JP5781042B2 - 空気調和機の室外機 - Google Patents

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本発明は、冷媒の複数の入口または出口を有する熱交換器が設けられた空気調和機の室外機に関するものである。
従来の空気調和機の室外機において、熱交換を効率的に行うため冷媒の複数の入口または出口を有する熱交換器がある。そして、その熱交換器には、複数の入口部または出口部を形成するパイプ体が接続されている(特許文献1参照)。
このような複数の入口部または出口部を形成するパイプ体において、熱交換器周辺配管の取り回しを容易にし、省スペース化によるユニット小型化を目的とし、またはメインの減圧装置と協働して減圧を担うために、主配管の他に細管が利用されている。
図7は、従来のパイプ体の全体図である。
これらは、主配管18端部を縮管加工することで主配管18と細管17とを直接接続することが可能である。
しかし、複数の主配管18と細管17とを個々に接続すると、熱交換器に取り付けるまでの間のパイプ体搬送中に、または熱交換器への取り付け作業中に、個々の配管が強度の弱い細管17部分で変形してしまう。その結果、位置が決まっている熱交換器側の入口または出口に、このパイプ体をはめ込む作業が非常に難しくなる。
そこで、上記の変形を抑制するため、隣り合う配管同士を側面からロウ付け固定するという方法がある(図7及び特許文献2参照)。
また、上記の変形を抑制するため、隣り合う配管同士をめがね状に形成するという方法がある(特許文献3及び4参照)。
特開2010−096451号公報(たとえば、要約及び図3参照) 特開2012−078021号公報(たとえば、[0044]及び図3〜6参照) 特開昭62−261882号公報(たとえば、2ページ及び図4参照) 特開平10−148450号公報(たとえば、[0030]及び図5参照)
しかし、図7及び特許文献2に記載の方法だと、側面からのロウ付け時の治具精度、ロウ材の量、または作業者の技量によって、ロウのまわり方がバラついてしまい、配管の位置の安定性に欠けるという課題があった。また、ロウのまわり方によってはそのロウにより配管の隙間にポケット形状が形成されてしまう。そのため、そこに水分が入り込むことで、冬場の空気調和機の室外機の運転停止中においては、その水分が凍って膨張し、配管を圧迫して配管に亀裂が入ってしまう。その結果、冷媒漏れを起こすという課題があった。
また、特許文献3及び4に記載の方法だと、最初から配管同士がくっついている形状であるため、片方の配管に何かしら不具合が生じた場合でも両方の配管を交換する必要があり、経済性が悪くなる。また、搬送する際に重かったり、保管する際にかさばって場所を取ったりと、取扱性も悪くなる。
そのため、元から配管同士がくっついていない形状が望ましい。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、冷媒の複数の入口または出口を有する熱交換器が設けられた室外機を備えた空気調和機の室外機において、入口部または出口部を形成するパイプ体の搬送中、または熱交換器への取り付け作業中におけるパイプ体の変形を抑制しつつ、配管の隙間に成長する氷が原因で配管に亀裂が入り、そこから冷媒漏れを起こすという可能性を無くすような空気調和機の室外機を提供することを目的としている。
本発明に係る空気調和機の室外機は、熱交換器と、熱交換器の一端に接続され、冷媒の複数の入口部または複数の出口部を形成するパイプ体と、を有し、パイプ体は、一端が熱交換器と接続される主配管と、主配管よりも径が小さい細管と、一端には主配管を接続するための二つの主配管接続口を有し、他端には細管を接続するための二つの細管接続口を有し、主配管接続口と細管接続口とをつなぐ二本の流路を有するジョイントと、を備え、ジョイントは、その中央部分に流路と略平行方向に平坦な平坦部が形成され、平坦部により二本の流路が互いに交わることなく独立しているものである。
本発明に係る空気調和機の室外機によれば、冷媒の複数の入口または出口を有する熱交換器の入口部または出口部を形成するパイプ体において、パイプ体の搬送中または熱交換器への取り付け作業中におけるパイプ体の変形を抑制することができる。また、配管の隙間に成長する氷が原因で配管に亀裂が入り、そこから冷媒漏れを起こすという可能性を無くすことができる。
本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外機内部を示す斜視図である。 熱交換器に冷媒の複数の入口または出口を持つ一般的な冷媒回路図である。 本発明の実施の形態に係るパイプ体が熱交換器に接続された状態の後方斜視図である。 本発明の実施の形態に係るパイプ体の全体図である。 図4で示すパイプ体における主配管と細管の接続部の拡大概略図である。 図5で示すパイプ体におけるジョイント部の単体図である。 従来のパイプ体の全体図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室外機内部を示す斜視図である。
空気調和機の室外機は、送風機室5と機械室9とから構成されており、両室はセパレータ10によって隔てられている。また、底面のベース12に取り付けられた脚部11によって、支持されている。
機械室9には、圧縮機6、冷媒配管7、及び電気品箱8が収容されている。室内機から送られた冷媒は圧縮機6において圧縮され、冷媒配管7を通って熱交換器1に送られる。また、電気品箱8は各部品への電力供給を行う。
送風機室5には、冷媒の複数の入口または出口を有する熱交換器1と、プロペラファン2が取り付けられたモーター3を保持するモーターサポート4が収容されている。熱交換器1は側面側平面部1a、角部1b、及び背面側平面部1cにより構成されており、送風機室5の側面から機械室9の背面にかけて室外機の一部を囲うように設けられている。そして、プロペラファン2が動作することにより、熱交換器1の側面側平面部1a、角部1b、背面側平面部1cを通過して室外機内に空気が流入し、その空気は、プロペラファン2を通過し室外機の前方に流出する。これにより、例えば冷房運転中においては、熱交換器1内の冷媒は空気によって冷却され、熱交換器1を通過した空気は冷媒と熱交換することで過熱される。
図2は、熱交換器に冷媒の複数の入口または出口を持つ一般的な冷媒回路図である。
図2に示すような冷媒回路において、熱交換器に冷媒の複数の入口または出口があり、この複数の入口部または出口部を形成するパイプ体が熱交換器に接続されている。
図3は、本発明の実施の形態に係るパイプ体が熱交換器に接続された状態の後方斜視図である。
本実施の形態で示すパイプ体13は熱交換器1の一端に接続されており、冷房運転時には熱交換器1の冷媒の出口部として、暖房運転時には入口部として機能する。
図4は、本発明の実施の形態に係るパイプ体の全体図である。(A)はパイプ体を熱交換器の後方側面から見た図、(B)はパイプ体を熱交換器の後方正面から見た図である。
パイプ体13は主に、主配管18と、細管17と、減圧装置側配管23と、ジョイント19と、ディストリビュータ15とから構成されている。
主配管18は一端に熱交換器1と接続される熱交換器接続口14を有し、他端がジョイント19を介して細管17の一端と接続されている。なお、ジョイント19には隣り合う二本の主配管18と隣り合う二本の細管17とが接続されている。また、ジョイント19と主配管18、及びジョイント19と細管17とはロウ付けにて固定されている。
細管17の他端はディストリビュータ15を介して減圧装置側配管23の一端と接続されている。減圧装置側配管23は他端に減圧装置と接続される減圧装置接続口16を有している。なお、本実施の形態では、ディストリビュータ15には四本の細管17と一本の減圧装置側配管23とが接続されている。
パイプ体13が熱交換器1の冷媒の出口部として働く場合は、各熱交換器接続口14から冷媒が流れ込み、細管17を通ってディストリビュータ15で一本に集約された後に、減圧装置接続口16から減圧装置に入る。一方、入口部として働く場合は、減圧装置接続口16から冷媒が流れ込み、ディストリビュータ15で四本の細管17に分配された後に、主配管18を通って熱交換器接続口14から熱交換器1に入る。
ディストリビュータ15を用いる目的は、冷媒を複数(本実施の形態では四本)に均等に分流し、バランスよく熱交換器1に流すことである。また、細管17を用いる目的は、熱交換器1周辺配管の取り回しを容易にし、省スペース化によるユニット小型化に寄与するため、さらには、メインの減圧装置と協働してサブの減圧装置としての役割を持たせるためである。
図5は、図4で示すパイプ体における主配管と細管の接続部の拡大概略図、図6は、図5で示すパイプ体におけるジョイント部の単体図である。
ジョイント19の一端には、主配管18を接続する二つの主配管接続口20を有しており、他端には、細管17を接続する二つの細管接続口21を有している。そして、それら接続口同士を互いにつなぐ二本の略平行な流路を有している。ジョイント19の中央部には、流路と略平行方向に沿って潰れており、平坦な形状となっている、中央潰し平坦部22が形成されているため、その二本の流路は互いに交わることなく独立している。これにより、ディストリビュータ15で均等に分流した冷媒を、そのまま熱交換器1に流入させることができる。
なお、本実施の形態において、ジョイント19は一本の銅管を潰して加工し、形成されている。
また、本実施の形態では、ディストリビュータ15には四本の細管17が接続されているが、他の本数でもよい。
以上のように、隣り合う二本の主配管18同士、及び隣り合う二本の細管17同士をジョイント19に接続して固定することで、側面からの配管のロウ付けが必要ないため配管隙間の氷の成長がなくなり、これによる配管亀裂、冷媒漏れの可能性を無くすことができる。
また、ジョイント19と主配管18、及びジョイント19と細管17とはロウ付けにて固定されているため、主配管18同士、及び細管17同士の動き、変形を抑制することができ、さらに、上述のようなジョイント19の形状により、主配管18同士の位置が決まり精度良く固定される。そのため、パイプ体13の搬送中または熱交換器1への取り付け作業中に、個々の配管が動いたり変形したりすることがなく、形状の精度を高くすることができ、組立性(生産性)を向上させた空気調和機の室外機を得ることができる。空気調和機の室外機の運転中においても、個々の配管が振動することによって、配管同士が互いに接触して音が発生することも防止できる。さらに、冷媒時の分配性が悪くなることもない。
また、元から主配管18同士及び細管17同士がくっついている形状でないため、経済性及び取扱性も悪くならずに済む。
1 熱交換器、1a 側面側平面部、1b 角部、1c 背面側平面部、2 プロペラファン、3 モーター、4 モーターサポート、5 送風機室、6 圧縮機、7 冷媒配管、8 電気品箱、9 機械室、10 セパレータ、11 脚部、12 ベース、13 パイプ体、14 熱交換器接続口、15 ディストリビュータ、16 減圧装置接続口、17 細管、18 主配管、19 ジョイント、20 主配管接続口、21 細管接続口、22 中央潰し平坦部、23 減圧装置側配管。

Claims (2)

  1. 熱交換器と、
    前記熱交換器の一端に接続され、冷媒の複数の入口部または複数の出口部を形成するパイプ体と、を有し、
    前記パイプ体は、
    一端が前記熱交換器と接続される主配管と、
    前記主配管よりも径が小さい細管と、
    一端には前記主配管を接続するための二つの主配管接続口を有し、他端には前記細管を接続するための二つの細管接続口を有し、前記主配管接続口と前記細管接続口とをつなぐ二本の流路を有するジョイントと、を備え
    前記ジョイントは、
    その中央部分に前記流路と略平行方向に平坦な平坦部が形成され、前記平坦部により二本の前記流路が互いに交わることなく独立している
    ことを特徴とする空気調和機の室外機。
  2. 前記ジョイントは、
    一本の銅管を潰して、前記平坦部が形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の空気調和機の室外機。
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