終了直前に、第1係合ローラ51及び第2係合ローラ53との係合状態を解除するようになっている。
<実施形態の作用及び効果>
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
乗りかごが昇降口3に着床して停止した後に、かごドアの戸開動作を開始すると、一対の係合ブレード59L,59Rを第1係合ローラ51及び第2係合ローラ53に挟持しながら係合して、ロックレバー33をスプリング41の付勢力に抗して上方向へ揺動させる。これにより、ロックレバー33の係合爪37と固定フック29の係合片31との係合状態を解除して、一対の乗り場ドア13L,13Rのロック状態を解除すると共に、かごドアからの駆動力をかご係合装置57を介して一対の乗り場ドア13L,13Rに伝達することができる。
一対の乗り場ドア13L,13Rのロック状態を解除した後に、かごドアの戸開動作を続行することにより、かごドアからの駆動力を利用して一対の乗り場ドア13L,13Rを互いに離反する戸開方向へ連動して移動させる。これにより、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開して、昇降口3を開くことができる。
一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開した後に、かごドアの戸閉動作を行うことにより、かごドアからの駆動力を利用して一対の乗り場ドア13L,13Rを互いに接近する戸閉方向へ連動して移動させる。これにより、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸閉して、昇降口3を閉じることができる。
一対の乗り場ドア13L,13Rを戸閉する直前(かごドアの戸閉動作の終了直前)に、一対の係合ブレード59L,59Rと第1係合ローラ51及び第2係合ローラ53との係合状態を解除して、ロックレバー33をスプリング41の付勢力等によって下方向(施錠方向)へ揺動させる。これにより、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸閉した時に、ロックレバー33の係合爪37が固定フック29の係合片31に係合させて、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能にロックすることができる(エレベータの乗り場ドア装置1の通常の作用)。
前述のように、固定フック29の係合片31の係合面31a及びロックレバー33の係合爪37の係合面37aがそれぞれ曲面形状を呈している。そのため、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能にロックした状態において、固定フック29の係合片31とロックレバー33の係合爪37との間に異物が挟まる等、何らかの外的要因によって、固定フック29の係合片31の係合面31aとロックレバー33の係合爪37と係合面37aの間に隙間が無くなっても、固定フック29の係合片31とロックレバー33の係合爪37との間に過大なセリが発生することがない。
固定フック29の全表面及びロックレバー33の係合爪37の全表面にはテフロン加工がそれぞれ施されているため、固定フック29の係合片31の係合面31a及びロックレバー33の係合爪37の係合面37aの発錆を十分に防止することができる(エレベータの乗り場ドア装置1の特有の作用)。
以上の如き、本発明の実施形態によれば、一対の乗り場ドア13L,13Rを戸開不能にロックした状態において、固定フック29の係合片31とロックレバー33の係合爪37との間に過大なセリが発生することがないため、ロックレバー33の揺動動作の安定性を高めて、エレベータの乗り場ドア装置1の故障を防止することができる。特に、固定フック29の係合片31の係合面31a及びロックレバー33の係合爪37の係合面37aの発錆を十分に防止することができるため、前述の効果をより向上させることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、次のように、適宜の変更を行うことにより、種々の態様で実施可能である。
両開き式のエレベータの乗り場ドア装置1に適用した技術的思想を片開き式のエレベータの乗り場ドア装置(図示省略)に適用しても構わない。また、固定フック29の係合片31の係合面31a及びロックレバー33の係合爪37の係合面37aがそれぞれ曲面形状を呈する代わりに、固定フック29の係合片31の係合面31a又はロックレバー33の係合爪37の係合面37aが曲面形状を呈するようにしても構わない。更に、固定フック29の全表面及びロックレバー33の係合爪37の全表面にはテフロン加工がそれぞれ施される代わりに、固定フック29及びロックレバー33がステンレス等の耐錆性の高い材料により構成されるようにしても構わない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 エレベータの乗り場ドア装置
3 昇降口
5 ヘッダーケース
13L 乗り場ドア
13R 乗り場場ドア
15L ドアハンガー
15R ドアハンガー
27 インターロック機構
29 固定フック
31 係合片
31a 係合面
33 ロックレバー
35 揺動軸
37 係合爪
37a 係合面
39 ストッパ
41 スプリング
45 作動片
47 スイッチ
51 第1係合ローラ
53 第2係合ローラ
55 ローラ軸
57 かご係合装置
59L 係合ブレード
59R 係合ブレード

Claims (3)

  1. エレベータ乗り場の昇降口を開閉するエレベータの乗り場ドア装置において、
    前記昇降口の上側に戸開閉方向へ移動可能に懸架された乗り場ドアと、
    前記乗り場ドアを戸開不能にロックするインターロック機構と、を具備し、
    前記インターロック機構は、
    前記昇降口の上側に設けられ、一端側に係合片を有した固定フックと、
    前記乗り場ドアに上下方向へ揺動可能に設けられ、先端側に前記固定フックの前記係合片に上方向から係合可能な係合爪を有したロックレバーと、を備え、
    前記固定フックの前記係合片の係合面又は前記ロックレバーの前記係合爪の係合面のうち少なくともいずれかの係合面が凸状の曲面形状を呈し、かつ凸状の曲面は上下方向と直交する方向に沿って形成されていることを特徴とするエレベータの乗り場ドア装置。
  2. 前記固定フックの前記係合片の係合面及び前記ロックレバーの前記係合爪の係合面にテフロン加工がそれぞれ施されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗り場ドア装置。
  3. 前記インターロック機構は、前記ロックレバーに設けられた係合ローラを備え、前記係合ローラは、乗りかごが前記昇降口に着床して停止した際に、前記乗りかごのかごドアに設けられかつ前記乗り場ドアの戸開閉動作及び前記ロックレバーの揺動動作を行うためのかご係合装置に係合可能になっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの乗り場ドア装置。
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